したがって、室内温度や室内湿度が高い状態であっても、ユーザがコントローラに対して運転開始操作を行わない場合、空気調和機の運転が開始されない。そのため、ユーザが熱中症等になることがある。
そこで、本発明は、運転停止時において、運転開始を促す報知を行う空気調和機を提供することを目的とする。
第1の発明に係る空気調和機は、室内温度を検出する温度検出手段と、室内機の内部に配置された室内ファンと、自動運転、冷房運転、暖房運転、除湿運転及び送風運転のいずれかの運転に関するユーザによる運転開始操作を受け付けるコントローラと、を備え、前記コントローラが前記運転開始操作を受け付けて前記いずれかの運転が開始される前の状態である運転停止時において、前記運転開始を促す報知が自動的に行われる、お知らせモードを有しており、前記お知らせモードのONとOFFとを切り換えるモード切換部をさらに備え、前記お知らせモードでは、前記温度検出手段で検出された前記室内温度が所定温度以上の高温である場合に、前記室内ファンが駆動され、前記室内ファンの駆動によって前記室内機の内部に空気が流れた状態で前記温度検出手段によって検出された前記室内温度に基づいて、前記報知が自動的に行われ、前記お知らせモードでは、前記コントローラが前記運転開始操作を受け付けた場合に、前記いずれかの運転を行うことが可能である。
この空気調和機では、室内が室内温度を低下させる必要のある状態になった場合に、運転開始を促す報知が自動的に行われる。したがって、室内温度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
ここで、本発明には、室内温度及び室内湿度に基づいて運転開始を促す報知が行われる場合と、室内温度に基づいて運転開始を促す報知が行われる場合と、室内湿度に基づいて運転開始を促す報知が行われる場合を含む。
この空気調和機では、室内ファンが駆動されて室内機の内部に空気が流れた状態での室内温度に基づいて運転開始を促す報知を行うかを判定するので、室内温度検出手段が室内機の内部にあって運転停止時において室内機の内部に熱がこもった場合でも、室内温度を適正に検出できる。
この空気調和機では、室内温度が、運転開始を促す報知が行われる範囲に近付いた場合に、室内ファンを駆動することができる。したがって、室内温度を適正に検出して運転開始を促す報知が行われるかを判定できる。
第2の発明に係る空気調和機は、第1の発明において、前記お知らせモードでは、前記室内ファンが駆動された後に、前記温度検出手段で検出された前記室内温度が前記高温である場合に、前記室内ファンが継続して駆動される。
この空気調和機では、室内温度が、運転開始を促す報知が行われる範囲の近くにある場合に、室内ファンの駆動を継続できる。したがって、室内温度を適正に検出して運転開始を促す報知を行うかを判定できる。
第3の発明に係る空気調和機は、第1または第2の発明において、前記お知らせモードでは、前記室内ファンが駆動された後に、前記温度検出手段で検出された前記室内温度が前記所定温度より低くなった場合に、前記室内ファンが停止される。
第4の発明に係る空気調和機は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記お知らせモードにおいて、定期的に所定送風時間、前記室内ファンが駆動される。
この空気調和機では、お知らせモードにおいて室内ファンが定期的に駆動されるので、室内温度を適正に検出して運転開始を促す報知が行われるかを判定できる。
第5の発明に係る空気調和機は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記お知らせモードでは、前記室内ファンが駆動された後に、前記温度検出手段で検出された前記室内温度が前記高温である状態が、所定時間継続した場合に、前記報知が行われる。
この空気調和機では、室内温度が、強制運転が開始される範囲の近くに所定時間ある場合に、運転開始を促す報知が行われる。したがって、室内温度が、報知が必要となる前に報知を行って、室内温度を低下させることが必要なことをユーザに知らせることができる。
第6の発明に係る空気調和機は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記お知らせモードでは、前記室内ファンが駆動された後に、前記温度検出手段で検出された前記室内温度が、上昇傾向にある場合に、前記報知が行われる。
この空気調和機では、室内ファンが駆動された後の室内温度が上昇傾向にある場合に、運転開始を促す報知が行われる。したがって、運転開始が必要となる前に報知を開始して、室内温度を低下させることが必要なことをユーザに知らせることができる。
第7の発明に係る空気調和機は、第1〜第6のいずれかの発明において、前記お知らせモードでは、前記室内ファンが駆動される場合に、前記室内ファンが低速で駆動される。
この空気調和機では、室内ファンが駆動されるときの風量を冷房運転時よりも小さくすることによって、ユーザの負担を軽減できる。
第8の発明に係る空気調和機は、第1〜第7のいずれかの発明において、前記室内機の吹出口において上下方向について吹き出し方向を変更する上下フラップを備えており、前記お知らせモードにおいて、前記室内ファンが駆動される場合に、前記吹き出し方向が上方向に変更される。
この空気調和機では、室内ファンが駆動されるときの吹き出し方向を上方向に変更することによって、室内機からの風がユーザに直接吹き出されないので、ユーザの負担を軽減できる。
第9の発明に係る空気調和機は、第1〜第8のいずれかの発明において、外気温度を検出する外気温度検出手段を備えており、前記お知らせモードにおいて、前記外気温度検出手段によって検出された前記外気温度が所定の外気温度以下である場合は、前記報知が行われない。
この空気調和機では、外気温度が低く冷房運転が不要な場合に、冷房運転が開始されないようにすることができる。
第10の発明に係る空気調和機は、第1〜第9のいずれかの発明において、前記お知らせモードでは、前記コントローラが前記暖房運転に関する前記運転開始操作を受け付けた場合に、前記暖房運転を行うことができない。
この空気調和機では、お知らせモードにおいて、誤って暖房運転が開始されるのを防止できる。
第11の発明に係る空気調和機は、第10の発明において、前記お知らせモードでは、前記コントローラが前記自動運転に関する前記運転開始操作を受け付けた場合に、前記自動運転を行うことが可能であり、前記コントローラが前記自動運転以外の運転に関する前記運転開始操作を受け付けた場合には、当該運転を行うことができない。
この空気調和機では、お知らせモードにおいて、外気温度が低いときに暖房運転が行われる。
第12の発明に係る空気調和機は、第1〜第11のいずれかの発明において、前記お知らせモードでは、前記報知が行われた後に、前記コントローラが前記冷房運転又は前記自動運転に関する前記運転開始操作を受け付けるまで、前記報知が継続して行われる。
この空気調和機では、ユーザが冷房運転又は自動運転を選択するまで報知が継続されるので、室内温度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できる。
第13の発明に係る空気調和機は、第1〜第12のいずれかの発明において、前記お知らせモードでは、前記報知が行われた後に前記コントローラが前記冷房運転に関する前記運転開始操作を受け付けたときに、その設定温度が前記所定温度以上である場合に、前記設定温度を低くするように促す報知が行われる。
この空気調和機では、ユーザが冷房運転を選択した場合でも、設定温度が所定温度以上である場合に、設定温度を低くするように促す報知が行われる。したがって、冷房運転が開始された場合でも、室内温度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できる。
第14の発明に係る空気調和機は、第1〜第13のいずれかの発明において、前記温度検出手段が、前記室内機に取り付けられた温度検出センサである。
この空気調和機では、室内機周辺の温度を考慮して強制運転を開始できる。
第15の発明に係る空気調和機は、第1〜第14のいずれかの発明において、前記温度検出手段が、前記コントローラに取り付けられた温度検出センサである。
この空気調和機では、コントローラ周辺の温度を考慮して強制運転を開始できる。
第16の発明に係る空気調和機は、第1〜第15のいずれかの発明において、室内湿度を検出する湿度検出手段を備えており、お知らせモードでは、前記室内温度に代えて、前記温度検出手段で検出された前記室内温度及び前記湿度検出手段で検出された前記室内湿度に基づいて前記報知が自動的に行われる。
この空気調和機では、第1〜第15のいずれかの発明と同様の効果が得られる。
第17の発明に係る空気調和機は、第1〜第16のいずれかの発明において、前記湿度検出手段が、前記室内機に取り付けられた湿度検出センサである。
この空気調和機では、室内機周辺の湿度を考慮して強制運転を開始できる。
第18の発明に係る空気調和機は、第1〜第16のいずれかの発明において、前記湿度検出手段が、前記コントローラに取り付けられた湿度検出センサである。
この空気調和機では、コントローラ周辺の湿度を考慮して強制運転を開始できる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、室内が室内温度を低下させる必要のある状態になった場合に、運転開始を促す報知が自動的に行われる。したがって、室内温度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
第1の発明では、室内ファンが駆動されて室内機の内部に空気が流れた状態での室内温度に基づいて運転開始を促す報知を行うかを判定するので、室内温度検出手段が室内機の内部にあって運転停止時において室内機の内部に熱がこもった場合でも、室内温度を適正に検出できる。
第1の発明では、室内温度が、運転開始を促す報知が行われる範囲に近付いた場合に、室内ファンを駆動することができる。したがって、室内温度を適正に検出して運転開始を促す報知が行われるかを判定できる。
第2の発明では、室内温度が、運転開始を促す報知が行われる範囲の近くにある場合に、室内ファンの駆動を継続できる。したがって、室内温度を適正に検出して運転開始を促す報知が行われるかを判定できる。
第4の発明では、お知らせモードにおいて室内ファンが定期的に駆動されるので、室内温度及び/又は室内湿度を適正に検出して運転開始を促す報知が行われるかを判定できる。
第5の発明では、室内温度が、強制運転が開始される範囲の近くに所定時間ある場合に、運転開始を促す報知が行われる。したがって、室内温度が、報知が必要となる前に報知を行って、室内温度を低下させることが必要なことをユーザに知らせることができる。
第6の発明では、室内ファンが駆動された後の室内温度が上昇傾向にある場合に、運転開始を促す報知が行われる。したがって、運転開始が必要となる前に報知を開始して、室内温度を低下させることが必要なことをユーザに知らせることができる。
第7の発明では、室内ファンが駆動されるときの風量を冷房運転時よりも小さくすることによって、ユーザーの負担を軽減できる。
第8の発明では、室内ファンが駆動されるときの吹き出し方向を上方向に変更することによって、室内機からの風がユーザに直接吹き出されないので、ユーザの負担を軽減できる。
第9の発明では、外気温度が低く冷房運転が不要な場合に、冷房運転が開始されないようにすることができる。
第10の発明では、お知らせモードにおいて、誤って暖房運転が開始されるのを防止できる。
第11の発明では、お知らせモードにおいて、外気温度が低いときに暖房運転が行われる。
第12の発明では、ユーザが冷房運転又は自動運転を選択するまで報知が継続されるので、室内温度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できる。
第13の発明では、ユーザが冷房運転を選択した場合でも、設定温度が所定温度以上である場合に、設定温度を低くするように促す報知が行われる。したがって、冷房運転が開始された場合でも、室内温度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できる。
第14の発明では、室内機周辺の温度を考慮して強制運転を開始できる。
第15の発明では、コントローラ周辺の温度を考慮して強制運転を開始できる。
第16の発明では、第1〜第15のいずれかの発明と同様の効果が得られる。
第17の発明では、室内機周辺の湿度を考慮して強制運転を開始できる。
第18の発明では、コントローラ周辺の湿度を考慮して強制運転を開始できる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る空気調和機1について説明する。
<空気調和機1の全体構成>
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1は、室内に設置される室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。そして、空気調和機1は、圧縮機10と、四方弁11、室外熱交換器12と、膨張弁(減圧機構)13と、室内熱交換器14とを接続した冷媒回路を備えている。冷媒回路において、圧縮機10の吐出口に四方弁11を介して室外熱交換器12が接続され、その室外熱交換器12に膨張弁13が接続される。そして、膨張弁13に室内熱交換器14の一端が接続され、その室内熱交換器14の他端に四方弁11を介して圧縮機10の吸込口が接続される。
空気調和機1は、自動運転、冷房運転、暖房運転、除湿運転及び送風運転のいずれかの運転が可能であって、コントローラによって、いずれかの運転を選択して運転開始操作を行ったり、運転切換操作や運転停止操作を行ったりすることができる。また、コントローラでは、室内温度の設定温度を設定することができる。
冷房運転および除湿運転では、図示実線矢印で示すように、圧縮機10から吐出された冷媒が四方弁11から室外熱交換器12、膨張弁13、室内熱交換器14へと順に流れ、室内熱交換器14を経た冷媒が四方弁11を通って圧縮機10に戻る冷房サイクルまたは除湿サイクルが形成される。すなわち、室外熱交換器12が凝縮器、室内熱交換器14が蒸発器として機能する。
一方、暖房運転では、四方弁11が切換わることにより、図示破線矢印で示すように、圧縮機10から吐出される冷媒が四方弁11から室内熱交換器14、膨張弁13、室外熱交換器12へと順に流れ、室外熱交換器12を経た冷媒が四方弁11を通って圧縮機10に戻る暖房サイクルが形成される。すなわち、室内熱交換器14が凝縮器、室外熱交換器12が蒸発器として機能する。
室内機2内には、室内熱交換器14に対向した室内ファン16が配置される。室内機2の吹出口には、上下方向について吹き出し方向を変更する上下フラップ17が配置される。そして、室内機2には、報知を行う報知手段18が配置される。図1に示すように、室内機2に、室内温度を検出する室内温度センサ(室内温度検出手段)21と、室内湿度を検出する室内湿度センサ(室内湿度検出手段)22が取付けられる。
図2に示すように、空気調和機1の制御部には、圧縮機10と、四方弁11、膨張弁13と、室内ファン16を駆動するモータ16aと、上下フラップ17を駆動するモータ17aと、報知手段18と、室内温度センサ21と、室内湿度センサ22と、コントローラ30とが接続される。したがって、制御部は、コントローラ30からの指令(運転開始操作や室内温度の設定温度等)や、室内温度センサ21で検知される室内温度や、室内湿度センサ22で検知される室内湿度に基づいて、空気調和機1の運転や報知手段18での報知を制御する。
ここで、コントローラ30について、図3を参照しつつ説明する。図3(a)は、コントローラ30の上面の蓋部33を開いた状態を示している。
コントローラ30の左部31には、表示部41と、表示部41の下方に配置された温度調整ダイヤル42と、温度調整ダイヤル42の内側に配置された運転開始ボタン43と、温度調整ダイヤル42の右下側に配置された停止ボタン44とが設けられている。また、コントローラ30の右部32には、運転選択ダイヤル45と、風量選択ダイヤル46と、風向選択ダイヤル47とが上から順に設けられている。
表示部41には、運転表示部41aと、設定温度表示部41bと、運転モード表示部41cとが表示されている。運転表示部41aには、運転選択ダイヤル45で選択された運転(自動、冷房、暖房、除湿及び送風のいずれかの運転)が表示される。また、設定温度表示部41bには、温度調整ダイヤル42を回転することで変更された温度が表示される。
温度調整ダイヤル42は設定温度を変更するものであり、温度調整ダイヤル42を右回転することで設定温度を上げることができ、温度調整ダイヤル42を左回転することで設定温度を下げることができる。運転開始ボタン43を押すことにより運転選択ダイヤル45により選択した運転が開始され、運転中に停止ボタン44を押すことにより運転が停止される。
コントローラ30の右部32の運転選択ダイヤル45により、自動、冷房、暖房、除湿及び送風のいずれかに切り換えて選択できる。風量選択ダイヤル46により、風量を自動、微(微量)、弱(少量)及び強(多量)のいずれかに切り換えて選択できる。風向選択ダイヤル47により、風向を自動、上(上方向)、中(水平方向)及び下(下方向)のいずれかに切り換えて選択できる。
そして、コントローラ30の裏面には全体を覆う蓋部が設けられており、図3(b)では蓋部を外した状態を示している。図3(b)に示すように、コントローラ30の裏面には、蓋部を外すと、モード切換部50が設けられている。モード切換部50により、空気調和機1の高温防止モードを、強制運転モード、お知らせモード及び切のいずれかに切り換えることができる。
お知らせモードでは、室内が高温状態や高湿状態である場合に、室内温度及び室内湿度に基づいて、強制運転が自動的に開始される。したがって、お知らせモードに切り換えた場合、室内が高温状態や高湿状態になったときに、ユーザがコントローラ30に対して運転開始操作を行わなかった場合でも、強制運転が自動的に開始されて、室内温度及び室内湿度が低下する。
また、お知らせモードでは、室内が高温状態や高湿状態である場合に、室内温度及び室内湿度に基づいて、運転開始を促す報知が自動的に行われる。
そして、お知らせモードに切り換えた場合、ユーザは、コントローラ30で暖房(暖房運転)を選択して運転開始操作を行うことができず、自動(自動運転)を選択して、自動運転の運転開始操作だけを行うことができる。空気調和機1では、ユーザによって自動運転が開始された場合、冷房運転の風量よりも低風量にすると共に、上下フラップ17を可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更する。
空気調和機1では、お知らせモードにおいて強制運転を開始するかを判定する場合や、お知らせモードにおいて報知を行うかを判定する場合に、室内温度及び室内湿度についての判定図が使用される。判定図は、図4に示すように、縦軸は室内湿度(相対湿度)を示し、横軸は室内温度を示している。
以下では、お知らせモードについて説明する。
図4は、お知らせモードにおける判定図の一例であるが、この判定図には、高温ゾーンと、モニタリングゾーンと、待機ゾーンとが設定される。高温ゾーンは、室内が高温状態や高湿状態であって、室内温度や室内湿度を低下させる必要がある領域である。待機ゾーンは、高温ゾーンに遠い領域であり、室内温度や室内湿度を低下させる必要がない領域である。モニタリングゾーンは、高温ゾーンに近い領域であり、室内温度や室内湿度が高温ゾーンに変化しやすい領域である。
図4の判定図において、A点〜F点は、下記の室内温度及び室内湿度である点を示す。
・A点:室内温度が27度であり、室内湿度が100%である点
・B点:室内温度が27度であり、室内湿度が70〜80%の間のy1である点
・C点:室内温度が33度であり、室内湿度が30%である点
・D点:室内温度が28度であり、室内湿度が100%である点
・E点:室内温度が28度であり、室内湿度が70〜80%の間のy2である点
・F点:室内温度が34度であり、室内湿度が30〜40%の間のy3である点
そして、A点とB点とC点を接続した線l1が、待機ゾーンとモニタリングゾーンの間の線であって、D点とE点とF点を接続した線l2が、モニタリングゾーンと高温ゾーンとの間の線である。したがって、図4の判定図に示すように、待機ゾーンは、線l1の左下の領域であって、高温ゾーンは、線l2の右上の領域(室内温度及び室内湿度が線l2上にある場合を含む)であって、モニタリングゾーンは、高温ゾーンと待機ゾーンとに挟まれた領域(室内温度及び室内湿度が線l1上にある場合を含む)である。
よって、空気調和機1の運転停止時において、お知らせモードに切り換えた場合、室内温度及び室内湿度が、高温ゾーン、モニタリングゾーン及び待機ゾーンの各ゾーンにある場合で運転動作が異なる。そこで、お知らせモードに切り換えられた後の各ゾーンでの運転動作について説明する。
室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度を低下させる必要があるため、運転開始を促す報知が行われる。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度が高温ゾーンに変化しやすいため、室内温度や室内湿度を適正に検出する必要があるので、送風運転を行う。送風運転とは、圧縮機を停止し、室内機の室内ファン16が駆動される運転である。空気調和機1では、室内温度センサ21及び室内湿度センサ22は、室内機2の内部に取り付けられていることから、運転停止時において上下フラップ17が閉じて室内機の内部に熱がこもった場合に、室内温度及び室内湿度を適正に検出できない場合がある。したがって、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合に送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度を適正に検出できる。ここで、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合の送風運転では、冷房運転の風量よりも低風量にすると共に、上下フラップ17を可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更する。
そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合には、高温ゾーンに遠く、室内温度や室内湿度を低下させる必要がないので、運転開始を促す報知や送風運転を行わない。
このように、本実施形態では、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に、運転開始を促す報知が開始される。
次に、空気調和機1のお知らせモードにおける制御について、図5を参照しつつ説明する。
まず、空気調和機1の運転停止時において、コントローラ30のモード切換部50(図3(b)参照)によって、お知らせモードに切り換えられる(ステップS1)。ここでは、お知らせモードに切り換えられたときの室内温度及び室内湿度が待機ゾーン(図4参照)にある場合について説明する。
お知らせモードにおいて、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS2)。室内温度及び室内湿度が待機ゾーンから高温ゾーンに変化する場合には、待機ゾーンからモニタリングゾーンに変化した後で、高温ゾーンに変化すると考えられる。したがって、ステップS2では、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかに基づいて、室内温度及び室内湿度が、冷房運転を開始する必要のある高温ゾーンに近付いたかを判断する。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS2:YES)、室内ファン16を駆動して、送風運転を開始する(ステップS3)。室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにある場合、送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できる。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS2:NO)、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかの判断を継続する(ステップS2)。
そして、ステップS3で送風運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS4)。室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS4:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できるように、送風運転を継続する(ステップS3)。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS4:NO)、送風運転を開始した後で、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンまたは高温ゾーンに変化したと考えられる。したがって、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるかを判断する(ステップS5)。そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあると判断した場合には(ステップS4:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンに近いモニタリングゾーンから、待機ゾーンに変化したので、送風運転を停止する(ステップS6)。その後、ステップS2に移行して、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかを判断する。一方、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにないと判断した場合には(ステップS5:NO)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、室内温度及び室内湿度を低下させる必要があるので、運転開始を促す報知を開始する(ステップS7)。
<本実施形態の空気調和機の特徴>
本実施形態の空気調和機1では、室内が室内温度及び室内湿度を低下させる必要のある状態になった場合に、報知手段18により運転開始を促す報知が自動的に行われる。したがって、室内温度及び室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、本実施形態の空気調和機1では、室内ファン16が駆動されて室内機2の内部に空気が流れた状態での室内温度及び室内湿度に基づいて運転開始を促す報知を行うかを判定するので、室内温度センサ21や室内湿度センサ22が室内機2の内部にあって運転停止時において室内機2の内部に熱がこもった場合でも、室内温度及び室内湿度を適正に検出できる。
さらに、本実施形態の空気調和機1では、モニタリングゾーンを、運転開始を促す報知が行われる高温ゾーンの近くにすることによって、室内温度及び室内湿度が、運転開始を促す報知が行われる高温ゾーンに近付いた場合に、室内ファン16を駆動することができる。したがって、室内温度及び室内湿度を適正に検出して運転開始を促す報知が行われるかを判定できる。
加えて、本実施形態の空気調和機1では、室内ファン16が駆動された後に、室内温度及び室内湿度が、運転開始を促す報知が行われる高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにある場合に、室内ファン16の駆動を継続できる。したがって、室内温度及び室内湿度を適正に検出して運転開始を促す報知を行うかを判定できる。
また、本実施形態の空気調和機1では、高温ゾーンを、室内温度及び室内湿度を低下させる必要がある範囲にすることによって、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に、運転開始を促す報知を行うことができる。
さらに、本実施形態の空気調和機1では、室内ファン16が駆動されるときの風量を冷房運転時よりも小さくすることによって、ユーザの負担を軽減できる。
加えて、本実施形態の空気調和機1では、室内ファン16が駆動されるときに、室内機2の上下フラップ17の向きを変えて吹き出し方向を上方向に変更することにより、室内機2からの風がユーザに直接吹き出されないので、ユーザの負担を軽減できる。
また、本実施形態の空気調和機1では、お知らせモードで、コントローラ30において暖房運転を選択して運転開始操作を行うことができないため、誤って暖房運転が開始されるのを防止できる。
さらに、本実施形態の空気調和機1では、お知らせモードにおいて、自動運転だけを選択して運転開始操作を行うことができるため、外気温度が低いときに暖房運転が行われる。
〔第2実施形態〕
次に、図6を参照しつつ、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の空気調和機は、第1実施形態の空気調和機と、お知らせモードで運転開始を促す報知が行われる時期が異なっている。なお、その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるため、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
第2実施形態の空気調和機において、運転開始を促す報知を行うかを判定する判定図は、第1実施形態の空気調和機における判定図(図4)と同一である。
そして、第1実施形態の空気調和機では、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に運転開始を促す報知が行われるのに対し、第2実施形態の空気調和機では、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に運転開始を促す報知が行われると共に、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンに所定時間ある場合に運転開始を促す報知が行われる。
次に、第2実施形態の空気調和機のお知らせモードにおける制御について説明する。
まず、空気調和機の運転停止時において、コントローラのモード切換部50(図3(b)参照)によって、お知らせモードに切り換えられる(ステップS21)。ここでは、お知らせモードに切り換えられたときの室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合について説明する。
お知らせモードにおいて、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS22)。室内温度及び室内湿度が待機ゾーンから高温ゾーンに変化する場合には、待機ゾーンからモニタリングゾーンに変化した後で、高温ゾーンに変化すると考えられる。したがって、ステップS22では、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかに基づいて、室内温度及び室内湿度が、冷房運転を開始する必要のある高温ゾーンに近付いたかを判断する。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS22:YES)、室内ファン16を駆動して、送風運転を開始する(ステップS23)。室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにある場合、送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できる。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS22:NO)、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるので、ステップS22に移行して、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかの判断を継続する。
そして、ステップS23で送風運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS24)。室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS24:NO)、送風運転を開始した後で、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンまたは高温ゾーンに変化したと考えられる。したがって、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるかを判断する(ステップS25)。室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあると判断した場合には(ステップS25:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンに近いモニタリングゾーンから待機ゾーンに変化したので、送風運転を停止し(ステップS26)、ステップS22に移行して、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかの判断を継続する。一方、ステップS25で、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにないと判断した場合には(ステップS25:NO)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、室内温度及び室内湿度を低下させる必要があるので、運転開始を促す報知を行う(ステップS27)。
<本実施形態の空気調和機の特徴>
本実施形態の空気調和機では、第1実施形態の空気調和機と同様に、室内が室内温度及び室内湿度を低下させる必要のある状態になった場合に、報知手段18により運転開始を促す報知が自動的に行われる。したがって、室内温度及び室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、本実施形態の空気調和機では、室内ファン16が駆動された後に、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンに所定時間ある場合に、運転開始を促す報知が行われる。したがって、室内温度及び室内湿度が、報知が必要となる前に報知を行って、室内温度及び室内湿度を低下させることが必要なことをユーザに知らせることができる。
〔第3実施形態〕
次に、図7を参照しつつ、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態の空気調和機は、第1実施形態の空気調和機と、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が行われる時期が異なっている。なお、その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるため、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
第3実施形態の空気調和機において、運転開始を促す報知を行うかを判定する判定図は、第1実施形態の空気調和機における判定図(図4)と同一である。
そして、第1実施形態の空気調和機では、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に運転開始を促す報知が行われるのに対して、第3実施形態の空気調和機では、お知らせモードにおいて、室内ファン16が駆動された後の室内温度又は室内湿度が、室内ファン16が駆動される前の室内温度又は室内湿度よりも上昇した場合に運転開始を促す報知が行われる。
次に、空気調和機のお知らせモードにおける制御について説明する。
まず、空気調和機の運転停止時において、コントローラのモード切換部50(図3(b)参照)によって、お知らせモードに切り換えられる(ステップS41)。ここでは、お知らせモードに切り換えられたときの室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合について説明する。
お知らせモードにおいて、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS42)。室内温度及び室内湿度が待機ゾーンから高温ゾーンに変化する場合には、待機ゾーンからモニタリングゾーンに変化した後で、高温ゾーンに変化すると考えられる。したがって、ステップS42では、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかに基づいて、室内温度及び室内湿度が、冷房運転を開始する必要のある高温ゾーンに近付いたかを判断する。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS42:YES)、室内ファン16を駆動して、送風運転を開始する(ステップS43)。室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにある場合、送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できる。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS42:NO)、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあると考えられるので、ステップS2に移行して、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかの判断を継続する。
そして、ステップS43で送風運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度又は室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、送風運転を開始する前よりも上昇したかを判断する(ステップS44)。室内温度及び室内湿度が送風運転を開始する前よりも上昇したと判断した場合には(ステップS44:YES)、室内温度及び室内湿度が冷房運転を開始する必要のある高温ゾーンに近付いたか又は室内温度及び室内湿度が高温ゾーンに変化したと考えられる。このため、室内温度及び室内湿度を低下させる必要があるので、運転開始を促す報知を開始する(ステップS45)。
一方、室内温度及び室内湿度が送風運転を開始する前よりも上昇してないと判断した場合には(ステップS44:NO)、ステップS43に移行して、送風運転を継続する。
<本実施形態の空気調和機の特徴>
本実施形態の空気調和機では、第1実施形態の空気調和機と同様に、室内が室内温度及び室内湿度を低下させる必要のある状態になった場合に、報知手段18により運転開始を促す報知が自動的に行われる。したがって、室内温度及び室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、本実施形態の空気調和機では、室内ファン16が駆動された後の室内温度又は室内湿度が、室内ファン16が駆動される前の室内温度又は室内湿度よりも上昇した場合に、運転開始を促す報知が行われる。したがって、運転開始が必要となる前に報知を開始して、室内温度及び/又は室内湿度を低下させることが必要なことをユーザに知らせることができる。
〔第4実施形態〕
次に、図8,9を参照しつつ、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態の空気調和機は、第1実施形態の空気調和機と比較して、お知らせモードで送風運転が行われる時期と運転開始を促す報知が行われる時期とが異なっている。なお、その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるため、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
第4実施形態の空気調和機において、運転開始を促す報知を行うかを判定する判定図には、図8に示す判定図が用いられる。判定図の縦軸は室内湿度(相対湿度)を示し、横軸は室内温度を示している。
図8に示すように、判定図には、高温ゾーンと、待機ゾーンとが設定されている。図8に示す高温ゾーンは、室内温度や室内湿度を低下させる必要がある領域であり、待機ゾーンは、室内温度や室内湿度を低下させる必要がない領域である。そして、第4実施形態の空気調和機では、モニタリングゾーンが設定されてないので、お知らせモードに切り換えた後で、送風運転を定期的に開始する。そして、送風運転は、所定送風時間が経過したときに停止される。
図8の判定図に示すように、待機ゾーンは、第1実施形態の図4と同一の線l2の左下の領域であって、高温ゾーンは、線l2の右上の領域(室内温度及び室内湿度が線l2上にある場合を含む)である。
そして、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度を低下させる必要があるため、運転開始を促す報知が行われる。
一方、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度を低下させる必要がない領域であるが、待機ゾーンは、高温ゾーンに遠い領域と、高温ゾーンに近い領域(室内温度や室内湿度が高温ゾーンに変化しやすい領域)とを有しているので、室内温度又は室内湿度が上昇傾向にあるときは、高温ゾーンに近付いているため、運転開始を促す報知を行う。一方、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合であって、室内温度又は室内湿度が上昇傾向にないときは、運転開始を促す報知を行わない。したがって、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合に、送風運転が開始された後、運転開始を促す報知が行われない状態で、所定送風時間が経過したときは、送風運転が停止される。
このように、第1実施形態の空気調和機では、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に運転開始を促す報知を報知が開始されるのに対し、第4実施形態の空気調和機では、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に運転開始を促す報知が行われると共に、送風運転を開始した後、室内温度又は室内湿度(室内温度及び室内湿度の少なくとも一方)が上昇傾向にある場合に運転開始を促す報知が行われる。
次に、空気調和機のお知らせモードにおける制御について説明する。
まず、空気調和機の運転停止時において、コントローラ30のモード切換部50(図3(b)参照)によって、お知らせモードに切り換えられる(ステップS51)。ここでは、お知らせモードに切り換えられたときの室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合について説明する。
お知らせモードにおいて、所定時間が経過したかを判断する(ステップS52)。所定時間が経過してないと判断した場合には(ステップS52:NO)、所定時間が経過するまで判断を継続する。そして、所定時間が経過した場合には(ステップS52:YES)、送風運転を開始する(S53)。送風運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、高温ゾーンにあるかを判断する(ステップS54)。室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあると判断した場合には(ステップS54:YES)、運転開始を促す報知を開始する(ステップS55)。
一方、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにないと判断した場合には(ステップS54:NO)、送風運転を開始した後で所定送風時間が経過したかを判断する(ステップS56)。送風運転を開始した後、所定送風時間が経過したと判断した場合には(ステップS56:YES)、送風運転を停止する(ステップS57)。そして、ステップS52に移行して、ステップS53で送風運転を開始した後、所定送風時間が経過したかを判断する。
一方、ステップS53で送風運転を開始した後、所定送風時間が経過してないと判断した場合には(ステップS56:NO)、送風運転を開始した後で、室内温度センサ21で検出された室内温度又は室内湿度センサ22で検出された室内湿度が上昇傾向であるかを判断する(ステップS58)。室内温度又は室内湿度が上昇傾向であると判断した場合には(ステップS58:YES)、室内温度又は室内湿度が高温ゾーンに近付いているので、運転開始を促す報知を行う(ステップS55)。一方、室内温度又は室内湿度が上昇傾向でないと判断した場合には(ステップS58:NO)、ステップS56に移行して、送風運転を開始した後、所定送風時間が経過したかを判断する。
<本実施形態の空気調和機の特徴>
本実施形態の空気調和機では、第1実施形態の空気調和機と同様に、室内が室内温度及び室内湿度を低下させる必要のある状態になった場合に、報知手段18により運転開始を促す報知が自動的に行われる。したがって、室内温度及び室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、本実施形態の空気調和機では、お知らせモードにおいて室内ファン16が定期的に駆動されるので、室内温度及び室内湿度を適正に検出して運転開始を促す報知が行われるかを判定できる。
〔第5実施形態〕
次に、図10を参照しつつ、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態の空気調和機は、第1実施形態の空気調和機と、ユーザがコントローラ30において冷房運転又は自動運転を選択した場合は運転開始を促す報知が停止される点と、冷房運転が選択されたときに設定温度が所定温度以上である場合に、設定温度を低くするように促す報知が行われる点とが異なっている。なお、その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるため、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
第5実施形態の空気調和機において、運転開始を促す報知の開始を判定する判定図は、第1実施形態の空気調和機における判定図(図4)と同一である。そして、第5実施形態の空気調和機では、お知らせモードに切り換えた場合、ユーザは、コントローラ30で暖房(暖房運転)を選択して運転開始操作を行うことができず、自動(自動運転)または冷房(冷房運転)を選択して、自動運転又は冷房運転の運転開始操作だけを行うことができる。空気調和機では、ユーザによって自動運転または冷房運転が開始された場合、上下フラップ17を可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更する。
ここで、空気調和機1においてお知らせモードでの冷房運転は、設定温度28℃の冷房運転である。そして、室内温度が設定温度よりも1度以上低下したとき(室内温度が27度以下になったとき)に、冷房運転がサーモオフ状態となる。ここで、サーモオフ状態は、圧縮機が停止され、室内ファン16が駆動された状態である。空気調和機1では、冷房運転がサーモオフ状態である場合、冷房運転よりも低風量にすると共に、上下フラップ17を可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更するとよい。これにより、ユーザへの負担を軽減することができる。
次に、空気調和機のお知らせモードにおける制御について、図10を参照しつつ説明する。
まず、空気調和機の運転停止時において、コントローラ30のモード切換え部50(図3(b)参照)によって、お知らせモードに切り換えられる(ステップS91)。ここでは、お知らせモードに切り換えられたときの室内温度及び室内湿度が待機ゾーン(図4参照)にある場合について説明する。
お知らせモードにおいて、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS92)。室内温度及び室内湿度が待機ゾーンから高温ゾーンに変化する場合には、待機ゾーンからモニタリングゾーンに変化した後で、高温ゾーンに変化すると考えられる。したがって、ステップS2では、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかに基づいて、室内温度及び室内湿度が、運転の開始を促す報知が必要である高温ゾーンに近付いたかを判断する。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS92:YES)、室内ファン16を駆動して、送風運転を開始する(ステップS93)。室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにある場合、送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できる。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS92:NO)、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかの判断を継続する(ステップS92)。
そして、ステップS3で送風運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS94)。室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS94:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できるように、送風運転を継続する(ステップS93)。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS94:NO)、送風運転を開始した後で、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンまたは高温ゾーンに変化したと考えられる。したがって、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるかを判断する(ステップS95)。そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあると判断した場合には(ステップS94:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンに近いモニタリングゾーンから、待機ゾーンに変化したので、送風運転を停止する(ステップS96)。その後、ステップS92に移行して、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかを判断する。一方、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにないと判断した場合には(ステップS95:NO)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、室内温度及び室内湿度を低下させる必要があるので、運転開始を促す報知が自動的に行われる(ステップS97)。
運転開始を促す報知が行われた後、ユーザが、コントローラ30において運転開始操作を行ったかを判断する(ステップS98)。ユーザが運転開始操作を行っていない場合には(ステップS98:NO)、運転開始を促す報知が継続される。
一方、ユーザが運転開始操作を行った場合には(ステップS98:NO)、冷房運転又は自動運転を選択して運転開始操作を行ったかを判断する(ステップS99)。冷房運転又は自動運転を選択して運転開始操作を行った場合には(ステップS99:YES)、運転開始を促す報知が停止される(ステップS100)。そして、運転開始操作を行った運転が冷房運転であるかが判断され(ステップS101)、冷房運転でない場合には(ステップS101:NO)、自動運転(冷房運転の設定温度28℃)が行われる(ステップS102)。一方、運転開始操作を行った運転が冷房運転である場合には(ステップS101:YES)、冷房運転が行われる(ステップS103)。そして、設定温度が所定温度(28℃)より高いかを判断する(ステップS104)。設定温度が所定温度以下の場合には(ステップS104:NO)、設定温度が所定温度(28℃)以下であり、室内温度及び室内湿度を低下させることができるため、冷房運転が継続される。
一方、設定温度が所定温度より高い場合には(ステップS104:YES)、室内温度及び室内湿度を低下させることができないことから、設定温度を低くするように促す報知が行われる(ステップS105)。
そして、ユーザがコントローラ30において温度調整ダイヤル42を回転することにより設定温度を所定温度以下まで低下させる操作を行ったかを判断する(ステップS106)。ユーザが設定温度を所定温度以下まで低下させる操作を行った場合には(ステップS106:YES)、設定温度を低くするように促す報知が停止される(ステップS107)。一方、ユーザが設定温度を所定温度以下まで低下させる操作を行わない場合には(ステップS104:NO)、設定温度を低くするように促す報知が継続される。
<本実施形態の空気調和機の特徴>
本実施形態の空気調和機では、第1実施形態の空気調和機と同様に、室内が室内温度及び室内湿度を低下させる必要のある状態になった場合に、報知手段18により運転開始を促す報知が自動的に行われる。したがって、室内温度及び室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、本実施形態の空気調和機では、ユーザが冷房運転又は自動運転を選択するまで運転開始を促す報知が継続されるので、室内温度及び室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できる。
さらに、本実施形態の空気調和機では、ユーザが冷房運転を選択した場合でも、設定温度が所定温度以上である場合に、設定温度を低くするように促す報知が行われる。したがって、冷房運転が開始された場合でも、室内温度及び室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述の第1〜第5実施形態では、お知らせモードにおいて室内温度及び室内湿度に基づいて運転開始の報知が行われるが、お知らせモードにおいて室内温度に基づいて強制運転が自動的に開始されてもよい。この場合、運転開始の報知を行う判定図に、図11に示す判定図を使用する。図11の判定図には、高温ゾーンと、モニタリングゾーンと、待機ゾーンとが設定される。高温ゾーンは、室内温度が28度以上の領域であり、待機ゾーンは、室内温度が27度未満の領域であり、モニタリングゾーンは室内温度が27度以上28度未満の領域である。室内温度が高温ゾーンにある場合には、運転開始を促す報知が行われる。室内温度がモニタリングゾーンにある場合には、送風運転を行う。室内温度が待機ゾーンにある場合には、運転開始を促す報知が行われない。そして、空気調和機のお知らせモードにおける制御は、第1〜第5実施形態において室内温度及び室内湿度に基づいて行われるが、室内温度に基づいて行われる点で異なるが、その他は、第1〜第5実施形態の図5〜7、図9,10で示した制御と同様の方法で行われる。
また、上述の第1〜第5実施形態では、お知らせモードにおいて室内温度及び室内湿度に基づいて運転開始の報知が自動的に行われるが、お知らせモードにおいて室内湿度に基づいて運転開始の報知が自動的に行われてもよい。そして、空気調和機のお知らせモードにおける制御は、第1〜第5実施形態において室内温度及び室内湿度に基づいて行われるのが、室内湿度に基づいて行われる点で異なるが、その他は、第1〜第5実施形態の図5〜7、図9,10で示した制御と同様の方法で行われる。
また、上述の第1〜第5実施形態では、空気調和機が外気温度検出手段を備えており、お知らせモードにおいて、外気温度検出手段によって検出された外気温度が所定の外気温度以下の場合に、運転開始の報知が行われないようにしてもよい。
また、上述の第1〜第5実施形態では、お知らせモードにおいて、室内機に取り付けられた室内温度センサ及び室内湿度センサで検出された室内温度及び室内湿度に基づいて運転開始の報知が行われるが、コントローラに取り付けられた室内温度センサ及び室内湿度センサで検出された室内温度及び室内湿度に基づいて運転開始の報知が行われてもよい。
また、上述の第1〜第5実施形態では、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合の送風運転、ユーザがコントローラで自動運転を選択して運転開始操作を行った場合の冷房運転又は自動運転では、冷房運転の風量よりも低風量にすると共に、上下フラップを可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更するが、風量や吹き出し方向は変更可能である。
また、上述の第1〜第4実施形態では、お知らせモードにおいて、ユーザは、コントローラ30で自動(自動運転)を選択して、自動運転の運転開始操作だけを行うことができるが、送風(送風運転)や除湿(除湿運転)等の運転開始操作を行うことができるようにしてもよい。同様に、上述の第5実施形態では、お知らせモードにおいて、ユーザは、コントローラ30で自動(自動運転)又は冷房(冷房運転)を選択して、自動運転又は冷房運転の運転開始操作だけを行うことができるが、送風(送風運転)や除湿(除湿運転)等の運転開始操作を行うことができるようにしてもよい。