JP6384731B2 - イソブチルアルデヒドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イソブチルアルデヒドの製造方法に関する。
従来のイソブチルアルデヒド製造法は、プロピレンをヒドロホルミル化反応させることによって製造されるブチルアルデヒドの副生成物として得られることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
イソブチルアルデヒドはイソブタノールの原料のみならず、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバルアルデヒド、スピログリコール、スピログリコールを用いたポリエステル樹脂等の原料に用いられ、近年はその需要価値が高まっている。ブチルアルデヒドの副生成物として得られるイソブチルアルデヒドは、その生産量がブチルアルデヒドの生産量に左右されてしまうことから、イソブチルアルデヒドを選択的に製造する方法の開発が望まれている。
一方、イソブチルアルデヒドの原料となるイソブタノールを、二種類のアルコールを原料として製造する方法も知られている。例えば、特許文献1において、ヒドロキシアパタイト(基本的な組成は、Ca10(PO46(OH)2)を触媒として使用する方法が提案されている。
特開2009−51760号公報
化学プロセス集成、東京化学同人、pp.655〜659、昭和45年3月3日
しかしながら、非特許文献1に記載の方法においては、イソブチルアルデヒドのみを任意の量で選択的に製造することはできず、当該方法に基づいてイソブチルアルデヒドを効率よく得ることはできない。特に、非特許文献1に記載のオキソ反応は高圧反応であり、プロセスも煩雑であるため、建設、運転、保安維持上、好ましくない。さらに、2−エチルヘキサノールの副生成物として得られるイソブチルアルデヒドは、その生産量が2−エチルヘキサノールの生産量に左右されてしまうことから、イソブチルアルデヒドを効率よく製造する方法として不十分である。
また、特許文献1に記載の方法においては、原料の転化率、及びイソブタノールの選択率が低いため、やはり当該方法に基づいてイソブチルアルデヒドを効率よく得ることはできない。特に、上記方法において得られる生成物は種々の有機化合物の混合物であり、イソブチルアルデヒドの原料となるイソブタノールを合成する方法としては満足いくものではない。さらに、上記文献においては、アルコール原料(メタノール等)の副反応を抑制しつつ高い選択率を得ることができていない。
本発明は、上記の従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、出発物質となるメタノールの分解を抑制しつつイソブチルアルデヒドを効率よく製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒドロキシアパタイトの存在下、所定の原料比で反応を進行させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]
ヒドロキシアパタイトの存在下、エタノール及びプロパノールからなる群より選択される少なくとも一種と、メタノールと、を反応させてイソブタノールを生成させる第一工程と、
前記第一工程のイソブタノールを脱水素反応に供する第二工程と、
を含み、
前記第一工程においては、(メタノールのモル数)/(エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種のモル数)で表される比率が、2.0〜15である、イソブチルアルデヒドの製造方法。
[2]
前記ヒドロキシアパタイトが、酸素含有雰囲気下、500℃〜800℃の温度範囲で焼成したものである、[1]に記載のイソブチルアルデヒドの製造方法。
[3]
前記ヒドロキシアパタイトが、組成式
Ca10-x(PO46(OH)2-2x
で示され、ただし、前記組成式中、xは−0.80以上0.40以下であり、
前記組成式中のCaとPのモル比(Ca/P)が、1.60〜1.80である、[1]又は[2]に記載のイソブチルアルデヒドの製造方法。
[4]
前記第一工程において、エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種の重量空間速度が、0.030〜1.0hr-1である、[1]〜[3]のいずれかに記載のイソブチルアルデヒドの製造方法。
[5]
前記第一工程において、反応温度が、350〜500℃である、[1]〜[4]のいずれかに記載のイソブチルアルデヒドの製造方法。
本発明によれば、アルコール原料の副反応を抑制しつつイソブチルアルデヒドを効率よく製造することができる。
実施例1〜3及び比較例3における、原料アルコールの比(メタノール/1−プロパノール比)とイソブチルアルデヒド通算選択率との相関、及び、原料アルコール比(メタノール/1−プロパノール比)とメタノール回収率との相関を示す図である。 実施例4,6〜8及び比較例5における、原料アルコールの比(メタノール/エタノール比)とイソブチルアルデヒド通算選択率との相関、及び、原料アルコール比(メタノール/エタノール比)とメタノール回収率との相関を示す図である。 実施例4,9〜12における、ヒドロキシアパタイトの焼成温度とイソブチルアルデヒド通算選択率との相関を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
[イソブチルアルデヒドの製造方法]
本実施形態に係るイソブチルアルデヒドの製造方法は、ヒドロキシアパタイトの存在下、エタノール及びプロパノールからなる群より選択される少なくとも一種と、メタノールと、を反応させてイソブタノールを生成させる第一工程と、前記第一工程のイソブタノールを脱水素反応に供する第二工程と、を含み、前記第一工程においては、(メタノールのモル数)/(エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種のモル数)で表される比率が、2.0〜15である。このように構成されているため、本実施形態に係るイソブチルアルデヒドの製造方法によれば、アルコール原料の副反応を抑制しつつイソブチルアルデヒドを効率よく製造することができる。また、本実施形態に係るイソブチルアルデヒドの製造方法によれば、イソブタノールも副生され、当該イソブタノールを効率よく製造する方法としても実施することができる。
(第一工程)
第一工程は、ヒドロキシアパタイトの存在下、エタノール及びプロパノールからなる群より選択される少なくとも一種と、メタノールと、を反応させてイソブタノールを生成させる反応工程である。
(ヒドロキシアパタイト)
ヒドロキシアパタイトとしては、特に限定されないが、以下の組成式で表されるヒドロキシアパタイトであることが好ましい。ヒドロキシアパタイトは、一般的には、化学式Ca10(PO46(OH)2で表され、当該化学式中のCaとPのモル比(Ca/P)が1.67のものである。ここで、上記Ca/Pモル比は、Caが欠損する等により変動しうるものである。本実施形態においては、上記Ca/Pモル比が1.60〜1.80のものが好ましく、より好ましくは1.65〜1.75のものである。Ca/Pモル比が上記範囲内である場合、原料アルコールの転化率及びイソブタノールの選択率がより向上し、反応成績の安定性がより向上する傾向にある。
組成式: Ca10-x(PO46(OH)2-2x
なお、式中、xは−0.80以上0.40以下である。
本実施形態におけるヒドロキシアパタイトとしては、市販品を用いることもでき、例えば、いずれも太平化学産業製である「第三リン酸カルシウム」、「ヒドロキシアパタイト」、「球形HAP」を挙げることができる。
上記のヒドロキシアパタイトはそのまま反応に使用してもよいし、酸素含有雰囲気下で焼成してから用いてもよい。反応前に酸素含有雰囲気下で焼成することにより、触媒活性や選択率をコントロールすることができる。
ヒドロキシアパタイトはそのまま反応に使用してもよいし、反応前に酸素含有雰囲気下で焼成することにより、触媒活性や選択率をコントロールすることができる。
ヒドロキシアパタイトの焼成温度は、好ましくは200℃以上であり、より好ましくは500〜1200℃であり、さらに好ましくは500〜800℃であり、よりさらに好ましくは600〜800℃である。焼成温度が上記範囲内であることにより、イソブタノールの選択率がより向上する傾向にあり、イソブチルアルデヒドの収率も向上する傾向にある。なお、焼成しない場合には200℃未満で乾燥するに留める。また、焼成時間および乾燥時間は適宜決められる。
ヒドロキシアパタイトを焼成する際において、酸素含有雰囲気に含まれる酸素濃度は、好ましくは15〜30体積%である。酸素濃度が上記範囲内である場合、イソブタノールの選択率がより向上する傾向にあり、イソブチルアルデヒドの収率も向上する傾向にある。
また、ヒドロキシアパタイトの成型法は、当業者に周知の方法にて行うことができ、例えば、押し出し成型法、圧縮成型法などを利用できる。成型時には、成型助剤を用いることもできるし、触媒成分を担体に担持させることもできる。
ヒドロキシアパタイトは、好ましくは3.5〜40メッシュを通過する大きさであり、より好ましくは5.0〜30メッシュを通過する大きさである。ヒドロキシアパタイトの大きさが上記範囲内である場合、原料アルコールの転化率及びイソブタノールの選択率がより向上し、反応成績の安定性がより向上する傾向にある。
(第一工程での原料アルコール)
第一工程においては、エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、メタノールとを用いる。これらを併せて第一工程での原料アルコールともいう。該原料アルコールの組合せとしては、エタノール及びメタノールの組合せ、プロパノール及びメタノールの組合せ、並びに、エタノール、プロパノール、及びメタノールの組合せが挙げられる。このなかでも、エタノール及びメタノールの組合せ、プロパノール及びメタノールの組合せが好ましく、プロパノール及びメタノールの組合せがより好ましい。なお、プロパノールとしては、1−プロパノール及び2−プロパノールが挙げられる。このなかでも、1−プロパノールが好ましい。アルコール原料は一般的に市販されている化学合成により合成されたものであってもよく、発酵製造により製造されたものであってもよい。
第一工程において、(メタノールのモル数)/(エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種のモル数)で表される比率は、2.0〜15であり、好ましくは3.0〜9.0であり、より好ましくは5.0〜8.0である。イソブチルアルデヒドもしくはイソブタノールを得るためのメタノールとプロパノールの化学量論比は1、メタノールとエタノールの化学量論比は2であるが、メタノールをエタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種に対して2モル倍以上用いることによりイソブチルアルデヒドとイソブタノールを合わせた選択率が大幅に向上することが可能となる。また、比率が15モル倍以下であることにより、メタノールを気化させるための熱エネルギーや、回収に要するエネルギーが増大することを抑制でき、反応効率がより向上する。
特に、該原料アルコールがエタノール及びメタノールの組合せである場合、(メタノールのモル数)/(エタノールのモル数)で表される比率は、好ましくは2.0〜15であり、より好ましくは4.0〜10であり、さらに好ましくは4.0〜8.0である。
特に、該原料アルコールがプロパノール及びメタノールの組合せである場合、(メタノールのモル数)/(プロパノールのモル数)で表される比率は、好ましくは2.0〜15であり、より好ましくは2.0〜10であり、さらに好ましくは2.0〜8.0である。
(反応形式)
第一工程において行う反応は、固定床反応器又は流動床反応器において、ヒドロキシアパタイトを固体触媒として用いる気相反応である。原料であるアルコールは、反応器に供給される前に気化されてもよいし、反応器内で気化されてもよい。また、それぞれのアルコールは、別々に反応器へ供給されてもよいし、混合してから反応器へ供給されてもよい。
反応雰囲気としては、特に限定されないが、不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。第一工程においては水素が発生しうるため、不活性ガス雰囲気とすることで、このような水素や原料の酸化を抑制でき、安全性がより向上する傾向にある。さらに、反応成績がより向上する傾向にある。不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。また、大気圧下においても加圧下においても実施することができる。
反応温度は、好ましくは300〜500℃であり、より好ましくは350〜500℃であり、さらに好ましくは350〜480℃であり、よりさらに好ましくは360〜480℃であり、特に好ましくは380〜460℃である。反応温度が300℃以上であることにより、反応がより効率的に進行し易くなる傾向にある。また、反応温度が500℃以下であることにより、原料の分解反応をより抑制できる傾向にある。
エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種の重量空間速度(WHSV)は、好ましくは0.010〜2.0hr-1であり、より好ましくは0.030〜1.0hr-1であり、さらに好ましくは0.040〜1.0hr-1であり、よりさらに好ましくは0.040〜0.60hr-1であり、一層好ましくは0.070〜0.40hr-1であり、より一層好ましくは0.070〜0.38hr-1である。重量空間速度(WHSV)が上記範囲内である場合、該原料アルコールの高転化率がより長時間継続する傾向にある。
反応温度と重量空間速度(WHSV)を調整することで、該原料アルコールの転化率を調整することができる。第一工程における原料アルコールの転化率は、好ましくは80〜99%であり、より好ましくは90〜98%の範囲である。転化率が上記範囲内である場合に目的物であるイソブタノールとイソブチルアルデヒド合計の選択率がより向上する傾向にある。
(前処理工程)
本実施形態の製造方法は、第一工程前に、不活性ガス雰囲気下、触媒を加熱する前処理工程を有していてもよい。第一工程においては水素が発生しうるため、このような工程を有することにより、安全性がより向上する傾向にある。また、不活性ガスを用いて前処理を行うことにより、第一工程における水素の酸化や原料の酸化を抑制でき、反応成績がより向上する傾向にある。
(精製工程)
第一工程において得られた生成物組成物からのイソブタノールとイソブチルアルデヒドの分離精製方法については特に限定されず、一般的な蒸留操作によって精製することができる。
(第二工程)
第二工程は、第一工程のイソブタノールを脱水素反応に供するものである。
(触媒)
第二工程に用いられる触媒は、脱水素活性を有する種々の触媒が使用できる。脱水素活性を有する触媒としては、以下に限定されないが、例えば、銅、ニッケル、コバルト、鉄、白金、パラジウム等の金属酸化物等が挙げられる。銅触媒はアルコールの脱水素に高い活性を示す。銅系触媒の中でも、銅・マグネシウム触媒やメタノール合成触媒である銅・亜鉛・アルミニウム系触媒が好ましい。また、銅担持触媒を用いることもでき、例えば、ジルコニア、チタニア、アルミナ、シリカ等の担体を用いることができる。触媒に含まれる全金属成分に対する銅の割合は、重量比で20〜100%、好ましくは40〜100%である。上述した触媒の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、日本化学会誌第64号5巻 p.696〜711や日本化学会誌第65号2巻 p.104〜107等に記載の方法により製造することができる。
(第二工程での原料アルコール)
第二工程で用いられる原料アルコールは、第一工程で得られたイソブタノールである。より詳細には、第一工程で得られる反応液(生成物組成物)から蒸留によってイソブタノールより沸点の低いイソブチルアルデヒド、メタノールおよび低沸点副生成物を除去したイソブタノールを用いることができる。イソブチルアルデヒド、メタノールおよび低沸点副生成物が微量混入しても第二工程の反応に大きな影響を与えることはないが、イソブチルアルデヒドはそのまま製品となり、回収されるメタノールは再び第一工程の原料とすることができることから、イソブタノールの純度が80%以上、好ましくは90%以上となるように低沸点化合物を除去することが好ましい。第一工程にて副生される高沸点化合物はわずかであるが、さらなる蒸留操作でイソブタノールを留出させ、高沸点化合物を除去してイソブタノールの純度を高くさせてもよい。
(反応形式)
第二工程において行う反応は、固定床反応器又は流動床反応器において上述した触媒を固体触媒として用いる気相反応である。原料であるイソブタノールは、反応器に供給される前に気化されてもよいし、反応器内で気化されてもよい。
第二工程における反応温度としては、250〜400℃が好ましく、より好ましくは300〜380℃である。上記反応温度が250℃以上である場合、反応がより進行しやすくなる傾向にあり、400℃以下である場合、原料の分解反応がより抑制されると共に触媒成分のシンタリングを防止でき、活性と選択率がより向上する傾向にある。
原料の供給速度は、高転化率を長時間継続させる観点から、イソブタノールの重量空間速度(WHSV)は、好ましくは0.10〜5.0hr-1であり、より好ましくは0.50〜2.0hr-1である。WHSVが上記範囲内であることにより、該原料アルコールであるイソブタノールの高転化率がより長時間継続する傾向にある。
反応雰囲気は、特に限定されないが、例えば、不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。第二工程においては水素が発生しうるため、不活性ガス雰囲気とすることで、このような水素や原料の酸化を抑制でき、安全性がより向上する傾向にある。さらに、反応成績がより向上する傾向にある。不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。なお、大気圧下においても加圧下においても実施することができる。
(精製工程)
第二工程により得られた生成物組成物からのイソブチルアルデヒドの分離精製方法についても特に限定されず、一般的な蒸留操作によって精製することができる。なお、第二工程により得られた生成物組成物にはイソブタノールも含まれうるが、上記分離精製の際にも前述した方法でイソブタノールを分離精製することで、副生イソブタノールを回収できる。
以下、実施例等により本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下ではメタノールを「MeOH」と、エタノールを「EtOH」と、プロパノールを「PrOH」と、イソブタノールを「isoBtOH」と、それぞれ表記する場合がある。
なお、各実施例及び比較例における反応成績(転化率、選択率、回収率及び通算選択率)は、以下の条件に従ったガスクロマトグラフィー分析によって求めた。
(ガスクロマトグラフィー分析条件)
装置 :6850A(アジレント・テクノロジー株式会社製)
使用カラム:DB−WAX(アジレント・テクノロジー株式会社製)
分析条件 :注入口温度200℃、検出器温度250℃
カラム温度:40℃で10分保持後、250℃まで15℃/分で昇温
検出器 :熱伝導度検出器(TCD)
[実施例1]
(第一工程)
(触媒調製)
太平化学産業製の「第三リン酸カルシウム」15gをイオン交換水35gに懸濁させ、エバポレーターを用いて50℃で水を除いた。これを150℃で3時間乾燥させた後、600℃で3時間焼成を行った。得られた焼成体を粉砕後、粉砕体を10〜20メッシュを通過する大きさに揃えてヒドロキシアパタイト触媒Aを得た。このヒドロキシアパタイト触媒AのCa/Pモル比を、ICP(発光分光分析)により測定したところ、1.67であった。
(前処理)
上記のように調製したヒドロキシアパタイト触媒A7gを、内径18mmφのSUS316製反応管に充填した。窒素を40cc/minで流しながら電気炉にて加温し、充填した触媒層を400℃で安定させた。
(反応)
窒素の供給を停止し、1−プロパノール22.4質量部と、メタノール77.6質量部とを混合した原料液(モル比:(メタノール)/(1−プロパノール)=6.5)を流速6.00g/hr(1−プロパノールのWHSV=0.19hr-1)で反応管に通した。
3時間経過し、定常状態(420℃)に達したところで、生成物を氷トラップにより採取し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、1−プロパノールの転化率は99%、イソブチルアルデヒドの選択率は9%、イソブタノールの選択率は78%であった。これらの転化率及び選択率を表1に示す。なお、メタノール回収率は以下のように算出した。
MeOH回収率= (回収されたMeOH量)/[(仕込みのMeOH量)−(イソブタノールもしくはイソブチルアルデヒドの生成に消費されたMeOH量)]
転化率を維持するように徐々に反応温度を上げていき反応開始から240時間後には反応温度が440℃に達した。この時点で分析したところ、1−プロパノールの転化率は96%、イソブチルアルデヒドの選択率は3%、イソブタノールの選択率は83%であった。
(第二工程)
(原料)
実施例1の第一工程の反応液を蒸留し、純度98%のイソブタノールを得た。
(触媒調製)
硝酸銅30gをイオン交換水270gに溶かし、そこへ酸化マグネシウム(和光純薬製)10gを加え、加熱還流を1時間行った。その後、10wt%水酸化ナトリウム水溶液300mLを加え、室温まで冷却した後、沈殿物を濾別した。濾液がpH7.5になるまで沈殿物をイオン交換水で洗浄し、120℃にて20時間乾燥後、粉砕して10〜20メッシュを通過する大きさに揃えて銅マグネシア触媒を得た。
(前処理)
上記のように調製した銅マグネシア触媒7gを、内径18mmφのSUS316製反応管に充填した。窒素を80cc/minで流しながら電気炉にて加温し、充填した触媒層を150℃で安定させた。急激な発熱を避けるため水素ガスを徐々に加えて水素濃度を15vol%とし、その後240℃まで昇温した。そのまま3時間保持することにより触媒を還元した後、窒素ガスでパージした。
(反応)
触媒層が370℃となるまで昇温し、窒素の供給を停止し、蒸留生成したイソブタノール原料液(純度98%)を流速5.6g/hr(イソブタノールのWHSV=0.72hr-1)で反応管に通した。3時間経過し、定常状態に達したところで、生成物を氷トラップにより採取し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、イソブタノール転化率は87%、イソブチルアルデヒドの選択率は84%であった。第一工程、第二工程を通してのイソブチルアルデヒド選択率(通算選択率)は75%であった。なお、イソブチルアルデヒドの通算選択率は下記式に基づいて算出した。
通算選択率=「第一工程のイソブタノール選択率×第二工程のイソブチルアルデヒド選択率+第一工程のイソブチルアルデヒド選択率」
[実施例2〜3]
(第一工程)
原料アルコールのモル比及び反応温度を表1に示したモル比及び反応温度に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表1に示す。
(第二工程)
実施例2〜3の第一工程の反応液を各々蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表1に示す。
[比較例1]
(第一工程)
(触媒調製)
シュウ酸二水和物2.43gをイオン交換水40gに溶かし、そこにメタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)1.50gを加えて50℃にて撹拌して均一溶液とした。そこへ二酸化チタン(富士チタン工業製TA−300)40gを加えて50℃で30分間撹拌を行った後、エバポレーターを用いて水を除き、150℃で3時間乾燥した。その後、乾燥体を空気雰囲気下500℃で3時間焼成した。得られた焼成体を粉砕後、10〜20メッシュを通過する大きさに揃えてV25−TiO2触媒を得た。
(前処理及び反応)
ヒドロキシアパタイト触媒Aに代えて、上記のように調製したV25−TiO2触媒を用いて反応温度を350℃とした以外は、実施例1と同様に前処理及び反応を行った。反応成績を表1に示す。
(第二工程)
比較例1の第一工程の反応液を蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表1に示す。
[比較例2]
(第一工程)
(触媒調製)
酢酸銅一水和物((CH3COO)2Cu・H2O)1.28gをイオン交換水20gに溶かし、そこへ二酸化チタン(富士チタン工業製TA−300)20gを加えて50℃で30分間撹拌を行った。エバポレーターを用いて水を除き、150℃で3時間乾燥した。その後、乾燥体を空気雰囲気下500℃で3時間焼成した。得られた焼成体を粉砕後、粉砕体を10〜20メッシュを通過する大きさに揃えてCu−TiO2触媒を得た。
(前処理)
上記のように調製したCu−TiO2触媒7gを、内径18mmφのSUS316製反応管に充填した。窒素を80cc/minで流しながら電気炉にて加温し、充填した触媒層が150℃になるように安定させた。急激な発熱を避けるため水素ガスを徐々に加えて水素濃度を15vol%とし、その後240℃まで昇温した。そのまま3時間保持することにより触媒を還元した後、窒素ガスでパージした。
(反応)
ヒドロキシアパタイト触媒Aに代えて、上記のように調製したCu−TiO2触媒を用い、反応温度を380℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。反応成績を表1に示す。
(第二工程)
比較例2の第一工程の反応液を蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表1に示す。
[比較例3]
(第一工程)
(前処理及び反応)
実施例1にて調製したヒドロキシアパタイト触媒Aを用い、原料アルコールとしてプロパノール38.5質量部、メタノール61.5質量部の割合(モル比:メタノール/(1−プロパノール)=1)で混合した原料液を流速3.45g/hr(プロパノールのWHSV=0.19hr-1)とした以外は、実施例1と同様に前処理及び反応を行った。反応成績を表1に示す。
(第二工程)
比較例3の第一工程の反応液を蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表1に示す。
なお、転化率と選択率の間には相関関係があるため、以上の実施例1〜3及び比較例1〜3の第一工程では、メタノール転化率が同程度となるよう反応温度を調整し、同程度の転化率としたときの選択率を評価するものとしている。
実施例1〜3と比較例3について、原料アルコールの比(メタノール/1−プロパノール比)とイソブチルアルデヒドの通算選択率との相関、及び、原料アルコールの比(メタノール/1−プロパノール比)とMeOH回収率との相関を図1に示す。比較例3に対して、用いるメタノール量を2倍にした実施例3、4倍にした実施例2、6.5倍にした実施例1では、イソブチルアルデヒドの通算選択率が概ね2倍以上となっており、モル比(メタノール/(1−プロパタノール))が2以上で急激にイソブチルアルデヒドの通算選択率が向上することがわかる。
さらに、図1から、ヒドロキシアパタイトを用いた反応において、メタノールを過剰に用いることにより、メタノール回収率が高くなることから、原料の分解反応や重合反応などの副反応が抑制されていることがわかる。
以上のとおり、実施例1〜3に係る製造方法によれば、メタノール回収率89%以上かつイソブチルアルデヒド通算選択率70%以上を達成でき、比較例1〜3に対してメタノール回収率とイソブチルアルデヒドの通算選択率の双方において優れた結果が得られることがわかる。すなわち、実施例1〜3に係る製造方法によれば、アルコール原料の副反応を抑制しつつイソブチルアルデヒドを効率よく製造することができ、工業的に有利であることがわかる。
[実施例4]
(第一工程)
原料アルコールとしてメタノールとエタノールを用い、モル比をメタノール/エタノール=7.5とし、エタノールのWHSVを0.14h-1とした以外は実施例1と同様に前処理及び反応を行った。
3時間経過し、定常状態(411℃)に達したところで、生成物を氷トラップにより採取し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エタノールの転化率は92%、イソブチルアルデヒドの選択率は3%、イソブタノールの選択率は62%であった。反応成績を表2に示す。
(第二工程)
実施例4の第一工程の反応液を蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応を行った。反応成績を表2に示す。
[実施例5]
(第一工程)
(触媒調製)
硝酸カルシウム4水和物(Ca(NO32・4H2O)40.3gをイオン交換水160gに溶かし、そこへ25質量%アンモニア水溶液140gを加えてpH12以上の溶液Aを得た。別途、リン酸水素2アンモニウム((NH42HPO4)13gをイオン交換水315gに溶かし、そこへ25質量%アンモニア水溶液85gを加えてpH10〜11の溶液Bを得た。常温で溶液Aを撹拌しながら、50分間かけて溶液Bを滴下し、その後80℃へ昇温して30分間撹拌した。この際、溶液中に白色沈殿が生じた。この白色沈殿を濾別し、150℃で3時間乾燥した後、空気雰囲気下600℃で3時間焼成した。得られた焼成体を粉砕後、粉砕体を10〜20メッシュを通過する大きさに揃えてヒドロキシアパタイト触媒Bを得た。この触媒のCa/Pモル比をICP(発光分光分析)により測定したところ、1.73であった。
(前処理及び反応)
ヒドロキシアパタイト触媒Aに代えて、上記のように調製したヒドロキシアパタイト触媒Bを用いた以外は、実施例4と同様に前処理及び反応を行った。反応成績を表2に示す。
(第二工程)
実施例5の第一工程の反応液を蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表2に示す。
[実施例6〜8]
(第一工程)
原料アルコールのモル比及び反応温度を表2に示したモル比及び温度に変更したこと以外は実施例4と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表2に示す。
(第二工程)
実施例6〜8の第一工程の反応液を蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表2に示す。
[実施例9〜11]
(第一工程)
実施例1の第一工程にて調製したヒドロキシアパタイト触媒Aの焼成温度を表2に示した焼成温度に変更したこと以外は実施例4と同様の条件で触媒調製、前処理及び反応まで行った。反応成績を表2に示す。
(第二工程)
実施例9〜11の第一工程の反応液を蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表2に示す。
[実施例12]
(第一工程)
(前処理及び反応)
実施例1にて調製したヒドロキシアパタイト触媒を、温度150℃で3時間乾燥した以外は、原料をエタノール32.4質量部、メタノール67.6質量部の割合(モル比:メタノール/エタノール=1)で混合した原料液を流速3.02g/hr(エタノールのWHSV=0.14hr-1)とした以外は、実施例4と同様に前処理及び反応を行った。反応成績を表2に示す。
(第二工程)
実施例12の第一工程の反応液を蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表2に示す。
[実施例13]
(第二工程)
(原料)
実施例1の反応液を蒸留し、純度98%のイソブタノールを得た。
(触媒調製および前処理)
実施例1の第二工程に記載の触媒を用い、前処理も同様に行った。
(反応)
反応温度を320℃とした以外は、実施例1の第二工程と同様に反応を行った。イソブタノール転化率は72%であり、イソブチルアルデヒドの選択率は59%であり、イソブチルアルデヒドの通算選択率は40%であった。
[比較例4]
(第一工程)
(触媒調製)
硝酸銅1.25molをイオン交換水800gに溶解し、40℃に保ち、A液を得た。また、炭酸ソーダ1.63molをイオン交換水1000gに溶解し、40℃に保ち、B液を得た。さらに、酸化亜鉛0.629molをイオン交換水300gに分散し、40℃に保ち、C液を得た。また、日産化学工業株式会社製アルミナゾル200(アルミナ含有量10%)を用い、アルミナとして0.078mol含有する量をイオン交換水160gに分散し、60℃に保ち、D液を得た。撹拌下、B液へA液を添加した後、C液を添加し、更に炭酸ガスを6L/hrの速度で吹き込み80℃まで昇温し、30分間保持した。反応終了後60℃まで冷却した。このスラリーにD液を添加し、30分間撹拌した後、ろ過して、更にイオン交換水4000gにて洗浄し、水切り後、組成物ケーキを得た。これを80℃にて15時間乾燥した後、空気雰囲気下にて380℃で焼成した。得られた焼成体を粉砕後、10〜20メッシュを通過する大きさに揃えてCu−ZnO触媒を得た。
(前処理)
上記のように調製したCu−ZnO触媒7gを、内径18mmφのSUS316製反応管に充填した。窒素を80cc/minで流しながら電気炉にて加温し、充填した触媒層が150℃になるように安定させた。急激な発熱を避けるため水素ガスを徐々に加えて水素濃度を15vol%とし、その後240℃まで昇温した。そのまま3時間保持することにより触媒を還元した後、窒素ガスでパージした。
(反応)
ヒドロキシアパタイト触媒Aに代えて、上記のように調製したCu−ZnO触媒を用い、反応温度を300℃とし、エタノールメタノール比=6.5とし、原料液を流速17.4g/hr(エタノールのWHSV=0.40hr-1)とした以外は、実施例4と同様に反応を行った。反応成績を表2に示す。
(第二工程)
比較例4の第一工程の反応液を蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表2に示す。
[比較例5]
(第一工程)
(前処理及び反応)
原料をエタノール32.4質量部、メタノール67.6質量部の割合(モル比:メタノール/エタノール=1)で混合した原料液を流速3.02g/hr(エタノールのWHSV=0.14hr-1)とした以外は、実施例4と同様に前処理及び反応を行った。反応成績を表2に示す。
(第二工程)
比較例5の第一工程の反応液を蒸留し、実施例1の第二工程と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表2に示す。
なお、転化率と選択率の間には相関関係があるため、以上の実施例4〜13及び比較例4〜5の第一工程では、エタノールの転化率が同程度となるよう反応温度を調整し、同程度の転化率としたときの選択率を評価するものとしている。
実施例4,6〜8と比較例5について、原料アルコールの比(メタノール/エタノール比)とイソブチルアルデヒドの通算選択率との相関、及び、原料アルコールの比(メタノール/エタノール比)とMeOH回収率との相関を図2に示す。比較例5に対して、用いるメタノール量を2倍にした実施例8ではイソブチルアルデヒドの通算選択率が5.0倍となっており、用いるメタノール量を3倍にした実施例7ではイソブチルアルデヒドの通算選択率が6.0倍となっており、用いるメタノール量を4倍にした実施例6ではイソブチルアルデヒドの通算選択率が13倍となっており、用いるメタノール量を7.5倍にした実施例4ではイソブチルアルデヒドの通算選択率が13.8倍となっており、モル比(メタノール/エタノール比)が4以上では第一工程の選択率が急激に向上し、通算のイソブチルアルデヒド選択率も急激に増加することがわかる。
さらに、図2から、ヒドロキシアパタイトを用いた反応において、メタノールを過剰に用いることにより、メタノール回収率が高くなることから、原料の分解反応や重合反応などの副反応が抑制されていることがわかる。
また、実施例4,9〜12について、焼成温度とイソブチルアルデヒドの通算選択率との関係を図3に示す。焼成温度の上昇につれ、イソブチルアルデヒドの通算選択率が向上することがわかる。
以上のとおり、実施例4〜13に係る製造方法によれば、メタノール回収率57%以上かつイソブチルアルデヒド通算選択率20%以上を達成でき、比較例4〜5に対してメタノール回収率とイソブチルアルデヒドの通算選択率の双方において優れた結果が得られることがわかる。すなわち、実施例4〜13に係る製造方法によれば、アルコール原料の副反応を抑制しつつイソブチルアルデヒドを効率よく製造することができ、工業的に有利であることがわかる。
本発明の製造方法によれば、ブチルアルデヒドの副生成物として製造する方法と異なり、ブチルアルデヒドの製造量に左右されることなく、イソブチルアルデヒドを選択的に製造することが可能となる。イソブチルアルデヒドは、工業的に様々な用途に用いられる重要な化合物であり、例えばイソブチルアルデヒドから誘導されるスピログリコールを原料としたポリエステル樹脂に用いられる。

Claims (5)

  1. ヒドロキシアパタイトの存在下、エタノール及びプロパノールからなる群より選択される少なくとも一種と、メタノールと、を反応させてイソブタノールを生成させる第一工程と、
    前記第一工程のイソブタノールを脱水素反応に供する第二工程と、
    を含み、
    前記第一工程においては、(メタノールのモル数)/(エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種のモル数)で表される比率が、2.0〜15である、イソブチルアルデヒドの製造方法。
  2. 前記ヒドロキシアパタイトが、酸素含有雰囲気下、500℃〜800℃の温度範囲で焼成したものである、請求項1に記載のイソブチルアルデヒドの製造方法。
  3. 前記ヒドロキシアパタイトが、組成式
    Ca10-x(PO46(OH)2-2x
    で示され、ただし、前記組成式中、xは−0.80以上0.40以下であり、
    前記組成式中のCaとPのモル比(Ca/P)が、1.60〜1.80である、請求項1又は2に記載のイソブチルアルデヒドの製造方法。
  4. 前記第一工程において、エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種の重量空間速度が、0.030〜1.0hr-1である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のイソブチルアルデヒドの製造方法。
  5. 前記第一工程において、反応温度が、350〜500℃である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のイソブチルアルデヒドの製造方法。
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