JP6384023B2 - インプリントモールド及びインプリントモールドの製造方法 - Google Patents
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Description
インプリント法は、最終的に転写すべき凹凸パターンのネガポジ反転像に対応する凹凸パターンが形成されたインプリントモールドと呼ばれる原版を、転写材料に型押しし、その状態で転写材料を硬化させることで、凹凸パターンの転写を行うものである。繰り返し転写をすることで、容易に微細なパターンを形成することができる。
まず、図1(a)に示すように、転写基板111上に、転写材料112を積層し、インプリントモールド110を対向して配置する。
次に、図1(b)に示すように、転写材料112とインプリントモールド110を接触させ、UV光113にて転写材料112を硬化する。
次に、図1(c)に示すように、転写基板111からインプリントモールド110を剥離し遠ざけることで、転写パターン114を有するパターン成形体を得る。
また、図1(d)に示すように、転写基板111上には、インプリントモールド110の凸部に相当する部分が薄い樹脂膜として残るため、O2RIE法などにより、残膜を除去してもよい。
図3に示すようなパターン密度が一定の場合、凹凸パターン内部へ均一に充填され、残膜も均一に形成される。
しかしながら、図4に示すような凹凸パターン領域の端では疎密の偏りが生じ、疎領域と密領域で充填される転写材料122の量が異なるため、凹凸パターン領域の端に充填される材料が不足し、転写不良が発生する。転写不良が生じた場合、インプリントモールドへ転写材料が付着し、異物や欠陥の原因となり、品質管理の面も懸念される。
L1・H≦(L1+P/2+L2/2)・h……(1)
H>h……(2)
本発明の一実施の形態に係るインプリントモールド130は、図5に示すように、転写材料に凹凸からなるパターンを転写するためのもので、基板を有し、この基板の上面には、上記パターンを転写するための凹凸パターン131が形成されている。更に、凹凸パターン領域外に、凹凸パターン領域の端のパターンまで均一なパターン高さ及び残膜高さを形成することが出来る補助パターン132が設けられている。
また、基板としては、使用するインプリント法に適するように適宜選択することが出来る。例えば、石英ガラス、シリコンなどが挙げられる。
また、補助パターン132は、図5に示す箇所に限らず、インプリントモールド130と転写材料との接触する面内において、凹凸パターン131領域に支障を及ぼさない任意の位置に設けることが出来る。
凹凸パターン領域134には凹部および凸部の組み合わせからなる凹凸パターン131が形成されている。
インプリントモールド130は、凹凸パターン領域134を転写材料112に型押しすることで転写材料112に凹凸パターン131に対応する転写パターンを形成するものである。
流動抑制部135は、凹凸パターン領域134を転写材料112に型押ししたときに、転写材料112が凹凸パターン領域134の内側から凹凸パターン領域134の外側に流動することを抑制するものであり、凹凸パターン領域134の周囲に形成されている。
流動抑制部135は、凹凸パターン領域134の外周に沿って延在し転写材料112を収容する凹状部135Aと、凹状部135Aの外周に沿って延在し転写材料の凹状部135Aから離れる方向への流動を阻止する凸状部135Bとを備えている。
凹状部135Aは、転写材料112が凹凸パターン領域134の内側から凹凸パターン領域134の外側に流動することを抑制する幅と深さで形成されている。
凸状部135Bは、転写材料112が凹凸パターン領域134の内側から凹凸パターン領域134の外側に流動することを抑制する幅と高さで形成されている。
また、凹凸パターン131及び補助パターン132における凸部の深さが同じである場合、体積の変わりにパターン部の面積を用いて補助パターン132を決定してもよい。これにより、計量の難度を低くすることが出来る。
言い換えると、凹状部135Aの幅と深さ、および、凸状部135Bの幅と高さは、凹凸パターン131に収容される転写材料112の体積、あるいは、凹凸パターン131の面積に基づいて定められる。
言い換えると、凹凸パターン領域134は、該凹凸パターン領域134の最外周に沿って延在する外周凸部131Aを有している。
外周凸部131Aの幅をPとし、凹状部135Aの幅をL1とし、凹状部135Aの深さおよび凸状部135Bの高さをHとし、凸状部135Bの幅をL2とし、転写材料の厚さをhとする。
凹凸パターン131領域に充填される転写材料の量を均一化するためには、凹凸パターン131領域の端のパターンと補助パターン132との間の領域を転写材料にて満たす必要があり、下記に示すような式(1)にて表すことが可能である。
すなわち、流動抑制部135は、下記の式(1)を満足するように形成されている。
L1・H≦(L1+P/2+L2/2)・h……(1)
これにより、補助パターン凸部の高さ及び開口寸法を制御することで、凹凸パターン領域134に充填される転写材料の量を均一化することが出来る。
このため、インプリント法において、凹凸パターン領域134の端のパターンまで均一なパターン高さ及び残膜高さを形成することが可能となる。
まず、図7(a)に示すように、基板140の上面にハードマスク層141を形成する(第1の工程)。このハードマスク層141の形成方法としては、ハードマスク層141に選択した材料に応じて、適宜公知の薄膜形成法を用いて形成して良い。例えば、スパッタ法などを用いられる。
補助レジストパターン144が形成される領域は、インプリントモールドと転写材料の接触する面内において、任意の位置に設けることが出来る。また、補助レジストパターンの開口寸法は、凹凸パターン領域134における体積に応じて任意に設けることが出来る。
すなわち、第2の工程では、ハードマスク層の表面にレジストを塗布し電子線描画装置を用いてパターン照射、現像の処理を行って凹凸パターン領域134に対応する第1のレジストパターンと、流動抑制部135に対応する第2のレジストパターンとを形成する。
その後、ハードマスクパターン145を除去することにより、図7(f)に示すインプリントモールド146が作製される(第5の工程)。この場合のエッチングとしては、適宜公知のエッチング方法を用いてよく、例えば、ドライエッチング、ウェットエッチングなどを行っても良い。また、エッチングの条件は、用いたハードマスク層/基板に応じて、適宜調節して良い。
図8(b)に示すように、インプリントモールド146の上面にレジスト材料147を塗膜する(第6の工程)。すなわち、凹凸パターン領域134および流動抑制部135の全域にレジストを塗布する。
次に、図8(c)に示すように、補助パターン部が出現されるようレジストパターン148を形成する(第7の工程)。補助パターンの開口寸法に応じてアライメントを適宜行ってよい。すなわち、流動抑制部135のうち凸状部135Bのみが出現されるようにレジストに対してパターン露光、現像の処理を行なって凸状部135Bに対応する第3のレジストパターンを形成する。
次に、図8(d)に示すように、レジストパターン148をマスクとしてエッチングを行う(第8の工程)。このとき、エッチングの条件にて、凹凸パターン領域134における体積に応じた任意にパターン高さを設けることが出来る。すなわち、第3のレジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行ない凸状部135Bの高さを調整する。
その後、レジストパターン148を除去することにより、図8(e)に示すように、凹凸パターンに対して補助パターンの高さ変えたインプリントモールド149が作製される(第9の工程)。すなわち、第3のレジストパターンをウェットエッチングにより除去する。
まず、石英基板140上にクロム層141が10nm厚に形成された積層基板上にレジスト材料142を100nmの厚さにコートした(図7(a)、(b)参照)。
例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成発明として抽出され得る。
111…転写基板
112…転写材料
113…UV光
114…転写パターン
120…インプリントモールド
121…転写基板133
122…転写材料
123…転写材料の流れ
130…インプリントモールド
131…凹凸パターン
131A…外周凸部
132…補助パターン
133…基板
134…凹凸パターン領域
135…流動抑制部
135A…凸状部
135B…凹状部
140…石英基板
141…ハードマスク層
142…レジスト材料
143…凹凸用レジストパターン
144…補助レジストパターン
145…ハードマスクパターン
146…光インプリントモールド
147…レジスト材料
148…レジストパターン
149…光インプリントモールド
Claims (4)
- 基板と、前記基板の一方の面に形成された凹凸パターン領域とを備え、前記凹凸パターン領域には凹部および凸部の組み合わせからなる凹凸パターンが形成され、前記凹凸パターン領域を転写材料に型押しすることで前記転写材料に前記凹凸パターンに対応する転写パターンを形成するインプリントモールドであって、前記凹凸パターン領域を前記転写材料に型押ししたときに、前記転写材料が前記凹凸パターン領域の内側から前記凹凸パターン領域の外側に流動することを抑制する流動抑制部が前記凹凸パターン領域の周囲に形成され、前記流動抑制部は、前記凹凸パターン領域の外周に沿って延在し前記転写材料を収容する凹状部と、前記凹状部の外周に沿って延在し前記転写材料の前記凹状部から離れる方向への流動を阻止する凸状部とを備えたインプリントモールドの製造方法であって、
前記基板の一方の面にハードマスク層を形成する第1の工程と、
前記ハードマスク層の表面にレジストを塗布し電子線描画装置を用いてパターン照射、現像の処理を行って前記凹凸パターン領域に対応する第1のレジストパターンと、前記流動抑制部に対応する第2のレジストパターンとを形成する第2の工程と、
前記第1のレジストパターンおよび前記第2のレジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行ないハードマスクパターンを形成する第3の工程と、
前記ハードマスクパターンをマスクとしてドライエッチングを行ない前記凹凸パターン領域および前記流動抑制部を得る第4の工程と、
前記ハードマスクパターンをウェットエッチングにより除去する第5の工程と、
前記凹凸パターン領域および前記流動抑制部の全域にレジストを塗布する第6の工程と、
前記流動抑制部のうち前記凸状部のみが出現されるように前記レジストに対してパターン露光、現像の処理を行なって前記凸状部に対応する第3のレジストパターンを形成する第7の工程と、
前記第3のレジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行ない前記凸状部の高さを調整する第8の工程と、
前記第3のレジストパターンをウェットエッチングにより除去する第9の工程と、
を含むことを特徴とするインプリントモールドの製造方法。 - 基板と、前記基板の一方の面に形成された凹凸パターン領域とを備え、
前記凹凸パターン領域には凹部および凸部の組み合わせからなる凹凸パターンが形成され、
前記凹凸パターン領域を転写材料に型押しすることで前記転写材料に前記凹凸パターンに対応する転写パターンを形成するインプリントモールドを用いたインプリント法による3次元構造の製造方法であって、
前記凹凸パターン領域を前記転写材料に型押ししたときに、前記転写材料が前記凹凸パターン領域の内側から前記凹凸パターン領域の外側に流動することを抑制する流動抑制部が前記凹凸パターン領域の周囲に形成され、
前記流動抑制部は、前記凹凸パターン領域の外周に沿って延在し前記転写材料を収容する凹状部と、前記凹状部の外周に沿って延在し前記転写材料の前記凹状部から離れる方向への流動を阻止する凸状部とを備え、
前記凹凸パターン領域は、該凹凸パターン領域の最外周に沿って延在する外周凸部を有し、
前記外周凸部の幅をPとし、
前記凹状部の幅をL1とし、
前記凹状部の深さおよび前記凸状部の高さをHとし、
前記凸状部の幅をL2とし、
前記転写材料の厚さをhとしたとき、下記の式(1)、式(2)を満足する、
L1・H≦(L1+P/2+L2/2)・h……(1)
H>h……(2)
ことを特徴とするインプリント法による3次元構造の製造方法。 - 前記凹状部は、前記転写材料が前記凹凸パターン領域の内側から前記凹凸パターン領域の外側に流動することを抑制する幅と深さで形成され、
前記凸状部は、前記転写材料が前記凹凸パターン領域の内側から前記凹凸パターン領域の外側に流動することを抑制する幅と高さで形成されていることを特徴とする請求項2に記載のインプリント法による3次元構造の製造方法。 - 前記凹状部の幅と深さ、および、前記凸状部の幅と高さは、前記凹凸パターンに収容される前記転写材料の体積、あるいは、前記凹凸パターンの面積に基づいて定められることを特徴とする請求項2又は3に記載のインプリント法による3次元構造の製造方法。
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