JP6401117B2 - リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法 - Google Patents
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Description
現在リチウムイオン二次電池は、正極にLiCoO2、負極に黒鉛を用いたものが一般的である。しかし、黒鉛負極は充放電の可逆性に優れるものの、その放電容量はすでに層間化合物LiC6に相当する理論値372mAh/gに近い値まで到達しており、さらなる高エネルギー密度化を達成するためには、黒鉛より放電容量の大きい負極材料を開発する必要がある。
金属リチウムは負極材料として最高の放電容量を有するが、充電時にリチウムがデンドライト状に析出して負極が劣化し、充放電サイクルが短くなるという問題がある。また、デンドライト状に析出したリチウムがセパレータを貫通して正極に達し、短絡する可能性もある。
そのため、金属リチウムに替わる負極材料として、リチウムと合金を形成する金属質物が検討されてきた。これらの合金負極は、金属リチウムには及ばないものの黒鉛を遥かに凌ぐ放電容量を有する。しかし、合金化に伴う体積膨張により活物質の粉化、剥離が発生し、未だ実用レベルのサイクル特性は得られていない。
(1)鱗片状黒鉛粒子、焼成炭素、およびリチウムと合金化可能な金属粒子からなる球状の複合体の製造方法であって、1)前記金属粒子および前記鱗片状黒鉛粒子を混合する工程,2)該混合物に炭素質前駆体を加えたのち熱処理を行って、鱗片状黒鉛粒子上に金属粒子が固定化された一次粒子とする工程、3)前記一次粒子を結着剤の溶液に分散させ、噴霧乾燥処理を行って球状の二次粒子とする工程、および、4)前記二次粒子を700℃以上1200℃以下の温度範囲で熱処理し、前記した炭素質前駆体および結着剤を焼成炭素とする工程を有する、リチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
(2)前記金属粒子および鱗片状黒鉛粒子を混合する工程として、メカノケミカル処理を行うことを特徴とする(1)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
(3)前記金属粒子および鱗片状黒鉛粒子を混合する工程として、機械的粉砕処理を行うことを特徴とする(1)または(2)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
(4)前記金属粒子および鱗片黒鉛粒子を混合する工程において、さらに黒鉛質炭素繊維を添加することを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材の製造方法。
(5)前記一次粒子を結着剤の溶液に分散する工程において、さらに黒鉛質炭素繊維を添加することを特徴とする請求項(1)から(3)のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材の製造方法。
(6)前記二次粒子に、さらに炭素質前駆体を付着させたのち前記熱処理を行うことを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
(鱗片状黒鉛粒子)
本発明で用いられる鱗片状黒鉛粒子は、リチウムイオンを吸蔵・放出できるものであればよく、特に限定されない。その一部または全部が黒鉛質で形成されているもの、例えば天然黒鉛や、タール、ピッチ類を最終的に1500℃以上で熱処理してなる人造黒鉛が挙げられる。具体的には、易黒鉛化性炭素材料とよばれる石油系、石炭系のタールピッチ類を熱処理して重縮合させたメソフェーズ焼成体、コークス類を1500℃以上、望ましくは2800〜3300℃で黒鉛化処理して得ることができる。
鱗片状黒鉛粒子平均粒子径は0.1μm〜20μmの範囲であることが好ましく、0.3μm〜10μmの範囲であることがさらに好ましい。本発明において、平均粒子径はレーザー回折式粒度分布計の累積度数が体積分布率で50%となる粒子径(D50)である。
鱗片状黒鉛粒子の割合は、複合体粒子全量に対して98〜60質量%であるのが好ましい。より好ましくは95〜60質量%である。
リチウムと合金化可能な金属としては、Al、Pb、Zn、Sn、Bi、In、Mg、Ga、Cd、Ag、Si、B、Au、Pt、Pd、Sb、Ge、Ni等の金属が挙げられ、好ましくはSi、Snである。また金属粒子は上記金属の二種以上の合金であってもよく、合金中に上述の金属以外にさらに他の元素を含有していてもよい。金属の一部が、酸化物、窒化物、炭化物を形成していてもよく、特に酸化物を少なくとも一部含むことが好ましい。
金属粒子の平均粒子径は10μm以下であるのが好ましく、5μm以下であるのがより好ましく、1μm以下であるのが特に好ましい。金属粒子の平均粒子径が10μmを超える場合はサイクル特性の改良効果が小さくなることがある。
金属粒子の形状には特に制約はない。粒状、球状、板状、鱗片状、針状、糸状などのいずれであってもよい。
金属粒子の割合は、複合粒子全量に対して1質量%以上、20質量%以下であるのが好ましく、2質量%以上20質量%以下であるのが特に好ましい。金属または金属化合物が1質量%未満の場合は容量向上の効果が小さくなることがあり、20質量%超の場合はサイクル特性の改良効果が小さくなることがある。
本発明は、リチウムと合金化可能な金属粒子および鱗片状黒鉛粒子を混合する工程を含む。本発明の混合工程は例えばニーダー等の機械力によって混合する工程である。金属粒子と黒鉛粒子の混合には、一般的な混合機または混練機を使用することができる。混合に代えてメカノケミカル処理もしくは機械的粉砕処理を行ってもよく、またはこれらを組み合わせてもよい。
ここでメカノケミカル処理は、黒鉛粒子と金属粒子に圧縮力と剪断力を同時にかける処理を言い、圧縮力と剪断力により黒鉛粒子と金属粒子の密着性を高めることができる。メカノケミカル処理装置は、黒鉛粒子と金属粒子に圧縮力と剪断力を同時にかけることができる装置であれば、装置の種類、構造は特に限定されない。例えば、ハイブリダイゼーションシステム((株)奈良機械製作所製)、メカノマイクロシステム((株)奈良機械製作所製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン(株))、乾式アトライタ(日本コークス工業(株))などを使用することができる。
機械的粉砕処理は、粉砕と混合を同時に行うことにより、金属粒子と黒鉛粒子をより均一に分散させることができる。機械的粉砕処理には、一般的な粉砕機を使用することができ、湿式法、乾式法のいずれも適用可能であるが、湿式法がより好ましい。
黒鉛質炭素繊維の割合は、最終的な複合体全体に対して0.5質量%以上、5質量%以下であるのが好ましく、1質量%以上、3質量%以下であることがより好ましい。黒鉛質炭素繊維が0.5質量%未満の場合はサイクル特性向上の効果が小さくなることがあり、5質量%超の場合は初期効率が低下することがある。
本発明は、前記混合物に炭素質前駆体を加えたのち熱処理を行って、鱗片状黒鉛粒子上に金属粒子が固定化された一次粒子とする工程を含む。金属粒子を黒鉛粒子上に固定化することで、次工程における造粒操作において金属粒子が脱落・偏析することを防ぐことができる。
炭素質前駆体は、熱処理により容易に炭化する材料であれば特に限定されず、タールピッチ類および/または樹脂類が例示される。具体的には、タールピッチ類としては、コールタール、タール軽油、タール中油、タール重油、ナフタレン油、アントラセン油、コールタールピッチ、ピッチ油、メソフェーズピッチ、酸化架橋石油ピッチ、ヘビーオイルなどが挙げられる。樹脂類としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、フルフリルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂などの熱硬化性樹脂が例示される。これらの炭素質前駆体を後述の温度で熱処理することにより炭素質材料を得ることができる。
炭素質前駆体の割合は、該混合物に対して0.5質量%以上5質量%以下であるのが好ましく、1質量%以上3質量%以下であるのがより好ましい。炭素質前駆体が0.5質量%未満の場合は金属粒子の固定化が不十分となることがあり、5質量%以上の場合は放電容量が低下することがある。
黒鉛粒子、金属粒子および炭素質前駆体の混合物を非酸化性雰囲気下で熱処理することで、鱗片状黒鉛粒子上に金属粒子が固定化された一次粒子を得ることができる。熱処理温度は300℃以上700℃以下であるのが好ましい。非酸化性雰囲気下とは、例えば、酸素濃度が1000ppm以下の窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下;水素、一酸化炭素などの還元性ガスを含む還元性ガス雰囲気下;等のことをいう。焼成を非酸化性雰囲気下で行うのは、酸化を防止するためである。
本発明は、前記一次粒子を結着剤の溶液に分散させ、噴霧乾燥処理を行って球状の二次粒子とする工程を含む。
結着剤としては、適当な溶媒に溶解するものであればいかなる結着剤でもよく、前記炭素質前駆体として例示したものを同様に使用することができる。結着剤の原料としての添加量は、一次粒子10質量%に対して1〜30質量%が好ましい。より好ましくは、1〜15質量%である。結着剤の溶液として用いられるのは水溶液、アルコール溶液、有機溶媒溶液等いずれでもよい。水に界面活性剤、粘度調製剤としてのポリビニルアルコール等を加えた溶液が好ましい。
一次粒子と結着剤溶液の分散液に黒鉛質炭素繊維を添加してもよい。使用できる黒鉛質炭素繊維およびその割合は前記と同様である。また、前記一次粒子の一部を黒鉛粒子に置き換えてもよい。
噴霧乾燥処理は、前記一次粒子と結着剤溶液の分散液を気流とともにスプレー散布し、熱風によって瞬時に溶媒を乾燥させる方法であればいかなる方法でもよく、スプレー式、ディスク式、二流体ノズル式などを用いることができる。分散液の表面張力によって乾燥後の粒子は真球状の二次粒子を形成する。この際、分散液の固形分比や気流の調整によって、スプレーの液滴の中に気泡が介在しないようにすることで、完全な中空構造ではなく、内部にも鱗片状黒鉛粒子が存在した構造を形成することができる。
例えば、分散液の固形分比は全量中の5〜25質量%、噴霧乾燥器の入口温度は150〜250℃、ノズル空気量は20〜100リットル/分などが好ましい。
噴霧乾燥処理では、原液の固形分比や気流の調整によって任意の粒度に調整可能であり、最終的に粉砕して粒度調整するという工程は不要である。また主原料として黒鉛粒子を用いているので黒鉛化処理は不要であり、焼成処理だけでリチウムイオン二次電池の負極材料として充分な容量を発現できる。
本発明は、前記二次粒子を不活性雰囲気下、700℃以上1200℃以下の温度範囲で熱処理し、前記した炭素質前駆体および結着剤を焼成炭素とする工程を含む。焼成温度が700℃未満または1200℃超である場合は、容量が低下することがある。不活性雰囲気は、N2、Ar、He、真空雰囲気等およびこれらの混合物を用いることができる。
焼成処理の前に、異種の黒鉛材料、炭素質または黒鉛質の繊維、非晶質ハードカーボンなどの炭素材料、有機材料、無機材料、金属材料を付着、埋設、複合してもよい。焼成処理の前に炭素質前駆体の溶液中に噴霧乾燥処理品を浸漬して、炭素質前駆体を噴霧乾燥品に付着させてもよい。これは、造粒構造の強化、および被覆により反応性(充放電ロス)を低減させることができる。好ましい炭素質前駆体の付着量(焼成前の量)は鱗片状黒鉛粒子100質量%に対して1〜30質量%が好ましい。より好ましくは、1〜15質量%である。
焼成炭素の割合は複合粒子全体に対して1〜15質量%、好ましくは3〜12質量%である。
[負極材料の作製]
平均粒子径5μm、平均扁平度20の鱗片状黒鉛粒子と、平均粒子径0.15μmのシリコン粒子を二軸ニーダ―で混合し、さらにコールタールピッチのタール中油溶液を加えて混練した。次いで混練品を窒素雰囲気で500℃で熱処理し、鱗片状黒鉛粒子上にシリコン粒子が固定化された一次粒子を得た。得られた一次粒子をポリアクリル酸水溶液に分散し、スプレードライ装置で噴霧乾燥処理して球状の二次粒子を得た。最後に,得られた二次粒子を窒素雰囲気で1000℃で熱処理をし、鱗片状黒鉛粒子、焼成炭素、およびシリコン粒子からなる球状の最終製品である複合体を得た。各素材の配合量は、複合体におけるそれぞれの存在比率が表1に示す通りになるように調整した。図1に示すSEM像から、複合体が球状であることが分かった。また図2に示す断面のSEM像とEDX−Siマッピング像から、シリコン粒子が複合体内部において均一に分散していることが分かった。
次に、負極材料を用いて負極を作製した。まず、前記複合体からなる負極材料を96質量部、結合剤としてのカルボキシメチルセルロース2質量部、およびスチレン−ブタジエンゴム2質量部を水に入れ、攪拌して負極合剤ペーストを調整した。次いで、この銅箔上に塗布された負極合剤層をハンドプレスによって加圧した。さらに、銅箔と負極合剤層を直径15.5mmの円柱状に打抜いて、銅箔に密着した負極合剤層を有する作用電極(負極)を作製した。負極合剤層の密度は1.4g/cm3であった。
次に、前記負極を用いて単極評価用のボタン型二次電池を作製した。正極にはニッケルネットからなる集電体と、該集電体に密着したリチウム金属箔からなる極板を用いた。
電解液は、エチレンカーボネート33体積%とメチルエチルカーボネート67体積%の混合溶剤に、LiPF6を1mol/Lとなる濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。得られた非水電解液をセパレータとして厚さ20μmのポリプロピレン多孔質体に含浸させ、電解液が含浸したセパレータを作製した。なお、実電池については、本発明の概念に基づき、公知の方法に準じて作製することができる。
図4に評価電池の構成としてボタン型二次電池を示す。
外装カップ1と外装缶3は、その周縁部において絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密閉した。その内部に外装缶3の内面から順に、ニッケルネットからなる集電体7a、リチウム箔よりなる円筒状の対極(正極)4、電解液が含浸されたセパレータ5、負極合剤2が付着した銅箔からなる集電体7bが積層された電池系である。
前記評価電池は電解液を含浸させたセパレータ5を集電体7bと負極合剤2からなる作用電極(負極)と、集電体7aに密着した対極4との間に挟んで積層した後、集電体7bを外装カップ1内に、対極4を外装缶3内に収容して、外装カップ1と外装缶3とを合わせ、さらに、外装カップ1と外装缶3との周縁部に絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密閉して作製した。
以上により作製された評価電池について、25℃の温度下で以下に示す充放電試験を行い、初期充放電効率、充電膨張率およびサイクル特性を計算した。結果を表2に示した。
回路電圧が0mVに達するまで0.9mAの定電流充電を行った後、回路電圧が0mVに達した時点で定電圧充電に切替え、さらに電流値が20μAになるまで充電を続けた。その間の通電量から質量当たりの充電容量(単位:mAh/g)を求めた。その後、120分間休止した。次に0.9mAの電流値で回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から質量当たりの放電容量(単位:mAh/g)を求めた。下記式により初期充放電効率を計算した。
初期充放電効率(%)=(放電容量/充電容量)×100
なおこの試験では、リチウムイオンを負極材料に吸蔵する過程を充電、負極材料から離脱する過程を放電とした。
回路電圧が0mVに達するまで0.9mAの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた。充電状態で評価電池を解体し、負極をアルゴン雰囲気下でエチルメチルカーボネートにより洗浄し、マイクロメーターで厚みを測定した。充電前後の負極の厚みと銅箔の厚み(15μm)から、次式により負極活物質の充電膨張率を計算した。
充電膨張率(%)=((充電後の負極の厚み−充電前の負極の厚み)/(充電前の負極の厚み−銅箔の厚み))×100
質量当たりの放電容量、急速充電率、急速放電率を評価した評価電池とは別の評価電池を作製し、以下のような評価を行なった。
回路電圧が0mVに達するまで4.0mAの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた後、120分間休止した。次に4.0mAの電流値で、回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行った。20回充放電を繰返し、得られた質量当たりの放電容量から、次式を用いてサイクル特性を計算した。
サイクル特性(%)=(第20サイクルにおける放電容量/第1サイクルにおける放電容量)×100
実施例1において、得られた二次粒子にコールタールピッチを含浸させた後、1000℃で熱処理を行って、鱗片状黒鉛粒子、焼成炭素、およびシリコン粒子からなる球状の最終製品である複合体を得た。これ以外は実施例1と同様に複合体を製造し、電池特性の評価試験を行った。
実施例2における鱗片状黒鉛粒子とシリコン粒子を混合する工程について、さらに黒鉛質炭素繊維を加え(以下表中では繊維添加と略記する)、二軸ニーダーで混合し、さらにコールタールピッチのタール中油溶液を加えて混練した。次いで混練品を実施例2と同様に複合体を製造し、電池特性の評価試験を行った。
実施例2における噴霧乾燥工程について、黒鉛質炭素繊維をポリアクリル酸の水溶液に分散させたものを予め用意し、ここに、鱗片状黒鉛粒子上にシリコン粒子が固定化された一次粒子を加え、分散液とした。これ以外は実施例2と同様に複合体を製造し、電池特性の評価試験を行った。
平均粒子径5μmの鱗片状黒鉛粒子、平均粒子径0.15μmのシリコン粒子、および溶媒のイソプロピルアルコールをビーズミルに入れ、湿式粉砕処理を行った。混合物の分散液と水溶性フェノール樹脂を二軸ニーダーに加え、混練しながら100℃に加熱し、溶媒を除去した。次いで混練品を500℃で熱処理し、鱗片状黒鉛粒子上にシリコン粒子が固定化された一次粒子を得た。これ以外は実施例2と同様に最終製品の複合体を製造し電池特性の評価試験を行った。
実施例5における鱗片状黒鉛粒子とシリコン粒子を湿式粉砕処理について、さらに黒鉛質炭素繊維を加え、湿式粉砕処理を行った。得られた湿式粉砕処理物を実施例5と同様に複合体を製造し、電池特性の評価試験を行った。
実施例5に従って、噴霧乾燥を行い、二次粒子を得た。得られた二次粒子にコールタールピッチおよび黒鉛質炭素繊維を添加、混合した後、1000℃で熱処理を行って、鱗片状黒鉛粒子、焼成炭素、黒鉛質炭素繊維およびシリコン粒子からなる球状の最終製品である複合体を製造し、電池特性の評価試験を行った。
実施例2における鱗片状黒鉛粒子とシリコン粒子を混合する工程について、二軸ニーダーに替えてメカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン(株)製)を用い、メカノケミカル処理を行った。その後混合物とコールタールピッチのタール中油溶液を二軸ニーダーに加えて混練した。次いで混練品を500℃で熱処理し、鱗片状黒鉛粒子上にシリコン粒子が固定化された一次粒子を得た。これ以外は実施例2と同様に複合体を製造し、電池特性の評価試験を行った。
実施例2における鱗片状黒鉛粒子とシリコン粒子を混合する工程について、さらに黒鉛質炭素繊維を加え、メカノフュージョンシステムを用いてメカノケミカル処理を行った。これ以外は実施例2と同様に複合体を製造し、電池特性の評価試験を行った。
実施例8に従って、噴霧乾燥を行い、二次粒子を得た。得られた二次粒子にコールタールピッチおよび黒鉛質炭素繊維を添加、混合した後、1000℃で熱処理を行って、鱗片状黒鉛粒子、焼成炭素、黒鉛質炭素繊維およびシリコン粒子からなる球状の最終製品である複合体を製造し、電池特性の評価試験を行った。
平均粒子径5μmの鱗片状黒鉛粒子と、平均粒子径0.15μmのシリコン粒子をポリアクリル酸水溶液に分散し、スプレードライ装置で噴霧乾燥処理して球状の粒子を得た。次いでプラネタリミキサを用い、前記球状粒子にコールタールピッチを含浸させた後、1000℃で熱処理を行って複合体を得た。これ以外は実施例1と同様に電池特性の評価試験を行った。
図3に示す断面のSEM像とEDX−Siマッピング像から、シリコン粒子が複合体内部において、複合体の表面付近に偏析して存在していることが分かった。
平均粒子径5μmの鱗片状黒鉛粒子と、平均粒子径0.15μmのシリコン粒子を二軸ニーダーで混合し、さらにコールタールピッチのタール中油溶液を加えて混練した。次いで混練品を500℃で熱処理し、鱗片状黒鉛粒子上にシリコン粒子が固定化された一次粒子を得た。得られた一次粒子にポリアクリル酸水溶液を加えて混練したのち、1000℃で熱処理を行って複合体を得た。これ以外は実施例1と同様に電池特性の評価試験を行った。
平均粒子径5μmの鱗片状黒鉛粒子と、平均粒子径0.15μmのシリコン粒子をメカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン(株)製)を用い、メカノケミカル処理を行った。該メカノケミカル処理品をポリアクリル酸水溶液に分散し、スプレードライ装置で噴霧乾燥処理して球状の粒子を得た。次いでプラネタリミキサを用い、前記球状粒子にコールタールピッチを含浸させた後、1000℃で熱処理を行って複合体を得た。これ以外は実施例1と同様に電池特性の評価試験を行った。
2 負極合剤
3 外装缶
4 対極
5 セパレータ
6 絶縁ガスケット
7a、7b 集電体
Claims (6)
- 鱗片状黒鉛粒子、焼成炭素、およびリチウムと合金化可能な金属粒子からなる球状または略球状の複合体の製造方法であって、
1)前記金属粒子および前記鱗片状黒鉛粒子を混合する工程、
2)該混合物に炭素質前駆体を加えたのち熱処理を行って、鱗片状黒鉛粒子上に金属粒子が固定化された一次粒子とする工程、
3)前記一次粒子を結着剤の溶液に分散させ、噴霧乾燥処理を行って球状の二次粒子とする工程、および、
4)前記二次粒子を700℃以上1200℃以下の温度範囲で熱処理し、前記した炭素質前駆体および結着剤を焼成炭素とする工程を有する、リチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。 - 前記金属粒子および鱗片状黒鉛粒子を混合する工程が、メカノケミカル処理であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
- 前記金属粒子および鱗片状黒鉛粒子を混合する工程が、機械的粉砕処理であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
- 前記金属粒子および鱗片状黒鉛粒子を混合する工程において,さらに黒鉛質炭素繊維を添加することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用負極材の製造方法。
- 前記一次粒子を結着剤の溶液に分散する工程において、さらに黒鉛質炭素繊維を添加することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用負極材の製造方法。
- 前記二次粒子に、さらに炭素質前駆体を付着させたのち前記熱処理を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。
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