JP6405835B2 - 焼成鉛筆芯 - Google Patents
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Description
芯自身の摩耗によって黒鉛等の着色材を紙面に定着させるため、筆記圧力で摩耗することが前提であり、崩れやすい芯体とすることで摩耗しやすく摩耗粉を紙面に多く提供することで濃くはっきりした筆跡とすることができるが、崩れやすい芯体は曲げ強さが弱く、シャープペンシルの先部材から突出させた部分が筆圧で折れたり、筆圧や外部からの衝撃によりシャープペンシルの先部材内や鉛筆の木軸の中で崩れたり、チャックで把持している部分が崩れてステンパイプなど先部材内で残芯状態になり甚だしく筆記し難いという問題がある。即ち、筆跡濃度と曲げ強さとが逆相関の関係となっている。
特に、近年、特にシャープペンシルにおいて直径0.3mm以下といった細線状の芯への要望が高まっているが、当然に細いので折れやすく、焼成した芯は得られるものの、上記の問題で十分な曲げ強さを得ようとすると、崩れにくく筆跡濃度が満足できないものであった。現在、市場で最も細いシャープペンシル用芯は、商品包装に表示されている芯の直径では0.2mmとされているものの実測寸法は約0.28mm程度のものが流通しているが、より直径の細い直径0.2mm未満の超細径のシャープペンシル用芯の開発も望まれている。
筆跡濃度を維持しながら、芯体の折れや崩れを抑制しようとして、例えば、特許文献1には、特殊なノズルを使用した異型押出成形により芯の直径に対して最大値が5〜15%の凹溝を形成することで、チャックの把持で芯の表面が削り取られても凹溝に強靭な外皮が残留して曲げ強さを保つ芯の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、特殊なノズルで押出成形することで芯体の体質材を押出軸方向に対して螺旋状に配向させ、芯体横方向の1種の編み目構造を作りだして、濃度、書き味を保持しながら曲げ強さを向上させる芯とその製造方法が開示されている。
更に、熱可塑性樹脂を配合したものは焼成時の体積収縮によって横断面異型の細線状に押出成形された芯に割れやフクレが発生しやすく、また、ダイスの内壁の凹凸により材料の流れが乱れることで配合物がランダムな方向を向いた状態で成形されるので、微視的には硬くて摩耗し難い芯となり、濃い筆跡を形成できない半面、巨視的には脆くなる傾向にあり、実際には濃く鮮明な筆跡と滑らかな書き味、強い曲げ強度を満足することができないものであった。
「横断面直径」とは、前述の芯の横断面の外形に外側から接する最小径の円の直径のことをいう。
加えて、この凸条の幅が20μm以下であることによって、筆記面では芯体の微細な凸部分が紙面の凹凸のくぼみに入り込みやすく、摩耗粉が均一に紙面に乗った、より隠蔽性の高い濃く鮮明な筆記線を得ることができる。紙の表面の凹凸で芯が削られるため文字が書けるわけであるが、原紙ではこの凹凸の深さの平均が約10μm、塗工紙では平均3μm(「紙のはなしI」、第110項、技報堂出版株式会社出版、1985年5月25日発行)であり、非塗工の筆記用紙はこの範囲の平均の深さであるため、幅が20μm以下の凸条は紙面表面のくぼみに入り込みやすく、樹脂炭化物による接着力が高く表面がチャックでは崩れづらくとも、紙面との摩擦により働く力が黒鉛自身を極めて微細に劈開するため、芯体の摩耗が促進されると推察される。
黒鉛としては鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛、人造黒鉛などが挙げられるが、これらの黒鉛は1種類単独で用いても、2種類以上の黒鉛を用いても構わない。また、黒鉛を配合量全体の30重量%以上とすることで、熱処理後に芯体を構成する黒鉛の割合が80重量%以上になり、着色剤として十分な量の黒鉛粒子が存在するため十分な濃度の筆記線となる。しかし、黒鉛を配合量全体の45重量%を超えて配合すると、芯体中で黒鉛を結合させる樹脂炭化物の割合が少なくなり、本発明の効果範囲から外れる脆い構造の芯体となってしまう。
また、成形性や離形性を高める滑材として、ステアリン酸、ベヘニン酸などの脂肪酸類や脂肪酸アマイド類等を配合することもできる。
更に、芯体の横断面の真円度などの芯体外観品質を高め、シャープペンシルのチャックでの把持による芯体の崩れを防止するために、鉄、アルミニウム、チタン、亜鉛等金属の酸化物や窒化物、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、炭素繊維、非晶質板状シリカといった無機体質材を使用することもできる。これらの無機体質材は配合量全体に対して3重量%程度で十分な効果を発揮する。
また、チャックは合成樹脂成形品であっても良いが、後続芯の後退量を少なくし、筆記の際の違和感を少なくするものとしては金属材質とするのが好ましい。チャックの把持力で芯体が極力崩れないようにするために、リン青銅などの柔らかい金属をチャックの加工材質として選択し、チャックを後方に附勢させるスプリングの荷重も400gf以下にして把持強度を調節することもできる。
黒鉛(体質材:平均粒径20μm) 50重量部
ポリ塩化ビニル樹脂(結合材) 48重量部
フタル酸ジブチル(可塑剤) 20重量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 3重量部
ステアリン酸(滑材) 1重量部
メチルエチルケトン(溶剤) 20重量部
上記材料をヘンシェルミキサーによる分散混合処理、3本ロールにより混練処理をした後、単軸押出機にて、細線状に芯出し速度2.5m/sで押出成形し、低温での加熱を空気中で300℃まで9時間かけて実施後、密閉容器中で1000℃を最高とする焼成処理を施し、冷却後、流動パラフィンを含浸させて、直径0.18mm、嵩密度1.54g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は49重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.5%〜3.2%、幅が18μmであった。
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を44重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.52g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は47重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜3.3%、幅が17μmであった。
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を40重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.53g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は44重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.0%〜3.1%、幅が18μmであった。
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を36重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.49g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は42重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.8%〜2.1%、幅が15μmであった。
実施例1において、黒鉛を48重量部とし、低温での加熱を空気中で300℃まで12時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.17mm、嵩密度1.48g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は50重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は2.6%〜4.5%、幅が15μmであった。
実施例1において、黒鉛を54重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.17mm、嵩密度1.53g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は47重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.8%〜2.8%、幅が15μmであった。
実施例1において、黒鉛を平均粒径が10μmのものを使用し、配合量を54重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.63g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は47重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.5%〜2.0%、幅が8μmであった。
実施例1において、黒鉛を58重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.54g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は45重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜2.3%、幅が16μmであった。
実施例1において、黒鉛を62重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.58g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は44重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.3%〜2.1%、幅が16μmであった。
実施例1において、黒鉛を66重量部、可塑剤を18重量部、低温での加熱を空気中で300℃まで6時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.20mm、嵩密度1.54g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は42重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.3%〜2.0%、幅が18μmであった。
実施例1において、細線状への押出速度を3.6m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.53g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.5%〜1.8%、幅が10μmであった。
実施例1において、結合材にポリ塩化ビニル樹脂のかわりにポリ酢酸ビニル樹脂48重量部を用いた他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.38g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は47重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.1%〜2.6%、幅が17μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、可塑剤を10重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.34g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.6%〜2.8%、幅が19μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を5重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.68g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜2.3%、幅が14μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を7重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.63g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.0%〜2.6%、幅が13μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.55g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.8%〜3.6%、幅が15μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を9重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.38g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.9%〜4.1%、幅が19μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とし、押出ダイスの出口径をφ0.1mm小さいものに変更した他は、実施例1と同様にして、直径0.10mm、嵩密度1.53g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.5%〜1.6%、幅が10μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を40重量部、可塑剤を20重量部とし、実押出ダイスの出口径をφ0.1mm小さいものに変更し、低温での加熱を空気中で300℃まで12時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.10mm、嵩密度1.57g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は50重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は2.8%〜3.2%、幅が10μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とし、添加剤に疎水性無定形シリカ(アエロジルR972、平均粒径0.016μm、日本アエロジル(株)製)を0.5重量部配合し、細線状への押出速度を3.0m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.55g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜3.1%、幅が19μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とし、添加剤に板状アルミナ(平均粒径5.0μm、キンセイマテック(株)製)を0.5重量部配合し、細線状への押出速度を3.0m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.53g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.4%〜3.6%、幅が18μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とし、添加剤に板状シリカ(シルリーフ、平均粒径5μm、水澤化学工業(株)製)を0.5重量部配合した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.53g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.5%〜3.3%、幅が18μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を10重量部とし、添加剤に板状シリカ(シルリーフ、平均粒径5μm、水澤化学工業(株)製)を0.5重量部配合し、細線状への押出速度を3.0m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.33g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.7%〜3.4%、幅が15μmであった。
実施例1において、黒鉛を52重量部とし、添加剤に板状シリカ(シルリーフ、平均粒径5μm、水澤化学工業(株)製)を1.5重量部配合した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.58g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は3.4%〜4.4%、幅が14μmであった。
実施例1において、黒鉛を64重量部に変更し、添加剤に疎水性無定形シリカ(アエロジルR972、平均粒径0.016μm、日本アエロジル(株)製)を10重量部配合し、低温での加熱を空気中で300℃まで5時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.57g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.3%〜0.6%、幅が16μmであった。
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を70重量部、可塑剤を22重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.62g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は57重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は4.6%〜5.0%、幅が19μmであった。
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を70重量部、可塑剤を22重量部、低温での加熱を空気中で300℃まで12時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.61g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は57重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は4.1%〜5.8%、幅が18μmであった。
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を60重量部、可塑剤を22重量部、低温での加熱を空気中で300℃まで12時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.17mm、嵩密度1.55g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は54重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.6%〜4.8%、幅が21μmであった。
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を32重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.48g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は39重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.5%〜2.3%、幅が22μmであった。
実施例1において、黒鉛を70重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.20mm、嵩密度1.56g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は41重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.2%〜1.2%、幅が24μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、結合材にポリ塩化ビニル樹脂のかわりに熱硬化性のレゾール型フェノール樹脂40重量部を用い、可塑剤を10重量部とし、低温での加熱を空気中で300℃まで7時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.40g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は0重量%(黒鉛と熱硬化性樹脂との合計配合量に対する熱硬化性樹脂の配合量割合は50重量%)、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.2%〜0.4%、幅が5μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、結合材にポリ塩化ビニル樹脂のかわりに熱硬化性のレゾール型フェノール樹脂15重量部を用い、可塑剤を10重量部とし、低温での加熱を空気中で300℃まで7時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.31g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は0重量%(黒鉛と熱硬化性樹脂との合計配合量に対する熱硬化性樹脂の配合量割合は27重量%)、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.1%〜0.3%、幅が5μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を10重量部とし、細線状への押出速度を3.5m/s、低温での加熱を空気中で300℃まで4時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.34g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.2%〜0.4%、幅が21μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を10重量部とし、細線状への押出速度を2.0m/s、低温での加熱を空気中で300℃ま で4時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.34g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.6%〜2.8%、幅が24μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を10重量部とし、細線状への押出速度を0.5m/s、低温での加熱を空気中で300℃まで18時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.32g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は4.6%〜5.4%、幅が26μmであった。
実施例1において、黒鉛を52重量部とし、押出ダイスの出口径をφ0.04mm大きいものに変更し、細線状への押出速度を3.0m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.22mm、嵩密度1.58g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.7%〜1.6%、幅が24μmであった。
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とし、押出ダイスの出口径をφ0.04mm大きいものに変更し、細線状への押出速度を2.0m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.22mm、嵩密度1.53g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜3.3%、幅が23μmであった。
実施例1において、黒鉛を52重量部とし、押出ダイスを0.2mm芯成形用のものに変更し、細線状への押出速度を3.5m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.28mm、嵩密度1.59g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.1%〜2.1%、幅が25μmであった。
実施例1において、鉛を52重量部とし、押出ダイスを0.3mm芯成形用のものに変更し、細線状への押出速度を3.5m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.38mm、嵩密度1.57g/cm3の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.0%〜1.8%、幅が27μmであった。
実施例1において、細線状への押出速度を0.8m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.2mm、嵩密度1.57g/cm 3 の焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜4.5%、幅が22μmであった。
また、濃度試験は、筆記線の幅に応じて検出される濃度と本発明の効果を相対的に評価するため、筆記角度を90°、荷重を100gfにて、得られた芯の直径に応じて画線間隔(ピッチ)を調節し、筆記線とケント紙の表面(反射率100%となる領域)の割合を一定にして測定した。基準となる割合は、横断面直径0.18mmの芯でピッチ0.4mmで画線したときとした。このとき、測定用のシャープペンシルとしては、筆記に際し芯の摩耗と共に先端部材の先端面が紙面に擦られた状態で後退するパイプスライド方式のシャープペンシル(ぺんてる(株)製、Orenz、製品符号PP−502のチャック寸法とステンパイプの内径を芯径に合わせて加工したもの)を使用した。
さらに、筆記線の被覆率は、筆記角度を90°、荷重を100gfで筆記した筆記線に対して、光学顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−2000、(株)キーエンス製)で倍率1000倍にて撮影した画像を測定機器に内蔵の面積計測ツールにより測定し、10点の平均値とした。この被覆率が大きいほど鮮明な筆記線であるといえる。
実施例1で得られた鉛筆芯は、黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合が42重量%以上50重量%以下であり、横断面直径に対する凸条の高さの範囲が3.0%〜4.3%、且つ、凸条の幅も20μm以下であるため、本発明の効果の範囲内である。一方、比較例1では、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は4.6%〜5.8%と本発明の範囲より高い凸条を有しているため、曲げ応力が働いたときに凸条の座屈が起き、曲げ強さの低下につながったものと推察する。
また、実施例1では直径が0.18mmの芯の側面に、芯の横断面直径に対して0.3%以上4.5%以下の範囲の高さの凸条、且つその幅が20μm以下であることによって、筆記面では芯体の微細な凸部分が紙面の凹凸のくぼみに入り込みやすいため、摩耗粉が均一に紙面に乗ったより隠蔽性の高い鮮明な筆記線を得ることができている。一方、比較例3〜5で得られた芯は、凸条の幅が20μm以上であり、芯の凸部分が紙面の凹凸のくぼみに入り込み難く、被覆率が小さく鮮明さに欠ける筆記線となっている。
実施例1〜4は、黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合を、42重量%以上50重量%以下にするため、黒鉛の配合量を固定して熱可塑性樹脂の量で調節している。これに対し、実施例5〜10では熱可塑性樹脂の配合量を固定して、黒鉛の配合量を調節することで、黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合を、42重量%以上50重量%以下としている。これらの実施例について比較すると同じ配合比率であっても黒鉛の配合量が多い方が曲げ強さと濃度が向上しているため、黒鉛の配合量を50重量部より多くするとより好ましいといえる。
実施例11は、細線状への押出速度が3.6m/sであり、凸条の高さの範囲が小さく高さのそろった凸条を形成できている。
実施例12、13は、熱可塑性樹脂にポリ酢酸ビニル樹脂を使用した。熱処理を施した際に、ポリ塩化ビニル樹脂もポリ酢酸ビニル樹脂もそれぞれ脱塩酸反応と脱酢酸反応という一段階目の分子の脱離反応を経た後に、炭化に至る点では共通の反応であるが、脱塩酸反応は脱酢酸反応よりも進行しやすいため、熱処理時にポリ塩化ビニル樹脂を使用した実施例8は樹脂の炭化収縮が実施例12の芯よりも進行しやすかったため、曲げ強さが高くなった。このため、本発明の範囲で使用する熱可塑性樹脂としてはポリ塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン樹脂などの含塩素樹脂をもちいるとより好ましい。
実施例14〜17は、嵩密度が1.35g/cm3以上であるため、比較例8〜10より曲げ強さの大きい焼成鉛筆芯となっている。
本発明の効果により、実施例18、19のように横断面直径が0.10mmと、非常に細い焼成鉛筆芯であっても、高い曲げ強さと鮮明で濃い筆記線を得ることができる。しかし、横断面直径が0.2mmを超える比較例11〜14の芯では、横断面直径に対する凸条の高さが0.3%〜4.5%であっても、凸条の幅が20μm以下にならないため被覆率が小さい鮮明さに欠ける筆記線となることがわかる。
実施例21〜24は、無機板状粒子が体質材の一部として機能しているため、無機粒子を添加した実施例20よりも高い曲げ強さの芯を得ることができている。
Claims (1)
- 少なくとも黒鉛と熱可塑性樹脂とからなる配合材料を、混練し細線状に押出成形した後に熱処理を施してなる焼成鉛筆芯において、横断面直径が0.20mm以下であると共に、前記黒鉛と熱可塑性樹脂との合計の配合量に対する熱可塑性樹脂の配合比率が42重量%以上50重量%以下とし、芯側壁の長手方向に連続して高さが横断面直径に対して0.3%以上4.5%以下で、且つ、幅が20μm以下である複数の凸条を形成した焼成鉛筆芯。
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