JP6390119B2 - センサユニット、並びに分析装置、及び分析方法 - Google Patents

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Description

本件は、被測定物質に含有される有機物質と無機物質とを区別して測定できる分析装置、及び分析方法、並びにそれに用いるセンサユニットに関する。
水質汚濁防止の観点から、下水中、工場排水中、及び環境水中の生物化学的酸素要求量(BOD)測定並びに化学的酸素要求量(COD)測定が行われている。
BOD測定では、例えば、バクテリアを用いて5日間を要するという問題がある。COD測定では酸化剤を用いて化学的に酸化させるため30分間から2時間程度で測定が終わり自動測定も可能であるが、毒性の高い廃液が発生するという問題がある。
これらの問題を避けるため、日常の有機汚濁評価では紫外(UV)光の吸光度により試料中の有機物量を求めるUV計を用いた簡易測定が普及している。この場合の測定時間は1分間ほどで、廃液も発生しない。
しかし、UV計を用いた水質汚濁物質測定においては、測定に用いられる紫外光の波長は通常254nmであり、吸収が真空紫外領域にある物質、例えば、エタノールに対する感度は低くなる。またアセトニトリルなどは測定できない。短波長の真空紫外光を用いようとすると溶媒である水にも吸収されてしまい、やはり感度が低下するという問題がある。
一方、近年、雰囲気中の窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)等の腐食物質の測定に水晶振動子マイクロバランス(QCM:Quartz Crystal Microbalance)センサが利用されている。これは、QCMの電極上に腐食物質が吸着するとその質量により水晶振動子の振動数が低下することを利用している。このQCMセンサは小型であり、且つ、リアル・タイムで高感度に計測できる特徴があるため、製造工場の環境管理や、各所の雰囲気管理に利用されている。
一般的に、QCMセンサあるいはマイクロカンチレバーを用いた質量変化検出型の微量物質測定では、測定対象物質を吸着する部位にさまざまな材料を用いて目的物の検出感度を高める工夫がなされている。吸着部位の材料としては金、銀をはじめとして様々な金属や透明導電体などが用いられている。目的によっては金薄膜の上のアルカンチオール自己組織化膜等を介して抗体やDNA等のホスト分子等を配置し、特定のゲスト分子等を検出するものも考案されている。
QCMセンサによる微量物質測定では、吸着部位が被測定物質で覆われてしまうとその後は多層吸着となり被測定物質の吸着確率が変化して測定に誤差が生じる。そのため、一般には吸着量が一定を超えた段階で水晶振動子の交換が必要となる。これを避けるため、QCMの吸着部位に光触媒を成膜して吸着量が増えたら光を照射して吸着物を分解清浄化する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、QCMセンサによる腐食物質の測定においては、雰囲気中に非腐食性物質である揮発性有機化合物(VOC)等が含まれていると、VOC等もQCMに吸着してしまい、誤差となるという問題がある。
したがって、微量物質測定において、有機物質と無機物質とを区別し、かつ高い精度で測定できるセンサユニット及び分析方法の提供が求められているのが現状である。
特開2001−343315号公報 特開2009−150747号公報
本件は、微量物質測定において、有機物質と無機物質とを区別し、かつ高い精度で測定できるセンサユニット、微量物質測定において、有機物質と無機物質とを区別し、かつ高い精度で測定できる分析装置、及び微量物質測定において、有機物質と無機物質とを区別し、かつ高い精度で測定できる分析方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、後述する付記に記載した通りである。即ち、
開示のセンサユニットは、
有機物質と無機物質とを区別して測定する分析に用いられるセンサユニットであって、
光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有し、被測定物質の付着量によって振動周波数が変化し、前記被測定物質が接触される物質感応センサと、
前記物質感応センサに紫外線を照射する紫外線照射光源と、
前記物質感応センサの温度変化を抑制する温度変化抑制手段と、
を有する。
開示の分析装置は、開示の前記センサユニットと、物質感応センサの振動周波数を計測する周波数カウンターとを有する。
開示の分析方法は、
有機物質と無機物質とを区別して測定する分析方法であって、
光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有し、被測定物質の付着量によって振動周波数が変化する物質感応センサに前記被測定物質を接触させる接触工程と、
前記物質感応センサの振動周波数の測定における所定の時間に前記物質感応センサに紫外線を照射する紫外線照射工程と、
前記物質感応センサの温度変化を抑制する温度変化抑制工程と、
を含む。
開示のセンサユニットによると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、微量物質測定において、有機物質と無機物質とを区別し、かつ高い精度で測定できる。
開示の分析装置によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、微量物質測定において、有機物質と無機物質とを区別し、かつ高い精度で測定できる。
開示の分析方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、微量物質測定において、有機物質と無機物質とを区別し、かつ高い精度で測定できる。
図1は、開示のセンサユニットの一例の概略図である。 図2は、分析のフローの一例を示すチャートである。 図3Aは、総量法における振動周波数変化の一例を示すグラフである。 図3Bは、濃度法における振動周波数変化の一例を示すグラフである。 図4は、開示のセンサユニットの他の一例の概略図である。 図5は、開示のセンサユニットの他の一例の概略図である。 図6は、開示のセンサユニットの他の一例の概略図である。
(センサユニット)
開示のセンサユニットは、物質感応センサと、紫外線照射光源と、温度変化抑制手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記センサユニットは、被測定物質に含有される有機物質と無機物質とを区別して測定する分析に用いられる。
前記被測定物質は、気体であってもよいし、液体であってもよい。前記被測定物質を含有する測定試料としては、例えば、下水、工場排水、環境水、大気などが挙げられる。
前記有機物質としては、例えば、揮発性有機化合物(VOC)などが挙げられる。
前記無機物質としては、例えば、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)などが挙げられる。
前記有機物質の具体例としては、例えば、ベンゼン、ホルムアルデヒド、ジェオスミン、フェノール類、アルコール類、ケトン類、アセトニトリルなどが挙げられる。
<物質感応センサ>
前記物質感応センサとしては、光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有し、被測定物質の付着量によって振動周波数が変化し、前記被測定物質が接触されるセンサであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、圧電体結晶、前記圧電体結晶の主面に設けられたセンサ電極、及び前記センサ電極の表面に光触媒アパタイトを含有する光触媒層を有する物質感応センサ(以下、「QCMセンサ」と称することがある。)、並びに光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有するカンチレバーが好ましい。
前記光触媒アパタイトは、光触媒機能とアパタイトによる物質吸着機能とを兼ね備えた物質である。
前記光触媒アパタイトとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタンアパタイトなどが挙げられる。
前記チタンアパタイトとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタンと、アルカリ土類金属とを含有するアパタイトなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム、ストロンチウムなどが挙げられる。
前記チタンアパタイトとしては、具体的には、例えば、カルシウムヒドロキシアパタイト〔Ca10(PO(OH)〕のCa原子の一つがTi原子に置き換わったものなどが挙げられる。
前記光触媒層は、例えば、光触媒アパタイトを含有する分散液を、物質感応センサ表面に塗布することにより形成することができる。
−QCMセンサ−
前記QCMセンサとしては、圧電体結晶、前記圧電体結晶の主面に設けられたセンサ電極、及び前記センサ電極の表面に光触媒アパタイトを含有する光触媒層を有するセンサであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記圧電体結晶としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水晶などが挙げられる。前記水晶としては、ATカットされた水晶が好ましい。
前記センサ電極としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金、銀などが挙げられる。
−カンチレバー
前記カンチレバーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その材質としては、例えば、シリコン、窒化シリコン、水晶、石英ガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラスなどが挙げられる。
<紫外線照射光源>
前記紫外線照射光源としては、前記物質感応センサに紫外線を照射する光源であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、GaN系紫外線LEDなどが挙げられる。
前記紫外線照射光源の波長は、光触媒アパタイトの種類に応じて適宜選択すればよい。
前記紫外線照射光源の出力としては、例えば、10mW〜100mWなどが挙げられる。
前記紫外線照射光源としては、具体的には、例えば、UV LED 340(DOWAエレクトロニクス社製)、UVTOP336(センサエレクトロニックテクノロジー社製)などが挙げられる。
<温度変化抑制手段>
前記温度変化抑制手段としては、前記物質感応センサの温度変化を抑制する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、物質感応センサ被覆手段、エネルギー線照射光源が好ましい。
−物質感応センサ被覆手段−
前記物質感応センサ被覆手段としては、前記物質感応センサと前記紫外線照射光源との間を区切る側壁を有し被測定物質を含有する測定試料が入る空間を有しつつ前記物質感応センサを覆う手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、石英容器、ガラス容器、プラスチック容器などが挙げられる。
−エネルギー線照射光源−
前記エネルギー線照射光源としては、前記物質感応センサにエネルギー線を照射する光源であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記エネルギー線としては、例えば、紫外線よりも長波長のエネルギー線などが挙げられる。前記紫外線よりも長波長のエネルギー線としては、例えば、可視光線、赤外線などが挙げられる。前記エネルギー線照射光源としては、例えば、可視光LED、赤外線LEDなどが挙げられる。前記可視光線、前記赤外線の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(分析装置)
開示の分析装置は、開示の前記センサユニットと、周波数カウンターとを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
<周波数カウンター>
前記周波数カウンターとしては、前記物質感応センサの振動周波数を計測する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電源回路手段、中央制御手段などが挙げられる。
前記電源回路手段としては、例えば、前記紫外線照射光源、前記エネルギー線照射光源、及び前記周波数カウンターの少なくともいずれかに電気を供給する手段などが挙げられる。
前記中央制御手段としては、例えば、前記紫外線照射光源、前記エネルギー線照射光源、及び前記周波数カウンターの少なくともいずれかを制御する手段などが挙げられる。
(分析方法)
開示の分析方法は、接触工程と、紫外線照射工程と、温度変化抑制工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記分析方法は、被測定物質に含有される有機物質と無機物質とを区別して測定する方法である。
<接触工程>
前記接触工程としては、物質感応センサに被測定物質を接触させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記物質感応センサとしては、光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有し、被測定物質の付着量によって振動周波数が変化し、前記被測定物質が接触されるセンサであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、開示の前記センサユニットにおける前記物質感応センサなどが挙げられる。
<紫外線照射工程>
前記紫外線照射工程としては、前記物質感応センサの振動周波数の測定における所定の時間に前記物質感応センサに紫外線を照射する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記センサユニットにおける前記紫外線照射光源を用いて行うことができる。
前記物質感応センサに紫外線を照射するタイミングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記物質感応センサの振動周波数の測定開始時から紫外線を照射してもよいし、前記物質感応センサの振動周波数の測定を開始した後、所定の時間後に紫外線を照射してもよい。
前記物質感応センサに紫外線を照射する時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<温度変化抑制工程>
前記温度変化抑制工程としては、前記物質感応センサの温度変化を抑制する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記物質感応センサと前記紫外線照射光源との間を区切る側壁を有し前記被測定物質を含有する測定試料が入る空間を有しつつ前記物質感応センサを覆う物質感応センサ被覆手段により行われることが好ましい。また、前記温度変化抑制工程は、エネルギー線照射光源により前記物質感応センサにエネルギー線を照射することにより行われることが好ましい。
以下、開示の発明について、具体例を示して説明する。
図1に、センサユニットの一例の概略図を示す。図1に示すセンサユニットは、圧電体結晶1、圧電体結晶1の主面に設けられたセンサ電極2、及びセンサ電極2の表面に光触媒アパタイトを含有する光触媒層3を有する物質感応センサと、2つの紫外線照射光源4と、温度変化抑制手段としての石英容器5とを有する。石英容器5は、被測定物質が入る空間を有しつつ、物質感応センサを覆っている。
図1に示すセンサユニットを用いた分析方法の一例を以下に示す。
図2は、分析のフローの一例を示すチャートである。まず、被測定物質を含有する液体の測定試料を石英容器5内に入れ、前記被測定物質を物質感応センサに吸着させる。十分に吸着させた後、不図示の周波数カウンターを用いて、物質感応センサの振動周波数の測定を開始する。測定開始後、所定の時間に達したときに前記物質感応センサに紫外線照射を行う。その際、振動周波数の測定は、連続して行ってもよいし、所定の時間ごとに行ってもよい。そして、振動周波数が一定になったら、紫外線の照射を停止する。振動周波数が一定にならない場合には、振動周波数が一定になるまで紫外線の照射を継続する。紫外線の照射を停止した後に、有機物質、無機物質それぞれの吸着量を算出し、分析を終了する。
前記分析方法としては、例えば、総量法、濃度法などが挙げられる。なお、前記総量法は、直接的でわかりやすいというメリットがあるが、吸着完了までに時間が掛かる可能性があるというデメリットもある。前記濃度法は、吸着時間を一定にできるというメリットがあるが、溶液の交換が必要であるというデメリットがある。また、前記濃度法は、前提として、吸着により試料濃度が変わらない(十分な試料が供給される)ことが必要である。
前記総量法は、例えば、以下の方法により行うことができる。前記総量法では、振動周波数は、図3Aに示すような変化を示す。
(1)一定量の試料を石英容器に入れる。
(2)十分な時間をおいて、試料に含まれる被測定物質をセンサに全て吸着させる(センサの振動周波数が一定になるまで待つ)。
ここで、試料を石英容器に入れた直後と、センサの振動周波数が一定になった後との振動周波数変化が、有機物質及び無機物質の総量となる。
(3)センサに紫外線を照射する。
(4)十分な時間をおいて、センサに吸着した被測定物質中の有機物質を分解脱離させる(センサの振動周波数が一定になるまで待つ)。
ここで、紫外光照射前と、センサの振動周波数が一定になった後との振動周波数変化が、有機物質の量となる。有機物質及び無機物質の総量から有機物質の量を差し引いたものが、無機物質の量となる。
(5)上記(4)において求めた「有機物質の量」、及び「無機物質の量」を、上記(1)の試料の「一定量」でそれぞれ除することにより、試料中のそれぞれの濃度を求める。
前記濃度法としては、例えば、以下の方法により行うことができる。前記濃度法では、振動周波数は、図3Bに示すような変化を示す。
(1)試料を石英容器に入れる。
(2)一定時間おいて、試料に含まれる被測定物質をセンサに吸着させた後、石英容器から試料を排出して溶媒と入れ替える(吸着を停止する)。
ここで、試料を石英容器に入れた直後と、一定時間後との振動周波数変化が、有機物質及び無機物質の総量となる。
(3)センサに紫外線を照射する。
(4)十分な時間をおいて、センサに吸着した被測定物質中の有機物質を分解脱離させる(センサの振動周波数が一定になるまで待つ)。
ここで、紫外光照射前と、センサの振動周波数が一定になった後との振動周波数変化が、有機物質の量となる。有機物質及び無機物質の総量から有機物質の量を差し引いたものが、無機物質の量となる。
(5)既知濃度の溶液を用いて本手順と同様の手段により別途あらかじめ求めておいた被測定物質濃度、及び吸着時間と吸着された有機物質あるいは無機物質の量との関係を用いて、試料中の有機物質あるいは無機物質の濃度を求める。
なお、前記総量法、前記濃度法ともに、センサ表面における吸着物質の被覆率が小さい(吸着サイトが十分に空いている)ことが前提となる。また、被測定物質の吸着量と周波数変移との関係を求めておく必要がある。
以上から、開示の分析においては、有機物質と無機物質とを区別して測定することができる。
また、物質感応センサは温度が変化すると振動周波数が変動し、測定誤差を生じやすいが、上記態様においては、石英容器を用い液体の測定試料を物質感応センサに接触させているため、紫外線照射による物質感応センサの温度上昇を抑制でき、温度変化による測定誤差を防ぐことができる。
図4は、開示のセンサユニットの他の一例を示す概略図である。
図4に示すセンサユニットは、物質感応センサとしてカンチレバー6を用いており、その表面には、光触媒層3が設けられている。カンチレバー6は、カンチレバー支持体8により支持されており、カンチレバー6のカンチレバー支持体8側の端部には、カンチレバー6の振動を検知するピエゾ抵抗体7が備えられている。カンチレバー支持体8には、カンチレバー6を振動させるピエゾ振動子9が備えられている。その他の構成は、図1と同様である。
図4に示すセンサユニットでは、ピエゾ振動子9によりカンチレバー6が振動する。カンチレバー6に物質が吸着していると、その吸着量により、カンチレバー6の振動周波数が変化する。そのため、カンチレバー6の振動周波数をピエゾ抵抗体7で測定することで、被測定物質を定量できる。また、上述したように、物質感応センサへ紫外線を照射することにより、光触媒層の光触媒作用を利用して、開示のセンサユニットは、被測定物質に含有される有機物質と無機物質とを区別して測定できる。
図5は、開示のセンサユニットの他の一例を示す概略図である。
図5に示すセンサユニットは、物質感応センサとしてカンチレバー6を用いており、その先端部には探針10が設けられており、探針10の表面には光触媒層3が設けられている。その他の構成は、図4と同様である。
図5に示すセンサユニットでは、ピエゾ振動子9によりカンチレバー6が振動する。カンチレバー6に物質が吸着していると、その吸着量により、カンチレバー6の振動周波数が変化する。そのため、カンチレバー6の振動周波数をピエゾ抵抗体7で測定することで、被測定物質を定量できる。また、上述したように、物質感応センサへ紫外線を照射することにより、光触媒層の光触媒作用を利用して、開示のセンサユニットは、被測定物質に含有される有機物質と無機物質とを区別して測定できる。
また、図1に示す水晶振動子マイクロバランスを用いた態様と比較して、少量の試料で測定することが可能になる。
図1、4、及び5は、主に、被測定物質を含有する液体の測定試料を用いて測定する際の態様を示す図である。
次に、被測定物質を含有する気体の測定試料を用いて測定する際の態様の一例を示す。
図6は、開示のセンサユニットの他の一例を示す概略図である。
図6に示すセンサユニットは、圧電体結晶1、圧電体結晶1の主面に設けられたセンサ電極2、及びセンサ電極2の表面に光触媒アパタイトを含有する光触媒層3を有する物質感応センサと、2つの紫外線照射光源4と、温度変化抑制手段としての2つの赤外線照射光源11とを有する。
図6に示すセンサユニットを用いた分析の場合、例えば、分析時の物質感応センサの温度変化を抑制するように、適宜、赤外線照射光源11から物質感応センサへ赤外線を照射する。
赤外線照射光源11からの赤外線の照射量は、紫外線照射光源4から紫外線を照射したときの物質感応センサの温度変化に応じて、適宜選択することができる。
例えば、図6に示すセンサユニットを用いて、図2に示す分析フローを行う場合、紫外線照射を開始すると、物質感応センサが温度上昇する。そこで、紫外線照射を行う前に、予め赤外線照射を行っておき、途中で紫外線照射に切り替える、又は両者を併用して適宜照射することにより、分析時の物質感応センサの温度変化を抑制できる。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 有機物質と無機物質とを区別して測定する分析に用いられるセンサユニットであって、
光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有し、被測定物質の付着量によって振動周波数が変化し、被測定物質が接触される物質感応センサと、
前記物質感応センサに紫外線を照射する紫外線照射光源と、
前記物質感応センサの温度変化を抑制する温度変化抑制手段と、
を有することを特徴とするセンサユニット。
(付記2) 物質感応センサが、圧電体結晶、前記圧電体結晶の主面に設けられたセンサ電極、及び前記センサ電極の光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有する物質感応センサである付記1に記載のセンサユニット。
(付記3) 物質感応センサが、光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有するカンチレバーである付記1に記載のセンサユニット。
(付記4) 温度変化抑制手段が、物質感応センサと紫外線照射光源との間を区切る側壁を有し被測定物質が入る空間を有しつつ前記物質感応センサを覆う物質感応センサ被覆手段である付記1から3のいずれかに記載のセンサユニット。
(付記5) 温度変化抑制手段が、エネルギー線照射光源である付記1から3のいずれかに記載のセンサユニット。
(付記6) 光触媒アパタイトが、チタンアパタイトである付記1から5のいずれかに記載のセンサユニット。
(付記7) チタンアパタイトが、チタンと、アルカリ土類金属とを含有するアパタイトである付記6に記載のセンサユニット。
(付記8) アルカリ土類金属が、カルシウム及びストロンチウムの少なくともいずれかである付記7に記載のセンサユニット。
(付記9) 付記1から8のいずれかに記載のセンサユニットと、物質感応センサの振動周波数を計測する周波数カウンターとを有することを特徴とする分析装置。
(付記10) 更に電源回路手段と、中央制御手段とを有する付記9に記載の分析装置。
(付記11) 有機物質と無機物質とを区別して測定する分析方法であって、
光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有し、被測定物質の付着量によって振動周波数が変化する物質感応センサに前記被測定物質を接触させる接触工程と、
前記物質感応センサの振動周波数の測定における所定の時間に前記物質感応センサに紫外線を照射する紫外線照射工程と、
前記物質感応センサの温度変化を抑制する温度変化抑制工程と、
を含むことを特徴とする分析方法。
(付記12) 温度変化抑制工程が、物質感応センサと紫外線照射光源との間を区切る側壁を有し被測定物質が入る空間を有しつつ前記物質感応センサを覆う物質感応センサ被覆手段により行われる付記11に記載の分析方法。
(付記13) 温度変化抑制工程が、エネルギー線照射光源により物質感応センサにエネルギー線を照射することにより行われる付記11に記載の分析方法。
1 圧電体結晶
2 センサ電極
3 光触媒層
4 紫外線照射光源
5 石英容器
6 カンチレバー
7 ピエゾ抵抗体
8 カンチレバー支持体
9 ピエゾ振動子
10 探針
11 赤外線照射光源

Claims (3)

  1. 有機物質と無機物質とを区別して測定する分析に用いられるセンサユニットであって、
    光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有し、被測定物質の付着量によって振動周波数が変化し、前記被測定物質が接触される物質感応センサと、
    前記物質感応センサに紫外線を照射する紫外線照射光源と、
    前記物質感応センサの温度変化を抑制する温度変化抑制手段と、
    を有し、
    前記温度変化抑制手段が、エネルギー線照射光源であることを特徴とするセンサユニット。
  2. 請求項1に記載のセンサユニットと、物質感応センサの振動周波数を計測する周波数カウンターとを有することを特徴とする分析装置。
  3. 有機物質と無機物質とを区別して測定する分析方法であって、
    光触媒アパタイトを含有する光触媒層を表面に有し、被測定物質の付着量によって振動周波数が変化する物質感応センサに前記被測定物質を接触させる接触工程と、
    前記物質感応センサの振動周波数の測定における所定の時間に前記物質感応センサに紫外線を照射する紫外線照射工程と、
    前記物質感応センサの温度変化を抑制する温度変化抑制工程と、
    を含み、
    前記温度変化抑制工程が、エネルギー線照射光源により前記物質感応センサにエネルギー線を照射することにより行われることを特徴とする分析方法。
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