以下に、本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.判定処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る判定処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る判定処理の一例を示す図である。図1では、実施形態に係る判定装置100が、所定の事業者に対する金融機関の融資先としての信用度を判定する処理の一例について説明する。また、図1では、判定装置100が、金融機関で利用される端末である金融機関端末20に判定結果を提供する処理の一例について説明する。なお、事業者とは、必ずしも企業に限らず、個人事業主や小規模な法人等、事業を営むあらゆる者を広く含む概念である。
図1に示す判定装置100は、事業者の融資先としての信用度を判定するサーバ装置である。また、図1に示す金融機関端末20は、金融機関によって利用される情報処理端末である。また、図1に示す金融機関サーバ30は、金融機関に保持されるサーバ装置である。また、図1に示すコンテンツ配信サーバ40は、例えばウェブサイト等のコンテンツを一般ユーザ(図1での図示は省略する)に配信するサーバ装置である。判定装置100と、金融機関端末20、金融機関サーバ30及びコンテンツ配信サーバ40とは、図1に図示しないネットワークN(例えばインターネット。図2参照)を介して、通信可能に接続される。
判定装置100は、例えば所定の指標値を用いて、事業者の信用度を判定する。具体的には、判定装置100は、事業者の将来性や運営状況等に基づいて当該事業者の指標値を算出し、算出した数値に基づいて当該事業者の信用度を判定する。なお、判定装置100は、以下で説明するように、信用度を判定する事業者と関係を有する他の事業者の情報に基づいて、対象とする事業者の信用度を判定する。
また、判定装置100は、判定した信用度を事業者に対して融資を行う金融機関に提供する。一般に、金融機関は、事業者に対して独自に調査を行い、融資先としての信用度を判定する。例えば、金融機関は、事業者の財務状況等を専門に調査する調査会社等の外部機関と連携して、融資先としての信用度を判定する。
しかしながら、上記手法では、金融機関が融資先を拡大することが難しい場合がある。例えば、調査会社や金融機関は、上場を果たしているような比較的規模の大きい株式会社についての財務状況は取得できるものの、非上場の小規模な会社や、設立まもないベンチャー企業等についての財務状況を取得できるとは限らない。このため、金融機関は、これら小規模事業者へ適切な営業を行うことができなかったり、融資額を算出することができなかったりする場合がある。また、金融機関は、これら小規模事業者の存在に気付かず、そもそも融資先として認識できない可能性もある。
そこで、実施形態に係る判定装置100は、以下に説明する処理を用いて事業者の信用度を判定するとともに、判定結果を一覧表示するグラフを金融機関に提供する。これにより、金融機関は、融資先として適切な事業者を抽出することができるため、融資先を拡大することができる。
具体的には、判定装置100は、融資先としての信用度判定の対象とする事業者(以下、「第1の事業者」と表記する場合がある)について、当該事業者自体の情報のみならず、当該事業者と所定の関係性を有する事業者(以下、「第2の事業者」と表記する場合がある)の情報を用いて、判定処理を行う。より具体的には、判定装置100は、第1の事業者が金融機関に開設する口座に関する情報(以下、「口座情報」と表記する場合がある)を取得する。
一般に、小規模な事業者であっても、事業に使用する口座はほぼ確実に開設していることが想定される。判定装置100は、このような第1の事業者が開設した口座の情報である口座情報を金融機関から取得し、その口座情報から第1の事業者と取引のある第2の事業者を特定する。そして、判定装置100は、特定した第2の事業者に関する情報を利用して、第1の事業者の信用度を判定する。すなわち、判定装置100は、第1の事業者と取引関係を有する第2の事業者の情報を用いて、第1の事業者に関する信用度を判定する。これにより、判定装置100は、第1の事業者が非上場であったりベンチャー企業等の小規模な事業者であったりして、第1の事業者そのものの財務情報等で信用度を判定することが難しい場合でも、精度よく第1の事業者の信用度を判定することができる。以下、図1を用いて、判定装置100による判定処理の一例を流れに沿って説明する。
まず、判定装置100は、金融機関との連携のもと、金融機関サーバ30から第1の事業者に関する口座情報を取得する(ステップS11)。また、判定装置100は、コンテンツ配信サーバ40から、事業者(以下の説明で特に言及せずに事業者と表記する場合、第1の事業者及び第2の事業者の双方を含む)に対する評価に関する情報(以下、「評価情報」と表記する場合がある)を取得する(ステップS12)。
判定装置100は、評価情報として、種々の情報を取得する。例えば、判定装置100は、コンテンツ配信サーバ40が株式情報に関するウェブサイトを提供するサーバである場合、評価情報として、現時点の事業者の株価情報や、株価情報の推移を取得する。また、判定装置100は、コンテンツ配信サーバ40が為替に関するウェブサイトを提供するサーバである場合、評価情報として、現時点の為替や、事業者が属する業界において、為替の動向が事業にどのような影響を与えるかといった情報を含む為替情報を取得する。
また、判定装置100は、コンテンツ配信サーバ40が検索サービスに関するウェブサイトを提供するサーバである場合、評価情報として、事業者がユーザから検索された回数やランキングを取得する。また、判定装置100は、コンテンツ配信サーバ40がニュースサービスに関するウェブサイトを提供するサーバである場合、評価情報として、事業者が記事に登場した回数や、また、当該記事が事業者に対してポジティブな記事であるか、あるいはネガティブな記事であるかといった情報を取得する。なお、上記で挙げた評価情報は一例であり、その他の評価情報の詳細については後述する。
そして、判定装置100は、金融機関サーバ30及びコンテンツ配信サーバ40から取得した情報に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する処理を行う。具体的には、判定装置100は、金融機関サーバ30から取得した口座情報に基づいて、第1の事業者と関係を有する第2の事業者を特定する(ステップS13)。
例えば、判定装置100は、第1の事業者の口座情報に基づいて、第1の事業者と取引関係がある事業者を第2の事業者として特定する。具体的には、判定装置100は、第1の事業者の口座において入出金先として履歴のある事業者を第2の事業者として特定する。この場合、判定装置100は、第2の事業者を特定するとともに、第1及び第2の事業者間の取引金額、取引日時、取引頻度、取引額の推移といった情報を特定してもよい。
そして、判定装置100は、特定された第2の事業者と第1の事業者との間の入出金関係と、第2の事業者に関する評価情報とに基づいて、第1の事業者の融資先としての信用度を判定する(ステップS14)。入出金関係とは、例えば、第1の事業者と第2の事業者との間に入出金を伴う取引があったという関係や、取引額や取引回数など、第1の事業者と第2の事業者との間の入出金取引に関する情報を含む。詳細は後述するが、判定装置100は、例えば、第2の事業者との取引額が増加するように推移し、かつ、第2の事業者が他の事業者と比較して高い評価を得ている場合に、当該第2の事業者と関係を有する第1の事業者の信用度を高く判定する。すなわち、判定装置100は、第1の事業者と関係性を有する第2の事業者における評価に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
例えば第1の事業者がベンチャー企業等であって非上場の場合、一般に財務情報等は公開されない。このため、金融機関等が、第1の事業者のみの情報によって、第1の事業者の信用度を測ることは難しい。一方、判定装置100によれば、第1の事業者と取引関係にある第2の事業者を特定し、第2の事業者に関する情報を用いて第1の事業者の信用度を判定できる。例えば、判定装置100は、事業が好調な第2の事業者や、社会的に信用度の高い第2の事業者と取引関係を有していたり、取引額が増加傾向にあったりする第1の事業者についてそれらの要素を反映させ、相対的に高い信用度を有すると判定する。
さらに、判定装置100は、判定した信用度と、第1の事業者の口座上の関係性を一覧表示する所定のユーザインターフェイスを提供してもよい。例えば、判定装置100は、図1に示すグラフW10を生成する。そして、判定装置100は、生成したグラフW10を金融機関端末20に提供する(ステップS15)。金融機関端末20は、判定装置100から提供されたグラフW10を表示する(ステップS16)。例えば、金融機関端末20を利用する金融機関の所員は、グラフW10を利用して、新たな融資先となる第1の事業者を抽出する。
図1に示すように、事業者間の関係性と信用度を示すグラフW10は、事業者と、事業者間を結ぶ線とを伴って視覚的に表示される。例えば、グラフW10では、所定の第1の事業者が基点となり、基点となった第1の事業者に対して関連性を有する第2の事業者が視覚的に表示される。また、基点となった第1の事業者に対する第2の事業者が新たな第1の事業者となり、さらに当該第1の事業者と関係のある第2の事業者との関係性がグラフW10において表示される。
具体的には、各事業者は、グラフW10上において、ノードと、関連性を有する各ノードを結ぶエッジ(枝、辺、線)とで表現されるグラフとして表示される。なお、以下の説明では、各事業者をノードと表現し、各ノードを結ぶエッジを線と表現する場合がある。また、判定装置100は、例えば第1の事業者が属する業界(図1の例では「業界aaa」)ごとにグラフW10を生成してもよい。
例えば図1において、ノード50は、事業者AAA(図1では、「AAA」と示す)に対応する第1の事業者を示すノードであり、現時点における基点ノードであるものとする。また、各ノードは、線で結ばれることにより、他のノードと関連性があることが示される。例えば、図1では、ノード50は、線70、線71、線72、線73、線74及び線76を有する。この場合、ノード50に対応する事業者AAAは、各線で結ばれたノードに対応する事業者と関連性を有する。
図1に示す例では、グラフW10において、ノード50は、ノード51や、ノード52や、ノード53や、ノード54や、ノード55や、ノード57と結ばれる。これは、ノード50に対応する事業者AAAが、各ノードに対応する事業者と口座上において取引関係を有することを示している。
グラフW10では、事業者AAA以外の事業者間の関係についても表示される。例えば、ノード55は線75を有し、ノード56とも取引関係を有することを示している。また、ノード57は線78を有し、ノード51とも取引関係を有することを示している。また、ノード53は線79を有し、ノード58とも取引関係を有することを示している。また、ノード56は線77を有し、ノード58とも取引関係を有することを示している。また、ノード54は線80を有し、線80には「他行」という文字が付される。また、ノード58は線81を有し、線81にも「他行」という文字が付される。これは、ノード54やノード58に対応する各事業者が、他行の口座を有する事業者との取引関係を有していることを示している。判定装置100は、図1で示す金融機関以外の金融機関からも口座情報を取得できる場合には、例えばノード54に接続されるノードをさらに特定し、グラフW10上に表示してもよい。このように、判定装置100は、事業者間の関係性が一目でわかるような表示態様でグラフW10を生成する。
なお、判定装置100は、事業者AAAと関連性を有する事業者をすべてグラフW10に表示せず、所定の表示調整処理を行ってもよい。具体的には、判定装置100は、事業者AAAとの関係において、取引額が一定の閾値を超える第2の事業者のみをノードとして表示するようにしてもよい。かかる処理は、グラフW10において表示する事業者のうち、判定処理において重みの少ない事業者の表示を排除することで、グラフW10における視認性を向上させるために行われる。
また、図1に示すように、判定装置100は、事業者の信用度をノードの大きさによって表現したグラフW10を生成してもよい。例えば、判定装置100は、判定した信用度が所定の閾値を超える事業者に対応するノードの大きさを最も大きくする。なお、図1の例では、信用度の高さを「ランク」と表現する。すなわち、判定装置100によって判定された信用度が高い事業者ほど、ランクが高い事業者と判定され、グラフW10における大きさが大きく表現される。
また、判定装置100は、グラフW10において、事業者間の入出金関係を矢印の方向で示してもよい。例えば、判定装置100は、事業者AAAが第2の事業者に対して入金する関係(事業者AAAが代金等を支払う関係)にある場合、事業者AAAと第2の事業者とを結ぶ線の矢印を、第2の事業者側に向くよう付与する。また、判定装置100は、事業者AAAが第2の事業者から入金を受ける関係(第2の事業者側が代金等を支払う関係)にある場合、事業者AAAと第2の事業者とを結ぶ線の矢印を、事業者AAA側に向くよう付与する。
さらに、判定装置100は、取引額に応じて、グラフW10に表示する線の太さを変化させてもよい。例えば、判定装置100は、取引額が多い事業者間ほど、線を太く表現したグラフW10を生成してもよい。なお、事業者の規模によって取引額の絶対値には差が生じるため、判定装置100は、取引額そのものではなく、例えば第1の事業者における取引額の割合の増減や、取引額の推移(例えば、1週間前の取引額と比較した場合の増減率など)に応じて、線の太さを変化させてもよい。
なお、判定装置100は、上記のような視覚的表現について、グラフW10を利用する者から要求を受け付けてもよい。すなわち、判定装置100は、ノードの大きさや線の太さを指定する要求等を受け付け、かかる要求に対応したグラフW10を生成するようなユーザインターフェイスを提供してもよい。
上述してきたように、実施形態に係る判定装置100は、第1の事業者が開設する口座の取引に関する情報である口座情報と、事業者に対する評価に関する情報である評価情報とを取得する。そして、判定装置100は、取得された口座情報に基づいて、第1の事業者と取引関係にある第2の事業者を特定する。さらに、判定装置100は、特定された第2の事業者と第1の事業者との間の入出金関係と、第2の事業者に関する評価情報とに基づいて、第1の事業者の融資先としての信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、第1の事業者と第2の事業者との間の入出金関係や、第1の事業者と取引関係にある第2の事業者の評価情報等を利用して、第1の事業者における融資先としての信用度を判定する。このため、判定装置100は、信用度を判定するための情報として第1の事業者そのものの情報が不足している場合でも、第1の事業者と関係を有する第2の事業者の情報を用いることで、第1の事業者の信用度を判定することができる。
また、判定装置100は、金融機関における口座情報という、小規模な事業者であっても有している可能性の高い情報を用いて判定処理を行う。このため、判定装置100によれば、通常では金融機関が融資先として想定しないような目立たない事業者であっても、融資先として抽出することができる。さらに、そのような目立たない事業者が、実は大企業と取引のある事業者であったり、信頼のある企業との取引が増加している事業者であったりする場合には、判定装置100は、例えばグラフW10を介して、視覚的に当該事業者が目立つような態様で金融機関に提示することができる。このように、判定装置100は、融資先となる第1の事業者を適切に抽出することができるという効果を奏する。
以下、判定装置100及び判定装置100を含む判定システム1について、さらに詳細に説明する。
〔2.判定システムの構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る判定システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る判定システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、判定システム1は、ユーザ端末10と、金融機関端末20と、金融機関サーバ30と、コンテンツ配信サーバ40と、判定装置100とを含む。判定システム1に含まれる各装置は、通信ネットワークであるネットワークN(例えば、インターネット)を介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図2に示す判定システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、判定システム1には、複数台のユーザ端末10が含まれてもよい。
ユーザ端末10は、ウェブページ等のコンテンツを閲覧するユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、ユーザ端末10は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。例えば、ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従って、コンテンツ配信サーバ40からウェブページを取得し、取得したウェブページを表示する。
また、ユーザ端末10は、コンテンツ配信サーバ40に所定の情報を送信する。例えば、ユーザ端末10は、検索サービスにおいて、事業者の名称をクエリとしてコンテンツ配信サーバ40に送信する。また、ユーザ端末10は、レビューサイト等において、事業者が提供する製品に関するレビューをコンテンツ配信サーバ40に送信する。
金融機関端末20は、金融機関によって利用される情報処理端末である。例えば、金融機関端末20は、デスクトップ型PCや、ノート型PC等である。例えば、金融機関端末20は、金融機関の所員による操作に従って、判定装置100から提供されたグラフW10を表示する。また、金融機関端末20は、グラフW10を表示した状態において、所定の要求を判定装置100に送信する。
金融機関サーバ30は、金融機関によって利用されるサーバ装置である。例えば、金融機関サーバ30は、事業者の口座情報を保持する。また、金融機関サーバ30は、判定装置100から送信された取得要求に従って、口座情報を判定装置100に送信する。
コンテンツ配信サーバ40は、各種サービスを提供するウェブサイトが含むウェブページをユーザ端末10に配信するウェブサーバである。例えば、コンテンツ配信サーバ40は、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、SNS(Social Networking Service)サービスサイト、ウェブブログなどに関連する各種情報を含むウェブページをユーザ端末10に配信する。
なお、コンテンツ配信サーバ40からユーザ端末10に配信される各種データは、実際にはウェブページを形成するHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像等であるが、以下では、コンテンツ配信サーバ40からユーザ端末10に配信される各種データをコンテンツと表記する場合がある。
また、コンテンツ配信サーバ40は、ネットワークN上におけるユーザ行動を記憶する。ここで、ネットワークN上におけるユーザ行動とは、各種ウェブサイトから提供されるサービスの利用に際して、ユーザの操作に従いユーザ端末10から発信される情報を意味する。例えば、ネットワークN上におけるユーザ行動は、検索サイトにおける検索クエリの入力や、ショッピングサイトにおける購買行動や、製品評価サイトにおけるユーザからのレビューの投稿などである。また、ユーザ行動には、例えば、SNS(Social Networking Service)サイトにおけるメッセージのやりとりや、他者に対するフォロー行動なども含まれる。
また、コンテンツ配信サーバ40は、判定装置100からの取得要求に従って、事業者の評価情報として、上述したネットワークN上におけるユーザ行動に関する情報や、事業に影響を与える指標値(例えば、株価や為替)の情報を判定装置100に送信する。
判定装置100は、上述のように、口座情報と評価情報とに基づいて第1の事業者の信用度を判定するサーバ装置である。また、判定装置100は、判定した信用度と事業者間の関係性を示すグラフW10を生成し、生成したグラフW10を金融機関端末20に提供する。
〔3.判定装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る判定装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る判定装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、判定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、判定装置100は、判定装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を出力するための出力部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、金融機関端末20や、金融機関サーバ30や、コンテンツ配信サーバ40との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、口座情報記憶部121と、評価情報記憶部122と、事業者情報記憶部128とを有する。以下、各記憶部について順に説明する。
(口座情報記憶部121について)
口座情報記憶部121は、事業者が有する口座に関する情報を記憶する。ここで、図4に、実施形態に係る口座情報記憶部121の一例を示す。図4は、実施形態に係る口座情報記憶部121の一例を示す図である。図4に示すように、口座情報記憶部121は、「事業者ID」、「口座ID」、「残高」、「取引履歴」といった項目を有する。また、「取引履歴」は、「取引日」、「取引先」、「金額」といった小項目を有する。
「事業者ID」は、事業者を識別するための識別情報を示す。なお、以下では、図4に示すような識別情報を参照符号として用いる場合がある。例えば、事業者ID「AAA」によって識別される事業者を「事業者AAA」と表記する場合がある。
「口座ID」は、口座を識別するための識別情報を示す。「残高」は、口座の残高を示す。「取引履歴」は、口座に記憶された取引の履歴を示す。「取引日」は、取引が行われた日付を示す。「取引先」は、取引の相手先を示す。なお、取引先を示す情報には、事業者IDが用いられるものとする。「金額」は、取引の金額を示す。
なお、図4に示す例では、「残高」や「金額」の項目を「B01」や「C01」といった概念で表記しているが、実際には、「残高」や「金額」の項目には、残高の具体的な額や、取引における具体的な金額や、入金もしくは出金の種別や、費目や用途等の種々の情報が記憶される。
すなわち、図4に示した情報の一例は、事業者ID「AAA」で識別される事業者AAAは、口座ID「A01」で識別される口座を開設しており、その残高は「B01」であることを示している。また、口座A01における取引履歴の一例として、取引日「2016年10月5日」において、取引先「BBB」に対して、金額「C01」の取引があったことを示している。
(評価情報記憶部122について)
評価情報記憶部122は、事業者の評価に関する情報を記憶する。評価情報記憶部122には、情報を記憶するデータテーブルとして、株価テーブル123と、為替テーブル124と、検索データテーブル125と、ニュースデータテーブル126と、広告テーブル127とが含まれる。以下、各データテーブルについて、順に説明する。
(株価テーブル123について)
株価テーブル123は、株価に関する情報を記憶する。ここで、図5に、実施形態に係る株価テーブル123の一例を示す。図5は、実施形態に係る株価テーブル123の一例を示す図である。図5に示すように、株価テーブル123は、「事業者ID」、「株価」、「株価推移情報」といった項目を有する。
「事業者ID」は、図4で示した同一の項目に対応する。「株価」は、取得時点における株価を示す。「株価推移情報」は、株価の推移を示す。なお、図5に示す例では、「株価」や「株価推移情報」の項目を「E01」や「F01」といった概念で表記しているが、実際には、「株価」の項目には、株価の具体的な数値が記憶される。また、「株価推移情報」の項目には、具体的な株価の数値の他に、所定期間において株価がどのくらいの割合で上昇または下降したかといった情報や、市場との動きの相違(市場全体が値下がりする中で、当該事業者の株が値上がりしたなどの推移情報)等が記憶される。なお、事業者が非上場企業等で、株価が取得できない場合や株価の情報が存在しない場合には、「株価」や「株価推移情報」の項目は空欄となる。
すなわち、図5に示した情報の一例は、事業者AAAの株価は「E01」であり、株価推移情報は「F01」であることを示している。また、事業者AAAと関係を有する事業者BBBの株価は「E02」であり、株価推移情報は「F02」であることを示している。
(為替テーブル124について)
為替テーブル124は、為替に関する情報を記憶する。ここで、図6に、実施形態に係る為替テーブル124の一例を示す。図6は、実施形態に係る為替テーブル124の一例を示す図である。図6に示すように、為替テーブル124は、「事業者ID」、「業界」、「為替連動情報」といった項目を有する。
「事業者ID」は、図4で示した同一の項目に対応する。「業界」は、事業者が属する業界を示す。図6に示す例では、「業界」の項目を「aaa」といった概念で表記しているが、実際には、「業界」の項目には、鉄鋼業界や、家電業界や、通信業界など、具体的な業界を示す情報が記憶される。「為替連動情報」には、為替の動きに連動した業績の推移に関する情報が記憶される。図6に示す例では、「為替連動情報」の項目を「G01」といった概念で表記しているが、実際には、「為替連動情報」の項目には、為替がいくら動いた場合に当該事業者の事業や業界全体にどのような影響を与えるかといった具体的な数値や、例えば円高の方が有利な事業者(業界)であるか否かといった、事業者が営む事業と為替との一般的な連動関係を示す情報等が記憶される。
すなわち、図6に示した情報の一例は、事業者AAAの属する業界は「aaa」であり、為替連動情報は「G01」であることを示している。
(検索データテーブル125について)
検索データテーブル125は、ユーザが事業者を検索した検索履歴に関する情報を記憶する。ここで、図7に、実施形態に係る検索データテーブル125の一例を示す。図7は、実施形態に係る検索データテーブル125の一例を示す図である。図7に示すように、検索データテーブル125は、「事業者ID」、「集計期間」、「検索数」、「上昇度」、「対象ワード」といった項目を有する。
「事業者ID」は、図4に示した同一の項目に対応する。「集計期間」は、ユーザが行った検索に関する情報を集計した期間を示す。図7の例では、集計期間は一週間単位としているが、集計期間は異なる期間であってもよい。
「検索数」は、例えば、所定の検索サイトにおいて、検索エンジンによって事業者が検索された回数を示す。なお、検索数として計数される検索クエリには、事業者の名称そのものに限られず、事業者が提供する製品名や、事業者の経営者の氏名などが含まれてもよい。
「上昇度」は、直前の集計期間における検索数に対する検索数の増減値を示す。「対象ワード」は、記載されたワードが検索クエリとして送信された場合に、事業者に関する検索数として計数されるワードを示す。例えば、事業者の名称そのものよりも、事業者が提供する製品名の知名度が高い場合、ユーザは、かかる製品名で検索行動をすることが考えられる。この場合、製品名を検索クエリとして検索が行われた場合であっても、当該製品名が対象ワードに設定されていれば、当該製品を提供する事業者に対する検索数が計数される。対象ワードは、判定装置100の管理者や、事業者の申請によって人為的に設定されてもよいし、例えば、検索結果に基づくウェブサイトのリンクを分析すること等により、自動で設定されてもよい。すなわち、「製品P01」をユーザが検索した場合に、検索結果として「事業者AAA」に関連するウェブサイトが比較的多く表示されるような場合には、事業者AAAとともに「製品P01」が対象ワードに自動で設定される。
すなわち、図7に示した情報の一例は、事業者AAAが、集計期間「2016年9月15日〜2016年9月21日」の間に、「2000回」検索され、直前の検索数からの上昇度は「1000回」であることを示している。また、事業者AAAには、検索における対象ワードとして、「事業者AAA」、「製品P01」、「経営者Q01」等が設定されていることを示している。
なお、検索データテーブル125には、図7で図示した情報以外の情報が適宜記憶されてもよい。例えば、検索データテーブル125には、同一の業界内における各事業者の検索数に基づく検索ランキングの情報や、検索数の上昇度や検索数の上昇度の割合に基づく検索ランキングの情報等が記憶されてもよい。例えば、検索ランキングの順位が上昇している事業者ほど、事業が好調であったり、ユーザからの注目度が高かったりする事業者であると評価される。
(ニュースデータテーブル126について)
ニュースデータテーブル126は、所定のニュースサイトにおける事業者についての配信記事に関する情報を記憶する。ここで、図8に、実施形態に係るニュースデータテーブル126の一例を示す。図8は、実施形態に係るニュースデータテーブル126の一例を示す図である。図8に示すように、ニュースデータテーブル126は、「事業者ID」、「集計期間」、「記事出現数」、「ポジティブ記事」、「ネガティブ記事」といった項目を有する。なお、ニュースデータテーブル126において記憶される情報は、1つのニュースサイトから集計された情報ではなく、複数のニュースサイトから集計された情報であってもよい。
「事業者ID」及び「集計期間」は、図7で示した同一の項目に対応する。「記事出現数」は、集計期間に配信された、事業者に関連する記事の数を示す。
「ポジティブ記事」は、配信された記事のうち、事業者に対してポジティブな反応を示した記事(例えば、事業者が製造する商品を紹介する記事や、事業者の好調を伝える記事や、事業者が上場を果たしたことを報知する記事等が該当する)を示す。「ネガティブ記事」は、配信された記事のうち、事業者に対してネガティブな反応を示した記事(例えば、事業者が製造する商品の不具合を伝える記事や、事業者の不調を伝える記事や、事業者が上場廃止となったことを報知する記事等が該当する)を示す。
なお、記事がポジティブであるかネガティブであるかは、例えば既知の手法を様々に組み合わせて判定されてもよい。例えば、判定装置100は、ニュースデータが含むテキストデータを形態素解析し、事業者を示す単語や、事業者が製造する製品名等を特定し、当該事業者に関する記事出現数を計数する。
さらに、判定装置100は、事業者を示す単語や事業者が製造する製品名等と、一般的なポジティブ表現もしくはネガティブ表現に該当する単語とが共起する数や割合を判定する。判定装置100は、共起するポジティブ表現もしくはネガティブ表現が一定の閾値を超えて観測される場合に、当該記事がポジティブであるかネガティブであるかを判定する。なお、判定装置100は、記事がポジティブであるかネガティブであるかを判定できない場合には、ポジティブであるかネガティブであるかの判定を行わず、記事出現数を判定するだけでもよい。
すなわち、図8に示した情報の一例は、ニュースサイトにおいて、事業者AAAが、集計期間「2016年10月15日〜2016年10月21日」の間に、「120回」だけ記事に出現し、そのうち「70回」がポジティブ記事であり、「20回」がネガティブ記事であったことを示している。
なお、ニュースデータテーブル126には、図8で図示した情報以外の情報が適宜記憶されてもよい。例えば、ニュースデータテーブル126には、同一の業界内における記事出現数のニュースランキングの情報や、記事出現数の上昇度や記事出現数の上昇度の割合に基づくニュースランキングの情報等が記憶されてもよい。例えば、ニュースランキングの順位や、ポジティブ記事におけるランキングが上昇している事業者ほど、事業が好調であったり、世間一般からの注目度が高かったりする事業者であると評価される。
(広告テーブル127について)
広告テーブル127は、事業者が出稿した広告に関する情報を記憶する。ここで、図9に、実施形態に係る広告テーブル127の一例を示す。図9は、実施形態に係る広告テーブル127の一例を示す図である。図9に示すように、広告テーブル127は、「事業者ID」、「集計期間」、「広告料金」、「広告ランキング」といった項目を有する。
「事業者ID」及び「集計期間」は、図8で示した同一の項目に対応する。「広告料金」は、事業者が広告に費やした金額を示す。図9では、「広告料金」の項目を「H01」のような概念で示しているが、実際には、「広告料金」の項目には、事業者が支払った広告料金の額や、事業者が出稿した広告の種別等が記憶される。また、検索連動型広告の場合、広告を表示させるためのキーワード(クエリ)に対して事業者が支払った額や入札額等も含まれる。
「広告ランキング」は、広告に関するランキング情報を示す。図9では、「広告ランキング」の項目を「J01」のような概念で示しているが、実際には、「広告ランキング」の項目には、事業者が出稿した広告の種別や、各広告の広告効果(クリック率、コンバージョン率など)や、例えば検索連動型広告における、検索結果に表示されるランキングに関する情報が記憶される。検索連動型広告では、例えば広告主(事業者)が広告を表示させるためのキーワードに支払った額に応じて、表示される広告のランキングが変化する。このため、検索連動型広告におけるランキングが高い事業者は、それだけ広告料金を費やしている事業者であると想定される。後述するように、判定装置100は、このようなランキング情報に基づいて、事業者の評価の高低を判定する場合がある。すなわち、「広告ランキング」とは、広告ランキングのみならず、事業者が出稿した広告に関する広告効果や広告の評価を広く含む概念である。
すなわち、図9に示した情報の一例は、事業者AAAが、集計期間「2016年10月15日〜2016年10月21日」の間に、広告料金として「H01」だけ費用を掛けており、また、事業者AAAの出稿した広告の広告ランキングが「J01」であることを示している。
(事業者情報記憶部128について)
事業者情報記憶部128は、事業者に関する情報を記憶する。ここで、図10に、実施形態に係る事業者情報記憶部128の一例を示す。図10は、実施形態に係る事業者情報記憶部128の一例を示す図である。図10に示すように、事業者情報記憶部128は、「事業者ID」、「口座情報」、「評価指標値」、「信用度」といった項目を有する。また、「口座情報」は、「入出金関係」、「口座指標値」といった小項目を有する。
「事業者ID」は、図4で示した同一の項目を示す。「口座情報」は、事業者の口座に関する情報を示す。「入出金関係」は、事業者と入出金関係を有する事業者を示す。すなわち、事業者と入出金関係を有する事業者とは、第2の事業者を示す。「口座指標値」は、口座情報に基づいた事業者の評価を数値化した情報である。詳細は後述するが、口座指標値は、例えば、入出金関係を有する事業者自体の評価値(事業規模や信頼性等)や、口座における取引額の多寡、取引回数の多寡、取引額の推移等に基づいて算出される。図10の例では、口座指標値は、第2の事業者と第1の事業者との取引に関する情報や、当該第2の事業者に対する評価情報等に基づいて算出された該第2の事業者に関する評価値を、0から100迄の数値で表現できるよう正規化したものである。
「評価指標値」は、事業者自体の評価に関する情報を示す。例えば、評価指標値は、評価情報記憶部122に記憶される各情報に基づいて算出された数値である。図10の例では、評価指標値は、第1の事業者に対する評価情報に基づいて算出された当該第1の事業者に関する評価値を、0から100迄の数値で表現できるよう正規化したものである。
「信用度」は、融資先としての信用度を示す。図10の例では、信用度は、処理対象となる事業者の口座指標値と評価指標値の値に基づいて算出される数値を、0から100迄の数値で表現できるよう正規化したものである。例えば、信用度は、100が最も融資先として適当な事業者であり、0が最も融資先として不適当な事業者であることを示す。
すなわち、図10に示した情報の一例は、事業者AAAの口座情報として、入出金関係を有する事業者は、「事業者BBB」や、「事業者CCC」や、「事業者DDD」や、「事業者FFF」や、「事業者HHH」であることを示している。また、事業者AAAを第1の事業者とした場合に、第2の事業者としての「事業者BBB」の口座指標値は「56」であり、「事業者CCC」の口座指標値は「68」であり、「事業者DDD」の口座指標値は「51」であり、「事業者FFF」の口座指標値は「80」であり、「事業者HHH」の口座指標値は「83」であることを示している。また、事業者AAAの評価指標値は「85」であることを示している。また、事業者AAAの融資先としての信用度は「83」であることを示している。
なお、図10の例では、信用度等の値が0から100までの数値に正規化される例を示したが、この例に限られず、判定装置100は、信用度等の値を任意の数値で表すようにしてもよい。
(制御部130について)
図3に戻って説明を続ける。制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、判定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(判定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
実施形態に係る制御部130は、図3に示すように、取得部131と、特定部132と、判定部133と、生成部134と、提供部135と、受付部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、第1の事業者が開設する口座の取引に関する情報である口座情報と、事業者に対する評価に関する情報である評価情報とを取得する。
例えば、取得部131は、口座情報として、第1の事業者と入出金関係を有する第2の事業者に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、第1の事業者と第2の事業者との間の入出金取引に関する情報として、第1の事業者と第2の事業者との間の取引金額、取引回数、取引頻度、取引金額の推移、取引回数の推移及び取引頻度の推移の少なくともいずれか一つを取得する。取得部131は、取得した情報を口座情報記憶部121に格納する。
また、取得部131は、評価情報の一例として、事業者に関する株価情報を取得する。例えば、取得部131は、事業者が上場している株式市場の情報を有するコンテンツ配信サーバ40から株価情報を取得する。また、取得部131は、事業者に関する株価情報として、事業者と関連する事業者の株価情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、処理対象とする第1の事業者と資本関係を有する事業者の株価情報を取得する。
また、取得部131は、事業者が属する経済圏における為替情報を取得する。事業者が属する経済圏とは、例えば、円で事業を行う事業者であれば、円が流通する国と、その他の各国との関係における為替情報が該当する。また、取得部131は、為替情報と関連して事業者の業績が変化する可能性があるか否かを示す為替推移情報を取得する。例えば、取得部131は、予め判定装置100の管理者等から、円高で業績が上がる事業者や業界、あるいは円安で業績が上がる事業者や業界の情報の設定を受け付ける。そして、取得部131は、設定された情報に基づいて、処理対象とする第1の事業者や第2の事業者が属する業界や業種を取得する。
また、取得部131は、評価情報として、事業者に関する検索データを取得する。例えば、取得部131は、検索サービスを提供するコンテンツ配信サーバ40に対して、ユーザ端末10から送信された検索クエリの種類や、送信された数等を取得する。
また、取得部131は、評価情報として、事業者に関する情報コンテンツデータを取得する。情報コンテンツデータの一例は、ニュースデータ等の記事である。例えば、取得部131は、ニュースサービスを提供するコンテンツ配信サーバ40から、事業者について報道されたニュース記事の数を取得する。
また、取得部131は、事業者に対するポジティブな情報コンテンツデータ、又は、事業者に対するネガティブな情報コンテンツデータを取得する。例えば、取得部131は、ニュースサービスを提供するコンテンツ配信サーバ40が配信した記事のうち、事業者に対してポジティブな情報が記載されたニュース記事の数や、事業者に対してネガティブな情報が記載されたニュース記事の数を取得する。
また、取得部131は、評価情報として、事業者が出稿させた広告に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、事業者が広告に費やした広告料金の額を取得する。また、取得部131は、事業者が出稿させた検索連動型広告に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、事業者が出稿させた検索連動型広告に関する広告料(キーワードに対して入札した金額)や、検索連動型広告の掲載ランキングを取得する。
なお、取得部131は、第1の事業者及び第2の事業者のいずれの評価情報を取得してもよい。取得部131は、取得した情報を評価情報記憶部122に格納する。
なお、図1の例では、取得部131は、コンテンツ配信サーバ40から各種情報を取得する例を示したが、情報の取得先はコンテンツ配信サーバ40に限らなくてもよい。例えば、取得部131は、ユーザ端末10から評価情報を取得してもよい。また、取得部131は、ユーザ端末10やコンテンツ配信サーバ40からのみならず、所定の外部サーバから評価情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、ユーザ端末10やコンテンツ配信サーバ40に関する情報を蓄積するクラウドサーバ等から情報を取得してもよい。
(特定部132について)
特定部132は、取得部131によって取得された口座情報に基づいて、第1の事業者と取引関係にある第2の事業者を特定する。
具体的には、特定部132は、第1の事業者の取引履歴に基づいて、入出金関係を有する事業者を第2の事業者として特定する。なお、特定部132は、入出金関係を有する事業者のうち、所定数の事業者を第2の事業者として特定してもよい。例えば、特定部132は、第1の事業者にとって取引金額や取引数の多い順から所定数だけの事業者を第2の事業者として特定してもよい。
(判定部133について)
判定部133は、特定部132によって特定された第2の事業者に関する評価情報に基づいて、第1の事業者の融資先としての信用度を判定する。
具体的には、判定部133は、第2の事業者に関する株価情報に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。例えば、判定部133は、第2の事業者に関する株価が上昇傾向にある場合、当該第2の事業者の業績が好調であり、当該第2の事業者が信頼に足る事業者であると判定する。そして、判定部133は、そのような信頼に足る第2の事業者と取引関係を有する第1の事業者についても、相対的に信用度を高く判定する。
また、判定部133は、第2の事業者が属する業界と為替の関係性とに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。例えば、判定部133は、第2の事業者が属する業界が円高の際に好調になる業界であって、現時点の為替情報が円高である場合、当該第2の事業者の業績が好調となる可能性が高いため、当該第2の事業者が信頼に足る事業者であると判定する。そして、判定部133は、そのような信頼に足る第2の事業者と取引関係を有する第1の事業者についても、相対的に信用度を高く判定する。
また、判定部133は、第2の事業者に関する検索データに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。例えば、判定部133は、第2の事業者や第2の事業者が製造する製品について、ユーザから頻繁に検索されている場合、当該第2の事業者がユーザから注目されており、業績が将来的に好調となる可能性が高いため、当該第2の事業者が信頼に足る事業者であると判定する。そして、判定部133は、そのような信頼に足る第2の事業者と取引関係を有する第1の事業者についても、相対的に信用度を高く判定する。
また、判定部133は、第2の事業者に関する情報コンテンツデータに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。例えば、判定部133は、第2の事業者に対するポジティブな情報コンテンツデータ、又は、第2の事業者に対するネガティブな情報コンテンツデータに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。例えば、判定部133は、第2の事業者や第2の事業者が製造する製品が頻繁にニュース記事に掲載されている場合、当該第2の事業者がユーザから注目されており、業績が将来的に好調となる可能性が高いため、当該第2の事業者が信頼に足る事業者であると判定する。そして、判定部133は、そのような信頼に足る第2の事業者と取引関係を有する第1の事業者についても、相対的に信用度を高く判定する。あるいは、判定部133は、第2の事業者に関してネガティブな記事が相対的に多い場合、業績が将来的に不調となる可能性が高いため、当該第2の事業者が信頼に足る事業者でないと判定してもよい。そして、判定部133は、そのような信頼に足らない第2の事業者と取引関係を有する第1の事業者については、信用度を高く判定しないようにする。
また、判定部133は、第2の事業者が出稿させた広告に関する情報に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。例えば、判定部133は、第2の事業者が出稿させた検索連動型広告に関する広告料もしくは広告ランキングに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。例えば、判定部133は、第2の事業者が費やす広告料が比較的多く、第2の事業者が積極的に広告に投資している状況が観測される場合、当該第2の事業者の業績が好調であるため、当該第2の事業者が信頼に足る事業者であると判定する。そして、判定部133は、そのような信頼に足る第2の事業者と取引関係を有する第1の事業者についても、相対的に信用度を高く判定する。
なお、判定部133は、上述してきた各評価情報を個別に判定したうえで、総合的に第2の事業者を評価した指標値(例えば、図10に示した「口座指標値」が該当する)を算出してもよい。なお、かかる指標値は、第1の事業者との取引額や取引頻度等の情報が加味されたうえで算出される。そして、判定部133は、算出した口座指標値に基づく総合的な結果として、第1の事業者の信用度を判定する。
また、判定部133は、第2の事業者に関する評価情報に加えて、第1の事業者に関する評価情報に基づいて、第1の事業者の融資先としての信用度を判定するようにしてもよい。例えば、判定部133は、上述してきた各評価情報を用いて第1の事業者の評価した指標値(例えば、図10に示した「評価指標値」が該当する)を算出する。この場合、判定部133は、上述した口座指標値と評価指標値に基づく総合的な結果として、第1の事業者の信用度を判定する。
なお、判定部133は、第1の事業者に特有の情報を用いて判定処理を行ってもよい。例えば、判定部133は、第1の事業者の口座残高が所定期間内において所定割合を超えて増加している場合には、当該第1の事業者の信用度を高く判定してもよい。
また、判定部133は、種々の既知の手法に基づいて、評価情報を数値化したり、信用度の算出処理を行ったりしてもよい。例えば、判定部133は、検索データの数や、ニュース記事の数については、全体の統計データとの関係性に基づいて正規化した数値(評価値)を用いてもよい。また、判定部133は、例えば、株価がいくら上昇した場合に、いくらの評価値を加算するといった算出情報を判定装置100の管理者から設定されていてもよい。この場合、判定部133は、取得部131によって取得された事象(第2の事業者の株価の上昇など)と、当該事象が発生した場合に加算される数値とに基づいて、第2の事業者の口座指標値を算出してもよい。
また、判定部133は、さらに、特定部132によって特定された第2の事業者と第1の事業者との間の入出金取引に関する情報に基づいて第1の事業者の信用度を判定してもよい。具体的には、判定部133は、入出金取引に関する情報として、第1の事業者と第2の事業者との間の取引金額、取引回数、取引頻度、取引金額の推移、取引回数の推移及び取引頻度の推移の少なくともいずれか一つに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。この場合、判定部133は、所定の正解データを利用した回帰分析によって、各々の入出金取引に関する情報や評価情報に対応する数値を決定してもよい。例えば、上場した事業者については、事業者の財務情報等に基づいて事業者を評価した数値等が外部機関(事業者を調査し、事業者を評価する機関)から公表される場合がある。判定部133は、かかる評価値を正解データ(目的変数)とし、株価や検索データ、入出金取引に関する情報等の各々の情報を要素(説明変数)として回帰分析を行う。そして、判定部133は、回帰的に導出されたモデルを用いて第2の事業者の評価値を算出し、さらに、算出した値に基づいて第1の事業者の信用度を判定するようにしてもよい。例えば、判定部133は、下記式(1)のような回帰式を生成する。
Y = α1・x1 + α2・x2 + α3・x3 + ・・・ + αn・xn ・・・ (1)
上記式(1)において、例えば、「Y」には、外部機関によって算出された評価値や、判定装置100の管理者によって設定された正解データが入力される。また、「x1〜xn」には、例えば、株価や為替や検索データやニュースデータや広告データの各々を所定の基準で数値化した変数(例えば、検索数や、記事数や、広告料金や広告ランキング等を、相互に比較できるように数値化した情報)が入力される(なお、nは任意の数を示す)。また、第2の事業者の評価値を算出するにあたっては、口座情報(第1の事業者との間の取引額や取引数、取引額の推移等)が入力されてもよい。上記式(1)を用いて学習を進める(すなわち、充分な数のサンプルを回帰的に計算する)ことで、判定部133は、各項目に対応する「αn」の値を最適化する。すなわち、判定部133は、例えば、第2の事業者の評価値を算出するにあたり「検索数」の高低がスコアに対してどのくらいの影響を与えるか、といった重み値「αn」の値を求める。そして、判定部133は、求めた重み値を設定してモデルを生成する。
なお、上記で説明したモデルは一例であり、判定部133が生成するモデルは上記の例に限られない。すなわち、判定部133は、評価情報や口座情報(取引額や取引数)を入力とし、事業者の評価値を示す値を出力するモデルであれば、既知の手法を組み合わせることによって、上記例とは異なるモデルを適宜生成してもよい。例えば、上記の例では、回帰分析によってモデルを生成する例を示したが、判定部133は、他の統計的処理によりモデルを生成してもよい。
(生成部134について)
生成部134は、第1の事業者と第2の事業者との間の入出金関係と、判定部133によって判定された第1の事業者の信用度とに基づいて、第1の事業者と第2の事業者との関係性を示したグラフW10を生成する。
例えば、生成部134は、入出金関係において取引金額の多い事業者間ほど、関係性が視覚的に強調されたグラフW10を生成してもよい。生成部134は、例えば図1に示したように、入出金関係において取引金額の多い事業者間ほど、事業者間を結ぶ線を太く強調したグラフW10を生成する。
また、生成部134は、入出金関係において、所定期間内の取引金額の推移が大きい事業者間ほど、関係性が視覚的に強調されたグラフW10を生成してもよい。すなわち、生成部134は、所定期間内の取引金額の推移が大きい事業者間ほど、事業者間を結ぶ線を太く強調したグラフW10を生成してもよい。この場合、実際の取引額の絶対値の大小よりも、近時の取引の多寡によってグラフW10の視覚的な表示が変化するため、例えば、急速に業績が良くなった(取引の多くなった)第1の事業者が目立つようなグラフW10が生成される。
また、生成部134は、入出金関係において、取引関係の期間が長い事業者間ほど、関係性が視覚的に強調されたグラフW10を生成してもよい。すなわち、生成部134は、取引関係の期間が長い事業者間ほど、事業者間を結ぶ線を太く強調したグラフW10を生成してもよい。例えば、取引関係の期間が長い事業者間には、一定の信頼関係が推測される。このため、生成部134は、取引関係の期間が短い事業者間よりも、取引関係の期間が長い事業者間を強調して表示するグラフW10を生成することにより、第1の事業者がどのような第2の事業者との関係を築いているかといった推移を金融機関に提示することができる。
また、生成部134は、第1の事業者の信用度に応じて、第1の事業者に対応するノードの大きさを変化させたグラフW10を生成してもよい。例えば、生成部134は、図1に示したように、信用度に応じたランクをノードに設定し、設定したランクに応じた大きさでノードを表示するグラフW10を生成してもよい。例えば、生成部134は、判定部133によって判定された信用度のうち、「80」以上の事業者を最もランクが高いノードとし、「60」以上「79」以下の事業者をランク中のノードとし、「59」以下の事業者を最もランクが低いノードとしたグラフW10を生成してもよい。
また、生成部134は、後述する受付部136によって、所定の第1の事業者を選択する要求を受け付けた場合には、所定の第1の事業者を基点として、当該所定の第1の事業者と第2の事業者間との関係性を示したグラフW10を新たに生成してもよい。例えば、金融機関側は、生成部134によって最初に生成されたグラフW10を閲覧し、興味を持った事業者を選択する場合がある。この場合、生成部134は、選択された事業者を第1の事業者として、新たにグラフW10を生成する。これにより、生成部134は、金融機関側が所望する第1の事業者を中心とした関係性を示すグラフW10を生成することができる。
(提供部135について)
提供部135は、生成部134によって生成されたグラフW10を提供する。具体的には、提供部135は、金融機関端末20が表示可能な態様でグラフW10を金融機関に提供する。
なお、提供部135は、受付部136によって、金融機関端末20に表示された第1の事業者を選択する操作を契機とした要求を金融機関端末20から受け付けた場合には、選択された事業者を基点として新たに生成されたグラフW10を提供する。この場合、提供部135は、金融機関端末20に表示されたグラフW10において、第1の事業者をポインタ等で選択されたことを契機として、金融機関端末20の画面上においてリアルタイムに新たに生成されたグラフW10を表示させるようにしてもよい。
また、提供部135は、受付部136によって、金融機関端末20に表示された事業者同士を結ぶ線を選択する操作を契機とした要求を金融機関端末20から受け付けた場合には、線で結ばれた事業者同士の関連性を示す情報を提供してもよい。具体的には、提供部135は、受付部136によって、事業者同士を結ぶ線を選択する操作を契機とした要求を受け付けた場合には、線で結ばれた2つの事業者に関する資本関係等の情報を提供してもよい。
(受付部136について)
受付部136は、各種要求を受け付ける。例えば、受付部136は、金融機関端末20からグラフW10の提供の要求を受け付ける。受付部136がかかる要求を受け付けた場合、提供部135は、金融機関端末20に生成されたグラフW10を提供する。
また、受付部136は、金融機関端末20に提供されたグラフW10について、グラフW10を介して、各種要求を受け付ける。例えば、受付部136は、金融機関端末20に表示された事業者に対する選択操作を契機として、金融機関端末20から送信される要求を受け付ける。例えば、受付部136は、新たに第1の事業者が選択された場合には、選択された第1の事業者を基点として新たにグラフW10を生成する旨の要求を受け付ける。
また、受付部136は、金融機関端末20に表示された事業者同士を結ぶ線を選択する操作を契機とした要求を金融機関端末20から受け付けた場合には、線で結ばれた事業者間の関連性を示す情報を提供する旨の要求を受け付けてもよい。
〔4.処理手順〕
次に、図11及び図12を用いて、実施形態に係る判定装置100による処理の手順について説明する。まず、図11を用いて、実施形態に係る判定処理の手順について説明する。図11は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(1)である。
図11に示すように、判定装置100は、金融機関サーバ30から口座情報を取得する(ステップS101)。また、判定装置100は、コンテンツ配信サーバ40から事業者に関する評価情報を取得する(ステップS102)。
そして、判定装置100は、口座情報に基づいて、事業者間の関係性を特定する(ステップS103)。具体的には、判定装置100は、第1の事業者と関係を有する第2の事業者を特定する。
そして、判定装置100は、口座情報と、特定された第2の事業者の評価情報とに基づいて、対象とする第1の事業者について融資先としての信用度を判定する(ステップS104)。
次に、図12を用いて、実施形態に係る提供処理の手順について説明する。図12は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(2)である。
図12に示すように、判定装置100は、金融機関端末20からグラフW10の閲覧の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。グラフW10の閲覧の要求を受け付けていない場合(ステップS201;No)、判定装置100は、要求を受け付けるまで待機する。
一方、グラフW10の閲覧の要求を受け付けた場合(ステップS201;Yes)、判定装置100は、生成したグラフW10を金融機関に提供する(ステップS202)。
金融機関端末20にグラフW10が表示された後、判定装置100は、任意のタイミングにおいて、金融機関端末20からグラフW10の閲覧の終了を受け付けたか否かを判定する(ステップS203)。なお、グラフW10の閲覧の終了とは、例えば、金融機関端末20側でグラフW10を表示しているブラウザソフトウェア等を終了させたことを意味する。グラフW10の閲覧の終了を受け付けた場合(ステップS203;Yes)、判定装置100は、提供処理を終了する。
一方、グラフW10の閲覧の終了を受け付けていない場合(ステップS203;No)、判定装置100は、金融機関端末20から所定の要求を受け付けるために待機する。すなわち、判定装置100は、グラフW10を介して、新たに基点となる第1の事業者等の、閲覧に関する要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS204)。新たに基点となる第1の事業者を受け付けない場合(ステップS204;No)、判定装置100は、金融機関端末20からの所定の要求を受け付けるために待機する。
一方、新たに基点となる第1の事業者を受け付けた場合(ステップS204;Yes)、判定装置100は、要求に基づいて新たにグラフW10を生成する(ステップS205)。具体的には、判定装置100は、受け付けた第1の事業者を基点として、グラフW10を再生成する。そして、判定装置100は、新たに生成されたグラフW10を金融機関端末20に提供する(ステップS206)。かかる処理は、金融機関端末20の画面上のグラフW10を介して、シームレスに実現されてもよい。判定装置100は、金融機関端末20から閲覧の終了を受け付けるまで、かかる処理を繰り返す。
〔5.変形例〕
上述した実施形態に係る判定システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の判定システム1に含まれる各装置の他の実施形態について説明する。
〔5−1.ノードの表示〕
上記実施形態では、判定装置100が、図1のように、信用度のランクに応じた大きさでノードを表示したり、取引額の多寡によって線の太さを変化させたりしたグラフW10を生成する例を示した。ここで、判定装置100は、視認性を高めるため、さらに表示手法を加えたグラフを生成してもよい。この点について、図13を用いて説明する。
図13は、変形例に係る生成処理の一例を説明するための図である。図13では、変形例に係る判定装置100が生成したグラフW11を示している。
例えば、判定装置100は、グラフW11に含まれる事業者のうち、株価の状況が良い事業者の上位2つや、為替状況に応じて業績が良くなると想定される事業者の上位2つについて、色を付した表示を行う。株価の状況が良い事業者とは、例えば、株価が高い事業者や、株価の上昇率が高い事業者をいう。また、為替状況に応じて業績が良くなると想定される事業者とは、例えば、円高という現時点の為替の状況において、影響を受けやすいと想定される事業を営む事業者をいう。
例えば、判定装置100は、ノード57やノード58に対応する事業者が、グラフW11に含まれる事業者のうち、株価の状況が良い事業者の上位2つであると判定したものとする。この場合、図13に示すように、判定装置100は、ノード57やノード58に色を付して表示する。また、判定装置100は、ノード52やノード55に対応する事業者が、グラフW11に含まれる事業者のうち、為替状況に応じて業績が良くなると想定される事業者の上位2つであると判定したものとする。この場合、図13に示すように、判定装置100は、ノード52やノード55に、ノード57やノード58に付した色とは異なる色を付して表示する。
また、判定装置100は、グラフW11に含まれる事業者のうち、最も信用度の高い事業者に色を付した表示を行ってもよい。例えば、判定装置100は、ノード50に対応する事業者が、グラフW11に含まれる事業者のうち、最も信用度が高い事業者であると判定したものとする。この場合、図13に示すように、判定装置100は、ノード50に、ノード52、ノード55、ノード57及びノード58に付した色とは異なる色を付して表示する。
このように、判定装置100は、評価情報や口座情報に応じてノードの色を変化させたグラフW11を生成してもよい。これにより、判定装置100は、グラフW11を利用する金融機関側に、どのノードに対応する事業者が現時点で注目すべき事業者であるかをわかりやすく提示することができる。
〔5−2.線の表示〕
判定装置100は、より視認性を高めたグラフW11を生成してもよい。例えば、判定装置100は、ノード間の線の距離が調整されたグラフW11を生成してもよい。例えば、判定装置100は、ノード間の線の距離を事業者間の取引期間に応じて調整してもよい。具体的には、判定装置100は、事業者間の取引期間が長いほど、ノード間の線を短くする。これにより、判定装置100は、密接な信頼関係を有する事業者に対応するノードを近接させることができるため、視覚的に、事業者間の信頼関係(取引期間)がわかりやすいグラフW11を生成することができる。
また、判定装置100は、ノード間の線が交差しないようにノードを配置したり、口座上の直接の取引のないノード間の距離が一定範囲内になるように配置したりする視覚上の調整を行ってもよい。
また、判定装置100は、複数の金融機関から口座情報を取得し、複数の金融機関にまたがるグラフW11を生成する場合には、金融機関とノードとの関係を視覚的に示したグラフW11を生成してもよい。例えば、判定装置100は、同じメガバンクと取引があるノード同士について、ノード間の距離が一定範囲内におさまるようにノードが配置されるようグラフW11を生成してもよい。
〔5−3.基点〕
判定装置100は、金融機関端末20からの要求に応じて、基点となるノードを選択してもよい。例えば、判定装置100が、特定の事業者に関する検索要求を金融機関端末20から受け付けたとする。この場合、判定装置100は、検索された特定の事業者を基点としてグラフW11を生成してもよい。
この場合、検索された特定の事業者は、金融機関に認知された、比較的規模の大きい事業者であることが想定される。このため、取引関係を多く有することが想定され、全ての関係性をグラフW11に描写すると、視認性を損なう可能性がある。このため、判定装置100は、検索された特定の事業者と関係のある事業者であって、所定数に絞った事業者をノードとして表示するグラフW11を生成してもよい。また、この場合、金融機関側は、検索した特定の事業者を融資先として抽出するというよりは、検索した特定の事業者と関係のある目立たない事業者(そもそも検索対象として想定されないような事業者)を融資先として抽出するという意図があると考えられる。このため、判定装置100は、検索された事業者を第2の事業者とする、複数の第1の事業者を強調表示するようなグラフW11を生成してもよい。これにより、金融機関側は、新たな融資先を抽出しようとする際に有用なグラフW11の提供を受けることができる。
なお、判定装置100は、特に基点を設けないグラフW11を生成してもよい。この場合、判定装置100は、グラフW11に表示される各ノードについて、第1の事業者及び第2の事業者の区別なく、信用度の高い事業者ほど視覚的に強調されるようなグラフW11を生成してもよい。
〔5−4.ノードの態様〕
また、判定装置100は、より視認性に優れたグラフW11を生成してもよい。例えば、判定装置100は、ネットワークNを介して、各ノードに対応する事業者のロゴマークの画像データを取得する。そして、判定装置100は、各ノードをロゴマークで表示したグラフW11を生成してもよい。これにより、判定装置100は、一目でどのような事業者が各ノードに対応しているかを視認しやすいグラフW11を生成することができる。
また、判定装置100は、各ノードと、事業者の関係とを対応付けたグラフW11を生成してもよい。例えば、判定装置100は、金融機関端末20に表示されたグラフW11において、金融機関の所員が所定のノードをクリックした場合、当該ノードに対応した事業者の情報が画面上に表示されるようなインターフェイスを提供してもよい。また、判定装置100は、金融機関の所員が所定のノードをクリックした場合、検索サーバに当該ノードに対応する事業者の情報を検索させ、検索させた結果が表示されるようなインターフェイスを提供してもよい。
〔5−5.情報コンテンツの例〕
上記実施形態では、評価情報の一例としてニュースデータ(記事)を挙げたが、情報コンテンツの例はこれに限られない。例えば、判定装置100は、情報コンテンツとして、ユーザが送信したテキストデータを処理に用いてもよい。
例えば、判定装置100は、レビューサイトにおける、事業者の製品のユーザレビュー等を取得してもよい。そして、判定装置100は、事業者の製品に対するユーザレビューの数や、そのレビューがポジティブであるか、ネガティブであるかといった評価を取得する。そして、判定装置100は、レビューの数や評価に応じて、当該製品に関する事業者の評価に関する指標値を算出するようにしてもよい。例えば、判定装置100は、レビューサイトにおいて製品がユーザから酷評されている事業者について、事業の将来性が危ぶまれると判定し、評価値や信用度を低下させるような調整を行ってもよい。
また、判定装置100は、レビューサイトに限らず、SNSや電子掲示板等から、ユーザのコメントを情報コンテンツとして取得してもよい。
〔5−6.判定システムの各装置〕
判定システム1に含まれる各装置は、様々な変形例により実現されてもよい。例えば、判定装置100は、コンテンツ配信サーバ40が実行する処理を兼ねてもよい。また、判定装置100は、コンテンツ配信サーバ40が提供するウェブページにグラフW11を提供するような処理を行ってもよい。すなわち、グラフW11は、例えば、ファイナンスサイトに表示されるコンテンツの1つとして、ユーザ端末10に提供されてもよい。また、金融機関端末20と金融機関サーバ30とは一体で構成されてもよい。
〔5−7.事業者の評価〕
事業者の評価は、上記実施形態で挙げた例に限らず、様々な事象に基づいて判定されてもよい。例えば、判定装置100は、新規株式公開を行ったことに対して高い評価を与えてもよい。具体的には、判定装置100は、新規株式公開を行った第2の事業者と関係のある第1の事業者の信用度を高く判定したり、新規株式公開を行った第1の事業者の信用度を高く判定したりしてもよい。
また、判定装置100は、新規株式公開を行った事業者や、金融機関が実際に融資を行ったあとの所定期間において問題なく事業が継続している事業者を正解データとして、上記モデルを生成してもよい。
例えば、判定装置100は、新規株式公開を行った事業者や、問題なく事業が継続している事業者を正解データとして、それらの事業者における株価推移や、為替情報や、検索データや、ニュースデータや、広告データ等を説明変数として学習を行う。かかる学習により、判定装置100は、ある事業者の株価推移や、為替情報や、検索データや、ニュースデータや、広告データ等を入力した場合に、その事業者が将来的に新規株式公開を行ったり、問題なく事業が継続していく事業者であったりする可能性を示す指標値を出力するモデルを生成できる。例えば、判定装置100は、出力した指標値を、上述した口座指標値や、評価指標値や、信用度の数値として用いてもよい。
〔5−8.外部機関データ〕
上記実施形態では、第1の事業者の信用度を判定するにあたり、第2の事業者の評価に関する指標値を算出する例を示した。ここで、判定装置100は、第2の事業者の評価に関する指標値について、外部機関のデータを利用してもよい。すなわち、判定装置100は、評価情報として、第2の事業者を外部機関が評価した際の所定の評価値を取得し、取得した所定の評価値に基づいて、第1の事業者の信用度を判定してもよい。
例えば、判定装置100は、上場企業等を対象として事業者を評価する外部機関が公表するような評価値を第2の事業者の指標値として利用する。すなわち、判定装置100は、一般に公表される企業価値データや企業資産データ等の評価値を利用した判定処理を行ってもよい。このように、判定装置100は、外部機関のデータを採りいれることで、データの信頼性に客観的な信頼性を与えることができるとともに、判定処理を簡略化することができる。
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、図3に示した口座情報記憶部121や、評価情報記憶部122や、事業者情報記憶部128は、判定装置100が保持せずに、外部のストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、判定装置100は、ストレージサーバにアクセスすることで、口座情報や評価情報に関する情報等を取得する。
また、例えば、上述してきた判定装置100は、金融機関サーバ30から口座情報を取得したり、コンテンツ配信サーバ40から評価情報を配信したりといった、外部装置とのやりとりを中心に実行するフロントエンドサーバ側と、事業者の信用度を判定する処理やグラフを生成する処理等を中心に実行するバックエンドサーバ側とに分散されてもよい。
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る判定装置100や、ユーザ端末10や、金融機関端末20や、金融機関サーバ30や、コンテンツ配信サーバ40等は、例えば図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、判定装置100を例として説明する。図14は、判定装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(図2に示すネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が判定装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る判定装置100は、取得部131と、特定部132と、判定部133とを有する。取得部131は、第1の事業者が開設する口座の取引に関する情報である口座情報と、事業者に対する評価に関する情報である評価情報とを取得する。特定部132は、取得部131によって取得された口座情報に基づいて、第1の事業者と取引関係にある第2の事業者を特定する。判定部133は、特定部132によって特定された第2の事業者に関する評価情報に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、第1の事業者と取引関係にある第2の事業者の評価情報を利用して、第1の事業者における融資先としての信用度を判定する。このため、判定装置100は、信用度を判定するための情報として第1の事業者そのものの情報が不足している場合でも、第1の事業者と関係を有する第2の事業者の情報を用いることで、第1の事業者の信用度を判定することができる。すなわち、判定装置100は、小規模で目立たない第1の事業者や設立間もない第1の事業者であっても、融資先としての信用度を判定できるので、融資先となる第1の事業者を適切に抽出することができる。
また、取得部131は、評価情報として、第2の事業者に関する株価情報を取得する。判定部133は、第2の事業者に関する株価情報に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、第2の事業者における現時点の株価や、株価の推移に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。これにより、判定装置100は、現在の経済状況に即した、精度のよい信用度の判定を行うことができる。
また、取得部131は、評価情報として、第2の事業者が属する経済圏における為替情報を取得する。判定部133は、第2の事業者が属する業界と為替の関係性とに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、現時点の為替状況や、第2の事業者が属する業界における為替との連動情報等に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。これにより、判定装置100は、現在の為替状況に即した、精度のよい信用度の判定を行うことができる。
また、取得部131は、評価情報として、第2の事業者に関する検索データを取得する。判定部133は、第2の事業者に関する検索データに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
すなわち、実施形態に係る判定装置100は、検索数や検索上昇率等に基づいて第1の事業者の信用度を判定してもよい。検索データは、一般ユーザからの注目度を計る指標値となりうる。このため、検索数や検索上昇率等に優れている第2の事業者は、将来性の高い事業者であると判断できる。そして、そのような第2の事業者と取引を有する第1の事業者についても、将来性の高い事業者である可能性が高いと判断できる。このように、判定装置100は、多様な観点から第1の事業者の信用度の判定を行うことができる。
また、取得部131は、評価情報として、第2の事業者に関する情報コンテンツデータを取得する。判定部133は、第2の事業者に関する情報コンテンツデータに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、ニュースデータ等の情報コンテンツデータに基づいて第1の事業者の信用度を判定してもよい。情報コンテンツデータについても、検索データと同様、一般ユーザからの注目度を計る指標値となりうる。このため、かかる構成によっても、判定装置100は、多様な観点から第1の事業者の信用度の判定を行うことができる。
また、取得部131は、第2の事業者に対するポジティブな情報コンテンツデータ、又は、第2の事業者に対するネガティブな情報コンテンツデータを取得する。判定部133は、第2の事業者に対するポジティブな情報コンテンツデータ、又は、第2の事業者に対するネガティブな情報コンテンツデータに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、記事の内容も加味して信用度の判定を行うことができる。これにより、判定装置100は、信用度の判定処理における精度を向上させることができる。
また、取得部131は、評価情報として、第2の事業者が出稿させた広告に関する情報を取得する。判定部133は、第2の事業者が出稿させた広告に関する情報に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、第1の事業者の信用度を判定してもよい。広告は、世間一般に事業を知らしめるための投資であり、広告にコストを掛ける事業者は、それだけ信頼性がある事業者といえる。そして、そのような第2の事業者と取引を有する第1の事業者についても、信頼性のある事業者である可能性が高いと判断できる。このように、判定装置100は、多様な観点から第1の事業者の信用度の判定を行うことができる。
また、取得部131は、評価情報として、第2の事業者が出稿させた検索連動型広告に関する情報を取得する。判定部133は、第2の事業者が出稿させた検索連動型広告に関する広告料もしくは広告ランキングに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、検索連動型広告に関するコストに着目して、第1の事業者の信用度を判定してもよい。検索連動型広告は、検索キーワードに対して入札を行うため、なんらかのキーワードに紐づけて事業をアピールしたい事業者にとって積極的に利用される。そして、そのような態様の広告にコストを掛ける事業者は、それだけ信頼性がある事業者といえる。そして、そのような第2の事業者と取引を有する第1の事業者についても、信頼性のある事業者である可能性が高いと判断できる。このように、判定装置100は、多様な観点から第1の事業者の信用度の判定を行うことができる。
また、取得部131は、評価情報として、第2の事業者を外部機関が評価した際の所定の評価値を取得する。判定部133は、外部機関が評価した際の所定の評価値に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、外部機関の評価値を利用して、第1の事業者の信用度を判定してもよい。すなわち、判定装置100は、外部機関のデータのような、社会一般に認知された信頼性のあるデータを利用して判定処理を行うことで、求めた信用度の信頼性を向上させることができる。
また、取得部131は、第1の事業者に関する評価情報を取得する。判定部133は、第2の事業者に関する評価情報に加えて、第1の事業者に関する評価情報に基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、取引関係のある第2の事業者の情報に限らず、第1の事業者そのものの情報を利用して判定処理を行ってもよい。これにより、判定装置100は、さらに多くの情報から判定を行うことができるため、処理の精度を向上させることができる。
また、取得部131は、特定部132によって特定された第2の事業者と、第1の事業者との間の入出金取引に関する情報を取得する。判定部133は、第1の事業者と第2の事業者との間の入出金取引に関する情報と、第2の事業者に関する評価情報とに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、特定された第2の事業者に関する評価情報に加えて、入出金取引の情報(入出金関係)を加味して、第1の事業者の信用度を判定してもよい。これにより、判定装置100は、さらに多くの情報から判定を行うことができるため、処理の精度を向上させることができる。
また、判定部133は、入出金取引に関する情報として、第1の事業者と第2の事業者との間の取引金額、取引回数、取引頻度、取引金額の推移、取引回数の推移及び取引頻度の推移の少なくともいずれか一つに基づいて、第1の事業者の信用度を判定する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、入出金取引の情報として、種々の情報を判定処理に用いてもよい。これにより、判定装置100は、より多様な観点から第1の事業者の信用度を判定することができる。
また、実施形態に係る判定装置100は、第1の事業者と第2の事業者との間の入出金取引に関する情報と、判定部133によって判定された第1の事業者の信用度とに基づいて、第1の事業者と第2の事業者との関係性を示したグラフW10を生成する生成部134と、生成部134によって生成されたグラフW10を提供する提供部135とをさらに備える。
このように、実施形態に係る判定装置100は、第1の事業者に関係する情報を視覚的に提示することのできるグラフW10を生成してもよい。これにより、判定装置100は、融資先として信頼できる第1の事業者を視覚的に認知させることができるので、判定装置100によって提供されるデータを利用する金融機関側のユーザビリティを向上させることができる。
また、生成部134は、入出金取引に関する情報において取引金額の多い事業者間ほど、関係性が視覚的に強調されたグラフW10を生成する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、取引の実情にあわせて視覚性が変化するグラフW10を生成してもよい。これにより、判定装置100は、より視認性に優れた情報を提供することができる。
また、生成部134は、入出金取引に関する情報において、所定期間内の取引金額の推移が大きい事業者間ほど、関係性が視覚的に強調されたグラフW10を生成する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、取引の実情にあわせて視覚性が変化するグラフW10を生成してもよい。すなわち、判定装置100は、成長の見込める第1の事業者や、取引を拡大している第1の事業者が一目で判断できるグラフW10を生成できるので、より視認性に優れた情報を提供することができる。
また、生成部134は、入出金取引に関する情報において、取引関係の期間が長い事業者間ほど、関係性が視覚的に強調されたグラフW10を生成する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、取引の実情にあわせて視覚性が変化するグラフW10を生成してもよい。すなわち、判定装置100は、密接な信頼関係のある事業者間が一目で判断できるグラフW10を生成できるので、どのような第1の事業者を融資先とするかといった判断材料をわかりやすく表現した情報を金融機関に提供することができる。
また、実施形態に係る判定装置100は、グラフW10に対する所定の要求を受け付ける受付部136をさらに備える。生成部134は、受付部136によって、所定の第1の事業者を選択する要求を受け付けた場合には、所定の第1の事業者を基点として、所定の第1の事業者と第2の事業者間との関係性を示したグラフW10を新たに生成する。提供部135は、所定の要求を送信した送信元に対して生成部134によって新たに生成されたグラフW10を提供する。
このように、実施形態に係る判定装置100は、金融機関側からの要望に応じて、表示する情報が変化するグラフW10を提供してもよい。これにより、判定装置100は、提供したグラフW10を利用する金融機関側のユーザビリティを向上させることができる。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述した判定装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
また、特許請求の範囲に記載した「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。