JP6391458B2 - 現像装置、現像方法、画像形成装置、および画像形成方法 - Google Patents
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Description
トナーと、該トナーが収容されている現像容器と、該現像容器から供給され該トナーを表面に担持してトナー層を形成し、且つ、搬送する回転自在に保持された現像ローラと、前記トナー層の層厚を規制するためのトナー層厚規制部材と、を備えている現像装置であって、
該トナーは、
結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と、シリカ微粒子と、を含有し、
X線光電子分光装置(ESCA)により求めた、該トナー粒子表面の該シリカ微粒子による被覆率X1が40.0面積%以上75.0面積%以下であり、
該シリカ微粒子による理論被覆率をX2としたとき、下記(式1)で示される拡散指数が下記(式2)を満足し、
(式1)拡散指数=X1/X2
(式2)拡散指数≧−0.0042×X1+0.62;
該現像ローラは、
基体と、該基体の外周面に形成された基層と、該基層の外周に直接または他の層を介して形成された被覆部と、を備え、
該被覆部の体積抵抗率が1.0×108Ω・cm以上であり、該被覆部の平均膜厚が0.3μm以上5.0μm以下である現像装置が提供される。
X線光電子分光装置(ESCA)により求めた、該トナー粒子表面の該シリカ微粒子による被覆率X1が40.0面積%以上75.0面積%以下であり、
該シリカ微粒子による理論被覆率をX2としたとき、下記(式1)で示される拡散指数が下記(式2)を満足するものである:
(式1)拡散指数=X1/X2
(式2)拡散指数≧−0.0042×X1+0.62。
本発明に係る現像装置は、前記トナーと、前記トナーが収容されている現像容器と、前記現像容器から供給された前記トナーを表面に担持してトナー層を形成し且つ搬送する回転自在に保持された前記現像ローラと、前記トナー層の層厚を規制するためのトナー層厚規制部材とを備える。
本発明に係る現像装置が備える現像ローラの一実施形態を図1に示す。図1に示される現像ローラ1は、円柱状または中空円筒状の導電性の基体2の外周面に基層3が形成されている。また、被覆部4は、基層3の外周面を被覆している。
基体2は、現像ローラ1の電極および支持部材として機能する。基体2は、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロム、又はニッケルで鍍金処理が施された鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。
基層3は、現像ローラ1と電子写真感光体5とがトナーを介して当接する部分においてトナーに過度な圧力を加えないように、現像ローラ1の表面に必要な弾性を与えるものである。
被覆部4は、トナーの電荷が基層3を経由して基体2側から逃げるのを抑制するために必要であり、体積抵抗率が1.0×108Ω・cm以上である。体積抵抗率が1.0×108Ω・cm以上であれば、基体2側から逃げる電荷を大きく抑制することができる。被覆部4に使用される材質としては、有機系の樹脂またはアルミナが好ましい。有機系の樹脂としては、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、カーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂が好ましい。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。前記樹脂は、基本となる骨格がそれぞれの構造を有していれば良く、体積抵抗率と膜厚が規定の範囲に入っていれば、側鎖や官能基がどのような構造であってもよい。前記樹脂を用いることにより、体積抵抗率が1.0×108Ω・cm以上である構造を作製し易く、さらには製膜性及び下層との密着性が良好である。また、被覆部に使用される材質がアルミナの場合、体積抵抗率は1.0×1010Ω・cm以上であることが好ましく、5.0×1010Ω・cm以上であることがより好ましい。また、被覆部に使用される材質が有機系樹脂の場合、体積抵抗率は1.0×1012Ω・cm以上であることがより好ましく、1.0×1013Ω・cm以上であることが更に好ましい。アルミナと有機系の樹脂で好ましい体積抵抗率の範囲が異なる理由は、アルミナは特にネガ帯電付与性が強いため、多少電荷が抜けても強いネガ帯電付与性でより多く帯電付与してカバーできるためである。
また、現像ローラに適切な表面形状を付与しトナーの搬送量を制御するために、基層3と被覆部4との間に1層以上の中間層を有することが好ましい。この中間層は、少なくとも樹脂と、導電性粒子と、粗し粒子とを含むことが好ましい。更に、中間層は基層3からオイルが染み出す場合であっても、オイルが表面に染み出さないように閉じ込める効果もある。
本発明に係るトナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と、シリカ微粒子とを含有し、X線光電子分光装置(ESCA)により求めた、該トナー粒子表面の該シリカ微粒子による被覆率X1が40.0面積%以上75.0面積%以下であり、該シリカ微粒子による理論被覆率をX2としたとき、下記(式1)で示される拡散指数が下記(式2)を満足する。
(式2)拡散指数≧−0.0042×X1+0.62
本発明者らの検討によれば、上記のようなトナーを用いることにより、使用環境によらず、カブリを抑制することができる。また、余剰帯電によるトナーの静電的凝集(以下、規制不良)も抑制できる。ここで、カブリは以下の原因により発生すると考えている。
(2)ブレードニップにおいてトナー一粒一粒が帯電すること。
これは、トナーが現像ローラから離れやすいことを示す。
これは、現像ローラまたはトナー層厚規制部材に接触するトナーが動く際、接触していないトナーがそれに連動して動くことを示す。
これは、ブレードニップにおける摺擦が、トナー粒子の一粒一粒に対して行われるようにトナーがほぐれやすいことを示す。
(式2)拡散指数≧−0.0042×X1+0.62
前記被覆率X1は、シリカ微粒子単体をESCAで測定した時のSi元素の検出強度に対して、トナーを測定した時のSi元素の検出強度の比から、算出することができる。この被覆率X1は、トナー粒子表面のうち、シリカ微粒子が実際に被覆している面積の割合を示す。
(式4)において、
da:シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)、
dt:トナーの質量平均粒径(D4)、
ρa:シリカ微粒子の真比重、
ρt:トナーの真比重、
C:シリカ微粒子の質量/トナーの質量
(Cは後述するトナー中のシリカ微粒子の含有量を用いる。)、である。
上述してきたように、本発明において、カブリを低減するためには、上記(1)及び(2)を解決する必要がある。その中で、(2−1)乃至(2−3)に関する点は、「シリカ微粒子の表面性状」および「シリカ微粒子の外添状態」の組み合わせによる相乗効果により、初めて全て解決できるものであると、本発明者らは考えている。
本発明に係る各種物性の測定方法を以下に述べる。
<使用機器>
周波数応答アナライザ1260型(ソーラートロン社製)、誘電率測定インターフェイス1296型(ソーラートロン社製)を使用して測定を行う(参考:http://www.toyo.co.jp/solartron/yuudentai.html)。
現像ローラの30mmの幅に全周電極を作製する。電極は金蒸着で作製する。
外周に作製した電極と基体との間にAC電圧を印加して、インピーダンスを測定する。AC電圧の印加条件は0.1Vppであり、設定周波数は0.01Hz〜1MHzである。
インピーダンス解析ソフトウエア ZViewを使用して解析を行う(ZPlot and ZView for Windows from Scribner Associates)。解析時に用いるフィッティング回路は、「測定系の抵抗」と「各層の成分」を直列にn層を図8のモデル図のように回路設定して行う。
被覆部の平均膜厚は、マイクロスコープVHX−600(商品名、キーエンス製)を用いて観察する。測定方法は、現像ローラを円弧状にカッターで切りだし、断面を2000倍で10箇所ランダムに観察する。各観察画像での被覆部の膜厚を、中心部と両端の3箇所で測定し、合計30箇所の平均をその現像ローラの被覆部の平均膜厚とした。但し、観察像に被覆部が見られない時は観察箇所を増やして、被覆部が10箇所観察できるまで行った。被覆部が一部だけ存在する場合は、被覆部が存在しない箇所の測定膜厚を0μmとした。中間層の平均膜厚についても同様に測定した。
被覆部の被覆率は、レーザーマイクロスコープVK−X100(商品名、キーエンス製;商品名)を用いて観察する。測定方法は、対物レンズを20倍とし現像ローラ表面をランダムに10視野観察する。各視野を25マスに等分し、半分以上被覆されている箇所がどれだけあるか確認し、全250マス中半分以上被覆されているマスの数で被覆率を計算する。
現像ローラの表面形状形成に用いられる粗し粒子の体積平均粒径は、レーザー回折型粒度分布計コールターLS−230型粒度分布計(商品名、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて測定する。具体的な測定方法としては、少量モジュールを用い、測定溶媒としてはイソプロピルアルコール(IPA)を使用する。まず、IPAにて粒度分布計の測定系内を5分間洗浄し、洗浄後バックグラウンドファンクションを実行する。次に、IPA50ml中に、測定試料を1mg以上25mg以下加えて、得られる懸濁液を超音波分散機で3分間分散処理し、被験試料液を得る。そして、測定装置の測定系内にこの被験試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDS(偏光散乱強度差)が45%以上55%以下になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、体積分布から算出した体積平均粒径を求める。
表面粗さ(JIS B0601−2001)に準拠する表面粗さ測定器サーフコーダSE−3500(商品名、株式会社小坂研究所製)にて、軸方向3箇所、周方向3箇所の計9箇所について測定し、その平均値を試料(現像剤担持体)の表面粗さRaとする。なお、カットオフは0.8mm、測定距離は8.0mm、送り速度は0.2mm/secとする。
(1)トナー中のシリカ微粒子の含有量の定量(標準添加法)
トナー3gを直径30mmのアルミリングに入れ、10トンの圧力でペレットを作製する。そして、波長分散型蛍光X線分析(XRF)により、珪素(Si)の強度を求める(Si強度−1)。なお、測定条件は使用するXRF装置で最適化されたものであれば良いが、一連の強度測定はすべて同一条件で行うこととする。トナーに、一次粒子の個数平均粒径が12nmのシリカ微粒子を、トナーに対して1.0質量%添加して、コーヒーミルにより混合する。混合後、上記と同様にペレット化した後に、上記と同様にSiの強度を求める(Si強度−2)。同様の操作を、シリカ微粒子を、トナーに対して2.0質量%、3.0質量%添加混合したサンプルにおいても、Siの強度を求める(Si強度−3、Si強度−4)。Si強度−1乃至4を用いて、標準添加法によりトナー中のシリカ含有量(質量%)を計算する。
トナーが磁性体を含有する場合、次の工程を経て、シリカ微粒子の定量を行う。トナー5gを、精密天秤を用いて200mlの蓋付きポリカップに秤量し、メタノールを100ml加え、超音波分散機で5分間分散させる。ネオジム磁石によりトナーを引き付け、上澄み液を捨てる。メタノールによる分散と上澄みを捨てる操作を3回繰り返す。その後、10質量%NaOHを100mlと、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を数滴加え、軽く混合した後、24時間静置する。その後、再びネオジム磁石を用いて分離する。なお、この際にNaOHが残留しないように繰り返し蒸留水ですすぐ。回収された粒子を真空乾燥機により十分に乾燥させ、粒子Aを得る。上記操作により、外添されたシリカ微粒子は溶解、除去される。
3gの粒子Aを直径30mmのアルミリングに入れ、10トンの圧力でペレットを作製し、波長分散型蛍光X線分析(XRF)により、Siの強度を求める(Si強度−5)。Si強度−5とトナー中のシリカ微粒子の含有量の定量で使用したSi強度−1乃至4を利用して、粒子A中のシリカ含有量(質量%)を計算する。
5gの粒子Aに対して、100mlのテトラヒドロフランを加え、良く混合した後に超音波分散を10分間行う。磁石により磁性粒子を引き付け、上澄み液を捨てる。この作業を5回繰り返し、粒子Bを得る。この操作で、磁性体以外の樹脂等の有機成分はほぼ取り除くことができる。ただし、樹脂中のテトラヒドロフラン不溶解分が残存する可能性があるため、上記操作で得られた粒子Bを800℃まで加熱して残存する有機成分を燃焼させる。加熱後に得られた粒子Cを、トナーに含有されていた磁性体と近似することができる。粒子Cの質量を測定することにより、磁性トナー中の磁性体含有量W(質量%)とすることができる。この際、磁性体の酸化増量分を補正するために、粒子Cの質量に0.9666(Fe2O3→Fe3O4)を乗じる。各定量値を以下の式に代入することにより、外添されたシリカ微粒子量を算出する。
〔7〕被覆率X1の測定方法
トナー粒子表面のシリカ微粒子による被覆率X1は、以下のようにして算出する。下記装置を下記条件にて使用し、トナー表面の元素分析を行う。
・測定装置:Quantum2000(商品名、アルバックファイ株式会社製)
・X線源:モノクロAl Kα
・Xray Setting:100μmφ(25W(15KV))
・光電子取りだし角:45度
・中和条件:中和銃とイオン銃の併用
・分析領域:300×200μm
・Pass Energy:58.70eV
・ステップサイズ:1.25eV
・解析ソフト:Maltipak(PHI社)。
尚、本測定の精度を向上させるために、Y1及びY2の測定を2回以上行う。
トナーの質量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する(トナー粒子の場合も同様に算出する)。測定装置としては、100μmのアパーチャチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800(商品名、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて撮影されるトナー表面のシリカ微粒子画像から算出される。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径の算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は二次電子像と比べてシリカ微粒子のチャージアップが少ないため、シリカ微粒子の粒径を精度良く測定することが出来る。
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を100000(100k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作を更に2度繰り返し、ピントを合わせる。
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(商品名、シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(商品名、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS−150」(商品名、ヴェルヴォクリーア社製))を用いる。水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
シリカ微粒子の見掛け密度の測定は、100mlのメスシリンダーに、紙の上にのせた測定試料をゆっくり加えて100mlになるようにし、試料を加える前と後のメスシリンダーの質量差を求め次式によって算出する。なお、試料をメスシリンダーに加える場合、紙を叩いたりしないようにする。
〔12〕トナー及びシリカ微粒子の真比重の測定方法
トナー及びシリカ微粒子の真比重は、乾式自動密度計オートピクノメーター(商品名:ユアサアイオニクス社製)により測定した。条件は下記の通りである。
サンプル量:約2.0g(トナー)、0.05g(シリカ微粒子)
この測定方法は、気相置換法に基づいて、固体・液体の真比重を測定するものである。液相置換法と同様、アルキメデスの原理に基づいているが、置換媒体としてガス(アルゴンガス)を用いるため、微細孔に対する精度が高い。
(1)ビーカーにシリカ微粒子0.50g、クロロホルム40mlを入れ、2時間攪拌する。
(2)攪拌を止めて、12時間静置する。
(3)サンプルをろ過して、クロロホルム40mlで3回洗浄する。
酸素気流下、1100℃で試料を燃焼させ、発生したCO、CO2量をIRの吸光度により測定して、試料中の炭素量を測定する。シリコーンオイルの抽出前後での炭素量を比較して、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率を下記の通り計算する。
(1)試料0.40gを円筒金型に入れプレスする。
(2)プレスした試料0.15gを精秤し、燃焼用ボードに乗せ、堀場製作所EMA−110(製品名)で測定する。
(3)[シリコーンオイル抽出後の炭素量]/[シリコーンオイル抽出前の炭素量]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
(4)[シリコーンオイル抽出後の炭素量]/[(シリコーンオイル抽出前の炭素量−シラン化合物等で疎水処理後の炭素量)]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
(5)[(シリコーンオイル抽出後の炭素量−シラン化合物等で疎水処理後の炭素量)]/[シリコーンオイル抽出前の炭素量]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
基体として、直径(外径)が10mmであり、算術平均粗さRaが0.2μmである研削加工されたアルミニウム製円筒管に、プライマー(商品名、DY35−051;東レダウコーニング社製)を塗布し、焼付けした。該基体を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名、SE6724A/B;東レ・ダウコーニング社製)100質量部、
・カーボンブラック(商品名、トーカブラック#4300;東海カーボン社製)15質量部、
・耐熱性付与剤としてのシリカ粉体 0.2質量部、
・白金触媒 0.1質量部。
<イソシアネート基末端プレポリマーA−1の合成>
窒素雰囲気下、反応容器中でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR 日本ポリウレタン工業社製)33.8質量部に対し、ブチレンアジペート系ポリオール(商品名:ニッポラン4010;日本ポリウレタン工業社製)100.0質量部を、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量4.3質量%のイソシアネート基末端プレポリマーA−1を得た。
<イソシアネート基末端プレポリマーA−2の合成>
窒素雰囲気下、反応容器中でトリレンジイソシアネート(TDI)(商品名:コスモネートT80;三井化学社製)17.7質量部に対し、ポリプロピレングリコール系ポリオール(商品名:エクセノール4030;旭硝子社製)100.0質量部を、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量3.8質量%のイソシアネート基末端プレポリマーA−2を得た。
撹拌装置、温度計、滴下装置および温度調整装置を備える反応容器中で、攪拌しながらジエチレントリアミン100.0質量部、エタノール100質量部を40℃まで加温した。次に、反応温度を60℃以下に保持しつつ、エチレンオキシド235.0質量部を30分かけて徐々に滴下した。さらに1時間攪拌して反応を行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物を減圧下加熱してエタノールを留去し、アミノ化合物B−1 276gを得た。
<水酸基末端プレポリマーB−2の合成>
撹拌機付ガラス製フラスコにε−カプロラクトン80.4質量%、トリメチロールプロパン19.6質量%、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを添加し、窒素雰囲気下、180℃で7時間、さらに200℃で3時間反応させた。これを自然冷却し、平均官能基価が3.5であるポリエステルポリオール(1)を得た。ポリエステルポリオール(1)と、多官能性イソシアネートであるデュラネート24A100(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)と二官能性イソシアネートであるデュラネートD101(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)との混合物(24A100:D101=0.38:0.62(質量比))とを、OH:NCO=2:1となるように配合した。これを100℃で6時間激しく撹拌することにより、平均官能基価が4.5である水酸基末端プレポリマーB−2を得た。
撹拌機付ガラス製フラスコにε−カプロラクトン95.7質量%、トリメチロールプロパン4.3質量%、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを添加し、窒素雰囲気下、180℃で7時間、さらに200℃で3時間反応させた。これを自然冷却し、平均官能基価が2.4であるポリエステルポリオール(2)を得た。ポリエステルポリオール(2)と、多官能性イソシアネートであるデュラネート24A100(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)と二官能性イソシアネートであるデュラネートD101(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製)との混合物(24A100:D101=0.38:0.62(質量比))とを、OH:NCO=1:2となるように配合した。これを100℃で6時間激しく撹拌することにより、平均官能基価が3.5であるイソシアネート末端プレポリマーA−3を得た。
イソシアネート基末端プレポリマーA−2、アミノ化合物B−1を用い、表1に示す分量で混合したこと以外は塗料1と同様にして塗料4を得た。尚、塗料4の体積抵抗率は、3.5×1014Ω・cmであった。
イソシアネート基末端プレポリマーA−3、水酸基末端プレポリマーB−2を用い、表1に示す分量で混合したこと以外は塗料1と同様にして、塗料5を得た。尚、塗料5の体積抵抗率は、1.3×1012Ω・cmであった。
イソシアネート基末端プレポリマーA−1、ペンタエリスリトールを用い、表1に示す分量で混合したこと以外は塗料1と同様にして、塗料6を得た。尚、塗料6の体積抵抗率は、3.8×1011Ω・cmであった。
変性シリコーン樹脂(商品名:ES−1001N、信越化学工業(株)製)をキシレンで固形分濃度5%に希釈し、塗料7とした。尚、塗料7の体積抵抗率は、5.7×1013Ω・cmであった。
カーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)をモノクロロベンゼンで固形分濃度5%に希釈し、塗料8とした。尚、塗料8の体積抵抗率は、9.7×1015Ω・cmであった。
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡績(株)製)をMEKで固形分濃度5%に希釈し、塗料9とした。尚、塗料9の体積抵抗率は、1.4×1016Ω・cmであった。
アミノエチル化アクリル樹脂(商品名:ポリメントNK−380、(株)日本触媒製)をMEKで固形分濃度5%に希釈し、塗料10とした。尚、塗料10の体積抵抗率は、8.5×1013Ω・cmであった。
ポリオレフィン樹脂(商品名:サーフレン、三菱化学(株)製)をトルエンで固形分濃度10%に希釈し、塗料11とした。尚、塗料11の体積抵抗率は、7.0×1015Ω・cmであった。
イソシアネート基末端プレポリマーA−2、アミノ化合物B−1、ウレタン樹脂粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製)を用い、表1に示す分量で混合したこと以外は塗料1と同様にして、塗料12を得た。尚、塗料12の体積抵抗率は、6.8×1012Ω・cmであった。
前記弾性体の基層が形成されていない部分をマスキングして垂直に立て、1500rpmで回転させ、スプレーガンを30mm/sで下降させながら塗料1を塗布した。続いて、熱風乾燥炉中で、温度180℃で20分間加熱して塗布層を硬化・乾燥することで、中間層を形成した。これにより、ローラt1を作製した。ローラt1の中間層の層厚は、8μmであった。
表2に示す材料に変更した以外は現像ローラT1と同様にして、現像ローラT2乃至T5、T7乃至T11、T13乃至T15、T17、T18、T20およびT21を作製した。なお、現像ローラT10の作製では、両端部をマスキングしてディッピングで被覆部を作製した。各現像ローラの中間層および被覆部の材料と物性を表2に示す。
現像ローラT1と同様に中間層を形成した。続いて、中間層の表面以外をマスキングし、Al2O3顆粒を電子線加熱で気化させて蒸着させる真空蒸着により、中間層上に被覆部として酸化アルミニウム皮膜を形成した。現像ローラT6、T12およびT19において、処理量を変えることで被覆部の膜厚を変更させた。各現像ローラの中間層および被覆部の材料と物性を表2に示す。
<磁性体1の製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.00から1.10当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で0.15質量%となる量のP2O5、鉄元素に対して珪素元素換算で0.50質量%となる量のSiO2を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。該水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備える反応槽中に、下記成分を入れ、230℃で窒素気流下、生成する水を留去しながら10時間反応させた。
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド2モル付加物 75質量部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド3モル付加物 25質量部
・テレフタル酸 100質量部
・チタン系触媒(チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)) 0.25質量部。
・スチレン 78.0質量部
・n−ブチルアクリレート 22.0質量部
・ジビニルベンゼン 0.6質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土谷化学工業(株)) 3.0質量部
・磁性体1 90.0質量部
・ポリエステル樹脂1 5.0質量部。
平均円形度が0.938となるように造粒条件を変更した以外はトナー粒子1と同様にトナー粒子2を作製した。トナー粒子2の質量平均粒径と平均円形度を表3に示す。
トナー粒子1に対して、図6に示す装置を用いて外添混合処理を行った。図6に示す装置は、本体ケーシング22の内周部の径が130mmであり、処理空間30の容積が2.0×10−3m3であり、駆動部29の定格動力は5.5kWであり、攪拌部材24の形状は図7に示す形状であった。図7における攪拌部材24aと攪拌部材24bとの重なり幅dは、攪拌部材24の最大幅Dに対して0.25Dであり、攪拌部材24と本体ケーシング22内周とのクリアランスは3.0mmであった。
表5に示すトナー粒子、シリカ微粒子、プレ混合条件および外添条件に変更した以外は、トナー1と同様にトナー2乃至12を作製した。ここで、外添装置としてヘンシェルミキサーを使用する場合、ヘンシェルミキサーFM10C(三井三池化工機(株))を用いた。
評価用の画像形成装置として、レーザープリンタ(商品名:LaserJet ProP1606、ヒューレット・パッカード社製)に下記のように仕様変更を行ったものを用いた。
印字比率5.5%のテストチャートを11枚出力し、11枚目の画像上の、直径が5mmのベタ黒の丸部の濃度を、反射濃度計(商品名:RD918、マクベス社製)により反射濃度測定を行い、その任意の10点の平均値を画像濃度とした。
画像評価の際に、現像ローラ表面のトナーコートの状態観察を行い、トナーへの余剰帯電に起因する静電的トナー凝集(規制不良)の有無を目視で観察した。規制不良が画像に現れた場合は×、トナーコート上には規制不良が存在するが画像に出ていない場合は△、存在しない場合は○、として評価した。尚、規制不良が発生した場合は、規制不良未発生箇所でその他の測定を実施した。
(1)A4サイズの紙にベタ白画像を形成する画像形成工程を連続して行って11枚のベタ白画像を得た。11枚目のベタ白画像について、現像剤担持体1回転分に相当する部位のベタ白部の反射率をランダムに10箇所測定した。そのうちもっとも反射率に低い値から未使用の紙の反射率(10箇所の平均値)を差し引いたものを「白後カブリ濃度」とした。
(1)上記<3>(1)の評価において、11枚目のベタ白画像を形成したときに、現像剤担持体上に付着しているトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集した。その際、金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、捕集されたトナー質量Mを測定した。これらの値から、単位質量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)を算出した。
これらの評価結果を表7、8に示す。
表6に示すトナーと現像ローラを用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表7、表8に示す。
2 基体
3 基層
4 被覆部
5 電子写真感光体(感光体)
6 帯電ローラ
7 現像ローラ
8 トナー供給部材
9 現像装置
10 転写部材(転写ローラ)
11 クリーナー容器
12 クリーニングブレード
13 定着器
14 ピックアップローラ
15 転写材(紙)
16 レーザー発生装置
17 トナー層厚規制部材
18 金属板
19 トナー
20 撹拌部材
21 マグネットローラ
22 本体ケーシング
23 回転体
24、24a、24b 撹拌部材
25 ジャケット
26 原料投入口
27 製品排出口
28 中心軸
29 駆動部
30 処理空間
31 回転体端部側面
32 回転方向
33 戻り方向
34 送り方向
37 原料投入口用インナーピース
38 製品排出口用インナーピース
d 撹拌部材の重なり部分を示す間隔
Claims (13)
- トナーと、
該トナーが収容されている現像容器と、
該現像容器から供給され該トナーを表面に担持してトナー層を形成し、且つ、搬送する回転自在に保持された現像ローラと、
前記トナー層の層厚を規制するためのトナー層厚規制部材と、を備えている現像装置であって、
該トナーは、
結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と、
シリカ微粒子と、を含有し、
X線光電子分光装置(ESCA)により求めた、該トナー粒子表面の該シリカ微粒子による被覆率X1が40.0面積%以上75.0面積%以下であり、
該シリカ微粒子による理論被覆率をX2としたとき、下記(式1)で示される拡散指数が下記(式2)を満足し、
(式1)拡散指数=X1/X2
(式2)拡散指数≧−0.0042×X1+0.62;
該現像ローラは、
基体と、
該基体の外周面に形成された基層と、
該基層の外周に直接または他の層を介して形成された被覆部と、を備え、
該被覆部の体積抵抗率が1.0×108Ω・cm以上であり、
該被覆部の平均膜厚が0.3μm以上5.0μm以下である現像装置。 - 前記被覆部が、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、カーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含有する請求項1に記載の現像装置。
- 前記被覆部の体積抵抗が、1.0×1012Ω・cm以上である請求項2に記載の現像装置。
- 前記被覆部の体積抵抗が、1.0×1013Ω・cm以上である請求項3に記載の現像装置。
- 前記被覆部がアルミナを含む請求項1に記載の現像装置。
- 前記被覆部の体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上である請求項5に記載の現像装置。
- 前記被覆部の体積抵抗率が5.0×1010Ω・cm以上である請求項6に記載の現像装置。
- 前記被覆部は少なくとも直下の層を30.0面積%以上覆っている請求項1から7のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記トナーは、前記シリカ微粒子を前記トナー粒子100質量部あたり0.40質量部以上1.50質量部以下含有する請求項1から8のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像ローラは、前記基層と前記被覆部との間に少なくとも1層の中間層を備え、前記中間層は、少なくとも樹脂と、導電性粒子と、粗し粒子とを含む請求項1から9のいずれか1項に記載の現像装置。
- 請求項1から10のいずれか1項に記載の現像装置を用いて、電子写真感光体に対向する現像領域へ前記現像ローラを接触させ前記トナーを搬送し、前記トナーにより前記電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する工程を有することを特徴とする現像方法。
- 電子写真感光体、
該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、
帯電された該電子写真感光体の表面に像露光光を照射して該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成するための像露光手段、
該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成するための現像手段、
中間転写体を介してまたは介さずに該電子写真感光体の表面に形成された該トナー像を転写材に転写するための転写手段、および、
前記転写材に転写された該トナー像を前記転写材に定着するための定着手段を有する画像形成装置であって、
該現像手段が、請求項1から10のいずれか1項に記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。 - (1)電子写真感光体の表面を帯電する工程、
(2)帯電された該電子写真感光体の表面に像露光光を照射して該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する工程、
(3)該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成する工程、
(4)中間転写体を介してまたは介さずに該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写する工程、および、
(5)該転写材に転写されたトナー像を該転写材に定着する工程を有する画像形成方法であって、
該工程(3)が、請求項11に記載の現像方法によって行われることを特徴とする画像形成方法。
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