JP6395720B2 - ヒスタミン平衡の回復方法 - Google Patents

ヒスタミン平衡の回復方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6395720B2
JP6395720B2 JP2015546450A JP2015546450A JP6395720B2 JP 6395720 B2 JP6395720 B2 JP 6395720B2 JP 2015546450 A JP2015546450 A JP 2015546450A JP 2015546450 A JP2015546450 A JP 2015546450A JP 6395720 B2 JP6395720 B2 JP 6395720B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
histamine
dose
segment
receptor
administration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015546450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016505562A (ja
JP2016505562A5 (ja
Inventor
クリスチャン アーヌー
クリスチャン アーヌー
Original Assignee
バイオヘルソノミックス インク.
バイオヘルソノミックス インク.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バイオヘルソノミックス インク., バイオヘルソノミックス インク. filed Critical バイオヘルソノミックス インク.
Publication of JP2016505562A publication Critical patent/JP2016505562A/ja
Publication of JP2016505562A5 publication Critical patent/JP2016505562A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6395720B2 publication Critical patent/JP6395720B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/41641,3-Diazoles
    • A61K31/417Imidazole-alkylamines, e.g. histamine, phentolamine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/06Antimigraine agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/08Antiepileptics; Anticonvulsants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/14Drugs for disorders of the nervous system for treating abnormal movements, e.g. chorea, dyskinesia
    • A61P25/16Anti-Parkinson drugs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Psychology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

関連出願の相互参照
本願は、2012年12月5日付、米国仮特許出願第61/733,630号の利益を主張するものであり、その全開示を本明細書において参照により援用する。
本発明の幾つかの実施形態は、概してヒスタミン平衡の回復方法に関するものである。特に、幾つかの実施形態は、様々な疾病または障害を処置するためにヒスタミンレベルを正常範囲まで回復させることに関するものである。
化学的には2−(1H−イミダゾール−4−イル)エタンアミンとも称されるヒスタミンは、2個の炭素原子の鎖により連結されたイミダゾール環およびアミノ基により構成される(図1参照)。ヒスタミンは、アミノ酸ヒスチジンの脱炭酸産物であり、外来病原体に対する局所免疫応答と関連している。例えば、マスト細胞または白血球の顆粒は、損傷またはアレルゲンへの曝露時に放出されるヒスタミンを生成および/または蓄積する。ヒスタミンはまた、神経伝達物質として機能し、胃における胃酸分泌経路においてある一定の役割を演じる。
ヒスタミン系の調節不全または平衡失調は様々な病態および症状の主因であり得、それらの病態および症状の多くが消耗性または生命破壊的であり得る。例えば、異常に高いヒスタミンレベルは、過度のアレルギー(またはアレルゲンに対する過剰応答)、機能亢進、強制的または強迫的行動、眩暈、内耳圧、抑うつ症、不安、パニック発作、片頭痛、情緒的感受性の鋭敏化および/または自殺願望をもたらし得る。ヒスタミンレベルが低下すると、代謝低下および/または体重増加、パラノイア、誇張、幻覚(例、古典的統合失調症症状)、耳鳴、多毛症、視覚および聴覚異常、不安および食物過敏症に至り得る。失われた社会的生産性および/または医療システムへの負担に関連した、ヒスタミンの平衡失調がもたらす潜在的コスト(感情面および財政面の両方)は、個人に対してであれ、家族に対してであれ、計り知れないものである。
本発明の幾つかの実施形態は、1種以上のヒスタミン受容体の発現および/または活性をアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションする作用物質の使用に関するものである。天然に存在するかまたは合成的なヒスタミンアゴニストおよびアンタゴニストを、幾つかの実施形態で提供する。例えば、一実施形態では、ヒスタミン用量漸増法を、正常なヒスタミン機能を回復させるのに使用する。幾つかの実施形態では、ヒスタミンレベルが不十分であるかまたは過剰である患者においてヒスタミン機能を回復させるための投薬レジメンが有用であり、これらの投薬レジメンはヒスタミン平衡失調が原因となる役割を演じている何らかの障害を処置または予防するのに使用され得る。
ヒスタミンを、多くの実施形態において治療剤として使用するが、本発明はヒスタミンの投与に限定されるわけではない。例えば、ヒスタミンの効果を模倣する治療剤を一部の実施形態では使用する。ヒスタミンアゴニスト、アンタゴニスト、およびヒスタミン受容体と相互作用するか、またはこれらを妨害する他の作用物質を幾つかの実施形態では治療剤として使用する。治療剤は、例えば、症状の進行の停止をもたらし得るか、または症状の発現または重症度を低減させるかまたは阻止し得る。驚くべき汎用性のある投薬レジメンがヒスタミンまたは他の治療剤の投与のために開発されており、その投薬レジメンは、幾つかの実施形態では逐次的投薬区分を拠り所とする。幾つかの実施形態では、各区分は複数の漸増用量を含む。例えば、一実施形態では、投薬レジメンは複数の投薬区分を含み、それぞれが複数の用量を含むものとし、各区分は、どの用量についても同じ体積およびどの用量の間でも同じ時間間隔により規定されるが、治療剤(例、ヒスタミン)の濃度は、用量ごとに増やされ、各連続区分は、前の区分よりも大きな投薬体積および用量間でのより長い時間間隔により規定される。本明細書で使用される、ヒスタミンまたは他の治療剤の投与は、その医薬的に許容し得る塩(例えば、ヒスタミンリン酸塩、ヒスタミン二塩酸塩または他の任意のヒスタミン塩など)の投与を含む。すなわち、ヒスタミンの投与と言えば、幾つかの実施形態では薬理学的に許容し得る塩および形態の投与を包含する。ヒスタミン受容体活性化因子は、ヒスタミン(およびその薬理学的に許容し得る塩および他の形態)を含むが、これに限定される訳ではない。
すなわち、幾つかの実施形態において、本発明は、(a)1以上の均等時間間隔(「第1時間間隔」)をあけた治療剤(例、ヒスタミン)の2以上の逐次用量を含む第1投薬区分であって、用量ごとにヒスタミン濃度が増加する用量でありながら、各用量の投与体積は一定のままである第1投薬区分、および(b)1以上の均等時間間隔(「第2時間間隔」)をあけた治療剤(例、ヒスタミン)の2以上の逐次用量を含む第2投薬区分であって、用量ごとに濃度が増加する用量でありながら、各用量の投与体積は一定のままである第2投薬区分を順次含む漸増投薬レジメンであって、第2投薬区分での各用量の体積が第1投薬区分での各用量の体積よりも大きく、第2時間間隔が第1時間間隔よりも長い漸増投薬レジメンを含むかまたはこの投薬レジメンにより本質的に構成される。幾つかの実施形態において、本発明は、ヒスタミンレベルを増加または減少させるための多変量アプローチを含む。生理学的パラメータをより微細に調整することができるため、多変量アプローチは幾つかの実施形態において有益である。例えば、ある種のヒスタミン受容体の選択的活性化を達成し、かつ他のヒスタミン受容体については実質的に影響を受けない状態にしておくように、細胞分布および受容体接触を調節することができる。
幾つかの実施形態において、本発明は、(i)対象に0.01pg〜10pgの範囲で第1用量の治療剤(例えばヒスタミンまたはヒスタミン塩)を投与することにより、ヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体の少なくとも1つから成る群から選択されるヒスタミン受容体を活性化すること、(ii)第2用量の治療剤を投与することにより、ヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体の少なくとも1つから成る群から選択されるヒスタミン受容体を活性化すること、(iii)第3用量の治療剤を投与することによりヒスタミンH1受容体を活性化すること、および(iv)第4用量の治療剤を投与することによりヒスタミンH2受容体を活性化することを含むか、またはこれらにより本質的に構成される第1治療区分の適用を含む。治療剤の総量が第1治療区分で与えられた総量よりも大きい、個別用量を有する第2治療区分をさらに適用する。治療剤の総量が第2治療区分で与えられた総量よりも大きい、個別用量を有する第3治療区分をさらに適用する。総用量の漸増を伴う第4、第5、第6などの治療区分も所望により適用してもよい。一実施形態において、本発明は、第1治療区分については約200ng〜600ngの範囲、第2治療区分ではその2倍程度、および第3治療区分では(第2治療区分と比較して)1.5倍程度の総量(単回使い捨てバイアル、注射器またはアンプルで提供され得る)で提供される治療剤(例えばヒスタミンまたはヒスタミン塩)を含むか、または本質的にこれで構成されるキットまたはレジーム(regime)を包含する。一例として、治療区分の総量が1000ngである場合、1ng、10ng、100ngおよび889ngの個別用量の4バイアルが提供され得る。これらの用量の体積はまた、幾つかの実施形態では改変されている。体積が増えると異なる分布および/または薬物動態プロファイルが得られるため、一部の実施形態では様々な体積が特に有益である。一部の実施形態では、各治療区分で与えられた総量の割合は、1:2:3(3区分の場合)、1:2:3:4(4区分の場合)、1:2:3:4:5(5区分の場合)である。一部の実施形態において、所定の治療区分内における個別用量の割合は1:103:106:3.5×106である。
一部の実施形態では、本方法を、ヒスタミンの平衡失調を処置するために使用する(この平衡失調は、血流および/または尿中の最適下限または最適上限ヒスタミンレベル、および/またはヒスタミン平衡失調の他の症状または特質により立証される)。したがって、幾つかの実施形態では、(ヒスタデリアの場合のように)最適なヒスタミン機能に要求されるレベルより高いヒスタミンレベルを有する対象(例、ヒト患者)においてヒスタミンレベルを低下させる方法であって、本明細書で開示されている投薬レジメンにしたがって前記対象にヒスタミンを投与することを含む方法を提供する。
本明細書で使用されている、「処置する」および「処置」の語には、その通常の意味を与えるものとし、これらの語はまた、疾患、病的状態または障害の治癒、改良、安定化または阻止を意図して患者に治療を行うことを含む。これらの語は、積極療法(例、具体的に疾患、病的状態または障害の改善を指向した処置)および原因療法(例、関連疾患、病的状態または障害の原因の除去を指向した処置)を含む。さらに、これらの語はまた、緩和的処置(例、症状を軽減するために設計された処置)、予防的処置(例、関連疾患、病的状態または障害の発現を最小限にするか、部分的または完全に阻害することを指向した処置)および支持療法(例、関連疾患、病的状態または障害の改善を指向した別の特定治療を補うために採られる処置)も含むものとする。
幾つかの実施形態において、本発明は、ヒスタミン受容体、すなわちH1、H2、H3およびH4の選択的活性化および不活化を含む。幾つかの実施形態では、ヒスタミン、またはこれらの受容体と結合するかこれらの受容体を遮断するか、またはヒスタミン(内因性または外因性ヒスタミン)が受容体と結合する能力を増加または減少させる他の治療剤を使用する。一部の実施形態において、本発明は、H1受容体のダウンレギュレーションおよびH2、H3およびH4受容体のうちの1つ、2つまたは全部のアップレギュレーションを含む。幾つかの実施形態において、本発明は、内因性ヒスタミン系を調節する治療剤を含む。幾つかの実施形態による本明細書記載の投薬スケジュールにおいて、これらの治療剤を提供する。したがって、ヒスタミン受容体に直接影響を及ぼすことをせずに(または及ぼすことに加えて)、ヒスタミンの製造、放出、修飾、取り込みまたは分解を増加または減少させる治療剤を提供する。一実施形態では、選択的ヒスタミン再取り込み阻害剤を使用する。一部の実施形態では、メチルトランスフェラーゼおよび/またはジアミンオキシダーゼをアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションする治療剤を用いて、内因性ヒスタミンを減少または増加させる。一部の実施形態では、メチルトランスフェラーゼおよび/またはジアミンオキシダーゼを含む組成物、または類似機能をもつ作用物質を提供する。
幾つかの実施形態では、内因性GABAを調節する治療剤を提供しており、このGABAがヒスタミンの内因的放出に影響を及ぼす。一実施形態では、ヒスタミン放出が、GABA−Aおよび/またはGABA−B受容体を通じて内因性GABAにより調節される。一実施形態では、GABA−B受容体またはヒスタミン放出を(例えば、前シナプス的または後シナプス的に)調節するヒスタミン作用性神経末端に位置する他の受容体を調節する治療剤を提供する。
幾つかの実施形態では、(ヒスタペニアの場合のように)最適なヒスタミン機能に要求されるレベルより低いヒスタミンレベルを有する対象(例、ヒト患者)においてヒスタミンレベルを増加させる方法であって、本明細書で開示されている投薬レジメンにしたがって対象に治療剤(例、ヒスタミン)の治療有効量を投与することを含む方法も提供する。本明細書で使用される、「治療有効量」の語には、その通常の意味を与えるものとし、この語はまた望ましい生物学的応答を誘発するのに十分な治療剤の量を包含するものとする。実施形態によって、治療有効量は、患者の年齢、性別および体重、および/または患者の現医学的状態により異なり得る。
幾つかの実施形態では、連続治療区分で投与される複数用量を通してヒスタミン受容体の活性を正常化することにより対象におけるヒスタミン平衡を回復させる方法であって、第1治療区分、すなわち、第1用量のヒスタミン受容体活性化因子を対象に投与することによりヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体のうちの1つ以上を活性化すること、第2用量のヒスタミン受容体活性化因子を対象に投与することによりヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体のうちの1つ以上を活性化すること、第3用量のヒスタミン受容体活性化因子を対象に投与することによりヒスタミンH1受容体を活性化すること、第4用量のヒスタミン受容体活性化因子を対象に投与することによりヒスタミンH2受容体を活性化することを含む第1治療区分を適用すること、および第1治療区分での投与量よりも多量のヒスタミン受容体活性化因子を投与することを含む第2治療区分を適用すること、および第2治療区分での投与量よりも多量のヒスタミン受容体活性化因子を投与することを含む第3治療区分を適用することを含む方法もまた提供する。幾つかの実施形態では、各連続治療区分で増加しているヒスタミン受容体活性化因子の投与量により、ヒスタミンH1受容体の活性が抑制され、ヒスタミンH2、H3およびH4受容体から成る群から選択されるヒスタミン受容体の活性が高められ、それによってヒスタミン受容体の活性が正常化されることにより、ヒスタミン平衡が回復される。
幾つかの実施形態では、連続治療区分で投与される複数用量を通してヒスタミン受容体の活性を正常化することにより対象におけるヒスタミン平衡を回復させる方法であって、第1治療区分、すなわち、ヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体から成る群から選択されるヒスタミン受容体と結合する治療剤の第1用量を対象に投与すること(第1用量の治療剤を対象に投与することによる)、ヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体から成る群から選択されるヒスタミン受容体と結合する治療剤の第2用量を対象に投与すること(第2用量の治療剤を対象に投与することによる)、ヒスタミンH1受容体と結合する治療剤の第1用量を対象に投与すること(第3用量の治療剤を対象に投与することによる)、ヒスタミンH2受容体と結合する治療剤の第1用量を対象に投与すること(第4用量の治療剤を対象に投与することによる)を含む第1治療区分を対象に適用すること、第2治療区分、すなわち第1治療区分での投与量よりも多量の治療剤を投与することを含む第2治療区分を対象に適用すること、および第3治療区分、すなわち第2治療区分での投与量よりも多量の治療剤を投与することを含む第3治療区分を対象に適用することを含む方法もまた提供する。
また、幾つかの実施形態では、ヒスタミンH1受容体をダウンレギュレーションする方法であって、ヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体から成る群から選択されるヒスタミン受容体と結合する治療剤の第1用量を対象に投与すること(第1用量の該治療剤を対象に投与することによる)、ヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体から成る群から選択されるヒスタミン受容体と結合する治療剤の第2用量を対象に投与すること(第2用量の該治療剤を対象に投与することによる)、ヒスタミンH1受容体と結合する治療剤の第1用量を対象に投与すること(第3用量の該治療剤を対象に投与することによる)、ヒスタミンH2受容体と結合する治療剤の第1用量を対象に投与すること(第4用量の該治療剤を対象に投与することによる)を含む、第1治療区分を適用すること、第2(治療)区分、すなわち第1治療区分での投与量よりも多量の治療剤を投与することを含む第2治療区分を対象に適用すること、および第3治療区分、すなわち第2治療区分での投与量よりも多量の治療剤を投与することを含む第3治療区分を対象に適用することを含む方法を提供しており、各連続治療区分で増加している治療剤の投与量により、ヒスタミンH1受容体の活性がダウンレギュレーションされる。所望により、追加の治療区分を同様に適用することができる。
幾つかの実施形態では、ヒスタミン受容体活性化因子は、変更された濃度(例、先行投与と比べて増加された濃度)、変更された体積(例、先行投与と比べて増加された濃度)、または変更されたタイミング(例、投与頻度が連続的区分で低減される)のうちの1つ以上で投与される。幾つかの実施形態では、細胞分布および受容体接触を調整することができるため、3変量アプローチが有益である。この方法で、受容体の選択的活性化が達成できる。さらに、幾つかの実施形態では、処置されている状態によって、受容体活性化の順序を改変することができる。例えば、幾つかの実施形態では、治療剤は、H1受容体を優先的に活性化するか、またはH1受容体と優先的に結合し、対象におけるヒスタミンレベルを増加させるのに(例えば、ヒスタペニアを処置するのに)十分な用量で投与され得る。別法として、治療剤は、H3受容体を優先的に活性化するか、またはH3受容体と優先的に結合するのに十分な用量で投与され得る(幾つかの実施形態では、例えばヒスタデリアを処置するときなど、ヒスタミンH1受容体の活性および/または発現を抑制し、ヒスタミンレベルの低下を引き起こす)。
幾つかの実施形態では、治療剤および/またはヒスタミン受容体活性化因子はヒスタミンを含む。幾つかの実施形態では、ヒスタミン受容体活性化因子は、ヒスタミン二リン酸塩、ヒスタミンリン酸塩およびヒスタミン二塩酸塩から成る群から選択されるヒスタミン塩を含む。実施形態によっては、これらの塩またはヒスタミンの他の様々な塩の組み合わせを使用してもよい。
幾つかの実施形態では、前記連続治療区分(例、第2、第3などの治療区分)は、ヒスタミン受容体活性化因子の少なくとも第1用量、第2用量、第3用量および第4用量を含む。所望により、幾つかの実施形態は、少なくとも第4治療区分の適用を含み、この第4治療区分は、第3治療区分での投与量より多量のヒスタミン受容体活性化因子を投与することを含む。
幾つかの実施形態では、第1治療区分でのヒスタミン受容体活性化因子の総用量は、約100ng〜700ngの範囲であり、約200ng〜約600ng、約300ng〜約500ng、約400ng、およびそれらの重複する範囲が含まれる。幾つかの実施形態では、第2治療区分でのヒスタミン受容体活性化因子の総用量は、約600ng〜約1000ngの範囲であり、約600ng〜約800ng、約650ng〜約1000ng、約800ng〜約1000ng、およびそれらの重複する範囲が含まれる。幾つかの実施形態では、第3治療区分でのヒスタミン受容体活性化因子の総用量は、約1050ng〜約1600ngの範囲であり、約1050ng〜約1200ng、約1200ng〜約1300ng、約1300ng〜約1400ng、約1400ng〜約1500ng、約1500ng〜約1600ng、約1050ng〜約1500ng、およびそれらの重複する範囲が含まれる。幾つかの実施形態では、多変量アプローチを用いてこれらの用量を様々な体積で提供しており、その結果、一部の実施形態では、ある種のヒスタミン受容体が他のヒスタミン受容体より大きな程度まで活性化されている。例えば、本発明の幾つかの実施形態では、表1における親和性を活用することにより、標的とされ、制御されたヒスタミン受容体活性化パターンを誘導する。
幾つかの実施形態では、第2治療区分は第1治療区分より時間が長く、第3治療区分は第2治療区分よりも時間が長い。追加の治療区分を適用する実施形態では、連続治療区分は、所望によりそれに先行する区分より持続時間が長い(例、連続する各区分は持続時間がより長い)。幾つかの実施形態では、連続する区分の持続時間の増加により(前の区分と比較して)投与頻度が低減するように、治療剤(例、ヒスタミン受容体活性化因子)の投与頻度は区間を通して一定のままである。例を挙げると、幾つかの実施形態では、第1治療区分は10〜16日間にわたって行われ、第2治療区分は20〜35日間にわたって行われ、第3治療区分は38〜50日間にわたって行われる。さらなる実施形態では、第1治療区分を所望により圧縮した時間枠で適用してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1治療区分を構成する用量を、幾つかの実施形態では、短縮された時間枠(例、約30秒間〜約5分間)内で投与する。その結果、様々な受容体の調節が低減された時間枠で行われ、そして一部の実施形態では、同時に行われる。かかる実施形態では、第1治療区分は、有利には同時受容体調節により本レジメンを「ジャンプスタートさせる」。幾つかの実施形態では、第1治療区分は、その区分内における各用量の同時送達を含む。幾つかの実施形態では、第1治療区分を圧縮して、約1〜2分間、約2〜3分間、約3〜4分間、約4〜5分間、約5〜10分間、約10〜20分間、約20〜30分間およびそれらの重複する範囲の時間にわたって行う。
幾つかの実施形態では、治療剤(例、ヒスタミン受容体活性化因子)の投与は、ヒスタミンまたはヒスタミン塩の皮下注射を含み、その場合、第1治療区分の総用量は約200ng〜約600ngであり、第2治療区分の総用量は約650ng〜約1000ngであり、第3治療区分の総用量は約1050ng〜約1500ngであり、第2治療区分は、第1治療系より長く、第3治療区分は第2治療系より長い。
追加の実施形態では、治療剤(例、ヒスタミン受容体活性化因子)の投与は、静脈内注射を含む。さらなる実施形態では、治療剤(例、ヒスタミン受容体活性化因子)は、経口送達経路により投与される。幾つかの実施形態では、治療剤(例、ヒスタミン受容体活性化因子)の投与は、皮下、動脈内、静脈内およびそれらの組み合わせから成る群から選択される経路を含む。実施形態によっては、所定の区分を第1投与経路(例、皮下)により送達してもよく、別の区分を異なる経路(例、経口)により送達する。幾つかの実施形態では、投与経路の修正により、単一投与経路に伴う副作用の危険性が低減する。さらに、幾つかの実施形態において、投与経路を変えることにより、ある臓器バンクではヒスタミン受容体の割合をより大きな割合に到達させることができる。例えば、経口投与は、静脈内投与よりも大きな程度まで消化管におけるヒスタミン受容体活性の平衡の回復を促進し得る。幾つかの実施形態では、治療剤を非侵襲性投与経路により送達する。幾つかの実施形態では、治療剤は自己投与される。幾つかの実施形態では、治療剤は、例えば看護師、医師、ホスピス介護福祉士、および/または別の医療提供者により投与され、また一部の実施形態では、治療剤を医療専門家ではない個人(例、例えば知人、家族、配偶者などの非医療専門家)により投与される。
幾つかの実施形態において、治療を受けている対象は片頭痛を起こしやすく、ヒスタミン平衡の回復により、片頭痛の持続時間、頻度および/または強度が低減される。
幾つかの実施形態において、治療を受けている対象はヒスタデリアを有し、ヒスタミン平衡の回復によりヒスタデリアが処置される。幾つかの実施形態において、治療を受けている対象はヒスタペニアを有し、ヒスタミン平衡の回復により、ヒスタペニアが処置される。
幾つかの実施形態では、治療剤(例、ヒスタミン受容体活性化因子)は、液体製剤として提供される。幾つかの実施形態では、第1治療区分におけるヒスタミン受容体活性化因子の第1用量は、約0.5pg/mL、約1pg/mL、約2pg/mL、約3pg/mL、約4pg/mL、約5pg/mL、約6pg/mL、約7pg/mL、約8pg/mL、約9pg/mL、約10pg/mL、およびそれらの間の濃度を含む、約0.1pg/mLから約10pg/mLまでの範囲の濃度を有する。
幾つかの実施形態では、第1治療区分におけるヒスタミン受容体活性化因子の第2用量は、約0.5ng/mL、約1.0ng/mL、約2ng/mL、約3ng/mL、約4ng/mL、約5ng/mL、約6ng/mL、約7ng/mL、約8ng/mL、約9ng/mL、約10ng/mL、およびそれらの間の濃度を含む、約0.1ng/mLから約10ng/mLまでの範囲の濃度を有する。
幾つかの実施形態では、第1治療区分におけるヒスタミン受容体活性化因子の第3用量は、約0.1μg/mL、約0.5μg/mL、約1μg/mL、約1.5μg/mL、約2μg/mL、約2.5μg/mL、約3μg/mL、約3.49μg/mL、およびそれらの間の濃度を含む、約0.1μg/mLから約3.49μg/mLまでの範囲の濃度を有する。
幾つかの実施形態では、第1治療区分におけるヒスタミン受容体活性化因子の第4用量は、約0.35μg/mL、約.75μg/mL、約1μg/mL、約1.5μg/mL、約2μg/mL、約2.5μg/mL、約3μg/mL、約3.5μg/mL、約4μg/mL、約4.5μg/mL、約5μg/mL、約6μg/mL、約7μg/mL、約8μg/mL、約9μg/mL、約10μg/mL、およびそれらの間の濃度を含む、約0.35μg/mLから約10μg/mLまでの範囲の濃度を有する。
幾つかの実施形態では、第1治療区分における各用量の体積は、約0.1mL、約0.5mL、約0.75mL、約1mLおよびそれらの間の体積を含む約0.01mLから約1.0mLまでの範囲である。幾つかの実施形態では、ヒスタミン受容体活性化因子を、第1治療区分の間は週に1回から3回の頻度、例えば第1治療区分中週に2回の頻度で投与する。
幾つかの実施形態において、第2治療区分は、第1用量、第2用量、第3用量および第4用量を含み、第2治療区分における第1用量は、約0.1pg/mLから約10pg/mLまでの範囲の濃度(例、約0.1pg/mL、約1pg/mL、約5pg/mL、約10pg/mLおよびそれらの間の濃度)を有する。幾つかの実施形態では、第2治療区分における第2用量は、約0.1ng/mLから約10ng/mLまでの範囲の濃度(例、約約0.5ng/mL、約1.0ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、およびそれらの間の濃度)を有する。幾つかの実施形態では、第2治療区分における第3用量は、約0.1μg/mLから約3.49μg/mLまでの範囲の濃度(例、約0.1μg/mL、約約1μg/mL、約2μg/mL、約3μg/mL、約3.49μg/mL、およびそれらの間の濃度)を有する。幾つかの実施形態では、第2治療区分における第4用量は、約0.35μg/mLから約10μg/mLまでの範囲の濃度(例、約0.35μg/mL、約1μg/mL、約1.5μg/mL、約3μg/mL、約3.5μg/mL、約4μg/mL、約4.5μg/mL、約6μg/mL、約8μg/mL、約10μg/mLおよびそれらの間の濃度)を有する。
幾つかの実施形態では、第2治療区分における各用量の体積は、例えば約0.2mL、約0.5mL、約0.75mL、約1mL、約1.5mL、約2mL、およびそれらの間の体積など、約0.02mLから約2.0mLまでの範囲である。
幾つかの実施形態では、第2治療区分は、第2治療区分の間週に2回から10日に1回の間の頻度、例えば、週に1回、週に2回、8日に1回、10日に1回およびそれらの間の頻度でのヒスタミン受容体活性化因子の投与を含む。
幾つかの実施形態では、第3治療区分は、第1用量、第2用量、第3用量および第4用量を含み、第3治療区分における第1用量は、約0.1pg/mLから約10pg/mLまでの範囲の濃度(例、約0.1pg/mL、約1pg/mL、約5pg/mL、約10pg/mLおよびそれらの間の濃度)を有する。幾つかの実施形態では、第3治療区分における第2用量は、約0.1ng/mLから約10ng/mLまでの範囲の濃度(例、約約0.5ng/mL、約1.0ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、およびそれらの間の濃度)を有する。幾つかの実施形態では、第3治療区分における第3用量は、約0.1μg/mLから約3.49μg/mLまでの範囲の濃度(例、約0.1μg/mL、約約1μg/mL、約2μg/mL、約3μg/mL、約3.49μg/mL、およびそれらの間の濃度)を有する。幾つかの実施形態では、第3治療区分における第4用量は、約0.35μg/mLから約10μg/mLまでの範囲の濃度(例、約0.35μg/mL、約1μg/mL、約1.5μg/mL、約3μg/mL、約3.5μg/mL、約4μg/mL、約4.5μg/mL、約6μg/mL、約8μg/mL、約10μg/mLおよびそれらの間の濃度)を有する。
幾つかの実施形態では、第3治療区分における各用量の体積は、例えば約0.3mL、約0.5mL、約0.75mL、約1mL、約2.0mL、約3.0mL、およびそれらの間の体積を含む、約0.03mLから約3.0mLまでの範囲である。
幾つかの実施形態では、前記第3区分は、第3治療区分中1週間に1回から2週間に1回の間の頻度、例えば週1回、8日に1回、10日に1回、12日に1回、14日に1回およびそれらの間の頻度でのヒスタミン受容体活性化因子の投与を含む。
さらに、幾つかの実施形態では、1つ以上のヒスタミン受容体の活性および/または発現の正常化を通して対象における片頭痛の頻度、持続時間および/または強度を低減、改善、予防および/または阻害する方法であって、片頭痛に罹りやすく、ヒスタミン平衡失調を有する対象を識別し、ヒスタミンの第1用量、第2用量、第3用量および第4用量を含む第1ヒスタミン投薬区分であって、第1用量を約0.1pg/mLから約10pg/mLの間の濃度で皮下投与して、ヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体から成る群から選択されるヒスタミン受容体を活性化し、ヒスタミンの第2用量を約0.1ng/mLから約10ng/mLの間の濃度で皮下投与して、ヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体から成る群から選択されるヒスタミン受容体を活性化し、ヒスタミンの第3用量を約0.1μg/mLから約3.49μg/mLの間の濃度で皮下投与して、ヒスタミンH1受容体を活性化し、ヒスタミンの第4用量を約0.35μg/mLから約10μg/mLの間の濃度で皮下投与して、ヒスタミンH2受容体を活性化し、ただし第1投薬区分における各用量は同じ体積を有し、その体積は約0.01mLから約1.0mLの間の範囲であり、連続する各用量は先行用量と比較して大きな量のヒスタミンを含むものとする第1ヒスタミン投薬区分を該対象に適用すること、ヒスタミンの第1用量、第2用量、第3用量および第4用量を含む第2ヒスタミン投薬区分であって、各用量で投与されるヒスタミンの濃度は第1投薬区分の各用量の対応するヒスタミン濃度と均等であり、第2投薬区分における各用量は同じ体積を有し、その体積は約0.02mLから約2.0mLの間の範囲であり、第2投薬区分で送達されるヒスタミンの総量は第1投薬区分での送達量よりも大きな量であるものとする第2ヒスタミン投薬区分を該対象に適用すること、ヒスタミンの第1用量、第2用量、第3用量および第4用量を含む第3ヒスタミン投薬区分であって、各用量で投与されるヒスタミンの濃度は第1投薬区分の各用量の対応するヒスタミン濃度と均等であり、第3投薬区分における各用量は同じ体積を有し、その体積は約0.03mLから約3.0mLの間の範囲であり、第3投薬区分で送達されるヒスタミンの総量は第2投薬区分での送達量よりも大きな量であるものとする第3ヒスタミン投薬区分を該対象に適用することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、連続する各投薬区分で投与されるヒスタミン量の増加により、H1受容体の活性が抑制され、H2、H3および/またはH4受容体の活性が高められ、それによってヒスタミン受容体の活性および/または発現が正常化され、対象における片頭痛の持続時間、頻度および/または強度が低減される。
幾つかの実施形態では、前記第1、第2または第3治療区分のいずれかのうちの個々の用量の割合は1:103:106:3.5×106である。前記で検討したところによると、対象がヒスタミン活性(または受容体発現)の増加または減少を必要とするならば、これらの割合を(体積または濃度のいずれかの調整により)調整することができる。本方法はまた、所望によりヒスタミンH1、H2、H3またはH4受容体のいずれかのさらなるアゴニストまたはアンタゴニストの投与を含む。さらに、本方法は、幾つかの実施形態において、ヒスタミン平衡失調を有する対象を識別すること(例えば血清および/または尿中ヒスタミン濃度を測定することなど)および治療剤の投与を指示することの1つ以上を含む。
本明細書ではまた、ある種のヒスタミン受容体をアップレギュレーションし、および他のヒスタミン受容体をダウンレギュレーションすることにより、ヒスタミン系を平衡させるのに使用され、したがって、片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、てんかんおよび他の障害の処置に有用であり得るヒスタミン受容体活性化因子を提供する。幾つかの実施形態では、さらに、ヒスタミン受容体活性化因子の投薬量を少なくとも3つの治療区分に分けて投与することによる片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんの処置に使用されるヒスタミン受容体活性化因子(複数も可)を提供し、この場合第1治療区分におけるヒスタミン受容体活性化因子の総用量は約200ng〜約600ngであり、第2治療区分におけるヒスタミン受容体活性化因子の総用量は約650ng〜約1000ngであり、第3治療区分におけるヒスタミン受容体活性化因子の総用量は約1050ng〜約1500ngである。
また、ヒスタミン受容体活性化因子の皮下投与による片頭痛の処置で使用される前記ヒスタミン受容体活性化因子を提供する。幾つかの実施形態では、ヒスタミン受容体活性化因子は、ヒスタミン、および/またはヒスタミン二リン酸塩、ヒスタミンリン酸塩およびヒスタミン二塩酸塩の1つ以上から成る群から選択されるヒスタミン塩を含む。
また、循環しているヒスタミンの量の増加を示す患者における片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、てんかん(または他の慢性的な軽い病気)ならびに患者が循環しているヒスタミンの量の低減を示す慢性的な軽い病気の処置で使用されるヒスタミン受容体活性化因子(複数も可)を提供する。したがって、幾つかの実施形態において、本発明は、内因性ヒスタミンレベルを調節するためのヒスタミン受容体活性化因子を含み、限定するわけではないが、これを片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、および/またはてんかんの処置で使用することにより、対象においてヒスタミン平衡を回復させる。
幾つかの実施形態において、本発明は、ヒスタミンH1受容体、ヒスタミンH2受容体、ヒスタミンH3受容体およびヒスタミンH4受容体から成る群から選択されるヒスタミン受容体の活性および/または発現を阻害することによる、片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんの処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子(複数も可)を含む。幾つかの実施形態において、ヒスタミン受容体活性化因子は、ヒスタミンH1受容体の活性および/または発現を阻害する。
幾つかの実施形態において、本発明は、ヒスタミンH1受容体の過剰発現および/または過剰活性に関連した疾患、例えば片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症およびてんかんのうちの1つ以上の処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子を含む。同様に、幾つかの実施形態では、ヒスタミンH2、H3および/またはH4受容体のうちの1つ以上の過小発現および/または過小活性に関連した疾患、例えば片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症およびてんかんの処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子を提供する。
幾つかの実施形態において、本発明は、ヒスタミンH1受容体の完全または部分アンタゴニストとの組合せ、逐次または個別投与による片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんの処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子(複数も可)を含む。
幾つかの実施形態において、本発明は、片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんの処置で使用するためのヒスタミンH1受容体の活性および/または発現の阻害剤を含む。
さらに本明細書では、第1時間間隔をおいたヒスタミンの2以上の逐次用量を含む第1投薬区分であって、これらの用量において、各用量の投与体積は一定のままで用量ごとにヒスタミン濃度が増加する第1投薬区分、および第2時間間隔をおいたヒスタミンの2以上の逐次用量を含む第2投薬区分であって、これらの用量において、各用量の投与体積は一定のままで用量ごとにヒスタミン濃度が増加する第2投薬区分を含み、第2投薬区分における各ヒスタミン用量の体積が第1投薬区分における各ヒスタミン用量の体積よりも大きく、第2時間間隔が第1時間間隔よりも長い、漸増的ヒスタミン投薬レジメンを提供する。
ヒスタミン投薬レジメンの幾つかの実施形態において、第1投薬区分中に投与されるヒスタミンの濃度は第2投薬区分中に投与されるヒスタミンの濃度と同じであり、第1投薬区分中に投与される用量の数は第2投薬区分中に投与される用量の数と等しく、第1投薬区分と第2投薬区分は第1時間間隔により分けられている。
所望により、前記ヒスタミン投薬レジメンは、第3時間間隔をおいたヒスタミンの2以上の逐次用量を含む第3投薬区分をさらに含んでいてもよく、これらの用量では、各用量の投与体積は一定のままで用量ごとにヒスタミン濃度が増加し、第3投薬区分における各用量の体積が第2投薬区分において投与される各用量の体積よりも大きく、第3時間間隔が第2時間間隔よりも長い。これらの実施形態において、第3投薬区分中に投与されるヒスタミンの濃度は第2投薬区分中に投与されるヒスタミンの濃度と同じであり、第3投薬区分中に投与される用量の数は第2投薬区分中に投与される用量の数と等しく、第2投薬区分と第3投薬区分は第2時間間隔により分けられている。
実施形態によって、各投薬区分は、3以上の用量を含み得、例えば、一部の実施形態では、各投薬区分は、4用量、5用量、6用量、8用量、または10用量を含む。
本明細書で検討しているところによると、幾つかの実施形態ではまた、持続時間が延長されたレジメン、例えば10以下(またはそれ以上)の連続した投薬区分を含むレジメンを提供しており、これらのレジメンでは、各投薬区分は1以上の等しい時間間隔で分けられた2以上のヒスタミンの逐次用量を含み、各区分における用量では、各用量の投与体積は一定のままでヒスタミン濃度が用量ごとに増加し、後続の投薬区分での各ヒスタミン用量の体積は先行する投薬区分での各ヒスタミン用量の体積よりも大きく、各後続投薬区分での時間間隔は先行投薬区分での時間間隔よりも長く、投与されるヒスタミンの濃度は各投薬区分において同じであり、各区分中で投与される用量の数は等しく、および/または各後続投薬区分は、直前の投薬区分について認められた時間間隔により直前の投薬区分と分けられている。
例えば、10投薬区分を含む一部の延長投薬レジメン実施形態では、第1区分での1用量当たりの体積は約0.1mLであり、各後続区分での各用量の体積は、直前の区分で投与される体積より約0.1mL多い。
幾つかの実施形態では、各区分での各用量のヒスタミン濃度は、約1アトグラム/ml〜20μg/mlの範囲であり、例えば約1pg/ml〜約3.5μg/mlの濃度範囲(各用量について)である。幾つかの実施形態では、第1投薬間隔は、持続時間が約1日間〜1週間の範囲であり、第2投薬間隔は、持続時間が約3日間〜2週間の範囲である。後続の投薬間隔は、幾つかの実施形態では、連続して持続時間が増加し、例えば第3投薬間隔は約1週間〜約3週間の範囲であり得る。
実施形態によって、ヒスタミン投薬レジメンで使用されるヒスタミンは、遊離塩基、その医薬的に許容し得る塩またはそれらの組み合わせとして存在し得る。実施形態によって、投与経路は、皮下、静脈内、筋肉内、注入および/または舌下投与によるものである。
本明細書ではまた、最適なヒスタミン機能に要求されるレベルを超えるヒスタミンレベルを有するヒト患者においてヒスタミンレベルを低下させる方法であって、本明細書記載の投薬レジメンにしたがってヒスタミンまたはその医薬的に許容し得る塩を該患者に投与することを含む方法を提供する。最適なヒスタミン機能に要求されるレベルに満たないヒスタミンレベルを有するヒト患者においてヒスタミンレベルを増加させる方法であって、本明細書記載の投薬レジメンにしたがってヒスタミンまたはその医薬的に許容し得る塩を該患者に投与することを含む方法。幾つかの実施形態では、最適なヒスタミン機能に要求されるヒスタミンレベルの評価は、血漿中ヒスタミンレベルまたは尿中ヒスタミンレベル、およびこれらを測定するための診断試験に基づく。幾つかの実施形態では、最適なヒスタミン機能に要求されるヒスタミンレベルは、血漿1mlにつき約45ngと約50ngの間である。しかしながら、幾つかの実施形態では、その範囲を超えるかまたはそれに満たないレベルではあるが、特定の個体にとっては正常である濃度へのヒスタミンレベルの回復が、達成される。
図1は、ヒスタミンの化学構造を示す。 図2は、ヒスタミンがある一定の役割を演じる様々なシグナル伝達経路の概略図およびある種の組織におけるヒスタミン受容体の活性から生じ得る症状の例を示す。 図3は、G−タンパク質共役受容体を通じたヒスタミンシグナル伝達の全般的概略図を示す。 図4は、無症状状態中の様々な集団における血清中ヒスタミン濃度に関連した先行臨床データの要約を示す。 図5は、片頭痛事象中の様々な集団における血清中ヒスタミン濃度に関連した先行臨床データの要約を示す。
発明の詳細な説明
本発明の幾つかの実施形態は、ヒスタミン系の平衡失調を処置するのに多変量アプローチを採用している。多変量アプローチは、一部の実施形態では濃度、体積およびタイミングの改変を含み、有利にはインビボ分布に影響を及ぼすことにより、ある種のヒスタミン受容体の選択的(または増強された)活性化を達成し得る。受容体活性化の標的化され、制御されたパターンを用いて、受容体をアップレギュレーションおよび/またはダウンレギュレーションすることにより、ヒスタミン系の平衡を取戻し、ヒスタミン系の調節不全に罹っている患者に大いなる症状の軽減をもたらすことができる。
(概説)
血管作動特性を有するオータコイドとして最初に同定され、文脈によっては「サブスタンスH」とも称されることがあるヒスタミンは、生合成アミンファミリーの一員であり、L−ヒスチジンデカルボキシラーゼ(HDC)の活性によりアミノ酸ヒスチジンから合成される。ヒスタジンデカルボキシラーゼ(HDC)は、中枢神経系(ニューロン)、胃粘膜(壁細胞)、マスト細胞(1細胞あたり約3pgのヒスタミンを含有し得る)および好塩基性細胞(1細胞あたり約1pgのヒスタミンを含有し得る)を含む、体中の様々な細胞で発現される酵素である。ヒスタミンは、限定される訳ではないが、免疫およびアレルギー応答、内分泌系機能およびホメオスタシスならびに細胞増殖、分化、造血、胚の発達、再生、創傷治癒、アミン作動性神経伝達、様々な他の脳機能(睡眠、侵害受容、食物摂取および攻撃的行動)、下垂体ホルモンの分泌、消化系および心臓血管系の調節、および他の様々なシグナル伝達経路を含む、様々な異なる生理学的機能に関与している。ヒスタミンはまた、アレルギーとも相関関係を示す(例、薬物アレルギー、花粉症、アレルギー性喘息など)。また、高いヒスタミンがアトピー性皮膚炎(AD)、慢性蕁麻疹(CU)、多発性硬化症(MS)および/または乾癬に罹った皮膚を有する患者からの皮膚および血漿試料で検出されている。パーキンソン病患者では、ヒスタミンレベルは、被殻、黒質および外側淡蒼球などの特定脳領域で増強されていることが示された。アルツハイマー病では、ある種のヒスタミン作動性ニューロンが、変性およびもつれ形成を示す。また、ヒスタミンレベルおよび/またはHDC活性の低下は、アルツハイマー病およびダウン症に随伴している。
ヒスタミンは、限定される訳ではないが、マスト細胞、好塩基性細胞、血小板、ヒスタミン作動性ニューロンおよび腸クロム親和性細胞を含む、様々な細胞により合成される。HDCの活性は、インターロイキン(IL)−1、IL−3、IL−12、IL−18および腫瘍壊死因子(TNF)などの炎症性サイトカインを含む、様々なサイトカインにより調節される。ヒスタミンは、小胞において細胞内蓄積され、例えばストレス、概日リズム、薬物およびアレルゲンなどの特定の刺激因子により放出される。マスト細胞は、体全体で比較的広範に分布しており、マスト細胞の個体群密度は、外部環境と交流する解剖学的部位(例、皮膚、気道および消化管)ならびに血管、神経、平滑筋細胞、上皮細胞、粘膜産生細胞および毛包に極めて近い領域において非常に高い。ヒスタミンが「放出態勢完了」式で顆粒に蓄積されているとすれば、かなりの量の前形成ヒスタミンが単一刺激因子に応答して放出され得、多数の様々な誘因が大規模かつ急発進的ヒスタミン放出を誘発し得る(例、マスト細胞脱顆粒化を介して)ため、マスト細胞はヒスタミンの主たる細胞供給源である。例えば、アレルギー反応において、例えば、ヒスタミンは特定アレルゲンに応答して好塩基性細胞および/またはマスト細胞から放出される。ヒスタミンは、例えば、免疫応答(例、炎症反応、免疫応答の調節)および特定アレルゲン認識後におけるマスト細胞の脱顆粒化などの数多くの生物学的反応を伝達する。ヒスタミン誘導シグナル伝達はまた、例えば、神経ペプチド、補体因子、サイトカイン、高浸透圧、リポタンパク質、アデノシン、スーパーオキシダーゼ、低酸素、ある種の薬物、ペプチド、毒液および/または他の「遊離促進物質」との反応、身体的損傷(熱、震動、放射または身体運動による)、ストレス因子(例えば、化学的、熱的、外傷的または浸透圧的ストレス因子)、マスト細胞を活性化し得るアルコールおよびある種の食物および薬物、および/または自発的好塩基性細胞放出(アトピー個体ではより高頻度で起こる)などの多くの他の非免疫学的刺激因子に応答してある一定の役割を演じる。ヒスタミンはまた、血管を拡張させ、血管壁の透過性を高めることにより、潜在的にアレルゲンの流入を増加させ得るため、例えば、過度のくしゃみなどのアレルギー反応は、ヒスタミンに基づく経路の活性化により増強される。図2(Maintzら、Histamine and Histamine Intolerance、The American Journal of clinical Nutrition、85巻:1185−1196(2007)からの許可を得て再現されたもの)は、ヒスタミンシグナル伝達がある一定の役割を演じる異なる経路の多様性、およびヒスタミンの調節不全から起こり得る症状の例を示す。ヒスタミンシグナル伝達が行われる組織が多数である結果として、ヒスタミン機能の調節不全は、交絡的症状(例えば、特定臓器系と必ずしも直接関連しているとは限らないもの、例えば心臓血管系におけるヒスタミン調節不全の結果としてのめまい)と共に現れ得る。したがって、ヒスタミン平衡の回復について本明細書で開示されている方法および組成物(およびその使用)の幾つかの実施形態は、1つ以上の組織または組織タイプにおけるヒスタミン調節不全の症状の改善(または排除)に特に有用である。
ある種の個体はヒスタミンに対し感受性を示すか、または不耐性である。前記で検討したところによると、ヒスタミンは、L−ヒスチジンから産生される。蓄積(例、産生)および低減(例、分解および/または代謝)における平衡失調は、ヒスタミンに対する感受性および/または不耐性の原因となり得る。摂取されたヒスタミンの代謝についての主要酵素は、ジアミンオキシダーゼ(DAO)である。不十分なDAO活性に基づいて低減されたヒスタミン分解の結果、過剰なヒスタミンがもたらされ得、アレルギー反応を模倣する症状が誘発され得る。DAOは、原形質膜関連小胞構造に位置しており、刺激が加えられた後、血流中へ分泌される。ヒスタミンの代謝についての第2の主要酵素は、ヒスタミン−N−メチルトランスフェラーゼ(HNMT)であり、これは細胞質ゾルタンパク質であるため、細胞内ヒスタミンを代謝することしかできない。それらの互いに異なる、表面上非競合的な位置関係にもかかわらず、これらの酵素の一方または両方の機能の低下は、ヒスタミン平衡失調および/またはヒスタミンに対する感受性または不耐性の原因となり得る。前記で検討したところによると、それらの平衡失調は、様々な有害な生理学的結果の原因となり得、本明細書で開示された方法の幾つかの実施形態は、治療剤(例、ヒスタミン)の投与を通じてヒスタミン平衡を回復させる。
内因性ヒスタミンは、平滑筋、ニューロン、内分泌および外分泌細胞、血液細胞および免疫系の細胞を含む非常に多様な異なる細胞タイプに対して作用する。ヒスタミンは、H1受容体(H1R)、H2受容体(H2R)、H3受容体(H3R)およびより新しくは、H4受容体(H4R)を含む幾つかの受容体のうちの1つを介してその多様な生物学的作用を発揮する。該受容体は、様々なGタンパク質サブユニットを通じて作動し、様々な細胞タイプで示差的に発現されるが、該受容体はそれぞれGタンパク質共役受容体である。前記受容体は、限定される訳ではないが、哺乳類の脳、呼吸器、尿生殖器系および血管系を含む、様々な組織ならびに幾つかのタイプの白血球および造血細胞上で検出されている。H1受容体は、主として血管透過性および平滑筋収縮の調節に関与している。H2受容体刺激は、胃酸分泌の増加、気管支における粘液分泌の増加および小血管の平滑筋の弛緩を誘起する。H3受容体は、中枢神経系における神経伝達を制御するシナプス前受容体として分類される。H4受容体シグナル伝達は、免疫系プロセスおよび炎症反応を調節すると思われる。体全体を通して主要な受容体はH1およびH2受容体であり、H3およびH4受容体は幾分より局在化された発現プロファイルを有すると考えられている。場合によっては、H1Rおよび/またはH2Rを通したヒスタミンシグナル伝達が、興奮および興奮の長期増強を伝達することもある。対照的に、H3R自己受容体は、ヒスタミン合成、放出および電気活性のフィードバック制御を提供する。ヘテロ受容体としてヒスタミン受容体はまた、幾つかの他の神経伝達物質系(例、GABA、ドーパミン、セロトニンなど)のエキソサイトーシスを制御すべく機能する。ヒスタミンはまた、幾つかのホメオスタシス的および/または高次統合的脳機能(新規性誘導による注意(自発的注意とは反対のものとして)および変化する環境への適応など)においてある一定の役割を演じることが知られている。機能間にある程度の重複は存在するが、受容体の活性は、一般的に表1のように要約され得る。
幾つかの実施形態では、ヒスタミンは多変量アプローチで提供され、このアプローチでは濃度、体積およびタイミングを変更することができる。他の変量(例えば注入時間、ヒスタミンの形態、pHなど)もまた変更することができる。幾つかの実施形態では、多変量薬物動態アプローチにより、ある種の受容体の選択的または増強された活性化がもたらされる。幾つかの実施形態では、下記に示す親和性を用いることにより、特異的かつ制御されたヒスタミン受容体活性化が誘導され、それによって本明細書記載のアプローチを採用しないプログラムに伴う副作用の多くが低減または予防され得る。この治療を採用する場合にノンコンプライアンスをもたらし得るこれらの副作用は、多くの実施形態において回避または低減され得る。
ヒスタミンH1受容体
ヒトにおけるヒスタミンH1受容体(H1R)の分布および占有は、様々なH1R抗ヒスタミン薬の鎮静特性および血液脳関門(BBB)透過性を試験するため機能的イメージング技術を用いてマッピングされている。同様の試験は、アルツハイマー病、統合失調症および抑うつなどの加齢性および神経精神医学的障害の状況で実施されてきた。これらの試験のほとんどにおいて、H1R結合が年齢の合致する健康な対照の場合より低いことが見出されており、このことは、ヒスタミン平衡失調が幾つかの実施形態では、少なくとも一部は高いH1受容体発現により誘発され得ることを示している。注目すべきは、H1R刺激が、H1R発現に対してフィード−フォワード効果を有する(例、該受容体の刺激は、受容体発現におけるアップレギュレーションを誘導する)ことである。H1受容体発現のヒスタミン誘導によるアップレギュレーションは、プロテインキナーゼC−δシグナル伝達により伝えられると考えられている。マッピング試験はまた、様々な病徴の出現と増加したヒスタミンH1受容体mRNAの検出との間の相関関係、ならびにH1Rとアレルギー応答(またはアレルギーの処置に使用される抗ヒスタミン薬に対する応答)との間の強い相関関係を明らかにした。例えば、アレルギー症状を処置するための薬物(例、抗ヒスタミン薬)は、IL−4および/またはIl−5発現だけでなく、H1受容体遺伝子発現も低減させる。H1Rのヒスタミン活性化は、幾つかの神経伝達物質(例、セロトニン、ドーパミンおよびノルエピネフリン)を放出させ、限定される訳ではないが、脳幹、視床下部、視床、扁桃体、中隔、海馬および大脳皮質を含むほとんどの脳領域においてニューロンを興奮させる。H1Rは、増加したカルシウムシグナル伝達、環状グアノシン一リン酸(cGMP)によるシグナル伝達、核因子κB(NF−κB)、増加したホスホリパーゼC(PLC)活性、増加したホスホリパーゼA2および/またはD活性、環状アデノシン一リン酸活性(cAMP)および/または酸化窒素シンターゼ活性のうちの1つ以上を通してシグナルを伝達し、したがって、例えば、細胞増殖、細胞分化、アポトーシス、細胞骨格リモデリング、小胞輸送、イオンチャンネル伝導性、内分泌機能および神経伝達など、これらの経路に関連した非常に多様なシグナル伝達カスケードを推進することができる。ヒスタミン受容体シグナル伝達の概要を表したものについては図3参照。
ヒスタミンH2受容体
H2Rの活性化により、心臓収縮、胃酸分泌、細胞増殖、分化および免疫応答を含むヒスタミンの様々な機能が調節される。脳では、H2Rの最高密度が、大脳基底核、海馬、扁桃体および大脳皮質で見出され、発現は小脳および視床下部で低下している。H2Rは、胃細胞、心臓組織および脳を含む様々な組織においてcAMPの蓄積を刺激する。H1Rとは対照的に、H2Rの活性化は、ヒスタミンの抑制的活性に主として関与している。例えば、H2R活性は、免疫系内における様々な機能を阻害し得ること、およびH2R活性は、好塩基性細胞およびマスト細胞においてヒスタミンの放出に対し負の調節を行うことが立証された。抗体合成、T細胞増殖、細胞性細胞溶壊、およびサイトカイン産生のH2Rに基づく阻害は、リンパ球上でのH2Rの存在、およびヒスタミンに対するその負の(例、抑制的)効果のさらなる証拠である。
ヒスタミンH3受容体
前記で示したところによると、H3受容体は、中枢神経系で、特にヒスタミン作動性ニューロン上で主として発現される。H3受容体は、Gi/oサブユニットにカップリングしてアデニル酸シクラーゼの機能を阻害するため、カルシウムの蓄積および***促進因子活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路の刺激に加えて、cAMP形成が阻害される。H3Rはまた、ヒスタミンの合成を伝達し、それらの活性化がヒスタミン作動性ニューロンからのヒスタミン放出の阻害を引き起こす。したがって、幾つかの実施形態では、H3Rの優先的刺激はH1Rの活性を打ち消し得(したがって、H1R発現のフィード−フォワード増加を低減させる)、それによってヒスタミン平衡の回復が促され得る。逆に、H3受容体ブロッカーは、神経伝達物質の放出を高め得る。また、H3受容体の活性化は、限定される訳ではないが、グルタメート、アセチルコリン、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、GABAおよび様々なペプチドを通してシグナル伝達するものを含む、非ヒスタミン作動性である多くのニューロンシナプスに対する阻害効果を引き起こす。
ヒスタミン作動性調節不全は、様々な異なるCNS障害で見出されており、したがって、様々なH3リガンドが、肥満、記憶障害、学習欠損およびてんかんなどのCNS障害における臨床用途に向けて調査されてきた。さらに、H3R機能の喪失は、行動異常、移動力低下、過食症、晩期発症性肥満、増加したインスリンおよびレプチンレベルを伴うメタボリック症候群および高重症度の神経炎症疾患と関連している。幾つかの実施形態において、本明細書で開示されている方法ではH3Rの薬理学的特性を有利に活用することにより、ヒスタミン平衡/機能を回復させる。
ヒスタミンH4受容体
H4受容体は、免疫系、炎症プロセスおよびアレルギー反応に関連した細胞機構に関与している。前記で検討したところによると、H4受容体は、骨髄、脾臓、末梢血、小腸、心臓、結腸、肺ならびに造血細胞、好中球、マスト細胞、好酸球、好塩基性細胞、単球、T細胞および樹状細胞で発現される。H4Rは、好酸球の形状変化およびマスト細胞の化学走性を伝達するが、これはホスホリパーゼCに対して作用するβγサブユニットの結果であり、カルシウム放出、後続のアクチン重合および最終的に炎症部位へのマスト細胞の化学走性を引き起こす。
ヒスタミン平衡失調およびヒスタミン受容体調節方法
正常な血清中ヒスタミンレベル(例、アレルギー事象を伴わず他の点で健康な対象でのレベル)は、約40〜約55ng/mLの範囲である。したがって、幾つかの実施形態では、ヒスタミン系の平衡を取り戻すことにより、血清中ヒスタミンレベルが40〜約55ng/mLに正常化される。他の実施形態では、ヒスタミン系の平衡を取り戻す場合に、ベースラインに関して約30%〜70%ヒスタミンレベルを減少または増加させることにより血清中ヒスタミンレベルを正常化する。一例として、また下記でのさらなる検討によると、片頭痛患者に対するヒスタミン正常化は、120ng/mLから70ng/mLにヒスタミンを減らすことであり得る。前記で検討したところによると、低ヒスタミンの状態はヒスタペニアと称され、低ヒスタミンレベルを有する人は「ヒスタペニック」と称される。高ヒスタミンの状態は、ヒスタデリアとして知られ、高ヒスタミンレベルを有する人は、ヒスタデリックと称される。
ヒスタミン療法についての適応症
様々な慢性的な軽い病気および/または疾病は、ヒスタミンレベルおよび/または様々なヒスタミン受容体の機能性の平衡失調により誘発されるか、増悪するか、またはこれと結びつき得る。前記で検討したところによると、正常な血清中ヒスタミンレベルは、約40〜約55ng/mLの範囲である。ヒスタミンレベルは、限定される訳ではないが、片頭痛、血管性頭痛、アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかん、肥満、統合失調症、注意欠陥多動性障害、ハンチントン病、アレルギー症、喘息、自閉症、ルーゲーリッグ病、アテローム性動脈硬化症、認知症、依存症および強迫神経症、メタボリック症候群、関節リウマチ、睡眠障害、アルコール中毒、薬物乱用、癌、マラリア、HIV/AIDS、中枢神経系(CNS)機能不全(例、ストレス、不安、抑うつ、運動障害、不安/恐怖関連障害、過食症および脳虚血)、糖尿病前症、糖尿病、紅斑性狼瘡、心臓不整脈を含む慢性的な軽い病気または疾患の対象において平衡を失っている(例、正常より高いか、または低い)。例えば、無痛期間中の片頭痛患者(アレルギー症にも罹患していない)における血清中ヒスタミンレベルは、約60〜約74ng/mLの範囲であり得る。すなわち、片頭痛患者にとって「正常な」ヒスタミンレベルは、非片頭痛患者の場合と比べて高い。したがって、片頭痛患者は、このヒスタミン平衡失調ゆえに片頭痛症状を発現する傾向があり得る。アレルギー症にも罹患している片頭痛患者では、休止中(例、無痛)血清中濃度は、約70〜約95ng/mLの範囲であり得、さらなるヒスタミン平衡失調を示している(図4参照)。これらのヒスタミンレベルは、実際の片頭痛事象中にはさらに高められる(図5参照)。多くの生理学的パラメータによると、ヒスタミン濃度には個体間でばらつきがあり得るが、特定個体の「正常ヒスタミン」濃度(例えば、血清中および/または尿中濃度により測定される)と比較した平衡失調は、様々な慢性的な軽い病気および/または疾病を引き起こし、および/または増悪させ得る。したがって、幾つかの実施形態では、限定される訳ではないが、片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんを含む疾患(および/または症状)の処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子(複数も可)を提供する。また本明細書では、循環ヒスタミンの増量を示す患者における片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、てんかん(または他の慢性的な軽い病気)ならびに患者が循環ヒスタミン量の低減を示す慢性的な軽い病気の処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子(複数も可)を提供する。したがって、幾つかの実施形態において、本発明は、片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんの処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子を含むもので、対象におけるヒスタミン平衡の回復に関連している。幾つかの実施形態において、本発明は、ヒスタミンH1受容体の過剰発現および/または過剰活性に関連した疾患の処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子、またはヒスタミンH2、H3および/またはH4受容体のうちの1つ以上の過小発現および/または過小活性に関連した疾患の処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子を含む。
片頭痛についてのヒスタミン療法
本明細書で開示されている実施形態は非限定的であり、幾つかの神経学的および他の状態にも適用可能であるが、多くの実施形態は片頭痛に特に有用である。前記で検討したところによると、ヒスタミン平衡失調は片頭痛患者に共通している。合衆国だけでも3000万人を超える人々が片頭痛に罹っている。概ね女性の25%および男性の9%が片頭痛を経験しており、その結果、毎年平均4〜6日の就労日数の損失がもたらされている。これを合計すると、毎年(国全体で)約6400万〜15000万の就労日数の損失がもたらされることになり、このことは、合衆国だけでもほぼ500億ドル近くの直接的および間接的費用に匹敵する(The National Headache Foundationによる;また、JD Bartleson、Treatment of Migraine Headaches、Mayo Clin.Proc.1999;74;702−708も参照)。頭痛および関連症状は、救急部門への全来診のほぼ2%に関与している。片頭痛は、一般に、繰り返し発生する片側性頭痛として説明され、未処置の症状であれば4〜72時間続く。国際頭痛学会頭痛分類(The international headache Society Classification of headaches)は、片頭痛であるとみなすべき頭痛について、以下の症状:場所が片側だけであること、拍動性、日常的な活動に伴う痛みの悪化、および中程度から激しい程度の強さのうちの少なくとも2つの存在とともに、以下の特徴:吐き気および/または嘔吐および光恐怖症および音恐怖症の少なくとも1つを挙げている。
現時点で、片頭痛についての既知治療法は無い。片頭痛の処置は、非薬理学的または薬理学的処置として広く分類される。本明細書で開示されている幾つかの実施形態は、ヒスタミン平衡を回復させ、片頭痛を処置するための薬理学的方法(例、ヒスタミンなどの治療剤の投与)に関連付けられており、一部の実施形態では、非薬理学的方法および/または薬理学的方法と非薬理学的方法との組み合わせを使用する。
非薬理学的処置は、典型的には片頭痛を誘発することが知られている行為および行動の標的化および/または回避を含む。例えば、非薬理学的処置としては、幾つかの実施形態において、規則正しい睡眠パターン、日常的な運動、既知誘因の回避を挙げることができる。個々の片頭痛患者により、誘因は異なり得る。実施形態によって、食物誘因には、限定される訳ではないが、熟成チーズ(例、チェダー、エメンタール、スティルトン、ブリーおよびカマンベール)、チョコレート、マリネ、ピクルスまたは発酵食品、硝酸塩または亜硝酸塩を含む食物(例、ベーコン、ホットドッグ、調製肉)またはMSG(例、しょうゆ、食肉軟化剤、調味塩)、サワークリーム、ナッツ類、ピーナッツバター、天然酵母パン、様々なマメ科植物(例、そら豆、ライ豆、ファバ豆、サヤエンドウ)、イチジク、干しブドウ、パパイヤ、アボカド、赤プラム、柑橘系果物、茶、コーヒーまたはコーラなどのカフェイン含有飲料および/またはアルコール性飲料が含まれる。女性の場合、月経周期は誘因であり得、おそらくエストロゲンレベルの変化に関連していると考えられる。光の強度、光のパターン(例、明滅する光)もまた誘因として作用し得る。ストレス(例、不安、心配、ショック、悲しみなど)はまた、ヒスタミン平衡失調を誘導するシグナル伝達カスケードを推進し得ることから、誘因であり得る。強い臭気(例、香水、化学臭、ある種の調理食品の臭気など)もまた誘因であり得る。幾つかの実施形態において、誘因は時間経過とともに変化し得る(例、強い臭気は、1つの事例では誘因であり得ても、別の事例では誘因ではないことがある)。幾つかの実施形態において、非薬理学的治療としてはまた、例えば、弛緩訓練、バイオフィードバック訓練、認知および/または行動療法、催眠法、経皮的末梢神経電気刺激、脊椎徒手整復、および/または高圧酸素処置が挙げられる。幾つかの実施形態では、治療剤投薬レジメン(例、ヒスタミン)を1つ以上の非薬理学的処置で補足する。
片頭痛についての薬理学的処置は、一般に2つの主なクラス、すなわち頓挫療法および予防療法に分類され得る。本明細書で使用されている「頓挫療法」なる語には、その通常の意味を与えるものとし、この語はまた、既に存在する片頭痛の症状を低減および/または改善するための行為である療法を指すものとする。幾つかの実施形態において、頓挫療法をさらに非特定療法および片頭痛特定療法の下位範疇に分類することができる。幾つかの実施形態では、治療剤投薬レジメン(例、ヒスタミン)を1つ以上の薬理学的処置で補足する。幾つかの実施形態において所望により使用される非特定療法としては、限定される訳ではないが、例えば、鎮痛薬/NSAIDS(例、アセトアミノフェノン、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ケトロラック)、および麻酔性鎮痛薬(例、メペリジンおよびブトルファノール)、および補助療法(例、メトクロプラミド、プロクロルペラジン)がある。幾つかの実施形態において所望により使用される片頭痛特定頓挫療法としては、限定される訳ではないが、エルゴタミンおよび/またはエルゴタミン誘導体(例、エルゴタミン、カフェイン+エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン)およびトリプタミンに基づくトリプタンファミリーの構成員(例、スマトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタンおよびゾルミトリプタン)がある。抗ヒスタミン薬はまた、幾つかの実施形態において、ある種のヒスタミン受容体の活性を優先的および/または特異的に標的とするのに使用される。
本明細書で使用されている「予防療法」なる語にはその通常の意味を与えるものとし、またこの語は、片頭痛の頻度および/または強度を阻止、回避、制限および/または他の点で低減する療法を含むものとする。予防療法は、一般的に第1選択薬剤および第2選択薬剤に分けられる。幾つかの実施形態において、成人における片頭痛予防の第1選択治療薬には、プロプラノロール、チモロール、アミトリプチリン、ジバロプロエクス、バルプロ酸ナトリウム、および/またはトピラメートが含まれる。幾つかの実施形態において、第2選択薬剤には、ガバペンチン、ナプロキセンまたはナプロキセンナトリウム、徐放性ジヒドロエルゴタミンメシレート、カンデサルタン、リシノプリル、アテノロール、メトプロロール、ナドロール、フルオキセチン、ベラパミル、マグネシウム、ビタミンB2(リボフラビン)、コエンザイムQ10、ホルモン療法(例、エストラジオール局所ゲル)およびボツリヌス菌毒素A型(Botox)の1つ以上が含まれる。
現行の利用可能な治療薬による最適な療法にもかかわらず、多くの患者は片頭痛を経験し続けている。しかしながら、幾つかの実施形態では、片頭痛患者において、ヒスタミン平衡の回復を、本明細書開示の要領で、単独または一部の実施形態では非薬理学的および/または薬理学的処置と組み合わせて行うことにより、片頭痛の頻度および/または強度を縮小、制限、予防および/または低減化することができる。
幾つかの実施形態では、治療剤(例、ヒスタミンアゴニストまたはアンタゴニスト、天然に存するかまたは合成のもの)を片頭痛患者である対象に投与することにより、幾つかの実施形態において、ヒスタミンの前片頭痛作用の抑制をもたらす該治療剤の循環濃度を確立する。幾つかの実施形態では、治療剤(例、ヒスタミン、または合成ヒスタミン、またはアゴニストおよび/またはアンタゴニスト)投与の結果、H3Rと該治療剤の選択的相互作用の濃度が得られる。前記で検討したところによると、H3Rの活性化により、ヒスタミンの合成および/または放出が低減され得、したがって、H1Rの発現が低減され得(その活性が発現の増加を誘導したため)、その結果、H1Rの潜在的優勢が低減され、ヒスタミン受容体間の平衡が回復され得る。したがって、様々なヒスタミン受容体は、片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、てんかんおよび他の障害の処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子(複数も可)により特異的に標的とされる。
以前の試験は、ヒスタミン投与レジメンに向けて行われていた。例えば、片頭痛阻止についての対照二重盲検臨床試験中、ヒスタミンを週に2回12週間、連続的に増量させる皮下用量(0.1〜1ng)で投与し、片頭痛予防についてのヒスタミンの有効性をプラセボと比較した。Guerrero ROら、Histamine as a therapeutic alternative in migraine prophylaxis:a randomized、placebo−controlled、double−blind study、Headache、第39(8)巻:576−80(1999)参照。
別の試験では、Nα−メチルヒスタミンを週に2回1〜3ngの用量で投与したところ、片頭痛発作の頻度、強度および持続時間、ならびにレスキュー鎮痛薬についての必要性が有意に低減した(P<.0001)。しかしながら、3ngを超える用量では、患者は、激しい頭痛として現れた有害な副作用を経験した。Millan−Guerrero ROら、Nα−Methylhistamine Safety and Efficacy in Migraine Prophylaxis:Phase I and Phase II Studies、Headache 第43巻:389−394(2003)およびMillan−Guerrero ROら、Nα−Methyl Histamine Safety and Efficacy in Migraine Prophylaxis:Phase III Study Can.J.Neurol.Sci.、第33巻:195−199(2006)参照。
別の比較試験では、皮下ヒスタミン(エバンズ溶液中10μg/mL)を毎週2回投与し、初回投与は1μg(0.1mL)で、12週間にわたって10μg(0.1mL)まで徐々に用量を増やした。ヒスタミンを、プラセボ、バルプロ酸ナトリウム、およびトピラメート投与と比較した。ヒスタミン群は、頭痛頻度の低減(50%)、痛みの強度の減少(51%)、片頭痛発作の長さの減少(45%)および鎮痛剤使用の減少(52%)を報告した。Millan−Guerreroa ROら、Nueva alternativa terapeutica en profilaxis de migrana con histamina como agonista de receptores H3 Gac Med Mex 第144巻、第4号:291−295(2008)参照。
また、ヒスタミンを、12週間二重盲検対照臨床試験でバルプロ酸ナトリウムと比較した。ヒスタミンの皮下投与(1〜10ng週に2回)を、バルプロ酸ナトリウムの経口投与(500mg日用量)と比較した。処置の第4週、第8週および第12週中に集めたデータは、ヒスタミンが、片頭痛発作の強度および持続時間ならびに鎮痛薬摂取の有意に大きな低減(P<0.001)を引き起こすことを明らかにした。発作の頻度またはMIDASの差異は検出されなかった。Milian−Guerreroa ROら、Subcutaneous histamine versus sodium valproate randomized、controlled、double−blind study European Journal of Neurology、第14巻:1079−1084(2007)参照。同様の試験では、ヒスタミンの皮下投与(1〜10ng週に2回)をトピラメートの経口投与(100mg日用量)と比較した。Millan−Guerreroa ROら、Subcutaneous Histamine versus Topiramate in Migraine Prophylaxis:A Double−Blind Study、Eur Neurol;第59巻:237−242(2008)参照。追加の試験では、ヒスタミン(皮下、1〜10ng、週に2回)をBotox注射(50単位、1注射サイクル)と比較した。Millan−Guerrero ROら、Subcutaneous histamine versus botulinum toxin type A in migraine prophylaxis: a randomized、 double−blind study、European Journal of Neurology、第16巻:88−94(2009)参照。
追加の試験は、片頭痛対象において、比較的高用量のヒスタミンの静脈内投与(例、1分間に0.5mg/kgで20分間)が、注入中に即時型頭痛を誘発し、次いで後発の片頭痛発作を起こすことを示した。それらの副作用は、H1Rアンタゴニストのメピラミンでの前処置により止めることができる。KrabbeおよびOlesen(Krabbe AA、1980)およびLassenら(Lassen LH、1995)参照。
他の試験は、ヒスタミン投薬レジメンの決定方法を報告している。かかる1つのアプローチは経験的最適投薬法であり、別のアプローチは客観的評価項目漸増法である。経験的最適投薬法は、(例えば)週1回または2回の特定頻度でのヒスタミン注射を含み、毎日の舌下液滴による補足と共に処置を開始する。ヒスタミンの用量を、さらなる悪化に及ぶことのない、最適臨床応答点まで増加させる。客観的評価項目漸増法アプローチでは、アレルギー応答を誘導するヒスタミンの用量を決定する(例、アレルギー膨疹が起こるまで連続的により濃縮された皮内用量を投与する)。その用量は処置用量として定義され、その用量の皮下注射は頻度を下げながら投与される。
前進するヒスタミン研究および様々な治療状況におけるヒスタミンの使用にもかかわらず、身体の自然なヒスタミン機能を回復させることができ、例えば片頭痛など、ヒスタミンの身体での放出および代謝における平衡失調により誘発される病態を処置することができるヒスタミン投薬レジメンが依然として要望されている。さらに、治療効果は、前記で検討した試験による療法で処置される対象により実現されないかもしれず、および/またはかかる治療効果は副作用と関連しているかもしれない。さらに、本明細書で開示されている方法とは対照的に、多くの現在試みられているヒスタミンの治療的使用は、特定ヒスタミン受容体の選択的活性化を説明するものではなく(開示された方法の幾つかの実施形態は、ヒスタミン受容体の異なる薬理学的特質の活用に基づくものである)、この選択的活性化により、予想外なことにヒスタペニア、ヒスタデリア、および/またはヒスタミン平衡失調に関連するかまたはこれに随伴する障害についての例外的治療結果および処置が提供される。
したがって、本発明の幾つかの実施形態は、(a)1以上の均等時間間隔(「第1時間間隔」)をあけた治療剤(例、ヒスタミン、またはその塩、例えば、ヒスタミンリン酸塩またはヒスタミン二塩酸塩など)の2以上の逐次用量を含む第1投薬区分であって、用量ごとに治療剤濃度を増加させながら、各用量の投与体積は一定のままである第1投薬区分、および(b)1以上の均等時間間隔(「第2時間間隔」)をあけた治療剤の2以上の逐次用量を含む第2投薬区分であって、用量ごとに治療剤濃度を増加させながら、各用量の投与体積は一定のままである第2投薬区分を順次含む漸増投薬レジメンであって、第2投薬区分での各用量の体積が第1投薬区分での各用量の体積よりも大きく、第2時間間隔が第1時間間隔よりも長い漸増投薬レジメンを提供する。
本明細書で使用されている「第1」および「第2」の語は、互いに関連した形で使用され、全体的投薬レジメンに対しては使用されない。したがって、該用投薬レジメンは2より多い投薬区分を含むこともあり、その場合第1投薬区分は、最終投薬区分以外の投薬レジメン内でのいずれかの投薬区分を指し得、また第2投薬区分は、第1投薬区分の後に実施されるいずれかの投薬区分を指し得る。実施形態によって、該レジメンは、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の合計投薬区分を含み得る。したがって、第1投薬区分は区分1から区分9までのいずれかであり得、第2投薬区分は2から10までの任意の連続する投薬区分であり得る。
幾つかの実施形態では、該投薬レジメンは、最適な治療効果をあげるために完全なレジメンを患者に適用する(例、レジメンが10区分であるならば、10区分全部を完了させる)という点で固定されたレジメンである。しかしながら、幾つかの実施形態では、様々な理由のうちの1つ以上のため、所望によりレジメンを打ち切ってもよい。幾つかの実施形態では、該レジメンを適用された患者が既に十分な治療効果を経験しているため、該レジメンを打ち切る。例えば、片頭痛処置を指向した幾つかの実施形態では、対象が片頭痛発症の痛み、頻度、持続時間および/または強度の著しい低減を経験した可能性がある。幾つかの実施形態では、対象は所定の期間、例えば約2〜約7日間、約7〜約14日間、約14〜約21日間、約21日間〜約4週間、約4週間〜約8週間、約8週間〜約12週間、およびそれらの重複する範囲を含む数日間〜数か月間の後レジメンを再開することができる。対象は、レジメンを所望により打ち切った時点からレジメンを再開してもよい(例、対象が止めた箇所を再び始める)。該レジメンはまた、開始点(例、区分#1の用量#1)から再開され得る。レジメンの再開は、先行するレジメンの適用からの効果が低減したため(例、症状のぶり返しおよび/または例えば片頭痛頻度の増加)であり得る。本明細書で開示されている方法の幾つかの実施形態は、驚くべきことに副作用を伴わず(例、区分によっては、ヒスタミンの用量が、他の試験では副作用を誘発することがあった用量を超えるが、片頭痛などの副作用を誘発しない)、幾つかの実施形態では、該レジメンは、副作用ゆえに所望により打ち切られる。臨床状態によって、該レジメンは、投薬区分内における特定投与体積で止めるか、または後続区分を実施する前に止めることにより短縮され得る。幾つかの実施形態では、打ち切るのではなく、対象は、1つ以上の期間該レジメンの特定区分を維持するか(例、複数の時間間隔をあけて区分#4を反復する)、または先に実施した区分を1回以上反復する(例、区分#4を行うのではなく、1つ以上の期間の間区分#3を再び実施する)ことができる。
幾つかの実施形態では、第1投薬区分中に投与される用量の数は、第2投薬区分中に投与される用量の数と等しい。幾つかの実施形態では、区分の1つまたは全部は、2、3、4、5、6、7、8またはそれ以上の用量を含むことができる。幾つかの実施形態において、第1投薬区分では4つの個別用量が与えられる。幾つかの実施形態では、後続の投薬区分は4つの個別用量を有する。一部の実施形態では、所定の患者の必要性および臨床症状によって、用量の数は増減される。例えば、幾つかの実施形態では、2〜3、3〜4、4〜8、8〜12、または12〜24(およびそれらの重複する範囲)用量が所定の投薬区分内で投与される。上記で示したように、幾つかの実施形態では、各区分は好ましくは同数の用量を含むが、各投薬区分は異なる数の用量を含むことができる。
さらに、幾つかの実施形態では、第1投薬区分および第2投薬区分は、第1時間間隔により分けられる。幾つかの実施形態では、この時間間隔は、約3〜約5、約5〜約7、約7〜約10、約10〜約15、約15〜約20、約20〜約25、約25〜約30日間およびそれらの重複する範囲を含む約3〜約30日間の範囲である。本明細書で検討したところによると、ある種の実施形態では、例えば第4および第5区間と比較して、時間間隔は、例えば第1区分および第2区分の間で変化している。幾つかの実施形態では、時間間隔は、投薬区分に対する対象の応答性(または不応性)により決定される。さらなる実施形態では、投薬区分間隔は、例えば対象の都合または個人的好みなどの他の変量により決定される。幾つかの実施形態では、第1投薬区分を、所望により圧縮された時間枠で実施する。例えば、幾つかの実施形態では、第1治療区分を構成する用量は、幾つかの実施形態において、1〜2分間、約2〜3分間、約3〜4分間、約4〜5分間、約5〜10分間、約10〜20分間、約20〜30分間およびそれらの重複する範囲などの短縮された時間枠内で投与される。幾つかの実施形態では、第1治療区分は、その区分内に各用量の送達を同時に含む。その結果、様々な受容体の調節が縮小された時間枠で行われ、一部の実施形態では、同時に行われる。
幾つかの実施形態では、投薬レジメンは、1以上の均等な時間間隔(「第3時間間隔」)により分けられた治療剤(例、ヒスタミン)の2以上の逐次用量を含む少なくとも第3投薬区分をさらに含む。幾つかの実施形態では、区分内における各用量の投与体積を一定に保ったままで用量ごとに治療剤濃度が増加し、第3投薬区分における各用量の体積が第2投薬区分において投与される各用量の体積よりも大きい。さらに、幾つかの実施形態では、第3時間間隔は第2時間間隔よりも長い(ただし一部の実施形態では、時間間隔は、所望により先行する投薬区分の時間間隔と均等になるか、またはそれより短くなるように改変され得る)。第3投薬区分は、多区分レジメンにおいて第2区分に続く任意の区分であり得る。
少なくとも3つの投与区分を含む幾つかの実施形態では、(i)第3投薬区分中に投与される治療剤(例、ヒスタミン、例えばヒスタミンリン酸塩またはヒスタミン二塩酸塩)の濃度は、第2投薬区分中に投与される治療剤(例、ヒスタミン、例えばヒスタミンリン酸塩またはヒスタミン二塩酸塩)の濃度と同じである、(ii)第3投薬区分中に投与される用量の数は、第2投薬区分中に投与される用量の数と等しい、および(iii)第2投薬区分および第3投薬区分は、第2時間間隔により分けられる。
一部の実施形態では、上記投薬レジメンは10以下の連続的投薬区分を含むもので、(a)各投薬区分は、1以上の均等な時間間隔により分けられた治療剤(例、ヒスタミン)の2以上の逐次用量を含み、(b)各用量の投与体積は一定のままで、治療剤の濃度は用量ごとに増加し、(c)後続の投薬区分における各用量の体積は、先行する投薬区分における各用量の体積よりも大きく、(d)後続の各投薬区分における時間間隔は、先行する投薬区分における時間間隔より長く、(e)投与される治療剤の濃度は、各投薬区分において同じであり、(f)各区分中に投与される用量の数は等しく、そして(g)後続の各投薬区分は、直前の投薬区分について認められる時間間隔により直前の投薬区分と分けられている。
上記で検討したところによると、幾つかの実施形態では、区分内における個別用量は一定の体積で与えられる。例えば、幾つかの実施形態では、第1投薬区分は複数の個別用量を含み、各用量は、0.01mL〜約0.05mL、約0.05mL〜約0.10mL、約0.10mL〜約0.15mL、約0.15mL〜約0.20mL、約0.20mL〜約0.50mL、約0.50mL〜約0.75mL、約0.75mL〜約1.0mL、およびそれらの間で重複する体積を含む、約0.01から約1.0mLまでの体積で投与される。幾つかの実施形態では、各連続区分で投与される治療剤(例、ヒスタミン)の体積は、直前の投薬区分で投与される治療剤の体積より大きい。例えば、第1区分で投与される治療剤の体積が0.1mLであるならば、次の区分で投与される治療剤の体積は0.1mLより大きい。幾つかの実施形態において、所定の投薬区分で投与される治療剤の体積は、前の区分よりも0.1ml大きい。幾つかの実施形態では、最終区分で投与される治療剤の体積は、0.1mL〜約1.0mL、約1.0mL〜約2.0mL、約2.0mL〜約5.0mL、約5.0mL〜約7.5mL、約7.5mL〜約10.0mL、およびそれらの間で重複する体積を含む、約0.1から約10mLまでの範囲である。幾つかの実施形態では、最終区分で投与される治療剤の体積は約1.0mLである。
幾つかの実施形態において、各区分内で投与される治療剤(例、ヒスタミン)の濃度は、各個別用量で増加する。例えば、第1(例、出発)区分では、治療剤の濃度は、約0.1アトグラム/mL〜約1アトグラム/mL、約1アトグラム/mL〜約1フェムトグラム/mL、約1フェムトグラム/mL〜約1ピコグラム/mL(pg/mL)、約1pg/mL〜約100pg/mL、約100pg/mL〜約200pg/mL、約200pg/mL〜約300pg/mL、約300pg/mL〜約400pg/mL、約400pg/mL〜約500pg/mL、約500pg/mL〜約600pg/mL、約600pg/mL〜約700pg/mL、約700pg/mL〜約800pg/mL、約800pg/mL〜約900pg/mL、約900pg/mL〜約1ng/mL、約1ng/mL〜約5μg/mL、約0.1μg/mL〜約3μg/mL、およびそれらの重複する範囲を含む、約0.1アトグラム/mL〜約10μg/mLの範囲であり得る。幾つかの実施形態では、次の用量は、直前の用量より多い。幾つかの実施形態では、ある区分における最終用量は、約1μg/mL〜約2μg/mL、約2μg/mL〜約3μg/mL、約3μg/mL〜約3.5μg/mL、約3.5μg/mL〜約4μg/mL、約4μg/mL〜約6μg/mL、約6μg/mL〜約8μg/mL、約8μg/mL〜約10μg/mL、およびそれらの重複する範囲を含む、約0.1μg/mL〜約20μg/mLの範囲である。したがって、ある区分内での初回用量からある区分内での最終用量までの濃度は、約0.1アトグラム・mLから約20μg/mLまで、約1pg/mLから約1ng/mLまで、約1ng/mLから約1μg/mLまで、約1μg/mLから約3.5μg/mLまで、約3.5μg/mLから約15μg/mLまで、約15μg/mLから約20μg/mLまでの範囲、およびそれらの重複する範囲である。一部の実施形態では、各治療区分で与えられる総量の割合は、1:2:3(3区分の場合)、1:2:3:4(4区分の場合)、1:2:3:4:5(5区分の場合)である。一部の実施形態において、所定の治療区分内における個別用量の割合は1:103:106:3.5×106である。本明細書で提供されている治療剤(例、ヒスタミン)の濃度は、対象に投与された用量であり得るか、またはある種の実施形態では、到達した血漿中濃度であり得る。
幾つかの実施形態において、ある区分についての全体用量(例、ある区分内において各用量で投与されるヒスタミンなどの治療剤の全量)は、好ましくは次の範囲内に含まれる:
区分1
・初回用量:約0.1アトグラム〜約1ng、または約100アトグラム〜約10pg
・終結用量:約1ng〜約1μg、または約100ng〜約500ng
区分2
・初回用量:約1000アトグラム〜約1ng、または約0.1pg〜約100pg
・終結用量:約10ng〜約10μg、または約1μg〜約5μg
より具体的には、幾つかの実施形態では、区分内の各個別用量は、ヒスタミンに関する様々な受容体の親和性に基づいて、特定のヒスタミン受容体(複数も可)を標的とするように設計されている(例えば表1参照)。例えば、4用量、すなわちD1、D2、D3およびD4を含み、D1を最低濃度とし、D4を最高濃度とする最初の投薬区分は、それぞれH3/H4、H3/H4、H1およびH2を標的とする。さらに、非限定的な例として、ヒスタミンが投与される実施形態では、D1で投与されるヒスタミンの総量は約0.0001pgから約999pgまでの範囲であり、D2で投与されるヒスタミンの総量は約1ngから約999ngまでの範囲であり、D3で投与されるヒスタミンの総量は約1μgから約3.499μgまでの範囲であり、D4で投与されるヒスタミンの総量は約3.5μgから約10μgまでの範囲である。上記で検討したところによると、また非限定的な例に続いて、幾つかの実施形態において、第1投薬区分での用量より大きな体積を有する4用量、すなわちD5、D6、D7およびD8を含む第2投薬区分は、(前の区分での対応する用量に関してだけでなく、あるとすれば、現在の区分内での直前の用量に関しても)より大きな量のヒスタミンの投与をもたらす。したがって、例えば、D5で投与されるヒスタミンの総量は約0.0002pgから約1998pgまでの範囲であり、D6で投与されるヒスタミンの総量は約2ngから約1998ngまでの範囲であり、D7で投与されるヒスタミンの総量は約2μgから約6.998μgまでの範囲であり、さらにD8で投与されるヒスタミンの総量は約7.0μgから約20μgまでの範囲である。一部の実施形態では、各治療区分で与えられる総量の割合は、1:2:3(3区分の場合)、1:2:3:4(4区分の場合)、1:2:3:4:5(5区分の場合)である。一部の実施形態において、所定の治療区分内における個別用量の割合は1:103:106:3.5×106である。
実施形態によって、各投薬区分の持続時間は異なり得る。幾つかの実施形態では、区分の持続時間は、約1〜約2日間、約2〜約4日間、約4日間〜約6日間、約5日間〜約7日間、およびそれらの重複する範囲を含む、約1日から約1週間の範囲である。幾つかの実施形態では、投薬区分は、約1〜約2週間、約2〜約3週間、約3〜約4週間、約4〜約6週間、約6〜約9週間、約9〜約12週間、約12〜約16週間、およびそれらの重複する範囲を含む、約1週間から約16週間までの範囲である。幾つかの実施形態では、後続の投薬区分は、その直前の投薬区分よりも持続時間が長い。
例えば、第1投薬区分が約2週間である幾つかの実施形態では、第2投薬区分は、例えば約2〜約4週間の持続時間である。さらなる区分を含む幾つかの実施形態では、各区分の持続時間は増加し続ける。幾つかの実施形態において、後続の投薬区分は、その直前の投薬区分より持続時間が長い。実施形態(例、投薬区分の持続時間および区分内における個別用量の数)によって、区分内の投薬頻度は、毎日投薬から数週間ごとに1回の投薬までの範囲であり得る。幾つかの実施形態では、区分内の投薬は、毎日、2日ごと、3日ごと、5日ごと、週に1回、週に2回、10日ごとに1回、2週間ごとに1回、3週間ごとに1回、毎月1回、6週間ごとに1回、および列挙した範囲内の頻度で行われる。幾つかの実施形態では、投薬区分の数が増えると、後続の投薬区分では、その直前の投薬区分と比べて投薬頻度が低減される。幾つかの実施形態では、後続の投薬区分は、その直前の投薬区分より持続時間が長いだけでなく、後続の投薬区分は、その直前の投薬区分と比べて投薬頻度が低減されている。表2は、本明細書で開示されている幾つかの実施形態による投薬レジメンの非限定的な例を記載している。一部の実施形態では、1以上の区分持続時間が、50%〜99%(例、60%、75%、85%、90%、95%)ほど圧縮されている。非限定的な例として、区分1の4段階が1日で行われ得る。
*表2:濃度は全て治療剤の有効成分の濃度を表す。例えば、作用物質の塩の場合、濃度は、作用物質単独の分子量に対する塩の分子量に相当する。
幾つかの実施形態において、本発明は、治療剤(例、ヒスタミンまたはヒスタミンの塩)の投与体積、濃度およびタイミングが管理される投薬レジメンを含む。他のアプローチは、単一変動性(例、濃度、体積またはタイミングのうちの1つのみを変更)を採用する。しかしながら、有利には、本方法の幾つかの実施形態は、上記の三次元変動性を採用し、予想外により確固たる治療効果をあげている。幾つかの実施形態では、改善された治療効果が重大な副作用を伴うことなく達成されている。幾つかの実施形態において、改善された有効性は、各用量について変えられた濃度により達成される、より特異的なヒスタミン受容体標的化に由来する(例、様々な用量の濃度によって、ヒスタミンのH1R−H4R、または他の治療剤の変えられた親和性が活用される)。幾つかの実施形態では、区分ごとの体積の増加により、活性化されるべき所定領域におけるヒスタミン受容体の割合を大きくしている(または特定の受容体および/またはヒスタミンの投与量によっては抑制する)。幾つかの実施形態では、タイミングを変えることは、投与頻度が経時的に一定である場合に起こり得る受容体脱感作を防ぐ助けとなる。かかる場合には、増加した用量を一定間隔で投与すると、特に区分ごとに増量しているため、ヒスタミン受容体の1つ以上がヒスタミンに対して不応性となる結果になり得る。したがって、対象が所与のレジメンにおける区分を通しで続行するとき、濃度、体積およびタイミングの変動性により、様々なヒスタミン受容体に対してヒスタミン平衡を回復させる効果(例、活性および/または発現のアップレギュレーションまたはダウンレギュレーション)がもたらされる。
幾つかの実施形態では、本明細書で開示されている方法による投薬レジメン(その非限定的な例を表2に示す)を用いることにより、患者のヒスタミンレベルが最適(健康な集団)ヒスタミンレベル(血漿または尿中)より高かろうが低かろうが、患者ヒスタミン濃度を最適なヒスタミン範囲に戻すことができる。幾つかの実施形態において、本方法は、最適なヒスタミン機能に要求されるレベルを超えるヒスタミンレベルを有する(例、ヒスタデリア)患者においてヒスタミンレベルを低下させることを可能にするもので、本明細書で開示されている投薬レジメンにしたがって上記患者にヒスタミン(合成から天然まで)、ヒスタミンアゴニストまたはアンタゴニスト、またはその医薬的に許容し得る塩を投与することを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で開示されている方法は、最適なヒスタミン機能に要求されるレベルに満たないヒスタミンレベルを有する(例、ヒスタペニア)患者においてヒスタミンレベルを増加させることを可能にするもので、本明細書で開示されている投薬レジメンにしたがって上記患者にヒスタミン(合成から天然まで)、ヒスタミンアゴニストまたはアンタゴニスト、またはその医薬的に許容し得る塩を投与することを含む。
本発明の幾つかの実施形態では、循環しているヒスタミンの量の増加を示す患者または循環しているヒスタミンの量の低減を示す患者の処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子(例、ヒスタミン)を提供しており、上記患者は片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんに罹患している。また、ヒスタミン平衡の回復に関連した片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんの処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子を提供する。本発明の幾つかの実施形態は、ヒスタミンH1受容体の過剰発現および/または過剰活性に関連した疾患の処置で使用するための、および/またはヒスタミンH2、H3および/またはH4受容体のうちの1つ以上の過小発現および/または過小活性に関連した疾患の処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子を含む。
上記で検討したところによると、本明細書で開示されている方法による処置は、標準血漿中ヒスタミンレベルまたは標準尿中ヒスタミンレベルより高いかまたは低いヒスタミンレベルの存在を示す診断的アッセイによるなど、患者がヒスタペニアまたはヒスタデリアに罹患しているという臨床評価に基づき得る。例えば、血漿中45〜約50ng/mlの範囲のヒスタミンレベルは、一部の実施形態では最適なヒスタミン機能についての指標として使用され、この範囲より高いかまたは低い血漿中レベルは、その患者が本明細書で開示されている方法により恩恵を受け得ることを示す。
また、幾つかの実施形態では、ヒスタミンの平衡を取り戻すのを促すため、所望により栄養補助剤を使用してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、ヒスタデリアの処置についての本明細書で開示されている方法のある種のものを補うために、所望によりヒスタミンのメチル化の促進を助ける(例、ヒスタミンの代謝を促すために)栄養補助剤を用いてもよい。メチル化促進性栄養補助剤には、限定される訳ではないが、S−アデノシルメチオニン(SAM−e)、メチル−B12、およびトリメチルグリシン(TMG)、ジメチルグリシン(DMG)、またはそれらの組み合わせがある。さらに、本明細書で開示されている投薬レジメンと連係的に、ヒスタミンの低減を助けるため、カルシウム(ヒスタミンの血流への移行を助ける)および/またはビタミンC(ヒスタミンの***を促す)栄養補助剤を使用することができる。幾つかの実施形態では、マグネシウム補給を用いて、マスト細胞の安定化を促す(それによって、脱顆粒およびヒスタミン放出が低減される)。また、ヒスタミンの低減が望まれるある種の実施形態では、低ヒスタミン食餌療法を使用する。また、銅はヒスタミンを分解する酵素と関連しているため、幾つかの実施形態では、食餌による銅摂取の低減がヒスタペニアの処置に有益である。
ヒスタミン組成物および投与
幾つかの実施形態では、ヒスタミンを医薬的に許容し得る塩として投与する。幾つかの実施形態では、ヒスタミンの二リン酸(H3PO4)塩を使用する。幾つかの実施形態では、ヒスタミンリン酸塩を使用する。また、他の塩類を使用することもあり得、限定される訳ではないが、例えば塩酸(例、ヒスタミン二塩酸塩)、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸により、または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸により形成された酸付加塩、ならびにそれらの組み合わせがある。
さらに、幾つかの実施形態では、存在する酸性プロトンが無機または有機塩基と反応することができるとき、ヒスタミンの医薬的に許容し得る塩が形成され得る。許容し得る無機塩基には、限定される訳ではないが、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化カルシウムがある。許容し得る有機塩基には、限定される訳ではないが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどがある。
本明細書で使用されている「医薬的に許容し得る」の語には、その通常の意味を与えるものとし、そしてこの語はまた、一般的に安全、非毒性であり、生物学的にも、または他の点でも有害なものではなく、獣医学での使用およびヒト用医薬での使用に許容し得るものを含む医薬組成物の調製に有用な構成成分、化合物、化学物質などを包含するものとする。本明細書で使用されている「医薬的に許容し得る塩」の語には、その通常の意味を与えるものとし、そしてこの語は、上記で定義したところの医薬的に許容し得る、および/または望ましい薬理活性を有する化合物の塩を包含するものとする。
幾つかの実施形態において、本方法は、1種以上のアゴニストおよび/またはアンタゴニスト化合物の投与を採用する。実施形態によっては、特定のヒスタミン受容体の機能を増強または減少させるためにアゴニストまたはアンタゴニストが投与され得る。例えば、幾つかの実施形態では、H3Rアゴニストが投与され得、一部の実施形態では、H1Rアンタゴニストが投与される。上記アゴニストは、スーパーアゴニスト、完全アゴニスト、部分アゴニスト、またはインバースアゴニストであり得る。実施形態によっては、アンタゴニストは、競合的、非競合的、不競合的またはサイレントアンタゴニストであり得る。アゴニストおよびアンタゴニストはまた、実施形態によって、選択的または非選択的のいずれかであり得る。幾つかの実施形態では、1種以上のアゴニストまたはアンタゴニスト化合物の使用が別の治療剤(例、ヒスタミン)の使用に追加された形をとる。
幾つかの実施形態において、本方法は、所望により抗ヒスタミン化合物の投与を含む。例えば、幾つかの実施形態では、H1受容体のアンタゴニストをヒスタミン投薬レジメンと連係的に投与し、アンタゴニストによりH1受容体活性が低減されることにより、H2/H3受容体の抑制効果がさらに増強される。例えば、使用され得るH1アンタゴニストには、限定される訳ではないが、アセプロメタジン、アクリバスチン、アルカフタジン、アリメマジン、アンタゾリン、アプタザピン、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、バミピン、ベポタスチン、ビラスチン、ビスレピン、ブロマジン、ブロムフェニラミン、カルビノキサミン、カルビノキサミン/シュードエフェドリン、セチリジン、クロルシクリジン、クロロピラミン、クロロテン、クロルフェナミン、クロルフェノキサミン、シンナリジン、クレマスチン、クレミゾール、クロベンゼパム、クロベンズトロピン、クロシニジン、シアノドチエピン、シクリジン、シプロヘプタジン、ダセマジン、デプトロピン、デスロラタジン、デクスブロムフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジメンヒドリネート、ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、ドキシラミン、ドリキソラール、エバスチン、エンブラミン、エメダスチン、エピナスチン、エスミルタザピン、エチメマジン、フェキソフェナジン、ヒスタピロジン、ホモクロルシクリジン、ヒドロキシエチルプロメタジン、ヒドロキシジン、ヒドロキシジン、イソプロメタジン、イソチペンジル、ケトチフェン、ラトレピルジン、レボカバスチン、レボセチリジン、ロラタジン、メブヒドロリン、メピラミン、メタフリレン、メタピリレン、メトジラジン、4−メチルジフェンヒドラミン、ミアンセリン、ミルタザピン、ミゾラスチン、モキサスチン、オロパタジン、オルフェナドリン、オキサトミド、ペミロラスト、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、ピロレート、プロメタジン、プロピオマジン、シュードエフェドリン/ロラタジン、ピロブタミン、レピリナスト、レスポラール、ルパタジン、セタスチン、セチプチリン、タラスチン、テルフェナジン、テナリジン、テニルジアミン、チアジナミウムメチルスルフェート、トンジラミン、トルプロパミン、トプレキシル、トリペレンアミン、トリプロリジン、およびそれらの組み合わせがある。他の実施形態では、アゴニスト化合物が(例、対象がヒスタペニアに罹患しているかまたはヒスタデリアに罹患しているかによって)使用され得る。一部の実施形態では、例えば、ヒスタペニアを伴う対象を処置するときなど、H1アゴニストが使用され得る。適切なH1アゴニストには、限定される訳ではないが、2−ピリジルエチルアミン二塩酸塩、ヒスタミントリフルオロメチルトルイジド、および本明細書で開示されているヒスタミン(合成のものまたは天然に存するもののいずれか)の様々な塩、またはそれらの組み合わせがある。
幾つかの実施形態では、限定される訳ではないが、例えば、アルプロミジン、アムタミン、イムプロミジン、ジマプリット、ソプロミジン、4−メチルヒスタミン、およびそれらの組み合わせを始めとする、H2Rのアゴニストが使用される。また幾つかの実施形態では、限定される訳ではないが、例えば、シメチジン、ミフェンチジン、ニザチジン、ラニチジン、チトチジン、ファモチジン、ゾランチジン、ヨードアミノポテンチジン、化合物SKF92857、メピラミン、ロキシチジン、およびそれらの組み合わせを始めとする、H2Rアンタゴニストが使用される。
H3受容体アゴニストは、幾つかの実施形態で使用される。適切なH3Rアゴニストには、(R)−α−メチルヒスタミン、シプラリサント、インメピップ、イメチット、イメトリジン、メチメピップ、プロキシファン、およびそれらの組み合わせがあるが、これらに限定される訳ではない。逆に、実施形態によっては、H3Rアンタゴニストが使用され得る。適切なH3Rアンタゴニストには、限定される訳ではないが、A−349,821、ABT−239、ベタヒスチン、ブリマミド、シプロキシファン、コネッシン、クロベンプロピット、インペンタミン、ヨードフェンプロピット、チオペラミド、VUF−5681(4−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]ピペリジン)、およびそれらの組み合わせがある。
H4受容体アゴニストは、幾つかの実施形態で使用される。適切なH4Rアゴニストには、限定される訳ではないが、VUF−8430(2−[(アミノイミノメチル)アミノ]エチルカルバムイミドチオ酸エステル)、OUP−16、4−メチルヒスタミン、および本明細書で開示されているヒスタミン(合成のものまたは天然に存するもののいずれか)の様々な塩、またはそれらの組み合わせがある。H4Rアンタゴニストが、実施形態によっては使用され得る。適切なH4Rアンタゴニストには、限定される訳ではないが、チオペラミド、JNJ 7777120、VUF−6002(1−[(5−クロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)カルボニル]−4−メチルピペラジン)、A987306、A943931、およびそれらの組み合わせがある。
幾つかの実施形態において、本発明は、ヒスタミンH1受容体、ヒスタミンH2受容体、ヒスタミンH3受容体、およびヒスタミンH4受容体から成る群から選択されるヒスタミン受容体の活性および/または発現を阻害することによる片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんの処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子を含む。幾つかの実施形態において、ヒスタミン受容体活性化因子は、ヒスタミンH1受容体の活性および/または発現を阻害するため、ヒスタミンH1受容体の過剰発現および/または過剰活性に関連した疾患の処置での使用に有益である。さらに、幾つかの実施形態において、ヒスタミン受容体活性化因子(複数も可)は、ヒスタミンH2、H3および/またはH4受容体のうちの1以上の過小発現および/または過小活性に関連した疾患の処置で使用するためのものである。
幾つかの実施形態において、本発明は、ヒスタミンH1受容体の完全または部分的アンタゴニストとの組み合わせ、逐次または個別投与による片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんの処置で使用するためのヒスタミン受容体活性化因子を含む。さらに、幾つかの実施形態において、本発明は、片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症および/またはてんかんの処置で使用するためのヒスタミンH1受容体の活性および/または発現の阻害剤を含む。
実施形態によっては、本明細書で開示されている方法で使用されるヒスタミン組成物は、投与経路しだいで、様々な形態のうちの1つ以上で使用され得る。投与は、例えば、口、眼、耳および/または鼻、泌尿生殖器、直腸を経るもの、経皮、移植によるもの、および/または注入によるものであり得る。一実施形態ではパッチが使用され得る。経口送達は、例えば、経腸的(例、消化管へ)、口腔内(例、舌下)、および/または吸入によるもの(例、気道へ)であり得る。実施形態によって、経口形態には、限定される訳ではないが、液体、固体および/または半固体形態がある。幾つかの実施形態では、経腸投与は、丸薬、錠剤、カプセル剤、ゲルキャップ、(徐放性形態を含む)浸透送達系、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、乳濁液、ヒドロゲル、オブラート、分子封入形態、ソフトゲル、溶液、懸濁液、シロップ剤、チンキ剤および/または薬湯のうちの1以上の投与による。口腔内投与は、幾つかの実施形態では、口内崩壊性錠剤または丸薬、フィルム、舐剤、チューインガム、ポプシクル、ロリポップ、うがい薬、洗口液、練歯磨き、軟膏および/または口内スプレーのうちの1つ以上の投与による。
幾つかの実施形態において、経口形態は、1種以上の不活性希釈剤および/または可食性担体を含み得る。例えば、本組成物は、ゼラチンカプセル(経口用)に封入されるか、または錠剤(経口用または口腔内用)に圧縮されるか、またはトローチ剤または舌下液(口腔内用)に製剤化され得る。幾つかの実施形態において、活性ヒスタミン化合物は、賦形剤およびおよび/または様々な医薬的に適合し得る担体、結合剤、および/または補助材料により組み込まれ得る。経口形態は、実施形態によっては、以下の成分、または似た性質の化合物のいずれかを含んでいてもよい:微晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンなどの結合剤、でんぷんまたは乳糖などの賦形剤、アルギン酸、またはコーンスターチなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素などのグライディング剤、ショ糖またはサッカリンなどの甘味剤、または着香剤(複数も可)、例えばミント、サリチル酸メチル、またはフルーツ香味料、キャンディー香味料、香味料の組み合わせなど。投薬単位形態がカプセル剤であるとき、それは所望により、上記タイプの材料に加えて、脂肪油などの液体担体を含むことができる。さらに、投薬単位形態は、投薬単位の物理的形態を修飾する様々な他の材料、例えば、糖衣、シェラック、または他の腸溶剤を含むことができる。気道への投与は、幾つかの実施形態では、乾燥粉末吸入器、ネブライザー、噴霧器、定量吸入器、呼吸用マスク、酸素濃縮器、鼻カニューレなどのうちの1つ以上の投与による。
幾つかの実施形態では、眼、耳および鼻からの投与が使用され、一部のかかる実施形態では、ヒスタミン組成物が例えば粘膜を通して迅速に吸収されるため有利である。眼、鼻または耳による送達形態には、限定される訳ではないが、例えば、鼻スプレー、点耳薬、点眼薬、軟膏、ヒドロゲル、ナノスフェア懸濁液または乳濁液、粘膜付着性微小ディスク(例、ミクロスフェア錠剤)などがある。
泌尿生殖器および/または直腸投与形態には、限定される訳ではないが、軟膏、ペッサリー(例、膣坐薬)、膣用リング、膣洗浄器、子宮内器具(IUD)、羊膜外注入液、膀胱内注入液、坐薬、浣腸剤、および/またはマーフィー点滴(Murphy drip)などがある。
皮膚投与形態には、実施形態によって、限定される訳ではないが、軟膏、塗布剤、ペースト、フィルム、ヒドロゲル、リポソーム、トランスフェルソーム小胞、クリーム、ローション、香油、膏薬、シャンプー、皮膚パッチ(例、経皮パッチ)、経皮スプレー、直接式またはジェット式注射器などがある。
実施形態によっては、注射または注入も使用され得る。例えば、ヒスタミンの送達は、皮内的、皮下的、経皮移植による、静脈内的、筋肉内的、腹腔内的、動脈内的、陰茎海綿体内的、大脳内的、鞘内的、硬膜外的なものなどであり得る。
幾つかの実施形態において、治療剤は自己投与される。一部の実施形態では、治療剤は、それを必要とする対象に非医療専門家(例えば、知人、家族、配偶者など、医療専門家ではない個人)により投与される。
幾つかの実施形態では、様々な投与経路の組み合わせも使用される。例えば、経口投薬は、皮下投与と連係的に使用され得る。同様に、例えば、筋肉内投与経路および皮下投与経路の両方が所望により使用される。注射または注入に使用される溶液または懸濁液は、所望により以下の構成成分のうちの1以上を含み得る:無菌希釈剤、例えば注射用水、食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒、抗菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム、キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、緩衝液、例えば酢酸、クエン酸またはリン酸緩衝液および張度調整剤、例えば塩化ナトリウム、マンニトールおよびデキストロース。実施形態によっては、注射可能調製物が、所望によりアンプル、使い捨て注射器またはガラスもしくはプラスチックまたは他の適切な材料で製造された多用量バイアルに収納され得る。本明細書で開示されているヒスタミン組成物と連係的に使用するとき、抗ヒスタミン剤もまた上記形態のいずれかをとり得る。
下記実施例および上記の表で提供した濃度および投薬量は体重75〜85kgの対象についてであり、幾つかの実施形態によると、異なる体重については比例させて調整することができる。幾つかの実施形態では、充填前注射器、バイアルまたは他の容器を含むキットを、本明細書記載の治療剤の用量と共に提供する。例えば紙または電子カレンダーシステムまたは他の自己処置スケジュール用アラートを含む使用説明書を一実施形態で提供する。
本明細書で提供する実施例は、本発明の一部の実施形態の非限定的な例である。
実施例1−神経障害の処置のためのヒスタミン投薬レジメン
幾つかの実施形態では、上記で開示されている方法によるヒスタミン投薬レジメンを、片頭痛、パーキンソン病およびアルツハイマー病およびALSおよびてんかんを含む、神経障害の低減および/または阻止のために使用する。長期にわたる片頭痛患者を表3に示すレジメンで処置した(投与日は一例に過ぎないものとする)。ヒスタミンを示された時間および濃度にしたがって皮下投与した。
*C1=1.0pg/mLヒスタミンベース
C2=1.0ng/mLヒスタミンベース
C3=1.0μg/mLヒスタミンベース
C4=3.5μg/mLヒスタミンベース
表3に示された濃度は、「ヒスタミンベース」濃度(例、ヒスタミンそれ自体の量)を表す。例えば、ヒスタミンリン酸塩の場合、リン酸の2個の分子がヒスタミンの各分子に結合している。ヒスタミンリン酸塩の分子量は307.15であり、ヒスタミンそれ自体の分子量は111.15であるため、1mgの有効成分を得るためには2.75mgの上記塩が必要とされる。
上記ヒスタミン投薬レジメンの結果として、対象(片頭痛罹患歴が35年を超える者)は、片頭痛発症の頻度の著しい低減、および片頭痛が起こったときの片頭痛の強度の低減を経験した。この投薬レジメン以前、該対象は週に平均して約3〜5回の片頭痛を経験していた。様々な処方箋薬、非処方箋薬の使用、食餌療法の変更、および/または代替的医療アプローチにもかかわらず、この頻度であった。片頭痛事象は、多くの就労日数を奪うことになり、仕事効率を低下させた。片頭痛はまた、ある種の職業上の昇進の機会の喪失をもたらし、また仕事外では、運動能力の喪失をもたらした(身体運動が片頭痛の発作を誘発したため)。全般的な片頭痛事象は、生活の質を一貫して低下させるものであった。
上述のヒスタミン投薬レジメンを実行に移した結果、片頭痛の強度および頻度はこの対象において大幅に低減され、この対象は、現在では2か月ごとにほぼ1回の片頭痛を経験するに過ぎない。該対象については、対象の家族と対話して過ごす時間をもつことができ、家庭および社会のイベントに参加することができ、運動することができ、社会の生産的構成員になることができるなど、生活の質の大幅な改善がもたらされた。またこのレジメンでは、レジメンに付随する副作用は限られたものとなった(例、ヒスタミン誘発性の頭痛が無い)。区分5を完了した後、対象は、ある一定期間経過後、区分1での投薬レジメンを再開した。上記で検討したところによると、様々な生理学的機能においてヒスタミンが優勢であること、および様々な疾患および/または障害におけるヒスタミン平衡失調により、本発明の幾つかの実施形態は、限定される訳ではないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、てんかん、ALS、および本明細書で開示されている他の障害を含む、他の疾患および/または障害の処置に有用なものとなっている。一部の実施形態では、1つ以上の区分持続時間が、例えば50%〜99%(例、60%、75%、85%、90%、95%)ほど圧縮または拡大され得る。
実施例2−神経障害の処置のための延長ヒスタミン投薬レジメン
幾つかの実施形態では、延長ヒスタミン投薬レジメンを、特に片頭痛、パーキンソン病、アルツハイマー病、ALSおよびてんかんを含む、神経障害の低減および/または阻止のために使用する。
*C1=1.0pg/mLヒスタミンベース
C2=1.0ng/mLヒスタミンベース
C3=1.0μg/mLヒスタミンベース
C4=3.5μg/mLヒスタミンベース
表4に示された濃度は、「ヒスタミンベース」濃度(例、ヒスタミンそれ自体の量)を表す。例えば、ヒスタミンリン酸塩の場合、リン酸の2個の分子がヒスタミンの各分子に結合している。ヒスタミンリン酸塩の分子量は307.15であり、ヒスタミンそれ自体の分子量は111.15であるため、1mgの有効成分を得るためには2.75mgの上記塩が必要とされる。一部の実施形態では、1つ以上の区分持続時間が、例えば50%〜99%(例、60%、75%、85%、90%、95%)ほど圧縮または拡大され得る。他のヒスタミン化合物をヒスタミンリン酸塩の代わりに、またはそれに加えて使用してもよい。
実施例3−代表的製剤
本明細書で開示されているヒスタミン投薬レジメンの幾つかの実施形態で使用するための代表的製剤は、50%(v/v)グリセリン中にヒスタミンベース1mg/mL(ヒスタミンリン酸塩2.75mg/mL)を含む、皮下注射に適した製剤である。本明細書で開示されているように、他のヒスタミン受容体活性化因子を、ヒスタミンリン酸塩の代わりに、またはそれに加えて使用することができる。
上記の実施例および幾つかの実施形態はヒスタミン系について検討しているが、本明細書記載のアプローチは、他の系の平衡を取り戻すのにも使用され得る。例えば、一部の実施形態では、治療剤には、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、GABAおよびアセチルコリン系のうちの1以上に影響を及ぼす作用物質など、神経伝達に影響を及ぼす作用物質が含まれる。標的化され制御された受容体調節パターンは、神経障害に特に有効であり得る。したがって、本明細書記載のアプローチによる、これらの神経伝達経路のアゴニストおよびアンタゴニストは、この開示に包含される。
本発明の実施形態はある一定の好ましい実施形態および実施例の文脈で開示されているが、本発明が、具体的に開示された実施形態におさまらず、本発明の他の代替的実施形態および/または使用およびその明白な修正および均等なものにまで拡大されることは、当業者にとって明らかなこととなるはずである。さらに、本発明の多くの変形が示され、詳細に記載されているが、本発明の範囲内に含まれる他の修正も、この開示に基づけば当業者に容易に理解できるはずである。また、実施形態の特異的な特徴および態様の様々な組み合わせまたは部分的組み合わせが形成され、依然として本発明の1以上の中に含まれ得るものとする。さらに、実施形態に関連した特定の特徴、態様、方法、特性、特質、品質、属性、要素などの本明細書における開示は、本明細書に示された全ての他の実施形態でも使用され得る。したがって、開示された実施形態の様々な特徴および態様を、開示された発明の様々な様式を形成するために、互いに組み合わせたり、置き換えたりできることは言うまでもない。本明細書記載の実施形態の全てについて、本方法の段階を連続して実施する必要はない。したがって、本明細書で開示されている本発明の範囲は上記の特定の開示された実施形態により限定されるべきではないものとする。
本明細書で開示されている範囲はまた、その全ての重複、部分的範囲および組み合わせを包含する。例えば「〜以下」、「少なくとも〜」、「〜より大きい」、「〜未満」、「〜の間」などの言葉は、列挙した数を含む。「約」または「ほぼ」などの語が先行する数は、列挙した数を含む。例えば、「約10ナノメートル」は、「10ナノメートル」を含む。
単数形態「a」、「an」および「the」または同様の語が本明細書で使用されているとき、文脈上明らかに矛盾がなければ、それらは複数の指示対象も包含するものと理解される。したがって、例えば、「作用物質(an agent)」とあれば、2種以上の作用物質の場合も含むなど。本明細書で使用されている「または」の語または同様の語は、特定リストのいずれかの一員を意味し、またそのリストの構成員の何らかの組み合わせも包含する。
この明細書の記載および請求の範囲の全体を通して、「含む(comprise)」およびこの言葉の変形、例えば「含んでいる」および「含む(comprises)」などは、「限定される訳ではないが、〜を含む」を意味し、例えば、他の添加物、構成成分、整数または段階を排除するものではないことを意図する。

Claims (8)

  1. 対象における片頭痛の処置における使用のためのヒスタミン受容体活性化因子組成物であって、
    該ヒスタミン受容体活性化因子組成物の投与が、
    ヒスタミン受容体活性化因子組成物の第1用量の第1投与を該対象に執り行い、
    該ヒスタミン受容体活性化因子組成物の第2用量の第1投与を該対象に執り行い、
    該第1用量および第2用量の該第1投与は第1時間間隔により隔てられ、
    該第1投与の該第2用量が、前記ヒスタミン受容体活性化因子組成物の該第1用量の濃度よりも高い前記ヒスタミン受容体活性化因子組成物の濃度および該第1用量の投与体積と同じである投与体積を有するものとし;
    前記対象に該ヒスタミン受容体活性化因子組成物の該第1用量の第2投与を執り行い、
    そして
    前記対象に該ヒスタミン受容体活性化因子組成物の該第2用量の第2投与を執り行い、
    該第1用量および第2用量の該第2投与は、第2時間間隔により隔てられ、
    該第2投与の該第2用量が、前記ヒスタミン受容体活性化因子組成物の該第1用量の濃度よりも高い前記ヒスタミン受容体活性化因子組成物の濃度および該第1用量の投与体積と同じ且つ前記第1投与の前記第2用量の投与体積よりも大きい投与体積を有するものとし、
    該ヒスタミン受容体活性化因子組成物がヒスタミンを含み、
    該ヒスタミン受容体活性化因子組成物の該第1用量および第2用量の反復投与が該対象の1つ以上のヒスタミン受容体の活性を正常化すること
    を含むものとする、ヒスタミン受容体活性化因子組成物。
  2. 該ヒスタミン受容体活性化因子組成物が、医薬的に許容し得るヒスタミン塩を含む、請求項1に記載の使用のためのヒスタミン受容体活性化因子組成物。
  3. 該医薬的に許容し得るヒスタミン塩が、ヒスタミン二リン酸塩、ヒスタミンリン酸塩およびヒスタミン二塩酸塩からなる群から選択される、請求項2に記載の使用のためのヒスタミン受容体活性化因子組成物。
  4. 該ヒスタミン受容体活性化因子組成物の該第1用量の少なくとも第3投与および該ヒスタミン受容体活性化因子組成物の該第2用量の少なくとも第3投与をさらに含む、請求項1に記載の使用のためのヒスタミン受容体活性化因子組成物。
  5. 前記1つ以上のヒスタミン受容体の活性を正常化することが、
    ヒスタミンH3受容体を調節し、1以上のヒスタミン作動性ニューロンからのヒスタミン放出を阻害すること、及び
    ヒスタミンH1受容体を調節し、ヒスタミンH1受容体の発現をアップレギュレートしてヒスタミン産生におけるフィード−フォワード効果を誘導すること
    の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載のヒスタミン受容体活性化因子組成物。
  6. 前記1つ以上のヒスタミン受容体の活性を正常化することが、ヒスタミンH3受容体を調節し、1以上のヒスタミン作動性ニューロンからのヒスタミン放出を阻害することを含む、請求項に記載のヒスタミン受容体活性化因子組成物。
  7. 前記対象が、該循環ヒスタミン量の過剰の結果として前記片頭痛を起こしやすく、循環ヒスタミン量を減少させることで前記片頭痛の頻度および/または強度を低減する、請求項に記載のヒスタミン受容体活性化因子組成物。
  8. 少なくとも、第1用量及び第2用量のヒスタミン組成物の第3投与を該対象に投与することをさらに含み、該第2用量が該第1用量よりも大きいヒスタミン濃度を有し、該第1用量及び第2用量が第3時間間隔により隔てられる、請求項に記載のヒスタミン受容体活性化因子組成物。
JP2015546450A 2012-12-05 2013-06-18 ヒスタミン平衡の回復方法 Active JP6395720B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261733630P 2012-12-05 2012-12-05
US61/733,630 2012-12-05
PCT/US2013/046420 WO2014088641A1 (en) 2012-12-05 2013-06-18 Methods for restoration of histamine balance

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016505562A JP2016505562A (ja) 2016-02-25
JP2016505562A5 JP2016505562A5 (ja) 2016-08-04
JP6395720B2 true JP6395720B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=50883850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015546450A Active JP6395720B2 (ja) 2012-12-05 2013-06-18 ヒスタミン平衡の回復方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP2928467A4 (ja)
JP (1) JP6395720B2 (ja)
BR (1) BR112015012712A2 (ja)
CA (1) CA2893438A1 (ja)
WO (1) WO2014088641A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4544629A (en) * 1982-11-19 1985-10-01 Minnesota Mining And Manufacturing Company Receptor-based histamine assay
US6071942A (en) * 1996-05-14 2000-06-06 Maxim Pharmaceuticals, Inc. Elevation of circulating blood histamine levels
US6432986B2 (en) * 1997-07-21 2002-08-13 Bruce H. Levin Compositions, kits, and methods for inhibiting cerebral neurovascular disorders and muscular headaches
US20030143195A1 (en) * 2002-01-30 2003-07-31 Pinsker Judy Senior Use of histamine as a drug delivery enhancing compound for use in transmucosal or transdermal delivery

Also Published As

Publication number Publication date
EP2928467A4 (en) 2016-05-25
EP2928467A1 (en) 2015-10-14
JP2016505562A (ja) 2016-02-25
WO2014088641A1 (en) 2014-06-12
BR112015012712A2 (pt) 2017-07-11
CA2893438A1 (en) 2014-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9808444B2 (en) Methods for restoration of histamine balance
US9700548B2 (en) Antihistamines combined with dietary supplements for improved health
US20090137565A1 (en) Method for treatment of movement disorders
KR20100056569A (ko) 운동성 질환에 걸린 환자의 치료 방법
JP2020517689A (ja) 寿命および健康寿命を延ばすための製剤
CA2703693C (en) Anti-fatigue agent comprising amino acid composition
Oertel et al. Late (complicated) Parkinson’s disease
JP2023175762A (ja) 神経変性疾患のための治療薬
Oertel et al. Early (uncomplicated) Parkinson’s disease
JP2024059863A (ja) リソソーム蓄積障害に関する医薬組成物及び使用
CN106714819A (zh) 治疗普拉德‑威利综合征的方法
JP2022504771A (ja) 健康寿命延長を目的とするニコチンアミドリボシド組成物
US20230037138A1 (en) Paraxanthine-based caffeine substitute compositions and method of use thereof in slow caffeine metabolizers
US9433596B2 (en) Pharmaceutical composition comprising N-acetyl-L-cysteine or its derivatives for treating anxiety disorder
US20100081626A1 (en) Weight loss compositions and uses thereof
JP6395720B2 (ja) ヒスタミン平衡の回復方法
US20180055849A1 (en) Nutraceutical capsule and tablet formulations providing enhanced mental clarity, concentration and stamina while minimizing adrenaline and dopamine concentration perturbations associated with withdrawal
EP3858359B1 (en) Composition, comprising a thiamine derivative, for prevention or treatment of hypercortisolemia
Ferini-Strambi et al. Treatment of restless legs syndrome
BR112020016672A2 (pt) Leucina, acetil-leucina ou um sal farmaceuticamente aceitável da mesma e método de reduzir, inibir ou eliminar um ou mais sintomas de síndrome das pernas inquietas (rls) em um indivíduo em necessidade do mesmo
US10646535B1 (en) Modulating the endocannabinoid system to achieve desired health or wellness effects
RU2802288C2 (ru) Терапевтические агенты для лечения синдрома беспокойных ног
US20210015779A1 (en) Therapeutic compositions and methods
KR102246627B1 (ko) Hmba를 포함하는 비만 또는 당뇨의 예방 또는 치료용 조성물
EP3871685B1 (en) Anti-obesity agent, pollakiuria improving agent, and autonomic nervous activity regulator

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160616

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170307

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170908

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180516

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180828

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6395720

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250