JP6398253B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
公報記載の従来技術として、フェライト等の磁性金属を含むキャリアとアルミニウム等の金属粉末を顔料粒子として含むトナーとを有する二成分現像剤を用い、電子写真方式にて画像を形成する画像形成装置が存在する(特許文献1参照)。
特開2012−22156号公報
本発明は、金属粒子を顔料として含むトナーを使用した場合に、トナーのかぶりを抑制することを目的とする。
請求項1記載の発明は、有機顔料で着色された第1トナーと抵抗値が第1抵抗値に設定された第1キャリアとを含む第1現像剤を用いて、静電潜像を現像する第1現像部と、金属粒子を含み且つ前記有機顔料よりも導電性が高い導電性顔料で着色された第2トナーと抵抗値が前記第1抵抗値よりも高く且つ9.5logΩ以上となる第2抵抗値に設定された第2キャリアとを含む第2現像剤を用いて、静電潜像を現像する第2現像部と、前記第1現像部に直流成分および交流成分を含む第1現像バイアスを供給し、前記第2現像部に直流成分を含み且つ交流成分を含まない第2現像バイアスを供給する供給部とを有し、前記導電性顔料は、針状あるいは短冊状の形状を有しており、前記第1トナーは、球に近い形状を有しており、前記第2トナーは、長径側と短径側とが設けられることで、ラグビーボールあるいは俵に近い形状を有していることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、前記第2トナーの体積平均粒径が、前記第1トナーの体積平均粒径よりも大きく、前記第2トナーの前記長径側の体積平均粒径が、前記第1トナーの体積平均粒径よりも大きく、前記第2トナーの前記短径側の体積平均粒径が、前記第1トナーの体積平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項記載の発明は、前記第2キャリアの抵抗値が11.0logΩ以下であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
請求項記載の発明は、前記第1キャリアおよび前記第2キャリアの体積平均粒径が同じ大きさであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項1記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、有機顔料で着色された第1トナーのかぶりおよび金属粒子を含む導電性顔料で着色された第2トナーのかぶりを抑制することができ、有機顔料で着色された第1トナーの画質の低下を抑制できるとともに、針状あるいは短冊状の金属粒子を第2トナーに内包させやすくすることができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、例えば針状あるいは短冊状の金属粒子を第2トナーに内包させやすくすることができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、トナーの付着量が低下するのを抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、第1現像剤および第2現像剤の流動性が異なるのを抑制することができる。
実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示した図である。 各画像形成ユニットの制御系の構成を説明するためのブロック図である。 (a)は第1現像剤の構成を、(b)は第2現像剤の構成を、それぞれ示す図である。 各画像形成ユニットにおける、帯電電位、露光電位および現像電位の関係を説明するための図である。 (a)は第1現像剤を用いた画像形成ユニットで用いられる交流現像バイアスの大きさを、(b)は第2現像剤を用いた画像形成ユニットで用いられる交流現像バイアスの大きさを、それぞれ説明するための図である。 各画像形成ユニットで使用する、現像剤(キャリアおよびトナー)、帯電電位、露光電位、現像電位(直流現像バイアス)および交流現像バイアスを、一覧として示す図である。 実験で使用した、第2キャリアを構成する各サンプルの体積平均粒径およびキャリア抵抗値を示した図である。 実験1の結果を示す図である。 実験2の結果を示す図である。 実験3の結果を示す図である。 実験4の結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を示した図である。
図1に示す画像形成装置1は、所謂「タンデム型」のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置1全体の動作制御や例えばパーソナルコンピュータ(PC)等との通信、画像データに対して行う画像処理等を実行する主制御部50と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部90とを備えている。
画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する機能部であって、並列的に配置される6つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11K、11G、11S(以下では、これら全体を画像形成ユニット11と称することがある)を備えている。
これらのうち、画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。これに対し、画像形成ユニット11G、11Sは、それぞれ、金(G)、銀(S)のトナー像を形成する。なお、以下の説明においては、イエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の各色を通常色と称し、金属顔料(後述する導電性顔料M)にて着色される金および銀の各色を特殊色と称する。なお、このような特殊色としては、上述した金や銀以外に、白、クリアトナー、ライトシアン、ライトマゼンタ、オレンジ、ヴァイオレット、グリーン等が挙げられる。
そして、本実施の形態の画像形成装置1では、通常色すなわちイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒のトナーを用いたフルカラー画像の形成が行えるとともに、特殊色すなわち金および/または銀のトナーを用いた金属色を呈する画像をさらに重畳させたフルカラー画像の形成も行えるようになっている。
各画像形成ユニット11は、図中に示す矢印方向に回転可能に設けられた感光体ドラム12を有している。また、各画像形成ユニット11は、この感光体ドラム12の周囲に矢印方向に沿って設けられた、帯電器13、露光器14、現像器15およびドラムクリーナ16を有している。
感光体ドラム12は、金属製の薄肉の円筒形ドラムの表面に有機感光層(図示せず)を形成してなり、ここでは有機感光層が負極性に帯電する材料で構成されている。また、感光体ドラム12は接地されている。
帯電器13は、感光体ドラム12の表面(有機感光層)を、予め定められた負の電位に帯電する。このため、帯電器13には、感光体ドラム12を負の電位に帯電するための帯電バイアスが印加される。
露光器14は、帯電器13によって負の電位に帯電された感光体ドラム12に、レーザ光等を用いて選択的に光書き込みを行うことで静電潜像を形成する。ここで、本実施の形態の露光器14は、トナー像(画像)となる部位(画像部)に対して光を照射し、背景となる部位(背景部)に対しては光を照射しない、所謂画像部露光方式にて露光を行う。なお、露光器14における光源としては、レーザ光源以外に、LED(Light Emitting Diode)光源を用いることも可能である。
現像器15は、感光体ドラム12に対向して回転可能に配置される現像ロール15aを備えており、現像器15の内部には、予め決められた色のトナーを含む現像剤を収容している。ここで、本実施の形態の現像器15では、現像剤として、磁性を有するキャリアと、予め決められた色に着色されたトナーとを含む、所謂2成分現像剤を用いている。また、この現像剤において、キャリアは正の帯電極性を有しており、トナーは負の帯電極性を有している。現像ロール15aは磁石(図示せず)を内蔵しており、静電気力によってトナーを付着させたキャリアすなわち現像剤を、磁力によって現像ロール15aの表面に保持する。現像器15では、現像ロール15a上に保持させた現像剤が形成する磁気ブラシを感光体ドラム12に接触させて、感光体ドラム12上の静電潜像をトナーで現像する。この現像器15は、現像ロール15aを負の電位とするための現像バイアスを供給することで、静電潜像のうち負極性に帯電している画像部に、負極性に帯電したトナーを転移させる、所謂反転現像方式にて現像を行う。
ドラムクリーナ16は、転写(一次転写)後の感光体ドラム12の表面を清掃する。
そして、各画像形成ユニット11の現像器15の各々は、それぞれに対応する色のトナーを貯蔵するトナー貯蔵容器17Y、17M、17C、17K、17G、17S(以下では、これら全体をトナー貯蔵容器17と称することがある)と、トナー搬送路(図示せず)によって連結されている。そして、トナー搬送路中に設けられた補給用スクリュー(図示せず)により、トナー貯蔵容器17から現像器15に各色トナーが補給されるように構成されている。
ここで、本実施の形態では、金の画像形成ユニット11G、銀の画像形成ユニット11Sのそれぞれにおける、感光体ドラム12が像保持体の一例として、帯電器13および露光器14が潜像形成部の一例として、それぞれ機能している。そして、金の画像形成ユニット11G、銀の画像形成ユニット11Sのそれぞれにおける、現像ロール15aが保持部材の一例として、現像器15が現像部の一例として、それぞれ機能している。
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト20と、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に転写(一次転写)する一次転写ロール21とを備えている。さらに、画像形成部10は、中間転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像を記録材である用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ロール22と、転写(二次転写)後の中間転写ベルト20の表面を清掃するベルトクリーナ23と、二次転写された各色トナー像を用紙上に定着させる定着器60とを備えている。加えて、画像形成部10は、定着器60にて用紙上に定着された各色トナー像を冷却し、用紙上への各色トナー像の定着を促進する冷却器70と、用紙の曲がり(カール)を矯正するカール矯正器80とを備えている。
また、画像形成部10は、用紙搬送系として、用紙を収容する複数(本実施の形態では2個)の用紙収容容器40A、40Bと、この用紙収容容器40A、40Bに収容された用紙を繰り出して搬送する繰出しロール41A、41Bと、用紙収容容器40Aからの用紙を搬送する第1搬送路R1と、用紙収容容器40Bからの用紙を搬送する第2搬送路R2とを備えている。さらに、画像形成部10は、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bからの用紙を二次転写ロール22が配置される二次転写領域に向けて搬送する第3搬送路R3を備えている。加えて、画像形成部10は、二次転写領域にて各色トナー像が転写された用紙を定着器60、冷却器70、およびカール矯正器80を通過するように搬送する第4搬送路R4と、カール矯正器80からの用紙を画像形成装置1の外側に設けられた用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5とを備えている。
第1搬送路R1乃至第5搬送路R5には、それぞれに沿って用紙を順次搬送する搬送ロールや搬送ベルトが配置されている。
また、画像形成部10は、両面搬送系として、定着器60で第1面に各色トナー像が定着された用紙を一旦保持する中間用紙収容容器42と、カール矯正器80からの用紙を中間用紙収容容器42に向けて搬送する第6搬送路R6と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を上記の第3搬送路R3に向けて搬送する第7搬送路R7とを備えている。さらに、画像形成部10は、カール矯正器80の用紙搬送方向下流側に配置され、用紙を用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と中間用紙収容容器42に搬送する第6搬送路R6とに選択的に振り分ける振分機構部43と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を繰り出して第7搬送路R7に向けて搬送する繰出しロール45とを備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1での基本的な画像形成動作について説明する。
画像形成部10の画像形成ユニット11各々は、電子写真プロセスによりY色、M色、C色、K色、G色、S色の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、各一次転写ロール21により中間転写ベルト20上に順に一次転写され、各色トナーが重畳された合成トナー像を形成する。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動(矢印方向)に伴って二次転写ロール22が配置された二次転写領域に搬送される。
一方、用紙搬送系では、各画像形成ユニット11での画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール41が回転動作し、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bの中から例えばUI部90にて指定された方の用紙が繰出しロール41A、41Bにより繰り出される。繰出しロール41A、41Bにより繰り出された用紙は、第1搬送路R1または第2搬送路R2と、第3搬送路R3とに沿って搬送され、二次転写領域に到達する。
二次転写領域では、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された合成トナー像が用紙に一括して二次転写される。
その後、合成トナー像が転写された用紙は、中間転写ベルト20から分離され、第4搬送路R4に沿って定着器60に搬送される。定着器60に搬送された用紙上の合成トナー像は、定着器60によって定着処理を受けて用紙上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙は、冷却器70にて冷却され、カール矯正器80にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正器80を通過した用紙は、振分機構部43により、片面印刷時には第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。
なお、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)はドラムクリーナ16によって、二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)はベルトクリーナ23によって、それぞれ除去される。
一方、両面印刷時には、上述した過程によって用紙の第1面上に定着画像が形成された用紙は、カール矯正器80を通過した後、振分機構部43により第6搬送路R6に導かれ、第6搬送路R6を中間用紙収容容器42に向けて搬送される。そして再び、各画像形成ユニット11による第2面の画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール45が回転し、中間用紙収容容器42から用紙が繰り出される。繰出しロール41により繰り出された用紙は、第7搬送路R7および第3搬送路R3に沿って搬送され、二次転写領域に到達する。
二次転写領域では、第1面の場合と同様にして、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された第2面の各色トナー像が用紙に一括して二次転写される。
そして、両面にトナー像が転写された用紙は、第1面の場合と同様に定着器60にて定着され、冷却器70にて冷却され、さらにはカール矯正器80にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正器80を通過した用紙は、振分機構部43により第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成動作が、プリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
図2は、本実施の形態の画像形成装置1における各画像形成ユニット11の制御系を説明するためのブロック図である。
主制御部50は、プログラムを読み出して実行するCPU(Central Processing Unit)51と、CPU51が実行するプログラムやプログラムを実行する際に使用するデータ等を記憶するROM52(Read Only Memory)と、プログラムを実行する際に一時的に生成されるデータ等を記憶するRAM53(Random Access Memory)と、プログラムを実行する際に使用するデータ等を記憶するとともに、その内容を書き換え可能であって、電源を供給しなくてもその記憶内容を保持することが可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)54とを備えている。
主制御部50は、各画像形成ユニット11(11Y、11M、11C、11K、11G、11S)において、感光体ドラム12を回転駆動するドラム駆動部112、帯電器13に帯電バイアスを供給する帯電電源113、露光器14に設けられた光源を駆動する光源駆動部114に、それぞれ制御信号を出力する。また、主制御部50は、各画像形成ユニット11において、現像器15に設けられた現像ロール15aに現像バイアスを供給する現像電源115a、現像ロール15aを回転駆動する現像駆動部115bに、それぞれ制御信号を出力する。さらに、主制御部50は、各画像形成ユニット11の現像器15に対応して設けられたトナー貯蔵容器17から、対応する現像器15にトナーを補給するトナー補給部(補給用スクリュー)117に、制御信号を出力する。そして、ドラム駆動部112、帯電電源113、光源駆動部114、現像電源115a、現像駆動部115bおよびトナー補給部117は、各画像形成ユニット11(11Y、11M、11C、11K、11G、11S)の構成要素に対し、個別に設定を行う。
これらのうち、帯電電源113は、負の値に設定された直流成分に交流成分を重畳させた帯電バイアスを、各帯電器13に供給することができるようになっている。なお、以下の説明においては、帯電バイアスにおける直流成分を直流帯電バイアスと呼び、帯電バイアスにおける交流成分を交流帯電バイアスと呼ぶ。ここで、直流帯電バイアスは、感光体ドラム12に設けられた有機感光層を目標とする電位(帯電電位と呼ぶ)に帯電させるためのものであり、交流帯電バイアスは、直流帯電バイアスによる有機感光層の帯電を補助するためのものである。
また、供給部の一例としての現像電源115aは、負の値に設定された直流成分に交流成分を重畳させた現像バイアスを、各現像ロール15aに供給することができるようになっている。なお、以下の説明においては、現像バイアスにおける直流成分を直流現像バイアスと呼び、現像バイアスにおける交流成分を交流現像バイアスと呼ぶ。ここで、直流現像バイアスは、現像ロール15aから感光体ドラム12に設けられた有機感光層(より具体的には画像部)に、トナーを転移させるためのものであり、交流現像バイアスは、直流現像バイアスによる現像ロール14aから有機感光層へのトナーの転移を補助するためのものである。
なお、各画像形成ユニット11に設けられた現像器15では、現像剤におけるトナーの重量%濃度(以下では、トナー濃度TCと称する)が5%以上9%以下の範囲内に収まるように、トナー補給部117による、トナーの消費に応じたトナーの補給が行われる。
図3は、本実施の形態の画像形成装置1で用いた現像剤を説明するための図である。ここで、図3(a)は、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kで通常色(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)のトナー像を形成するために用いられる第1現像剤D1の構成を示している。また、図3(b)は、金、銀の画像形成ユニット11G、11Kで特殊色(金、銀)のトナー像を形成するために用いられる第2現像剤D2の構成を示している。
図3(a)に示す第1現像剤D1は、磁性を有するとともに正極性に帯電する特性を有する材料で構成された第1キャリアC1と、負極性に帯電する特性を有するとともに通常色(ここではイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒のいずれか)に着色された第1トナーT1とを含んでいる。
これに対し、図3(b)に示す第2現像剤D2は、磁性を有するとともに正極性に帯電する特性を有する材料で構成された第2キャリアC2と、負極性に帯電する特性を有するとともに特殊色(ここでは金および銀のいずれか)に着色された第2トナーT2とを含んでいる。
ここで、第1現像剤D1を構成する第1キャリアC1としては、球に近い形状を有するとともに、その体積平均粒径が35μmに設定されたフェライトビーズを用いている。そして、第1キャリアC1のキャリア抵抗値は、8.5logΩ(108.5Ω)である。
一方、第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2としても、球に近い形状を有するとともに、その体積平均粒径が35μmに設定されたフェライトビーズを用いている。ただし、第2キャリアC2のキャリア抵抗値は、第1キャリアC1よりも高い9.5logΩ(109.5Ω)である。なお、第2キャリアC2のキャリア抵抗値は、9.5logΩ以上であればよい。また、現像におけるトナーの付着量(現像部15から感光体ドラム12へのトナーの転移量)の低下を抑制するという観点からすれば、第2キャリアC2のキャリア抵抗値を、11.0logΩ以下とするとよい。
ここで、キャリア抵抗値は、高温高湿(温度28℃、湿度85%RH)の環境下において、現像ロール15a上にキャリアおよびトナーを含む現像剤の層を形成した状態で、感光体ドラム12と現像ロール15aとの間に予め決められた直流電圧(500V)を印加したときの電流値に基づいて算出される。
また、第1現像剤D1を構成する第1トナーT1としては、球に近い形状を有するとともに、ポリエステルやスチレンアクリルなどのバインダ樹脂に、有機材料等で構成されることにより後述する導電性顔料M(図3(b)参照)よりも導電性が低い有機顔料(図示せず)を内添させた粒子を用いている。そして、第1トナーT1の体積平均粒径は、約5.6μmである。なお、この例において、第1トナーT1の体積平均粒径は、3μm〜10μmの範囲内から選択される。
一方、第2現像剤D2を構成する第2トナーT2としては、球よりもラグビーボールあるいは俵に近い形状を有するとともに、ポリエステルやスチレンアクリルなどのバインダ樹脂に、黄銅(金色用)やアルミニウム(銀色用)等の金属材料等で構成されることにより上述した有機顔料よりも導電性が高い導電性顔料Mを内添させた粒子を用いている。そして、第2トナーT2の体積平均粒径は第1トナーT1よりも大きい約10μmであり、長径側が約12μm、短径側が約6μmである。
なお、第1現像剤D1を構成する第1キャリアC1および第1トナーT1の各体積平均粒径、そして、第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2および第2トナーT2の各体積平均粒径は、コールターカウンター(コールター社製)による測定結果に基づいて決められる。
また、第2トナーT2においては、導電性顔料Mが、針状あるいは短冊状の形状を有する金属粒子(金属片)で構成されている。そして、この導電性顔料Mを内包するように(外部に露出させないように)、導電性顔料Mをバインダ樹脂で覆うことで第2トナーT2を得ているため、第2トナーT2は、球形よりもラグビーボールあるいは俵に近い形状を呈するようになっている。このような構成を採用することにより、第2トナーT2では、導電性顔料Mが第2トナーT2の表面に露出することに伴う、電流のリークや帯電不良を抑制している。
ここで、本実施の形態では、第2現像剤D2が現像剤の一例として、第2トナーT2がトナーの一例として、第2キャリアC2がキャリアの一例として、導電性顔料Mが金属粒子を含む顔料として、それぞれ機能している。
図4は、各画像形成ユニット11における、帯電電位VH、露光電位VLおよび現像電位VBの関係を説明するための図である。より具体的に説明すると、図4は、各画像形成ユニット11を構成する、感光体ドラム12における帯電電位VHおよび露光電位VLと、現像器15(より具体的には現像ロール15a)における現像電位VBとの関係を示している。ここで、図4に示す関係は、通常色のトナー(第1トナーT1)を含む第1現像剤D1を用いるイエロー、マゼンタ、シアン、黒の画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kと、特殊色のトナー(第2トナーT2)を含む第2現像剤D2を用いる金、銀の画像形成ユニット11G、11Sとにおいて、共通なものとなっている。なお、図4において、横軸は感光体ドラム12上の位置であり、縦軸は電位(ただし、下方がグランド(GND)であり、上方ほど負の電位が高い)である。
まず、帯電電位VHは、上述した帯電バイアス(直流帯電バイアスおよび交流帯電バイアス)における直流帯電バイアスの大きさによって決まり、露光電位VLは、帯電バイアスと露光器14による露光エネルギーとによって決まる。また、現像電位VBは、上述した現像バイアスにおける直流現像バイアスVDの大きさによって決まる。
本実施の形態では、帯電電位VHおよび露光電位VLがともに負極性となっているが、露光電位VLの大きさは、絶対値で帯電電位VHよりも小さい値となる(|VL|<|VH|)。そして、本実施の形態における現像電位VBすなわち直流現像バイアスVDの値は、負極性であって、その絶対値が帯電電位VHと露光電位VLとの間に位置する大きさに設定される(|VL|<|VB|<|VH|)。
帯電電位VHと露光電位VLと現像電位VBとが上述した関係を有している場合、感光体ドラム12と現像ロール15aとが対向する現像位置を通過する現像ロール15a上のトナー(第1トナーT1あるいは第2トナーT2:負極性に帯電)は、感光体ドラム12上で相対的に正の電位となる露光電位VL(画像部)の領域には転移(飛翔)しやすくなる一方、感光体ドラム12上で相対的に負の電位となる帯電電位VH(背景部)の領域には転移(飛翔)しにくくなる。また、現像位置を通過する現像ロール15a上のキャリア(第1キャリアC1あるいは第2キャリアC2:正極性に帯電)は、トナーとは逆に、感光体ドラム12上で相対的に正の電位となる露光電位VL(画像部)の領域には転移(飛翔)しにくくなる一方、感光体ドラム12上で相対的に負の電位となる帯電電位VH(背景部)の領域には転移(飛翔)しやすくなる。ただし、現像剤を構成するキャリアは現像ロール15aに磁気的に保持されていることから、実際には、キャリアの転移は殆ど生じない。ここで、以下の説明においては、トナーの飛翔しやすさを基準として考え、露光電位VLを基準とする露光電位VLと現像電位VBとの差を飛翔電位差Vdeveと呼び、現像電位VBを基準とする現像電位VBと帯電電位VHとの差を逆飛翔電位差Vcfと呼ぶ。また、露光電位VLを基準とする露光電位VLと帯電電位VHとの差を、潜像電位差Viと呼ぶ。この潜像電位差Viは、飛翔電位差Vdeveと逆飛翔電位差Vcfとの和として表現することもできる。
図5は、各画像形成ユニット11で用いられる交流現像バイアスVAの大きさを説明するための図である。より具体的に説明すると、図5(a)は、通常色のトナー(第1トナーT1)を含む第1現像剤D1を用いるイエロー、マゼンタ、シアン、黒の画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kで用いられる交流現像バイアスVAの大きさを示している。また、図5(b)は、特殊色のトナー(第2トナーT2)を含む第2現像剤D2を用いる金、銀の画像形成ユニット11G、11Sで用いられる交流現像バイアスVAの大きさを示している。なお、図5(a)、(b)では、それぞれにおける交流現像バイアスVAの大きさを、ピークトゥピーク値で表している。
まず、図5(a)に示すように、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kでは、交流現像バイアスVAが第1交流値VA1に設定される。また、図5(b)に示すように、金、銀の画像形成ユニット11G、11Sでは、交流現像バイアスVAが第1交流値VA1よりも小さい第2交流値VA2に設定される(VA2<VA1)。
図5(a)に示すように、第1交流値VA1は、現像電位VB(直流現像バイアスVD)に交流現像バイアスVAの半分を加えた極大値VAmaxが逆飛翔電位差Vcfよりも大きい値(|VAmax|=|VB+VA/2|>|Vcf|)となり、現像電位VB(直流現像バイアスVD)から交流現像バイアスVAの半分を引いた極小値VAminが飛翔電位差Vdeveよりも小さい値(|VAmin|=|VB−VA/2|<|Vdeve|)となるように、その大きさが決められている。ここで、第1交流値VA1は、その大きさが0(ゼロ)に設定される場合を含まないものとなっている。
また、図5(b)に示すように、第2交流値VA2は、現像電位VB(直流現像バイアスVD)に交流現像バイアスVAの半分を加えた極大値VAmaxが逆飛翔電位差Vcf以下の値(|VAmax|=|VB+VA/2|≦|Vcf|)となり、現像電位VB(直流現像バイアスVD)から交流現像バイアスVAの半分を引いた極小値VAminが飛翔電位差Vdeve以上の値(|VAmin|=|VB−VA/2|≧|Vdeve|)となるように、その大きさが決められている。ここで、第2交流値VA2は、その大きさが0(ゼロ)に設定される場合を含むものとなっている。
なお、逆飛翔電位差Vcfの大きさは、通常、50V〜200Vの範囲から選択される。このため、第2交流値VA2(極大値VAmax)の大きさは、設定された逆飛翔電位差Vcfの大きさに基づいて定まるものとみなすこともできる。
図6は、各画像形成ユニット11で使用する、現像剤(キャリアおよびトナー)、帯電電位VH、露光電位VL、現像電位VB(直流現像バイアスVD)および交流現像バイアスVAを、一覧として示す図である。
まず、通常色を形成するイエローの画像形成ユニット11Yでは、現像剤として第1現像剤D1が用いられる。したがって、イエローの画像形成ユニット11Yでは、キャリアとして第1キャリアC1が、トナーとしてイエローに着色された第1トナーT1が、それぞれ用いられる。
また、イエローの画像形成ユニット11Yでは、帯電電位VHが−700Vに、露光電位VLが−250Vに、現像電位VB(直流現像バイアスVD)が−550Vに、それぞれ設定される。したがって、イエローの画像形成ユニット11Yにおいて、逆飛翔電位差Vcfは150Vとなり、飛翔電位差Vdeveは300Vとなる。
さらに、イエローの画像形成ユニット11Yでは、交流現像バイアスVAすなわち第1交流値VA1が1000V(±500V)に設定される。
そして、イエローの画像形成ユニット11Yとともに通常色のトナー像を形成するマゼンタの画像形成ユニット11M、シアンの画像形成ユニット11C、黒の画像形成ユニット11Kでは、使用するトナー(第1トナーT1)の色(有機顔料の材質)を除いて、イエローの画像形成ユニット11Yと共通する設定が用いられる。
一方、特殊色を形成する金の画像形成ユニット11Gでは、現像剤として第2現像剤D2が用いられる。したがって、金の画像形成ユニット11Gでは、キャリアとして第2キャリアC2が、トナーとして金に着色された第2トナーT2が、それぞれ用いられる。
また、金の画像形成ユニット11Gでは、帯電電位VHが−700Vに、露光電位VLが−250Vに、現像電位VB(直流現像バイアスVD)が−550Vに、それぞれ設定される。したがって、金の画像形成ユニット11Gにおいて、逆飛翔電位差Vcfは150Vとなり、飛翔電位差Vdeveは300Vとなる。
さらに、金の画像形成ユニット11Gでは、交流現像バイアスVAすなわち第2交流値VA2が、上述した第1交流値VA1(1000V)よりも小さい200V(±100V)に設定される。
そして、金の画像形成ユニット11Gとともに特殊色のトナー像を形成する銀の画像形成ユニット11Sでは、使用するトナー(第2トナーT2)の色(導電性顔料Mの材質)を除いて、金の画像形成ユニット11Gと共通する設定が用いられる。
では、上記画像形成動作において、各画像形成ユニット11が実行する電子写真プロセスに関する説明を行う。
各画像形成ユニット11では、矢印方向に回転する感光体ドラム12が、帯電器13に供給される帯電バイアスによって帯電電位VHに帯電される。次に、露光器14による露光が開始され、帯電電位VHに帯電された状態で回転する感光体ドラム12は、露光器14から出射される光によって画像部が選択的に露光される。その結果、帯電および露光が行われた有機感光層には、背景部が帯電電位VHとなり画像部が露光電位VLとなる静電潜像が形成される。
続いて、感光体ドラム12に形成された静電潜像は、感光体ドラム12の回転に伴って、現像器15に設けられた現像ロール15aと対向する現像位置に到達する。このとき、現像ロール15aは、現像剤(イエロー、マゼンタ、シアン、黒の画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kでは第1現像剤D1:金、銀の画像形成ユニット11G、11Sでは第2現像剤D2)を表面に保持した状態で回転しており、しかも現像ロール15aには、直流現像バイアスVDが供給されているために、現像ロール15aは現像電位VBに設定されている。このため、現像ロール15aから感光体ドラム12に対し、静電潜像のうち露光電位VLとなっている画像部に、選択的にトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、黒の画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kでは第1トナーT1:金、銀の画像形成ユニット11G、11Sでは第2トナーT2)が転移する。その結果、現像領域を通過した感光体ドラム12上には、静電潜像に対応した色のトナー像が現像される。
そして、このようにして感光体ドラム12上に現像されたトナー像は、感光体ドラム12の回転に伴って、一次転写ロール21と対向する転写位置に移動し、中間転写ベルト20に一次転写される。
ここで、本実施の形態では、特殊色のトナー像を形成する金、銀の画像形成ユニット11G、11Sにおいて、第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2のキャリア抵抗値を、第1現像剤D1を構成する第1キャリアC1のキャリア抵抗値よりも高い9.5logΩ以上とした。また、本実施の形態では、特殊色のトナー像を形成する金、銀の画像形成ユニット11G、11Sで使用する交流現像バイアスVAの大きさすなわち第2交流値VA2を、通常色のトナー像を形成するイエロー、マゼンタ、シアン、黒の画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kで使用する交流現像バイアスVAの大きさすなわち第1交流値VA1よりも小さくした。
次に、この理由について説明を行う。
本発明者は、導電性顔料Mを含む第2トナーT2と組み合わせて第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2として適切な特性を探るため、以下に示す各種実験を行った。
図7は、実験で使用した、第2キャリアC2を構成する各サンプルの体積平均粒径およびキャリア抵抗値を示した図である。なお、ここでは、5つのサンプル(S1〜S5)を準備した。図7は、各サンプルの名称と、各サンプルの体積平均粒径(μm)と、各サンプルのキャリア抵抗値(logΩ)との関係を示している。そして、各サンプルのキャリア抵抗値については、高温高湿環境での測定結果と低温低湿環境での測定結果とを示した。ここで、高温高湿環境は上述したように28℃/85%RHである。一方、低温低湿環境は、10℃/15%RHである。
第1サンプルS1は、体積平均粒径が35μm、高温高湿環境におけるキャリア抵抗値が8.5logΩ、低温低湿環境におけるキャリア抵抗値が8.5logΩである。
第2サンプルS2は、体積平均粒径が35μm、高温高湿環境におけるキャリア抵抗値が9.5logΩ、低温低湿環境におけるキャリア抵抗値が10.3logΩである。
第3サンプルS3は、体積平均粒径が35μm、高温高湿環境におけるキャリア抵抗値が10.0logΩ、低温低湿環境におけるキャリア抵抗値が12.0logΩである。
第4サンプルS4は、体積平均粒径が35μm、高温高湿環境におけるキャリア抵抗値が11.0logΩ、低温低湿環境におけるキャリア抵抗値が14.0logΩである。
第5サンプルS5は、体積平均粒径が55μm、高温高湿環境におけるキャリア抵抗値が9.5logΩ、低温低湿環境におけるキャリア抵抗値が10.3logΩである。なお、第5サンプルS5は、第2サンプルS2と同じ材料を用い、体積平均粒径を大きくした(35μm→55μm)ものである。
ここで、第1サンプルS1〜第5サンプルS5に関し、高温高湿環境におけるキャリア抵抗値の大小関係に着目すると、S1<S2=S5<S3<S4の順となっている。
次に、上記各サンプルを第2キャリアC2として含む第2現像剤D2を用いて行った、各種実験について説明を行う。
[実験1]
本発明者は、図1に示す画像形成装置1のうちの1つの画像形成ユニット11を用い、第2現像剤D2のトナー濃度TCを5%〜9%の範囲で変化させたときの、背景部(感光体ドラム12上で帯電電位VHとなる領域)に対するトナーかぶりの発生状態について評価を行った。この実験においては、帯電電位VHを−750Vに、露光電位VLを−250Vに、現像電位VB(直流現像バイアスVD)を−550Vに、それぞれ設定した。また、この実験では、現像バイアスにおける交流現像バイアスVAの大きさ(ピークトゥピーク値)を、1000Vまたは0Vとした。なお、この実験では、第2トナーT2とともに第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2として、第1サンプルS1〜第4サンプルS4を用いた。
図8は、実験1の結果を示す図である。より具体的に説明すると、図8は、交流現像バイアスVAの大きさ(V)と、各サンプルの名称と、トナー濃度TC=5%、6%、7%、8%。9%のそれぞれにおけるトナーかぶり評価結果との関係を示している。なお、トナーかぶり評価結果において、「A」はトナーかぶりが生じなかったことを、「B」は若干トナーかぶりが生じたことを、「C」はトナーかぶりが生じたことを、それぞれ意味している。また、トナーかぶり評価結果において、「−」は実験そのものを行っていないことを意味している。
交流現像バイアスVAを1000Vに設定した場合には、第1サンプルS1〜第4サンプルS4のすべてにおいてトナーかぶりが生じた。これに対し、交流現像バイアスVAを0Vに設定した場合には、第1サンプルS1においてトナーかぶりが生じたものの、第2サンプルS2〜第4サンプルS4においてトナーかぶりは生じなかった。
図7に示したように、第1サンプルS1は、第2サンプルS2〜第4サンプルS4に比べて、高温高湿環境におけるキャリア抵抗値が低い。これは、第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2のキャリア抵抗値が8.5logΩ程度であると、現像バイアスの供給に伴って第2現像剤D2に流れる電流量が多くなり、第2トナーT2に電荷注入が生じることに伴って、第2トナーT2の一部が通常とは逆極性(ここでは正極性)に帯電することで、背景部に転移してトナーかぶりを生じさせる第2トナーT2の量が増加しているものと考えられる。なお、第2現像剤D2におけるトナー濃度TCが高くなるほど、第2現像剤D2全体の抵抗値が低下することから、現像バイアスの供給に伴って第2現像剤D2に流れる電流量が多くなる分、トナーかぶりは生じやすくなる。そこで、本実施の形態では、導電性顔料Mを含む第2トナーT2とともに第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2のキャリア抵抗値を9.5logΩ以上に設定することとした。
また、この実験から、第2現像剤D2を用いる場合の交流現像バイアスVAの大きさを、第1現像剤D1を用いる場合の交流現像バイアスVAの大きさ(第1交流値VA1)と同じにすると、トナーかぶりが生じることがわかった。
[実験2]
次に、本発明者は、図1に示す画像形成装置1のうちの1つの画像形成ユニット11を用い、トナー濃度TCを9%に固定した状態で交流現像バイアスVAの大きさを変化させたときの、背景部(感光体ドラム12上で帯電電位VHとなる領域)に対するトナーかぶりの発生状態について評価を行った。この実験においても、帯電電位VHを−750Vに、露光電位VLを−250Vに、現像電位VB(直流現像バイアスVD)を−550Vに、それぞれ設定した。なお、この実験では、第2トナーT2とともに第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2として、第2サンプルS2を用いた。
図9は、実験2の結果を示す図である。より具体的に説明すると、図9は、交流現像バイアスVAの大きさ(V)と、トナーかぶり評価結果との関係を示している。なお、トナーかぶり評価結果については、図8で説明したものと同じである。
交流現像バイアスVAを0Vあるいは200Vに設定した場合には、トナーかぶりは生じなかった。これに対し、交流現像バイアスVAを400Vに設定した場合にはトナーかぶりが生じた。
ここで、交流現像バイアスVAを0Vあるいは200Vに設定した場合は、直流現像バイアスVDに交流現像バイアスVAを重畳した結果として得られる現像バイアスの極大値VAmaxおよび極小値VAminが、帯電電位VHおよび露光電位VLを超えない状態となる(図5(b)参照)。これに対し、交流現像バイアスVAを400Vに設定した場合には、直流現像バイアスVDに交流現像バイアスVAを重畳した結果として得られる現像バイアスの極大値VAmaxおよび極小値VAminが、帯電電位VHおよび露光電位VLを超える状態となる。すなわち、交流現像バイアスVAを1000Vに設定した場合と似た状態となる(図5(a)参照)。そして、導電性顔料Mで着色された第2トナーT2を含む第2現像剤D2では、このような状態が発生した場合に、通常とは逆極性に帯電する第2トナーT2の量が増加するものと考えられる。そこで、本実施の形態では、特殊色のトナー像を形成する金、銀の画像形成ユニット11G、11Sで使用する交流現像バイアスVAの大きさを、帯電電位VH、露光電位VLおよび現像電位VBとの関係に基づいて200V(=第1交流値VA1)とした。ただし、この結果からも明らかなように、金、銀の画像形成ユニット11G、11Sで使用する交流現像バイアスVAの大きさについては、0(ゼロ)であってもかまわない。
[実験3]
本発明者は、図1に示す画像形成装置1のうちの1つの画像形成ユニット11を用い、第2現像剤D2のトナー濃度TCを4.5%〜9%の範囲で変化させたときの、画像部(感光体ドラム12上で露光電位VLとなる領域)に対するトナーの転移量について評価を行った。この実験においても、帯電電位VHを−750Vに、露光電位VLを−250Vに、現像電位VB(直流現像バイアスVD)を−550Vに、それぞれ設定した。また、この実験では、第2トナーT2とともに第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2として、第1サンプルS1、第2サンプルS2、第4サンプルS4および第5サンプルS5を用いた。なお、この実験では、第1サンプルS1については、現像バイアスにおける交流現像バイアスVAの大きさ(ピークトゥピーク値)を、1000Vまたは0Vとする一方、第2サンプルS2、第4サンプルS4および第5サンプルS5については、現像バイアスにおける交流現像バイアスVAの大きさ(ピークトゥピーク値)を0Vとした。
図10は、実験3の結果を示す図である。より具体的に説明すると、図10は、横軸をトナー濃度TC(%)とし、縦軸を感光体ドラム12の画像部に転移したトナーの量(DMA)(g/m)とするグラフ図である。
第1サンプルS1に関し、交流現像バイアスVAを1000Vにしたときと0Vにしたときとを比較すると、後者の傾きがより小さくなっていることがわかる。ここで、傾きが小さいということは、現像器15内でのトナー濃度TCの変動に対する感光体ドラム12上のトナー転移量(画像濃度)の変動が少ないことを意味する。したがって、交流現像バイアスVAを小さく(あるいはなくす)ことにより、トナー濃度TCの変動に対する感光体ドラム12上での画像濃度の変動を抑制できることになる。
次に、交流現像バイアスVAを0Vとしたときの、第1サンプルS1、第2サンプルS2、第4サンプルS4および第5サンプルS5を比較すると、第1サンプルS1の傾きに対し、第2サンプルS2、第4サンプルS4および第5サンプルS5の傾きがより小さくなっていることがわかる。したがって、第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2として、第1サンプルS1よりもキャリア抵抗値が高い第2サンプルS2、第4サンプルS4あるいは第5サンプルS5を使用することにより、トナー濃度TCの変動に対する感光体ドラム12上での画像濃度の変動を抑制できることになる。
[実験4]
本発明者は、図1に示す画像形成装置1のうちの1つの画像形成ユニット11を用い、第2現像剤D2のトナー濃度TCを9%で固定し且つ交流現像バイアスVAを0Vに設定したときの、画像部(感光体ドラム12上で露光電位VLとなる領域)に対するトナーの転移量について評価を行った。この実験においても、帯電電位VHを−750Vに、露光電位VLを−250Vに、現像電位VB(直流現像バイアスVD)を−550Vに、それぞれ設定した。また、この実験では、第2トナーT2とともに第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2として、第1サンプルS1〜第5サンプルS5を用いた。
図11は、実験4の結果を示す図である。より具体的に説明すると、図11は、横軸をキャリア抵抗値(logΩ)とし、縦軸を感光体ドラム12の画像部に転移したトナーの量(DMA)(g/m)とするグラフ図である。
図7にも示したように、第1サンプルS1は、第2サンプルS2〜第5サンプルS5に比べて、高温高湿環境におけるキャリア抵抗値が低い。これは、第2現像剤D2を構成する第2キャリアC2のキャリア抵抗値が8.5logΩ程度であると、第2キャリアC2のキャリア抵抗値を9.5logΩ以上とした場合に比べて、DMAが増加してしまうものと考えられる。
なお、上記実験1〜3では、帯電電位VHを−750Vに、露光電位VLを−250Vに、現像電位VB(直流現像バイアスVD)を−550Vに、それぞれ設定した場合を例として説明を行った。ただし、これに限られるものではなく、これらが図4に示す関係を満たすものであれば、その値については変更してかまわない。
1…画像形成装置、10…画像形成部、11(11Y、11M、11C、11K、11G、11S)…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、13…帯電器、14…露光器、15…現像器、16…ドラムクリーナ、17…トナー貯蔵容器、50…主制御部、D1…第1現像剤、C1…第1キャリア、T1…第1トナー、D1…第2現像剤、C2…第2キャリア、T2…第2トナー、M…導電性顔料、VH…帯電電位、VL…露光電位、VB…現像電位、VD…直流現像バイアス、VA…交流現像バイアス、VA1…第1交流値、VA2…第2交流値、Vdeve…飛翔電位差、Vcf…逆飛翔電位差、Vi…潜像電位差

Claims (4)

  1. 有機顔料で着色された第1トナーと抵抗値が第1抵抗値に設定された第1キャリアとを含む第1現像剤を用いて、静電潜像を現像する第1現像部と、
    金属粒子を含み且つ前記有機顔料よりも導電性が高い導電性顔料で着色された第2トナーと抵抗値が前記第1抵抗値よりも高く且つ9.5logΩ以上となる第2抵抗値に設定された第2キャリアとを含む第2現像剤を用いて、静電潜像を現像する第2現像部と、
    前記第1現像部に直流成分および交流成分を含む第1現像バイアスを供給し、前記第2現像部に直流成分を含み且つ交流成分を含まない第2現像バイアスを供給する供給部と
    を有し、
    前記導電性顔料は、針状あるいは短冊状の形状を有しており、
    前記第1トナーは、球に近い形状を有しており、
    前記第2トナーは、長径側と短径側とが設けられることで、ラグビーボールあるいは俵に近い形状を有していることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2トナーの体積平均粒径が、前記第1トナーの体積平均粒径よりも大きく、
    前記第2トナーの前記長径側の体積平均粒径が、前記第1トナーの体積平均粒径よりも大きく、
    前記第2トナーの前記短径側の体積平均粒径が、前記第1トナーの体積平均粒径よりも大きいこと
    を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記第2キャリアの抵抗値が11.0logΩ以下であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記第1キャリアおよび前記第2キャリアの体積平均粒径が同じ大きさであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
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