JP6405631B2 - 鋼管杭の回転抑止構造 - Google Patents

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Description

本発明は、第1鋼管杭と第2鋼管杭との相対回転を抑止する鋼管杭の回転抑止構造に関する。
従来より、鋼管杭は、回転させながら地中に沈設する場合が多く、回転方向を変更することもある。特許文献1に開示される鋼管杭の回転抑止構造は、鋼管杭を逆転させる場合に、継手がゆるんだり、外れたりするのを好適に防止することを目的とするものである。
特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、雌円筒と雄円筒とが結合された状態で、内面突起のテーパ面と外面突起のテーパ面とが強固に上下円筒を結合したとき、雄円筒のキー溝部形成部と雌円筒のキー溝部形成部とが軸芯方向に一致するものである。
特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、雄円筒のキー溝部形成部にタップ孔部が形成されるとともに、キー部材にボルト孔部が設けられて、雄円筒のキー溝部形成部と雌円筒のキー溝部形成部とが軸芯方向に一致した状態で、円筒の外面からキー部材が嵌め込まれる。
特開2004−92291号公報
しかし、特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、雌円筒の外面突起を切り欠いて形成されたキー溝部形成部に、キー部材が嵌め込まれることで、軸芯抵抗力と回転抵抗力とを外面突起が負担するものとなる。このため、特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、軸芯抵抗力及び回転抵抗力に対する外面突起の構造計算を容易に実施することできないため、継手全体の設計の正確性を向上させることが困難なものとなるという問題点があった。
また、特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、雌円筒の外面突起が切り欠かれてキー溝部形成部が形成されるため、軸芯方向の引張力及び圧縮力に抵抗させる外面突起に断面欠損を生じさせるものとなる。このため、特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、引張耐力及び圧縮耐力を負担する外面突起に断面欠損が生じることから、雄円筒と雌円筒との軸芯抵抗力を十分に確保することができないおそれがあるという問題点があった。
さらに、特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、雄円筒のキー溝部形成部と雌円筒のキー溝部形成部とが軸芯方向に一致した状態で、雄円筒から雌円筒までキー溝部形成部にキー部材が嵌め込まれて架設されるものとなる。このため、特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、雄円筒と雌円筒とが周方向に相対回転しようとすることで、キー部材が面内方向に回転移動するものとなることから、雄円筒と雌円筒との回転抵抗力を十分に向上させることができないおそれがあるという問題点があった。
ここで、特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、キー部材と外面突起とで回転抵抗力を負担するため、キー部材の材料強度が外面突起よりも低い場合に、キー部材が破壊することから、キー部材によって回転抵抗力が決まるものとなる。このため、特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、回転抵抗力を向上させるために、キー部材を外面突起と同様の強度にする必要があることから、キー部材が高価になるという問題点があった。また、特許文献1に開示された鋼管杭の回転抑止構造は、キー部材の材料強度を高くしないで、回転力を向上させる場合に、キー部材の寸法が大きくなり、断面欠損が大きくなる等の問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、外嵌端部と内嵌端部との回転抵抗力を向上させて、第1鋼管杭と第2鋼管杭との連接状態を確実に確保することのできる鋼管杭の回転抑止構造を提供することにある。
第1発明に係る鋼管杭の回転抑止構造は、第1鋼管杭と第2鋼管杭との相対回転を抑止する鋼管杭の回転抑止構造であって、軸芯方向に第1鋼管杭と第2鋼管杭とを連接させる外嵌端部と内嵌端部とを備え、前記外嵌端部は、軸芯直交方向で内側に突出させて形成された外嵌山部と、前記外嵌山部に周方向で隣り合って形成された外嵌溝部と、前記外嵌山部より軸芯方向で基端側に形成された外嵌谷部と、軸芯方向の先端側に設けられる外嵌先端部と、軸芯方向の基端側に設けられる外嵌基端部とを有し、前記内嵌端部は、軸芯直交方向で外側に突出させて形成された内嵌山部と、前記内嵌山部に周方向で隣り合って形成された内嵌溝部と、前記内嵌山部より軸芯方向で基端側に形成された内嵌谷部と、軸芯方向の先端側に設けられる内嵌先端部と、軸芯方向の基端側に設けられる内嵌基端部とを有し、前記外嵌先端部及び前記内嵌先端部の何れか一方又は両方は、軸芯方向に突出させた突起部が形成されて、前記外嵌基端部及び前記内嵌基端部の何れか一方又は両方は、軸芯方向に切り欠かれた溝部が形成されて、前記突起部は、軸芯方向で前記溝部に挿入された状態で、前記外嵌端部と前記内嵌端部とを周方向に相対回転させることで、周方向で前記溝部に係止され、前記溝部は、前記外嵌山部及び前記内嵌山部から独立させて設けられ、前記溝部の周方向の幅は、前記突起部の周方向の幅よりも大きく形成されることを特徴とする。
第2発明に係る鋼管杭の回転抑止構造は、第1発明において、前記外嵌先端部及び前記内嵌先端部の何れか一方又は両方は、前記突起部の周方向の幅を、前記外嵌溝部又は前記内嵌溝部の周方向の幅より小さくして、前記突起部が形成されることを特徴とする。
第3発明に係る鋼管杭の回転抑止構造は、第1発明において、前記外嵌先端部及び前記内嵌先端部の何れか一方又は両方は、前記突起部の周方向の幅を、前記外嵌溝部又は前記内嵌溝部の周方向の幅より大きくして、前記突起部が形成されることを特徴とする。
第4発明に係る鋼管杭の回転抑止構造は、第1発明において、前記外嵌先端部及び前記内嵌先端部の何れか一方又は両方は、前記突起部の周方向の幅を、前記外嵌溝部又は前記内嵌溝部の周方向の幅と略同一として、前記突起部が形成されることを特徴とする。
第5発明に係る鋼管杭の回転抑止構造は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記突起部及び前記溝部は、前記外嵌端部と前記内嵌端部とを周方向に相対回転させて互いに係止させた状態で、互いに当接される当接面が周方向に傾斜したテーパ状に形成されることを特徴とする。
第6発明に係る鋼管杭の回転抑止構造は、第1発明〜第5発明の何れかにおいて、前記突起部及び前記溝部は、前記外嵌端部と前記内嵌端部とを周方向に相対回転させて互いに係止させた状態で、互いに離間させて形成された空隙部に、キー部材が嵌め込まれることを特徴とする。
第1発明〜第6発明によれば、外嵌山部及び内嵌山部と独立させて、突起部及び溝部が形成されるため、外嵌山部及び内嵌山部に軸芯抵抗力を負担させて、また、突起部及び溝部に回転抵抗力を負担させるための構造計算を、独立して容易に実施することできるため、継手全体の設計の正確性を向上させて、第1鋼管杭と第2鋼管杭との確実な連接状態を確保することが可能となる。
第1発明〜第6発明によれば、突起部又はキー部材に軸芯方向の外力を作用させることなく、突起部又はキー部材が周方向に純圧縮されて、突起部又はキー部材が面内方向に回転変形等することを防止することができるため、突起部又はキー部材の材料強度を十分に活用して、外嵌端部と内嵌端部との回転抵抗力を向上させることが可能となる。
第1発明〜第6発明によれば、キー部材の強度と突起部の強度を変えることで、回転力の加わる方向によって、回転抵抗力を調整することが可能となる。例えば、回転杭の杭体打設時に加わる回転力は、回転方向によって異なっており、キー材の強度の変更によって、容易に回転抵抗力を調整することが可能となる。また、第1発明〜第6発明によれば、キー部材の材料強度を突起部よりも低くすることができるため、キー部材を安価に製作することが可能となる。
第1発明〜第6発明によれば、外嵌山部及び内嵌山部と独立させて、突起部及び溝部が形成されるため、軸芯抵抗力を負担する外嵌山部及び内嵌山部に、断面欠損等を生じさせないものとなることから、外嵌山部又は内嵌山部に突起部又は溝部を形成させる場合と比較したとき、外嵌山部及び内嵌山部の引張耐力及び圧縮耐力を向上させて、軸芯抵抗力を十分に確保することが可能となる。
特に、第5発明によれば、溝部側面がテーパ状に形成されることで、切り欠かれることなく形成された係止部が設けられて、隣り合う溝部を周方向に連続させて形成させることができるため、多数の突起部を多数の溝部に係止させて、また、多数の空隙部に多数のキー部材が嵌め込まれることによって、外嵌端部と内嵌端部との回転抵抗力を著しく向上させることが可能となる。
特に、第6発明によれば、外嵌端部又は内嵌端部の内側に、あらかじめキー部材を仮止め等することを必要としないで、外嵌先端部及び内嵌基端部の外側から、キー部材が空隙部に嵌め込まれて設置されるため、外嵌端部及び内嵌端部に複雑な加工等を実施することなく、第1鋼管杭と第2鋼管杭との相対回転を抑止するための構造を簡易に導入することが可能となる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の外嵌端部を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の外嵌端部における外嵌山部及び外嵌谷部を示す拡大側面図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の内嵌端部を示す正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の内嵌端部における内嵌山部及び内嵌谷部を示す拡大側面図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の外嵌端部に内嵌端部を挿入する状態を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の外嵌端部に内嵌端部を挿入して相対回転させた状態を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の突起部及び溝部が形成されない部位で外嵌端部及び内嵌端部に作用する引張力及び圧縮力を示す拡大側面図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態における外嵌先端部及び内嵌基端部の第1変形例を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態における外嵌先端部及び内嵌基端部の第2変形例を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態における外嵌先端部及び内嵌基端部を示す拡大側面図であり、(b)は、その外嵌先端部及び内嵌基端部の第1変形例を示す拡大側面図であり、(c)は、その第2変形例を示す拡大側面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態の突起部及び溝部を示す拡大正面図であり、(b)は、突起部が溝部に挿入された状態を示す拡大正面図であり、(c)は、突起部が溝部に係止された状態を示す拡大正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の空隙部にキー部材が嵌め込まれる状態を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態における突起部及び溝部の第1変形例を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態の突起部及び溝部の第1変形例を示す拡大正面図であり、(b)は、突起部が溝部に挿入された状態を示す拡大正面図であり、(c)は、突起部が溝部に係止された状態を示す拡大正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態における突起部及び溝部の第2変形例を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態の突起部及び溝部の第2変形例を示す拡大正面図であり、(b)は、突起部が溝部に挿入された状態を示す拡大正面図であり、(c)は、突起部が溝部に係止された状態を示す拡大正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態における突起部及び溝部の第3変形例を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第1実施形態の突起部及び溝部の第3変形例を示す拡大正面図であり、(b)は、突起部が溝部に挿入された状態を示す拡大正面図であり、(c)は、突起部が溝部に係止された状態を示す拡大正面図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第2実施形態を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第2実施形態における内嵌先端部及び外嵌基端部の第1変形例を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第2実施形態における内嵌先端部及び外嵌基端部の第2変形例を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第2実施形態における内嵌先端部及び外嵌基端部を示す拡大側面図であり、(b)は、その内嵌先端部及び外嵌基端部の第1変形例を示す拡大側面図であり、(c)は、その第2変形例を示す拡大側面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の第2実施形態の突起部及び溝部を示す拡大正面図であり、(b)は、突起部が溝部に挿入された状態を示す拡大正面図であり、(c)は、突起部が溝部に係止された状態を示す拡大正面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造の突起部に周方向で作用する回転力を示す拡大正面図であり、(b)は、そのキー部材に周方向で作用する回転力を示す拡大正面図である。
以下、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、地盤上に構築される構造物の基礎杭等の継手に適用されるものであり、図1に示すように、断面略円形状等の第1鋼管杭1と第2鋼管杭2との周方向Wの相対回転を抑止するものである。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、軸芯方向Yに第1鋼管杭1と第2鋼管杭2とを連接させる一対の外嵌端部3と内嵌端部5とを備える。本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、第1鋼管杭1の上端部に外嵌端部3が溶接等で取り付けられるとともに、第2鋼管杭2の下端部に内嵌端部5が溶接等で取り付けられる。
外嵌端部3は、軸芯直交方向Xで内側に向けて突出させて形成された複数の外嵌山部31と、外嵌山部31に周方向Wで隣り合って形成された複数の外嵌溝部32と、外嵌山部31より軸芯方向Yで外嵌端部3の基端側に形成された外嵌谷部33とを有する。外嵌端部3は、軸芯方向Yの先端側に設けられる外嵌先端部34と、軸芯方向Yの基端側に設けられる外嵌基端部35とを有する。
内嵌端部5は、軸芯直交方向Xで外側に向けて突出させて形成された複数の内嵌山部51と、内嵌山部51に周方向Wで隣り合って形成された複数の内嵌溝部52と、内嵌山部51より軸芯方向Yで内嵌端部5の基端側に形成された内嵌谷部53とを有する。内嵌端部5は、軸芯方向Yの先端側に設けられる内嵌先端部54と、軸芯方向Yの基端側に設けられる内嵌基端部55とを有する。
外嵌端部3は、図2に示すように、外嵌端部3の軸芯方向Yで、外嵌山部31が複数の外嵌段部4を形成して設けられる。外嵌段部4は、例えば、外嵌端部3の軸芯方向Yで段数が4箇となるように形成されるものであり、外嵌端部3の軸芯方向Yで先端側から基端側まで、順番に第1外嵌段部41、第2外嵌段部42、第3外嵌段部43及び第4外嵌段部44を有する。
外嵌端部3は、各々の外嵌段部4で外嵌山部31の板厚よりも外嵌溝部32の板厚を小さくして、外嵌山部31と外嵌溝部32とが周方向Wで交互に形成されるものであり、複数の外嵌段部4の外嵌山部31が軸芯方向Yで略一列に配置される。外嵌端部3は、各々の外嵌段部4で外嵌山部31の板厚よりも外嵌谷部33の板厚を小さくして、外嵌山部31と外嵌谷部33とが軸芯方向Yで交互に形成される。
外嵌端部3は、図3に示すように、第1外嵌段部41の外嵌谷部33の板厚よりも第2外嵌段部42の外嵌谷部33の板厚の方が大きいものとなる。外嵌端部3は、第3外嵌段部43の外嵌谷部33の板厚を第2外嵌段部42の外嵌谷部33の板厚以上とするとともに、第4外嵌段部44の外嵌谷部33の板厚を第3外嵌段部43の外嵌谷部33の板厚以上とする。
内嵌端部5は、図4に示すように、内嵌端部5の軸芯方向Yで、内嵌山部51が複数の内嵌段部6を形成して設けられる。内嵌段部6は、例えば、内嵌端部5の軸芯方向Yで段数が4箇となるように形成されるものであり、内嵌端部5の軸芯方向Yで先端側から基端側まで、順番に第1内嵌段部61、第2内嵌段部62、第3内嵌段部63及び第4内嵌段部64を有する。
内嵌端部5は、各々の内嵌段部6で内嵌山部51の板厚よりも内嵌溝部52の板厚を小さくして、内嵌山部51と内嵌溝部52とが周方向Wで交互に形成されるものであり、複数の内嵌段部6の内嵌山部51が軸芯方向Yで略一列に配置される。内嵌端部5は、各々の内嵌段部6で内嵌山部51の板厚よりも内嵌谷部53の板厚を小さくして、内嵌山部51と内嵌谷部53とが軸芯方向Yで交互に形成される。
内嵌端部5は、図5に示すように、第1内嵌段部61の内嵌谷部53の板厚よりも第2内嵌段部62の内嵌谷部53の板厚の方が大きいものとなる。内嵌端部5は、第3内嵌段部63の内嵌谷部53の板厚を第2内嵌段部62の内嵌谷部53の板厚以上とするとともに、第4内嵌段部64の内嵌谷部53の板厚を第3内嵌段部63の内嵌谷部53の板厚以上とする。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、図6、図7に示すように、外嵌端部3と内嵌端部5とを互いに嵌合させることで、第1鋼管杭1と第2鋼管杭2とを互いに連接させるものとなる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、最初に、図6に示すように、第2鋼管杭2に取り付けられた内嵌端部5が、第1鋼管杭1に取り付けられた外嵌端部3に挿入される。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、各々の内嵌段部6において、内嵌山部51の軸芯直交方向Xの高さを、外嵌溝部32の軸芯直交方向Xの深さ以下として、内嵌山部51を外嵌溝部32に通過させるものとなる。本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、各々の外嵌段部4において、外嵌山部31の軸芯直交方向Xの高さを、内嵌溝部52の軸芯直交方向Xの深さ以下として、外嵌山部31を内嵌溝部52に通過させるものとなる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、次に、図7に示すように、内嵌端部5が外嵌端部3に挿入された状態で、第1鋼管杭1と第2鋼管杭2とを軸芯周りの周方向Wに相対回転させる。本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、第1鋼管杭1と第2鋼管杭2とを相対回転させることで、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wに相対回転させるものとなる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、各々の内嵌段部6において、内嵌谷部53の軸芯直交方向Xの深さを、外嵌山部31の軸芯直交方向Xの高さ以上として、外嵌山部31を内嵌谷部53に嵌め込ませる。本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、各々の外嵌段部4において、外嵌谷部33の軸芯直交方向Xの深さを、内嵌山部51の軸芯直交方向Xの高さ以上として、内嵌山部51を外嵌谷部33に嵌め込ませる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、第1鋼管杭1と第2鋼管杭2とを連接させることによって、図8に示すように、外嵌端部3の外嵌先端部34と、内嵌端部5の内嵌基端部55とが、軸芯方向Yで互いに対向して配置されるものとなる。このとき、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、各々の外嵌段部4及び内嵌段部6において、軸芯方向Yで外嵌山部31と内嵌山部51とを互いに係合させたものとなる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、第1鋼管杭1と第2鋼管杭2とを連接させた状態で、外嵌端部3の先端側で、外嵌先端部34と内嵌基端部55とが当接されて、内嵌端部5の先端側で、内嵌先端部54と外嵌基端部35とが当接される。本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、外嵌端部3の先端側で、外嵌先端部34と内嵌基端部55とが離間されて、又は、内嵌端部5の先端側で、内嵌先端部54と外嵌基端部35とが離間されてもよい。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、第1鋼管杭1と第2鋼管杭2とを連接させた状態で、第1鋼管杭1及び第2鋼管杭2から外嵌端部3及び内嵌端部5に軸芯方向Yで引張力及び圧縮力が作用する。本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、軸芯方向Yに作用する引張力及び圧縮力に対して、外嵌山部31と内嵌山部51とが軸芯方向Yで互いに当接されて抵抗するものとなる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、第1実施形態において、図9に示すように、外嵌端部3の先端側で、軸芯方向Yに突出させた突起部71が外嵌先端部34に形成されて、内嵌端部5の基端側で、軸芯方向Yに切り欠かれた溝部72が内嵌基端部55に形成される。
外嵌先端部34は、外嵌端部3の先端側で、外嵌先端部34の先端面から軸芯方向Yに突出させて、外嵌溝部32と略同一の板厚で、外嵌端部3の外面から連続して、略矩形状の突起部71が1箇所以上に形成される。内嵌基端部55は、内嵌端部5の基端側で、内嵌基端部55の基端面から軸芯方向Yに切り欠かれて、突起部71の板厚以上等の深さで、軸芯直交方向Xで内嵌端部5の外面から凹状に、略矩形状の溝部72が1箇所以上に形成される。
外嵌先端部34は、第1変形例として、図10に示すように、外嵌端部3の先端側で、外嵌山部31と略同一の板厚で、外嵌端部3の外面から連続して、略矩形状等の突起部71が形成されてもよい。このとき、内嵌基端部55は、第1変形例において、内嵌端部5の基端側で、外嵌山部31の板厚以上等の深さで、略矩形状等の溝部72が形成されるものとなる。
外嵌先端部34は、第2変形例として、図11に示すように、外嵌端部3の先端側で、外嵌山部31を軸芯直交方向Xに突出させた高さと略同一の板厚で、外嵌山部31の内面から連続して、略矩形状等の突起部71が形成されてもよい。このとき、内嵌基端部55は、第2変形例において、内嵌端部5の基端側で、外嵌山部31を軸芯直交方向Xに突出させた高さ以上の深さで、内嵌端部5の外面を切り欠くことなく、内嵌端部5の外面より内側に、略矩形状等の溝部72が形成されるものとなる。
突起部71は、図12に示すように、外嵌先端部34と内嵌基端部55とを互いに軸芯方向Yで対向させて、外嵌端部3に内嵌端部5を挿入することで、軸芯方向Yで内嵌基端部55の溝部72に挿入された状態となる。突起部71は、外嵌端部3の先端側で、軸芯方向Yで内嵌基端部55の溝部72に当接されて、又は、内嵌基端部55の溝部72と離間される。
突起部71は、図13(a)に示すように、周方向Wの幅を内嵌溝部52の周方向Wの幅と略同一として、周方向Wの突起側面71aが外嵌山部31の周方向Wの一端面31aと位置を合わせて設けられる。溝部72は、周方向Wの幅を内嵌山部51と突起部71とを併せた周方向Wの幅と略同一として、周方向Wの溝部側面72aが内嵌山部51の周方向Wの一端面51aと位置を合わせて設けられる。
突起部71は、図13(b)に示すように、外嵌山部31の軸芯方向Yへの移動に伴って、内嵌山部51の側方を同時に移動するものとなり、内嵌端部5を外嵌端部3に挿入するときに、内嵌山部51の幅よりも突起部71の幅の分だけ周方向Wの幅を大きくした溝部72に自ずと挿入されるものとなる。
突起部71は、図13(c)に示すように、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wで相対回転させたときに、溝部72に挿入された状態で、内嵌山部51の幅の分だけ周方向Wに移動して、突起側面71aが溝部側面72aに当接されて、周方向Wで溝部72に係止される。
突起部71及び溝部72は、図14に示すように、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wで相対回転させて互いに係止させた状態で、周方向Wで互いに離間させて形成された空隙部73に、外嵌先端部34及び内嵌基端部55の外側から、キー部材74が嵌め込まれる。キー部材74は、略矩形状等の鋼材等が用いられて、ピン部材75等で溝部72に固定される。
突起部71は、第1変形例として、図15、図16に示すように、内嵌溝部52より周方向Wの幅を小さくして、周方向Wの突起側面71aが外嵌山部31の周方向Wの一端面31aと位置を合わせて設けられる。溝部72は、第1変形例として、内嵌山部51と突起部71とを併せた周方向Wの幅以上の幅で、周方向Wの溝部側面72aが内嵌山部51の周方向Wの一端面51aと位置を合わせて設けられる。
突起部71は、第2変形例として、図17、図18に示すように、周方向Wの幅を内嵌溝部52の周方向Wの幅の2倍程度等とすることで内嵌溝部52より周方向Wの幅を大きくして、周方向Wの突起側面71aが外嵌山部31の周方向Wの他端面31bと位置を合わせて設けられる。溝部72は、第2変形例として、周方向Wの幅を内嵌溝部52と突起部71とを併せた周方向Wの幅と略同一として、周方向Wの溝部側面72aが内嵌山部51の一端面51a及び他端面51bと位置を合わせて設けられる。
突起部71は、第3変形例として、図19、図20に示すように、周方向Wの幅を内嵌溝部52の周方向Wの幅と略同一として、周方向Wの突起側面71aが周方向Wに傾斜したテーパ状に形成される。溝部72は、第3変形例として、周方向Wの幅を内嵌山部51と突起部71とを併せた周方向Wの幅と略同一として、内嵌溝部52の基端側で周方向Wの溝部側面72aが周方向Wに傾斜したテーパ状に形成される。
突起部71及び溝部72は、第3変形例において、図20(c)に示すように、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wで相対回転させて互いに係止させた状態で、周方向Wで互いに当接される当接面70が、周方向Wに傾斜したテーパ状に形成されるものとなる。
突起部71及び溝部72は、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wに相対回転させることで、周方向Wで互いに係止されるものであれば、周方向Wの如何なる位置に形成されてもよく、また、如何なる数量、形状等で形成されてもよい。
次に、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7の第2実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、第2実施形態において、図21に示すように、内嵌端部5の先端側で、軸芯方向Yに突出させた突起部71が内嵌先端部54に形成されて、外嵌端部3の基端側で、軸芯方向Yに切り欠かれた溝部72が外嵌基端部35に形成される。このとき、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、外嵌端部3の先端側で、軸芯方向Yに突出させた突起部71が外嵌先端部34に形成されるとともに、内嵌端部5の基端側で、軸芯方向Yに切り欠かれた溝部72が内嵌基端部55に形成されてもよい。
内嵌先端部54は、内嵌端部5の先端側で、内嵌先端部54の先端面から軸芯方向Yに突出させて、内嵌溝部52と略同一の板厚で、内嵌端部5の内面から連続して、略矩形状の突起部71が1箇所以上に形成される。外嵌基端部35は、外嵌端部3の基端側で、外嵌基端部35の基端面から軸芯方向Yに切り欠かれて、突起部71の板厚以上等の深さで、軸芯直交方向Xで外嵌端部3の内面から凹状に、略矩形状の溝部72が1箇所以上に形成される。
内嵌先端部54は、第1変形例として、図22に示すように、内嵌端部5の先端側で、内嵌山部51と略同一の板厚で、内嵌端部5の内面から連続して、略矩形状等の突起部71が形成されてもよい。このとき、外嵌基端部35は、第1変形例において、外嵌端部3の基端側で、内嵌山部51の板厚以上等の深さで、略矩形状等の溝部72が形成されるものとなる。
内嵌先端部54は、第2変形例として、図23に示すように、内嵌端部5の先端側で、内嵌山部51を軸芯直交方向Xに突出させた高さと略同一の板厚で、内嵌山部51の外面から連続して、略矩形状等の突起部71が形成されてもよい。このとき、外嵌基端部35は、第2変形例において、外嵌端部3の基端側で、内嵌山部51を軸芯直交方向Xに突出させた高さ以上の深さで、外嵌端部3の内面を切り欠くことなく、外嵌端部3の内面より内側に、略矩形状等の溝部72が形成されるものとなる。
突起部71は、図24に示すように、内嵌先端部54と外嵌基端部35とを互いに軸芯方向Yで対向させて、外嵌端部3に内嵌端部5を挿入することで、軸芯方向Yで外嵌基端部35の溝部72に挿入された状態となる。突起部71は、内嵌端部5の先端側で、軸芯方向Yで外嵌基端部35の溝部72に当接されて、又は、外嵌基端部35の溝部72と離間される。
突起部71は、図25(a)に示すように、周方向Wの幅を外嵌溝部32の周方向Wの幅と略同一として、周方向Wの突起側面71aが内嵌山部51の周方向Wの一端面51aと位置を合わせて設けられる。溝部72は、周方向Wの幅を外嵌山部31と突起部71とを併せた周方向Wの幅と略同一として、周方向Wの溝部側面72aが外嵌山部31の周方向Wの一端面31aと位置を合わせて設けられる。
突起部71は、図25(b)に示すように、内嵌山部51の軸芯方向Yへの移動に伴って、外嵌山部31の側方を同時に移動するものとなり、内嵌端部5を外嵌端部3に挿入するときに、外嵌山部31の幅よりも突起部71の幅の分だけ周方向Wの幅を大きくした溝部72に自ずと挿入されるものとなる。
突起部71は、図25(c)に示すように、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wで相対回転させたときに、溝部72に挿入された状態で、外嵌山部31の幅の分だけ周方向Wに移動して、突起側面71aが溝部側面72aに当接されて、周方向Wで溝部72に係止される。
突起部71は、第1変形例として、外嵌溝部32より周方向Wの幅を小さくして設けられる。溝部72は、第1変形例として、内嵌山部51と突起部71とを併せた周方向Wの幅以上の幅で設けられる。突起部71は、第2変形例として、外嵌溝部32より周方向Wの幅を大きくして設けられる。溝部72は、第2変形例として、周方向Wの幅を外嵌溝部32と突起部71とを併せた周方向Wの幅と略同一として設けられる。
突起部71は、第3変形例として、周方向Wの突起側面71aが周方向Wに傾斜したテーパ状に形成される。溝部72は、第3変形例として、周方向Wの溝部側面72aが周方向Wに傾斜したテーパ状に形成される。突起部71及び溝部72は、第3変形例において、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wで相対回転させて互いに係止させた状態で、周方向Wで互いに当接される当接面70が、周方向Wに傾斜したテーパ状に形成されるものとなる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、図9、図21等に示すように、第1実施形態及び第2実施形態の何れにおいても、外嵌山部31及び内嵌山部51と独立して、外嵌先端部34又は内嵌先端部54に突起部71が形成されるとともに、外嵌基端部35又は内嵌基端部55に溝部72が形成される。
このとき、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、図26(a)に示すように、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wで一方向に必要以上に相対回転させようとしたとき、突起部71の突起側面71aと溝部72の溝部側面72aとが当接されて、溝部72から突起部71に周方向Wの回転力が伝達される。
また、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、図26(b)に示すように、キー部材74が空隙部73に嵌め込まれることで、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wで反対方向に相対回転させようとしたときも、突起部71の突起側面71aと溝部72の溝部側面72aとにキー部材74が挟み込まれて、溝部72及び突起部71からキー部材74に周方向Wの回転力が伝達される。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wに相対回転させようとしたとき、突起部71又はキー部材74に周方向Wの回転力が伝達されることで、外嵌端部3と内嵌端部5との必要以上の相対回転が抑止されて、回転抵抗力を発揮するものとなる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、外嵌山部31及び内嵌山部51と独立して、回転抵抗力を発揮するための突起部71及び溝部72が形成されるため、軸芯方向Yの引張力又は圧縮力を突起部71及び溝部72に伝達させることなく、外嵌山部31及び内嵌山部51に引張力又は圧縮力に対する軸芯抵抗力を独立して発揮させることができる。
これにより、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、外嵌山部31及び内嵌山部51に軸芯抵抗力を負担させるとともに、突起部71及び溝部72に回転抵抗力を負担させるための構造計算を独立して容易に実施することできるため、継手全体の設計の正確性を向上させて、第1鋼管杭1と第2鋼管杭2との確実な連接状態を確保することが可能となる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、図26に示すように、外嵌端部3と内嵌端部5とを周方向Wに相対回転させようとしたとき、突起部71又はキー部材74に軸芯方向Yの外力を作用させることなく、突起部71又はキー部材74が周方向Wに純圧縮される。
これにより、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、突起部71又はキー部材74が純圧縮されて、突起部71又はキー部材74が面内方向に回転変形等することを防止することができるため、突起部71又はキー部材74の材料強度を十分に活用して、外嵌端部3と内嵌端部5との必要以上の相対回転を抑止する回転抵抗力を向上させることが可能となる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、施工時の回転力が比較的弱いものとなる鋼管杭の逆回転時を考慮すると、突起部71よりもキー部材74の材料強度を低く設定することもできる。本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、キー部材74と突起部71との相対的な材料強度を適宜変更することで、外嵌端部3と内嵌端部5との必要以上の相対回転を抑止する回転抵抗力を、鋼管杭の回転方向に応じて適宜調整することが可能となる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、外嵌山部31及び内嵌山部51と独立して、突起部71及び溝部72が形成されるため、軸芯抵抗力を負担する外嵌山部31及び内嵌山部51に、断面欠損等を生じさせないものとなる。
これにより、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、外嵌山部31又は内嵌山部51に突起部71又は溝部72を形成させる場合と比較したとき、外嵌山部31及び内嵌山部51の引張耐力及び圧縮耐力を向上させて、軸芯抵抗力を十分に確保することが可能となる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、あらかじめ外嵌端部3又は内嵌端部5の内側に、キー部材74を仮止め等することを必要としないで、外嵌先端部34及び内嵌基端部55の外側から、キー部材74が空隙部73に嵌め込まれて設置されるものである。
これにより、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、キー部材74の仮止め等を必要としないため、外嵌端部3及び内嵌端部5に複雑な加工等を実施することなく、第1鋼管杭1と第2鋼管杭2との相対回転を抑止するための構造を簡易に導入することが可能となる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、外嵌先端部34又は内嵌先端部54に、複数の突起部71を形成させるとともに、外嵌基端部35又は内嵌基端部55に、複数の溝部72を形成させて、複数の突起部71を複数の溝部72で係止させることができる。
これにより、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、周方向Wで複数の突起部71が複数の溝部72に係止されるため、外嵌端部3と内嵌端部5との必要以上の相対回転を抑止する回転抵抗力を向上させることが可能となる。
さらに、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、図19、図20に示すように、突起部71、溝部72の第3変形例において、溝部側面72aがテーパ状に形成されるため、外嵌基端部35又は内嵌基端部55で切り欠かれることなく形成された係止部76が設けられる。このとき、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、隣り合う溝部72を周方向Wに連続させて、外嵌基端部35又は内嵌基端部55に多数の溝部72を形成させることができる。
これにより、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、外嵌基端部35又は内嵌基端部55に多数の溝部72が形成されることで、多数の突起部71を多数の溝部72に係止させて、また、多数の空隙部73に多数のキー部材74が嵌め込まれることによって、外嵌端部3と内嵌端部5との回転抵抗力を著しく向上させることが可能となる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、図9、図10、図22に示すように、突起部71が外嵌端部3の外面又は内嵌山部51の外面から連続して形成されることで、突起部71を溝部72に挿入するときの目視等による位置決めを容易にして、第1鋼管杭1と第2鋼管杭2との連接作業を効率的に実施することが可能となる。
ここで、突起部71や溝部72が形成されない従来の構造の場合は、内嵌端部5の内嵌溝部52を外嵌端部3の外嵌山部31に軸芯方向Yへ移動して挿入する際に、周方向Wの回転位置がずれないように、内嵌山部51が外嵌溝部32に入っていくのを覗き込んで確認するものとなる。本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、内嵌端部5を外嵌端部3に挿入する際に、突起部71と溝部72との周方向Wの位置を覗き込むことなく確認することができるとともに、内嵌山部51と外嵌溝部32との周方向Wの位置決めを同時に実施することができるため、第1鋼管杭1と第2鋼管杭2との連接作業を容易に実施することが可能となる。
本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、図11、図23に示すように、外嵌端部3の内面を切り欠くことなく、外嵌端部3の内面より内側に溝部72が形成されて、また、内嵌端部5の外面を切り欠くことなく、内嵌端部5の外面より内側に溝部72が形成されることで、外嵌端部3の内面又は内嵌端部5の外面の内側に突起部71が挿入されて、突起部71が軸芯直交方向Xに座屈変形等することを防止することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
例えば、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、第1鋼管杭1に内嵌端部5が取り付けられるとともに、第2鋼管杭2に外嵌端部3が取り付けられるものとされてもよい。また、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、外嵌端部3及び内嵌端部5の軸芯方向Yで外嵌段部4及び内嵌段部6が1段以上の如何なる段数で形成されてもよい。さらに、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、第1鋼管杭1又は第2鋼管杭2の端部が切削されることで、第1鋼管杭1又は第2鋼管杭2そのものに外嵌端部3又は内嵌端部5が設けられてもよい。
また、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、複数の外嵌段部4の外嵌山部31や、複数の内嵌段部6の内嵌山部51が、軸芯方向Yで略千鳥状に配置されてもよい。さらに、本発明を適用した鋼管杭の回転抑止構造7は、各々の外嵌段部4や内嵌段部6で、外嵌谷部33や内嵌谷部53の板厚を略同一のものとして、複数の外嵌段部4や内嵌段部6がストレート状に形成されてもよい。
1 :第1鋼管杭
2 :第2鋼管杭
3 :外嵌端部
31 :外嵌山部
32 :外嵌溝部
33 :外嵌谷部
34 :外嵌先端部
35 :外嵌基端部
4 :外嵌段部
41 :第1外嵌段部
42 :第2外嵌段部
43 :第3外嵌段部
44 :第4外嵌段部
5 :内嵌端部
51 :内嵌山部
52 :内嵌溝部
53 :内嵌谷部
54 :内嵌先端部
55 :内嵌基端部
6 :内嵌段部
61 :第1内嵌段部
62 :第2内嵌段部
63 :第3内嵌段部
64 :第4内嵌段部
7 :回転抑止構造
70 :当接面
71 :突起部
71a :突起側面
72 :溝部
72a :溝部側面
73 :空隙部
74 :キー部材
75 :ピン部材
76 :係止部
W :周方向
X :軸芯直交方向
Y :軸芯方向

Claims (6)

  1. 第1鋼管杭と第2鋼管杭との相対回転を抑止する鋼管杭の回転抑止構造であって、
    軸芯方向に第1鋼管杭と第2鋼管杭とを連接させる外嵌端部と内嵌端部とを備え、
    前記外嵌端部は、軸芯直交方向で内側に突出させて形成された外嵌山部と、前記外嵌山部に周方向で隣り合って形成された外嵌溝部と、前記外嵌山部より軸芯方向で基端側に形成された外嵌谷部と、軸芯方向の先端側に設けられる外嵌先端部と、軸芯方向の基端側に設けられる外嵌基端部とを有し、
    前記内嵌端部は、軸芯直交方向で外側に突出させて形成された内嵌山部と、前記内嵌山部に周方向で隣り合って形成された内嵌溝部と、前記内嵌山部より軸芯方向で基端側に形成された内嵌谷部と、軸芯方向の先端側に設けられる内嵌先端部と、軸芯方向の基端側に設けられる内嵌基端部とを有し、
    前記外嵌先端部及び前記内嵌先端部の何れか一方又は両方は、軸芯方向に突出させた突起部が形成されて、
    前記外嵌基端部及び前記内嵌基端部の何れか一方又は両方は、軸芯方向に切り欠かれた溝部が形成されて、
    前記突起部は、軸芯方向で前記溝部に挿入された状態で、前記外嵌端部と前記内嵌端部とを周方向に相対回転させることで、周方向で前記溝部に係止され、
    前記溝部は、前記外嵌山部及び前記内嵌山部から独立させて設けられ
    前記溝部の周方向の幅は、前記突起部の周方向の幅よりも大きく形成されること
    を特徴とする鋼管杭の回転抑止構造。
  2. 前記外嵌先端部及び前記内嵌先端部の何れか一方又は両方は、前記突起部の周方向の幅を、前記外嵌溝部又は前記内嵌溝部の周方向の幅より小さくして、前記突起部が形成されること
    を特徴とする請求項1記載の鋼管杭の回転抑止構造。
  3. 前記外嵌先端部及び前記内嵌先端部の何れか一方又は両方は、前記突起部の周方向の幅を、前記外嵌溝部又は前記内嵌溝部の周方向の幅より大きくして、前記突起部が形成されること
    を特徴とする請求項1記載の鋼管杭の回転抑止構造。
  4. 前記外嵌先端部及び前記内嵌先端部の何れか一方又は両方は、前記突起部の周方向の幅を、前記外嵌溝部又は前記内嵌溝部の周方向の幅と略同一として、前記突起部が形成されること
    を特徴とする請求項1記載の鋼管杭の回転抑止構造。
  5. 前記突起部及び前記溝部は、前記外嵌端部と前記内嵌端部とを周方向に相対回転させて互いに係止させた状態で、互いに当接される当接面が周方向に傾斜したテーパ状に形成されること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の鋼管杭の回転抑止構造。
  6. 前記突起部及び前記溝部は、前記外嵌端部と前記内嵌端部とを周方向に相対回転させて互いに係止させた状態で、互いに離間させて形成された空隙部に、キー部材が嵌め込まれること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の鋼管杭の回転抑止構造。
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