しかしながら、特許文献1の技術は、老朽化した保護鉄蓋およびコンクリートますの上部材の補修方法に言及しているに留まり、コンクリートますの補修部分に制限がある。すなわち、特許文献1は、コンクリートますの保護鉄蓋および上部材以外の部分、つまりコンクリートますの筒部に破損が生じた場合にこの破損箇所を補修し得る技術を提案するものではない。また、特許文献2の技術では、人間の手では持ち上げられないような重量体を設置する作業を要するため、作業性に難があり、容易に作業を行うことが困難である。さらに、特許文献2の技術は、地盤の液状化によりマンホールが浮き上がるのを防ぐために重量体を設けるものであって、マンホールの補修を行うものではない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、筒部の劣化箇所または破損箇所によらずに当該筒部を容易に補修することが可能な筒部の補修部材、それを備えた地下排水施設、および筒部の補修方法を提供することである。
本発明に係る筒部の補修部材は、上方に開口部を有し、側方に流入口および流出口を有する筒部と、筒部内部に形成され、流入口から流出口に向かって設けられた長溝状のインバート流路が形成されたインバートとを備えかつ地中に埋設されたますまたはマンホールを補修するための補修部材であって、環状に形成され、中央に第1孔部を有し、筒部の内径よりも小さな外径を有し、インバート流路の上に第1孔部が位置するように筒部に挿入される補修インバートと、環状に形成され、中央に第2孔部を有し、筒部の内径よりも小さな外径を有し、第2孔部が第1孔部の上に位置するように補修インバート上に積み重ねられる1または複数の補修リングと、上方に立管開口部を有し、立管開口部に通ずる管路を有するとともに、管路が第2孔部の上に位置するように、1または複数の補修リングのうち最上に位置する補修リング上に設置される立管と、1または複数の補修リングのうち何れかの補修リングの周囲と筒部の内周面とに接触、または補修インバートの周囲と筒部の内周面とに接触して設けられる可撓性を有する環状のシール部材と、シール部材に接触して当該シール部材よりも上方の筒部内の空間に充填された充填材と、充填材よりも上方でかつ地上に一部露出して設けられ、立管開口部を覆う防護蓋と、を備えている。「1または複数の補修リングのうち最上に位置する補修リング」とは、一つの補修リングを用いる場合にはその補修リングを指し、複数の補修リングを用いる場合にはその複数の補修リングのうち最も上に位置する補修リングを指す。
本発明に係る筒部の補修部材によれば、シール部材よりも上方の筒部内の空間に、当該シール部材に接触させた充填材が充填されるので、筒部の内周面において当該筒部の破損箇所や劣化箇所を充填材により塞ぐことにより容易に補修を行うことができる。これによって、筒部内の排水が外部へ漏れることが防止されると共に、筒部の外部の水が破損した箇所から筒部内へ侵入することが防止される。破損した箇所から筒部の外部の木の根などが筒部内へ侵入することも防止される。また、本発明においては、破損箇所が筒部の高い位置に生じているときには、補修リングの数を増やしてシール部材を高い位置に設け、充填材を充填する。一方、破損箇所が筒部の低い位置に生じているときには、補修リングの数を減らしてシール部材を低い位置に設け、充填材を充填する。これにより、筒部の破損箇所や劣化箇所によらずに当該筒部を容易に補修することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、シール部材は、最上に位置する補修リングの上端外縁と筒部の内周面とに接触して設けられている。
上記態様によれば、シール部材を補修インバートおよび筒部の内周面に接触させて設ける場合や、最上に位置する補修リングとは別の補修リングおよび筒部の内周面に接触させて設ける場合に比べて、例えばモルタル等の充填材の量を低減することができる。これによって、工期短縮を実現することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、インバートは、補修インバートを支持するとともに、インバート流路を挟んで両側に配置された第1インバート形成部および第2インバート形成部を備え、第1インバート形成部は、インバート流路に向かうほど高さが低くなる傾斜上面を有し、第2インバート形成部は、インバート流路に向かうほど高さが低くなる傾斜上面を有し、補修インバートは、第1インバート形成部の傾斜上面および第2インバート形成部の傾斜上面と接触し、第1インバート形成部の傾斜上面および第2インバート形成部の傾斜上面と同じ傾きの傾斜下面を備えている。
上記態様によれば、インバートに対する補修インバートの密着性を向上することができる。これにより、補修インバートがインバートにより安定して支持される。特に補修インバートの上に1または複数の補修リングが積み重ねられる場合には、本態様を採用することがより望ましい。
本発明の好ましい他の一態様によれば、補修インバートは、当該補修インバートの外周面が径方向に切り欠かれて側面視で半円形に形成された切り欠き部を備え、切り欠き部はインバート流路の上に配置されている。
上記態様によれば、インバート流路およびその上方の流路に対する補修インバートの干渉をなくすことができる。すなわち、インバート流路およびその上方の流路を塞がないように補修インバートを配置することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、補修インバートの上面のうち第1孔部の外周部は水平に形成されている。
上記態様によれば、補修リングを安定して支持することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、補修インバートの上部に形成された第1凸部と、補修リングの下部に形成された凹部と、をさらに備え、補修インバートの第1凸部は、補修リングの凹部に嵌合されている。
上記態様によれば、補修インバート上に補修リングを安定して積み重ねることが可能となる。また、補修インバートに対する補修リングの芯ずれを防止することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、補修インバートの第1凸部は、第1孔部の径方向において外周部の外側に形成されている。
上記態様によれば、外周部の内側に第1孔部を形成しつつ当該外周部の外側に第1凸部を形成することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、補修リングの凹部は、補修インバートの第1凸部が嵌合するように第2孔部の径方向において当該第2孔部から外側に所定距離離間して形成されている。
上記態様によれば、補修リングの凹部を、補修インバートの第1凸部が嵌合する位置に形成することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、補修リングの上部に形成された第2凸部をさらに備え、第2凸部は、第2孔部の径方向において当該第2孔部から外側に所定距離と同じ距離離間して形成されている。
上記態様によれば、補修リングの上に別の補修リングを積み重ねる場合に、当該補修リングの第2凸部を当該別の補修リングの前記凹部に嵌合させることができる。これにより、補修リングの上に別の補修リングを安定して積み重ねることができる。また、補修リングに対する別の補修リングの芯ずれを防止することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、補修インバートの第1凸部、補修リングの凹部および第2凸部は、補修インバートおよび補修リングが設置された状態で、上方に向かうほど先細りとなるテーパ状に形成されている。
上記態様によれば、補修インバート上に補修リングを容易に積み重ねることができると共に、補修インバートから補修リングを容易に取り外すことができる。また、補修リング上に別の補修リングを容易に積み重ねることができると共に、補修リングから別の補修リングを容易に取り外すことができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、補修リングの上面のうち第2孔部の外周部は水平に形成されており、立管は補修リングの外周部上に設置される。
上記態様によれば、立管を横揺れを防いで安定して設置することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、防護蓋を支持し、充填材および筒部の上端に亘って配置された環状の台座をさらに備えている。
上記態様によれば、防護蓋の荷重による圧力を充填材と筒部の上端とに分散することができる。したがって、車通りが多い場所に防護蓋を設置した場合でも、当該防護蓋からの圧力が分散されるため、充填材および当該充填材の下方に設けられる補修インバートや補修リングにかかる圧力を低減することができる。したがって、充填材、補修インバートおよび補修リングの使用可能期間を延ばすことができる。
本発明に係る地下排水施設は、上方に開口部を有し、側方に流入口および流出口を有する筒部と、筒部内部に形成され、流入口から流出口に向かって設けられた長溝状のインバート流路が形成されたインバートとを備えかつ地中に埋設されたますまたはマンホールと、ますまたはマンホールを補修するための補修部材と、を備えた地下排水施設であって、補修部材は、環状に形成され、中央に第1孔部を有し、筒部の内径よりも小さな外径を有し、インバート流路の上に第1孔部が位置するように筒部に挿入される補修インバートと、環状に形成され、中央に第2孔部を有し、筒部の内径よりも小さな外径を有し、第2孔部が第1孔部の上に位置するように補修インバート上に積み重ねられる1または複数の補修リングと、上方に立管開口部を有し、立管開口部に通ずる管路を有するとともに、管路が第2孔部の上に位置するように、1または複数の補修リングのうち最上に位置する補修リング上に設置される立管と、1または複数の補修リングのうち何れかの補修リングの周囲と筒部の内周面とに接触、または補修インバートの周囲と筒部の内周面とに接触して設けられる可撓性を有する環状のシール部材と、シール部材に接触して当該シール部材よりも上方の筒部内の空間に充填された充填材と、充填材よりも上方でかつ地上に一部露出して設けられ、立管開口部を覆う防護蓋と、を備える。
本発明に係る地下排水施設によれば、ますの筒部が破損または劣化した場合、本発明の補修部材を使用して筒部を補修することができる。
本発明に係る筒部の補修方法は、上方に開口部を有し、側方に流入口および流出口を有する筒部と、筒部内部に形成され、流入口から流出口に向かって設けられた長溝状のインバート流路が形成されたインバートとを備えかつ地中に埋設されたますまたはマンホールを補修するための補修方法であって、環状に形成され、中央に第1孔部を有し、筒部の内径よりも小さな外径を有する補修インバートを、インバート流路の上に第1孔部が位置するように筒部に挿入する工程と、環状に形成され、中央に第2孔部を有し、筒部の内径よりも小さな外径を有する1または複数の補修リングを、第2孔部が第1孔部の上に位置するように補修インバート上に積み重ねる工程と、可撓性を有する環状のシール部材を、1または複数の補修リングのうち何れかの補修リングの周囲と筒部の内周面とに接触、または補修インバートの周囲と筒部の内周面とに接触するように設ける工程と、上方に立管開口部を有するとともに、立管開口部に通ずる管路を有する立管を、管路が第2孔部の上に位置するように、1または複数の補修リングのうち最上に位置する補修リング上に設置する工程と、シール部材に接触して当該シール部材よりも上方の筒部内の空間に充填材を充填する工程と、防護蓋を地上に一部露出させた状態で充填材よりも上方に配置して立管開口部を覆う工程と、を備える。
本発明に係る筒部の補修方法によれば、シール部材よりも上方の筒部内の空間に、当該シール部材に接触させた充填材が充填されるので、筒部の内周面において当該筒部の破損箇所や劣化箇所を充填材により塞ぐことにより容易に補修を行うことができる。これによって、筒部内を流れる排水が外部へ漏れることが防止されると共に、筒部の外部の水が破損した箇所から筒部内へ侵入することが防止される。筒部の外部の木の根などが破損した箇所から筒部内へ侵入することも防止される。また、本発明においては、破損箇所が筒部の高い位置に生じているときには、補修リングの数を増やしてシール部材を高い位置に設け、充填材を充填する。一方、破損箇所が筒部の低い位置に生じているときには、補修リングの数を減らしてシール部材を低い位置に設け、充填材を充填する。これにより、筒部の破損箇所や劣化箇所によらずに当該筒部を容易に補修することができる。
本発明によれば、筒部の劣化箇所または破損箇所によらずに当該筒部を容易に補修することが可能な筒部の補修部材、それを備えた地下排水施設、および筒部の補修方法を提供することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る筒部の補修部材、それを備えた地下排水施設、および筒部の補修方法の実施形態について説明する。
図1に示すように、地下排水施設100は、地中に埋設されており、排水を流す施設である。本明細書において、「排水」とは、排出された水を意味し、いわゆる汚水および雨水が含まれる。本実施形態に係る地下排水施設100は、ます50と補修部材1とを備えている。以下、補修部材1によります50の筒部52を補修する場合について説明するが、同様にマンホールの補修を行うことも可能である。なお、本発明における「補修」とは、破損した筒部52自体を復元することではなく、破損した筒部52の管路としての機能を復元することである。
図2(b)に示すように、ます50は有底筒状に形成されている。ます50は、底部51と、底部51に連結され、地面に向かって延びた筒部52と、筒部52の上端52aに積載された筒状の上部材53とを備えている。上部材53の上部には環状の溝部53aが形成されており、この溝部53aに平板状の蓋54が設置されている。溝部53aに設置された状態の蓋54の上面54aは、地面とほぼ面一となっている。図2(a)に示すように、筒部52の側方に流入口57および流出口58が貫通して設けられている。流入口57には、図示しない流入配管が接続されている。流出口58には、図示しない流出配管が接続されている。補修の際には上部材53および蓋54は取り除かれる。ます50は、底部51上に形成されたインバート55を備えている。インバート55は、後で詳述する補修インバート2(図1参照)を支持する。インバート55には、流入口57から流出口58に向かって設けられた長溝状のインバート流路56が形成されている。インバート55は、インバート流路56を挟んで両側に配置された第1インバート形成部55aおよび第2インバート形成部55bにより構成されている。第1インバート形成部55aは、インバート流路56に向かうほど高さが低くなる第1傾斜上面55a1を有している。第2インバート形成部55bは、インバート流路56に向かうほど高さが低くなる第2傾斜上面55b1を有している。排水は流入口57からインバート流路56に流入し、インバート流路56を流れた排水は流出口58からます50の外へ流出する。
本実施形態では、ます50の筒部52が破損しており、その破損箇所に対して補修部材1を用いた補修が施される。以下、その補修部材1の詳細について説明する。図1に示すように、補修部材1は、補修インバート2と、1または複数の補修リング3と、立管4と、可撓性のシールリング5と、モルタル6と、防護蓋7と、内蓋8とを備えている。筒部52の補修の際には、先ず、上述のように上部材53および蓋54(共に図2参照)を取り除く。
補修インバート2は例えば樹脂の成形加工により形成される。樹脂を用いれば、成形加工し易くなる。補修インバート2はインバート55に支持されている。補修インバート2は、筒部52の内周面に沿った外形を有すればよい。補修インバート2は環状に形成されている。補修インバート2の厚みは薄くてもよい。具体的には、補修インバート2の厚みは筒部52の厚みよりも薄くてもよい。補修インバート2は、筒部52の内径よりも小さく形成されている。図3(a),(b)に示すように、補修インバート2の中央に第1孔部10が形成されている。補修インバート2は切り欠き部11を備えている。この切り欠き部11は、補修インバート2の外周面が径方向に切り欠かれて側面視で半円形に形成されたものである。図1に示すように、補修インバート2は、切り欠き部11がインバート流路56の上方に位置しかつ当該インバート流路56を跨ぐようにインバート55上に配置されている。切り欠き部11は、流入口57および流出口58よりも大きく形成されている。これにより、インバート流路56およびその上方の流路を塞ぐことなく開放することができる。なお、切り欠き部11は成形加工時に形成するが、これに限定されるものではない。現場で作業者がグラインダー等を使用して、補修インバート2に切り欠き部11を加工するようにしてもよい。
補修インバート2には、当該補修インバート2の外周面から径方向の外方に突出した環状の第1突出部12が形成されている。第1突出部12は、断面視でほぼ三角形状に形成されている。第1突出部12を含んだ補修インバート2の直径は、筒部52の内径よりも小さくなっている。これにより、補修インバート2の挿入時に、当該補修インバート2が筒部52の内周面に接触し難くなる。第1突出部12を設けることにより、筒部52の中心軸と補修インバート2の第1孔部10の中心軸とを合わせ易くなり、いわゆる芯出し効果を得ることができる。また、第1突出部12を設けない場合に比べ、挿入時に補修インバート2の第1突出部12を除く外周部分が筒部52の内周面に接触する可能性を低減できるため、補修インバート2を筒部52内に挿入し易くなる。補修インバート2の上面のうち第1孔部10の外周部13は水平に形成されている。補修インバート2は環状の凸部14を備えている。この凸部14は、第1孔部10と同軸状で当該第1孔部10の径方向において外周部13の外側に形成されている。図1に示すように、補修インバート2の上に補修リング3が積み重ねられる際に、凸部14が補修リング3aの凹部22に嵌合するようになっている。凸部14は、設置された状態で上方に向かうほど先細りとなるテーパ状に形成されている。具体的には、凸部14を例えば断面台形状に形成することができる。また、補修インバート2は、上述の第1傾斜上面55a1および第2傾斜上面55b1とほぼ同じ傾きの環状の傾斜下面2aを備えている。この傾斜下面2aは、第1孔部10に向かうほど、矢印D1の方向における補修インバート2の厚みが増すように傾斜して形成されている。補修インバート2の傾斜下面2aは第1傾斜上面55a1および第2傾斜上面55b1に接触している。
補修インバート2の強度は補修リング3の強度よりも高いことが望ましい。補修インバート2の材質としては、例えば複合樹脂を用いることができる。これにより、補修インバート2において空隙を少なくすることができ、耐荷重を大きくすることができる。それにより、補修インバート2の上に補修リング3を積み重ねても、補修インバート2の耐久性が低下するのを抑制することができる。また、補修リング3の材質としては、例えば発泡樹脂を用いることができる。より具体的には、補修リング3の材質として、ポリプロピレン系樹脂を用いることができる。ただし、補修インバート2および補修リング3の材質は上記に限定されるものではない。
次に、補修リング3について説明する。図1に示すように、補修リング3は、補修インバート2の上に積み重ねられる。一つの補修リング3を用いる場合には、当該補修リング3は補修インバート2の上に積み重ねられる。一方、図1に示すように、例えば2つの補修リング3a,3bを用いる場合には、補修インバート2の上に補修リング3aが積み重ねられ、補修リング3aの上に補修リング3bが積み重ねられる。そして、最上に位置する補修リング3bにより、筒部52の上端52aから一部突き出た状態で立管4が保持される。
補修リング3a,3bは同一構造であるため、以下では補修リング3aについてのみ説明する。補修リング3aは樹脂の成形加工により形成される。樹脂を用いれば、成形加工し易くなる。図1に示すように、補修リング3aは、筒部52の内周面に沿った外形を有すればよい。補修リング3aは環状に形成されている。補修リング3aの厚みは薄くてもよい。具体的には、補修リング3aの厚みは筒部52の厚みよりも薄くてもよい。補修リング3aは、筒部52の内径よりも小さく形成されている。図4(a),(b)に示すように、補修リング3aの中央に第2孔部20が形成されている。補修インバート2の上に補修リング3aが積み重ねられた状態で、補修インバート2の第1孔部10と補修リング3aの第2孔部20とはほぼ面一となっている。
補修リング3aの外周面には環状の第2突出部21が形成されている。第2突出部21は、断面視でほぼ三角形状に形成されている。第2突出部21を含んだ補修リング3aの直径は、筒部52の内径よりも若干小さくなっている。これにより、補修リング3aの挿入時に、当該補修リング3aが筒部52の内壁に接触し難くなる。第2突出部21を設けることにより、筒部52の中心軸と補修リング3aの第2孔部20の中心軸とを合わせ易くなり、いわゆる芯出し効果を得ることができる。また、第2突出部21を設けない場合に比べ、挿入時に補修リング3aの第2突出部21を除く外周部分が筒部52の内周面に接触する可能性を低減できるため、補修リング3aを筒部52内に挿入し易くなる。また、補修リング3aは、第2孔部20と同軸状に環状の凹部22を備えている。この凹部22は、補修インバート2の凸部14が嵌合するように第2孔部20の径方向において当該第2孔部20から外側に所定距離離間して形成されている。凹部22は、図4(b)において上方に向かうほど先細りとなるテーパ状に形成されている。
補修リング3aの上面のうち第2孔部20の外周部23は水平に形成されている。補修リング3aは、環状の凸部24を備えている。この凸部24は、第2孔部20と同軸状で第2孔部20の径方向において外周部23の外側に形成されている。凸部24は、設置された状態で上方に向かうほど先細りとなるテーパ状に形成されている。具体的には、凸部24を例えば断面台形状に形成することができる。補修リング3aの上に補修リング3bを積み重ねる場合に、補修リング3aの凸部24が補修リング3bの凹部22に嵌合する。補修リング3aの上に補修リング3bが積み重ねられた状態で、補修リング3aの第2孔部20と補修リング3bの第2孔部20とはほぼ面一となっている。
立管4は、最上に位置する補修リング3bの外周部23に設置される。立管4は管路30を備えている。立管4の管路30は、補修インバート2の第1孔部10および補修リング3の第2孔部20と同軸に配置されている。立管4の管路30は、第1孔部10および第2孔部20とほぼ面一となっている。ここで、図1に示すように、立管4と補修リング3bとの間に環状部材25が設けられている。詳細には、環状部材25は、立管4と補修リング3bの凸部24とに接触して設けられている。この環状部材25により、モルタル6が立管4と補修リング3bの外周部23との隙間から管路30および第2孔部20に侵入することが防止される。また、環状部材25により、立管4の径方向のガタつきが抑制され、立管4は安定して保持される。環状部材25として、例えば発泡リングを用いることができる。立管4は上部開口部4aを備えている。立管4の上部開口部4aは内蓋8により閉じられる。
図1に示すように、シールリング5は可撓性を有している。シールリング5は例えば発泡リングである。シールリング5は、最上に位置する補修リング3bの上端外縁35と筒部52の内周面とに接触して設けられている。これにより、補修リング3bの上端外縁35と筒部52の内周面との隙間がシールリング5により閉じられている。これによって、モルタル6が硬化する前に下方に垂れることを防止することができる。
本実施形態では、充填材としてモルタル6を用いることができる。モルタル6は、筒部52内に充填されている。詳しくは、モルタル6は、シールリング5に接触して当該シールリング5よりも上方の筒部52内の空間に充填される。より詳細には、モルタル6は、筒部52の内周面と、シールリング5と、補修リング3bと、立管4とにより仕切られた空間に充填される。モルタル6は、当該モルタル6の上面が筒部52の上端52aとほぼ面一になるように充填されている。
内蓋8は、立管4の上部開口部4aを閉じている。内蓋8は、立管4の上部開口部4aに対して着脱可能となっている。インバート55およびインバート流路56を清掃および検査等するときには、内蓋8を取り外して上部開口部4aを開けた状態にすることができる。インバート55およびインバート流路56の清掃等が終了すると、上部開口部4aは内蓋8により再び閉じられる。なお、立管4の上部開口部4aを後述の防護蓋7により覆うこともできるため、内蓋8は必ずしも必要な部材ではない。
モルタル6の上面および筒部52の上端52aに亘って環状の台座31が設けられている。台座31の中央に孔部33が形成されている。台座31の孔部33に立管4の一部が挿通されている。台座31の上部には環状の溝部32が形成されている。防護蓋7は金属製である。防護蓋7は平面視で円形状の本体部7aと、当該本体部7aの下部に形成された環状の鍔部7bとを備えている。防護蓋7の鍔部7bが上記溝部32に設置されることで、内蓋8が防護蓋7で覆われる。なお、内蓋8を設けない場合には、立管4の上部開口部4aは防護蓋7により覆われることとなる。
次に、補修部材1を用いて筒部52を補修する手順について説明する。図5(a)〜(d)および図6(a)〜(c)は補修手順を示す図である。ここでは、図5(a)に示すように、筒部52の箇所Aが破損しているものとする。以下、このAを破損箇所と呼ぶ。この破損は、例えば長期間の使用により腐食ガスまたは付着物などによって浸食されて劣化するもの、或いは、地盤沈下または地上からの荷重による疲労によって生じるものである。このように筒部52に破損が生じると、筒部52内の排水が外部に漏れ、或いは外部の水が筒部52内に侵入するおそれがあるため、補修部材1により筒部52を補修する。
先ず、上述の図2(b)の状態から蓋54および上部材53を取り外した後、図5(a)に示すように、筒部52内に補修インバート2を挿入する。この場合、補修インバート2は、筒部52の内周面から離間するように挿入される。補修インバート2の中心軸と筒部52の中心軸とが重なるように補修インバート2を挿入するとよい。このとき、補修インバート2は、切り欠き部11がインバート流路56の上方に位置しかつ当該インバート流路56を跨ぐようにインバート55上に配置される。
次に、図5(b)に示すように、筒部52内に1または複数の補修リング3を挿入する。補修リング3の数は、筒部52の破損箇所Aの高さ位置に応じて決定すればよい。例えば破損箇所Aが筒部52の上部にあるときには、補修インバート2の上に複数の補修リング3を積み重ねればよい。一方、破損箇所Aが筒部52の下部にあるときには、補修インバート2の上に一つの補修リング3を積み重ねればよい。このように、補修リング3は、筒部52の破損箇所Aの高さ位置に応じて、補修高さを調整し得る機能を有している。補修インバート2の中心軸と補修リング3aの中心軸とが重なるように補修リング3aを挿入するとよい。この場合、補修インバート2の凸部14が補修リング3aの凹部22に嵌合される。このとき、補修インバート2の第1孔部10と補修リング3aの第2孔部20とがほぼ面一となる。また、補修リング3aの上に補修リング3bを積み重ねる場合、図5(c)に示すように、補修リング3aの中心軸と補修リング3bの中心軸とが重なるように補修リング3bを補修リング3a上に積み重ねるとよい。この場合、補修リング3aの凸部24が補修リング3bの凹部22に嵌合される。このとき、補修リング3aの第2孔部20と補修リング3bの第2孔部20とがほぼ面一となる。
次に、図5(c)に示すように、立管4を、最も上に位置する補修リング3bの外周部23上に設置する。立管4の中心軸と補修リング3bの中心軸とが重なるように立管4を設置するとよい。このとき、立管4の管路30と補修リング3bの第2孔部20とがほぼ面一となる。以上により、補修インバート2の第1孔部10と、補修リング3aの第2孔部20と、補修リング3bの第2孔部20と、立管4の管路30とは、ほぼ面一となっている。これにより、維持管理のための各種器具を地上から挿入するときに、当該器具が第1孔部10、第2孔部20および管路30に引っ掛かり難くなる。補修リング3bの外周部23の幅と立管4の厚みとがほぼ同じとなっている。立管4の厚み部分が外周部23上に配置されるようになっている。ここで、立管4を設置した後、当該立管4と補修リング3bの凸部24とに接触するように環状部材25を設ける。詳しくは、補修リング3bの凸部24は、上述したように図5(c)において上方に向かうほど先細りとなるテーパ状となっているため、立管4と補修リング3bの凸部24との間に隙間が生じる。この隙間に環状部材25が設けられることとなる。
次に、図5(d)に示すように、筒部52内にシールリング5を挿入する。詳細には、シールリング5は、補修リング3のうち最も上に位置する補修リング3bの上端外縁35と筒部52の内周面とに接触するように設置される。このとき、筒部52の破損箇所Aを、後工程で筒部52内に充填されるモルタル6(図6(a)参照)により塞ぐために、筒部52の軸方向においてシールリング5が破損箇所Aよりも下方に位置するように設置される。シールリング5は、その径方向の内側に向けて若干圧縮させた状態、すなわち、シールリング5の復元力が径方向の外側に働く状態で設置されるとよい。これにより、シールリング5と筒部52の内周面との密着性を向上させることができる。それにより、補修リング3bと筒部52の内周面との隙間がシールリング5によって確実に塞がれる。これによって、後工程で筒部52内に充填されるモルタル6(図6(a)参照)が筒部52内の下方に侵入することが防止される。
続いて、図6(a)に示すように、モルタル6を、筒部52の内周面と、シールリング5と、補修リング3bと、立管4とにより仕切られた空間に充填する。モルタル6の上面は筒部52の上端52aとほぼ面一となっている。なお、モルタル6を充填する前に上記空間に液状の硬化性注入材を充填してもよい。これにより、たとえ、筒部52の内周面とシールリング5との間、またはシールリング5と補修リング3bとの間に隙間があったとしても、硬化性注入材によってその隙間が埋められる。これにより、筒部52の内周面とシールリング5との間、およびシールリング5と補修リング3bとの間からモルタル6または水等が漏れることを防止することができる。
次に、図6(b)に示すように、モルタル6が硬化した後、当該モルタル6の上面および筒部52の上端52aに亘って環状の台座31を設置する。このとき、台座31の外周部が筒部の上端52aの最外線からはみ出るようにして台座31を設置する。台座31は、孔部33に立管4の一部が挿通された状態で設置される。
次に、図6(c)に示すように、先ず、立管4の上部開口部4aを閉じるように内蓋8を設置する。続いて、防護蓋7の鍔部7bが台座31の溝部32に嵌まるように防護蓋7を設置する。これにより、内蓋8および防護蓋7によって、上部開口部4aに対して二重に蓋をすることができる。なお、図1に示すように、防護蓋7の上面と地面とはほぼ面一となっている。防護蓋7の設置が完了した後は、台座31の上に図示しない土などが充填される。以上により、筒部52の破損箇所Aの補修が完了する。
以上のように、本実施形態では、シールリング5に接触して当該シールリング5よりも上方の筒部52内の空間、すなわち、筒部52の内周面とシールリング5と補修リング3bと立管4とにより仕切られた空間にモルタル6が充填されるので、筒部52の内周面において当該筒部52の破損箇所や劣化箇所をモルタル6により塞ぐことにより容易に補修を行うことができる。これによって、筒部52内を流れる排水が外部へ漏れることが防止されると共に、筒部52の外部の水が破損箇所から筒部52内へ侵入することが防止される。破損箇所から筒部52の外部の木の根などが筒部52内へ侵入することも防止される。また、破損箇所が筒部52の高い位置に生じているときには、補修リング3の数を増やしてシールリング5を高い位置に設け、モルタル6を充填する。一方、破損箇所が筒部52の低い位置に生じているときには、補修リング3の数を減らしてシールリング5を低い位置に設け、モルタル6を充填する。これにより、筒部52の破損箇所や劣化箇所によらずに当該筒部52を容易に補修することができる。
また、本実施形態によれば、シールリング5は、最上に位置する補修リング3bの上端外縁35と筒部52の内周面とに接触して設けられている。これにより、シールリング5を補修インバート2および筒部52の内周面に接触させて設ける場合や、最上に位置する補修リング3bとは別の補修リング3および筒部52の内周面に接触させて設ける場合に比べて、モルタル6の充填量を低減することができる。これによって、工期短縮を実現することができる。
また、本実施形態によれば、補修インバート2は、第1インバート形成部55aの第1傾斜上面55a1および第2インバート形成部55bの第2傾斜上面55b1と同じ傾きの傾斜下面2aを備えている。これにより、インバート55に対する補修インバート2の密着性を向上することができる。それにより、補修インバート2がインバート55により安定して支持される。特に補修インバート2の上に1または複数の補修リング3が積み重ねられる場合には、本態様を採用することがより望ましい。
また、本実施形態によれば、補修インバート2が挿入された状態で切り欠き部11はインバート流路56の上に配置されている。これにより、インバート流路56およびその上方の流路に対する補修インバート2の干渉をなくすことができる。すなわち、インバート流路56およびその上方の流路を塞がないように補修インバート2を配置することができる。
また、本実施形態によれば、補修インバート2の上面のうち第1孔部10の外周部13は水平に形成されている。これにより、補修リング3aを安定して支持することができる。
また、本実施形態によれば、補修インバート2の凸部14は、補修リング3の凹部22に嵌合されている。これにより、補修インバート2上に補修リング3を安定して積み重ねることが可能となる。また、補修インバート2に対する補修リング3の芯ずれを防止することができるため、補修インバート2の第1孔部10と補修リング3の第2孔部20とをほぼ面一にすることができる。
また、本実施形態によれば、補修インバート2の凸部14は、第1孔部10の径方向において外周部13の外側に形成されている。これにより、外周部13の内側に第1孔部10を形成しつつ当該外周部13の外側に凸部14を形成することができる。
また、本実施形態によれば、補修リング3の凹部22は、補修インバート2の凸部14が嵌合するように第2孔部20の径方向において当該第2孔部20から外側に所定距離離間して形成されている。これにより、補修リング3の凹部22を、補修インバート2の凸部14が嵌合する位置に形成することができる。
また、本実施形態によれば、補修リング3の上部に、第2孔部20の径方向において当該第2孔部20から外側に上記所定距離と同じ距離離間して環状の凸部24が形成されている。この構成において、補修リング3の上に別の補修リング3を積み重ねる場合に、補修リング3の凸部24を別の補修リング3の凹部22に嵌合させることができる。これにより、補修リング3の上に別の補修リング3を安定して積み重ねることができる。また、補修リング3に対する別の補修リング3の芯ずれを防止することができるため、当該補修リング3の第2孔部20と当該別の補修リング3の第2孔部20とをほぼ面一にすることができる。
また、本実施形態によれば、補修インバート2の凸部14、補修リング3の凹部22および凸部24は、補修インバート2および補修リング3が設置された状態で、上方に向かうほど先細りとなるテーパ状に形成されている。これにより、補修インバート2上に補修リング3を容易に積み重ねることができると共に、補修インバート2から補修リング3を容易に取り外すことができる。また、補修リング3上に別の補修リング3を容易に積み重ねることができると共に、補修リング3から別の補修リング3を容易に取り外すことができる。
また、本実施形態によれば、補修リング3bの上面のうち第2孔部20の外周部23は水平に形成されており、立管4は補修リング3bの外周部23上に設置される。これにより、立管4の横揺れを防いで安定して設置することができる。
また、本実施形態によれば、台座31は、モルタル6および筒部52の上端52aに亘って配置されている。これにより、防護蓋7の荷重による圧力をモルタル6と筒部52の上端52aとに分散することができる。したがって、車通りが多い道路等に防護蓋7を設置した場合でも、当該防護蓋7からの圧力が分散されるため、モルタル6および当該モルタル6の下方に設けられた補修インバート2や補修リング3にかかる圧力を低減することができる。したがって、モルタル6、補修インバート2および補修リング3の使用可能期間を延ばすことができる。また、台座31の外周部が筒部の上端52aの最外線からはみ出るようにして台座31を設置することによって、地上から補修部材1にかかる圧力を筒部52に分散させるだけでなく、当該筒部52の周囲の土にも分散させることができる。
以上、第1実施形態に係る補修部材1について説明したが、本発明に係る補修部材は第1実施形態のものに限らず、他の種々の形態で実施することができる。以下、第2実施形態について簡単に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した構成と同様の構成には同じ符号を使用し、その説明は省略する。
図7に示すように、第2実施形態の補修部材1aが上記第1実施形態の補修部材1と異なる点は、シールリング5の配置位置および台座31の形状である。シールリング5を、補修インバート2の第1突出部12と筒部52の内周面と補修リング3aの外周面とに接触させて設けることができる。この場合、シールリング5は、第1突出部12と補修リング3aの第2突出部21との間に設けられる。これにより、シールリング5の落下防止および浮上防止を図ることができる。すなわち、第1突出部12は、シールリング5が下方にずれ落ちないようにするためのストッパーの役割を果たす。また、台座31はモルタル6上に配置される。すなわち、台座31は、モルタル6の最外線すなわちモルタル6と筒部52との境界線よりも内側に設置される。車通りが多くない場所、すなわち人や自転車が通る場所では、車通りが多い場所よりも防護蓋7に圧力がかからないため、車通りが多くない場所に防護蓋7を設置することができる。このように、第1実施形態では補修部材1を車が通る場所等に設置することができ、第2実施形態では補修部材1aを人や自転車が通る場所等に設置することができる。したがって、補修部材1,1aを用途に応じて柔軟に使い分けることができる。なお、補修手順としては、補修インバート2の第1突出部12の上にシールリング5を配置した後、1または複数の補修リング3を補修インバート2上に積み重ねる。その後、立管4、モルタル6、台座31、内蓋8および防護蓋7を順に配置する。
以上、第1実施形態および第2実施形態について説明したが、さらに次の変形例を採用してもよい。
上記実施形態では、充填材としてモルタルを用いたが、これに限定されるものではない。モルタルの代わりに、例えばコンクリートなどの他の材料を充填してもよい。この場合、モルタルよりもコンクリートの方がコストを抑えることができる。
上記実施形態では、台座31を設置した後に内蓋8を取り付けることとしたが、これに限定されるものではない。立管4を設置した後で台座31を設置する前に内蓋8を取り付けるようにしてもよい。
上記実施形態では、シールリング5を、複数の補修リング3のうち最上に位置する補修リング3bの上端外縁35および筒部52の内周面に接触させて設け、または補修インバート2の周囲および筒部52の内周面に接触させて設けたが、これに限定されるものではない。シールリング5を例えば補修リング3aの周囲および筒部52の内周面に接触させて設けるようにしてもよい。
上記実施形態では、補修部材1を用いて、地下排水施設100の既設管路である筒部52を補修するようにした。しかし、補修する既設管路は筒部52に限定されるものではない。例えば、補修する既設管路は、水平方向に延びる配管または水平方向から傾いた配管であってもよい。例えば、補修する既設管路は、ますに接続された流入配管または流出配管等の横に延びた既設配管であってもよい。
上記実施形態では、補修インバート2の凸部14およびこれに嵌合する補修リング3の凹部22、並びに、補修リング3の凸部24およびこれに嵌合する別の補修リング3の凹部22をそれぞれ環状としたが、これに限定されるものではない。これらを例えば平面視で円弧状としてもよいし、平面視で円形や矩形などの他の形状としてもよい。
上記実施形態では、補修インバート2のみ当該補修インバート2の上端外縁に第1突出部12を設けるようにしたが、これに限定されるものではない。補修リング3の上端外縁35に突出部を設けるようにしてもよい。この場合、シールリング5を補修リング3の前記突出部および筒部52の内周面に接触させて設けることができる。
上記実施形態では、補修リング3を補修インバート2に対して同軸状に設け、立管4を補修リング3に対して同軸状に設けるようにしたが、これに限定されるものではない。補修インバート2の第1孔部10、補修リング3の第2孔部20、および立管4の管路30が通じていれば、これらを同軸状に設けなくてもよい。