JP6384999B2 - 流体圧緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、流体圧緩衝器に関する。
流体圧緩衝器において、サクションバルブにバルブリフト部材を対向配置したものがある。このバルブリフト部材は、サクションバルブ側にサクションバルブの周方向に間隔をあけて複数の突起が設けられており、これらの突起がサクションバルブとの間に隙間を形成するように配置されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−276103号公報
バルブリフト部材とサクションバルブとの間に隙間が設けられていると、サクションバルブの密閉性が下がり、特にピストン速度が極低速の領域で流体圧緩衝器の減衰力にバラツキを生じてしまう可能性がある。
したがって、本発明は、安定した減衰力を発生させることが可能な流体圧緩衝器の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る流体圧緩衝器は、バルブボディの下室側には、流路を形成する円環状の流路形成溝が形成され、サクションバルブの前記バルブボディとは反対側にバネ部材を配し、前記バネ部材は、円環状の主板部と径方向外方に広がる円環状の外周板部とを有し、前記主板部と前記外周板部との間に前記主板部よりも前記バルブボディの軸方向の前記サクションバルブ側に突出し、前記サクションバルブを全周にわたって押圧する支持凸部が形成され、前記支持凸部は前記バネ部材の径方向において該バネ部材の前記流路形成溝の範囲内に当接する構成とした。
本発明によれば、安定した減衰力を発生させることが可能となる。
本発明に係る第1実施形態の流体圧緩衝器を示す部分断面図である。 本発明に係る第1実施形態の流体圧緩衝器のバルブボディ周辺を示す断面図である。 本発明に係る第1実施形態の流体圧緩衝器の要部を示す拡大断面図である。 本発明に係る第1実施形態の流体圧緩衝器のバネ部材の平面図である。 本発明に係る第2実施形態の流体圧緩衝器のバルブボディ周辺を示す断面図である。
「第1実施形態」
本発明に係る第1実施形態を図1〜図4を参照して以下に説明する。
図1に示す第1実施形態の流体圧緩衝器10は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。流体圧緩衝器10は、作動流体としての油液が封入される円筒状のシリンダ11と、シリンダ11よりも大径でシリンダ11の外周側に設けられシリンダ11との間に作動流体としての油液およびガスが封入されるリザーバ室12を形成する有底筒状の外筒13とを有している。つまり、流体圧緩衝器10は、二重筒構造をなしている。
外筒13は、一端部および他端部が開口する略円筒状の一部材からなる金属製の胴部材14と、胴部材14の他端側の開口部の内側に嵌合してこの開口部を閉塞する有底筒状の金属製の閉塞部材15とからなっている。閉塞部材15の胴部材14に嵌合する筒状部16および胴部材14が、外筒13の筒部17となり、閉塞部材15の胴部材14に嵌合しない底部18が外筒13においても底部18となっている。閉塞部材15は胴部材14に溶接により密閉状態となるように固定されている。外筒13は、シリンダ11と同軸状に設けられてシリンダ11をその径方向の外側で覆っている。図1では一部のみ示すが、閉塞部材15の外側には円環状の取付アイ19が固定されている。
シリンダ11は、一端部および他端部が開口する金属製の円筒状の一部材からなっている。シリンダ11は、その軸方向の他端部に取り付けられた円環状の金属製のバルブボディ21を介して外筒13の底部18に係合している。また、シリンダ11は、その軸方向の一端部に取り付けられた図示略のロッドガイドを介して外筒13の筒部17の底部18とは反対側に連結されている。ロッドガイドは、シリンダ11および外筒13の両方に嵌合することで、シリンダ11の軸方向の一端部を外筒13と同軸状に支持している。
バルブボディ21は、シリンダ11の他端部に嵌合して取り付けられ、その軸方向のシリンダ11とは反対側が外筒13の底部18に載置されている。この載置状態でバルブボディ21は、底部18の環状段部22に係合して外筒13と同軸状に配置されることになり、これにより、シリンダ11の軸方向の他端部を外筒13と同軸状に配置する。
シリンダ11内には、ピストン25が摺動可能に設けられている。このピストン25は、シリンダ11内を上室28と下室29とに区分けしている。上室28は、シリンダ11内のピストン25よりも底部18とは反対側つまり軸方向一側に設けられ、下室29は、シリンダ11内のピストン25よりも底部18側つまり軸方向他側に設けられている。シリンダ11内の下室29は、シリンダ11の他端に設けられたバルブボディ21によって、バルブボディ21および底部18間を含むリザーバ室12と区分けされている。
ピストン25は、金属製の円環状をなすピストン本体33と、その外周部に同軸状に装着された合成樹脂製の摺動部材34とからなっており、摺動部材34がシリンダ11内を摺動する。ピストン25には、ピストン本体33に金属製のピストンロッド31が連結されている。ピストンロッド31は、一端がシリンダ11の一端から図示略のロッドガイドおよびその外側の図示略のシール部材を通って外部に突出しており、他端がピストン本体33に接続されている。ピストン25は、このピストンロッド31にナット32によって締結されており、ピストンロッド31と一体的に移動する。流体圧緩衝器10は、例えばピストンロッド31が車両の車体側に連結され、取付アイ19が車両の車輪側に連結されて、車輪の車体に対する移動に対して減衰力を発生させる。
ピストンロッド31は、一定径の主軸部35と、シリンダ11内に挿入される側の端部の内端軸部36とを有している。内端軸部36は、主軸部35よりも小径となっており、その主軸部35とは反対側の外周部にオネジ37が形成されている。
ピストン本体33は、径方向の中央に軸方向に貫通する貫通孔39が形成されて円環状をなしており、貫通孔39の径方向外側に、軸方向に貫通する複数の流路形成穴40および複数の流路形成穴41が形成されている。ピストン本体33には、その径方向において、内側に複数の流路形成穴40が、流路形成穴40よりも外側に複数の流路形成穴41が、それぞれ配置されている。
複数の流路形成穴40は、ピストン本体33の中心から等距離の位置に、ピストン本体33の周方向に等間隔で形成されている。ピストン本体33の軸方向の上室28側には、複数の流路形成穴40を連通させる流路形成溝42がピストン本体33の中心を中心とする円環状に形成されており、ピストン本体33の軸方向の下室29側にも、複数の流路形成穴40を連通させる流路形成溝43がピストン本体33の中心を中心とする円環状に形成されている。複数の流路形成穴40、流路形成溝42および流路形成溝43のそれぞれの内側が、上室28と下室29とを連通可能な流路44となっている。
複数の流路形成穴41は、ピストン本体33の中心から等距離の位置に、ピストン本体33の周方向に等間隔で形成されている。ピストン本体33の軸方向の上室28側には、複数の流路形成穴41を連通させる流路形成溝46がピストン本体33の中心を中心とする円環状に形成されている。複数の流路形成穴41および流路形成溝46のそれぞれの内側が、上室28と下室29とを連通可能な流路47となっている。
ピストン25には、その軸方向の下室29側に、ピストン本体33に当接することで流路44を閉塞可能な複数枚の円環平板状の金属製のディスクからなるディスクバルブ50が設けられている。このディスクバルブ50の軸方向の上室28とは反対側には一枚の円環平板状の金属製のディスク51が設けられており、このディスク51の軸方向の上室28とは反対側には一枚の円環平板状の金属製の規制ディスク52が設けられている。
また、ピストン25には、その軸方向の上室28側に、ピストン本体33に当接することで流路47を閉塞可能な一枚の円環平板状の金属製のディスクバルブ54が設けられている。このディスクバルブ54の軸方向の底部18とは反対側には一枚の円環平板状の金属製のディスク55が設けられており、このディスク55の軸方向の底部18とは反対側には一枚の円環状の金属製の規制ディスク57が設けられている。
これら規制ディスク57、ディスク55、ディスクバルブ54、ピストン25、ディスクバルブ50、ディスク51および規制ディスク52が、この順に、ピストンロッド31の内端軸部36を内側に通しながら主軸部35の内端軸部36側の端面に配置される。そして、これらが、内端軸部36のオネジ37に螺合されるナット32と、主軸部35の内端軸部36側の端面とに挟持されてピストンロッド31に取り付けられている。
ディスクバルブ50は、その外径が流路形成溝43の最大径よりも大径かつディスク51よりも大径となっており、ディスク51よりも外側部分がピストン25から軸方向に離れるように変形することで流路44を開く。規制ディスク52は、その外径がディスクバルブ50の外径とほぼ同径でディスクバルブ50よりも剛性が高く、ディスクバルブ50がピストン25から離れる方向に変形して当接すると、それ以上のディスクバルブ50の変形を規制する。
ディスクバルブ54は、その外径が流路形成溝46の最大径よりも大径かつディスク55の外径よりも大径となっている。ディスクバルブ54は、ディスク55よりも外側部分がピストン25から軸方向に離れるように変形することで流路47を開く。
規制ディスク57は、主軸部35の内端軸部36側の端面と、ディスク55とに挟持される平板円環状の主板部60と、外周側にあって主板部60よりも軸方向のディスクバルブ54側に段差状にオフセットする円環状の段差部61とを有している。規制ディスク57は、その外径がディスクバルブ54の外径とほぼ同径でディスクバルブ54よりも剛性が高く、ディスクバルブ54がピストン25から離れる方向に変形して当接すると、それ以上のディスクバルブ54の変形を規制する。流路44を上室28に常時連通させるため、ディスクバルブ54にはこれを軸方向に貫通する貫通穴62が、規制ディスク57にはこれを軸方向に貫通する貫通穴63が、それぞれ形成されている。
ディスクバルブ50は、上室28から下室29への油液の流路44を介する流れを許容する一方でこれとは逆方向の油液の流路44を介する流れを規制する。ディスクバルブ50は、ピストンロッド31が伸び側に移動しピストン25が上室28側に移動して上室28の圧力が下室29の圧力よりも所定値以上高くなると流路44を開くことになり、その際に減衰力を発生させる。つまり、ディスクバルブ50は伸び側の減衰バルブである。
ディスクバルブ54は、下室29から上室28側への油液の流路47を介する流れを許容する一方でこれとは逆方向の油液の流路47を介する流れを規制する。ディスクバルブ54は、ピストンロッド31が縮み側に移動しピストン25が下室29側に移動して下室29の圧力が上室28の圧力よりも所定値以上高くなると流路47を開くことになり、その際に減衰力を発生させる。つまり、ディスクバルブ54は縮み側の減衰バルブである。
バルブボディ21には、径方向の中央に軸方向に貫通する貫通孔65が形成されており、貫通孔65の径方向外側に、軸方向に貫通する複数の流路形成穴66および複数の流路形成穴67が形成されている。バルブボディ21の径方向において、内側に複数の流路形成穴66が、流路形成穴66よりも外側に複数の流路形成穴67が、それぞれ配置されている。
複数の流路形成穴66は、バルブボディ21の中心から等距離の位置にバルブボディ21の周方向に等間隔で形成されている。バルブボディ21の軸方向の下室29側には、複数の流路形成穴66を連通させる流路形成溝68がバルブボディ21の中心を中心とする円環状に形成されており、バルブボディ21の軸方向の底部18側つまりリザーバ室12側にも、複数の流路形成穴66を連通させる流路形成溝69がバルブボディ21の中心を中心とする円環状に形成されている。複数の流路形成穴66、流路形成溝68および流路形成溝69のそれぞれの内側が、下室29とリザーバ室12とを連通可能な流路70となっている。
複数の流路形成穴67は、バルブボディ21の中心から等距離の位置にバルブボディ21の周方向に等間隔で複数形成されている。バルブボディ21の軸方向の下室29側には、複数の流路形成穴67を連通させる流路形成溝72がバルブボディ21の中心を中心とする円環状に形成されている。複数の流路形成穴67および流路形成溝72のそれぞれの内側が、下室29とリザーバ室12とを連通可能な流路73となっている。
バルブボディ21には、その軸方向の底部18側つまりリザーバ室12側に、バルブボディ21に当接することで流路70を閉塞可能な複数枚の円環平板状の金属製のディスクからなるディスクバルブ75が設けられている。ディスクバルブ75の軸方向のバルブボディ21とは反対側には一枚の円環平板状の金属製のディスク76が設けられており、ディスク76の軸方向のディスクバルブ75とは反対側には一枚の円環平板状の金属製の規制ディスク77が設けられている。
図2に示すように、バルブボディ21には、その軸方向の下室29側に、バルブボディ21に当接することで流路73を閉塞可能な一枚の円環平板状の金属製のサクションバルブ80が設けられている。サクションバルブ80の軸方向のバルブボディ21とは反対側には一枚の円環状の金属製のバネ部材82が設けられている。バネ部材82の軸方向のサクションバルブ80とは反対側には一枚の円環平板状の金属製のディスク83が設けられており、ディスク83の軸方向のバネ部材82とは反対側には一枚の円環状の金属製の規制ディスク84が設けられている。よって、バネ部材82は、サクションバルブ80の軸方向のバルブボディ21とは反対側に配されている。
バルブボディ21には、金属製のリベット86が取り付けられている。リベット86は、軸部87と、軸部87よりも大径のフランジ部88とを有している。リベット86は、軸部87が、規制ディスク77、ディスク76、ディスクバルブ75、バルブボディ21、サクションバルブ80、バネ部材82、ディスク83、規制ディスク84のそれぞれの内側にこの順に挿入され、この状態で軸部87の規制ディスク84よりも外側部分が径方向外側に広がるように加締められる。この加締めにより形成されたリベット86の加締部89とフランジ部88とが、これらを軸方向両側から挟持する。
ディスクバルブ75は、その外径が流路形成溝69の最大径よりも大径、かつディスク76の外径よりも大径となっており、ディスク76よりも外側部分がバルブボディ21から軸方向に離れるように変形することで流路70を開く。規制ディスク77は、その外径がディスクバルブ75の外径よりも若干小径かつディスク76よりも大径となっており、ディスクバルブ75よりも剛性が高く、ディスクバルブ75がバルブボディ21から離れる方向に変形して当接すると、それ以上のディスクバルブ75の変形を規制する。
サクションバルブ80は、その外径が流路形成溝72の最大径よりも大径となっており、バネ部材82は、その外径がディスク83よりも大径でサクションバルブ80よりも若干小径となっている。サクションバルブ80は、ディスク83よりも外側部分がバネ部材82を変形させながらバルブボディ21から軸方向に離れるように変形することで流路73を開く。バネ部材82は、リベット86の加締め力によってサクションバルブ80との隙間aを径方向で変化させることによる撓み力で、サクションバルブ80への支持力を高める。
規制ディスク84は、リベット86の加締部89とディスク83とに挟持される平板円環状の主板部90と、外周側にあって主板部90よりも軸方向のバネ部材82側に段差状にオフセットする円環状の段差部91とを有している。規制ディスク84は、その外径がバネ部材82の外径よりも若干小径となっており、サクションバルブ80およびバネ部材82よりも剛性が高く、サクションバルブ80およびバネ部材82がバルブボディ21から離れる方向に変形して当接すると、それ以上のサクションバルブ80およびバネ部材82の変形を規制する。
流路70を下室29に常時連通させるため、サクションバルブ80には、これを軸方向に貫通する貫通穴93が、バネ部材82には、これを軸方向に貫通する貫通穴94が、規制ディスク84には、これを軸方向に貫通する貫通穴95が、それぞれ形成されている。貫通穴93,94は、サクションバルブ80およびバネ部材82の径方向において流路形成溝68の範囲内のみに形成されている。ディスク83の外径は、貫通穴93,94,95のそれぞれのリベット86の中心からの最小距離よりも小さくなっている。
ここで、図4に示すように、バネ部材82の複数の貫通穴94は、同形状であり、バネ部材82の中心を中心とする同一円上に配置される円弧状をなして、バネ部材82の周方向に等間隔に配置されている。サクションバルブ80の複数の貫通穴93も、図示は略すが、同形状であり、サクションバルブ80の中心を中心とする同一円上に配置される円弧状をなして、サクションバルブ80の周方向に等間隔に配置されている。
図2に示すディスクバルブ75は、下室29からリザーバ室12への油液の流路70を介する流れを許容する一方で、これとは逆方向の油液の流路70を介する流れを規制する。ディスクバルブ75は、図1に示すピストンロッド31がシリンダ11内への進入量を増やす縮み側に移動しピストン25が下室29側に移動して下室29の圧力がリザーバ室12の圧力よりも所定値以上高くなると流路70を開くことになり、その際に減衰力を発生させる縮み側の減衰バルブとなっている。ディスクバルブ75は、ピストンロッド31がシリンダ11への進入量を増やすことによるシリンダ11内の容積減少に応じて下室29からリザーバ室12へ油液を排出する。
サクションバルブ80は、リザーバ室12から下室29への油液の流路73を介する流れを許容する一方で、これとは逆方向の油液の流路73を介する流れを規制するチェックバルブである。つまり、ディスク状のサクションバルブ80は、流路73を開閉する。サクションバルブ80は、ピストンロッド31がシリンダ11からの突出量を増やす伸び側に移動しピストン25が上室28側に移動して下室29の圧力がリザーバ室12の圧力より下降すると流路73を開くことになるが、その際にリザーバ室12から下室29内に実質的に減衰力を発生させずに油液を流すサクションバルブである。サクションバルブ80は、ピストンロッド31がシリンダ11からの突出量を増やすことによるシリンダ11内の容積増加に応じてリザーバ室12から油液を下室29に補給する。
図2に示すように、バネ部材82は、サクションバルブ80とディスク83とに挟持される円環状の主板部100と、主板部100の外周縁部から主板部100よりも軸方向のサクションバルブ80側に突出しつつ径方向外側に広がる円環状の支持凸部101と、支持凸部101の外周縁部から径方向外側に広がる円環状の外周板部102とを有している。バネ部材82は、流体圧緩衝器10に組み込まれる前の自然状態にあるとき、主板部100が円環平板状をなし、外周板部102が主板部100と同一平面に配置される円環平板状をなす。支持凸部101は、図4にも示すようにバネ部材82の外周側に形成されている。
支持凸部101は、バネ部材82の中心軸線を含む面での断面が、図3に示すように円弧状をなしており、よって、突出先端側ほどバネ部材82の径方向の幅が狭くなっている。図2に示すように、バネ部材82は、支持凸部101からリベット86に向かうにつれて、つまり支持凸部101から内周に向かうに従ってサクションバルブ80との間の隙間aが小さくなるよう変化させている。よって、下室29とリザーバ室12とに圧力差がない状態で、支持凸部101は、流路73を閉塞しているサクションバルブ80に全周にわたって連続的に当接し、サクションバルブ80を全周にわたって連続的に支持する。支持凸部101は、バネ部材82の径方向において流路形成溝72の範囲内に形成されており、最小径が貫通穴94のリベット86の中心からの最大距離よりも大きくなっている。また、支持凸部101は、最大径が、規制ディスク84の主板部90の最大径つまり段差部91の最小径と同等以下となっており、よって、段差部91の軸方向のバネ部材82に最も近い平坦な下端面の最小径よりも小径となっている。
下室29の圧力がリザーバ室12の圧力よりも下降して差圧が流路73を介してサクションバルブ80に加わると、サクションバルブ80が支持凸部101において全周にわたって支持されたバネ部材82を押圧し変形させながら変形して流路73を開き油液を流路73を介して下室29に流す。また、この状態から下室29の圧力が上がってリザーバ室12の圧力に近づくと、サクションバルブ80およびバネ部材82は弾性変形から戻ってサクションバルブ80が流路73を閉じることになり、その際にサクションバルブ80はバネ部材82で押圧されて流路73を閉じる。
サクションバルブ80およびバネ部材82は、剛性が低く変形が容易である。よって、サクションバルブ80は、流路73を開きやすく、下室29の圧力がリザーバ室12の圧力よりも下降するとリザーバ室12から下室29に即座に油液の補給を行うことができる。また、サクションバルブ80は、流路73を閉じやすく、下室29の圧力がリザーバ室12の圧力に近づくとリザーバ室12から下室29への油液の補給を即座に停止することができる。
上記した特許文献1は、バルブリフト部材にサクションバルブの周方向に間隔をあけて複数の突起が設けられており、これらの突起がサクションバルブとの間に隙間を形成するように配置されているため、サクションバルブの密閉性が下がり、特にピストン速度が極低速の領域で流体圧緩衝器の減衰力にバラツキが生じてしまう可能性がある。
これに対して、第1実施形態の流体圧緩衝器10は、バネ部材82の外周側にサクションバルブ80を全周にわたって支持する支持凸部101が形成されているため、サクションバルブ80の密閉性が下がることを抑制でき、減衰力のバラツキを抑制できる。よって、安定した減衰力を発生させることが可能となる。また、バネ部材82は、支持凸部101からリベット86に向かうにつれて小さくなるように、サクションバルブ80との間の隙間aを変化させているので、バネ部材82の撓み力によりサクションバルブ80の密閉性を高めることができる。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態を主に図5に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態においては、第1実施形態のディスク83が設けられていない。また、第2実施形態においては、第1実施形態のバルブボディ21とは一部異なるバルブボディ21Aが用いられている。バルブボディ21Aには、貫通孔65を囲んで軸方向の下室29側に突出するボス部110が形成されている。また、第2実施形態においては、第1実施形態のサクションバルブ80およびバネ部材82とは一部異なるサクションバルブ80Aおよびバネ部材82Aが用いられている。これらサクションバルブ80Aおよびバネ部材82Aは、内径が第1実施形態よりも大きくボス部110を内側に挿通させるようになっている。サクションバルブ80Aおよびバネ部材82Aは、ボス部110で案内されて軸方向に移動可能となっている。
そして、第2実施形態においては、バネ部材82Aのサクションバルブ80Aとは反対側に金属製の一枚の押さえバネ112が設けられている。押さえバネ112はボス部110および規制ディスク84に挟持される円環平板状の主板部113と、主板部113から径方向外側に径方向外側ほどバネ部材82Aに近づくように延出してバネ部材82Aに当接する複数の腕板部114とを有している。下室29とリザーバ室12とに圧力差がない状態で、押さえバネ112の複数の腕板部114はバネ部材82Aに当接し、バネ部材82Aの支持凸部101が、流路73を閉塞しているサクションバルブ80Aに全周にわたって連続的に当接する。そして、下室29の圧力がリザーバ室12の圧力よりも下降して差圧が流路73を介してサクションバルブ80Aに加わると、サクションバルブ80Aおよびバネ部材82Aは、押さえバネ112の腕板部114を変形させながらバルブボディ21Aから離れるように軸方向に移動して流路73を開く。
このような第2実施形態によれば、サクションバルブ80Aおよびバネ部材82Aは、軸方向に移動可能であり、より剛性の低い押さえバネ112を変形させれば流路73を開くことができるため、流路73を開きやすく、リザーバ室12から下室29に一層即座に油液の補給を行うことができる。
なお、ピストン25にサクションバルブを設ける場合にも、このピストン25のピストン本体33をバルブボディとして第1,第2実施形態の構造を適用することが可能である。
以上に述べた実施形態は、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に設けられ、該シリンダ内を上室と下室とに区分けするピストンと、一端が前記シリンダの一端から突出し他端が前記ピストンに接続されるピストンロッドと、前記シリンダの他端に設けられ前記下室とリザーバ室とを区分けするとともに前記下室と前記リザーバ室とを連通可能な流路を有するバルブボディと、前記バルブボディの前記下室側に設けられて前記流路を開閉するディスク状のサクションバルブと、を有する流体圧緩衝器であって、前記サクションバルブの前記バルブボディとは反対側にバネ部材を配し、前記バネ部材の外周側には前記サクションバルブを全周にわたって支持する支持凸部が形成されていることを特徴とする。よって、サクションバルブの密閉性が下がることを抑制でき、減衰力のバラツキを抑制できる。したがって、安定した減衰力を発生させることが可能となる。また、前記バネ部材と前記サクションバルブとの間の隙間は、支持凸部から内周に向かうに従って小さくなる。
10 流体圧緩衝器
11 シリンダ
12 リザーバ室
20 ベース部材
21 バルブボディ
25 ピストン
28 上室
29 下室
31 ピストンロッド
73 流路
80 サクションバルブ
82 バネ部材
101 支持凸部

Claims (3)

  1. 作動流体が封入されるシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動可能に設けられ、該シリンダ内を上室と下室とに区分けするピストンと、
    一端が前記シリンダの一端から突出し他端が前記ピストンに接続されるピストンロッドと、
    前記シリンダの他端に設けられ前記下室とリザーバ室とを区分けするとともに前記下室と前記リザーバ室とを連通可能な流路を有するバルブボディと、
    前記バルブボディの前記下室側に設けられて前記流路を開閉するディスク状のサクションバルブと、
    を有する流体圧緩衝器であって、
    前記バルブボディの前記下室側には、前記流路を形成する円環状の流路形成溝が形成され、
    前記サクションバルブの前記バルブボディとは反対側にバネ部材を配し、
    前記バネ部材は、円環状の主板部と径方向外方に広がる円環状の外周板部とを有し、前記主板部と前記外周板部との間に前記主板部よりも前記バルブボディの軸方向の前記サクションバルブ側に突出し、前記サクションバルブを全周にわたって押圧する支持凸部が形成され
    前記支持凸部は前記バネ部材の径方向において該バネ部材の前記流路形成溝の範囲内に当接していることを特徴とする流体圧緩衝器。
  2. 前記バネ部材と前記サクションバルブとの間の隙間は、支持凸部から内周に向かうに従って小さくなることを特徴とする請求項1に記載の流体圧緩衝器。
  3. 前記バルブボディの径方向内方には、前記バルブボディの軸方向の前記下室側に向かって突出するボス部が形成され、
    前記サクションバルブと前記バネ部材とは、前記ボス部に案内されて挿通され、前記バルブボディの軸方向に移動可能に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の流体圧緩衝器。
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