JP6405883B2 - 積層体、導電性積層体、及び、タッチパネル - Google Patents

積層体、導電性積層体、及び、タッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、積層体、導電性積層体及びタッチパネルに関する。
現在、液晶表示パネル等の表示パネルを有する表示装置を備えた種々の装置、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯情報端末、カーナビゲーションシステム等における入力手段として、タッチパネルが広く用いられている。
タッチパネルは、ITO(インジウム錫酸化物)等からなる透明導電層がハードコート層や高屈折率層及び低屈折率層等の光学機能層を介して基材フィルム上に設けられた透明導電性フィルムを備えたものであり、通常、表示パネルとは別個に製造され、上記表示パネルの前面に配置される。
ここで、透明導電層や低屈折率層等の光学機能層の全て或いは一部は、一般的にスパッタリング処理を経て基材フィルム上に設けられて積層体とされる。しかしながら、このスパッタリング処理では、積層体と金属ロール等の生産設備との接触や、摩擦により積層体が帯電することがあり、この帯電により、積層体の搬送性の低下や、透明導電層等にピンホールや打痕が発生したり、異物が付着したりするといった欠点(不良)が生じやすくなるといった問題があった。
また、スパッタリング処理を真空で行うと、積層体がより帯電しやすくなるにもかかわらず、イオナイザー等の静電気除去装置を設置しても、効果が発揮されないので、積層体の帯電により生じる上述の問題が起こりやすくなっていた。
一方、積層体の帯電を防止する方法としては、積層体に帯電防止性能を付与する方法が考えられる。
例えば、特許文献1には、基材と導電層との間に高屈折率層を設け、該高屈折率層に帯電防止性能を付与した積層体が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、基材と導電層との間にハードコート層を設け、該ハードコート層に帯電防止性能を付与した積層体が開示されている。
しかしながら、このような従来の積層体の層構成では、帯電防止性能を有する層が最表面に存在しないので、積層体の帯電を防止する効果が小さかった。また、形成した透明導電層を低抵抗化するために、加熱処理をすると、導電層と帯電防止性能を有する層とが近いために、加熱による帯電防止性能を有する層のマイグレーション等により帯電防止性能を有する層の帯電防止成分が、導電層と接触する可能性があることで、短絡(ショート)が起こり、導電性に劣るといった問題もあった。
特開2004−322380号公報 特開2010−177194号公報
本発明は、上記現状に鑑みて、透明導電層や低屈折率層等の光学機能層の全て或いは一部を形成するための真空成膜(スパッタリング処理等)による帯電を好適に防止でき、透明導電層を形成した場合、該透明導電層の導電性能にも優れる積層体、導電性積層体、及び、タッチパネルを提供することを目的とするものである。
本発明は、基材フィルムの一方の面上に、一以上の光学機能層を有し、上記基材フィルムの他方の面上に、透明層を有し、上記光学機能層の上記基材フィルム側と反対側面上にパターニングされた透明導電層を形成するのに用いられる積層体であって、上記透明層は、上記基材フィルム側と反対側面に帯電防止性能を有するものであり、上記帯電防止性能は、上記透明層が電子伝導型の帯電防止剤を含有する方法、又は、上記透明層の上記基材フィルム側と反対側面上に電子伝導型の帯電防止剤と樹脂成分とを含有する帯電防止層を形成する方法で付与されていることを特徴とする積層体である。
本発明の積層体において、上記透明層はハードコート層であり、該ハードコート層は、電子伝導型の帯電防止剤を含有することが好ましい。
また、上記透明層は、ハードコート層を含む一以上の積層構造を有し、上記透明層の基材フィルム側と反対側面上に、電子伝導型の帯電防止剤と樹脂成分とを含有する帯電防止層を有することが好ましい。
また、一以上の光学機能層として、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層からなる群より選択される少なくとも一層を有することが好ましい。
また、一以上の光学機能層として、高屈折率層及び低屈折率層が、この順で基材フィルム上に積層されていることが好ましい。
また、上記一以上の光学機能層として、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層が、この順で基材フィルム上に積層されていることが好ましい
また、上記透明導電層は、インジウム錫酸化物からなることが好ましい。
また、本発明は、上記積層体の光学機能層の基材フィルム側と反対側面上にパターニングされた透明導電層が形成されていることを特徴とする導電性積層体でもある。
また、本発明は、上記導電性積層体を備えることを特徴とするタッチパネルでもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、従来の課題について鋭意検討した結果、基材フィルムの透明導電層を形成する側と反対側面に帯電防止性能を有する透明層を設けることにより、スパッタリング処理による積層体の帯電を好適に防止でき、形成した透明導電層の導電性能にも優れる積層体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本明細書において、「透明導電層」における「透明」とは、可視光を透過する領域を面内に持っていることを意味し、実質的に半透明であってもよい。また、「透明」とは、具体的には、例えば、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
本発明の積層体は、基材フィルムの一方の面上に、透明層を有する。
上記透明層は、JIS K5600−5−4(1999)による鉛筆硬度試験(荷重4.9N)による鉛筆硬度がF以上であることが好ましく、H以上であることがより好ましい。
上記透明層は、本発明の積層体のハードコート性を担保するハードコート層であることが好ましく、例えば、紫外線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂と光重合開始剤とを含有するハードコート層用組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
上記ハードコート層は、JIS K5600−5−4(1999)による鉛筆硬度試験(荷重4.9N)による鉛筆硬度がH以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物を挙げることができる。1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等及びこれらをエチレンオキサイド(EО)等で変性した多官能化合物、又は、上記多官能化合物と(メタ)アクリレート等の反応生成物(例えば多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステル)等を挙げることができる。
上記化合物の他に、不飽和二重結合を有する比較的低分子量(数平均分子量300〜8万、好ましくは400〜5000)のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も上記電離放射線硬化型樹脂として使用することができる。なお、この場合の樹脂とは、モノマー以外のダイマー、オリゴマー、ポリマー全てを含む。
本発明における好ましい化合物としては、3以上の不飽和結合を有する化合物が挙げられる。このような化合物を用いると形成する透明層の架橋密度を高めることができ、塗硬度を良好にできる。
具体的には、本発明においては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエステル多官能アクリレートオリゴマー(3〜15官能)、ウレタン多官能アクリレートオリゴマー(3〜15官能)等を適宜組み合わせて用いることが好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂は、溶剤乾燥型樹脂と併用して使用することもできる。溶剤乾燥型樹脂を併用することによって、塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。なお、上記溶剤乾燥型樹脂とは、熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂をいう。
上記電離放射線硬化型樹脂と併用して使用することができる溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性の観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
また、上記ハードコート層用組成物は、熱硬化性樹脂を含有していてもよい。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
上記光重合開始剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、上記光重合開始剤としては、具体例には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、上記電離放射線硬化型樹脂がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることが好ましい。また、上記電離放射線硬化型樹脂がカチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、上記光重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることが好ましい。
本発明において用いる光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する電離放射線硬化型樹脂の場合は、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが、電離放射線硬化型樹脂との相溶性、及び、黄変も少ないという理由から好ましい。
上記ハードコート層用組成物にける上記光重合開始剤の含有量は、上記電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、本発明の積層体における透明層の硬度を上述した範囲とすることができないことがあり、10質量部を超えると、塗設した膜の深部まで電離放射線が届かなくなり内部硬化が促進されず、目標である透明層の表面の鉛筆硬度F以上が得られないおそれがあるためである。
上記光重合開始剤の含有量のより好ましい下限は2質量部であり、より好ましい上限は8質量部である。上記光重合開始剤の含有量がこの範囲にあることで、厚み方向に硬度分布が発生せず、均一な硬度になりやすくなる。
上記ハードコート層用組成物は、溶剤を含有していてもよい。
上記溶剤としては、使用する樹脂成分の種類及び溶解性に応じて選択して使用することができ、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合溶媒であってもよい。
なかでもケトン系の溶媒でメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのいずれか、又は、これらの混合物を少なくとも含むことが、樹脂との相溶性、塗工性に優れるという理由から好ましい。
上記ハードコート層用組成物中における原料の含有割合(固形分)としては特に限定されないが、通常は5〜70質量%、特に15〜60質量%とすることが好ましい。
上記ハードコート層用組成物には、透明層(ハードコート層)の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、ブロッキングを防止する、屈折率を制御する、防眩性を付与する、粒子やハードコート層表面の性質を変える等の目的に応じて、従来公知の有機、無機微粒子、分散剤、界面活性剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤等を添加していてもよい。
また、上記ハードコート層用組成物は、光増感剤を混合して用いてもよく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等が挙げられる。
上記ハードコート層用組成物の調製方法としては各成分を均一に混合できれば特に限定されず、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ミキサー等の公知の装置を使用して行うことができる。
また、上記ハードコート層に後述する帯電防止剤を含有させる場合も、同様の方法によりハードコート層用組成物を調整することができる。
上記ハードコート層用組成物を上記基材フィルム上に塗布する方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の公知の方法を挙げることができる。
上記基材フィルム上に上記ハードコート層用組成物を塗布して形成した塗膜は、必要に応じて加熱及び/又は乾燥し、活性エネルギー線照射等により硬化させることが好ましい。
上記活性エネルギー線照射としては、紫外線又は電子線による照射が挙げられる。上記紫外線源の具体例としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯等の光源が挙げられる。また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
なお、上記透明層の好ましい厚み(硬化時)は0.5〜15.0μm、より好ましくは0.8〜10.0μm、カール防止性やクラック防止性が特に優れるので、もっとも好ましくは1.5〜8.0μmの範囲である。上記透明層の厚みは、断面を電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)で観察し、任意の10点を測定した平均値(μm)である。ハードコート層の厚みは、このほかの方法として、厚み測定装置ミツトヨ社製のデジマチックインジケーターIDF−130を用いて任意の10点を測定し、平均値を求めてもよい。
上記透明層は、基材フィルム側と反対側面に帯電防止性能を有する。
上記透明層が、基材フィルムの透明導電層を形成する側と反対側面に帯電防止性能を有することにより、スパッタリング処理による積層体の帯電を好適に防止できるとともに、透明導電層の短絡を防止し、導電性に優れる積層体を得ることができる。
上記帯電防止性を付与する方法としては、例えば、上記透明層に帯電防止剤を含有させる方法や、上記透明層の基材フィルム側と反対側面上に、帯電防止層を形成する方法が好適に挙げられる。
上記帯電防止性を付与する方法が上記透明層に帯電防止剤を含有させる方法である場合、上記透明層は上述したハードコート層であり、該ハードコート層は、帯電防止剤を含有することが好ましい。
また、上記帯電防止性を付与する方法が上記透明層の基材フィルム側と反対側面上に、帯電防止層を形成する方法である場合、上記透明層は、ハードコート層を含む一以上の積層構造を有し、上記透明層の基材フィルム側と反対側面上に、帯電防止層を有することが好ましい。
上記帯電防止剤としては、イオン伝導型と電子伝導型があるが、電子伝導型の方が真空中での帯電防止効果が大きく好ましい。
上記イオン伝導型の帯電防止剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジウム塩等の第1〜第3アミノ基を有する各種のカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン系帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ酸硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性帯電防止剤等が挙げられ、また、上記電子伝導型の帯電防止剤としては、例えば、ポリアセチレン系、ポリチオフェン系等の導電性ポリマー、金属微粒子、金属酸化物微粒子等の導電性微粒子が挙げられる。
なかでも、ポリアセチレン、ポリチオフェン等の導電性ポリマーにドーパントを組み合わせた帯電防止剤、金属微粒子、金属酸化物微粒子が好ましい。
また、上記導電性ポリマーに導電性微粒子を含有させることもできる。
上記導電性ポリマーからなる帯電防止剤としては、具体的には、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(1,6−ヘプタジイン)、ポリビフェニレン(ポリパラフェニレン)、ポリパラフィニレンスルフィド、ポリフェニルアセチレン、ポリ(2,5−チエニレン)、又は、これらの誘導体等の導電性高分子が挙げられ、好ましくは、ポリチオフェン系の導電性有機ポリマー(例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等)が挙げられる。
上記導電性有機ポリマーからなる帯電防止剤を用いることで、湿度依存性が少なく長期間にわたって帯電防止性が維持でき、また、高い透明性、低いヘイズを有し、更に、高いハードコート性、特に鉛筆硬度、スチールウール等に対する耐擦傷性を著しく向上できる。
上記金属微粒子を構成する金属としては特に限定されず、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Fe、Ni、Pd、Pt等の単独、或いはこれら金属の合金が挙げられる。
また、上記金属酸化物微粒子を構成する金属酸化物としては特に限定されず、例えば、酸化錫(SnO)、酸化アンチモン(Sb)、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、フッ素化酸化スズ(FTO)、ZnO等が挙げられる。
上記導電性微粒子は、平均一次粒子径が6〜40nmであることが好ましい。6nm未満であると、本発明の積層体に充分な帯電防止性能を付与するために添加量を多くする必要があり、透明性やその他の層との間の密着性に劣ることがあり、また、導電性微粒子の抵抗が急激に大きくなるため、上記透明層の導電性能が悪くなることがある。40nmを超えると、導電性微粒子自体の抵抗は低いが、導電性微粒子が透明層中で点在し、良好な抵抗を得られない恐れがある。上記導電性微粒子の平均一次粒子径のより好ましい下限は7nm、より好ましい上限は20nmである。
なお、上記導電性微粒子の平均一次粒子径とは、上記透明層用組成物中においては、日機装社製のMICROTRAC粒度分析計を用いて測定した値を意味し、上記透明層においては、該透明層断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真や走査透過電子顕微鏡(STEM)写真により観察される導電性微粒子の10個の粒子径の平均値を意味する。
上記導電性微粒子は、鎖状又は針状であることが好ましい。このような形状の導電性微粒子は、透明層中で動き難いものであり、耐久性試験時に透明層に硬化収縮が多少生じた場合であっても、本発明の積層体の表面抵抗率を殆ど変化させることなく安定して透明層中に含有させることができる。
また、上記透明層において隣接する鎖状又は針状の導電性微粒子の接触が生じやすく、少量の添加量で充分な導電性能を有する透明層とすることもできる。
上記鎖状導電性微粒子を含む分散液の市販品としては、例えば、日揮触媒化成社製のELCOM−V3560、DP1197、DP1203、DP1204、DP1207、DP1208等が挙げられる。
上記帯電防止剤を上記ハードコート層用組成物に含有させることにより、上記透明層に帯電防止性能を付与することができる。
上記帯電防止剤の含有量としては、使用する帯電防止剤の種類、形状及び大きさ等に応じて適宜調整されるが、例えば、上記ハードコート層用組成物の全固形分の樹脂成分100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、本発明の積層体の帯電防止性能が不充分となることがあり、30質量部を超えると、後述する基材フィルムとの密着性が劣ったり、導電性の経時変化での影響を受ける確率が上がったりすることがある他、上記ハードコート層が着色するといった問題が生じることもある。
上記帯電防止層は、上記帯電防止剤と樹脂成分とを含有する帯電防止層用組成物を用いて形成されてなることが好ましい。
上記帯電防止層における上記帯電防止剤の含有量としては、使用する帯電防止剤の種類、形状及び大きさ等に応じて適宜調整されるが、上述した透明層に帯電防止性能を付与する場合と同様であることが好ましい。
上記樹脂成分としては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスチレン及びABS樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
また、上記セルロース系樹脂としては、例えば、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)等が挙げられる。
また、上記ウレタン系樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂等が挙げられる。
また、上記塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
また、上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
また、上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
本発明の積層体における上記樹脂成分としては、熱可塑性樹脂であることが好ましく、なかでも、上記帯電防止剤のブリードアウトを防止しやすく、相溶性に優れることから、ポリメチルメタクリレートが好適に用いられる。
本発明の積層体において、上記樹脂成分は、ポリマーであって、上記帯電防止層のバインダー成分としての役割を果たす材料であり、分子中に反応性官能基を有さず、かつ、後述する溶剤に対する溶解性と上記帯電防止剤に対する相溶性とを有するものが好ましい。
上記帯電防止層がバインダー成分として、ポリマーである樹脂成分を含有することで、本発明の積層体は、耐久性試験後において帯電防止層に硬化収縮が起きず、表面抵抗率が変化しない安定したものとなる。
このため、上記樹脂成分としては、分子中に反応性官能基を有さないものが好ましい。上記樹脂成分が分子中に反応性官能基を有さないことにより、該樹脂成分の二次的な反応が無く、帯電防止層用組成物を塗布及び乾燥した後に形成される帯電防止層の性能を維持することができる。上記樹脂成分が分子中に反応性基を有するものである場合、帯電防止層用組成物を塗布及び乾燥した後に形成される帯電防止層中で、暗反応により徐々に上記樹脂成分が反応を進めてしまうことがあり、長期的に徐々に上記樹脂成分の反応が進むと、該反応により樹脂成分の結合が生じることとなり、樹脂成分が形成していた物理的距離が収縮することがある。その結果として帯電防止層中での帯電防止剤の物理的距離も縮まってしまい、導電パスを増大させ帯電防止層の導電性が向上し抵抗値が下がってしまうという問題が生じることがある。
また、上記樹脂成分が分子中に反応性官能基を有すると、耐久性試験により該反応性官能基が反応して帯電防止層に硬化収縮が生じ、表面抵抗率が変化することがある。
なお、上記反応性官能基としては、耐久性試験において反応することがある官能基を意味し、例えば、アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を有する官能基、エポキシ環、オキセタン環等の環状エーテル基、ラクトン環等の開環重合基、ウレタンを形成するイソシアネート基等が挙げられる。
なお、これらの反応性官能基は、上記樹脂成分中に全く含まれないことが好ましいが、耐久性試験後において、帯電防止層に硬化収縮を起こさせない程度であれば含まれていてもよい。
上記帯電防止層に硬化収縮を起こさせない程度とは、耐久性試験後における表面抵抗率の変化率が後述する範囲にある場合を意味する。
また、上記樹脂成分は、後述する溶剤に対する溶解性と上記帯電防止剤に対する相溶性とを有するものが好ましい。
このような樹脂成分を含有する帯電防止層用組成物を用いてなる帯電防止層は、帯電防止剤の分散性に優れるとともに、経時での表面抵抗率の安定性に優れたものとなる。
なお、本明細書において、「溶解性を有する」とは、上記樹脂成分を後述する溶剤に溶解させた樹脂溶液において、ゲル成分を生じることがなく、かつ、当該樹脂溶液における溶剤比率の増大に応じて粘度が低下する特性を有することを意味する。
また、「相溶性を有する」とは、上記樹脂溶液と上記帯電防止剤とを混合した帯電防止層用組成物において、樹脂成分100質量部に対して、上記帯電防止剤が少なくとも100〜300質量部の範囲において任意の比率で混合しても、ゲル化物を生ずることなく均一分散しており、上記帯電防止層用組成物をムラなく塗工して塗膜を形成することができ、該塗膜を乾燥させてなる帯電防止層にヘイズの上昇等の外観悪化が生じないことを意味する。
また、上記樹脂成分は、側鎖を有するものであることが好ましい。
上記側鎖を有する樹脂成分は、該側鎖が立体障害となって帯電防止層中で動き難くなり、本発明の積層体をより好適に表面抵抗率の安定性に優れたものとすることができる。
上記樹脂成分は、重量平均分子量が2万〜20万であることが好ましい。2万未満であると、帯電防止層に充分な硬さが得られず、耐久性試験の前後で表面抵抗率が不安定となることがある。一方、20万を超えると、帯電防止層用組成物の粘度が高くなりすぎ塗布できないことがある。
なお、上記重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めることができる。GPC移動相の溶剤には、テトラヒドロフランやクロロホルムを使用することができる。測定用カラムは、テトラヒドロフラン用又はクロロホルム用のカラムの市販品カラムを組み合わせて使用するとよい。上記市販品カラムとしては、例えば、Shodex GPC KF−801、GPC KF−802、GPC KF−803、GPC KF−804、GPC KF−805、GPC KF−800D(いずれも、商品名、昭和電工社製)等を挙げることができる。検出器には、RI(示差屈折率)検出器及びUV検出器を使用するとよい。このような溶剤、カラム、検出器を使用して、例えば、Shodex GPC−101(昭和電工社製)等のGPCシステムにより、上記重量平均分子量を適宜測定することができる。
また、上記樹脂成分は、ガラス転移温度が80〜120℃であることが好ましい。80℃未満であると、樹脂成分が柔らかくなり、抵抗値が不安定となることがあり、一方、120℃を超えると、樹脂成分が硬くなり、基材フィルムへの密着性が低下する恐れがある。上記ガラス転移温度のより好ましい下限は90℃、より好ましい上限は110℃である。この範囲にあることで、安定した抵抗値を得ながら、基材フィルムへの密着性を確保できる。
上記帯電防止層は、厚みが50〜5000nmであることが好ましい。50nm未満であると、充分な抵抗値を得ることができない恐れがあり、5000nmを超えると、基材フィルムに対する密着性に劣り、帯電防止剤の材料によっては、積層体が着色したり、全光線透過率が低下したりすることがある他、後述する透明導電層の不可視化に影響を与えることもある。上記帯電防止層の厚みのより好ましい下限は100nm、より好ましい上限は3000nmである。
なお、上記帯電防止層の厚みは、帯電防止層断面を電子顕微鏡(例えば、SEM、TEM、STEM等)を用いて観測し、測定した値である。
上記帯電防止層は、上記帯電防止剤、上記樹脂成分、及び、溶剤等を含有する帯電防止層用組成物により形成されるのが好ましい。
上記溶剤としては、上記樹脂成分が上述した溶解性を示す有機溶剤が好適に用いられ、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が挙げられ、これらの混合溶剤であってもよい。
上記帯電防止層用組成物の調製方法としては各成分を均一に混合できれば特に限定されず、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ミキサー等の公知の装置を使用して行うことができる。
上記帯電防止層用組成物を基材フィルム上に塗布し、塗膜を形成した後、該塗膜を乾燥させることで、上記帯電防止層を形成することができる。
上記塗布の方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の公知の方法を挙げることができる。
本発明の積層体の透明導電層を形成する側と反対側面の表面抵抗率は、上記ハードコート層に帯電防止剤を含有させる方法、上記ハードコート層の基材フィルム側と反対側面上に帯電防止層を形成する方法のいずれの場合も、1×1013Ω/□以下であることが好ましい。
上記表面抵抗率が1×1013Ω/□を超えると、積層体の搬送性の低下や、透明導電層にピンホールや打痕が発生したり、異物が付着したりするといった欠点が生じることがある。
上記表面抵抗率は、1×1011Ω/□以下であることがより好ましい。
本発明の積層体は、基材フィルムの一方の面上に、一以上の光学機能層を有する。
上記一以上の光学機能層としては、従来公知の任意の光学機能層が挙げられ、具体的には、例えば、ハードコート層、低屈折率層、高屈折率層、防汚層、帯電防止層、及び、防眩層等が挙げられる。
本発明の積層体において、上記一以上の光学機能層は、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層がこの順に上記基材フィルム上に形成されたものであることが好ましい。このような構成の光学機能層を有することで、後述するようにパターニングされた透明導電層の不可視化を図ることができる。
上記光学機能層は、ハードコート層を有することが好ましい。
上記ハードコート層を有することで、後述する透明導電層に加熱処理を施して結晶化する際に、基材フィルムを構成するオリゴマー等が析出するのを防止することができる。
また、基材フィルムに傷が生じるのを防止することもできる。
上記光学機能層におけるハードコート層は、例えば、上述した基材フィルムの光学機能層側と反対側面に有するハードコート層と同様の組成、方法により形成されることが好ましい。
上記光学機能層におけるハードコート層の厚みは、カール防止性を好適に付与することができることから、上述した基材フィルムの光学機能層側と反対側面に有するハードコート層と同程度の厚みが好ましい。
なお、「同程度の厚み」とは、上記光学機能層におけるハードコート層の厚みと、上述した基材フィルムの光学機能層側と反対側面に有するハードコート層の厚みとの差が1.0μm以内である場合を意味する。
本発明の積層体は、後述するようにパターニングされた透明導電層を有し、タッチパネルに用いられる部材であるため、上記パターンニングされた透明導電層の不可視化等の要求がある。上記パターニングされた透明導電層の不可視化の手段としては、上記光学機能層として高屈折率層及び低屈折率層をこの順に積層する方法が挙げられるが、該透明導電層及びタッチパネルへの適応のためには、厳密な光学特性が要求され、厚みや屈折率の厳密な制御が要求される。具体的には、上記高屈折率層は、厚み10〜100nmで、屈折率1.55〜1.75であることが好ましく、上記低屈折率層は、厚み10〜100nmで、屈折率1.35〜1.55であることが好ましい。上記高屈折率層及び上記低屈折率層の厚みは、20〜70nmであることがより好ましい。
上記高屈折率層を形成する手法としては、ウェット法とドライ法とに大別できる。なかでも、ウェット法は生産効率の点で優れている。
上記ウェット法としては、例えば、金属アルコキシド等を用いてゾルゲル法により形成する手法、バインダー樹脂に高屈折率粒子を含有させた組成物を塗工して形成する手法等が挙げられる。
上記ドライ法としては、後述する高屈折率粒子の中から所望の屈折率を有する材料を選び、物理気相成長法又は化学気相成長法により形成する手法等が挙げられる。
上記低屈折率層を形成する手法としては、ウェット法とドライ法とに大別できる。なかでも、ウェット法は生産効率の点で優れている。
上記ウェット法としては、高屈折率層と同様、金属アルコキシド等を用いてゾルゲル法により形成する手法、フッ素樹脂のような低屈折率のバインダーを塗工して形成する手法、バインダー樹脂に低屈折率粒子を含有させた組成物を塗工して形成する手法等が挙げられる。
上記ドライ法としては、後述する低屈折率粒子の中から所望の屈折率を有する粒子を選び、物理気相成長法又は化学気相成長法により形成する手法等が挙げられる。
なお、上述した基材フィルム上に上記光学機能層として高屈折率層及び/又は低屈折率層をドライ法にて形成する場合、従来の積層体においては、後述するパターニングされた透明導電層をスパッタリング処理にて形成する場合と同様の問題が生じる。
本発明の積層体では、上記ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層は、それぞれの屈折率が下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。下記式(1)を満たすことで、上記低屈折率層上に形成した透明導電層の不可視化を好適に図ることができる。
高屈折率層の屈折率>ハードコート層の屈折率>低屈折率層の屈折率 (1)
上記高屈折率層としては特に限定されず、従来公知のものが挙げられ、例えば、上記ハードコート層で説明した樹脂及び溶媒に高屈折率微粒子を含む組成物を用いて形成することができる。
上記高屈折率微粒子としては、例えば、屈折率が1.50〜2.80の金属酸化物微粒子等が好適に用いられる。上記金属酸化物微粒子としては、具体的には、例えば、酸化チタン(TiO、屈折率:2.71)、酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率:2.10)、酸化セリウム(CeO、屈折率:2.20)、酸化錫(SnO、屈折率:2.00)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜1.95)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、酸化アンチモン(Sb、屈折率:2.04)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)及びアンチモン酸亜鉛(ZnSb、屈折率:1.90〜2.00)等が挙げられる。なかでも、酸化錫(SnO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、燐錫化合物(PTO)、酸化アンチモン(Sb)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)及びアンチモン酸亜鉛(ZnSb)は、導電性金属酸化物であり、微粒子の拡散状態を制御し、導電パスを形成することで、帯電防止性能を付与できるという利点がある。
また、耐光性等の耐久安定性が高いという観点からは、酸化ジルコニウム(ZrO)が好適である。
上記低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ又はフッ化マグネシウムの薄膜等のいずれかで構成される。フッ素系樹脂以外の樹脂については、上述したハードコート層に用いる樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上述したシリカは、中実シリカ微粒子や、中空シリカ微粒子が好ましい。
上記フッ素系樹脂としては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体を用いることができる。重合性化合物としては特に限定されないが、例えば、電離放射線で硬化する官能基、熱硬化する極性基等の硬化反応性の基を有するものが好ましい。また、これらの反応性の基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、重合体とは、上記のような反応性基などを一切もたないものである。
上記電離放射線で硬化する官能基を有する重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができる。より具体的には、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)を例示することができる。(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとしては、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロメタクリル酸メチル、α−トリフルオロメタクリル酸エチルのような、分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中に、フッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物等もある。
上記熱硬化する極性基として好ましいのは、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の水素結合形成基である。これらは、塗膜との密着性だけでなく、シリカ等の無機超微粒子との親和性にも優れている。熱硬化性極性基を持つ重合性化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品等が挙げられる。
上記電離放射線で硬化する官能基と熱硬化する極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
また、フッ素系樹脂としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も用いることができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
更には、以下のような化合物からなる非重合体又は重合体も、フッ素系樹脂として用いることができる。すなわち、分子中に少なくとも1個のイソシアナト基を有する含フッ素化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基のようなイソシアナト基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;フッ素含有ポリエーテルポリオール、フッ素含有アルキルポリオール、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ε−カプロラクトン変性ポリオールのようなフッ素含有ポリオールと、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得られる化合物等を用いることができる。
また、上記したフッ素原子を持つ重合性化合物や重合体とともに、上記に記載したような各樹脂を混合して使用することもできる。更に、反応性基等を硬化させるための硬化剤、塗工性を向上させたり、防汚性を付与させたりするために、各種添加剤、溶剤を適宜使用することができる。
上記低屈折率層の形成においては、低屈折率剤及び樹脂等を添加してなる低屈折率層用組成物の粘度を好ましい塗布性が得られる0.5〜5mPa・s(25℃)、好ましくは0.7〜3mPa・s(25℃)の範囲のものとすることが好ましい。可視光線の優れた反射防止層を実現でき、かつ、均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、かつ、密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
上記低屈折率層を構成する樹脂の硬化手段は、上述のハードコート層における硬化手段と同様であってよい。硬化処理のために加熱手段が利用される場合には、加熱により、例えばラジカルを発生して重合性化合物の重合を開始させる熱重合開始剤がフッ素系樹脂組成物に添加されることが好ましい。
上記基材フィルムとしては特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、芳香族ポリエーテルケトン等を原料とした基材が挙げられる。なかでも、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。
上記基材フィルムに用いるポリオレフィン基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン基材等の少なくとも1種を構成成分とする基材が挙げられる。上記環状ポリオレフィン基材としては、例えばノルボルネン骨格を有するものが挙げられる。
上記ポリカーボネート基材としては、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート基材、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート基材等が挙げられる。
上記ポリアクリレート基材としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル基材、ポリ(メタ)アクリル酸エチル基材、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体基材等が挙げられる。
上記ポリエステル基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)の少なくとも1種を構成成分とする基材が挙げられる。
上記芳香族ポリエーテルケトン基材としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基材等が挙げられる。
本発明において、上記基材フィルムの厚み、特に限定されず、5〜300μmとすることが可能であるが、ハンドリング性や、上記積層体に発生するシワやよれを防止する等の観点から、厚みが10μm以上であることが好ましく、薄膜化の観点から200μm以下であることが好ましい。
上記基材フィルムの厚みのより好ましい下限は50μm、より好ましい上限は125μmである。
上記基材フィルムは、表面に予めスパッタリング、コロナ放電、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化等のエッチング処理や下塗り処理が施されていてもよい。これらの処理が予め施されていることで、上記基材フィルム上に形成されるハードコート層や単官能モノマーの硬化層との密着性を向上させることができる。また、ハードコート層や硬化層を形成する前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄等により、基材フィルム表面は、除塵、清浄化されていてもよい。
本発明の積層体は、上記光学機能層の上記基材フィルム側と反対側面上にパターニングされた透明導電層を形成するために用いられる。
上記透明導電層としては特に限定されず、例えば、金属酸化物からなる透明導電層が挙げられる。
上記金属酸化物からなる透明導電層としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)、酸化タングステン(WO)等からなる膜を挙げることができ、なかでも、インジウム錫酸化物(ITO)が好ましい。
上記透明導電層の厚みは特に制限されないが、その表面抵抗を200Ω/□以下の良好な導電性を有する連続被膜とするには、ある程度の厚みが必要であるが、厚みが厚くなりすぎると透明性の低下などをきたすため、上記厚みの好ましい下限は15nm、好ましい上限は55nmであり、より好ましい下限は20nm、より好ましい上限は40nmである。厚みが15nm未満であると表面電気抵抗が高くなり、かつ連続被膜になり難くなる。また、55nmを超えると透明性の低下等をきたしてしまうことがある。
上記透明導電層は、真空成膜により形成することができる。
上記真空成膜としては、スパッタリング処理であることが好ましく、上記透明導電層は、スパッタリング処理後、130〜170℃、5〜120分の条件で、加熱処理を施して結晶化されることが好ましい。
上記透明導電層を結晶化することで、透明導電層が低抵抗化されることに加えて、透明性及び耐久性が向上する。
なお、上記スパッタリング処理により形成した透明導電層をパターニングする方法としては、公知のエッチング法等が挙げられる。上記透明導電層の加熱処理は、透明導電層をパターニングする前でも後でもよい。
上記積層体の光学機能層の基材フィルム側と反対側面上にパターニングされた透明導電層が形成された導電性積層体もまた、本発明の一つである。
本発明の導電性積層体は、いずれの場合も、テレビジョン、コンピュータなどのディスプレイ表示に使用することができる。特に、液晶パネル、PDP、ELD、タッチパネル、電子ペーパー等の高精細画像用ディスプレイの表面に好適に使用することができる。
上記積層体の光学機能層の基材フィルム側と反対側面上にパターニングされた透明導電層が形成された本発明の導電性積層体は、静電容量方式のタッチパネルに好適に用いることができる。このような本発明の導電性積層体を用いたタッチパネルもまた、本発明の一つである。
本発明のタッチパネルは、静電容量方式のタッチパネルであることが好ましい。
本発明の積層体は、上述した構成からなるため、透明導電層を形成するためのスパッタリング処理による帯電を好適に防止でき、形成した透明導電層の導電性能にも優れる。
本発明の内容を下記の実施例により説明するが、本発明の内容はこれらの実施態様に限定して解釈されるものではない。なお、特に断りのない限り、本実施例において、「部」および「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
(実施例1)
厚み100μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡社製、A4300;プライマー層付き)の一方の面上(プライマー層上)に、下記処方のハードコート層組成物を用いて、乾燥後の厚みが2.0μmとなるように塗布し、ハードコート層を形成した。
次いで、下記処方の高屈折率層用組成物(1)及び低屈折率層用組成物(1)を用いて、高屈折率層(乾燥後の厚み50nm、屈折率1.68)及び低屈折率層(乾燥後の厚み30nm、屈折率1.48)を順番に、二軸延伸ポリエステルフィルムのハードコート層上に形成した。
なお、各塗膜の乾燥条件は、それぞれ70℃、60秒とした。また、ハードコート層用組成物の塗膜、高屈折率層用組成物(1)の塗膜、及び、低屈折率層用組成物(1)の塗膜の夫々を乾燥した後に、それぞれ紫外線照射(150mJ/cm)を行った。
また、上記二軸延伸ポリエステルフィルムの他方の面上に、下記処方の帯電防止層用組成物(1)を用いて、乾燥後の厚みが2000nmとなるように塗布して塗膜を形成し、該塗膜を、熱乾燥により硬化をさせて、帯電防止性能を有する透明層を形成し、積層体を得た。なお、塗膜の乾燥条件は、70℃、60秒とした。
<ハードコート層用組成物>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、DPHA、固形分100%) 50部
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア184) 3部
レベリング剤(DIC社製、メガファックMCF350−5、固形分5%) 0.5部
メチルイソブチルケトン 75部
<高屈折率層用組成物(1)>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、DPHA、固形分100%) 10部
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア127) 1.7部
レベリング剤(DIC社製、メガファックMCF350−5、固形分5%) 0.3部
高屈折率粒子含有液(平均粒径10〜15nmのジルコニア粒子をメチルエチルケトンに分散させ、固形分30%としたもの) 65部
メチルイソブチルケトン 1250部
<低屈折率層用組成物(1)>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、DPHA、固形分100%) 3.5部
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア127) 0.6部
レベリング剤(DIC社製、メガファックMCF350−5、固形分5%) 0.1部
低屈折率粒子含有液(平均粒径10〜15nmのシリカ粒子をメチルイソブチルケトンに分散させ、固形分30%としたもの) 21.7部
メチルイソブチルケトン 1250部
<帯電防止層用組成物(1)>
帯電防止剤(信越ポリマー社製、ポリチオフェン、固形分50%、イソプロピルアルコールで希釈したもの) 1.5部
アクリルポリマ−溶液(重量平均分子量16万、二重結合当量1000、固形分25%、メチルイソブチルケトンで希釈したもの) 100部
レベリング剤(DIC社製、メガファックMCF350−5、固形分5%) 0.3部
(実施例2)
実施例1における帯電防止層用組成物(1)を、下記処方の帯電防止層用組成物(2)に変更し、該塗膜を、乾燥及び紫外線照射による硬化をさせて、帯電防止性能を有するハードコート層である透明層を形成し、積層体を得た。なお、塗膜の乾燥条件は、70℃、60秒であり、紫外線の照射量は200mJ/cmとした以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
<帯電防止層用組成物(2)>
帯電防止剤(信越ポリマー社製、ポリチオフェン、固形分50%、イソプロピルアルコールで希釈したもの) 1.5部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、DPHA、固形分100%) 25部
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア184) 1.5部
レベリング剤(DIC社製、メガファックMCF350−5、固形分5%) 0.3部
メチルイソブチルケトン 75部
(実施例3)
実施例2の帯電防止層用組成物(2)を、実施例1のハードコート層用組成物に変更し、紫外線の照射量を150mJ/cmとした以外は、実施例2と同様にしてハードコート層を形成し、その後、帯電防止層用組成物(2)のメチルエチルケトンを700部に変更し、光重合開始剤をBASF社製、イルガキュア127に変更し、乾燥、紫外線照射後の厚みが100nmとなるように上記ハードコート層上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜の乾燥、紫外線照射の条件を上記ハードコート層用組成物の条件と同じにした(乾燥条件70℃、60秒、紫外線照射条件150mJ/cm)以外は、実施例1と同様にして、ハードコート層と帯電防止層とからなる透明層を形成し、積層体を得た。
(比較例1)
実施例1の帯電防止層用組成物(1)を、下記処方の透明層用組成物(1)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
<透明層用組成物(1)>
アクリルポリマ−溶液(重量平均分子量16万、二重結合当量1000、固形分25%、イソプロピルアルコールで希釈したもの) 92部
レベリング剤(DIC社製、メガファックMCF350−5、固形分5%) 0.2部
(比較例2)
実施例2の帯電防止層用組成物(2)を、実施例1のハードコート層用組成物に変更した以外は、実施例2と同様にして積層体を得た。
(比較例3)
実施例1の高屈折率層用組成物(1)を、下記処方の高屈折率層用組成物(2)に変更し、高屈折率層の膜厚を100nmに変更した以外は比較例2と同様にして積層体を得た。
<高屈折率層用組成物(2)>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、DPHA、固形分100%) 7部
帯電防止剤(信越ポリマー社製 ポリチオフェン、固形分50%、イソプロピルアルコールで希釈したもの) 6部
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア127) 1.7部
レベリング剤(DIC社製、メガファックMCF350−5、固形分5%) 0.3部
高屈折率粒子含有液(平均粒径10〜15nmのジルコニア粒子をメチルエチルケトンに分散させ、固形分30%としたもの) 65部
メチルイソブチルケトン 1250部
(参考例1)
実施例3の帯電防止層の厚みを30nmにした以外は、実施例3と同様にして積層体を得た。
(参考例2)
実施例3の帯電防止層用組成物(2)を、下記処方の帯電防止層用組成物(3)に変更した以外は、実施例3と同様にして積層体を得た。
<帯電防止層用組成物(3)>
帯電防止剤(三菱化学社製、ユピマ−H6100、4級アンモニウム塩、固形分50%)
20部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、DPHA、固形分100%) 25部
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア127) 1.5部
レベリング剤(DIC社製、メガファックMCF350−5、固形分5%) 0.4部
メチルイソブチルケトン 1250部
以下のように、実施例、比較例及び参考例で得られた積層体の物性測定及び評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
(表面抵抗率)
JIS−K6911に基づき、各積層体の透明層を有する面の表面抵抗率(Ω/□)を、下記方法で測定した。
すなわち、高抵抗率計ハイレスターUP MCP−HT450(三菱化学社製)を用い、プローブにはURSプローブ MCP−HTP14(三菱化学社製)を使用し、温度25±4℃、湿度50±10%の環境下で、500Vの印加電圧にて表面抵抗率(Ω/□)の測定を実施した。結果を、以下の基準により評価した。
○:1.0×1011 Ω/□以下
△:1.0×1012 Ω/□以下
×:1.0×1013 Ω/□以上
(スパッタリング適正)
各積層体の低屈折率層の表面にスパッタリング法により膜厚が25nmのスズドープ酸化インジウム(ITO)層を形成した。その後、黒台紙上で蛍光灯下において、点状欠点を抽出し、光学顕微鏡にて上記点状欠点の最も長径の箇所を観測し、0.1mm以上のものをカウントした。以下の基準により評価した。
○:点状欠点なし
△:点状欠点1〜10個/m
×:点状欠点10個/mを超える
Figure 0006405883
表1に示したように、実施例に係る積層体では、透明層の表面抵抗率が1×1011Ω/□以下であり、スパッタリング処理により透明導電層を形成しても、透明導電層に欠陥が発生することはなかった。
また、透明層が帯電防止性能を有するハードコート層である実施例2、及び、透明層がハードコート層と帯電防止層とを有する実施例3では、JIS K−5400に準拠して得られた積層体の鉛筆硬度(ただし、500g荷重とした)が、H以上であった。
また、光学機能層としてハードコート層を有する実施例2及び3を、100mm×100mmに裁断し、スパッタリング処理により透明導電層を形成した後、平面台に置き4隅のうち台から一番離れた距離を測定したところ、5mm以内であり、カール防止性にも優れていた。
一方、比較例に係る積層体では、スパッタリング処理により形成した透明導電層に10個/m以上の頻度で点状欠点が発生し、また、透明層の表面抵抗率が高く、透明層の基材フィルム側と反対側面に帯電防止性能を有さないものであった。
参考例1に係る積層体は、透明層を構成する帯電防止層の厚みが薄かったため、同じ層構成の透明層を備えた実施例3に係る積層体と比較して、透明層の表面抵抗率及びスパッタリング適性にやや劣っていた。
また、参考例2に係る積層体は、帯電防止剤がイオン伝導タイプであったため、同じ層構成で、電子伝導タイプの帯電防止剤を含む透明層を備えた実施例3に係る積層体と比較して、透明層の表面抵抗率及びスパッタリング適性にやや劣っていた。
本発明は、透明導電層を形成するためのスパッタリング処理による帯電を好適に防止でき、形成した透明導電層の導電性能にも優れる積層体、導電性積層体、及び、タッチパネルを提供することができる。

Claims (9)

  1. 基材フィルムの一方の面上に、一以上の光学機能層を有し、前記基材フィルムの他方の面上に、透明層を有し、前記光学機能層の前記基材フィルム側と反対側面上にパターニングされた透明導電層を形成するのに用いられる積層体であって、
    前記透明層は、前記基材フィルム側と反対側面に帯電防止性能を有するものであり、
    前記帯電防止性能は、前記透明層が電子伝導型の帯電防止剤を含有する方法、又は、前記透明層の前記基材フィルム側と反対側面上に電子伝導型の帯電防止剤と樹脂成分とを含有する帯電防止層を形成する方法で付与されている
    ことを特徴とする積層体。
  2. 透明層は、ハードコート層であり、前記ハードコート層は、電子伝導型の帯電防止剤を含有する請求項1記載の積層体。
  3. 透明層は、ハードコート層を含む一以上の積層構造を有し、前記透明層の基材フィルム側と反対側面上に、電子伝導型の帯電防止剤と樹脂成分とを含有する帯電防止層を有する請求項1記載の積層体。
  4. 一以上の光学機能層として、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層からなる群より選択される少なくとも一層を有する請求項1、2又は3記載の積層体。
  5. 一以上の光学機能層として、高屈折率層及び低屈折率層が、この順で基材フィルム上に積層されている請求項1、2、3又は4記載の積層体。
  6. 一以上の光学機能層として、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層が、この順で基材フィルム上に積層されている請求項1、2、3、4又は5記載の積層体。
  7. 透明導電層は、インジウム錫酸化物からなる請求項1、2、3、4、5又は6記載の積層体。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の積層体の光学機能層の基材フィルム側と反対側面上にパターニングされた透明導電層が形成されていることを特徴とする導電性積層体。
  9. 請求項記載の導電性積層体を備えることを特徴とするタッチパネル。
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