JP6405577B2 - 金網用の平線および金網 - Google Patents

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Description

本発明は、金網用の平線および該平線を用いた金網に関し、特に、ガラス、プリント基板などにエレクトロニクス関連分野の高精度印刷を行うためのスクリーン印刷金網、化学繊維を製造する際の、溶融ポリマーを濾過する場合のように、高温高圧の液体から微小なゴミ類を濾過するのに適した濾過フィルター金網、医薬、食品工業等における粉や粒体の分級、分離、異物除去に適した篩分け金網等に使用する極細の平線および該平線を用いた金網に関する。
従来、スクリーン印刷金網や、濾過フィルター金網や、篩分け金網等の金網を編むための線材として、鋼線やステンレス線などの金属丸線が用いられている。
スクリーン印刷金網は、ガラス、プリント基板などにエレクトロニクス関連分野の高精度印刷を行うためのものであり、濾過フィルター金網は、化学繊維を製造する際の、溶融ポリマーを濾過する場合のように、高温高圧の液体から微小なゴミ類を濾過するためのものであり、篩分け金網は、医薬、食品工業等における粉や粒体の分級、分離、異物除去に用いるものである。
スクリーン印刷金網は、一般的に、金属丸線からなる複数の縦線および横線を織り合わせて平織や綾織に編まれて形成される。
携帯電話、スマートフォン、パソコン等の電子機器内には、各種の電極や配線パターンが形成されてLSI等の半導体装置が搭載されたプリント配線板が多数使用されている。このようなプリント配線板は、一般に、スクリーン印刷等によって基板に電極や配線パターンを形成することにより製造されている。近年では、このような電子機器はますます小型化、軽量化が進んでおり、電極や配線パターンおよびそれを印刷するためのスクリーン印刷にも薄膜化・微細化が強く求められている。このような要求に応えるには、スクリーン印刷金網を、網厚が薄く、孔径が小さくて、その大きさが狂いにくく、且つ印刷に必要な空隙率を具えた金網とする必要がある。
図11は金網の空隙率を説明するための説明図である。
空隙率とは、一定面積あたりの目開き部の占有する面積割合を示すもので、次式(1)で表わされる。図中、2は金属の丸線を示す。
空隙率={s2/(s+d)2}×100・・・・・・(1)
式中、sは目開きの大きさ、dは線径である。一般的に、スクリーン印刷金網の場合、10〜50%程度の空隙率を具えていることが求められている。
縦線および横線の少なくともいずれか一方を細い線径の線材に変えると、網厚みが薄く、孔径が小さく、且つ印刷に必要な空隙率を具えた金網となる。しかし、線径を細くするために線材の強度が低くなり、また孔径の大きさが狂いやすくなるため、線材の細径化には限界があった。
濾過フィルター金網は、一般的に、金属丸線からなる複数の縦線および横線を織り合わせて平畳織や綾畳織に編まれて形成される。
化学繊維を製造するにあたり、溶融ポリマーから微小なゴミ類を除去するために、濾過が行われている。溶融ポリマーは、200〜400℃程度の高温で濾過される。また、ポリマーは粘性が高いため、濾過圧力を高めた状態で濾過される。そのため、耐熱性を有し、かつ高い濾過圧に耐えられる濾過フィルター金網が求められている。
また、近年は化学繊維の品質向上、つまり化学繊維中におけるゴミ類等の不純物のさらなる低減が望まれている。すなわち、濾過精度の向上が求められており、数μm〜数十μm程度の微小な粒子を濾過により取り除くことができる濾過フィルターが求められている。このような要求に応えるには、濾過フィルター金網の強度を高く保ちつつ、孔径を小さく、且つ濾過に必要な濾過性能を具えた金網とする必要がある。
図12は従来の金属丸線を用いた平畳織の濾過フィルター金網の構造を示している。5が縦線(丸線)で、6が横線(丸線)である。平畳織フィルター金網は、横線6を順次密着させて織り上げた金網で、平面的な網目の開きはなく、縦線5と横線6の交差部の隙間7を利用して濾過を行う。孔径が小さい金網とするには、縦線と横線の交差部の隙間を小さくすればよいため、縦線5および横線6の少なくともいずれか一方を細い線径の線材に変えて、孔径が小さい金網を得ていた。特に、縦線5の線径dを細くすることで、隙間7が小さくなり、孔径の微小化が顕著になる。しかし、線径を細くすれば線材の強度が低くなって濾過フィルター金網が破損するため、線材の細径化による孔径の微小化には限界があった。
篩分け金網は、一般的に、金属丸線からなる複数の縦線および横線を織り合わせて平織や綾織に編まれて形成される。
従来から、医薬、食品工業等において、粉や粒体等の篩物の分級、分離、異物除去などのために製造業をはじめとする各分野で多数の篩分け金網が利用されている。
従来の篩分け方法としては、振動により篩分けを行う振動篩分け装置を用いて篩分けする方法がある。この方法では、篩分け金網を振動篩分け装置にセットし、当該金網の両端を固定具で挟んで引張ってテンションをかけ、このテンションのかかった金網を振動させ、粉や粒体の篩分けを行う。
従来の篩分け金網は、金属丸線を織り合わせた金網で、この金網を上記振動篩分け装置にセットして篩分けを行うと、目詰まりが起こって篩分け性能が悪くなるほか、連続の繰返し振動を受けるため、孔径の大きさが狂うという問題があった。
篩分けに求められていることは、短時間で正確に篩分けすることができ、金網の交換等のメンテナンス頻度を低くすることである。このような要求に応えるには、篩分け金網を、篩分け性能がよく、且つ孔径の大きさが正確で狂いにくい金網とする必要がある。篩分け性能は、金網の空隙率を上げることによって向上させることができる。
金網を構成する線の線径を細くすることによって、空隙率の高い篩分け金網となり、粉や粒体等の篩物の通過速度が向上して篩分け性能を上げることができるが、その反面、繰り返し振動を受け、篩物が通過することによって、孔径の大きさが狂いやすくなり、また篩分け金網が破損しやすくなって、金網の寿命が短くなるという問題があった。さらに、目詰まりの問題も依然として残っていた。篩分け金物が破損すると、破損片が製品中に混入して種々の問題を引き起こすこともあり、特に製品が薬品や食品であるとその及ぼす影響は極めて大きい。
近年、網厚さが薄い金網や、孔径が小さい金網、用途によっては高い空隙率を具えた金網をという要望が大きくなっている。これらの要望を満たすためには、金属丸線の線径を細いものにすればよいが、線径を細くすれば線の強度が低くなって必要強度が得られなくなるため、線の細径化には限界がある。
特許文献1には、線材が編まれてなるメッシュを圧延加工又はプレス加工することによってメッシュの紗厚を薄くし、孔径の大きさを狂いにくくしたスクリーン印刷用版が記載されている。
特許文献2には、オーステナイト系ステンレス鋼線を用いて製織し、ステンレス極細線の互いに異なる部分を押圧して押しつぶして接触変形させ、目を均一に固定、高い精度とした金網が記載されている。
特許文献3には、畳織りまたはむしろ織りの金網を、圧延ロールを用いて所定の圧下率をかけ圧下して孔径を微小化した金属フィルタが記載されている。
しかし、金網を圧延すると、線材が押し潰されて、薄く、孔径の小さな金網を作製することができるが、金網の横幅は1mを超えるため、織った金網を圧延するには、巨大な圧延ローラーが必要となり、メンテナンスに手間がかかり、作業性が悪くなり、コストもかかる。さらに、織った金網を圧延するにしても、網厚みおよび孔径の制御が難しく、圧延ローラーの調整に時間がかかり、圧延ローラーの調整のための金網が必要となるため、その分の金網が無駄になって歩留まりが悪く、コストも高くなる。また、孔径が極めて小さい金網の作製をするため、高い圧下率で金網を圧延すると、金網を構成する線材の厚みが薄くなるだけでなく、横にも大幅に広がるため、孔が塞がってしまい、孔径の微小化には限界があった。
特に、スクリーン印刷金網の場合、従来の技術では、網厚みが薄く、孔径が小さくて、その大きさが狂いにくく、且つ印刷に必要な空隙率を具えた金網を得るのは難しく、細い線径の線材を使用することで、上記の要望をある程度は満たす金網を得ることは可能であったが、強度が低くなり、孔径の大きさが狂いやすくなるため、線材の細径化には限界があった。また、織った金網を圧延することで、上記の要望をある程度満たす金網を得ることは可能であったが、網厚みおよび孔径の制御が難しく、圧延ローラーの調整に時間がかかり、圧延ローラーの調整に金網が必要となるため、その分の金網が無駄になって歩留まりが悪く、コストも高くなるという問題もあった。
また、濾過フィルター金網の場合、従来の技術では、孔径の小さい金網を得ようとすると、細い線径の線材が必要であったが、線材の細径化には限界があった。また、織った金網を圧延することで、ある程度孔径の小さな金網を得ることは可能であったが孔径の制御が難しく、圧延ローラーの調整に時間がかかり、圧延ローラーの調整に金網が必要となるため、その分の金網が無駄になって歩留まりが悪く、コストも高くなるという問題もあった。さらに、孔径の微小化には限界があり、孔径の極めて小さい金網を作製するのは不可能であった。
また、篩分け金網の場合、従来の技術では、空隙率の高い金網を得ようとすると、細い線径の線材が必要であったが、線材の細径化には限界があった。また、織った金網を圧延することで、ある程度目詰まりが少なく、孔径の大きさが狂いにくい金網を得ることは可能であったが、孔径の制御が難しく、圧延ローラーの調整に時間がかかり、圧延ローラーの調整に金網が必要となるため、その分の金網が無駄になって歩留まりが悪く、コストも高くなるという問題もあった。
金網を圧延すると、極細線の重なる部分の一部をつぶして接触するようにしているので、厚み方向に薄く、重なる部分で互いに極細線が固定される。そのため、目詰まりが減少し、孔径の大きさが狂いにくい金網を作製することができるが、金網の横幅は1mを超えるため、織った金網を圧延するには、巨大で精密な圧延ローラーが必要となり、メンテナンスに手間がかかり、作業性が悪くなり、コストもかかる。さらに、織った金網を圧延するにしても、孔径の制御が難しく、圧延ローラーの調整に時間がかかり、圧延ローラーの調整に金網が必要となるため、その分の金網が無駄になって歩留まりが悪く、コストも高くなる。金網を押圧するにも、巨大なローラー等が必要になり、上記のような問題がある。
特開2007−237618号公報 特開2006−89837号公報 特開平7−155520号公報
このように、金網を圧延して、薄く、孔径の小さな金網を作製するには、巨大な圧延ローラーが必要で、メンテナンスに手間がかかり、作業性が悪くなり、コストもかかり、網厚みおよび孔径の制御が難しく、圧延ローラーの調整に時間がかかり、圧延ローラーの調整のための金網が必要で、その分の金網が無駄になって歩留まりが悪く、コストも高くなり、また、圧延して金網を薄くすると、孔が塞がる恐れがあって、孔径の微小化に限界もあった。
特に、スクリーン印刷金網の場合、従来の技術では、網厚みが薄く、孔径が小さくて、その大きさが狂いにくく、且つ印刷に必要な空隙率を具えた金網を得るのは難しく、細い線径の線材を使用することで、上記の要望をある程度は満たす金網を得ることは可能であったが、強度が低くなり、孔径の大きさが狂いやすくなるため、線材の細径化には限界があった。また、織った金網を圧延することで、上記の要望をある程度満たす金網を得ることは可能であったが、網厚みおよび孔径の制御が難しく、圧延ローラーの調整に時間がかかり、圧延ローラーの調整に金網が必要となるため、その分の金網が無駄になって歩留まりが悪く、コストも高くなるという問題もあった。
また、濾過フィルター金網の場合、従来の技術では、孔径の小さい金網を得ようとすると、細い線径の線材が必要であったが、線材の細径化には限界があった。また、織った金網を圧延することで、ある程度孔径の小さな金網を得ることは可能であったが孔径の制御が難しく、圧延ローラーの調整に時間がかかり、圧延ローラーの調整に金網が必要となるため、その分の金網が無駄になって歩留まりが悪く、コストも高くなるという問題もあった。さらに、孔径の微小化には限界があり、孔径の極めて小さい金網を作製するのは不可能であった。
また、篩分け金網の場合、従来の技術では、空隙率の高い金網を得ようとすると、細い線径の線材が必要であったが、線材の細径化には限界があった。また、織った金網を圧延することで、ある程度目詰まりが少なく、孔径の大きさが狂いにくい金網を得ることは可能であったが、孔径の制御が難しく、圧延ローラーの調整に時間がかかり、圧延ローラーの調整に金網が必要となるため、その分の金網が無駄になって歩留まりが悪く、コストも高くなるという問題もあった。また、金網を圧延すると、極細線の重なる部分の一部をつぶして接触するようにしているので、厚み方向に薄く、重なる部分で互いに極細線が固定される。そのため、目詰まりが減少し、孔径の大きさが狂いにくい金網を作製することができるが、金網の横幅は1mを超えるため、織った金網を圧延するには、巨大で精密な圧延ローラーが必要となり、メンテナンスに手間がかかり、作業性が悪くなり、コストもかかる。さらに、織った金網を圧延するにしても、孔径の制御が難しく、圧延ローラーの調整に時間がかかり、圧延ローラーの調整に金網が必要となるため、その分の金網が無駄になって歩留まりが悪く、コストも高くなる。金網を押圧するにも、巨大なローラー等が必要になり、上記のような問題がある。
本発明は、金網の網厚みを薄くすることができ、孔径を小さくすることができ、孔径の大きさが正確で狂いにくくすることができ、空隙率を大きくすることができる金網用の線材、特に、網厚みが薄く、孔径が小さくて、その大きさが狂いにくく、且つ印刷に必要な空隙率を具えたスクリーン印刷金網用の平線や、孔径が極めて小さく、且つ濾過に必要な濾過性能を具えた濾過フィルター金網用の平線、篩分け性能がよく、且つ孔径の大きさが正確で狂いにくい篩分け金網用の平線および該平線を用いた金網を提供することを目的とする。
本発明の金網用の平線は、複数の縦線および横線を織り合わせて形成される金網の縦線および横線の少なくとも一方に用いられる断面が略長方形状の平線であって、平線の幅寸法は0.10mm以下、厚み寸法は0.06mm以下であり、平線の断面において、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であり、平線の引張強さが750MPa以上、および伸び率が10%以上であることを特徴とする。また、本発明の金網は、上記平線を縦線および横線の少なくとも一方に用いて織られたことを特徴とする。
この平線は、複数の縦線および横線を織り合わされて形成される平織、綾織、平畳織、または綾畳織からなる金網用とすることができる。
本発明の金網用の平線は、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であって、厚みが薄く、厚み寸法より幅寸法の方が大きいため、金網用の線材として、強度を持たせるのに必要な断面積を維持しつつ、織り合わせて金網としたときに金網の網厚みが薄くなって、嵩張らず、コンパクトな金網とすることが可能となる。
そして、この平線は、厚みが薄いため、織り合わせの際、線材の折り曲げ度合いが少なくて済み、そのため、線材の加工性に優れ、織り合わせると凹凸の少ない、表面の平滑性の高い金網となる。
また、この平線は、アスペクト比が1.5以上であって、相対的に幅寸法が大きいため、織り合わせて金網としたときに金網の孔径が相対的に小さくなる。
そして、この平線は、アスペクト比が1.5以上であって、厚み寸法より幅寸法の方が大きく、織り合わせて金網にしたときに縦線と横線の交差部で線同士が接する面積が相対的に大きくて、摩擦が大きくなるため、線がずれにくく、そのため、金網の孔径の大きさが狂いにくく、所望の空隙率を具えた金網とすることができる。
アスペクト比が1.5未満であると、厚みを十分に薄くすることができず、また、金網としたときに線がずれて、金網の孔径の大きさが狂うことがあり、上記の効果を得られなくなる。
そして、この平線は、予め決まった寸法のまま織り合わせて金網とするものであって、金網に編んだ後で圧延するものではないため、網厚みおよび孔径の制御が容易で、精度の高い金網とすることができる。
また、この平線の引張強さは750MPa以上と大きく、伸び率は10%以上と大きいため、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。引張強さが750MPa未満、伸び率が10%未満であると、織り合わせ作業性が低下し、断線等による歩留まり低下を招くおそれがある。
この平線の伸び率は、20%以上であることが好ましく、30%以上であるとより好ましい。伸び率が大きいほど、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。また、平線の伸び率は45%未満であることが好ましい。伸び率が45%以上であると、平線が伸び過ぎ、織り合わせて金網にしたときの寸法精度が悪くなる。
この平線は、スクリーン印刷金網用の線材として好適である。スクリーン印刷金網の場合、この平線を織り合わせて平織または綾織の金網に形成するとよい。
この平線は、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であって、厚みが薄く、厚み寸法より幅寸法の方が大きい。そのため、この平線を織り合わせて平織または綾織に形成したスクリーン印刷金網とすることで、相対的に網厚みの薄い金網とすることができる。当該金網を用いてスクリーン印刷を行うと、電極や配線パターンの薄膜化が可能となる。また、金網の網厚みが薄いために嵩張らず、コンパクト化が可能となる。そして、この平線は、厚みが薄いため、織り合わせの際、線材の折り曲げ度合いが少なくて済み、そのため、線材の加工性に優れ、織り合わせると凹凸の少ない、表面の平滑性の高い金網となる。
また、この平線は、アスペクト比が1.5以上であって、相対的に幅寸法が大きいため、織り合わせて金網としたときに金網の孔径が相対的に小さくなる。そして、この平線は、アスペクト比が1.5以上であって、厚み寸法より幅寸法の方が大きく、織り合わせて金網にしたときに縦線と横線の交差部で線同士が接する面積が相対的に大きくて、摩擦が大きくなるため、線がずれにくく、そのため、金網の孔径の大きさが狂いにくく、所望の空隙率を具えた金網とすることができる。そして、当該金網を用いてスクリーン印刷を行うと、電極および配線パターンの微小化が可能となる。
そして、この平線は、予め決まった寸法のまま織り合わせてスクリーン印刷金網とするものであって、金網に編んだ後で圧延するものではないため、網厚みおよび孔径の制御が容易で、寸法精度の高い金網とすることができる。
また、この平線の引張強さは750MPa以上と大きく、伸び率は10%以上と大きいため、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。
また、この平線は、濾過フィルター金網用の線材として好適である。濾過フィルター金網の場合、この平線を織り合わせて平畳織または綾畳織の金網に形成するとよい。
この平線は、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であって、厚みが薄く、厚み寸法より幅寸法の方が大きい。そのため、この平線を織り合わせて平畳織または綾畳織に形成した濾過フィルター金網とすることで、相対的に網厚みの薄い金網とすることができ、当該濾過フィルター金網を多数積層して用いても全体として薄くてコンパクトなものとすることができる。
当該平線を横線および縦線に用いて織り合わせた濾過フィルター金網を用いて濾過を行うと、数μm〜数十μm程度の微小な粒子の不純物でも取り除くことが可能となる。また、当該濾過フィルター金網は、金属製で、耐熱性を有するため、高温環境下で使用することができ、かつ高い濾過圧に耐えることができる。そして、この平線は、厚みが薄いため、織り合わせの際、線材の折り曲げ度合いが少なくて済み、そのため、線材の加工性に優れ、織り合わせると凹凸の少ない、表面の平滑性の高い金網となる。
また、この平線は、アスペクト比が1.5以上であって、相対的に幅寸法が大きいため、織り合わせて金網としたときに金網の孔径が相対的に小さくなる。そして、この平線は、アスペクト比が1.5以上であって、厚み寸法より幅寸法の方が大きく、織り合わせて金網にしたときに縦線と横線の交差部で線同士が接する面積が相対的に大きくて、摩擦が大きくなるため、線がずれにくく、そのため、金網の孔径の大きさが狂いにくく、所望の空隙率を具えた金網とすることができる。
この平線を織り合わせて濾過フィルター金網としたとき、孔径が小さくなり、あるいは単位面積当たりの孔数が多くなって、濾過性能が向上する。
そして、この平線は、予め決まった寸法のまま織り合わせて濾過フィルター金網とするものであって、金網に編んだ後で圧延するものではないため、網厚みおよび孔径の制御が容易で、寸法精度の高い濾過フィルター金網とすることができる。
また、この平線の引張強さは750MPa以上と大きく、伸び率は10%以上と大きいため、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。
また、この平線は、篩分金網用の線材として好適である。篩分け金網の場合、この平線を織り合わせて平織または綾織の金網に形成するとよい。
この平線は、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であって、厚みが薄く、厚み寸法より幅寸法の方が大きい。そのため、この平線を織り合わせて平織または綾織に形成した篩分け金網とすることで、相対的に網厚みの薄い篩分け金網とすることができる。
当該平線は、厚みが薄いため、織り合わせの際、線材の折り曲げ度合いが少なくて済み、そのため、線材の加工性に優れ、織り合わせると凹凸の少ない、表面の平滑性の高い金網となる。
そして、この平線は、厚み寸法より幅寸法が大きくて、例えば断面形状が略長方形状の場合、断面4角に略直角のシャープな角部が存在するため、この平線を織り合わせて平織または綾織に形成した篩分け金網とすることで、篩分け性能がよく、且つ孔径の大きさが正確で狂いにくい金網とすることができる。
この平線を用いた篩分け金網の孔部は、例えば断面形状が略長方形状の平線の場合、断面4角に略直角のシャープな角部が存在し、孔部は網厚み方向に略直線状であって、丸線を用いた金網の場合は孔部は途中が狭まる形状であるのに対し、篩物が孔部の途中で挟まりにくく、さらに厚みも薄いため篩物の通過距離が短くなり、目詰まりが起こりにくくなる。当該平線を用いた篩分け金網は、幅寸法が大きいために、同一断面積の丸線を使った金網に比べると空隙率は小さくなるが、上記のように篩物の通過距離が短く、目詰まりが起こりにくくなるため、結果的に篩分け性能がよくなる。
また、この平線は、アスペクト比が1.5以上であって、相対的に幅寸法が大きいため、織り合わせて金網としたときに金網の孔径が相対的に小さくなる。そして、この平線は、アスペクト比が1.5以上であって、厚み寸法より幅寸法の方が大きく、織り合わせて金網にしたときに縦線と横線の交差部で線同士が接する面積が相対的に大きくて、摩擦が大きくなるため、線がずれにくく、そのため、金網の孔径の大きさが狂いにくく、所望の空隙率を具えた金網とすることができるとともに、繰り返し振動を与えられても、孔径の大きさは正確で狂いにくい金網とすることができる。
そして、この平線は、予め決まった寸法のまま織り合わせて金網とするものであって、金網に編んだ後で圧延するものではないため、網厚みおよび孔径の制御が容易で、寸法精度の高い篩分け金網とすることができる。
また、この平線の引張強さは750MPa以上と大きく、伸び率は10%以上と大きいため、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。
この平線の断面積は、0.006mm2以下とするのがよい。この平線の断面積は、0.006mm2以下とすることで、この平線を織り合わせてスクリーン印刷金網としたとき、網厚みが薄く、且つ孔径が小さい金網とすることができる。断面積が0.006mm2を超えると、金網としたときに網厚みが厚くなったり、印刷に必要な空隙率が得られなくなったりする。また、この平線の断面積は、0.006mm2以下とすることで、この平線を織り合わせて濾過フィルター金網としたとき、孔径が小さくなり、あるいは単位面積当たりの孔数が多くなって濾過性能が向上する。断面積が0.006mm2を超えると、金網としたときに孔径が大きくなったり、単位面積当たりの孔数が少なくなって濾過性能が悪くなったりする。また、この平線の断面積は、0.006mm2以下とすることで、この平線を織り合わせて篩分け金網としたとき、孔径の大きさが正確で狂いにくくなり、空隙率が大きくなって篩分け性能が向上する。断面積が0.006mm2を超えると、金網としたときに孔径の大きさが狂いやすくなるほか、目詰まりが起こりやすくなったり、空隙率が小さくなったりして篩分け性能が悪くなる。
また、この平線の幅寸法は0.10mm以下、厚み寸法は0.06mm以下とするのがよい。この平線の幅寸法を0.10mm以下、厚み寸法を0.06mm以下とすることで、この平線を織り合わせてスクリーン印刷金網としたとき、網厚みが薄く、且つ孔径が小さい金網とすることができる。幅寸法が0.10mmを超えると、または厚み寸法が0.06mmを超えると、スクリーン印刷金網としたときに網厚みが厚くなったり、所望の空隙率が得られなくなったりする。また、この平線の幅寸法を0.10mm以下、厚み寸法を0.06mm以下とすることで、この平線を織り合わせて濾過フィルター金網としたとき、孔径が小さくなり、あるいは単位面積当たりの孔数が多くなって濾過性能が向上する。幅寸法が0.10mmを超えると、金網としたときに単位面積当たりの孔数が少なくなり、濾過性能が悪くなる。厚み寸法が0.06mmを超えると、金網としたときに孔径が大きくなる。また、この平線の幅寸法を0.10mm以下、厚み寸法を0.06mm以下とすることで、この平線を篩分け金網としたとき、孔径の大きさが安定し、空隙率が大きくなって篩分け性能が向上する。幅寸法が0.10mmを超えると、金網としたときに空隙率が小さくなって、篩分け性能が悪くなる。厚み寸法が0.06mmを超えると、金網としたときに網厚みが大きくなって、篩物の通過距離が長くなって目詰まりが起こりやすくなり、篩分け性能が悪くなる。
本発明の金網用の平線の材質は、鋼、ステンレス鋼、ニッケルチタン、チタン、またはチタン合金であるのがよい。材質を鋼とした場合、引張強さ等の機械的強度が高い平線とすることができる。材質をステンレス鋼とした場合、高い機械的強度に加え、高い耐食性、高い表面品質の平線とすることができる。ステンレス鋼としては、例えばSUS304、SUS316などの汎用のステンレス鋼を用いることができる。さらに、炭素含有量の低いステンレス鋼、例えばSUS316L等を用いると、さらなる高い耐食性の平線とすることができる。材質をニッケルチタン、チタン、およびチタン合金のいずれかとした場合、高い機械的強度に加え、上記ステンレス鋼よりも高い耐食性を持った平線とすることができる。
本発明の金網用の平線は、織り合わせて金網とすることで、金網の網厚みを薄くすることができ、孔径を小さくすることができ、孔径の大きさが正確で狂いにくくすることができ、空隙率を大きくすることができる。そして、特に、網厚みが薄く、孔径が小さくて、その大きさが狂いにくく、且つ印刷に必要な空隙率を具えたスクリーン印刷金網を作製することができ、孔径が極めて小さく、且つ濾過に必要な濾過性能を具えた濾過フィルター金網を作成することができ、篩分け性能がよく、且つ孔径の大きさが正確で狂いにくい篩分け金網を作成することができる。
本発明の実施の形態の第1例の平線の概略図である。 本発明の実施の形態の第1例の平線を平織に織り合わせて形成した金網の斜視図である。 本発明の実施の形態の第1例の平線を平畳織に織り合わせて形成した金網の斜視図である。 本発明の実施の形態の第2例の平線の断面図(a)およびその平線の寸法を説明するための説明図(b)である。 本発明の実施の形態の第3例の平線の断面図(a)およびその平線の寸法を説明するための説明図(b)である。 本発明の実施の形態の第1例の平線を織り合わせて形成した金網の断面図(a)、および従来の丸線を織り合わせて形成した金網の断面図(b)である。 本発明の実施の形態の第3例の平線を織り合わせて形成した金網の断面図である。 本発明の実施の形態の第1例の平線の製造工程におけるロール圧延を斜視図で示す説明図である。 本発明の実施の形態の第1例の平線の断面図(a),(b)である。 本発明の実施の形態の第3例の平線の製造工程におけるタークス圧延を斜視図で示す説明図である。 金網の空隙率を説明するための説明図である。 平畳織の金網の孔径を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態の第1例の平線1を示している。そして、図2は上記第1例の平線1を縦線および横線として平織に織り合わせて形成した金網3の構成を示し、図3は上記第1例の平線1を縦線および横線として平畳織に織り合わせて形成した金網4の構成を示している。また、図4は本発明の実施の形態の第2例の平線1を示している。また、図5は本発明の実施の形態の第3例の平線1を示している。そして、図6は本発明の実施の形態の第1例の平線を織り合わせて形成した金網の断面構造(a)および従来の丸線を織り合わせて形成した金網の断面構造(b)を示している。また、図7は本発明の実施の形態の第3例の平線を織り合わせて形成した金網の断面構造を示している。なお、図2、図3、図6、図7では、縦線および横線の両方に平線を用いた金網を例示しているが、本発明の金網は、縦線のみに平線を用いたものであってもよく、また、横線のみに平線を用いたものであってもよい。本発明の平線を用いた金網は、縦線および横線の少なくとも一方に平線を用いたものとすることが可能である。
第1例の平線1(図1)は、断面形状が略長方形状であり、第2例の平線1(図4)は、断面が、対峙する一対の湾曲部1aを有し、該湾曲部1aが外方に膨らんだ形状であり、第3例の平線1(図5)は、断面が、対峙する一対の平坦部1bおよび対峙する一対の湾曲部1aを有し、湾曲部1aが平坦部1bを接続して外方に膨らんだ形状である。第2例および第3例の平線1の形状において、湾曲部1aは、略円弧状、略楕円弧状または略放射線状である。
これら第1例、第2例、第3例の平線1は、いずれか1例の平線1からなる複数の縦線および横線を平織、綾織、平畳織、または綾畳織等に織り合わせて形成される金網用の線材であって、平線1の断面において、幅をW、厚みをtとして「W/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であり、平線の引張強さが750MPa以上、および伸び率が10%以上である。これらの平線1は、例えば、ガラス、プリント基板などにエレクトロニクス関連分野の高精度印刷を行うためのスクリーン印刷金網や、化学繊維を製造する際の、溶融ポリマーを濾過する場合のように、高温高圧の液体から微小なゴミ類を濾過するのに適した濾過フィルター金網や、医薬、食品工業等における粉や粒体の分級、分離、異物除去に適した篩分け金網に適用することができる。
これらの平線1は、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であって、厚みが薄く、厚み寸法より幅寸法の方が大きいため、金網用の線材として、強度を持たせるのに必要な断面積を維持しつつ、織り合わせて金網3、4としたときに金網3、4の網厚みが薄くなって、嵩張らず、コンパクトな金網とすることが可能となる。
そして、これらの平線1は、厚みが薄いため、織り合わせの際、線材の折り曲げ度合いが少なくて済み、そのため、線材の加工性に優れ、織り合わせると凹凸の少ない、表面の平滑性の高い金網3、4となる。
また、これら平線1は、アスペクト比が1.5以上であって、相対的に幅寸法が大きいため、織り合わせて金網3、4としたときに金網3、4の孔径が相対的に小さくなる。
そして、これらの平線1は、アスペクト比が1.5以上であって、厚み寸法より幅寸法の方が大きく、織り合わせて金網にしたときに縦線と横線の交差部で線同士が接する面積が相対的に大きくて、摩擦が大きくなるため、線がずれにくく、そのため、金網3、4の孔径の大きさが狂いにくく、所望の空隙率を具えた金網3、4とすることができる。
アスペクト比が1.5未満であると、厚みを十分に薄くすることができず、また、金網としたときに線がずれて、金網の孔径の大きさが狂うことがあり、上記の効果を得られなくなる。
そして、これらの平線1は、予め決まった寸法のまま織り合わせて金網3、4とするものであって、金網3、4に編んだ後で圧延するものではないため、網厚みおよび孔径の制御が容易で、精度の高い金網3、4とすることができる。
また、これらの平線1の引張強さは750MPa以上と大きく、伸び率は10%以上と大きいため、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。引張強さが750MPa未満、伸び率が10%未満であると、織り合わせ作業性が低下し、断線等による歩留まり低下を招くおそれがある。
これらの平線1の伸び率は、20%以上であることが好ましく、30%以上であるとより好ましい。伸び率が大きいほど、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。また、平線1の伸び率は45%未満であることが好ましい。伸び率が45%以上であると、平線1が伸び過ぎ、織り合わせて金網にしたときの寸法精度が悪くなる。
これらの平線は、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であって、厚みが薄く、厚み寸法より幅寸法の方が大きいため、金網用の線材として、強度を持たせるのに必要な断面積を維持しつつ、織り合わせて金網3、4としたときに金網3、4の網厚みが薄くなって、嵩張らず、コンパクトな金網3、4とすることが可能となる。
また、これらの平線1は、アスペクト比が1.5以上であって、相対的に幅寸法が大きいため、織り合わせて金網3、4としたときに金網の孔径が相対的に小さくなる。
そして、これらの平線1は、アスペクト比が1.5以上であって、厚み寸法より幅寸法の方が大きく、織り合わせて金網3、4にしたときに縦線と横線の交差部で線同士が接する面積が相対的に大きくて、摩擦が大きくなるため、線がずれにくく、そのため、金網3、4の孔径の大きさが狂いにくく、所望の空隙率を具えた金網3、4とすることができる。
アスペクト比が1.5未満であると、厚みを十分に薄くすることができず、また、金網3、4としたときに線がずれて、金網3、4の孔径の大きさが狂うことがあり、上記の効果を得られなくなる。
断面が、対峙する一対の湾曲部1aを有し、該湾曲部1aが外方に膨らんだ形状の平線1(第2例)や、断面が、対峙する一対の平坦部1bおよび対峙する一対の湾曲部1aを有し、湾曲部1aが平坦部1bを接続して外方に膨らんだ形状の平線1(第3例)であると、織り合わせて金網3、4にしたとき、縦線と横線の交差部の接触面積が大きくなり、摩擦が大きくなって線が安定し、製織中または使用中に線が滑ることなく、所望の孔径を有する金網3、4を得ることが容易である。
断面が略長方形状の平線1(第1例)の場合は、仕様によっては、縦線および横線の両方に用いて織り合わせたときに、縦線と横線との交差部で、例えば横線が幅方向の2箇所の角部でしか縦線に接触できず、中央部が浮いて隙間ができる場合があり、また、縦線が回転したりすると、1箇所の角部でしか接触できなくなる場合もあって、そうした場合、縦線と横線の接触面積が小さくなり、摩擦が小さくなって線が安定せず、そのため、製織中また使用中に線が滑ってしまい、所望の孔径にならないことがある。それに対し、断面が、対峙する一対の湾曲部1aを有し、該湾曲部1aが外方に膨らんだ形状の平線1(第2例)や、断面が、対峙する一対の平坦部1bおよび対峙する一対の湾曲部1aを有し、湾曲部1aが平坦部1bを接続して外方に膨らんだ形状の平線1(第3例)は、湾曲部1aが外方に突出していることで、織り合わせて金網にしたとき、縦線と横線の交差部の接触面積が大きくなり、摩擦が大きくなって線が安定し、製織中または使用中に線が滑ることがなく、所望の孔径を有する金網3,4を得ることができる。
そして、これら第1例、第2例、第3例の平線1は、予め決まった寸法のまま織り合わせて金網とするものであって、金網3、4に編んだ後で圧延するものではないため、網厚みおよび孔径の制御が容易で、寸法精度の高い金網3、4とすることができる。
また、これらの平線1の引張強さは750MPa以上と大きく、伸び率は10%以上と大きいため、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。引張強さが750MPa未満、伸び率が10%未満であると、織り合わせ作業性が低下し、断線等による歩留まり低下を招くおそれがある。
平線1の上記伸び率は、20%以上であることが好ましく、30%以上であるとより好ましい。伸び率が大きいほど、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。また、平線1の伸び率は45%未満であることが好ましい。伸び率が45%以上であると、平線1が伸び過ぎ、織り合わせて金網3、4にしたときの寸法精度が悪くなる。
平線1の材質は、鋼、ステンレス鋼、ニッケルチタン、チタン、またはチタン合金であるのがよい。材質を鋼とした場合、引張強さ等の機械的強度が高い平線とすることができる。材質をステンレス鋼とした場合、高い機械的強度に加え、高い耐食性、高い表面品質の平線とすることができる。ステンレス鋼としては、例えばSUS304、SUS316などの汎用のステンレス鋼を用いることができる。さらに、炭素含有量の低いステンレス鋼、例えばSUS316L等を用いると、さらなる高い耐食性の平線とすることができる。材質をニッケルチタン、チタン、およびチタン合金のいずれかとした場合、高い機械的強度に加え、上記ステンレス鋼よりも高い耐食性を持った平線1とすることができる。
この発明の実施の形態の上記第1例の平線は、図8に示すようにロール圧延によって製造できる。図8中、10aおよび10bは圧延ロール、1は実施の形態の第1例の平線1であり、2は圧延前の金属丸線である。この第1例の平線1は、断面形状が略長方形状であって、図8に示すように丸線2をロール圧延することで容易に製造できる。また、その他の方法として、例えばタークス圧延等をすることで容易に製造できる。
図9はこの第1例の平線1の断面形状を示すもので、図9(a)はロール圧延によって製造された平線1の断面形状を示している。ロール圧延では、上下方向から2面圧延され、左右方向からはロールが当たらないため、平線1は断面において左右方向に膨らみ、両端が楕円を長軸に沿って直線状に分割した形状に近似した略半割り楕円形状で、全体として略長方形状となっている。図9(b)はタークス圧延によって製造された平線1を示している。タークス圧延では、上下左右方向から4面圧延されるため、ほぼ正確な長方形状となっている。
実施の形態の上記第2例および第3例の平線1は、上記第1例と同様に金属丸棒2をロール圧延して断面が略長方形状の線材11にした後、さらに図10に示すようにタークス圧延等をすることで容易に製造することができる。図10中、20a、20b、20c,および20dはタークスロールを示している。その他の製造方法として、金属製の丸線を素材として、タークス圧延を複数回繰返すことで製造してもよく、さらに他の方法で製造してもよい。
これらの平線1は、スクリーン印刷金網用の線材として好適である。スクリーン印刷金網の場合、この平線を織り合わせて平織または綾織の金網に形成するとよい。
これらの平線1は、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であって、厚みが薄く、厚み寸法より幅寸法の方が大きい。そのため、この平線1を織り合わせて平織または綾織に形成したスクリーン印刷金網とすることで、相対的に網厚みの薄い金網3とすることができる。当該金網3を用いてスクリーン印刷を行うと、電極や配線パターンの薄膜化が可能となる。また、金網3の網厚みが薄いために嵩張らず、コンパクト化が可能となる。そして、これらの平線1は、厚みが薄いため、織り合わせの際、線材の折り曲げ度合いが少なくて済み、そのため、線材の加工性に優れ、織り合わせると凹凸の少ない、表面の平滑性の高い金網3となる。
また、これらの平線1は、アスペクト比が1.5以上であって、相対的に幅寸法が大きいため、織り合わせて金網3としたときに金網3の孔径が相対的に小さくなる。そして、これらの平線1は、アスペクト比が1.5以上であって、厚み寸法より幅寸法の方が大きく、織り合わせて金網3にしたときに縦線と横線の交差部で線同士が接する面積が相対的に大きくて、摩擦が大きくなるため、線がずれにくく、そのため、金網3の孔径の大きさが狂いにくく、所望の空隙率を具えた金網3とすることができる。そして、当該金網3を用いてスクリーン印刷を行うと、電極および配線パターンの微小化が可能となる。
そして、これらの平線1は、予め決まった寸法のまま織り合わせてスクリーン印刷金網とするものであって、金網3に編んだ後で圧延するものではないため、網厚みおよび孔径の制御が容易で、寸法精度の高い金網とすることができる。
また、これらの平線1は引張強さが750MPa以上と大きく、伸び率は10%以上と大きいため、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。
平線1の断面積は、0.006mm2以下とするのがよい。平線1の断面積は、0.006mm2以下とすることで、これらの平線1を織り合わせてスクリーン印刷金網としたとき、網厚みが薄く、且つ孔径が小さい金網とすることができる。断面積が0.006mm2を超えると、金網3としたときに網厚みが厚くなったり、印刷に必要な空隙率が得られなくなったりする。
平線1の幅寸法は0.10mm以下、厚み寸法は0.06mm以下とするのがよい。平線1の幅寸法を0.10mm以下、厚み寸法を0.06mm以下とすることで、これらの平線1を織り合わせてスクリーン印刷金網としたとき、網厚みが薄く、且つ孔径が小さい金網3とすることができる。幅寸法が0.10mmを超えると、または厚み寸法が0.06mmを超えると、スクリーン印刷金網としたときに網厚みが厚くなったり、所望の空隙率が得られなくなったりする。
断面が、対峙する一対の湾曲部1aを有し、該湾曲部1aが外方に膨らんだ形状の平線1(第2例)や、断面が、対峙する一対の平坦部1bおよび対峙する一対の湾曲部1aを有し、湾曲部1aが平坦部1bを接続して外方に膨らんだ形状の平線1(第3例)の場合、当該平線1を織り合わせて平織等のスクリーン印刷金網にしたときに、縦線と横線との接触面積が大きくなって、摩擦が大きくなって線が安定し、製織中または使用中に線が滑ることなく、所望の孔径を有し、印刷に必要な空隙率を有する金網3とすることが容易である。
また、これらの平線1は、濾過フィルター金網用の線材として好適である。濾過フィルター金網の場合、これらの平線1を織り合わせて平畳織または綾畳織の金網に形成するとよい。
これらの平線1は、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であって、厚みが薄く、厚み寸法より幅寸法の方が大きい。そのため、これらの平線1を織り合わせて平畳織または綾畳織に形成した濾過フィルター金網とすることで、相対的に網厚みの薄い金網4とすることができ、当該濾過フィルター金網を多数積層して用いても全体として薄くてコンパクトなものとすることができる。
当該平線1を横線および縦線に用いて織り合わせた濾過フィルター金網を用いて濾過を行うと、数μm〜数十μm程度の微小な粒子の不純物でも取り除くことが可能となる。また、当該濾過フィルター金網は、金属製で、耐熱性を有するため、高温環境下で使用することができ、かつ高い濾過圧に耐えることができる。そして、これらの平線1は、厚みが薄いため、織り合わせの際、線材の折り曲げ度合いが少なくて済み、そのため、線材の加工性に優れ、織り合わせると凹凸の少ない、表面の平滑性の高い金網4となる。
また、これらの平線1は、アスペクト比が1.5以上であって、相対的に幅寸法が大きいため、織り合わせて金網4としたときに金網4の孔径が相対的に小さくなる。そして、これらの平線1は、アスペクト比が1.5以上であって、厚み寸法より幅寸法の方が大きく、織り合わせて金網4にしたときに縦線と横線の交差部で線同士が接する面積が相対的に大きくて、摩擦が大きくなるため、線がずれにくく、そのため、金網4の孔径の大きさが狂いにくく、所望の空隙率を具えた金網とすることができる。
これらの平線1を織り合わせて濾過フィルター金網としたとき、孔径が小さくなり、あるいは単位面積当たりの孔数が多くなって、濾過性能が向上する。
そして、これらの平線1は、予め決まった寸法のまま織り合わせて濾過フィルター金網とするものであって、金網4に編んだ後で圧延するものではないため、網厚みおよび孔径の制御が容易で、寸法精度の高い濾過フィルター金網とすることができる。
また、これらの平線1の引張強さは750MPa以上と大きく、伸び率は10%以上と大きいため、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。
平線1の断面積は、0.006mm2以下とするのがよい。平線1の断面積を0.006mm2以下とすることで、これらの平線1を織り合わせて濾過フィルター金網としたとき、孔径が小さくなり、あるいは単位面積当たりの孔数が多くなって濾過性能が向上する。断面積が0.006mm2を超えると、金網4としたときに孔径が大きくなったり、単位面積当たりの孔数が少なくなって濾過性能が悪くなったりする。
平線1の幅寸法は0.10mm以下、厚み寸法は0.06mm以下とするのがよい。平線1の幅寸法を0.10mm以下、厚み寸法を0.06mm以下とすることで、これらの平線1を織り合わせて濾過フィルター金網としたとき、孔径が小さくなり、あるいは単位面積当たりの孔数が多くなって濾過性能が向上する。
断面が、対峙する一対の湾曲部1aを有し、該湾曲部1aが外方に膨らんだ形状の平線1(第2例)や、断面が、対峙する一対の平坦部1bおよび対峙する一対の湾曲部1aを有し、湾曲部1aが平坦部1bを接続して外方に膨らんだ形状の平線1(第3例)の場合、当該平線1を織り合わせて濾過フィルター金網にしたとき、縦線と横線との接触面積が大きくなって、摩擦が大きくなって線が安定し、製織中または使用中に線が滑ることなく、孔径の小さな金網4とすることができて、当該金網4を用いて濾過を行うことで、数μm〜数十μm程度の微小な粒子の不純物でも取り除くことが可能となり、また、特に、断面が、対峙する一対の平坦部1bおよび対峙する一対の湾曲部1aを有し、湾曲部1aが平坦部1bを接続して外方に膨らんだ形状の平線1である場合に、濾過フィルター金網の孔径の大きさがより正確になって濾過性能が向上する。
また、これらの平線1は、篩分金網用の線材として好適である。篩分け金網の場合、この平線を織り合わせて平織または綾織の金網3に形成するとよい。
これらの平線1は、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であって、厚みが薄く、厚み寸法より幅寸法の方が大きい。そのため、この平線を織り合わせて平織または綾織に形成した篩分け金網とすることで、相対的に網厚みの薄い篩分け金網とすることができる。
当該平線1は、厚みが薄いため、織り合わせの際、線材の折り曲げ度合いが少なくて済み、そのため、線材の加工性に優れ、織り合わせると凹凸の少ない、表面の平滑性の高い金網3となる。
そして、この平線1は、厚み寸法より幅寸法が大きくて、断面形状が略長方形状であるため、断面4角に略直角のシャープな角部が存在するため、この平線1を織り合わせて平織または綾織に形成した篩分け金網とすることで、篩分け性能がよく、且つ孔径の大きさが正確で狂いにくい金網3とすることができる。
第1例の平線1を用いた篩分け金網の孔部は、図6(a)に示すように、断面形状が略長方形状の平線1の断面4角に略直角のシャープな角部が存在し、孔部は網厚み方向に略直線状であって、図6(b)に示すように丸線2を用いた金網の場合は孔部は途中が狭まる形状であるのに対し、篩物が孔部の途中で挟まりにくく、さらに厚みも薄いため篩物の通過距離が短くなり、目詰まりが起こりにくくなる。当該平線1を用いた篩分け金網は、幅寸法が大きいために、同一断面積の丸線2を使った金網に比べると空隙率は小さくなるが、上記のように篩物の通過距離が短く、目詰まりが起こりにくくなるため、結果的に篩分け性能がよくなる。
また、この平線1は、アスペクト比が1.5以上であって、相対的に幅寸法が大きいため、織り合わせて金網3としたときに金網3の孔径が相対的に小さくなる。そして、この平線1は、アスペクト比が1.5以上であって、厚み寸法より幅寸法の方が大きく、織り合わせて金網3にしたときに縦線と横線の交差部で線同士が接する面積が相対的に大きくて、摩擦が大きくなるため、線がずれにくく、そのため、金網3の孔径の大きさが狂いにくく、所望の空隙率を具えた金網とすることができるとともに、繰り返し振動を与えられても、孔径の大きさは正確で狂いにくい金網3とすることができる。
そして、この平線1は、予め決まった寸法のまま織り合わせて金網3とするものであって、金網3に編んだ後で圧延するものではないため、網厚みおよび孔径の制御が容易で、寸法精度の高い篩分け金網とすることができる。
また、この平線1の引張強さは750MPa以上と大きく、伸び率は10%以上と大きいため、織り合わせ作業性がよく、断線等による歩留まり低下を極力抑えることができる。
平線1の断面積は、0.006mm2以下とするのがよい。平線1の断面積を0.006mm2以下とすることで、この平線1を織り合わせて篩分け金網としたとき、孔径の大きさが正確で狂いにくくなり、空隙率が大きくなって篩分け性能が向上する。断面積が0.006mm2を超えると、金網3としたときに孔径の大きさが狂いやすくなるほか、目詰まりが起こりやすくなったり、空隙率が小さくなったりして篩分け性能が悪くなる。
平線1の幅寸法は0.10mm以下、厚み寸法は0.06mm以下とするのがよい。平線1の幅寸法を0.10mm以下、厚み寸法を0.06mm以下とすることで、この平線1を篩分け金網としたとき、孔径の大きさが安定し、空隙率が大きくなって篩分け性能が向上する。幅寸法が0.10mmを超えると、金網3としたときに空隙率が小さくなって、篩分け性能が悪くなる。厚み寸法が0.06mmを超えると、金網3としたときに網厚みが大きくなって、篩物の通過距離が長くなって目詰まりが起こりやすくなり、篩分け性能が悪くなる。
断面が、対峙する一対の湾曲部1aを有し、該湾曲部1aが外方に膨らんだ形状の平線1(第2例)や、断面が、対峙する一対の平坦部1bおよび対峙する一対の湾曲部1aを有し、湾曲部1aが平坦部1bを接続して外方に膨らんだ形状の平線1(第3例)の場合、当該平線1を織り合わせて篩分け金網にしたとき、断面が対峙する一対の湾曲部1aを有するため、断面が略長方形状の平線1(第1例)に比べると強度が高くなり、細径化に有利となる。
本発明の実施例として、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS316L)からなる丸線を、伸線および熱処理を繰返し行って、所定の線径まで加工し、その加工された丸線を所定の寸法になるようロール圧延し、その後、焼鈍熱処理を行い、幅をW、厚みをtとして「W/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上、引張強さが750MPa以上、および伸び率が10%以上である平線を作製した。最終工程で焼鈍熱処理を行うのは、平線に伸びを与えるためである。
表1に、実施例と、比較例、および従来例(丸線)について、スクリーン印刷金網としたときの評価を示す。
Figure 0006405577
実施例は、幅寸法0.10mm、厚み寸法0.05mm、アスペクト比2.0の平線である。比較例は、幅寸法0.08mm、厚み寸法0.06mm、アスペクト比1.3の平線である。従来例は、線径φ0.08mmの丸線である。いすれの線も断面積は約0.005mm2で、引張強さはほぼ同じ値になるように設定した。
これらの線を用いて平織のスクリーン印刷金網を製造し、評価を行った。表1中、『網厚み』は、金網の厚さを示しており、従来例を「1」として相対値で評価を行った。数値が低いほど、金網の厚さが薄いことを示している。『空隙率』は、スクリーン印刷金網に必要な10〜50%程度の空隙率を満たしているかどうかで評価し。この数値を満たしている場合は「○」を、満たしていない場合は「×」とした。『孔径』は、金網としたとき、孔径が小さくて、その大きさが狂いにくい場合は「○」を、それ以外の場合は「×」とした。『強度』は、金網の強度を示しており、スクリーン印刷金網に必要な強度を満たしている場合は「○」を、満たしていない場合は「×」とした。これらの評価結果より、本発明の実施例の優位性は明らかである。
表2に、実施例と、比較例、および従来例(丸線)について、濾過フィルター金網としたときの評価を示す。
Figure 0006405577
実施例は、幅寸法0.10mm、厚み寸法0.05mm、アスペクト比2.0の平線である。比較例は、幅寸法0.08mm、厚み寸法0.06mm、アスペクト比1.3の平線である。従来例は、線径φ0.08mmの丸線である。いすれの線も断面積は約0.005mm2で、引張強さはほぼ同じ値になるように設定した。
これらの線を用いて平畳織の濾過フィルター金網を製造し、評価を行った。表2中、『孔径』は、金網の孔径の大きさを示しており、従来例を「1」として相対値で評価を行った。数値が低いほど、金網の孔径が小さいことを示している。『強度』は、金網の強度を示しており、濾過フィルター金網に必要な強度を満たしている場合は「○」を、満たしていない場合は「×」とした。これらの評価結果より、本発明の実施例の優位性は明らかである。
表3に、実施例と、比較例、および従来例(丸線)について、篩分け金網としたときの評価を示す。
Figure 0006405577
実施例は、幅寸法0.10mm、厚み寸法0.05mm、アスペクト比2.0の平線である。比較例は、幅寸法0.08mm、厚み寸法0.06mm、アスペクト比1.3の平線である。従来例は、線径φ0.08mmの丸線である。いすれの線も断面積は約0.005mm2で、引張強さはほぼ同じ値になるように設定した。
これらの線を用いて平織の篩分け金網を製造し、評価を行った。表3中、『篩分け性能』は、一定時間当たりの篩分け量を示しており、従来例を「1」とし、相対値で評価を行った。数値が高いほど、篩分け性能がよい。『孔径』は、孔径の大きさが正確で狂いにくいことを示しており、孔径の大きさが正確で狂いにくい場合は「○」を、大きさが正確でなく狂いやすい場合は「×」とした。これらの評価結果より、本発明の実施例の優位性は明らかである。
表4に、様々な幅寸法、厚み寸法の本発明の平線の実施例を示す。
Figure 0006405577
これらの平線を織り合わせると、網厚みが薄く、孔径が小さくて、その大きさが狂いにくく、且つ印刷に必要な空隙率を具えたスクリーン印刷金網、濾過に必要な濾過性能を具えつつ、数μm〜数十μm程度の極めて微小な粒子の不純物まで濾過をすることができる濾過フィルター金網、篩分け性能がよく、且つ孔径の大きさが正確で狂いにくい篩分け金網を得ることができた。
以上、発明の実施の形態および実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載により特定される発明の技術的範囲に含まれるすべての変更が可能であることはいうまでもない。
1 平線
2 丸線
3 金網(平織)
4 金網(平畳織)
5 縦線
6 横線
7 隙間
10 圧延ロール
1a 湾曲部
1b 平坦部
10a、10b 圧延ロール
20a、20b、20c、20d タークスロール

Claims (8)

  1. 複数の縦線および横線を織り合わせて形成される金網の前記縦線および前記横線の少なくとも一方に用いられる断面が略長方形状の平線であって、前記平線の幅寸法は0.10mm以下、厚み寸法は0.06mm以下であり、前記平線の断面において、幅をw、厚みをtとして「w/t」で表わされるアスペクト比が1.5以上であり、前記平線の引張強さが750MPa以上、および伸び率が10%以上であることを特徴とする金網用の平線。
  2. 前記平線は、複数の縦線および横線を織り合わされて形成される平織、綾織、平畳織、または綾畳織からなる金網用であることを特徴とする請求項1記載の金網用の平線。
  3. 前記平線は、スクリーン印刷金網用であることを特徴とする請求項1または2記載の金網用の平線。
  4. 前記平線は、濾過フィルター金網用であることを特徴とする請求項1または2記載の金網用の平線。
  5. 前記平線は、篩分金網用であることを特徴とする請求項1または2記載の金網用の平線。
  6. 前記平線の断面積は、0.006mm2以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の金網用の平線。
  7. 前記平線の材質は、鋼、ステンレス鋼、ニッケルチタン、チタン、またはチタン合金であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の金網用の平線。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の平線を縦線および横線の少なくとも一方に用いて織られたことを特徴とする金網。
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