JP6408092B2 - 糞便微生物叢を含む組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、糞便微生物叢を含む組成物、特に腸管急性移植片対宿主病に対する予防又は治療用組成物に関する。
同種造血幹細胞移植(移植)は種々の血液疾患の根治的治療法として広く使用されるが、急性移植片対宿主病(GVHD)は、再発・感染と並ぶ重要な合併症の一つである。このGVHDの初期治療(一次治療)として使用される薬剤は副腎皮質ステロイドホルモン(ステロイド)であるが、効果を認めるのは約半数であり(Blood. 2007;109(10):4119-4126.(非特許文献1)、確立された二次治療は存在しない。
腸内細菌やこれらの代謝物が、腸管の炎症抑制や免疫調整に重要な役割を果たしていることは広く知られているところであるが、近年、便微生物叢移植法(fecal microbiota transplantation: FMT)の可能性が示唆されている(Blood. 2014;124(7):1174-1182.(非特許文献2))。そして、FMTに関して、特表2013-537531号公報(特許文献1)、特表2016-501852号公報(特許文献2)に記載の発明が知られている。
しかしながら、移植片対宿主病(GVHD)とFMTとの関連性は明確ではない。
特表2013-537531号公報 特表2016-501852号公報
Blood. 2007;109(10):4119-4126. Blood. 2014;124(7):1174-1182.
本発明は、特に腸管急性移植片対宿主病に対する予防又は治療用組成物を目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、糞便微生物叢を含む組成物を移植することにより、移植片対宿主病を予防又は治療することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)糞便微生物叢を含む、移植片対宿主病の予防又は治療用組成物。
(2)糞便微生物叢が、糞便又はその処理物に含まれるものである(1)に記載の組成物。
(3)微生物が、ラクトバチルス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、フェカリバクテリウム属、ブラウチア属及びクロストリジウム属からなる群から選ばれるいずれかの属に属する微生物、又はこれらの組み合わせである、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)移植片対宿主病が、腸管急性移植片対宿主病である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の組成物。
(5)移植片対宿主病が、ステロイド抵抗性又はステロイド依存性の移植片対宿主病である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の組成物。
(6)カプセルの形態である、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の組成物。
(7)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の組成物を含む、移植片対宿主病の予防又は治療用カプセル製剤。
(9)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の組成物、又は(7)に記載のカプセル製剤を移植片対宿主病患者に投与することを特徴とする移植片対宿主病の治療方法。
(10)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の組成物、又は(7)に記載のカプセル製剤を造血幹細胞移植の前、後又はその両時期に、当該移植対象患者に投与することを特徴とする、移植片対宿主病の予防方法。
本発明により、腸管急性移植片対宿主病を予防又は治療することが可能となった。
腸内細菌組成と免疫解析結果を示す図である。各パネルは、各症例における腸内細菌組成の経時的変化である。 Case 1(i)、Case 2(ii)、Case 3(iii)、Case 4(iv) 腸内細菌組成と免疫解析結果を示す図である。 パネルi)は、制御性T細胞(Treg)の亜集団を示す。TregはFoxP3とCD45RAの発現強度により3つの亜集団に分類される。FoxP3loCD45RA+ T細胞(fraction 1)はナイーブTreg cellに分類され、これは抗原刺激下でeffector Treg(eTreg)へと分化する。FoxP3hiCD45RA-T細胞(fraction 2)はeTregに分類され、これは最終分化段階の細胞で、強い抑制作用を持つ。FoxP3loCD45RA- T細胞はnon-Treg (fraction 3)に分類され、Tregの特徴とされる抑制作用は持たず、炎症性サイトカインを分泌する。パネルii)は、 各症例における末梢血中のeTregの数値(赤線)とeTreg/CD8+T-cell(effector T細胞)の比(緑線)の動向を示す。 ステロイドの減量効果を示す図である。CRを到達したCase1-3で、最終のFMTから28日目に平均69%のステロイド減量に成功した。 各症例におけるoperational taxonomic unit (OTU)数と多様性指数の経時的変化を示す図である。 A) Case1、B) Case 2、C) Case 3、D) Case4。 各症例における末梢血中のFoxP3+CD4+ T細胞数(赤線)とFoxP3+CD4+ T細胞/ CD8+ T細胞(effector T細胞)の比(青線)を示す図である。 Case 5における治療スケジュール及び経過、並びに腸内細菌叢解析結果を示す図である。 Case 6における治療スケジュール及び経過、並びに腸内細菌叢解析結果を示す図である。 Unifac解析結果を示す図である。 Unifac解析結果を示す図である。 OTU(operational taxonomic unit)数の解析結果を示す図である。 Case 7及びCase 8における治療スケジュール及び経過を示す図である。 Case 9における治療スケジュール及び経過を示す図である。 Case 10及びCase 11における治療スケジュール及び経過を示す図である。 Case 12における治療スケジュール及び経過を示す図である。
本発明は、糞便微生物叢を含む、移植片対宿主病に対する組成物に関する。
なお、本明細書中、略号の内容は以下の通りである。
FMT, fecal microbiota transplantation; mPSL, methylprednisolone; PSL, prednisolone; FK, tacrolimus; TAZ/PIPC, tazobactam/piperacillin; CFPM, cefepime; VCM, vancomycin; ST, sulfamethoxazole/trimethoprim; LVFX, levofloxacin; CAZ, ceftazidime; TEIC, teicoplanin; MEPM, meropenem; Fr, fraction; OTU, operational taxonomic unit;
本発明者は、糞便の腸内細菌叢への介入がGVHDの新たな予防法及び治療法につながるものと考え、GVHDに対して糞便微生物叢移植法(fecal microbiota transplantation: FMT)を試みた。FMT法とは、健常者の便懸濁液を消化管内に投与することで、正常な細菌叢を大量に投与する治療法であり、dysbiosisが疾患に関与するとされる疾患で試みられている治療法である。
糞便微生物叢は、糞便自体、又は糞便の処理物に含まれることから、本発明の組成物として、糞便自体、又は糞便の処理物を使用することができる。糞便の処理物は、採取された糞便を適当な水性液体(例えば生理食塩水、緩衝液等)に懸濁した懸濁液のほか、当該懸濁液を適当なふるい、ガーゼ、フィルターなど(例えば孔径0.1mm〜0.5mm)に通してろ過させたもの、あるいは遠心分離後の沈殿物などが含まれる。さらに、これらの組成物を冷凍庫又は液体窒素により凍結したり、凍結乾燥又は噴霧乾燥などを施したものでもよい。前記水性液体を用いて懸濁液とする場合は、糞便1gあたり1.5〜3.0mlの液体にて懸濁すればよい。懸濁液を作成後、遠心して細菌を抽出し使用する場合には、その菌量1gに対して0.5-0.6mLの液量に再度懸濁する)。
凍結又は凍結乾燥の際には、各種糖(スクロース、フルクトース、ラクトース、マンニトール等)、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)、トレハロース、グリシン、グルコース、デキストラン、エリスリトールなどの凍結保護剤及び/又は凍結乾燥保護剤を添加することもできる。
本発明において、採取された糞便又はその処理物は、糞便採取後又は処理後6〜10時間保存することができる。保存温度は特に限定されるものではないが、冷蔵保存(例えば4℃)であることが好ましい。
このようにして調製した組成物をFMT材料とする。調製されたFMT材料は、使用まで嫌気的条件下(例えば嫌気ユニット、嫌気バッグ等)で保存することが好ましい。この場合も、保存は冷蔵保存(例えば4℃)であることが好ましい。
本発明の組成物には、いわゆる善玉菌として、例えばラクトバチルス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、又はファエカリバクテリウム属に属する微生物、又はこれらの微生物の組み合わせが含まれる。
従って、本発明の組成物を移植すると、上記微生物叢が、例えば大腸菌のほか、コリネバクテリウム属やストレプトコッカス属に属する微生物に対して優位性を占める。
また、本発明の組成物は、例えば、移植を容易にするために、あるいは長期使用可能とするために、任意の粉末、固体又は液体形態とすることができ、これらの粉末、固体又は液体形態をカプセル製剤とすることも可能である。カプセル製剤とすることで、チューブ挿入や大腸ファイバー等による出血などの合併症の回避が可能であり、また実施にあたって患者の負担軽減になるといった利点がある。
さらに、本発明の組成物に、pH安定剤、酸性化剤、防腐剤、ビタミン、ミネラル、栄養サプリメント、プレバイオティクス及びプロバイオティクスから選ばれる少なくとも1つを含めることができる。
本発明においては、患者が別の疾患や感染症を併発することを避けるために、ドナーとなる糞便の選択が重要である。従って、糞便を採取するドナー、及び微生物叢を移植するレシピエントの種類(例えばヒト又は動物)に応じて、ドナーから採取した糞便について、例えばレトロウイルス(例えばヒト免疫不全ウイルス)、肝炎ウイルス(A、B及びC型肝炎ウイルス)、梅毒、サイトメガロウイルス、エプスタイン-バーウイルス及び寄生虫からなる群から選ばれる少なくとも1種の有無についてスクリーニングすることが好ましい。
本発明においては、糞便細菌叢を含む本発明の組成物(未処理又は処理済みの糞便材料)を、異なる個体間で、例えばヒトとヒトの間で、または動物間で移植する。本発明の組成物は、それを採取した個体と同じ個体に戻し移植することも、一の個体から採取した糞便細菌叢を、他の個体に移植することも可能である。
本発明の組成物を使用する対象となる疾患は移植片対宿主病(GVHD)であり、造血幹細胞移植によるGVHDが挙げられる。GVHDとしては、腸管急性GVHDが挙げられるが、これに限定されるものではない。
移植方法は、経口投与であっても非経口投与であってもよく、特に限定されるものではない。例えば、胃十二指腸チューブによる移植、カプセルなどに充填しての内服、大腸ファイバーや高圧浣腸などを用いた大腸内への移植などが挙げられる。
1回の移植の移植量は、液体の場合は150ml〜300mlであり、1日1回行う。レシピエントの状態に応じ、繰り返し行う場合には、4日〜2週毎に計2回〜4回行う。
このようにして、本発明の組成物を、GVHD患者に移植(投与)することで、GVHDを予防又は治療することができる。また本発明の組成物を、造血幹細胞移植の前又は後に、あるいはその両時期に、当該移植対象患者に投与することにより、GVHDを予防することができる。
ここで、「治療」とはGVHDの発症を抑制することができる限り、抑制の程度は限定されるものではない。従って、「治療」には完全緩解(CR)及び部分緩解(PR)のいずれも含まれる。完全緩解(CR)とは、すべてのGVHD症状が改善されたことを意味し、部分緩解(PR)とは、stage1以上の改善が見られたことを意味する。本発明においては、ステロイド抵抗例でPR又はCRを到達した場合に、またステロイド依存例では治療前に比べ40%以上のステロイド減量に成功したときに有効(治療した)とした。
また、「予防」とは、GVHDの発症を事前に抑制すること、既に発生しているGVHDの状態がそれよりも悪化するのを防ぐことのいずれをも意味する。
実施例
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
[対象と方法]
FMTの対象者
ステロイド抵抗性(3例)、又は依存性(1例)の腸管急性GVHD症例4例に対してFMTを実施した(表1)。急性GVHDは腸管以外にも皮膚や肝臓が標的臓器となるが、腸内細菌の基礎研究の多くが腸管局所の免疫についての評価である点や、他臓器と比較して腸管急性GVHDは致死的なGVHDの多くに関与するとされている点から、今回は腸管のみを対象とした。ステロイド抵抗性とは、十分量(プレドにゾロンで患者体重あたり1mg以上)のステロイド治療にもかかわらず、治療開始5日目以降で不変の症例とし、ステロイド依存例とはステロイド治療に一旦は反応するものの、減量に伴い増悪し再増量をせざるを得ない症例(減量困難例)とした。
追加症例のうち、Case 10, 11の対象基準は上記と同じであるが、Case 5-9では、上記に加え、ステロイド治療開始後3日目の腸管急性GVHD増悪例も対象としている。Case12は、難治例であり、ステロイド増量、ステロイドパルス療法、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)のいずれにも無効であった例である。
他の腸管病変を合併している例でも、腸管急性GVHDが下痢の主たる原因と考えられる場合にはエントリー可能とした。
除外基準は以下の通りとした。
1) ステロイド治療に反応するGVHD
2) ステロイドによる一次治療後に増悪するGVHD(この場合罹患臓器を問わない)
3) コントロール不可能な感染症を有する症例
4) 下痢がGVHD以外の原因によると考えられる場合
追加症例のうち、Cae 5-9及び12では、項目2)に関して、腸管急性GVHDの増悪は除外している。
FMTのドナー選択
患者の配偶者、又は2親等以内の親族からドナー候補と選択した
年齢は20-64歳までで、下記のような感染のリスクを有さないものから選択した。
1) 直近3ヶ月以内に新たに入れ墨をしたり、ピアスをあけていないこと
2) 直近3ヶ月以内に新たなパートナーとの***渉がないこと
3) 直近3ヶ月以内に輸血を受けていないこと
4) 直近3ヶ月以内に熱帯地域への渡航歴がないこと
5) 直近1ヶ月以内に抗生剤の使用歴がないこと
6) 悪性疾患や炎症性腸疾患の既往がないこと
7) 当日下痢などの消化器症状がないこと(FMT当日に確認)
上記の項目に問題がなければ、ドナー候補から採血し、また便検査を実施した。採血検査にて、HIV、human T-lymphotropic virus type I (HTLV-1)、A、B、C肝炎、梅毒、cytomegalovirus (CMV)、Epstein-Barr virus (EBV)をチェックし、便検査でparasites、 Clostridium difficile,、Cryptosporidium、Giardia,、Microsporidia、Entamoeba histolytica、Cyclospora、Isospora、Dientamoeba fragilis、Blastocystis hominis、Schistosoma や病原性細菌などをチェックした。CMVとEBVに関しては、患者が既感染パターンである場合、問題なしと判断した。
FMTの方法
FMT実施当日、ドナーから便を採取し、使用まで4℃、嫌気状態で保管した。
患者が胃十二指腸チューブを挿入するタイミングで便の調整を開始した。便の調整は、まず便の重さを測り、量に応じ滅菌生理食塩水200-300mLを加え、均一になるまでよく攪拌した。これを、一度金ふるいで濾し、大きな未消化物を除去した。その後、滅菌ガーゼで2回濾すことにより懸濁液を作成した。双方の準備が整い次第FMTを実施した。
懸濁液を50mLのシリンジに充填し、胃十二指腸チューブより便懸濁液を投与した。投与速度は50mLあたり30秒を超えない速度とした。すべての懸濁液を入れ終わったのち、生理食塩水50mLでチューブ内を洗浄し、チューブを抜去して終了した。
FMTに関連したgrade3以上の副作用が認められない場合、効果を見ながら4-14日の間に1会の追加投与を許可した。この場合、初回と同じドナーから採取することとした。便移植は、ドナーの便採取から12時間以内、可能な限り8時間以内に実施することとした。
腸管GVHDのため、絶食となっている患者に関しては、食物繊維・オリゴ糖などを含むサプリメント(GFO(登録商標):大塚製薬工業)をプレバイオティクスとして、FMT開始前日より摂取させた。また、抗生剤はFMTの前後24時間は可能な限り中止することとした。
安全性は、FMT後一週間以内に新たに発生、又はgrade1以上の悪化を認めたすべての副作用とし、副作用はNational Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTC-AE) version 4.0で評価した。
治療効果に関しては、最終のFMTから4週間後に、またCase 4では経過途中に、リツキシマブ(抗CD20抗体)がEBV再活性化のため使用されたため、この症例に関してはリツキサン投与までの最大反応(maximum response)で評価した。なお、治療効果判定の基準は下記のとおりである。
1)完全緩解(CR): すべての消化管症状の改善
2)部分緩解(PR): stage1以上の改善
3)進行(PG): 進行性の悪化
4)変化なし(NC): 有意な改善なし
FMTは、ステロイド抵抗例でPR又はCRを到達した場合に、ステロイド依存例では治療前に比べ40%以上の減量に成功したときに有効と判断した。
腸内細菌叢の解析(メタ16S解析法)
ドナーの便、作成した便調整液、並びに患者の便(FMT前、各FMT後翌日、最終のFMTから1、2、4週間後)の一部を用い、腸内細菌叢の解析を実施した。
各サンプルから細菌のDNAを抽出した。これを16S rRNA遺伝子の可変領域、V1-V2をカバーするように設計したプライマーを用い、PCR(polymerase chain reaction)により増幅したのちシーケンスを実施した。得られた配列のクオリティチェックを行い、これにパスした配列データ3,000リードを解析に用いた。UCLUSTアルゴリズムを用い96%の相同性を閾値としてoperational taxonomic units (OTUs) clusteringを実施した。また、既存のデータベースと照合することにより菌種の同定を実施した。またα多様性評価に関してはShannon indexを用いた。
免疫解析(flow cytometry法)
患者のFMT前、及び各FMT後からおよそ1週間後に末梢血を採取した。ここから単核球を分離し、flow cytometry法により免疫動態を評価した。評価に用いた抗体は以下の通りである。
Alexa Fluor 700 (AF700)-conjugated anti-CD3 (UCHT1) mAb、V500-conjugated anti-CD4 (RPA-T8) mAb (以上BD Biosciencesより購入)、eFluor780 fixable viability dye (以上Affymetrix eBioscienceより購入)、peridinin-chlorophyll-protein complex-cyanine 5.5 (PerCP-Cy5.5)-conjugated anti-CD194 (CCR4) mAb、Fluorescein isothiocyanate (FITC)-conjugated anti-CD127(IL-7Rα) (A019D5) mAb、Allophycocyanin (APC)-conjugated anti-CD152 (CTLA-4) (L3D10) mAb、Brilliant Violet (BV) 605-conjugated anti-CD197 (CCR7) mAb、BV711-conjugated anti-CD45RA (HI100) mAb、BV785-conjugated anti-CD8 (RPA-T8) mAb、BV421-conjugated anti-CD279 (PD-1) (EH12.2H7) mAb、PE-Cy7-conjugated ant-CD152 (CTLA-4) (L3D10) mAb、PE/Dazzle 594 anti-CD25 (M-A251) mAb (以上BioLegendより購入)。
細胞内のFoxP3の染色は、Foxp3/Transcription Factor Staining Buffer Set (Affymetrix eBioscience)により固定後、R-phycoerythrin (PE)-conjugated anti-FoxP3 (236A/E7) mAb (Affymetrix eBioscience)により実施した。
細胞を染色後、洗浄しLSR Fortessa (BD Biosciences) を用いて検査を実施、FlowJo version 10.0.8 software (FlowJo, Ashland, OR)を用いて解析を行った。
[結果と考察]
対象となった4例はすべて急性骨髄性白血病(AML)の症例であった(表 1)。Case 3は晩期発症の腸管急性GVHDと診断された。初回のFMTは移植後92日目(day92)で実施されており、全例でFMT実施時にメチルプレドニゾロン換算で1mg/kg以上のステロイドが投与されていた。また、何らかの感染症を合併していた(表1)。
FMTに用いた便の中央値は126g (34-307g)で、最終の便調整液の量は180-230mLであった。便調整液は4-8分かけて投与した。便採取からFMT実施までの中央値は6時間であった(表2)。
副作用に関して、FMTに明らかに関与すると考えられたものは、軽度かつ一過性のものであった(表1下線)。Case 4は低酸素血症、発作性心房細動、下部消化管出血、胆汁うっ滞型肝障害など種々の合併症を発症した。しかしながら、消化管出血は下部であり、また心房細動はFMTから4日後に発生していることから、FMTが直接的な原因とは考えにくいと判断した。むしろ、基にある非常に重篤な全身状態(performance statusの悪化、顕著な低アルブミン血症、定期的な輸血を必要とする重度の血球低下症、種々の薬剤使用、EBVの再活性化、など)がこれらの合併症の原因である可能性が高いと考えられた。
なお、Case 4は2回目のFMT後2日目に発熱を認めたが、感染巣は同定されず、抗生剤の変更後一日で解熱している。
以上のことから、FMTは移植直後の免疫が重度に低下した症例でも比較的安全に投与できると考えられた。
治療効果については、3例のCRと1例のPR(max. response)という結果で、全例に反応を認めた。特に、ステロイド抵抗性の症例では症状の改善が数日から1週間程度で認められた。さらに、CRの症例(Case 1-3)ではステロイドは、最終投与から28日目に平均で69%減量が可能であった(図2)。
便細菌叢の変化については図1Aに示す通りである。Case 1はFMT後比較的順調に経過した症例である。Case 1ではFMT前にCorynebacteriumが優勢であったが、FMT後、最終的にはLactobacillusやBacteroidesが優勢となっていた(図1A、パネルi))。Case 2は一回目のFMTの効果は限定的であったが、2回目以降徐々に改善した症例である。Case 2ではFMT前はStreptococcusが優勢であり、これは1回目のFMTでも残存したが、2回目のFMTで消失し、最終的にはLactobacillus、Bacteroides、Bifidobacteriumが優勢となった(図1A、パネルii))。
Case 3はステロイド依存性の症例で、ステロイドの再増量で下痢は改善し、以降寛解を維持できた症例である。Case 3では、FMT前はStaphylococcusが優勢であったが、FMT翌日から便組成が大きく変化し、Bacteroides、Lactobacillus、Bifidobacterium、Faecalibacteriumなどで占められるようになった(図1A、パネルiii))。Case 4は2回のFMT後下痢の量は一旦減少したものの、免疫抑制剤が原因と思われるTransplant-associated thrombotic microangiopathy (TA-TMA)を合併したため、免疫抑制剤を急速減量したところ、結果GVHDが再燃した症例である。Case 4では2回のFMT後Bifidobacteriumがわずかに増加したが、最終的にはEscherichiaが大部分を占めていた(図1A、パネルiv)。
以上の結果から、各症例の腸内細菌組成はFMT後の臨床経過とよく相関すると考えられた。すなわち、FMT前には通常優位となりえない、Corynebacterium、Staphylococcus、Streptococcusなどが大勢を占めていたが、FMT後に下痢が改善すると、Bacteroides、Lactobacillus、Bifidobacterium、Faecalibacteriumといった、通常の優位共生菌やいわゆる善玉菌が増えていた。一方で再燃した症例(Case 4)では、最終的に通常優位となりえないEscherichia属が増えていた。このEscherichiaが増えるという結果は、マウスのGVHDモデルにおける結果とも一致する。OTU数やα多様性は十分に回復しない症例も認められた(図3)。
FMTによる腸管急性GVHDの改善には、完全な多様性回復は不要かもしれない。実際、GVHD発症・非発症にかかわらず、移植患者のほとんどでOTU数は健常者のそれにくらべて非常に少ない。また、本研究の経過中、抗生剤の再開が必要となった症例があったが(Case 1、Case 2)、再開後もGVHDが再燃することなく経過した。嫌気性菌への比較的弱いスペクトラムを持つ抗生剤を使用したことが、嫌気性菌保持に関わり、結果に影響したものと思われる。さらに全例で、併存感染症は増悪することなく経過した。これらのことから、FMTは感染免疫に対しての影響は小さいと考えられた。
制御性T細胞(Treg)は免疫調整に重要な役割を果たし、免疫を抑制する方向に作用する細胞でGVHDでも重要な役割を果たしていると考えらえている。TregはCD45RAとFoxP3の発現強度により3つの亜集団に分類されるが(図1B、パネルi))、この中でも特にCD45RA-FoxP3hiの分画(Fr2)はeffector Treg(eTreg)に分類され、強い抑制作用を持つ。末梢血中のeTregの動向を評価したところ、FMTに効果が見られている期間eTregが増加しているという結果が得られ、eTreg/CD8+T cell比でもほぼ同様の傾向であった(図1B、パネルii))。
同様の結果はCD4+FoxP3+T cell全体に関しても認められた(図4)。この事は、FMTが全身の免疫動向にも影響を与えている可能性を示唆するものである。実際これまでの報告には、腸内細菌と急性GVHD自体との関連性を示すものもあり、本実施例の結果は、当該報告を裏付けるものと考えられた。また、このような事実はFMTが他臓器の(皮膚・肝の)GVHDに対しても有効である事を示唆する結果であった。
以上より、FMTにより腸内細菌の組成が(良い方向に)変化することで、抗炎症的に働きGVHDが治癒する可能性が考えらえた。
[結論]
FMTは移植直後の患者においても実施可能であった。またこれはGVHDの新たな治療・予防戦略の一つとなりうると考えられた。
追加症例の経過及び細菌叢解析
本実施例では、実施例1と同様にして、追加症例の経過及び最近叢解析を行った。
(1)新たに追加となった症例の経過と細菌叢解析の追加データ(図5-8)
Case5: 62歳、女性。急性骨髄性白血病(AML)に対して、臍帯血移植実施後のstage1の腸管急性GVHDに対して、FMTを2回実施した(図5)。2回目のFMT実施後2-3日で便は一旦正常化したが、同時期から***を合併。これを機に再び腸管急性GVHDが悪化した。そのため、骨髄間葉系幹細胞(MSC)による治療を追加したが、改善を認めなかった。FMT前の便はStaphylococcusがほとんどを占めていた。FMTを実施後、細菌組成は大きく変わり、便組成はドナーのそれに近づいた。BacteroidesやParabacteroides、BlautiaやClostridiumなどが増えてきたが、再燃後は再びFMT前の状態に戻っている。Unifrac解析の結果からも、この動向は確認されている(図8)。
Case6: 40歳、女性。急性リンパ性白血病に対しての血縁者間移植後の腸管急性GVHDに対して、FMTを実施。実施後10日目ほどで便は正常化している。移植前は、BacteroidesとParabacteroidesがほとんどを占めていたが、FMT後にはBlautia、Clostridium、Bifidobacterium、Megamonas、Streptococcusなど様々な菌が増えていた。これはドナーの組成に近く、実際、Unifrac解析でも移植後ドナー組成に近づいていることが確認できた(図8)。
実施例1に記載の4例のUnifac解析でも、効果を認めた3例(Case1-3)のうち、case2と3では治療効果を認めた際には、ドナーに近づいていることが確認できた(図7A-D)。また、Case 5および6においても、OTU(operational taxonomic unit)数や多様性は、治療効果を認めている時期には改善していた(Case5: 図9A, Case6: 図9B)。
これらUnifrac解析の結果や多様性の変化については、効果を認めたすべての症例に関して認められるわけではないが、ドナー組成に近づいたり、多様性が改善するという変化、即ち腸内細菌が改善するということが、FMT後多くの症例に認められている。このことは腸内細菌の改善が治療に寄与していることを示唆するものである。Case1では、FMT後はUnifrac解析ではドナー組成からむしろ離れているが、多様性は最終的に改善しており(Shannon index: 1.2→2.4)、炎症のトリガーとなるようなdysbiosisが改善していることを示唆している。
(2)その他の実施症例について
FMTを実施した更なる症例の経過を図10及び11に示す。治療後再燃した症例もあるが、ほとんどの症例でFMT実施後は下痢が改善するなどの効果を認めている。Case7は評価日(最終のFMTから28日目)には不変の判定であったが、その後35日目にはCRを達成している。このことから、FMTはやはり腸管急性GVHDに対して一定の効果があると考えられる。
実施例1に記載の4例、並びに上記(1)で示した症例も含めた症例のまとめを表3に示した。
多くのGVHD二次治療の奏効率が40%-60%程度ということを考えると、この結果は期待できるものである。また効果が持続した症例では比較的短期間に大幅なステロイドの減量に成功しており、長期の免疫抑制による感染リスクの回避にも大いに貢献できると考えられる(表4)。再燃に関しては、我々の臨床試験では、FMTの回数を最大2回までとしていることも影響していると考えている。
(3)他臓器のGVHDにおけるFMT効果
本実施例では、腸管のみを対象としているが、Case10とCase12においては、肝臓についても検討した。その結果、肝臓のGVHDが疑われたが、FMTに伴い改善した。
Case10では、ドナーリンパ球輸注後の腸管GVHDに対してFMTを実施した。FMT実施前後から総ビリルビン(T.Bil)の上昇傾向を認め、2回目のFMTの直前に2.6 mg/dLまで上昇したが、その後正常値まで低下した(図12A)。
Case12は、難治性のGVHDに対して実施した症例で、ステロイドパルス療法や抗胸腺細胞グロブリン(ATG)を実施しても明らかな効果を認めず、FMTを実施した症例である。下痢はFMT後から改善したが、T.Bilはステロイドパルス療法後に一旦改善したものの、その後上昇傾向となり、最大で12.9 mg/dLまで上昇した。しかしながら、それをピークに徐々に低下傾向となり、最終的にT.Bilは7.3 mg/dLまで低下した(図13)。
上記2症例のT.Bil上昇について、薬剤などの他の薬剤は完全には否定できないものの、明らかな被疑薬などもなくGVHDの可能性があると考えらえた。特にCase12ではステロイドパルス療法に一旦反応していることから、GVHDであった可能性が高いと考えている。これらがFMTにより低下傾向となっていることから、FMTの腸管以外の急性GVHDに対する有効性を示唆するものである。
カプセルを用いたFMTの有効性について
本発明者は、これまで実施した経十二指腸的投与以外にも、カプセルを用いたFMTを実施している。Case10及び11がそれに該当するが、カプセルを用いた方法でも十分に効果を認めた(図12)。
カプセルの作製方法及び実施方法は、既報の方法1,2をもとに検討を行い、下記の通りとした。
1) 実施例1と同様に便懸濁液を作製し、これを50mLずつチューブに分けた。
2) 6,000g 15分間で遠沈した。遠心後は、2層のペレットが認められる。下の層は夾雑物を主に含む不溶性のペレットであるが、上層は菌叢主体のペレットであり(一部を取り、グラム染色で確認している)、生理食塩水などで容易に懸濁可能である。上層を回収し、グリセオールを含む生理食塩水で懸濁して細菌の溶液を作製した。グリセオールの最終濃度は10-20%に調整した。
3) 上記2)で作製した溶液を、450μLずつ、#1の耐酸性カプセル(DRcaps(登録商標): Capsgel)に充填して、一個ずつcryotubeに入れたのち、液体窒素内に投入し、急速冷凍した。作製したカプセルは使用するまで-80℃の超低温フリーザーで保管した。
4) 内服の際には、上記のカプセルを、#0のカプセルでさらに包み、二重カプセルとした後に、-20℃の冷凍庫にて保管した。-20℃で1時間程度経過後、内服を行った。
カプセルのFMTが同様に有効であるということは、細菌そのものがGVHD改善に寄与していることを示すものである。
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Claims (5)

  1. ラクトバチルス属に属する微生物、バクテロイデス属に属する微生物及びビフィトバクテリウム属に属する微生物の組み合わせを含む糞便微生物叢を含む、腸管急性移植片対宿主病の予防又は治療用組成物。
  2. ラクトバチルス属に属する微生物、バクテロイデス属に属する微生物、ビフィドバクテリウム属に属する微生物及びファエカリバクテリウム属に属する微生物の組み合わせを含む糞便微生物叢を含む、腸管急性移植片対宿主病の予防又は治療用組成物。
  3. 腸管急性移植片対宿主病が、ステロイド抵抗性又はステロイド依存性の腸管急性移植片対宿主病である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 糞便若しくはその処理物、又はカプセルの形態である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物を含む、腸管急性移植片対宿主病の予防又は治療用カプセル製剤。
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