JP6406676B2 - 不斉水素化および異性化を組み合わせることによって特定の生成物を定量的に得るためのe/z異性体の混合物の使用 - Google Patents

不斉水素化および異性化を組み合わせることによって特定の生成物を定量的に得るためのe/z異性体の混合物の使用 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本発明は、不斉水素化ならびにキラルケトン、アルデヒド、アセタールおよびケタールの合成の分野に関する。
[発明の背景]
キラルケトンおよびアルデヒドは、着香料および香料または医薬品およびビタミンの分野における化合物の合成のための非常に重要な生成物または中間体である。
これらの生成物は、それらの特性を非常に独特なものにする立体中心を有する。
立体炭素中心を生成する1つの可能性は、特に、水素分子の化合物を、好適な出発材料のプロキラルな炭素−炭素二重結合に付加することである。
典型的な化学反応は、主に、前記立体中心において立体異性体の混合を生じ、費用のかかる分離プロセスの使用を必要とする。
したがって、長い間、特定の立体配置をもたらす高度に立体選択的な反応に対する大きな需要があった。
国際公開第2006/066863 A1号パンフレットには、水素化によって形成される立体中心の特定の立体配置を得るためのアルケンの不斉水素化が開示されている。
しかしながら、技術的に、アルケンは、EおよびZ異性体の混合物であることが非常に多い。
アルケンの炭素−炭素二重結合が異性化され得ることは公知である。遷移金属誘導体ならびに硫化物または二硫化物またはモノメルカプタンなどの硫黄化合物が、例えば、独国特許第25 57 837号明細書に記載されるように、ファルネソールを異性化することが公知である。
米国特許第4,028,385号明細書には、ファルネシル酢酸およびエステルの異性化ならびに対応する立体異性体混合物の精留のための、遷移金属触媒ならびに硫化物または二硫化物またはモノメルカプタンなどの有機硫黄化合物が開示されている。
しかしながら、これらの文献中の異性化の開示は、不斉水素化に関してではなかった。
[発明の概要]
したがって、本発明が解決しようとする課題は、水素化によって形成される立体中心において所望の立体配置を有する水素化生成物を得るための、プロキラルな炭素−炭素二重結合を有する不飽和化合物のE/Z異性体の混合物の使用を可能にする方法を提供することである。
意外なことに、この課題は、請求項1に記載の方法によって解決され得ることが示された。
この方法において、異性体の混合物が、使用され得、全ての異性体が、所望の生成物に転化され得る。
特に、アセタールおよびケタールの水素化が、非常に有効であり、不斉水素化に使用されるキラル錯体のはるかにより良好な効率を提供することが示された。
本発明のさらなる態様は、さらなる独立請求項の主題である。特に好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
[発明の詳細な説明]
第1の態様において、本発明は、式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE/Z異性体の混合物から、式(I−A)もしくは(I−B)
Figure 0006406676
(式中、Qが、HまたはCHを表し、mおよびpが、互いに独立して、0〜3の値を表し、ただし、mおよびpの合計が、0〜3であり、波線が、ZまたはE−立体配置のいずれかで炭素−炭素二重結合を有するように、隣接する炭素−炭素二重結合に連結される炭素−炭素結合を表し、s1およびs2によって表される式(I)および(II)の部分構造が、任意の配列であってもよく;
式(I)または(II)中の点線(
Figure 0006406676
)を有する二重結合が、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合のいずれかを表す)
の化合物またはそのアセタールもしくはケタールを製造する方法であって、以下の工程
a1)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE/Z異性体の混合物から、E−立体配置を有する異性体を分離する工程;
および
b1)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのZ−立体配置を有する異性体を、シス/トランス異性化にかけ、異性化生成物を、式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールの異性体の混合物に加える工程;
および
c1)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE−立体配置を有する分離された異性体を、によって示される立体中心においてS−立体配置を有する式(III)のキラルイリジウム錯体の存在下で、水素分子による水素化にかける工程;
または
a2)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE/Z異性体の混合物から、Z−立体配置を有する異性体を分離する工程;
および
b2)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE−立体配置を有する異性体を、シス/トランス異性化にかけ、異性化生成物を、式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールの異性体の混合物に加える工程;
および
c2)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのZ−立体配置を有する分離された異性体を、によって示される立体中心においてR−立体配置を有する式(III);
Figure 0006406676
(式中、
nが、1または2または3、好ましくは、1または2であり;
およびXが、互いに独立して、水素原子、C1〜4−アルキル、C5〜7−シクロアルキル、アダマンチル、フェニル(1〜3つのC1〜5−アルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−パーフルオロアルキル基および/または1〜5つのハロゲン原子で任意選択的に置換される))、ベンジル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−フリルまたはフェロセニルであり;
およびZが、互いに独立して、水素原子、C1〜5−アルキルまたはC1〜5−アルコキシ基であり;
またはZおよびZが、一緒に、5〜6員環を形成する架橋基を表し;
Figure 0006406676
が、特に、ハロゲン化物、PF 、SbF 、テトラ(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート(BAr )、BF 、過フッ素化スルホネート、好ましくは、FC−SO またはF−SO ;ClO 、Al(OC 、Al(OC(CF 、N(SOCF N(SO およびB(C からなる群から選択されるアニオンであり;
が、フェニルまたはo−トリルまたはm−トリルまたはp−トリルまたは式(IVa)もしくは(IVb)もしくは(IVc)
Figure 0006406676
の基のいずれかを表し、
式中、RおよびRが、両方ともHまたはC〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基のいずれかを表すか、またはハロゲン原子でもしくはC〜C−アルキル基でもしくはC〜C−アルコキシ基で任意選択的に置換される6員の脂環式または芳香環を一緒に形成する二価基を表し、
およびRが、両方ともHまたはC〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基のいずれか、またはハロゲン原子でもしくはC〜C−アルキル基でもしくはC〜C−アルコキシ基で任意選択的に置換される6員の脂環式または芳香環を一緒に形成する二価基を表し;
およびRおよびRがそれぞれ、C〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基を表し;
およびR10が、両方ともHまたはC〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基のいずれか、またはハロゲン原子でもしくはC〜C−アルキル基でもしくはC〜C−アルコキシ基で任意選択的に置換される6員の脂環式または芳香環を一緒に形成する二価基を表し;
が、式(III)の錯体の立体中心を表す)
のキラルイリジウム錯体の存在下で、水素分子による水素化にかける工程
のいずれかを含む方法に関する。
mおよびpの合計は、好ましくは、0〜2、特に、0または1である。
「不飽和ケトンまたはアルデヒド」または「不飽和アセタールまたはケタール」という用語は、本明細書全体において、式(I)もしくは(II)の化合物またはその好ましい実施形態に関する。
本明細書中の「互いに独立して」という用語は、置換基、部分、または基に関連して、同じ分子中に、異なる意味を有する同じように示された置換基、部分、または基が、同時に存在し得ることを意味する。
「Cx−y−アルキル」基は、x〜y個の炭素原子を含むアルキル基であり、すなわち、例えば、C1〜3−アルキル基は、1〜3つの炭素原子を含むアルキル基である。アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状であり得る。例えば、−CH(CH)−CH−CHは、C−アルキル基とみなされる。
「Cx−y−アルキレン」基は、x〜y個の炭素原子を含むアルキレン基であり、すなわち、例えば、C〜Cアルキレン基は、2〜6つの炭素原子を含むアルキル基である。アルキレン基は、直鎖状または分枝鎖状であり得る。例えば、基−CH(CH)−CH−は、C−アルキレン基とみなされる。
「フェノールアルコール」は、本明細書において、芳香族基に直接結合されたヒドロキシル基を有するアルコールを意味する。
本明細書において使用される際の「立体中心」という用語は、基のいずれか2つの入れ替えにより立体異性体が生じるように基を担持する原子である。立体異性体は、同じ分子式および結合される原子の配列(構成)を有するが、空間中のそれらの原子の三次元の配向が異なる異性体分子である。
シス/トランス異性体は、二重結合において異なる配向を有する立体配置異性体である。本明細書において、「シス」という用語は、「Z」の代わりに同等に使用され、逆もまた同様であり、また、「トランス」が「E」の代わりに使用され、逆もまた同様である。したがって、例えば、「シス/トランス異性化触媒」という用語は、「E/Z異性化触媒」という用語と同等である。
「E/Z」、「シス/トランス」および「R/S」という用語は、EとZの混合、シスとトランスの混合、およびRとSの混合をそれぞれ示す。
本明細書において、記号または基についての同じ表示が、いくつかの式中に存在する場合、1つの特定の式に関連してなされる前記基または記号の定義は、前記同じ表示を含む他の式にも適用される。
本明細書において、任意の単一点線は、置換基を分子の残りの部分に結合するための結合を表す。
不斉水素化の「アッセイの収率」は、本出願において、水素化にかけられる、不飽和ケトンまたはアルデヒドまたはケタールまたはアセタールの分子の数に対する、完全に飽和したケトンまたはアルデヒドまたはケタールまたはアセタールの分子の数のモル比である。
式(I−A)もしくは(I−B)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールを製造する方法は、出発材料として、式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE/Z異性体の混合物を使用する。
式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールは、プロキラルな炭素−炭素二重結合を有する。
特に好ましいのは、特に、6,10−ジメチルウンデカ−3,5,9−トリエン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−3−エン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−3,5−ジエン−2−オン、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9,13−トリエン−2−オン、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オン、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンおよび(R)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンならびに全てのそれらの可能なE/Z−異性体からなる群から選択される(II)の化合物である。
最も好ましくは、式(I)または(II)の化合物は、3,7−ジメチルオクタ−6−エナール、3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエナール、3,7−ジメチルオクタ−2−エナール、6,10−ジメチルウンデカ−3,5,9−トリエン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−3−エン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−3,5−ジエン−2−オン、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9,13−トリエン−2−オン、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オン、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンおよび(R)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンならびに全てのそれらの可能なE/Z−異性体からなる群から選択される。
最も好ましくは、式(I)または(II)の化合物は、ケトンである。
[アセタール/ケタールの形成]
ケトンからのケタールの形成、またはアルデヒドからのアセタールの形成は、それ自体、当業者に公知である。
式(I)または(II)の化合物のケタールまたはアセタールは、好ましくは、式(I)または(II)の上記の化合物およびアルコールから形成され得る。
アセタールまたはケタールの合成の代替的な経路があることが、当業者に公知である。原理的に、ケタールおよびアセタールはまた、ケトンまたはアルデヒドをオルト−エステルで処理することによって、または例えば、Perio et al.,Tetrahedron Lett.,1997,38(45),7867−7870またはLorette,J.Org.Chem.1960,25,521−525(両方の全内容が、参照により本明細書に援用される)に開示されるものなどのケタール交換(trans−ketalization)によって形成され得る。
好ましくは、ケタールまたはアセタールは、式(I)または(II)の上記の化合物およびアルコールから形成される。
ケタールまたはアセタールの形成に使用されるアルコールは、主に、任意のアルコールであることができ、すなわち、アルコールは、1つまたは複数のヒドロキシル基を含み得る。アルコールは、フェノールアルコールまたは脂肪族もしくは脂環式アルコールであり得る。しかしながら、好ましくは、アルコールは、1つのヒドロキシル基(=モノ)または2つのヒドロキシル基を有する(=ジオール)。
アルコールが1つのヒドロキシル基を有する場合、アルコールは、好ましくは、1〜12個の炭素原子を有するアルコールである。特に、1つのヒドロキシル基を有するアルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、ペンタン−1−オール、3−メチルブタン−1−オール、2−メチルブタン−1−オール、2,2−ジメチルプロパン−1−オール、ペンタン−3−オール、ペンタン−2−オール、3−メチルブタン−2−オール、2−メチルブタン−2−オール、ヘキサン−1−オール、ヘキサン−2−オール、ヘキサン−3−オール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、ならびにヘプタノール、オクタノールおよびハロゲン化C〜C−アルキルアルコールの全ての構造異性体、特に、2,2,2−トリフルオロエタノールからなる群から選択される。特に好適なのは、第一級または第二級アルコールである。好ましくは、第一級アルコールは、1つのヒドロキシル基を有するアルコールとして使用される。特に、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールまたは2,2,2−トリフルオロエタノール、好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールまたは2,2,2−トリフルオロエタノールが、1つのヒドロキシル基を有するアルコールとして使用される。
別の実施形態において、アルコールはジオールである。好ましくは、ジオールは、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−2,3−ジオール、2−メチル−プロパン−1,2−ジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、3−メチルペンタン−2,4−ジオールおよび2−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサノール、ベンゼン−1,2−ジオールおよびシクロヘキサン−1,2−ジオールからなる群から選択される。2つのシクロヘキサン−1,2−ジオールから、好ましい立体異性体は、syn−シクロヘキサン−1,2−ジオール(=シス−シクロヘキサン−1,2−ジオール)である。
2つのヒドロキシル基は、一実施形態において、2つの隣接する炭素原子に結合され、したがって、これらのジオールは、ビシナルジオールである。ビシナルジオールは、ケタールまたはアセタール中に5員環を形成する。
特に好適なのは、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−2,3−ジオール、2−メチルプロパン−1,2−ジオール、ベンゼン−1,2−ジオールおよびsyn−シクロヘキサン−1,2−ジオール、特に、エタン−1,2−ジオールからなる群から選択されるビシナルジオールである。
他の特に好適なものは、ヒドロキシル基が3つの炭素原子によって隔てられ、したがって、ケタールまたはアセタール中に非常に安定した6員環を形成するジオールである。このタイプの特に好適なジオールは、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチルブタン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジオール、1,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、3−メチルペンタン−2,4−ジオールおよび2−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノールである。
好ましくは、第一級アルコールが、ジオールとして使用される。
一実施形態において、式(I)または(II)の化合物のアセタールまたはケタールは、式(I)または(II)の化合物と、アルコール、特に、モノールまたはジオール、好ましくは、ハロゲン化C〜C−アルキルアルコールからなる群から選択されるかまたはエタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−2,3−ジオール、2−メチルプロパン−1,2−ジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、3−メチルペンタン−2,4−ジオールおよび2−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ベンゼン−1,2−ジオールおよびシクロヘキサン−1,2−ジオールからなる群から選択されるアルコールとの反応によって得られる。
アセタールまたはケタールの形成に使用される反応条件および化学量論量は、当業者に公知である。特に、アセタールまたはケタールは、酸の影響下で形成される。
式(I)または(II)の好ましいケタールまたはアセタールは、式(XI)または(XII)
Figure 0006406676
のものである。
式(XI)および(XII)中の基および記号は、本明細書において式(I)および(II)について上述されるのと同じ意味を有する。
およびQが、個々にまたは両方とも、C〜C10アルキル基またはハロゲン化C〜C10アルキル基を表し;
または一緒に、C〜Cアルキレン基またはC〜Cシクロアルキレン基を形成する。
およびQが、特に、直鎖状C〜C10アルキル基またはフッ素化直鎖状C〜C10アルキル基、好ましくは、直鎖状C〜Cアルキル基または−CHCF
または式
Figure 0006406676
(式中、Q、Q、QおよびQが、互いに独立して、水素原子またはメチルもしくはエチル基である)
の基のいずれかを表す。
好ましくは、式(XI)または(XII)のケタールまたはアセタールは、(E)−2−(4,8−ジメチルノナ−3,7−ジエン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、(E)−2,6−ジメチル−10,10−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカ−2,6−ジエン、(E)−2−(4,8−ジメチルノナ−3−エン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、(E)−6,10−ジメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)ウンデカ−5−エン、(E)−2,5,5−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデカ−3−エン−1−イル)−1,3−ジオキサン、(R,E)−2,5,5−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデカ−3−エン−1−イル)−1,3−ジオキサン、(E)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5−エン、(R,E)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5−エン、(Z)−2−(4,8−ジメチルノナ−3,7−ジエン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、(Z)−2,6−ジメチル−10,10−ビス(2,2,2−トリ−フルオロエトキシ)ウンデカ−2,6−ジエン、(Z)−2−(4,8−ジメチルノナ−3−エン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、(Z)−6,10−ジメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカ−5−エン、(Z)−2,5,5−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデカ−3−エン−1−イル)−1,3−ジオキサン、(R,Z)−2,5,5−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデカ−3−エン−1−イル)−1,3−ジオキサン、2,5,5−トリメチル−2−((3E,7E)−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエン−1−イル)−1,3−ジオキサン、(6E,10E)−2,6,10−トリメチル−14,14−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−2,6,10−トリエン、2,5,5−トリメチル−2−((3E,7E)−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7−ジエン−1−イル)−1,3−ジオキサン、(5E,9E)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5,9−ジエン、2,5,5−トリメチル−2−((3Z,7E)−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエン−1−イル)−1,3−ジオキサン、2,5,5−トリメチル−2−((3E,7Z)−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエン−1−イル)−1,3−ジオキサン、2,5,5−トリメチル−2−((3Z,7Z)−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエン−1−イル)−1,3−ジオキサン、(6Z,10E)−2,6,10−トリメチル−14,14−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−2,6,10−トリエン、(6E,10Z)−2,6,10−トリメチル−14,14−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−2,6,10−トリエン、(6Z,10Z)−2,6,10−トリメチル−14,14−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−2,6,10−トリエン、2,5,5−トリメチル−2−((3Z,7E)−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7−ジエン−1−イル)−1,3−ジオキサン、2,5,5−トリメチル−2−((3E,7Z)−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7−ジエン−1−イル)−1,3−ジオキサン、2,5,5−トリメチル−2−((3Z,7Z)−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7−ジエン−1−イル)−1,3−ジオキサン、(5Z,9E)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5,9−ジエン、(5E,9Z)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5,9−ジエン、(5Z,9Z)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5,9−ジエン、(E)−2−(2,6−ジメチル−ヘプタ−1−エン−1−イル)−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン、(E)−3,7−ジメチル−1,1−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)オクタ−2−エン、(E)−3,7−ジメチル−1,1−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)オクタ−2,6−ジエン、(Z)−2−(2,6−ジメチルヘプタ−1−エン−1−イル)−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン、(Z)−3,7−ジメチル−1,1−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)オクタ−2−エン、(Z)−3,7−ジメチル−1,1−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)オクタ−2,6−ジエン、2,6−ジメチル−8,8−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)オクタ−2−エン、(R)−2,6−ジメチル−8,8−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)オクタ−2−エン、2−((1Z,3E)−4,8−ジメチルノナ−1,3,7−トリエン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、2−((1E,3Z)−4,8−ジメチルノナ−1,3,7−トリエン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、2−((1Z,3Z)−4,8−ジメチルノナ−1,3,7−トリエン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、(6Z,8E)−2,6−ジメチル−10,10−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカ−2,6,8−トリエン、(6E,8Z)−2,6−ジメチル−10,10−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカ−2,6,8−トリエン、(6Z,8Z)−2,6−ジメチル−10,10−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカ−2,6,8−トリエン、(Z)−2,5−ジメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデカ−3−エン−1−イル)−1,3−ジオキサン、(R,Z)−2,5−ジメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデカ−3−エン−1−イル)−1,3−ジオキサン、(Z)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5−エン、(R,Z)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5−エンである。
[工程の順序]
本発明の方法は、順序の2つの主な可能性を有する。第1の実施形態において、本方法は、工程a1)およびb1)およびc1):
a1)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE/Z異性体の混合物から、E−立体配置を有する異性体を分離する工程と;
b1)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのZ−異性体を有する異性体を、シス/トランス異性化にかけ、異性化生成物を、式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールの異性体の混合物に加える工程と;
c1)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE−立体配置を有する分離された異性体を、によって示される立体中心においてS−立体配置を有する式(III)のキラルイリジウム錯体の存在下で、水素分子による水素化にかける工程と
を含む。
第2の実施形態において、本方法は、工程a2)およびb2)およびc2):
a2)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE/Z異性体の混合物から、Z−立体配置を有する異性体を分離する工程と;
b2)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE−立体配置を有する異性体を、シス/トランス異性化にかけ、異性化生成物を、式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールの異性体の混合物に加える工程と;
c2)式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのZ−立体配置を有する分離された異性体を、によって示される立体中心においてR−立体配置を有する式(III)のキラルイリジウム錯体の存在下で、水素分子による水素化にかける工程と
を含む。
[分離]
工程a1)およびa2)において、E−立体配置を有するかまたはZ−立体配置を有する異性体が、式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE/Z異性体の混合物から分離される。
工程a1)およびa2)における異性体のこの分離は、様々な方法で行われ得る。第1の可能性は、クロマトグラフィーによる分離である。
分離のさらなる好ましい方法は、工程a1)およびa2)における異性体の分離が、蒸留によって行われることである。分離は、異性体が異なる沸点を有することによって可能である。異性体の熱分解を最小限に抑えるために、減圧下で、および蒸留塔によって蒸留するのが望ましい。
非常に多くの場合、異性体の沸点は、非常に類似しているが、それでもなお、特定の蒸留技術および装置を用いて、所望の異性体の分離または少なくとも富化が可能である。
混合物から分離される異性体の純度を最適化するために、蒸留は、他の異性体の不純物ができる限り少なくなるように、特定の蒸留技術を用いることによって行われる。これはまた、特に、所望の異性体のごく一部、すなわち、最も純粋な留分が、蒸留の際に収集される一方、残りが、蒸留フラスコ中に残され、および純度の低い留分が、さらに蒸留されるかまたは蒸留の残りの部分に加えられて行われる。
E−立体配置を有する異性体の分離ならびにZ−立体配置を有する異性体の分離は、逐次分別蒸留によって、または好適な蒸留技術または装置を用いることによって、行われ得る。例えば、全内容が参照により本明細書に援用される欧州特許出願公開第2 269 998 A2号明細書、特に、図1および3に開示されている技術および装置など、例えば、精留塔の側部引き抜き(side take−off)点および最終的には前記側部引き抜きにおいて収集された材料のさらなる精留を用いることによって。
分離される異性体は、できる限り純粋であるのが好ましく、できる限り少ない他の異性体を含有する。
式(I)または(II)の化合物が、2つ以上のプロキラルな炭素−炭素二重結合を含有する場合、このような化合物は、同じ(「全てZ」または「全てE」)E/Z立体配置を有していてもよく、または異なるE/Z立体配置(例えばEZまたはZE)を有していてもよい。本発明の目的のために、全てのプロキラルな炭素−炭素二重結合においてE−立体配置を有する式(I)または(II)のそれらの異性体のみおよび全てのプロキラルな炭素−炭素二重結合においてZ−立体配置を有する式(I)または(II)のそれらの異性体のみが、工程c1)またはc2)において不斉水素化のために分離されるのが望ましい。同じ分子中に、プロキラルな炭素−炭素二重結合において異なるE/Z立体配置を有する式(I)または(II)の化合物が、工程b1)またはb2)において、前記プロキラルな炭素−炭素二重結合のシス/トランス異性化の工程にかけられるのが好ましい。
[シス/トランス異性化]
工程b1)およびb2)において、異性体は、シス/トランス異性化される。
シス/トランス異性化は、好ましくは、シス/トランス異性化触媒の存在下で行われる。
好ましい実施形態において、蒸留は、シス/トランス異性化触媒の存在下で行われる。
シス/トランス異性化触媒は、炭素炭素二重結合を異性化する触媒である。
本発明の目的のために、前記シス/トランス異性化触媒は、好ましくは、一酸化窒素(NO)または有機硫黄化合物、特に、ポリチオールであることが分かった。
シス/トランス異性化触媒として特に好適なのは、式(X)
Figure 0006406676
(式中、n1が、1〜4、特に、2の整数を表し、
m1が、2〜8、特に、3または4、好ましくは、4の整数を表し;
Aが、28g/mol〜400g/mol、特に、90〜150g/molの分子量の脂肪族m1価炭化水素基を表す)
のポリチオールまたは芳香族ポリチオール、好ましくは、式(X)のポリチオールである。
ポリチオールペンタエリトリトールテトラ(メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(メルカプトアセテート)、グリコールジメルカプトアセテート、ペンタエリトリトールテトラ−(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ−(3−メルカプトプロピオネート)(=2−エチル−2−(((3−メルカプトプロパノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイルビス(3−メルカプトプロパノエート))およびグリコールジ−(3−メルカプトプロピオネート)が、式(X)の非常に好ましいポリチオールであることが示され、全ての上記のポリチオールの好ましいポリチオールである。
芳香族ポリチオールとして特に好ましいのは、4,4’−ジメルカプトビフェニルまたは4,4’−チオジベンゼンチオールである。
シス/トランス異性化触媒としての式(X)のポリチオールの使用は、ポリチオールが、一般に、非常に低い蒸気圧(すなわち高い沸点)を有するため、例えば低沸点の異性体を蒸留しながら、高温で使用可能である点で、非常に有利である。さらに、ポリチオールは、分子量当たり高い密度のチオール官能基を担持し、これは、ごくわずかな触媒を加えるだけで済む点で非常に有利である。
シス/トランス異性化触媒としてのポリチオールの使用は、それらが非常に高速の異性化を可能にするため非常に有利である。
一酸化窒素(NO)は、気体であり、そのままでまたは気体混合物の形態で、特に、少なくとも1種の不活性ガス、特に、窒素と組み合わせて、異性化されるケトンまたはケタールに導入され得る。気体混合物が使用される場合、気体混合物中の一酸化窒素の量は、好ましくは、気体混合物の1〜99重量%、特に、5〜95重量%の範囲である。特に、腐食および毒性を考慮して、気体混合物中の一酸化窒素の量は、好ましくは、気体混合物の10〜60重量%の範囲である。
シス/トランス異性化触媒としての一酸化窒素の使用は、異性化触媒が、異性化されるケトンまたはケタールから非常に容易に除去され得る点で非常に有利である。
一酸化窒素は、好ましくは、大気圧または最高で1MPaの過圧で、ケトンまたはケタールに導入される。過圧は、好ましくは、10〜300kPaになる。
一酸化窒素(NO)または一酸化窒素(NO)と他の気体との混合物が、好ましくは、管によって連続して導入され、異性化されるケトンまたはケタールに通してバブリングされる。
シス/トランス異性化の使用により、シスおよびトランス異性体の熱力学的に平衡した混合物を得るための、純粋なシスまたはトランス異性体または異性体の任意の混合物の変換が可能になる。全体として、これにより、蒸留による所望の異性体の分離および好ましくない異性体(残留異性体)から所望の異性体への変換(異性化)が可能になる。
所望の異性体が、連続して改質され、蒸留によって分離され得るように、蒸留は、シス/トランス異性化触媒の存在下で行われ得る(ワンポット異性化またはインサイチュの異性化)。
さらに、シス/トランス異性化は、別個の容器中で行うことができ、この容器中で、シス/トランス異性化触媒が、蒸留の残りの部分に加えられる。したがって、残留異性体は、シス/トランス異性化触媒によって異性化され、その後、異性体の対応する出発混合物に加えられる。
工程b1)またはb2)におけるシス/トランス異性化の使用は、所望の異性体の高い収率を可能にする。好ましい場合、本質的に全ての望ましくない異性体が、所望の異性体へと全体的に異性化されることが実現され得る。
好ましくは、特に、異性化触媒が一酸化窒素でない場合、より好ましくは、異性化触媒としてのポリチオールの場合、異性化は、20℃より高い温度、特に、20℃と所望の異性体の沸点との間の温度、特に50℃と所望の異性体の沸点との間の温度で行われる。異性化は、周囲圧力または減圧で行われ得る。ワンポット異性化の場合、異性化は、好ましくは、減圧下で行われる。
特に、一酸化窒素がシス/トランス異性化触媒である場合、異性化は、周囲圧力または過圧で行われる。
ポリチオールによる異性化の際、アミド、ピロリドン、スルホン、スルホキシド、イオン性液体、特に、N,N−ジメチルホルミド(DMF)またはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、スルホラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミドなどの極性溶媒の添加が、異性化の促進効果を有することがさらに観察された。
したがって、シス/トランス異性化のプロセスが、極性溶媒、特に、イオン性液体、特に、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、N,N−ジメチルホルミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、スルホランおよびジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群から選択される極性溶媒の存在下で行われるのが好ましい。
シス/トランス異性化のプロセスが、極性溶媒、特に、イオン性液体、特に、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、N,N−ジメチルホルミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群から選択される極性溶媒の存在下で行われるのがより好ましい。
シス/トランス異性化触媒の量は、好ましくは、式(I)または(II)の化合物の量に対して1〜20重量%である。
[不斉水素化]
工程c1)およびc2)において、式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE−立体配置またはZ−立体配置を有する分離された異性体は、式(III)のキラルイリジウム錯体の存在下で、水素分子による水素化にかけられる。
プロキラルな炭素−炭素二重結合においてE−立体配置を有する式(I)または(II)の化合物の異性体が、によって示される立体中心においてS−立体配置を有する式(III)のキラルイリジウム錯体の存在下で、水素分子によって不斉水素化され、R−立体配置を有する立体炭素中心が、水素化された化合物中、すなわち、式(I−A)または(I−B)の化合物中に形成される(工程c1)ことが分かったことを認識することが重要である。
プロキラルな炭素−炭素二重結合においてE−立体配置を有する式(I)または(II)の化合物の異性体が、によって示される立体中心においてS−立体配置を有する式(III)のキラルイリジウム錯体の存在下で、水素分子によって、R−立体異性体、すなわち、式(I−A)または(I−B)の化合物へと不斉水素化される(工程c1)ことが分かったことを認識することが重要である。
プロキラルな炭素−炭素二重結合においてZ−立体配置を有する式(I)または(II)の化合物の異性体が、によって示される立体中心においてR−立体配置を有する式(III)のキラルイリジウム錯体の存在下で、水素分子によって、R−立体異性体、すなわち、式(I−A)または(I−B)の化合物へと不斉水素化される(工程c2)ことがさらに分かった。
式(III)の錯体は、中性であり、すなわち、この錯体は、上述されるように、複合的な式(III’)のカチオンとアニオンYからなる。
Figure 0006406676
当業者は、アニオンおよびカチオンが解離され得ることを認識している。
および/またはXが、好ましくは、水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマントリ、フェニル、ベンジル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、1−ナフチル、ナフチル、2−フリル、フェロセニルまたは1〜5つのハロゲン原子で置換されるフェニル基を表す。
および/またはXが、1〜5つのハロゲン原子で置換されるフェニル基を表す場合、フッ素原子で置換されるフェニル基、すなわち、CF、C、C、CHFまたはCが特に有用である。
および/またはXが、1〜3つのC1〜4−アルキルで置換されるフェニル基を表す場合、メチル基で置換されるフェニル基、特に、オルト−トリルおよびパラ−トリルが特に有用である。
好ましくは、XおよびXが両方とも、同じ置換基を表す。
最も好ましくは、XおよびXが両方とも、フェニルまたはオルト−トリル基である。
上記のR、R、R、R、R、R、RおよびR10の定義において使用されるC〜C−アルキルまたはアルコキシ基が、第一級または第二級、好ましくは、第一級、アルキルまたはアルコキシ基であるのが好ましい。
式(IVa)の特に好適な置換基Rは、9−アントリルまたは1−ナフチル基である。
式(IVb)のさらなる特に好適な置換基Rは、メシチル基である。
式(IVc)のさらなる特に好適な置換基Rは、2−ナフチル基である。
好ましくは、Rが、フェニル(「Ph」と略記される)または式(IV−1)もしくは(IV−2)もしくは(IV−3)、特に、(IV−1)もしくは(IV−3)によって表される。
Figure 0006406676
最も好ましい置換基Rが、9−アントリルまたはフェニルのいずれかであることが分かった。
式(III)の好ましいキラルイリジウム錯体は、式(III−A)、(III−B)、(III−C)、(III−D)、(III−E)および(III−F)の錯体である。
Figure 0006406676
式(III)のキラルイリジウム錯体として最も好ましいのは、式(III−C)および(III−D)および(III−F)の錯体、特に、式(III−C)または(III−F)の錯体である。
式(III)のキラルイリジウム錯体は、全内容が参照により本明細書に援用されるChem.Sci.,2010,1,72−78に詳細に記載されているように、相応に合成され得る。
式(III)のイリジウム錯体はキラルである。アスタリスクによって示される前記キラル中心におけるキラリティは、SまたはRのいずれかであり、すなわち、式(III)のキラル錯体の2つの鏡像異性体(IIIa)および(IIIb)が存在する。
Figure 0006406676
式(III)の錯体の個々の鏡像異性体は、基本的に、ラセミ混合物からの錯体化工程の後に分離され得る。しかしながら、Chem.Sci.,2010,1,72−78に開示されているように、式(III)の錯体の合成は、非ラセミ体(non−racemic)キラルアルコールを必要とする反応を含む。さらなる反応工程が錯体のキラリティを変更しないことが知られているように、その異性体純度(S:R比)が、したがって、前記アルコールの鏡像異性体純度によって左右される。前記対応するアルコールが、99%超または1%未満のR/S比で得られる際、式(III)の錯体は、非常に高い鏡像異性体純度、特に、99%超または1%未満のR/S比で得られる。
キラルイリジウム錯体は、好ましくは、過剰な1つの鏡像異性体中で使用される。
特に、式(III)のキラルイリジウム錯体の個々の鏡像異性体のモル量の比率R:Sが、90超:10または10未満:90、好ましくは、100:0〜98:2または0:100〜2:98の範囲であるのが好ましい。最も好ましいのは、この比率が、約100:0または約0:100であることである。最終的に好ましい比率は、100:0または0:100である。
一実施形態において、によって示される立体中心は、R−立体配置を有する。
別の実施形態において、によって示される立体中心は、S−立体配置を有する。
水素化剤は、水素分子(H)である。
キラルイリジウム錯体の量は、好ましくは、水素化の際、式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールの量を基準にして、0.0001〜5モル%、好ましくは、約0.001〜約2モル%、より好ましくは、約0.001〜約1モル%、最も好ましくは、0.001〜0.1モル%の範囲の量で存在する。
水素化は、物質または不活性担体、特に、不活性溶媒、または不活性溶媒の混合物中で行われ得る。水素化は、好ましくは、物質(純粋)中で行われる。
好ましい好適な溶媒は、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、カーボネート、エーテルおよびハロゲン化アルコールである。
特に好ましい溶媒は、炭化水素、フッ素化アルコールおよびハロゲン化炭化水素、特に、ハロゲン化脂肪族炭化水素である。
炭化水素の好ましい例は、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンおよびベンゼン、特に、トルエンおよびヘプタンである。
好ましいエーテルは、ジアルキルエーテルである。特に有用なエーテルは、8つ未満の炭素原子を有するジアルクリエーテルである。最も好ましいエーテルは、メチルtert.−ブチルエーテル(CH−O−C(CH)である。
好ましいハロゲン化アルコールは、フッ素化アルコールである。特に好ましいフッ素化アルコールは、2,2,2−トリフルオロエタノールである。
ハロゲン化炭化水素の1つの好ましい基は、ハロゲン化芳香族化合物、特に、クロロベンゼンである。
ハロゲン化脂肪族炭化水素の好ましい例は、モノ−またはポリハロゲン化直鎖状または分枝鎖状または環状C〜C15−アルカンである。特に好ましい例は、モノ−またはポリ塩素化または臭素化直鎖状または分枝鎖状または環状C〜C15−アルカンである。より好ましいのは、モノ−またはポリ塩素化直鎖状または分枝鎖状または環状C〜C15−アルカンである。最も好ましいのは、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロホルム、および臭化メチレンである。
水素化のための最も好ましい溶媒は、ジクロロメタンである。
使用される溶媒の量はそれほど重要でない。しかしながら、水素化されるケトンまたはケタールの濃度が、好ましくは、0.05〜1M、特に、0.2〜0.7Mであることが示されている。
水素化反応は、好都合には、約1〜約100バールの水素分子の絶対圧力で、好ましくは、約20〜約75バールの水素分子の絶対圧力で行われる。反応温度は、好都合には、約0〜約100℃、好ましくは、約10〜約60℃である。
反応剤および溶媒の添加の順序は重要でない。
水素化に適した技術および装置は、基本的に、当業者に公知である。
不斉水素化によって、プロキラルな炭素−炭素二重結合が、炭素原子の一方または両方においてキラル立体中心を形成するように水素化される。
[水素化された化合物]
工程c1)およびc2)における不斉水素化の結果として、式(I−A)もしくは(I−B)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールが形成される。
Figure 0006406676
式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールの炭素−炭素二重結合がプロキラルである場合、立体中心が、工程c1)およびc2)において形成される。この立体中心は、R−立体配置を有する。式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールの炭素−炭素二重結合がプロキラルでない場合、立体中心が、工程c1)およびc2)において形成されていない。
式(I−A)および(I−B)の好ましい化合物は、(R)−3,7−ジメチルオクタナール、(R)−6,10−ジメチルウンデカン−2−オンおよび(6R,10R)−6,10,14−トリメチルペンタデカン−2−オンである。
式(I)または(II)の化合物が、ケタールまたはアセタールの形態で不斉水素化された場合、不斉水素化の後、不斉水素化されたケタールまたはアセタールは、好ましくは、式(XV)または(XVI)または(XVII)
Figure 0006406676
で表され、式中、QおよびQおよびQが、式(XI)または(XII)について定義されるとおりである。
特に、式(XV)または(XVI)または(XVII)のケタールまたはアセタールは、式(XVa)、(R)−2−(4,8−ジメチルノニル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、(R)−6,10−ジメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカン、および(6R,10R)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカンからなる群から選択される。
Figure 0006406676
式(XVa)中、QおよびQおよびQが、式(XI)または(XV)について定義されるとおりである。
一実施形態において、式(XI)または(XV)のケタールまたはアセタールは、(R)−1,1−ジメトキシ−3,7−ジメチルオクタン、(R)−1,1−ジエトキシ−3,7−ジメチルオクタン、(R)−3,7−ジメチル−1,1−ジプロポキシオクタン、(R)−1,1−ジブトキシ−3,7−ジメチルオクタン、(R)−1,1−ジイソブトキシ−3,7−ジメチルオクタン、(R)−3,7−ジメチル−1,1−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)オクタン、(R)−2−(2,6−ジメチルヘプチル)−1,3−ジオキソラン、2−((R)−2,6−ジメチルヘプチル)−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−((R)−2,6−ジメチル−ヘプチル)−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−((R)−2,6−ジメチルヘプチル)ヘキサヒドロ−ベンゾ[d][1,3]ジオキソール、(R)−2−(2,6−ジメチルヘプチル)−1,3−ジオキサン、2−((R)−2,6−ジメチルヘプチル)−5−メチル−1,3−ジオキサン、(R)−2−(2,6−ジメチルヘプチル)−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン;(R)−2−(4,8−ジメチルノニル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、(R)−6,10−ジメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカンおよび(6R,10R)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカンからなる群から選択される。
さらなる実施形態において、式(XI)または(XV)のケタールまたはアセタールは、(R)−3,7−ジメチル−1,1−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)オクタン、(R)−2−(2,6−ジメチルヘプチル)−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン;(R)−2−(4,8−ジメチルノニル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン、(R)−6,10−ジメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカンおよび(6R,10R)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカンからなる群から選択される。
キラルイリジウム錯体の存在下における水素分子による式(I)または(II)の化合物、特に、式(III)の化合物の不斉水素化が、既にかなり速く効率的であり、高い転化率ならびに優れた選択性を示す事実にもかかわらず、対応するケトンのケタールまたはアセタールが不斉水素化されるとき、不斉水素化が、さらに改善され得ることが観察された。
本発明の好ましい実施形態において、工程c1)および/または工程c2)における不斉水素化は、有機スルホン酸、有機スルホン酸の遷移金属塩、金属アルコキシド、アルミノオキサン、アルキルアルミノオキサンおよびB(R)(3−v)(OZ)
(式中、vが、0、1、2または3を表し、
Rが、F、C1〜6−アルキル、ハロゲン化C1〜6−アルキル、アリールまたはハロゲン化アリール基を表し;
Zが、C1〜6−アルキル、ハロゲン化C1〜6−アルキル、アリールまたはハロゲン化アリール基を表す)
からなる群から選択される添加剤の存在下で行われる。
特に好適な添加剤は、トリフルオロメタンスルホン酸、アルキルアルミノオキサン、特に、メチルアルミノオキサン、エチルアルミノオキサン、テトラアルコキシチタネート、B(R)(3−v)(OZ);特に、ホウ酸トリイソプロピルおよびトリエチルボランおよび好ましくは、BFエーテレートの形態のBFからなる群から選択される。
有機スルホン酸の遷移金属塩として特に有用なのは、有機スルホン酸のスカンジウム塩、インジウム塩、イットリウム塩およびジルコニウム塩である。
金属アルコキシドは、当業者に公知である。この用語は、特に、周期律表の第4族および第13族の元素のアルコキシドに関する。金属アルコキシドは、明確な構造を形成しないことが多いことも当業者に公知である。特徴的に、金属アルコキシドは、酸素原子によって金属中心に結合されたヒドロカルビル基を有する。金属アルコキシドは、酸素または例えば(多核)アルミニウムオキソアルコキシドなどの酸素含有基によって架橋される異なる金属中心も有し得る。
金属アルコキシドとして特に有用なのは、チタンアルコキシド(アルコキシチタネートとも呼ばれる)ジルコニウムアルコキシド(アルコキシジルコネートとも呼ばれる)またはアルミニウムアルコキシドである。
金属アルコキシドの特に好ましい種類は、J.Chem.Soc.,Dalton Trans.,2002,259−266またはOrganometallics 1993,12,2429−2431に開示されているものなどの多核アルミニウムオキソアルコキシドのタイプのものである。
アルキルアルミノオキサンは、チーグラー・ナッタ型の、オレフィン重合のための共触媒として特に有用な公知の生成物である。アルキルアルミノオキサンは、トリアルキルアルミニウム化合物、特に、トリメチルアルミニウムまたはトリエチルアルミニウムの制御された加水分解によって調製される。加水分解は、例えば、水和金属塩(結晶水を含有する金属塩)によって行われ得る。
好ましくは、添加剤は、トリフルオロメタンスルホン酸、アルキルアルミノオキサン、特に、メチルアルミノオキサン、エチルアルミノオキサン、テトラアルコキシチタネート、B(R)(3−v)(OZ);特に、ホウ酸トリイソプロピルおよびトリエチルボランおよび好ましくは、BFエーテレートの形態のBFからなる群から選択される。
より好ましいのは、トリフルオロメタンスルホン酸、アルキルアルミノオキサン、特に、メチルアルミノオキサン、エチルアルミノオキサン、テトラアルコキシチタネート、B(R)(3−v)(OZ);特に、ホウ酸トリイソプロピルおよびトリエチルボランである。
特に良好な結果が、トリメチルアルミノオキサンおよび2,2,2−トリフルオロエタノールから、またはトリアルキルアルミニウムおよび2,2,2−トリフルオロエタノールから得られた添加剤によって得られた。
キラルイリジウム錯体の存在下における水素分子を用いた不斉水素化の品質および速度が、上記の添加剤が使用されるとき、著しく向上されることが分かった。
最も著しくは、不斉水素化の効率が、上記の添加剤が、式(I)または(II)の化合物の対応するケタールまたはアセタールとともに使用されるとき、最大になることがさらに観察された。
向上した効率は、式(I)または(II)の化合物自体の対応する不斉水素化と比較して、式(I)または(II)の化合物のケタールまたはアセタールの使用および/または特に、フッ素化アルコール、特に、2,2,2−トルフルオロエタノールと組み合わせた上記の添加剤の添加によって、不斉水素化の際に所与の収率および立体特異的水素化を得るためのキラルイリジウム錯体の量が著しく減少され得るという効果を有する。
さらに、式(I)または(II)の化合物のアセタールまたはケタールが、工程c1)および/またはc2)において水素化された場合、水素化されたケタールまたはアセタールは、任意選択の工程e)において、対応するケトンまたはアルデヒドへと、すなわち、式(I−A)または(I−B)の化合物へと加水分解され得る。水素化されたケタールまたはアセタールから対応するケトンまたはアルデヒドへの加水分解および加水分解のための条件は、当業者に公知である。特に好適なのは、酸による加水分解および特に、抽出によるケトンまたはアルデヒドの単離である。
さらなる態様において、本発明は、式(XX−A)
Figure 0006406676
(式中、QおよびQが、式(XI)および(XII)について詳細に上述されるとおりであり、点線(
Figure 0006406676
)を有する二重結合が、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合のいずれかを表す)
のケタールに関する。
さらなる態様において、本発明は、式(XX−B)
Figure 0006406676
(式中、QおよびQが、式(XI)および(XII)について詳細に上述されるとおりであり、波線が、ZまたはE−立体配置のいずれかで炭素−炭素二重結合を有するように、隣接する炭素−炭素二重結合を連結する炭素−炭素結合を表す)
のケタールに関する。
さらなる態様において、本発明は、式(XX−C)
Figure 0006406676
(式中、QおよびQが、式(XI)および(XII)について詳細に上述されるとおりであり、点線(
Figure 0006406676
)を有する二重結合が、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合のいずれかを表し;
波線が、ZまたはE−立体配置のいずれかで炭素−炭素二重結合を有するように、隣接する炭素単結合(
Figure 0006406676
が、
Figure 0006406676
を表す)または隣接する炭素−炭素二重結合(
Figure 0006406676
が、
Figure 0006406676
を表す)のいずれかに連結される炭素−炭素結合を表す)
のアセタールに関する。
さらなる態様において、本発明は、式(XXI−A)または(XXI−B)または(XXI−C)または(XXI−D)
Figure 0006406676
(式中、Qが、HまたはCHを表し、mおよびpが、互いに独立して、0〜3の値を表し、ただし、mおよびpの合計が、0〜3であり、上式中の点線(
Figure 0006406676
)を有する二重結合が、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合のいずれかを表し;
波線が、ZまたはE−立体配置のいずれかで炭素−炭素二重結合を有するように、隣接する炭素単結合(
Figure 0006406676
が、
Figure 0006406676
を表す)または隣接する炭素−炭素二重結合(
Figure 0006406676
が、
Figure 0006406676
を表す)に連結される炭素−炭素結合を表す)
のアセタールに関する。
式(XX−A)、(XX−B)、(XX−C)、(XXI−A)、(XXI−B)、(XXI−C)または(XXI−D)の全てのこれらの化合物が、詳細に上述される式(I−A)もしくは(I−B)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールを製造する方法の非常に興味深い出発材料または生成物であることが示されている、式(I)もしくは(II)の化合物のアセタールもしくはケタールまたは式(I−A)もしくは(I−B)の化合物のアセタールもしくはケトンの部分群である。
さらなる態様において、本発明は、
− 式(XI)または(XII)の少なくとも1つのケタールと、
− 式(III)の少なくとも1つのキラルイリジウム錯体と
を含む組成物に関する。
式(XI)または(XII)のケタールおよび式(III)のキラルイリジウム錯体、それらの比率および同様にそれらの好ましい実施形態、特性および効果は、本明細書において既にかなり詳細に説明されている。
式(I−A)、(I−B)の化合物ならびに特に、式(XX−A)、(XX−B)、(XX−C)、(XXI−A)、(XXI−B)、(XXI−C)または(XXI−D)の化合物ならびに式(XI)または(XII)のケタールと、式(III)のキラルイリジウム錯体とを含む組成物は、トコフェロール、ビタミンK1の合成のための、ならびに着香料および香料または医薬品の分野における組成物の合成のための中間体として使用されるのに興味深い。それらの大部分は、それらを、着香料および香水などの香料の業界の製品中の成分として使用されるのに非常に魅力的なものにもする典型的な香りを有する。
以下の段落において、本発明のある好ましい実施形態が、概略的な図1〜3によってさらに説明される。しかしながら、これは、本発明を、本明細書において図中で説明される実施形態に限定するものと理解されるべきではない。
図1〜3は、式(I)および(II)の化合物の例としての6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンおよび6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オンおよび6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンに関する本発明の方法の一実施形態を概略的に示す。 図1〜3は、式(I)および(II)の化合物の例としての6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンおよび6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オンおよび6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンに関する本発明の方法の一実施形態を概略的に示す。 図1〜3は、式(I)および(II)の化合物の例としての6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンおよび6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オンおよび6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンに関する本発明の方法の一実施形態を概略的に示す。 異性化実験の結果を示す。 異性化実験の結果を示す。 異性化実験の結果を示す。 異性化実験の結果を示す。 異性化実験の結果を示す。
(R−II)などの、図中の括弧内の参照符号は、後述されるように、識別目的のために使用され、本明細書の残りの部分に使用される(II)などの式の表示と混同されるべきではない。
図1a)およびb)において、6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンまたは6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オンのE/Z混合物(E/Z−I)からの、(R)−6,10−ジメチルウンデカン−2−オン(R−II)の合成のための方法が概略的に示される。
図1a)は、第1の経路を示す。E−異性体(E−I)(すなわち、それぞれ(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンまたは(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オン)が、工程a1)において、対応するZ−異性体(Z−I)(すなわち、それぞれ(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オン、または(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オン)から分離され、E/Z異性体の混合物(E/Z−I)から分離される。工程a1)における分離は、好ましくは、カラムにおける蒸留によって行われる。
E−異性体(E−I)は、工程c1)において、式(III)中のによって示される立体中心においてS−立体配置を有する式(IIIa)のキラルイリジウム錯体(S−Ir−錯体)の存在下で、水素分子を用いて不斉水素化される。Z−異性体(Z−I)は、工程b1)において、シス/トランス異性化触媒(c/t−cat)の添加および加熱によって、シス/トランス異性化にかけられる。使用されるのが好ましいシス/トランス異性化触媒は、NOまたは特に、式(X)のポリチオールである。シス/トランス異性化触媒の作用によって、(Z−異性体(Z−I))は、E−異性体およびZ−異性体の混合物(E/Z−I)へと異性化され、それが、工程β)において混合物に加えられ得る。
図1b)は、第2の経路を示す。Z−異性体(Z−I)(すなわち、それぞれ(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンまたは(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オン)が、工程a2)において、対応するE−異性体(E−I)(すなわち、それぞれ(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オン、または(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オン)から分離され、E/Z異性体の混合物(E/Z−I)から分離される。工程a2)における分離は、好ましくは、カラムにおける蒸留によって行われる。
Z−異性体(Z−I)は、工程c2)において、式(III)中のによって示される立体中心においてR−立体配置を有する式(IIIa)のキラルイリジウム錯体(R−Ir−錯体)の存在下で、水素分子を用いて不斉水素化される。E−異性体(E−I)は、工程b2)において、シス/トランス異性化触媒(c/t−cat)の添加および加熱によって、シス/トランス異性化にかけられる。使用されるのが好ましいシス/トランス異性化触媒は、NOまたは特に、式(X)のポリチオールである。シス/トランス異性化触媒の作用によって、(E−異性体(E−I))は、E−異性体およびZ−異性体の混合物(E/Z−I)へと異性化され、それが、工程β)において混合物に加えられ得る。
図1c)において、(Z)−異性体(Z−I)は、工程c2)において、図1b)について上述されるように不斉水素化される。シス/トランス異性化触媒(c/t−cat)が、E−異性体およびZ−異性体の混合物(E/Z−I)に加えられる。工程a2)において、異性体(Z−異性体(Z−I))の分離は、(ワンポット異性化またはインサイチュ異性化)でシス/トランス異性化触媒の存在下で、蒸留によって行われる。Z−異性体が蒸留によって分離されるにつれて、E−異性体を含む高沸点の異性体に富んだ残りの部分が、蒸留容器中で、Z−およびE−異性体の間の熱力学的平衡が連続して形成されるように異性化される。この手順は、望ましくない異性体の全てが、最初にZ−異性体へと転化される異性体混合物中に存在することを可能にし得る。このスキームは、E−異性体が、工程a1)において分離され、工程b1)において異性化され、工程c1)において水素化される異性体であろう場合に同様に適用されるであろう。
図2は、異なる例を概略的に示す。図2は、個々の物質がC5単位によって拡張されることを除いて、図1に相当する。同様に、(R,E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンと(R,Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オン(E/Z−R−III)との混合物(E/Z−R−III)の少なくとも1つの異性体が、工程b1)またはb2)において分離され、工程b1)またはb2)において(6R,10R)−6,10,14−トリメチルペンタデカン−2−オン(R−IV)へと不斉水素化される。
図3)は、水素化プロセスの際のケタールまたはアセタールを用いた好ましい方法を概略的に示す。左側に、工程b1)におけるワンポット異性化およびE/Z異性体の混合物(E/Z−I)からのE−異性体(E−I)(すなわち、(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンまたは(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オンの分離が示される。工程a1)における分離は、好ましくは、カラムにおける蒸留によって行われる。E−異性体(E−I)は、酸の存在下で、アルコール(図3中で、2,2,2−トリフルオロエタノールが示される)を用いることによって、対応するケタールへと、すなわち、E−異性体のケタール(E−IK)へと転化される。E−異性体のケタール(E−IK)は、工程c1)において、式(III)中のによって示される立体中心においてS−立体配置を有する式(IIIa)のキラルイリジウム錯体(S−Ir−錯体)の存在下で、水素分子を用いて不斉水素化される。(R)−6,10−ジメチルウンデカン−2−オンのケタール(R−IIK)は、工程e)において、酸によって、(R)−6,10−ジメチルウンデカン−2−オン(R−II)へと加水分解される。
右側に、第2の変形形態が示される。Z−異性体(E−Z)(すなわち(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンまたは(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オンが、工程a2)においてE/Z異性体の混合物(E/Z−I)から分離され、それは、好ましくは、カラムにおける蒸留によって行われる。蒸留(a2)の残りの部分は、工程b2)においてワンポット異性化によって異性化される。次に、Z−異性体(Z−I)は、酸の存在下で、アルコール(図3中で、2,2,2−トリフルオロエタノールが示される)を用いることによって、対応するケタールへと、すなわち、Z−異性体のケタール(Z−IK))へと転化される。
Z−異性体のケタール(Z−IK)は、工程c2)において、式(III)中のによって示される立体中心においてR−立体配置を有する式(IIIa)のキラルイリジウム錯体(R−Ir−錯体)の存在下で、水素分子を用いて不斉水素化される。(R)−6,10−ジメチルウンデカン−2−オンのケタール(R−IIK)は、工程e)において、酸によって、(R)−6,10−ジメチルウンデカン−2−オン(R−II)へと加水分解される。
[実施例]
本発明が、以下の実験によってさらに例示される。
[分析方法]
[6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オン(DHGA)、(R)−6,10−ジメチルウンデカン−2−オン(THGA)および(R)−6,10,14−トリメチル−ペンタデカ−5−エン−2−オン(R−THFA)のE/Z比および/または純度のGC測定:]
アジレント(Agilent)6850、カラムDB−5HT(30m、0.25mmの直径、0.10μmの膜厚)、107kPaのヘリウムキャリアガス)。試料を、ヘキサン中の溶液として、300:1の分割比、200℃の注入器温度、350℃の検出器温度で注入した。オーブン温度プログラム:100℃(8分間)、10℃/分で200℃まで(1分間)、20℃/分で220℃まで(4分間)、実行時間24分間。
[(6R,10R)−6,10,14−トリメチルペンタデカン−2−オンの純度のGC測定]
アジレント6850、カラムDB−5HT(30m、0.25mmの直径、0.10μmの膜厚)、115kPaのヘリウムキャリアガス)。試料を、ヘキサン中の溶液として、300:1の分割比、200℃の注入器温度、350℃の検出器温度で注入した。オーブン温度プログラム:120℃(5分間)、14℃/分で260℃まで(2分間)、20℃/分で280℃まで(4分間)、実行時間22分間。
[(3RS,7R,11R)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−1−エン−3−オール((R,R)−イソフィトール)の純度のGC測定]
水素炎イオン化検出器(FID)を備えたアジレント6850機器。25psiの水素分子キャリアガスを含むアジレントDB−5カラム(30m、0.32mmの直径、0.25μmの膜厚)。試料を、50:1の分割比でアセトニトリル中の溶液として注入した。注入器温度:250℃、検出器温度:350℃。オーブン温度プログラム:100℃、4℃/分で250℃まで。
[6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オン、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9,13−トリエン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オンおよびケタールのE/Z比および/または純度のGC測定:]
アジレント6850機器、カラムアジレントDB−5(123−5032E、30m×0.32mm、0.25μmの膜)、試料を、アセトニトリル中の溶液として、分割比50:1、注入器250℃、検出器350℃で注入した。オーブン温度プログラム:100℃、4℃/分で250℃まで、合計実行時間37.5分間。
Figure 0006406676
[不斉水素化された反応生成物の分析]
対応するジメチル、エチレングリコール、ネオペンチルおよびビス(トリフルオロエチル)ケタールを、酸水溶液の存在下でケトンへと加水分解し、ケトンについて、以下の方法を用いて、転化率およびそれらの立体異性体比率について分析した。
水素化反応の転化率を、アキラルカラム(achiral column)を用いたガスクロマトグラフィーによって測定した。
[転化方法:]
FIDを備えたアジレント7890A GC。25psiの水素分子キャリアガスを含むアジレントHP−5カラム(30m、0.32mmの直径、0.25μmの膜厚)。試料を、10:1の分割比でジクロロメタン中の溶液として注入した。注入器温度:250℃、検出器温度:300℃。オーブン温度プログラム:50℃(2分間)、次に、15℃/分で300℃まで、5分間保持。
A.Knierzinger,W.Walther,B.Weber,R.K.Mueller,T.Netscher,Helv.Chim.Acta 1990,73,1087−1107に記載されるように、異性体比率の測定のために、水素化されたケトンは、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル[Si(CH(OSOCF)]の存在下で、(+)−ジイソプロピル−O,O’−ビス(トリメチルシリル)−L−タートレートまたは(−)−ジイソプロピル−O,O’−ビス(トリメチルシリル)−D−タートレートのいずれかと反応されて、ジアステレオマーケタールが形成され得る。ケタールは、異性体比率を測定するために、アキラルカラムを用いたガスクロマトグラフィーによって分析され得る。水素化されたケトン6,10−ジメチルウンデカン−2−オンのために、D−(−)−またはL−(+)−ジイソプロピルタートレートのいずれかが使用され得る。6,10,14−トリメチルペンタデカン−2−オンのために、L−(+)−ジイソプロピルタートレートが、存在する(6R,10R)−異性体の量を測定するのに使用され得る。D−(−)−ジイソプロピルタートレートが、(6S,10S)−異性体の量を測定するのに使用され得る。したがって、立体選択的水素化の選択性が、間接的に測定され得る。
[異性体の測定方法:]
FIDを備えたアジレント6890N GC。16psiの水素分子キャリアガスを含むFAMEカラム(60m、0.25mmの直径、0.20μmの膜厚)用のアジレントCP−Sil88。試料を、5:1の分割比で酢酸エチル中の溶液として注入した。注入器温度:250℃、FID検出器温度:250℃。オーブン温度プログラム:165℃(等温、240分間)。
以下の実験において示されるIr錯体は、Chem.Sci.,2010,1,72−78の開示にしたがって調製される。
[実験E1−1:6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンのE/Z異性体混合物の分離(工程a1/a2)]
7.02kgの6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンを、独国特許第1 193 490号明細書の実施例10にしたがって調製し、上に示されるGC方法によって分析したところ、(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンおよび(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンの57%/43%の混合物(99%の純度)であった。
混合物を、流下膜式蒸発器を備えた蒸留器(still)(体積:9リットル)、精留塔(70mmの内径、高さ5m)からなる分離装置を用いて蒸留した。カラムは、非常に効率的な構造充填物(Sulzer)を備えていた。混合物を、約5ミリバールの塔頂圧および105〜112℃の範囲の塔頂温度および約125℃の蒸留器中の塔底温度で精留した。還流比を20に調整した。
(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンを含有する留分(Z−異性体の含量=99%、E−異性体<1%)ならびに(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンを含有する留分(E−異性体の含量97%、Z−異性体<3%)を収集した。最後に、(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オン(E−異性体の含量=99.5%、Z−異性体=0.5%)が、蒸留器中に残ったことが分かった。
[実験E1−2:6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンの不斉水素化(工程c1/c2)]
異性体(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オン(「E−DHGA」)(E/Z=99.5/0.5)および(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オン(「Z−DHGA」)(Z/E=99/1)の両方を、以下の方法で、不斉水素化し、互いに分離した。
2Lのオートクレーブに、70g(0.353mol)の特定の異性体、700mLの2,2,2−トリフルオロエタノールおよび無水ジクロロメタン(10g)中の前記式中のによって示される中心において表1に示されるキラリティを有する式(III−F)のキラルイリジウム錯体の溶液(570mg、0.356mmol、0.1モル%)を充填した。オートクレーブを閉鎖し、50バールの水素分子の圧力をかけた。反応混合物を、2時間にわたって撹拌しながら30℃に加熱した。その後、圧力を解放し、溶媒を除去した。形成された生成物は、(R)−6,10−ジメチルウンデカン−2−オンである。形成された異性体の転化率ならびに量が、上に示されるように測定され、結果が、表1に示される。
2つの別個の不斉水素化の生成物は、組み合わされていた。
Figure 0006406676
[実験E1−3:6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンの異性化(工程b1/b2)]
さらなる実験において、6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンの異性体を、蒸留によって分離した。E−異性体(=E−DHGA)を、95.5%の(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンの含量(GCによって測定される)を有するように単離し、Z−異性体(=Z−DHGA)を、72.0%の(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンの含量および27.2%の(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オンの含量(GCによって測定される、合計で99.2%の異性体)を有する富化された留分中で単離した。
4,4’−チオジベンゼンチオール(3)を、異なる濃度(1重量%、3重量%および3重量%)で、E−DHGAまたはZ−DHGAにそれぞれ加えた。次に、混合物をアルゴン下で撹拌し、140℃まで加熱し、異性化した。EおよびZ異性体の量を、一定の加熱時間の後、定期的にGCによって測定した。
図4)は、この異性化実験の結果を示す。x軸が、加熱時間、すなわち、140℃における異性化の時間を表し、y軸が、試料において測定される異性体の合計におけるE−異性体(E/(E+Z))のパーセンテージを表す。例えば、80%のE/(E+Z)値は、80:20のE/Z比を表す。図4)は、ポリチオールの異なる濃度:1%(「3(1%)」)、3%(「3(3%)」)および5%(「3(5%)」)の影響を示す。異性化率は、使用される濃度に左右される。さらに、図4)は、6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンの平衡シス/トランス比が、約65%のE/(E+Z)であることを示す。
[実験E2−1:(R,Z)−6,10,14−トリメチル−ペンタデカ−5−エン−2−オンのE/Z異性体混合物の分離(工程a1/a2)]
(R,E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンと、(R,Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オン[1.94kg、36%の(R,Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンおよび49%の(R,E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オン)との混合物を、流下膜式蒸発器を備えた蒸留器(体積:9リットル)、精留塔(70mmの内径、高さ5m)からなる分離装置を用いて分別した。カラムは、非常に効率的な構造充填物(Sulzer)を備えていた。精留プロセスを、約2ミリバールの塔頂圧および95〜122℃の範囲で変化する塔頂温度で運転し、蒸留器中の塔底温度は165℃であった。還流比を20に調整した。蒸留物流の分別により、(R,Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンを含有する留分(Z−異性体の含量=97%)が得られた。最後に、(R,E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンが、蒸留器中に残ったことが分かった(E−異性体の含量=94%)。両方の異性体を、分別によってさらに精製し、99.5%の純度をそれぞれ有する両方のE−異性体およびZ−異性体の留分を得た)
[実験E2−2:(R,E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンおよび(R,Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンの不斉水素化(工程c1/c2)]
両方の異性体(R,E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オン(「R,E−THFA」)(E/Z=99.5/0.5、R/S=92/8)および(R,Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オン(「R,Z−THFA」)(Z/E=99.5/0.5、R/S=92/8)を、以下の方法で、不斉水素化し、互いに分離した。
125mLのオートクレーブに、7.0g(26mmol)の特定の異性体、50mLの2,2,2−トリフルオロエタノールおよび無水ジクロロメタン(4g)中の前記式中のによって示される中心において表2に示されるキラリティを有する式(III−F)のキラルイリジウム錯体の溶液(42mg、0.026mmol、0.1モル%)を充填した。オートクレーブを閉鎖し、50バールの水素分子の圧力をかけた。反応混合物を、16時間にわたって撹拌しながら30℃に加熱した。その後、圧力を解放し、溶媒を除去した。形成された生成物は、(6R,10R)−6,10,14−トリメチルペンタデカン−2−オンである。形成された異性体の転化率ならびに量が、表2に示される。
2つの別個の不斉水素化の生成物は、組み合わされていた。
さらなる実験において、オートクレーブ中に、0.25mmolの(R,E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オン(「R,E−THFA」)および1モル%の、式(III−D)のIr錯体および1.25mlの無水(乾燥)ジクロロメタンを入れた。オートクレーブを閉鎖し、50バールの水素の圧力をかけた。撹拌しながら、反応溶液を、14時間にわたって室温に保持した。その後、圧力を解放し、溶媒を除去した。転化率の測定のため、粗生成物を、さらに精製せずに、アキラルガスクロマトグラフィーによって分析した。異性体の量が、上記の方法を用いて測定されており、表2に示される。
Figure 0006406676
[実験E2−3:(R)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンの異性化(工程b1/b2)]
さらなる実験において、(R)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンの異性体を、蒸留によって分離した。E−異性体を、96.3%の(E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンの含量(GCによって測定される)を有するように単離し、(Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンを、(GCによって測定される89.4%の純度で)0.1:89.3のE/Z比を有するように単離した。
5重量%のペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を、E−またはZ−異性体に加えた後、表3に示される溶媒を加えた。次に、混合物を撹拌し、アルゴン下で90℃まで加熱し、その条件下で、異性化を行った。個々の異性体の量を、一定の反応時間の後、定期的にGCによって測定した。
Figure 0006406676
図5a)〜c)は、これらの異性化実験の結果を示す。x軸が、加熱時間、すなわち、90℃における異性化の時間を表し、y軸が、試料において測定される異性体の合計におけるE−異性体(E/(E+Z))のパーセンテージを表す。例えば、80%のE/(E+Z)値は、80:20のE/Z比を表す。図5a)は、異性化の率に対するDMFの促進効果を示す。図5b)は、異性化の率に対する1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、イオン性液体の促進効果を示す。図5c)は、異性化の率に対するDMSOの促進効果を示す。
図5a)〜c)は、(E/Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンの平衡シス/トランス比が、約60〜63%のE/(E+Z)であることを示す。
[実験E3−1:6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オンのEE/ZZ/(EZ+ZE)異性体混合物の分離(工程a1/a2)]
(5E,9E)−/(5E,9Z)−/(5Z,9E)−/と(5Z,9Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オンとの混合物である6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オンの試料を、分別蒸留によって、(5Z,9Z)−異性体(以下で「ZZ−異性体」またはZZ−DHFAと表示される)の低沸点留分と、(5E,9E)異性体(以下で「EE−異性体」またはEE−DHFAと表示される)の高沸点留分と、(5E,9Z)−および(5ZE,9E)−異性体の両方(以下で「EZ/ZE−異性体」と表示される)を含有する中沸点留分とに分離した。
EZ−およびZE−異性体の中沸点混合物(以下で「EZ/ZE−異性体」と表示される)を、93.3%の(5E,9Z)−および(5Z,9E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オンの合計、3.0%の(5E,9E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オンおよび1.0%の(5Z,9Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オン(GCによって測定される、合計で97.3%の6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オン異性体)の含量を有するように単離した。
[実験E3−2:6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オンの(EZ/ZE)−異性体の異性化(b1/b2)]
5重量%のペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を、上記の実験E3−1のEZ/ZE−異性体に加えた。次に、混合物を撹拌し、アルゴン下で90℃まで加熱し、その条件下で、異性化を行った。個々の異性体の量を、一定の反応時間の後、定期的にGCによって測定した。
図6a)〜c)は、この異性化実験の結果を示す。x軸が、加熱時間、すなわち、90℃における異性化の時間を表し、y軸が、図6a)において、EE/(ZZ+EZ+ZE+EE)の重量比を表す。y軸が、図6b)において、(EZ+ZE)/(ZZ+EZ+ZE+EE)の重量比を表す。y軸が、図6c)において、ZZ/(ZZ+EZ+ZE+EE)の重量比を表す。図6a)〜c)は、全ての異性体が異性化され、約15%のZZ/(ZZ+EZ+ZE+EE)、約54%の(EZ+ZE)/(ZZ+EZ+ZE+EE)および約31%のEE/(ZZ+EZ+ZE+EE)で、平衡に近づくことを示す。
[実験E3−3:(5E,9E)−6,10,14−トリメチルペンタ−デカ−5,9−ジエン−2−オンおよび(5Z,9Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オンの不斉水素化(c1/c2)]
上記の実験E3−1のEE−異性体およびZZ−異性体の両方の留分を、以下の方法で、不斉水素化し、互いに分離した。0.25mmolの、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オンの対応する異性体(EE−異性体またはZZ−異性体)、1モル%の、表2に示される式のIr錯体および1.25mlの無水(乾燥)ジクロロメタン(DCM)または2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)をそれぞれ、オートクレーブに入れた。オートクレーブを閉鎖し、50バールの水素の圧力をかけた。反応溶液を室温で12〜18時間撹拌した。その後、圧力を解放し、溶媒を除去した。転化率の測定のため、粗生成物を、さらに精製せずに、アキラルガスクロマトグラフィーによって分析した。異性体の量が、上記の方法を用いて測定されており、実施例7〜11として表4に示される。
Figure 0006406676
[実験E4:ケタールの調製]
[a)ジメチルケタールの調製]
表5aまたは5bに示される対応するケトンを、オルトギ酸トリメチル(50.8mL、49.2g、451mmol、2.65当量)に加え、5℃に冷却した。MeOH(16mL)中の硫酸(96%、32.3mg、0.29mmol、0.2モル%)を、5分以内で加えた。その後、反応物を、3時間にわたって加熱還流させた(65℃ IT)。冷却後、薄層クロマトグラフィー(TLC)分析により、完全な転化が示された。NaOMe(0.24mLの、MeOH中25%の溶液)を加えて、酸を中和した。混合物を減圧下で濃縮し、その後、ヘキサン(50mL)で希釈した。生じた沈殿物をろ過して取り除き、ろ液を濃縮した。粗生成物を、蒸留によって精製したところ、所望のジメチルケタールが得られた。ケタールの特性評価が、以後、詳細に示される。
Figure 0006406676
Figure 0006406676
[特性評価データ:]
[(E)−10,10−ジメトキシ−2,6−ジメチルウンデカ−2,6−ジエン(E−GA−DM)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 1.26(s,3H)、1.58(s,3H)、1.60(s,3H)、1.60〜1.65(m,2H)による重複、1.66(br s,3H)、1.92〜2.09(m,6H)、3.17(s,6H)、5.02〜5.14(m,2H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 15.9(1C)、17.6(1C)、20.8(1C)、22.8(1C)、25.6(1C)、26.6(1C)、36.4(1C)、39.6(1C)、47.9(2C)、101.4(1C)、123.8(1C)、124.2(1C)、131.2(1C)、135.1(1C)ppm。
MS(EI、m/z):240(M、<1)、225.3[(M−CH、1]、209.3[(M−CHO)、20]、193.3(8)、176.2(18)、161.2(16)、139.2(20)、123.2(14)、107.2(75)、89.2(100)、69.2(65)、41.1(56)。
IR(cm−1):2928(m)、2857(w)、2828(w)、1670(w)、1452(m)、1376(s)、1345(w)、1302(w)、1262(w)、1222(w)、1196(m)、1172(m)、1123(s)、1102(s)、1053(s)、985(w)、929(w)、854(s)、744(w)、619(w)。
[(Z)10,10−ジメトキシ−2,6−ジメチルウンデカ−2,6−ジエン(Z−GA−DM)]
H NMR(300MHz、CDCl3):δ 1.27(s,3H)、1.56〜1.65(m,5H)、1.68(br.s,6H)、1.96〜2.09(m,6H)、3.17(s,6H)、5.11(t,J=7.2Hz、2H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 17.6(1C)、20.9(1C)、22.7(1C)、23.3(1C)、25.7(1C)、26.6(1C)、31.9(1C)、36.7(1C)、48.0(2C)、101.4(1C)、124.2(1C)、124.6(1C)、131.5(1C)、135.4(1C)ppm。
MS(EI、m/z):カラムにおける分解のため、GC−MSが得られなかった。
IR(cm−1):2943(m)、2858(w)、2828(w)、1451(m)、1376(m)、1348(w)、1301(w)、1261(w)、1197(m)、1172(m)、1153(w)、1120(s)、1098(m)、1053(s)、929(w)、854(m)、833(m)、745(w)、622(w)。
[(E)−2,2−ジメトキシ−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン(E−DHGA−DM)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.83(d,J=6.6Hz、6H)、1.02〜1.13(m,2H)、1.24(s,3H)、1.27〜1.39(m,2H)、1.49(tqq,J=6.4、6.4、6,4Hz、1H)、1.53〜1.63(m,2H)による重複、1.56(s,3H)による重複、1.87〜2.03(m,4H)、3.13(s,6H)、5.07(tq,J=7.0、1.4Hz、1H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 16.1(1C)、21.2(1C)、23.0(2C)、23.2(1C)、26.0(1C)、28.2(1C)、36.9(1C)、39.0(1C)、40.2(1C)、48.3(2C)、101.8(1C)、124.0(1C)、135.9(1C)ppm。
MS(EI、m/z):カラムにおける分解のため、GC−MSが得られなかった。
IR(cm−1):2953(s)、2931(s)、2870(m)、2828(m)、2108(w)、1668(w)、1460(m)、1377(s)、1367(m)、1345(w)、1301(w)、1262(m)、1221(m)、1198(m)、1172(s)、1119(s)、1100(s)、1077(s)、1053(s)、967(w)、927(w)、854(w)、796(w)、739(w)、620(w)。
[(Z)−2,2−ジメトキシ−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン(Z−DHGA−DM)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.88(d,J=6.6Hz、6H)、1.12〜1.21(m,2H)、1.28(s,3H)、1.32〜1.43(m,2H)、1.53(dspt,J=6.6、6.6Hz、1H)、1.57〜1.66(m,2H)、1.68(q,J=1.1Hz、3H)、1.94〜2.06(m,4H)、3.18(s,6H)、5.10(t,J=6.8Hz、1H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 20.9(1C)、22.6(2C)、22.7(1C)、23.3(1C)、25.8(1C)、27.9(1C)、31.9(1C)、36.8(1C)、38.9(1C)、48.0(2C)、101.5(1C)、124.3(1C)、135.9(1C)ppm。
MS(EI、m/z):カラムにおける分解のため、GC−MSが得られなかった。
IR(cm−1):2953(s)、2870(w)、2828(w)、1461(w)、1376(m)、1301(w)、1261(w)、1205(m)、1172(m)、1119(m)、1097(m)、1074(m)、1053(s)、1022(w)、927(w)、854(m)、738(w)、621(w)。
[(5E,9E)−6,10,14−トリメチル−ペンタデカ−5,9,13−トリエン−2−オン(EE−FA−DM)]
H−NMR(300.1MHz、CDCl):δ=1.28(s,2−CH)、1.56〜1.70(m,4CH+CH)、1.92〜2.12(m,10H)、3.18(s,2OCH)、5.05〜5.17(m,3Holefin)。
13C−NMR(75.5MHz、CDCl):δ=16.0(2C)、17.7、20.9、22.8、25.7、26.6、26.8、36.5、39.67、39.72、48.0(2OCH)、101.5(C−2)、123.8および124.2および124.4(3Colefin)、131.3および135.0および135.3(3Colefin)。
IR(ATR、cm−1):2924s、2856w、2828w、1668m、1450s、1376s、1346w、1302m、1261m、1222m、1196m、1172m、1153w、1123s、1053s、985w、929w、854s、744m、620w
MS(m/z):308(M、0.1%)、293[(M−15)、0.2]、276[(M−CHOH)、6]、244[(M−2CHOH)、4]、207[(M−CHOH−C、11]、175[(M−2CHOH−C、19]、107[(M−2CHOH−2C+H)、71]、69(C 、100)。
[(5E,9E)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オン(EE−DHFA−DM)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.87(d,J=6.6Hz、6H)、1.06〜1.17(m,2H)、1.28(s,3H)、1.31〜1.42(m,2H)、1.53(tqq,J=6.6、6.6、6.6Hz、1H)、1.58(s,3H)による重複、1.58〜1.65(m,2H)による重複、1.62(s,3H)による重複、1.90〜2.11(m,8H)、3.18(s,6H)、5.06〜5.15(m,2H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 16.3(1C)、16.4(1C)、21.3(1C)、23.0(2C)、23.3(1C)、26.2(1C)、27.0(1C)、28.3(1C)、36.9(1C)、39.0(1C)、40.1(1C)、40.3(1C)、48.4(2C)、101.9(1C)、124.25(1C)、124.31(1C)、135.66(1C)、135.71(1C)ppm。
MS(EI、m/z):カラムにおける分解のため、GC−MSが得られなかった。
IR(cm−1):2953(m)、2930(m)、2870(m)、2828(w)、1668(w)、1457(m)、1377(m)、1345(w)、1302(w)、1262(m)、1222(m)、1196(m)、1172(m)1123(s)、1054(s)、929(w)、854(s)、739(w)、620(w)。
[(5Z,9Z)−6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オン(ZZ−DHFA−DM)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.88(d,J=6.6Hz、6H)、1.11〜1.21(m,2H)、1.28(s,3H)、1.30〜1.43(m,2H)、1.54(qq,J=6.6Hz、1H)、1.57〜1.66(m,2H)による重複、1.67(br s,3H)、1.69(q,J=1.3Hz、3H)、1.94〜2.10(m,8H)、3.18(s,6H)、5.12(t,J=6.4Hz、2H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 20.9(1C)、22.3(1C)、22.6(1C)、22.7(1C)、23.39(1C)、23.40(1C)、25.8(1C)、26.3(1C)、27.9(1C)、31.9(1C)、32.2(1C)、36.7(1C)、38.9(1C)、48.0(2C)、101.4(1C)、124.6(1C)、124.7(1C)、135.4(1C)、135.8(1C)ppm。
MS(EI、m/z):カラムにおける分解のため、GC−MSが得られなかった。
IR(cm−1):2953(m)、2870(m)、2828(w)、1454(m)、137(m)、1302(w)、1261(m)、1201(m)、1172(m)、1152(m)、1098(m)、1054(s)、854(s)、749(w)、622(w)。
[b)エチレングリコールケタールの調製]
窒素下で、反応容器に、グリコール(112mL、125g、2.1mol)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.150g、0.5774mmol)および0.5molの、(E)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンまたは(Z)−6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オンのいずれかを充填した。混合物を、減圧(0.39ミリバール)下で5時間にわたって周囲温度で撹拌させた。低圧を保ちながら、温度をゆっくりと40℃まで上昇させた。95%を超えるケトンの転化率で、温度をさらに上昇させて、グリコールの穏やかな蒸留を可能にし、99%を超える転化率が得られるまで続けた。
室温で、生成物を、ヘプタン中のトリエチルアミンの溶液(ヘプタンの1L当たり2mLのトリエチルアミン)によって抽出した。グリコール相を分離し、ヘプタン層を水中のNaHCO溶液で洗浄した。ヘプタン相の分離、無水NaSO上での乾燥、ろ過および減圧下での溶媒の除去により、粗製ケタールが得られた。ケタールを、蒸留によってさらに精製した。対応するケタールを、H−NMRによって特定した。
Figure 0006406676
[特性評価データ:]
[(E)−2−(4,8−ジメチルノナ−3−エン−1−イル)−2−メチル−1,3−ジオキソラン(E−DHGA−en)]
H NMR(300MHz、CDCl)δ 5.12(t,1H)、3.95(m,4H)、2,2〜2(m,2H)、1.94(t,2H)、1.8〜1.3(m,11H)、1.2〜1.0(m,2H)、0.87(d,6H)ppm。
[(Z)−2−(4,8−ジメチルノナ−3−エン−1−イル)−2−メチル−1,3−ジオキソラン(Z−DHGA−en)]
H NMR(300MHz、CDCl)δ 5.12(t,1H)、3.94(m,4H)、2.15〜1.9(m,4H)、1.7〜1.45(m,6H)、1.44〜1.27(m,5H)、1.23〜1.08(m,2H)、0.88(d,6H)ppm。
[c)ネオペンチルグリコールケタールの調製]
表5dまたは5eに示されるケトン(90.7mmol)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール、32.4g、283mmol、3.4当量)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(60mg、0.31mmol、0.3モル%)を、トルエン(300mL)中で懸濁させた。反応物を90℃に加熱すると、均一な溶液が形成された。その後、トルエンをゆっくりと留去する(4時間にわたって約100mL)ために、75℃で、減圧を注意深くかけた(まず、63ミリバール、次に、24ミリバール)。4時間後、薄層クロマトグラフィー(TLC)分析により、ケトンの完全な転化が示された。反応物を室温に冷まし、ヘプタン(300mL)で希釈すると、過剰なネオペンチルグリコールが沈殿した。沈殿物をろ過して取り除いた(17.4g湿潤)。ろ液をEtN(1mL)で処理し、その後、NaHCO水溶液(2.4% w/w、2×300mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を蒸留によって精製したところ、所望のネオペンチルケタールが得られた。ケタールの特性評価が、以後、詳細に示される。
Figure 0006406676
Figure 0006406676
[特性評価データ:]
[(E)−2−(4,8−ジメチルノナ−3,7−ジエン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン(E−GA−neo)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.92(s,3H)、0.99(s,3H)、1.37(s,3H)、1.59(s,3H)、1.61(s,3H)、1.67(s,3H)、1.68〜1.75(m,2H)、1.94〜2.15(m,6H)、ABシグナル(δΑ=3.46、δΒ=3.52、JAB=11.3Hz、4H)、5.05〜5.17(m,2H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 15.9(1C)、17.6(1C)、20.8(1C)、22.0(1C)、22.6(1C)、22.7(1C)、25.6(1C)、26.7(1C)、29.9(1C)、37.3(1C)、39.6(1C)、70.3(2C)、98.8(1C)、124.1(1C)、124.3(1C)、131.2(1C)、135.1(1C)ppm。
MS(EI、m/z):280(Μ、3)、265[(Μ−CH、14]、176(21)、129[(C13、100]、69(63)、43(43)。
IR(cm−1):2954(m)、2925(m)、2858(m)、2731(w)、1720(w)、1669(w)、1473(w)、1450(m)、1394(m)、1372(m)、1349(w)、1306(w)、1271(w)、1249(m)、1211(m)、1186(m)、1123(s)、1088(s)、1043(m)、1021(m)、984(w)、950(w)、925(w)、907(w)、862(m)、837(w)、792(w)、742(w)、677(w)、667(w)。
[(Z)−2−(4,8−ジメチルノナ−3,7−ジエン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン(Z−GA−neo)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.91(s,3H)、0.97(s,3H)、1.35(s,3H)、1.60(s,3H)、1.64〜1.74(m,5H)、1.67(br s,3H)による重複、1.99〜2.18(m,6H)、ABシグナル(δΑ=3.44、δΒ=3.51、JAB=11.3Hz、4H)、5.07〜5.16(m,2H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 17.5(1C)、20.9(1C)、21.3(1C)、21.9(1C)、22.5(1C)、22.6(1C)、23.3(1C)、25.7(1C)、26.6(1C)、29.9(1C)、31.8(1C)、37.5(1C)、70.3(1C)、98.7(1C)、124.3(1C)、124.9(1C)、131.4(1C)、135.2(1C)ppm。
MS(EI、m/z):280(M、3)、265[(M−CH、13]、176(19)、129[(C13、100]、107(15)、69(62)、43(39)。
IR(cm−1):2954(m)、2927(m)、2858(m)、2729(w)、1721(w)、1671(w)、1473(m)、1450(m)、1394(m)、1374(m)、1349(w)、1315(w)、1271(m)、1249(m)、1211(m)、1187(m)、1149(w)、1120(s)、1086(s)、1043(m)、1021(m)、985(w)、951(m)、925(w)、907(m)、857(m)、833(m)、792(w)、743(w)、677(w)、667(w)。
[(E)−2−(4,8−ジメチルノナ−3−エン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン(E−DHGA−neo)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.87(d,J=6.6Hz、6H)、0.93(s,3H)、1.00(s,3H)、1.06〜1.22(m,2H)、1.31〜1.43(m,2H)、1.38(s,3H)による重複、1.53(tqq,J=6.6、6.6、6.6Hz、1H)、1.61(br s,3H)、1.65〜1.77(m,2H)、1.94(t,J=7.5Hz、2H)、2.05〜2.17(m,2H)、ABシグナル(δΑ=3.46、δΒ=3.54、JAB=11.4Hz、4H)、5.13(tq,J=7.1、1.1Hz、1H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 15.8(1C)、20.9(1C)、22.0(1C)、22.59(1C)、22.63(2C)、22.7(1C)、25.7(1C)、27.9(1C)、29.9(1C)、37.3(1C)、38.6(1C)、39.9(1C)、70.3(2C)、98.8(1C)、123.8(1C)、135.6(1C)ppm。
MS(EI、m/z):282(M、5)、267[(M−CH、10)、129(100)、95(14)、69(36)、43(32)。
IR(cm−1):2953(s)、2929(m)、2868(m)、1720(w)、1468(m)、1394(m)、1381(m)、1368(m)、1349(w)、1306(w)、1270(w)、1250(m)、1211(m)、1187(w)、1118(s)、1087(s)、1066(m)、1044(m)、1022(m)、950(m)、925(w)、907(m)、862(m)、791(w)、739(w)、677(w)、666(w)。
[(Z)−2−(4,8−ジメチルノナ−3−エン−1−イル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン(Z−DHGA−neo)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.87(d,J=6.6Hz、6H)、0.93(s,3H)、0.97(s,3H)、1.10〜1.20(m,2H)、1.34〜1.41(m,3H)、1.36(s,3H)による重複、1.53(tqq,J=6.6、6.6、6.6Hz、1H)、1.64〜1.75(m,2H)、1.67(q,J=1.5Hz、3H)による重複、1.95〜2.15(m,4H)、ABシグナル(δΑ=3.46、δΒ=3.51、JAB=11.1Hz、4H)、5.12(br t,J=7.2Hz、1H)
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 21.1(1C)、22.0(1C)、22.61(3C)、22.65(1C)、23.4(1C)、25.7(1C)、27.9(1C)、29.9(1C)、31.9(1C)、37.2(1C)、38.8(1C)、70.3(2C)、98.8(1C)、124.6(1C)、135.8(1C)ppm。
MS(EI、m/z):282(M、6)、267[(M−CH、11)、129(100)、95(14)、69(35)、43(32)。
IR(cm−1):2953(s)、2867(m)、1722(w)、1468(m)、1394(m)、1368(m)、1349(w)、1306(w)、1270(w)、1250(m)、1211(m)、1189(w)、1116(s)、1086(s)、1043(m)、1022(m)、951(m)、925(w)、907(m)、856(m)、792(w)、739(w)、677(w)、667(w)。
[2,5,5−トリメチル−2−((3E,7E)−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7−ジエン−1−イル)−1,3−ジオキサン(EE−DHFA−neo)]
H NMR(300MHz、CDCl)δ 0.86(d,J=6.6Hz、6H)、0.92(s,3H)、0.99(s,3H)、1.05〜1.22(m,2H)、1.37(s,3H)、1.31〜1.42(m,2H)による重複、1.52(tqq,J=6.6、6.6、6.6Hz、1H)、1.57(s,3H)、1.61(s,3H)、1.67〜1.76(m,2H)、1.88〜2.16(m,8H)、ABシグナル(δΑ=3.45、δΒ=3.52、JAB=11.3Hz、4H)、5.05〜5.17(m,2H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 15.85(1C)、15.92(1C)、20.9(1C)、22.0(1C)、22.55(1C)、22.62(2C)、22.68(1C)、25.7(1C)、26.5(1C)、27.8(1C)、29.9(1C)、37.3(1C)、38.6(1C)、39.7(1C)、39.9(1C)、70.3(2C)、98.8(1C)、123.9(1C)、124.1(1C)、135.1(1C)、135.2(1C)ppm。
MS(EI、m/z):350(M、4)、335[(M−CH、11)、246(10)、206(10)、161(9)、129(100)、107(13)、69(38)、43(32)。
IR(cm−1):2953(s)、2928(s)、2867(m)、1462(m)、1394(m)、1382(m)、1368(m)、1305(w)、1271(w)、1249(m)、1211(m)、1187(m)、1123(s)、1087(s)、1043(m)、1021(m)、950(w)、925(w)、907(w)、862(m)791(w)、739(w)、678(w)。
[2,5,5−トリメチル−2−((3E,7E)−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7−ジエン−1−イル)−1,3−ジオキサン(ZZ−DHFA−neo)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.87(d,J=6.8Hz、6H)、0.92(s,3H)、0.98(s,3H)、1.10〜1.21(m,2H)、1.29〜1.42(m,2H)、1.36(s,3H)による重複、1.53(qqt,J=6.7、6.7、6.7Hz、1H)、1.66(br.s,3H)、1.68(q,J=1.4Hz、3H)、1.67〜1.75(m,2H)、1.99(t,J=7.7Hz、2H)、2.02〜2.16(m,6H)、ABシグナル(δΑ=3.45、δΒ=3.52、JAB=11.5Hz、4H)、5.02〜5.22(m,2H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 20.9(1C)、21.9(1C)、22.6(3C)、22.7(1C)、23.38(1C)、23.42(1C)、25.8(1C)、26.3(1C)、27.9(1C)、29.9(1C)、31.9(1C)、32.1(1C)、37.4(1C)、38.9(1C)、70.3(2C)、98.8(1C)、124.7(1C)、125.0(1C)、135.2(1C)、135.6(1C)ppm。
MS(EI、m/z):350(M、5)、335[(M−CH、10)、246(8)、206(8)、151(7)、129(100)、107(10)、69(35)、43(27)。
IR(cm−1):2953(s)、2867(m)、1452(m)、1394(w)、1372(m)、1315(w)、1271(w)、1249(m)、1211(m)、1189(w)、1119(s)、1087(s)、1043(m)、1021(m)、951(w)、925(w)、907(w)、856(m)792(w)、737(w)、668(w)。
[d)ビス(トリフルオロエチル)ケタールの調製]
撹拌子を備えた250mLの三つ口フラスコを、高真空下(ヒートガン250℃で)で乾燥させ、次に、冷却させ、アルゴンでフラッシュし、アルゴン下で1,1,1トリフルオロエタノール(TFE)(40mL)を充填した。フラスコを、氷浴で冷却する一方、トリメチルアルミニウム(ヘプタン中2M、20.0mL、40.0mmol、1.95当量)を、温度を22℃未満に保ちながら、60分以内で滴下して加えた。2相(TFE/ヘプタン)混合物が数分後に再度透明になり、それを室温でさらに20分間撹拌させた。上に示されるように調製された表3fまたは3gに示される対応するケトンの20.7mmolのジメチルケタールを、室温で、5分以内で滴下して加えた。1.5時間後、GC分析により、出発材料の完全な転化が示された。反応物を、水(100mL)中の酒石酸カリウムナトリウムの半飽和溶液でクエンチし、室温で2時間撹拌し、最後に、n−ヘキサン(200mL)で希釈した。有機相を分離し、n−ヘキサン(2×100mL)で抽出し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(中性の酸化アルミニウム、溶離剤:n−ヘキサン)によって精製した。ケタールの特性評価が、以後、詳細に示される。
Figure 0006406676
Figure 0006406676
[特性評価データ:]
[(E)−2,6−ジメチル−10,10−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカ−2,6−ジエン(E−GA−tfe)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 1.41(s,3H)、1.62(br s,6H)、1.67〜1.76(m,2H)、1.69(q,J=0.9Hz、3H)による重複、1.93〜2.15(m,6H)、3.73〜3.97(m,4H)、5.02〜5.18(m,2H)ppm。
13C NMR(150MHz、CDCl):δ 15.9(1C)、17.6(1C)、21.3(1C)、22.6(1C)、25.7(1C)、26.6(1C)、36.9(1C)、39.6(1C)、59.3(q,JC,F=35.0Hz、2C)、103.4(1C)、124.0(q,JC,F=275.0Hz、2C)、122.7(1C)、124.1(1C)、131.5(1C)、136.2(1C)ppm。
MS(EI、m/z):361[(M−CH、1]、276[(M−TFE)、15]、225[(CFCHO)C−CH、86]、207(20)、153(18)、136(58)、107(80)、69(100)、41(40)。
IR(cm−1):2927(w)、2859(w)、1459(w)、1419(w)、1385(w)、1281(s)、1223(w)、1156(s)、1133(s)、1081(s)、971(s)、889(m)、860(w)、845(w)、678(w)、663(w)。
[(E)−6,10−ジメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカ−5−エン(E−DHGA−tfe)]
H NMR(600MHz、CDCl):δ 0.88(d,J=6.8Hz、6H)、1.11〜1.17(m,2H)、1.35〜1.40(m,2H)、1.41(s,3H)、1.54(qqt,J=6.7、6.7、6.7Hz、1H)、1.61(br s,3H)、1.69〜1.73(m,2H)、1.95(t,J=7.7Hz、2H)、2.03〜2.09(m,2H)、3.78〜3.91(m,4H)、5.09(tq,J=7.1、1.3Hz、1H)ppm。
13C NMR(151MHz、CDCl):δ 14.1(1C)、15.8(1C)、21.3(1C)、22.56(1C)、22.61(1C)、25.6(1C)、27.9(1C)、37.0(1C)、38.6(1C)、39.8(1C)、59.2(q,JC,F=35.0Hz、2C)、103.4(1C)、124.0(q,JC,F=277.0Hz、2C)、122.4(1C)、136.7(1C)ppm。
MS(EI、m/z):363[(M−CH、1]、278[(M−TFE)、22]、225[(CFCHO)C−CH、60]、193(100)、153(13)、127(11)、83(CFCH 、25)、69(13)、43(17)。
IR(cm−1):2956(w)、2933(w)、2872(w)、1462(w)、1419(w)、1385(w)、1368(w)、1281(s)、1223(w)、1156(s)、1134(s)、1081(s)、971(s)、889(m)、860(w)、845(w)、679(w)、663(m)。
[(6E,10E)−2,6,10−トリメチル−14,14−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−2,6,10−トリエン(EE−FA−tfe)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 1.41(s,3H)、1.61(br s,6H)、1.63(br s,3H)、1.67〜1.75(m,2H)、1.69(br q,J=0.9Hz、3H)による重複、1.93〜2.16(m,10H)、3.74〜3.95(m,4H)、5.11(br t,J=6.5Hz、3H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 15.94(1C)、15.98(1C)、17.6(1C)、21.3(1C)、22.6(1C)、25.6(1C)、26.5(1C)、26.8(1C)、37.0(1C)、39.6(1C)、39.7(1C)、59.3(q,JC,F=34.9Hz、2C)、103.4(1C)、124.0(q,JC,F=275.8Hz、2C)、122.7(1C)、124.0(1C)、124.3(1C)、131.3(1C)、135.1(1C)、136.2(1C)ppm。
MS(EI、m/z):444(M、5)、429[(M−CH、1]、344[(M−TFE)、4]、225[(CFCHO)C−CH、54]、175(33)、136(28)、107(48)、81(53)、69(100)、41(34)。
IR(cm−1):2922(w)、2858(w)、1457(w)、1419(w)、1385(w)、1282(s)、1223(w)、1157(s)、1133(s)、1111(m)、1081(s)、971(s)、889(m)、860(w)、845(w)、678(w)、663(m)。
[(5E,9E)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5,9−ジエン(EE−DHFA−tfe)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.88(d,J=6.6Hz、6H)、1.08〜1.20(m,2H)、1.32〜1.44(m,2H)、1.41(s,3H)による重複、1.54(tqq,J=6.6、6.6、6.6Hz、1H)、1.60(br s,3H)、1.63(br s,3H)、1.67〜1.76(m,2H)、1.89〜2.17(m,8H)、3.73〜3.97(m,4H)、5.04〜5.17(m,2H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 15.89(1C)、15.95(1C)、21.4(1C)、22.60(1C)、22.61(2C)、25.8(1C)、26.5(1C)、27.9(1C)、37.0(1C)、38.6(1C)、39.7(1C)、39.9(1C)、59.3(q,JC,F=35.5Hz、2C)、103.4(1C)、124.0(q,JC,F=276.0Hz、2C)、122.7(1C)、123.7(1C)、135.5(1C)、136.2(1C)ppm。
MS(EI、m/z):431[(M−CH、1]、346[(M−TFE)、13]、262(9)、225[(CFCHO)C−CH、93]、206(43)、153(17)、127(24)、107(45)、83(CFCH 、100)、69(51)、55(43)、43(28)。
IR(cm−1):2955(w)、2931(w)、2871(w)、1462(w)、1419(w)、1385(m)、1282(s)、1223(w)、1157(s)、1133(s)、1080(s)、971(s)、889(m)、860(w)、845(w)、679(w)、663(m)。
[実験E5:ケタールの不斉水素化(工程b/c)]
ケタールおよびアセタールを、以下の方法で不斉水素化した。オートクレーブ容器に、表6a〜kに示されるによって示されるキラル中心において立体配置を有する表6a〜kに示される式のキラルイリジウム錯体、表6a〜kに示されるケタールまたはアセタール(濃縮形態)、表6a〜kに示される溶媒を、窒素下で充填した。反応容器を閉鎖し、表6a〜kに示される圧力(pH)になるまで水素分子で加圧した。反応混合物を、水素下で、表6a〜kに示される時間(t)にわたって室温で撹拌した。次に、圧力を解放し、アッセイの収率および完全に水素化された生成物の立体異性体の分布を測定した。触媒充填量(S/C)が、ケタールまたはアセタール(「基材」)(mmol)/キラルイリジウム錯体(mmol)として定義される。これ以降、水素化されたケタール/アセタールの特性評価が示される。
Figure 0006406676
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[(R)−2,2−ジメトキシ−6,10−ジメチルウンデカン(R−THGA−DM)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.848(d,J=6.6Hz、3H)、0.852(d,J=6.6Hz、6H)による重複、1.01〜1.41(m,11H)、1.25(s,3H)による重複、1.44〜1.61(m,3H)、3.16(s,6H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 14.1(1C)、19.6(1C)、20.9(1C)、21.7(1C)、22.6(1C)、22.7(1C)、24.8(1C)、27.9(1C)、32.7(1C)、36.8(1C)、37.2(1C)、37.4(1C)、39.3(1C)、47.9(1C)、101.7(1C)ppm。
MS(EI、m/z):カラムにおける分解のため、GC−MSが得られなかった。
IR(cm−1):2951(s)、2927(m)、2870(m)、2828(m)、1723(w)、1462(m)、1377(m)、1309(w)、1256(m)、1215(m)、1194(m)、1172(m)、1111(m)、1089(m)、1053(s)、972(w)、934(w)、920(w)、855(m)、815(m)、736(w)、618(w)。
[(R)−2−(4,8−ジメチルノニル)−2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキサン(R−THGA−neo)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.87(d,J=6.6Hz、9H)、0.91(s,3H)、1.01(s,3H)、1.04〜1.61(m,12H)、1.36(s,3H)による重複、1.61〜1.74(m,2H)、ABシグナル(δΑ=3.44、δΒ=3.54、JAB=11.7Hz、4H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 19.7(1C)、20.4(1C)、21.0(1C)、22.56(1C)、22.61(1C)、22.71(1C)、22.77(1C)、24.8(1C)、28.0(1C)、30.0(1C)、32.8(1C)、37.3(1C)、37.4(1C)、38.2(1C)、39.3(1C)、70.3(2C)、99.1(1C)ppm。
MS(EI、m/z):269[(M−CH、65)、199(8)、129(100)、109(8)、69(32)、55(10)、43(25)。
IR(cm−1):2953(s)、2925(s)、2868(m)、1722(w)、1464(m)、1394(m)、1371(m)、1316(w)、1258(m)、1212(m)、1161(m)、1141(m)、1111(s)、1095(s)、1043(m)、1020(m)、951(m)、925(m)、907(m)870(m)、855(m)、801(m)、792(m)、737(m)、677(w)、667(w)。
[(R)−6,10−ジメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカン(R−THGA−tfe)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.88(d,J=6.6Hz、6H)、0.87(d,J=6.4Hz、3H)、1.03〜1.23(m,5H)、1.39(s,3H)、1.38〜1.40(m,6H)、1.46〜1.71(m,3H)、3.73〜3.94(m,4H)。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 19.5(1C)、21.39(1C)、21.47(1C)、22.58(1C)、22.68(1C)、24.7(1C)、28.0(1C)、32.6(1C)、37.0(1C)、37.19(1C)、37.23(1C)、39.3(1C)、59.2(q,C,F=32.5Hz、2C)、103.6(1C)、124.1(q,C,F=279.0Hz、2C)。
MS(EI、m/z):365[(M−CH、1]、281(2)、225[(CFCHO)C−CH、100]、153(8)、140(6)、83(CFCH 、6)、43(7)。
IR(cm−1):2955(w)、2929(w)、2872(w)、1463(w)、1419(w)、1385(w)、1281(s)、1216(w)、1156(s)、1122(m)、1082(s)、972(m)、892(m)、861(w)、737(w)、679(w)、663(m)。
[(6R,10R)−2,2−ジメトキシ−6,10,14−トリメチルペンタデカン(RR18−DM)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.83〜0.89(m,12H)、0.98〜1.45(m,21H)、1.46〜1.65(m,3H)、3.18(s,6H)。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 19.68(1C)、19.73(1C)、21.0(1C)、21.7(1C)、22.6(1C)、22.7(1C)、24.5(1C)、24.8(1C)、28.0(1C)、32.72(1C)、32.78(1C)、36.8(1C)、37.28(1C)、37.33(1C)、37.36(1C)、37.41(1C)、39.4(1C)、48.0(2C)、101.7(1C)ppm。
IR(cm−1):2951(s)、2926(s)、2869(s)、2828(m)、1734(w)、1723(w)、1216(w)、1463(s)、1377(s)、1308(w)、1255(m)、1215(m)、1172(s)、1105(s)、1090(s)、1054(s)、971(w)、933(w)、860(s)、815(m)、736(w)618(w)。
[2,5,5−トリメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチルトリデシル)−1,3−ジオキサン(RR18−neo)]
H NMR(300MHz、CDCl):δ 0.78〜0.95(m,15H)、0.95〜1.61(m,19H)、1.01(s,3H)による重複、1.36(s,3H)、1.63〜1.74(m,2H)、ABシグナル(δΑ=3.44、δΒ=3.55、JAB=11.7Hz、4H)ppm。
13C NMR(75MHz、CDCl):δ 19.72(1C)、19.74(1C)、20.4(1C)、20.9(1C)、22.56(1C)、22.62(1C)、22.72(1C)、22.77(1C)、24.5(1C)、24.8(1C)、28.0(1C)、30.0(1C)、32.8(1C)、32.8(1C)、37.28(1C)、37.35(1C)、37.42(2C)、38.2(1C)、39.4(1C)、70.3(2C)、99.1(1C)ppm。
MS(EI、m/z):339[(M−CH、83]、269(5)、129(100)、69(21)、43(18)。
IR(cm−1):2952(s)、2925(s)、2867(m)、1463(m)、1394(m)、1372(m)、1258(m)、1211(m)、1189(w)、1141(w)、1100(s)、1043(m)、1020(m)、951(w)、925(w)、907(m)、858(m)、792(w)、737(w)、677(w)。
[(6R,10R)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカン(RR18−tfe)]
H NMR(600MHz、CDCl):δ 0.86(d,J=6.6Hz、3H)、0.879(d,J=6.6Hz、3H)、0.882(d,J=6.6Hz、3H)、0.884(d,J=6.6Hz、3H)、1.03〜1.46(m,18H)、1.40(s,3H)による重複、1.54(qqt,J=6.6、6.6、6.6Hz、1H)、1.60〜1.70(m,2H)、3.77〜3.90(m,4H)ppm。
13C NMR(151MHz、CDCl):δ 19.6(1C)、19.7(1C)、21.4(1C)、21.5(1C)、22.6(1C)、22.7(1C)、24.5(1C)、24.8(1C)、28.0(1C)、32.6(1C)、32.8(1C)、37.0(1C)、37.24(1C)、37.30(1C)、37.34(1C)、37.43(1C)、39.4(1C)、59.2(q,C,F=35.0Hz、2C)、103.6(1C)、124.0(q,C,F=277.0Hz、2C)ppm。
MS(EI、m/z):435[(M−CH、1]、351(1)、250(1)、225[(CFCHO)C−CH、100]、153(7)、140(5)、83(CFCH 、3)、43(6)。
IR(cm−1):2954(m)、2927(m)、2871(w)、1463(w)、1419(w)、1384(w)、1281(s)、1215(w)、1157(s)、1123(m)、1082(s)、972(s)、892(m)、861(w)、737(w)、679(w)、663(m)。
[実験E6:水素化されたケタールの加水分解]
実験E5に示されるケタールの不斉水素化の後、得られた水素化されたケタールを、それぞれ(R)−6,10−ジメチルウンデカン−2−オンまたは(6R,10R)−6,10,14−トリメチルペンタデカン−2−オンへと加水分解した。
[方法1−ジクロロメタン中の不斉水素化反応からのネオペンチルケタール、ジメチルケタール]
不斉水素化反応からの反応混合物の試料(1〜2ml)を、室温で1時間にわたって等しい体積の塩酸の1M水溶液とともに撹拌した。ジクロロメタン(2ml)を加え、層を分離した。水層をジクロロメタン(2ml)で2回洗浄した。組み合わされた有機層を減圧下で蒸発させたところ、ケトンが無色ないし淡黄色の油として得られた。次に、粗製ケトンを、純度および異性体の比率について分析した。
[方法2−トリフルオロエタノール中の不斉水素化反応からのエチレングリコールケタール、ビス(トリフルオロエタノール)ケタールおよびジメチルケタール]
不斉水素化反応からの反応混合物の試料(1〜2ml)を、40℃で1時間にわたって、9:1:0.2(体積基準)のメタノール:水:トリフルオロ酢酸の0.5mlの溶液とともに撹拌した。ジクロロメタン(2ml)および水(2ml)を加え、層を分離した。水層をジクロロメタン(2ml)で2回洗浄した。組み合わされた有機層を減圧下で蒸発させたところ、ケトンが無色ないし淡黄色の油として得られた。次に、粗製ケトンを、純度および異性体の比率について分析した。
[実験E7:添加剤の調製]
添加剤オルトチタン酸テトライソプロピル(Ti(OiPr))、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム(Y(OTf))、ナトリウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(NaBAr)およびトリメチル−アルミニウム(TMA)は市販されており、これを入手した状態で使用した。
TMA/TFE:ヘプタン(1mmol)中の2MのTMA(TMA:トリメチルアルミニウム(Al(CH))溶液を、TFE(3.1mmol)でクエンチしたところ、わずかに過剰な遊離TFEが得られた。この添加剤は、新たに調製された後に使用される。
[実験E8:添加剤の存在下におけるケトンの不斉水素化(工程c1/c2)]
オートクレーブ容器に、によって示されるキラル中心においてR−立体配置を有する式(III−F)のキラルイリジウム錯体、表7aまたは7bに示されるZ−DHGAまたはZZ−FA(濃縮形態)、表7aまたは7bに示される溶媒および表7aまたは7bに示される添加剤を、窒素下で充填した。反応容器を閉鎖し、50バールの圧力(pH)になるまで水素分子で加圧した。反応混合物を、水素下で、室温で20時間撹拌した。次に、圧力を解放し、アッセイの収率および完全に水素化された生成物の立体異性体の分布を測定した。触媒充填量(S/C)が、ケトン(「基材」)(mmol)/キラルイリジウム錯体(mmol)として定義される。
Figure 0006406676
Figure 0006406676
[実験E9:添加剤の存在下におけるケタールの不斉水素化(工程c1/c2)]
オートクレーブ容器に、によって示されるキラル中心においてR−立体配置を有する式(III−F)のキラルイリジウム錯体、溶媒の1L当たり0.2molのケタールの濃度のケタールZ−DHGA−enまたはZ−DHGA−neo(DCMまたはTFE)および表8に示される添加剤を、窒素下で充填した。反応容器を閉鎖し、50バールの圧力になるまで水素分子で加圧し、水素下で、20時間の間、室温で撹拌した。次に、圧力を解放し、アッセイの収率および完全に水素化された生成物の立体異性体の分布を測定した。ケタールの場合、アッセイの収率および立体異性体の分布は、実験E6に示されるように、酸によるケタールの加水分解の後、測定された。触媒充填量(S/C)が、ケタール(「基材」)(mmol)/キラルイリジウム錯体(mmol)として定義される。
Figure 0006406676

Claims (16)

  1. 式(I)もしくは(II)の化合物またはそのアセタールもしくはケタールのE/Z異性体の混合物から、式(I−A)もしくは(I−B)
    Figure 0006406676

    (式中、Qが、HまたはCHを表し、mおよびpが、互いに独立して、0〜3の値を表し、ただし、mおよびpの合計が、0〜3であり、波線が、ZまたはE−立体配置のいずれかで炭素−炭素二重結合を有するように、隣接する炭素−炭素二重結合に連結される炭素−炭素結合を表し、s1およびs2によって表される式(I)および(II)の部分構造が、任意の配列であってもよく;
    式(I)または(II)中の点線(
    Figure 0006406676

    )を有する前記二重結合が、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合のいずれかを表す)
    の化合物またはそのアセタールもしくはケタールを製造する方法であって、以下の工程
    a1)式(I)もしくは(II)の化合物またはその前記アセタールもしくはケタールのE/Z異性体の前記混合物から、E−立体配置を有する異性体を分離する工程;
    および
    b1)式(I)もしくは(II)の化合物またはその前記アセタールもしくはケタールの前記Z−立体配置を有する前記異性体を、シス/トランス異性化にかけ、異性化生成物を、式(I)もしくは(II)の化合物またはその前記アセタールもしくはケタールの異性体の前記混合物に加える工程;
    および
    c1)式(I)もしくは(II)の化合物またはその前記アセタールもしくはケタールの前記E−立体配置を有する前記分離された異性体を、*によって示される立体中心においてS−立体配置を有する式(III)のキラルイリジウム錯体の存在下で、水素分子による水素化にかける工程;
    または
    a2)式(I)もしくは(II)の化合物またはその前記アセタールもしくはケタールのE/Z異性体の前記混合物から、Z−立体配置を有する異性体を分離する工程;
    および
    b2)式(I)もしくは(II)の化合物またはその前記アセタールもしくはケタールの前記E−立体配置を有する前記異性体を、シス/トランス異性化にかけ、異性化生成物を、式(I)もしくは(II)の化合物またはその前記アセタールもしくはケタールの異性体の前記混合物に加える工程;
    および
    c2)式(I)もしくは(II)の化合物またはその前記アセタールもしくはケタールの前記Z−立体配置を有する前記分離された異性体を、*によって示される前記立体中心においてR−立体配置を有する式(III)
    Figure 0006406676

    (式中、
    nが、1または2または3であり;
    およびXが、互いに独立して、水素原子、C1〜4−アルキル、C5〜7−シクロアルキル、アダマンチル、フェニル(1〜3つのC1〜5−アルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−パーフルオロアルキル基および/または1〜5つのハロゲン原子で任意選択的に置換される))、ベンジル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−フリルまたはフェロセニルであり;
    およびZが、互いに独立して、水素原子、C1〜5−アルキルまたはC1〜5−アルコキシ基であり;
    またはZおよびZが、一緒に、5〜6員環を形成する架橋基を表し;
    Figure 0006406676

    、アニオンであり;
    が、フェニルまたはo−トリルまたはm−トリルまたはp−トリルまたは式(IVa)もしくは(IVb)もしくは(IVc)
    Figure 0006406676

    の基のいずれかを表し、
    式中、RおよびRが、両方ともHまたはC〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基のいずれかを表すか、またはハロゲン原子でもしくはC〜C−アルキル基でもしくはC〜C−アルコキシ基で任意選択的に置換される6員の脂環式または芳香環を一緒に形成する二価基を表し、
    およびRが、両方ともHまたはC〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基のいずれか、またはハロゲン原子でもしくはC〜C−アルキル基でもしくはC〜C−アルコキシ基で任意選択的に置換される6員の脂環式または芳香環を一緒に形成する二価基を表し;
    およびRおよびRがそれぞれ、C〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基を表し;
    およびR10が、両方ともHまたはC〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基のいずれか、またはハロゲン原子でもしくはC〜C−アルキル基でもしくはC〜C−アルコキシ基で任意選択的に置換される6員の脂環式または芳香環を一緒に形成する二価基を表し;
    *が、式(III)の前記錯体の立体中心を表す)
    のキラルイリジウム錯体の存在下で、水素分子による水素化にかける工程
    のいずれかを含む方法。
  2. 式(I)または(II)の前記化合物が、3,7−ジメチルオクタ−6−エナール、3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエナール、3,7−ジメチルオクタ−2−エナール、6,10−ジメチルウンデカ−3,5,9−トリエン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−5,9−ジエン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−5−エン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−3−エン−2−オン、6,10−ジメチルウンデカ−3,5−ジエン−2−オン、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9,13−トリエン−2−オン、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5,9−ジエン−2−オン、6,10,14−トリメチルペンタデカ−5−エン−2−オンおよび(R)−6,10,14−トリメチルペンタ−デカ−5−エン−2−オンならびに全てのそれらの可能なE/Z−異性体からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 式(I)または(II)の前記化合物が、式(II)のものである、請求項1に記載の方法。
  4. 式(I)または(II)の前記化合物の前記アセタールまたはケタールが、式(I)または(II)の前記化合物と、アルコールとの反応によって得られることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 式の前記キラルイリジウム錯体の式(III)中のRが、
    Figure 0006406676

    からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記キラルイリジウム錯体が、前記水素化の際、式(I)もしくは(II)の前記化合物またはその前記アセタールもしくはケタールの量を基準にして、0.0001〜5モル%の範囲の量で存在することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程a1)またはa2)における異性体の前記分離が、蒸留によって行われることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程b1)またはb2)における前記シス/トランス異性化が、シス/トランス異性化触媒の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記シス/トランス異性化触媒が、一酸化窒素(NO)または有機硫黄化合物であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記シス/トランス異性化触媒が、式(X)
    Figure 0006406676

    (式中、n1が、1〜4の整数を表し、
    m1が、2〜8の整数を表し;
    Aが、28g/mol〜400g/molの分子量の脂肪族m1価炭化水素基を表す)
    のポリチオールであることを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記水素化が、有機スルホン酸、有機スルホン酸の遷移金属塩、金属アルコキシド、アルミノオキサン、アルキルアルミノオキサンおよびB(R)(3−v)(OZ)
    (式中、vが、0、1、2または3を表し、
    Rが、F、C1〜6−アルキル、ハロゲン化C1〜6−アルキル、アリールまたはハロゲン化アリール基を表し;
    Zが、C1〜6−アルキル、ハロゲン化C1〜6−アルキル、アリールまたはハロゲン化アリール基を表す)
    からなる群から選択される添加剤の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 式(XX−B)
    Figure 0006406676

    (式中、QおよびQが、個々にまたは両方とも、直鎖状〜C10アルキル基またはフッ素化直鎖状〜C10アルキル基を表し;または式
    Figure 0006406676

    (式中、Q およびQ が、互いに独立して、水素原子、メチル基またはエチル基である)の基を表し
    波線が、ZまたはE−立体配置のいずれかで炭素−炭素二重結合を有するように、隣接する炭素−炭素二重結合に連結される炭素−炭素結合を表す)
    のケタール。
  13. 式(XX−C)
    Figure 0006406676

    (式中、QおよびQが、個々にまたは両方とも、ハロゲン化C〜C10アルキル基を表し;または一緒にC 〜Cシクロアルキレン基を形成し;または式
    Figure 0006406676

    (式中、Q 、Q 、Q 及びQ が、互いに独立して、水素原子、メチル基またはエチル基である)の基を表し;
    点線(
    Figure 0006406676

    )を有する前記二重結合が、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合のいずれかを表し;
    波線が、ZまたはE−立体配置のいずれかで炭素−炭素二重結合を有するように、隣接する炭素単結合(
    Figure 0006406676

    が、
    Figure 0006406676

    を表す)または隣接する炭素−炭素二重結合(
    Figure 0006406676

    が、
    Figure 0006406676

    を表す)に連結される炭素−炭素結合を表す)
    のアセタール。
  14. 式(XXI−A)または(XXI−B)または(XXI−C)または(XXI−D)
    Figure 0006406676

    (式中、Qが、HまたはCHを表し、mおよびpが、互いに独立して、0〜3の値を表し、ただし、mおよびpの合計が、0〜3であり、前記上式中の点線(
    Figure 0006406676

    )を有する前記二重結合が、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合のいずれかを表し;
    波線が、ZまたはE−立体配置のいずれかで炭素−炭素二重結合を有するように、隣接する炭素単結合(
    Figure 0006406676

    が、
    Figure 0006406676

    を表す)または隣接する炭素−炭素二重結合(
    Figure 0006406676

    が、
    Figure 0006406676

    を表す)に連結される炭素−炭素結合を表す)
    のアセタールまたはケタール
    (ただし、(6E,10E)−2,6,10−トリメチル−14,14−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−2,6,10−トリエン)、(5E,9E)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5,9−ジエン、(6Z,10E)−2,6,10−トリメチル−14,14−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−2,6,10−トリエン、(6E,10Z)−2,6,10−トリメチル−14,14−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−2,6,10−トリエン、(6Z,10Z)−2,6,10−トリメチル−14,14−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−2,6,10−トリエン、(5Z,9E)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5,9−ジエン、(5E,9Z)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5,9−ジエン、(5Z,9Z)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5,9−ジエン、(6R,10R)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカン、(E)−6,10−ジメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)ウンデカ−5−エン、(Z)−6,10−ジメチル−2,2
    −ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカ−5−エン、(R,E)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5−エン、(R,Z)−6,10,14−トリメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ペンタデカ−5−エン、および(R)−6,10−ジメチル−2,2−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ウンデカンを除く。)
  15. − 式(XI)または(XII)の少なくとも1つのケタールまたはアセタールと、
    − 式(III)の少なくとも1つのキラルイリジウム錯体と
    を含む組成物であって、
    Figure 0006406676

    式中、Qが、HまたはCHを表し、mおよびpが、互いに独立して、0〜3の値を表し、ただし、mおよびpの合計が、0〜3であり、波線が、ZまたはE−立体配置のいずれかで炭素−炭素二重結合を有するように、隣接する炭素−炭素二重結合に連結される炭素−炭素結合を表し、s1およびs2によって表される式(I)および(II)の前記部分構造が、任意の配列であってもよく;
    式(XI)または(XII)中の点線(
    Figure 0006406676

    )を有する前記二重結合が、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合のいずれかを表し;
    およびQが、個々にまたは両方とも、C〜C10アルキル基またはハロゲン化C〜C10アルキル基を表し;
    または一緒に、C〜Cアルキレン基もしくはC〜Cシクロアルキレン基を形成し、
    Figure 0006406676

    式中、
    nが、1または2または3であり;
    およびXが、互いに独立して、水素原子、C1〜4−アルキル、C5〜7−シクロアルキル、アダマンチル、フェニル(1〜3つのC1〜5−アルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−パーフルオロアルキル基および/または1〜5つのハロゲン原子で任意選択的に置換される))、ベンジル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−フリルまたはフェロセニルであり;
    およびZが、互いに独立して、水素原子、C1〜5−アルキルまたはC1〜5−アルコキシ基であり;
    またはZおよびZが、一緒に、5〜6員環を形成する架橋基を表し;
    Figure 0006406676

    、アニオンであり;
    が、フェニルまたはo−トリルまたはm−トリルまたはp−トリルまたは式(IVa)もしくは(IVb)もしくは(IVc)
    Figure 0006406676

    (式中、RおよびRが、両方ともHまたはC〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基のいずれかを表すか、またはハロゲン原子でもしくはC〜C−アルキル基でもしくはC〜C−アルコキシ基で任意選択的に置換される6員の脂環式または芳香環を一緒に形成する二価基を表し、
    およびRが、両方ともHまたはC〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基のいずれか、またはハロゲン原子でもしくはC〜C−アルキル基でもしくはC〜C−アルコキシ基で任意選択的に置換される6員の脂環式または芳香環を一緒に形成する二価基を表し;
    およびRおよびRがそれぞれ、C〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基を表し;
    およびR10が、両方ともHまたはC〜C−アルキル基またはハロゲン化C〜C−アルキル基のいずれか、またはハロゲン原子でもしくはC〜C−アルキル基でもしくはC〜C−アルコキシ基で任意選択的に置換される6員の脂環式または芳香環を一緒に形成する二価基を表す)
    の基のいずれかを表し、
    *が、式(III)の前記錯体の立体中心を表す組成物。
  16. トコフェロール、ビタミンK1の合成のための、ならびに着香料および香料または医薬品の分野における組成物の合成のための中間体としての、請求項12に記載のケタール、請求項13に記載のケタール、請求項14に記載のアセタールまたは請求項14に記載のアセタールもしくはケタールまたは請求項16に記載の組成物の使用。
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