JP6383491B2 - 薬剤送達装置のための熱ロック機構 - Google Patents

薬剤送達装置のための熱ロック機構 Download PDF

Info

Publication number
JP6383491B2
JP6383491B2 JP2017523471A JP2017523471A JP6383491B2 JP 6383491 B2 JP6383491 B2 JP 6383491B2 JP 2017523471 A JP2017523471 A JP 2017523471A JP 2017523471 A JP2017523471 A JP 2017523471A JP 6383491 B2 JP6383491 B2 JP 6383491B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
delivery device
drug
transition temperature
phase transition
lock mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017523471A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017533033A (ja
Inventor
エス. ブラウアー,ジェイコブ
エス. ブラウアー,ジェイコブ
デシャ ブレスリン,スチュアート
デシャ ブレスリン,スチュアート
フィールド サンプソン,クレイグ
フィールド サンプソン,クレイグ
Original Assignee
イーライ リリー アンド カンパニー
イーライ リリー アンド カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イーライ リリー アンド カンパニー, イーライ リリー アンド カンパニー filed Critical イーライ リリー アンド カンパニー
Publication of JP2017533033A publication Critical patent/JP2017533033A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6383491B2 publication Critical patent/JP6383491B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/24Ampoule syringes, i.e. syringes with needle for use in combination with replaceable ampoules or carpules, e.g. automatic
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/31Details
    • A61M5/315Pistons; Piston-rods; Guiding, blocking or restricting the movement of the rod or piston; Appliances on the rod for facilitating dosing ; Dosing mechanisms
    • A61M5/31565Administration mechanisms, i.e. constructional features, modes of administering a dose
    • A61M5/31566Means improving security or handling thereof
    • A61M5/31571Means preventing accidental administration
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/20Automatic syringes, e.g. with automatically actuated piston rod, with automatic needle injection, filling automatically
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/20Automatic syringes, e.g. with automatically actuated piston rod, with automatic needle injection, filling automatically
    • A61M2005/206With automatic needle insertion
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/20Automatic syringes, e.g. with automatically actuated piston rod, with automatic needle injection, filling automatically
    • A61M2005/2073Automatic syringes, e.g. with automatically actuated piston rod, with automatic needle injection, filling automatically preventing premature release, e.g. by making use of a safety lock
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M2205/00General characteristics of the apparatus
    • A61M2205/27General characteristics of the apparatus preventing use
    • A61M2205/276General characteristics of the apparatus preventing use preventing unwanted use
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M2205/00General characteristics of the apparatus
    • A61M2205/33Controlling, regulating or measuring
    • A61M2205/3368Temperature

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Description

本開示は概して、薬剤送達装置のためのロック機構に関し、より詳細には薬剤注射装置のための熱ロック機構に関する。
様々な疾患を持つ患者は、自ら薬剤またはその他薬物を頻繁に注射する必要がある。これらの注射を容易にするために、様々な装置が提案されている。装置の一種が注射装置であるが、これは、手動もしくは非自動のいずれかの注射装置または自動注射装置であってよい。
いくつかの注射装置および薬剤は、低温で(例えば、冷蔵庫内)保管される。このような温度では、薬剤は室温よりも粘度が高くなり得る。したがって、この冷蔵された状態で使用される場合、針を通り患者に入る薬剤の流れが影響を受け得る。例えば、薬剤の粘度の増大により、使用者には、薬剤を完全に投与するために注射装置により多くの力を加えることが必要とされ得る。さらに、薬剤の粘度の増大により、不完全な注射がもたらされる場合があるが、これは薬剤の一部が所与の時間内に注射装置から分配されなかったためである。加えて、薬剤の温度が上昇したときよりも薬剤が低温である場合、薬剤の注射は、注射を受ける者にとって快適さが低下し得る。したがって、装置および薬剤は使用するときに室温に近いことが好ましい。例えば、いくつかの注射装置は、使用者が注射装置および薬剤を冷蔵庫から取り出し、薬剤の温度を上げ、薬剤の粘度を下げるために注射装置から薬剤を投与する前に15〜30分間待つべきであると指定している場合がある。しかし、注射装置は、使用者が待ちたくない場合、または待機指示に気付いてない場合、依然として下がった温度で使用される場合がある。
いくつかの注射装置は、装置および/または薬剤の温度が所定温度未満である場合は、使用者が注射装置から薬剤を投与することを防止できる。
注射装置および薬剤を冷蔵庫から取り出し、薬剤の投与を遅らせることにより、薬剤の温度は上がり、粘度は減少し、これにより注射装置の使用をより速く、患者にとってより快適で、かつ/または正確もしくは効率的にできる。
本開示の例示的実施形態は、ハウジングと、ハウジングにより支持される針付きシリンジとを有する薬剤送達装置を備える。針付きシリンジは、プランジャと、薬剤を含むように構成された体積とを備える。薬剤送達装置は、プランジャに動作可能に連結された排出機構をさらに備える。薬剤送達装置は、排出機構に動作可能に連結された熱ロック部材をさらに備える。熱ロック機構は、相転移温度を有し、熱ロック部材は、薬剤の送達を阻害する無効状態と、薬剤の送達を可能にする有効状態とを有する。ロック部材は、相転移温度において無効状態と有効状態との間で遷移する。
本開示の別の例示的実施形態は、ハウジングと、ハウジングにより支持される針付きシリンジとを有する薬剤送達装置を備える。針付きシリンジは、プランジャと、薬剤を含むように構成された体積とを備える。薬剤送達装置は、プランジャに動作可能に連結された排出機構と、ハウジングによって支持される熱ロック部材とをさらに備える。熱ロック部材は、薬剤の送達を阻害する無効状態と、薬剤の送達を可能にする有効状態とを有する。加えて、ロック部材は、無効状態にあるときの固相と、有効状態にあるときの液相とを有する。
本開示のさらなる例示的実施形態は、薬剤を収容する手段、薬剤を送達する手段、および送達する手段の作動をトリガーする手段を有する薬剤送達装置を備える。加えて、薬剤送達装置は、収容する手段によって支持され、送達する手段およびトリガーする手段の少なくとも1つに動作可能に連結された熱ロック部材をさらに備える。熱ロック部材は、相転移温度を有し、相転移温度において物理相が変化するように構成されている。
本発明のさらなる特徴および利点は、現在認められる本開示を実施する最良の形態を例示した例示的実施形態の以下の詳細な記述を考察することによって、当業者に明らかになるであろう。
本開示の前述の態様および意図される利点の多くは、これが添付図面と併せて以下の詳細な記述を参照することによってより良く理解されるため、より容易に理解されるであろう。
図1は、本開示の薬剤送達装置の概略図である。 図2は、薬剤送達装置の好ましい実施形態の正面斜視図であり、薬剤の送達を制御する熱ロック機構の円形注射ポートを示す。 図3は、図2の薬剤送達装置の好ましい内側動作部の断面図である。 図4は、注射ポートを示す図2の薬剤送達装置の上端部の正面斜視図である。 図5は、熱ロック機構を受容する内部凹みを示す図2の薬剤送達装置のハウジングの上面斜視図である。 図6は、熱ロック機構を受容する外部凹みを示す図2の薬剤送達装置の排出機構の一部の斜視図である。 図7は、明瞭さのため他の部分が省略された図2の薬剤送達装置の上端部の一部の概略断面図である。 図8は、ロック機構を受容する代替的凹みを示す、代替的実施形態のハウジングおよび薬剤送達装置の排出機構の代替的実施形態の部分の分解図である。 図9は、代替的実施形態である薬剤送達装置の概略図である。 図10は、さらなる代替的実施形態である薬剤送達装置の概略図である。 図11は、別の代替的実施形態である薬剤送達装置の概略図である。 図12は、図2の薬剤送達装置の熱ロック機構の動作のグラフ表示である。 図13は、図10および図11の代替的実施形態である薬剤送達装置の熱ロック機構の動作のグラフ表示である。
対応する参照文字は、複数の図面を通して対応する部品を示す。図面は本開示による種々の特徴および構成要素の実施形態を表すが、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、特定の特徴は、本開示をより良く例示し説明するために誇張される場合がある。本明細書で述べられる例示により、本発明の実施形態を示し、このような例示は決して本発明の範囲を限定するものとして解釈されてはならない。
本開示の原理の理解を促す目的で、ここで図面に示す実施形態を参照し、これは以下に記述される。下に開示される実施形態は、包括的であることも、または以下の詳細な記述に開示される正確な形態に限定されることも意図するものではない。むしろ、実施形態は、他の当業者がこれらの教示を利用できるように選択され、記述される。それにより、本発明の範囲のいかなる限定も意図されないと理解されるであろう。本発明は、本発明が関する分野の当業者が通常想到するであろう、例示的な装置および記述される方法、ならびに本発明の原理のさらなる応用に対するあらゆる変更およびさらなる変形を包含する。
図1を参照すると、本開示の薬剤送達装置2は例示的に自動注射装置として示される。しかしながら、薬剤送達装置2はさらに、自己もしくは非自動注射装置、または患者に薬剤を投与するように構成されたその他の装置であってもよい。薬剤送達装置2は、ハウジング4、排出機構6、およびシリンジ8を備える。ハウジング4はシリンジ8を支持する。シリンジ8は、ピストン10、針12、および薬剤14を含む体積を備える。薬剤14の用量を患者に注射する間、ピストン10は、針12の方へと移動し、薬剤14の投与量が針12を通って流れる。
ハウジング4は排出機構6に動作可能に連結され、排出機構6はトリガー機構16および送達機構18を備える。点線150で図示されるように、トリガー機構16は、送達機構18に動作可能に連結され、薬剤14の投与量を患者に投与し始める。さらに詳細には、使用者は、トリガー機構16を作動でき、トリガー機構16は送達機構18を作動させて、ピストン10に作用し、針12を通して薬剤14の投与量を患者に投与する。
薬剤送達装置2は、トリガー機構16およびハウジング4に動作可能に連結された熱により活動するロック機構20をさらに備える。ロック機構20は、トリガー機構16とハウジング4の中間に配置される。ロック機構20は、所定の温度にて、薬剤送達装置2の使用を可能にでき、または薬剤送達装置2の使用を無効にできる。例えば、ロック機構20は、ロック機構20が相間または状態間を変化または遷移する相転移温度を有する相転移材料であってよい。より詳細には、相転移温度では、ロック機構20は、排出機構6の動作を無効にする第1の(固)相と排出機構6の動作を有効にする第2の(液)相との間で変化するように構成されている。
ロック機構20の例示的実施形態は、相転移温度において固相から液相に変化するように構成されている。ロック機構20が固相にある場合、ロック機構20は無効状態にあるため、ロック機構20は、薬剤送達装置2の動作を阻害、ブロック、または別の方法で防止し、薬剤14を患者に投与することができない。より詳細には、ロック機構20が固相にある場合、ロック機構20はトリガー機構16の動作を阻害し、これにより送達機構18の動作を阻害する。しかし、ロック機構20が液相にある場合、ロック機構20は有効状態にあるため、ロック機構20は、薬剤送達装置2の動作を許可または可能にし、薬剤14を針12を通して患者に投与することができる。より詳細には、ロック機構20が液相にある場合、ロック機構はトリガー機構16の動作を可能にし、これにより送達機構18の動作を可能にし、薬剤14を針12を通して流すことができる。
図2を参照すると、好ましい薬剤送達装置102は自動注射装置として示される。しかしながら、薬剤送達装置102は、自己または非自動注射装置として構成されてもよい。薬剤送達装置102は、ハウジング104、排出機構106、およびシリンジ108を備える(図3参照)。加えて、薬剤送達装置102は好ましい実施形態である熱ロック機構120(図7参照)を備える。ハウジング104はポリマー材料、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)または薬剤送達装置に好適な任意の他の材料から構成されてよい。例示として、ハウジング104は略円筒形状であり、長手方向に延びるが、ハウジング104はその他の構成で提供されてもよい。加えて、一実施形態では、ハウジング104は、長手方向に延びる単一のハウジング部材から構成される。あるいは、ハウジング104は、一緒に連結された複数のハウジング部材から構成されたハウジングアセンブリであってもよい。
ハウジング104は、図5に示すように、少なくとも1つの凹み124を備える。加えて、図2、図4、および図5に示すように、ハウジング104は、少なくとも1つのポートまたは開口部126を備えてもよい。図5を参照すると、少なくともポート126が各凹み124内に延びる。このようにして、またさらに本明細書に詳述されるように、ロック機構120が液状である場合、これは注射製造プロセスの間、ポート126を通じて凹み124内へと注入され、その後、液体がポート126から流出するのを防ぐために被覆される。
ハウジング104は、その下端部でシリンジ108を支持する。シリンジ108の好ましい内側作動部が図3に示される。シリンジ108は、ピストン110、針112、および薬剤114を含む体積を備える。針112は薬剤と流体連通する。送達機構116のプランジャ111の移動によるピストン110の前進により、薬剤114が注射中に針112を通って流れる。より詳細には、薬剤114の投与量を患者に注射する間、ピストン110は、針12の方へと移動し、薬剤114の投与量が針112を通って流れる。図示されていないかまたは本明細書で記載されていない薬剤送達装置102の構成要素のさらなる詳細は、2011年2月24日出願の国際出願公開PCT/US2011/025988に提供され、その開示全体が参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる2011年9月9日の国際公開第2011/109205号として公開されている。
ハウジング104は排出機構106に動作可能に連結されている。図2、図4、図6、および図8に示すように、例示的薬剤送達装置102の排出機構106はハウジング104の上端部に動作可能に連結されている。排出機構106の構成要素は、ポリマー材料、例えば、ABSから構成されてよく、また円筒として全体的に成形されてよい。より詳細には、図7に示すように、排出機構106の構成要素は、ハウジング4の形状に相補的な形状を有してよく、例示的に、ハウジング104の上端部内に受容されるように構成される。
例示的な排出機構106はトリガー機構116および送達機構118を備える。トリガー機構116は、送達機構118に動作可能に連結され、薬剤114の投与量を患者に投与し始める。さらに詳細には、使用者は、トリガー機構116を作動でき、トリガー機構116は送達機構118を作動させて、ピストン110に作用し、針112を通して薬剤114の投与量を患者に投与する。
例示的トリガー機構116は送達機構118に動作可能に連結され、使用者により作動されて注射を開始するように構成された任意の機構であってよい。例えば、トリガー機構16は、本明細書でさらに詳述されるように、使用者により作動されて針112を通る患者への薬剤14の流れを開始するように構成された第1の構成要素、例えば、トリガー部材またはボタン128を備えてよい。以下にてさらに詳細に記載するように、熱ロック機構120は、トリガー機構116の動作をブロックし、注射の開始を防止する。
薬剤送達装置102は自動注射装置であるため、トリガー機構116がこれに含まれる。しかし、薬剤送達装置102の自己または非自動の実施形態については、トリガー機構116は変更または省略されてもよい。加えて、自己または非自動薬剤送達装置については、トリガー機構をブロックするよりも、熱ロック機構が送達機構の他の動作をブロックできる。例えば、熱ロック機構は、熱ロック機構の温度に応じて、プランジャに干渉できる。薬剤送達装置102の自己または非自動実施形態に関連するさらなる詳細は、その開示全体が参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる2002年9月24日に発行された米国特許第6,454,746号にさらに示され、記載され得る。
トリガー機構116はさらに、ボタン128を全体的に取り囲むロック130を備えてもよい。ロック130は、ボタン128を用いて注射を開始する前に、ハウジング104に対して手で回転可能であるように構成されている。ロック130は、薬剤送達装置102用の機械的ロックとして機能するが、これはボタン128を第1の回転ロック130なしには押し下げることができないからである。そのため、ロック130を回転しないことは、ボタン128が不意に押されても使用者が過失により薬剤送達装置102から薬剤114を分配することを防ぐ。
トリガー機構116のロック130は、図6に示すように、少なくとも1つの凹み134をさらに備えてよく、凹み134は、ロック130の外側表面115の下部に沿って画定され得る。凹み134はハウジング104の凹み124と位置合わせされ、トリガー機構116のロック130の外側表面115とハウジング104の内側表面117との間の体積または隙間を画定する。本明細書でさらに詳述されるように、ロック機構120は、ロック機構120が液相であるときに、ハウジング104とトリガー機構116との間に画定されるこの体積内に受容される。
図7を参照すると、ロック機構120はトリガー機構116のロック130およびハウジング104に動作可能に連結される。ロック機構120はトリガー機構116のロック130の下端部とハウジング104の上端部の中間に配置される。ロック機構120は熱により活動する機構である。より詳細には、ロック機構120は所定の温度で薬剤送達装置102を有効または無効にできる。例えば、ロック機構120は、ロック機構120が相間または状態間を変化または遷移する相転移温度を有する相転移材料であってよい。より詳細には、相転移温度では、ロック機構120は、ロック機構120周りの領域または空間がロック機構120の相転移温度よりも暖かい場合、第1の(固)相と第2の(液)相との間で変化するように構成されている。
ロック機構120の例示的実施形態は、相転移温度において固相から液相に変化するように構成されている。ロック機構120が固相にある場合、ロック機構120は無効状態にあるため、ロック機構120は、薬剤送達装置102の動作を阻害、ブロック、または別の方法で防止し、薬剤114を患者に投与することができない。より詳細には、ロック機構120が固相にある場合、ロック機構120はトリガー機構116のロック130の回転を阻害し、これによりボタン128の押下および送達機構118の動作を阻害する。しかし、ロック機構120が液相にある場合、ロック機構120は有効状態にあるため、ロック機構120は、ロック130の回転および薬剤送達装置102の動作を許可または可能にし、薬剤114を針112を通して患者に投与することができる。より詳細には、ロック機構120が液相にある場合、ロック機構120は、ロック130をロック解除位置まで回転させることによってトリガー機構116の動作を可能にし、これにより送達機構118の動作を可能にし、薬剤114を針112を通して流すことができる。
図7に示すように、ロック機構120はトリガー機構116のロック130とハウジング104の中間に配置される。より詳細には、ロック機構120は、ハウジング104の内側表面117およびトリガー機構116のロック130の下部外側表面115に沿って配置される。例示的には、図5に示すように、ロック機構120は、ハウジング104とトリガー機構116のロック130の間の体積内に受容される。一実施形態において、ロック機構120は、凹み124、134により画定された体積の形状と実質的に同じ形状を有する。
図12を参照すると、薬剤送達装置102のロック機構120の温度がAとして図示される相転移温度未満である場合、ロック機構120は固相に留まる。しかしながら、ロック機構120の温度が相転移温度Aである場合、例えば、B時点において、ロック機構120は暖かい環境から熱エネルギーを吸収して相を転移させ、十分な熱エネルギーが吸収された時点で液相に遷移する。固相と液相との遷移の間、ロック機構120が相転移を行うために熱エネルギーを吸収するため、ロック機構120の温度は上がらない。そのため、B時点後において、ロック機構120の温度は相転移温度A未満であり、ロック機構120は、第1のまたは固相に留まり、ロック130の回転をブロックする。しかしながら、B時点後において、ロック機構120の温度は相転移温度Aであり、ロック機構120は、熱エネルギーを吸収するため第2のまたは液相に遷移し、ロック130の回転を可能にする。ロック機構120が完全に相転移するのに十分な熱エネルギーを吸収した後、その温度は図12に示す室温まで上昇し続ける。
本明細書でさらに詳述されるように、ロック機構120が相転移温度A以上であれば、ロック機構120は液相にあり、排出機構106のトリガー機構116のロック130は、ハウジング104に対して回転可能であるように構成され、これにより使用者は薬剤114の注射を開始できる。代替的実施形態によると、ロック機構120が相転移温度A以上であり、液相であれば、ロック130は、ハウジング104に対して旋回、摺動、または別の方法で移動するように構成され、これにより使用者は薬剤114の注射を開始できる。
ロック機構120の温度が相転移温度Aを超える場合、ロック機構120は液相に留まる。しかし、ロック機構120の温度が相転移温度Aまで低下した場合、ロック機構120は、より冷たい環境に熱エネルギーを奪われるため、遷移して固相に戻る。より詳細には、ロック機構120の温度が相転移温度Aまで低下した場合、ロック機構120は、液相から固相への変化を行うために熱エネルギーを失う。液相から固相への遷移の間、ロック機構120の温度は低下しないが、ロック機構120が、熱エネルギーを失い、完全に遷移して固相に戻る間、相転移温度Aにおいて一定で留まる。ロック機構120の固相への転移が完了した後、ロック機構120の温度は相転移温度A未満に低下し得る。本明細書でさらに詳述されるように、ロック機構120が液相から固相へ遷移する場合、排出機構106のロック130は回転できないため、使用者が薬剤14を投与することを防止する。
ロック機構120は1つの相転移温度Aを有するため、ロック機構120は、相転移温度Aにおいてのみ固相と液相との間を変化するように構成される。より詳細には、ロック機構120の温度がおよそ相転移温度Aまで上昇し、ロック機構120が暖かい環境から熱エネルギーを吸収する場合、ロック機構120は、固相から液相へと変化または遷移する。加えて、ロック機構120の温度がおよそ相転移温度Aまで低下した場合、ロック機構120は、液相から固相へと変化または遷移する。そのため、ロック機構120の相間の遷移は一方向性ではなく、双方向性であるため、ロック機構120は、ロック機構120の温度が相転移温度Aまで上昇または低下し、ロック機構が十分な熱エネルギーを得るかまたは失った場合はいつでも固相と液相間を行き来して変化できる。このようにして、ロック機構120の相転移は可逆的である。
さらに、ロック機構120が1つのみの相転移温度Aを有するため、ロック機構120のヒステリシスは極小さいかまたはまったくないため、ロック機構120が固相から液相へと遷移する温度は、ロック機構120が液相から固相へと遷移する温度とおよそ同じである。例えば、ロック機構120のヒステリシスは、約0.5℃未満であってよい。ヒステリシスがないため、ロック機構120は複数回使用して薬剤送達装置102を有効または無効にできる。そのため、ロック機構120は本明細書でさらに詳述されるように、複数回分の投与量の薬剤および複数回の使用のための薬剤送達装置に使用できる。または、薬剤送達装置102のロック機構120が注射を行わずに相転移温度を超えて加熱され、次いで相転移温度未満に冷却された場合、ロック機構120は可逆的であるため薬品送達装置102は依然として使用可能である。
一実施形態において、ロック機構120は約5〜25℃、より詳細には14〜20℃の温度で相が変化するように構成されたパラフィンワックス材料から構成される。一実施形態において、ロック機構120の相転移温度Aは約17℃である。ロック機構120はさらに、約5〜25℃の相転移温度を持つその他の材料から構成されてもよい。そのため、薬剤送達装置102が使用前に冷蔵状態または低温状態で保管され、次いで、薬剤送達装置102のロック機構120の温度が約17℃まで上昇した場合、例示的なロック機構120は、固相から液相へと遷移する。
図8に示すように、代替的実施形態である薬剤送達装置102’は、リブ付き、ぎざぎざのある、ざらついた、溝付き、凹んだ、または別途質感を出した内側表面122を有するハウジング104’の上端部を備える。図8に示すように、トリガー機構116’の外側表面115’の下部は、ハウジング104’の質感を出した表面122内に受容されるように構成されたリブ付き、ぎざぎざのある、ざらついた、溝付き、凹んだ、または別途質感を出した表面132を備え得る。より詳細には、質感を出した表面122は、質感を出した表面132に略相補的であり、ロック機構120によりトリガー機構116’とハウジング104’との間の結合を促進できる。例えば、質感を出した表面122、132は、ロック機構120が固相にある場合、ハウジング104’に対する排出機構106’の動作へのロック機構120の構造的抵抗を増大し得る。ロック機構120の部分的な溶解の間、質感を出した表面122、132に配置されたロック機構120の固体部分は、ロック機構120の他の部分が液相にあったとしても、ハウジング104’の上端部に対するトリガー機構116’の回転を防止する傾向がある。そのため、薬剤送達装置102’を有効とするためにロック機構120のより完全な溶解が必要とされる。
薬剤送達装置102は、図2に示されるように、ロック機構120に動作可能に連結されたインジケータ136(透視図で示される)をさらに備えることができる。インジケータ136は、ロック機構120が相転移温度A以上となる時点を示す。例えば、インジケータ136は少なくとも1つのシンボル、例えば、鍵、語、および/または色付き部分を備え、ロック機構120が相転移温度A以上であることを示すことができる。一実施形態において、インジケータ136は、ロック機構120に動作可能に連結された印刷したロイコ染料であってもよい。より詳細には、図2に示すように、インジケータ36は、ハウジング104に付着または別の方法で連結され、ロック機構120と少なくとも熱的に接触してもよい。例えば、インジケータ136は、インジケータ136が注射ポート126を介してロック機構120に隣接するように注射ポート126上でハウジング104に連結されてよい。別の実施形態では、インジケータ136はハウジング104の透明な部分を通して見える染料混合ロック機構120であってもよい。
薬剤送達装置102の製造および組立ての間、排出機構106は、凹み124、134が互いと位置合わせするようにハウジング104内に受容される。ロック機構120は、ロック機構120が液相にある間、ポート126を通って凹み124、134間に画定される体積内へと注入される。このようにして、ロック機構120は液相では凹み124、134間に画定される体積内にまず受容され、次いで、ロック機構120の温度が低下するにつれて固相へと遷移する。そのため、ロック機構120は、図7に示すように、概して凹み124、134間に画定される体積の形状をとり、ハウジング104と排出機構106との間の空隙または間隙を埋める。固相のときは、ロック機構120はハウジング104とトリガー機構116との間の体積を完全に埋める高剪断強度の固体塊であるため、ハウジング104とトリガー機構116との間の許容誤差は極小さいかまたはまったくない。
組立て後、薬剤送達装置102を使用して投与量の薬剤114を患者に注射する。薬剤送達装置102の使用前に、使用者は薬剤送達装置102を冷蔵または低温状態で保管できる。低温においては、薬剤114の粘度が増大するため、低温で薬剤送達装置102から薬剤114を投与することは、注射を受ける者にとって快適ではないか、または不完全な投与量となり得る。そのため、例示的な薬剤送達装置102は、薬剤送達装置102の温度が所定の温度まで上昇するまで使用者が薬剤114を投与することを防ぐように構成される。
より詳細には、薬剤送達装置102のロック機構120が相転移温度A未満の温度である場合、ロック機構120は固相にある。このようにして、ロック機構120は無効状態にあり、ロック機構120はトリガー機構116のロック130がハウジング104に対して回転することを防ぐため、使用者が排出機構106を作動させて薬剤114を投与することはできない。トリガー機構116のボタン128は、ロック130が移動するまで作動できず、したがって、ロック機構120が固相にあるときはロック130は移動できないため、ボタン128を押下して送達機構118の動作を開始することはできない。
薬剤送達装置102が冷蔵または低温状態から取り除かれた後、ロック機構120の温度が薬剤114投与前に少なくとも相転移温度Aまで上昇するまで、使用者は待機することになる。ロック機構120の温度は、薬剤114の温度が上昇するのと実質的に同じ速度で上昇するように構成されるため、ロック機構120の温度が相転移温度Aまで上昇すると、薬剤114の温度もまた患者への投与に望ましい温度に上昇する。そのため、ロック機構120の相転移温度Aは、薬剤114が使用されるべき好ましい所定の温度に対応する。ロック機構120の温度がB時点で相転移温度Aまで上昇した場合(図12参照)、薬剤114の温度もまたB時点で好ましい所定の温度に上昇する。
ロック機構120の温度が少なくとも相転移温度Aまで上昇すると、ロック機構120は、熱エネルギーを吸収するため固相から液相へと遷移する。そのため、ロック機構120は無効状態から、使用者がトリガー機構116のロック130をハウジング104に対して回転、摺動、または別の方法で移動させることができ、使用者が排出機構106を作動できる有効状態へと遷移する。例えば、例示的なロック130は、ロック機構120が有効状態にあるとき、ハウジング4に対して約10°回転するように構成されてよい。
液相にあるとき、ロック機構120は、凹み124、134により画定される体積内に位置し続けるため、ロック機構120は、有効状態にあるとき、ハウジング104および排出機構106に対して概ね静止したままである。そのため、ロック機構120は、無効状態および有効状態にあるとき、概ね終始変わらない形状を維持し、すなわち、ロック機構120は、無効状態および有効状態にあるとき、凹み124、134間の体積の形状を概ね維持する。液相にあるとき、ゲル化剤の存在により、液体ロック機構120の物理的性質は、凹み124、134により画定される体積をもって位置決めされたまま留まるようなものである。ゲル化剤の例としては、ペクチン、ヒドロゲル、メチルセルロース、または親水性アクリレートポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
加えて、ロック機構120は、ハウジング104に対してのトリガー機構116のロック130の移動に対するダンパー力または抵抗を付与するため、ロック機構120は、使用者がロック130を移動させたとき、ハウジング104と排出機構106の間のダンパーグリースまたは潤滑剤として作用する。
ボタン128が押し下げられると、プランジャ111がトリガーされて下方に移動し、これによりピストン110が下方に移動して薬剤114の投与量が押され、針112を通って患者に入る。そのため、ロック機構120ではなく使用者は、薬剤114の投与をトリガーするのに必要とされる力を印加する。
一実施形態において、薬剤送達装置102は、シリンジ108内にある薬剤114の完全な投与量が患者に1度で投与されるように単回の注射用に構成される。しかし、薬剤送達装置102の代替的実施形態は、薬剤114の複数回分の投与量がシリンジ108内に保存されるように複数回の使用のために構成されてよく、使用者は薬剤送達装置102を使用して、ある期間にわたって薬剤114の複数回分の投与量を投与できる。
例えば、使用者は、ロック機構120が有効状態にあるとき、薬剤114の第1の投与量を薬剤送達装置102から投与でき、その後、再び薬剤送達装置102を使用することが所望されるまで低温または冷蔵状態で薬剤送達装置102を保管できる。ロック機構120を含む薬剤送達装置102の温度を下げることにより、1回目の使用後、ロック機構120は遷移して固相に戻り、無効状態で保管される。より詳細には、ロック機構120は実質的にヒステリシスを有していないため、ロック機構120の温度が相転移温度Aまで低下し、相転移温度A未満の温度で無効状態に留まる場合、ロック機構120は、有効状態から無効状態に遷移する。そのため、使用者は、ロック機構120の温度が再び少なくとも相転移温度Aまで上昇するまで、薬剤送達装置102から薬剤114の2回目またはそれ以降の投与量を投与できない。
使用者が後に薬剤送達装置102を使用することを望む場合は、薬剤送達装置102が低温状態から取り出され、ロック機構120の温度が少なくとも相転移温度Aまで上昇するまで、使用者は待機する。ロック機構120の温度が相転移温度A以上である場合、ロック機構120は、使用者がロック130を回転または移動させてボタン128を押下できる有効状態にある。1回目の投与量が投与された後、ボタン128が2回目または任意のそれ以降のときに押し下げられると、もう1回分の投与量の薬剤114が針112を通して患者に投与される。そのため、薬剤送達装置102を使用して、各投与量の薬剤114に対して新たな薬剤送達装置102を使用者が必要とすることなく複数回分の投与量の薬剤114を投与できる。上述のように、機械的ロック130は、ロック機構120が液相にあるときは、ロック解除位置へと回転でき、薬剤送達装置が薬剤を送達できる。複数回分の投与量装置で使用される場合、機械的ロック130は、注射する度にロック位置に自動で戻るように構成されている。ロック機構120が固相に戻ると、ロック機構120が変化してその液相に戻るまで機械的ロック130がロック解除位置に移動するのを再びブロックする。
図9を参照すると、薬剤送達装置202は、ロック機構120の温度がおよそある温度範囲にあるときのみ薬剤114を投与するように構成されてよい。例示的に、薬剤送達装置202の代替的実施形態は、第2のロック機構138およびキャップ140を備えることができる。ボタン128(図4参照、図9には示されない)は、キャップ140を通って上方に延び得る。キャップ140は、排出機構106’’の上端部に動作可能に連結され得、第2のロック機構138は、その間に配置され得る。図13に示すように、第2のロック機構138は、ロック機構120の相転移温度Aよりも高い第2の相転移温度Cを有する。例えば、一実施形態において、第2の相転移温度Cは約30℃であってよい。第2の相転移温度Cは、注射を受ける者にとって効率の悪い、不適当な、不正確な、および/または不快である薬剤114の温度に対応してよい。そのため、第2のロック機構138は、第2のロック機構138の温度が第2の相転移温度Cまで上昇するまで固相に留まるように構成されている。相転移温度Aを超えるが第2の相転移温度C未満の温度において固相に留まることにより、キャップ140は排出機構106’’のトリガー機構116のロック130に対して移動できない。より詳細には、固相にあるとき、第2のロック機構138は、高剪断強度を有する固体塊であり、これによりキャップ140のロック130に対する移動を防止またはブロックし、これによって使用者がロック130を回転させられる。このようにして、薬剤送達装置202は相転移温度A以上であるが第2の相転移温度C未満の温度で有効のままであるが、これは使用者がロック130を移動させて薬剤送達装置202を作動させたときにキャップ140がロック130を回転させるためである。
しかし、第2のロック機構138の温度が少なくとも第2の相転移温度Cまで上昇した場合、これは、患者に薬剤114を投与するには不快、効率の悪い、不適当な、および/または不正確であり得る。そのため、第2のロック機構138の温度が、少なくとも第2の相転移温度Cまで上昇した場合、薬剤送達装置202は、無効状態に遷移して、使用者が高温で薬剤114を投与することを防ぐ。より詳細には、第2のロック機構138の温度が第2の相転移温度Cまで上昇した場合、第2のロック機構138は、固相から液相へと遷移し、これによりキャップ140は排出機構106のロック130に対して回転、摺動、または別の方法で移動できる。そのため、使用者は、第2の相転移温度C以上でのみキャップ140を移動させることができるが、ロック130を回転させて排出機構106’’を作動させることはできない。例えば、例示的なキャップ140は排出機構106’’のロック130に対して移動できるが、排出機構106’’のロック130は、静止したままであり、したがって、使用者はボタン128を押下できない。第2のロック機構138の温度が第2の相転移温度C以下の温度であり、かつロック機構120の温度が相転移温度A以上である場合にのみ、使用者は薬剤送達装置202から薬剤114を投与できる。このようにして、図9に示す薬剤送達装置202の実施形態は、ロック機構120、138が動作温度範囲(例えば、相転移温度AおよびCにおいて、またはこれらの間)内にある場合にのみ薬剤114が投与できる動作または有効状態を有する。
あるいは、薬剤送達装置202は、第2のロック機構138の温度、したがって薬剤114が注射には望ましくない高温であることを示す第2のインジケータ(図示せず)を備え得る。
本開示の別の実施形態によると、薬剤送達装置は、薬剤送達装置および/またはその内容物がある期間特定の温度(例えば、30℃)を超えている場合、無効にすることができる。この実施形態によると、相転移材料は、上述したように、特定の温度未満で薬剤送達装置の動作を可能にするが、特定の温度を超えると薬剤送達装置を無効にする。同様に、本実施形態において、相転移材料は固相にあるとき、構成要素間(例えば、キャップ140とロック130)間で力を伝達する。しかし、液相においては、相転移材料は、その最初の位置(すなわち、固体であったときの位置)から流れるかまたは別の方法で移動する。相転移材料がその固相に戻ると、相転移材料は構成要素間(例えば、キャップ140とロック130との間)の力の伝達を可能にした構成要素間の初期位置にはもう位置していないため、医学的送達装置は無効なままである。そのため、相転移材料がその固相に戻ったとしても温度が特定の温度未満まで低下した後は有効にすることができないため、医学的送達装置は不可逆的である。一実施形態によると、ラベル等のインジケータが医学的送達装置に設けられ、これは、特定の温度を超えると色が変わり、使用者に、薬剤がもう使用には適していないことおよび/または薬剤送達装置が永久的に無効化されたことを通知する。このようなインジケータは、その温度が特定の温度未満まで低下したとしてもその元の色に戻らない。
図1〜図8を再び参照すると、状況によっては、排出機構106がハウジング104に対して移動してから、ロック機構120が完全に液相になり、薬剤114が、ロック機構120が液相であるときと対応する所定の温度に達することも可能であってよい。例えば、ロック機構120は、ある期間にわたって固相と液相との間を遷移し、この遷移は、薬剤114の温度が所定の温度まで上昇する前に始まり得る。より詳細には、ロック機構120が固相と液相との間を遷移する間、ロック機構120が相転移を行うために熱エネルギーを吸収するため、ロック機構120の温度は上がらない。そのため、ロック機構120は、薬剤114の温度が注射に好ましい温度まで上がる前は部分的に液体かつ部分的に固体であり得る。ロック機構120がこのように部分的に液状であることにより、ロック機構120が液相に完全に遷移し、薬剤114の温度が注射のための所定の温度まで上昇する前に使用者はトリガー機構116のロック130を移動させ、ボタン128を押下することができる。そのため、ロック機構120が液相に完全に遷移し、薬剤114の温度が所定の値まで上昇する前に、薬剤114が投与された場合、患者にとって快適ではない場合があり、かつ/または不正確もしくは不十分であり得る。
しかし、図10に示すように、代替的実施形態である薬剤送達装置302が示され、これは、薬剤送達装置302の早まった作動を防止するために二次、補助の、または緩衝部材が設けられる。薬剤送達装置302は、ハウジング304および排出機構306を備える。ハウジング304は、本明細書でさらに詳述されるように、第1の開口部または孔142および第2の開口部または孔144を備える。
排出機構306は、トリガー機構116、熱ロック機構320、および送達機構118を備える(図2および図3参照)。ロック機構320は、第1の部材320aおよび第2のロック部材320bを備える。第1および第2のロック部材320a、320bの両方は、例示的に、ハウジング304の内側表面308と排出機構306のロック130の外側表面310の中間に支持される。図10に示すように、第1の部材320aは第2のロック部材320bを全体的に取り囲んでいる。第1の部材320aは、第1の開口部142を通してハウジング304と排出機構306との間に設けられてよく、第2のロック部材320bは第2の開口部144を通してハウジング304と排出機構306のロック130の中間に設けられてよい。一実施形態では、第1および第2のロック部材320aおよび320bは、それぞれ開口部142および144を通して挿入されるとき液相である。
図13に示すように、第1の部材320aは、第1の部材320aが固相と液相の間で遷移するように構成された第1の相転移温度を有する。例えば、一実施形態では、第1の部材320aは約5〜23℃、より詳細には約12〜16℃の相転移温度Aを有してよい。第1の部材320aの例示的実施形態は約15℃の相転移温度Aを有してよい。一実施形態では、第1の部材320aはパラフィンワックス材料から構成される。
第2のロック部材320bは、第2のロック部材320bが固相と液相の間で遷移するように構成された第2の相転移温度Cを有する。例えば、一実施形態では、第2のロック部材320bは約7〜25℃、より詳細には約14〜20℃の相転移温度Cを有してよい。第2のロック部材320bの例示的実施形態は約17℃の相転移温度Cを有してよい。そのため、第2の相転移温度Cは第1の相転移温度Aよりも高い。一実施形態では、第2のロック部材320bはパラフィンワックス材料から構成される。
第2のロック部材320bの相転移温度Cは第1の部材320aの相転移温度Aよりも高くなり得るため、第1の部材320aは、第2のロック部材320bの温度未満の温度で固相から液相へと遷移するように構成される。しかし、薬剤送達装置302は、第1および第2のロック部材320aおよび320bの両方が固相から液相へと遷移するまで薬剤114を投与しないように構成される。そのため、第1の部材320aは、第2のロック部材320bの相転移遷移の開始を「緩衝」または別の方法で遅延させ、薬剤114の熱増加と同じ速度でロック機構320の熱増加の速度を維持するように構成される。このようにして、第1の部材320aは、固相から液相への遷移の間その温度が上昇することなく、熱エネルギーを吸収するため、第2のロック部材320bの温度は、第1の部材320aの相転移の間上昇せず、第2のロック部材320bの相転移は遅れる。そのため、第2のロック部材320bは、第1の部材320aが完全に液相に遷移するまでは液相に遷移しない。したがって、注射のための所定の温度まで薬剤114の温度を上昇させるのに必要な時間は、第2のロック部材320bが固相と液相の間を遷移する時間に実質的に対応するため、薬剤114の早まった注射を防止する。
同様に、図11に示すように、代替的実施形態である薬剤送達装置402が提供され、薬剤114の早まった注射を防止するようにさらに構成される。薬剤送達装置402は、ハウジング404および排出機構406を備える。ハウジング404は開口部または孔146を備える。
排出機構406は、トリガー機構116、ロック機構420、および送達機構118を備える。ロック機構420は、第1の部材420aおよび第2のロック部材420bを備える。第1の部材420aは、着脱可能なパネル、ラベル、カバー、または相転移材料から構成されたその他の部材として構成される。第1の部材420aは、第2のロック部材420bの上に配置されるかまたは別の方法で動作可能に連結されるように構成され、これはハウジング404に支持される。より詳細には、第2のロック部材420bは、ハウジング404の内側表面(図示せず、例えば、ハウジング304の内側表面308参照)と排出機構406の外側表面(図示せず、例えば、ロック130の外側表面310)の中間に配置されてよい。第2のロック部材420bは、開口部146を通してハウジング404と排出機構406のロック130との間に設けられてよい。一実施形態では、第2のロック部材420bは、開口部146を通して挿入されるとき液相である。
第1の部材420aは、第1の部材420aが固相と液相との間を遷移するように構成された第1の相転移温度Aを有する。例えば、一実施形態では、第1の部材420aは約5〜23℃、より詳細には約12〜16℃の相転移温度Aを有してよい。第1の部材420aの例示的実施形態は約15℃の相転移温度Aを有してよい。一実施形態では、第1の部材420aはパラフィンワックス材料から構成される。
第2のロック部材420bは、第2のロック部材420bが固相と液相の間で遷移するように構成された第2の相転移温度Cを有する。例えば、一実施形態では、第2のロック部材420bは約7〜25℃、より詳細には約14〜20℃の相転移温度Cを有してよい。第2のロック部材420bの例示的実施形態は約17℃の相転移温度Cを有してよい。そのため、第2の相転移温度Cは第1の相転移温度Aよりも高い。一実施形態では、第2のロック部材420bはパラフィンワックス材料から構成される。
第2のロック部材420bの相転移温度Aは第1の部材420aの相転移温度Cよりも高いため、第1の部材420aは、第2のロック部材420bの温度未満の温度で固相から液相へと遷移するように構成される。しかし、薬剤送達装置402は、第1および第2のロック部材420a、420bの両方が固相から液相へと遷移するまで薬剤114を投与しないように構成される。そのため、第1の部材420aは、第2のロック部材420bの相転移遷移の開始を「緩衝」または別の方法で遅延させ、薬剤114の熱増加と同じ速度でロック機構420の熱増加の速度を維持するように構成される。このようにして、第1の部材420aは、固相から液相への遷移の間その温度が上昇することなく、熱エネルギーを吸収するため、第2のロック部材420bの温度は、第1の部材420aの相転移の間上昇せず、第2のロック部材420bの相転移は遅れる。そのため、第2のロック部材420bは、第1の部材420aが完全に液相に遷移するまでは液相に遷移しない。したがって、注射のための所定の温度まで薬剤114の温度を上昇させるのに必要な時間は、第2のロック部材420bが固相と液相の間を遷移する時間に実質的に対応するため、薬剤114の早まった注射を防止する。
図13を参照すると、Cとして表される第2のロック部材320b、420bの相転移温度は、Aとして表される第1の部材320a、420aの相転移温度よりも高い。そのため、第1の部材320a、420aは第1の時点Bで固相と液相との間を遷移し、これは第2のロック部材320b、420bがD時点で固相と液相との間を遷移する前に起こる。このようにして、ロック機構320および420は、D時点までその有効状態にはなく、これは、薬剤114が注射のための所定の温度である時点に実質的に対応する。
本発明は例示的な設計を有するものとして記述されたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに改変され得る。したがって、本出願は、その一般原則を使用して本発明のいかなる変形形態、使用、または適合も包含することを意図する。また、本出願は、本発明の関わる分野での公知のまたは慣習的実施の範囲内とされる、本開示からのこのような逸脱を包含することを意図する。

Claims (22)

  1. ハウジングと、前記ハウジングにより支持され、プランジャおよび薬剤を含むように構成された体積を有する針付きシリンジと、前記プランジャに動作可能に連結された排出機構とを備える薬剤送達装置であって、前記薬剤送達装置は、
    前記排出機構に動作可能に連結された熱ロック機構であって、前記熱ロック機構は、相転移温度を有し、前記熱ロック機構は、前記薬剤の送達を阻害する無効状態と、前記薬剤の送達を可能にする有効状態とを有し、前記ロック機構は、前記相転移温度において前記無効状態と前記有効状態との間で遷移する、前記熱ロック機構をさらに備え
    前記熱ロック機構は、前記無効状態と前記有効状態との間で変化するときに前記ハウジングに対して静止している、前記薬剤送達装置。
  2. ハウジングと、前記ハウジングにより支持され、プランジャおよび薬剤を含むように構成された体積を有する針付きシリンジと、前記プランジャに動作可能に連結された排出機構とを備える薬剤送達装置であって、前記薬剤送達装置は、
    前記排出機構に動作可能に連結された熱ロック機構であって、前記熱ロック機構は、相転移温度を有し、前記熱ロック機構は、前記薬剤の送達を阻害する無効状態と、前記薬剤の送達を可能にする有効状態とを有し、前記ロック機構は、前記相転移温度において前記無効状態と前記有効状態との間で遷移する、前記熱ロック機構をさらに備え、
    前記熱ロック機構は、前記無効状態と前記有効状態との間で変化するときに終始変わらない形状を有する、前記薬剤送達装置。
  3. 前記排出機構は、前記ハウジングにより動作可能に支持される第1の排出構成要素を備え、前記熱ロック機構は、前記無効状態において前記ハウジングに対する前記第1の排出構成要素の移動を阻害し、前記熱ロック機構は、前記有効状態において前記ハウジングに対する前記第1の排出構成要素の移動を可能にし、前記ハウジングに対する前記第1の排出構成要素の相対移動を緩衝する、請求項1または2に記載の薬剤送達装置。
  4. 前記熱ロック機構は、前記熱ロック機構の熱エネルギーの量が小さくなるとき、前記相転移温度において変化して前記有効状態から前記無効状態に戻るように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤送達装置。
  5. ハウジングと、前記ハウジングにより支持され、プランジャおよび薬剤を含むように構成された体積を有する針付きシリンジと、前記プランジャに動作可能に連結された排出機構とを備える薬剤送達装置であって、前記薬剤送達装置は、
    前記排出機構に動作可能に連結された熱ロック機構であって、前記熱ロック機構は、相転移温度を有し、前記熱ロック機構は、前記薬剤の送達を阻害する無効状態と、前記薬剤の送達を可能にする有効状態とを有し、前記ロック機構は、前記相転移温度において前記無効状態と前記有効状態との間で遷移する、前記熱ロック機構をさらに備え、
    前記薬剤送達装置は、前記ハウジング内に配置可能な複数回分の薬剤投与量をさらに含み、前記排出機構は、少なくとも第1の薬剤投与量と第2の薬剤投与量を分配するように構成され、前記第1の薬剤投与量は、前記熱ロック機構が第1の時間間隔において前記無効状態と前記有効状態の間で変化したときに分配可能であり、前記第1の時間間隔の後、前記熱ロック機構が前記有効状態から前記無効状態に遷移すると、前記第2の薬剤投与量は、前記熱ロック機構が前記第1の薬剤投与量の前記分配の後、第2の時間間隔において前記無効状態と前記有効状態の間で変化したときに分配可能である、前記薬剤送達装置。
  6. ハウジングと、前記ハウジングにより支持され、プランジャおよび薬剤を含むように構成された体積を有する針付きシリンジと、前記プランジャに動作可能に連結された排出機構とを備える薬剤送達装置であって、前記薬剤送達装置は、
    前記排出機構に動作可能に連結された熱ロック機構であって、前記熱ロック機構は、相転移温度を有し、前記熱ロック機構は、前記薬剤の送達を阻害する無効状態と、前記薬剤の送達を可能にする有効状態とを有し、前記ロック機構は、前記相転移温度において前記無効状態と前記有効状態との間で遷移する、前記熱ロック機構をさらに備え、
    前記熱ロック機構は、第1の相転移材料および第2の相転移材料を備え、前記第1の相転移材料は、第1の相転移温度を有し、前記第1の相転移温度において固相と液相の間を遷移し、前記第2の相転移材料は、第2の相転移温度を有し、前記第2の相転移温度において固相と液相の間を遷移し、前記第1の相転移温度は、前記第2の相転移温度の開始を遅延するために前記第2の相転移温度未満である、前記薬剤送達装置。
  7. ハウジングと、前記ハウジングにより支持され、プランジャおよび薬剤を含むように構成された体積を有する針付きシリンジと、前記プランジャに動作可能に連結された排出機構とを備える薬剤送達装置であって、前記薬剤送達装置は、
    前記排出機構に動作可能に連結された熱ロック機構であって、前記熱ロック機構は、相転移温度を有し、前記熱ロック機構は、前記薬剤の送達を阻害する無効状態と、前記薬剤の送達を可能にする有効状態とを有し、前記ロック機構は、前記相転移温度において前記無効状態と前記有効状態との間で遷移する、前記熱ロック機構をさらに備え、
    前記排出機構は、前記熱ロック機構が前記相転移温度において前記有効状態に遷移するときに有効にされるように構成されたボタンを備える、前記薬剤送達装置。
  8. 前記ハウジングおよび前記排出機構のうち少なくとも1つは、前記熱ロック機構を受容するように構成された凹みを備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬剤送達装置。
  9. ハウジングと、前記ハウジングにより支持され、プランジャおよび薬剤を含むように構成された体積を有する針付きシリンジと、前記プランジャに動作可能に連結された排出機構とを備える薬剤送達装置であって、前記薬剤送達装置は、
    前記排出機構に動作可能に連結された熱ロック機構であって、前記熱ロック機構は、相転移温度を有し、前記熱ロック機構は、前記薬剤の送達を阻害する無効状態と、前記薬剤の送達を可能にする有効状態とを有し、前記ロック機構は、前記相転移温度において前記無効状態と前記有効状態との間で遷移する、前記熱ロック機構をさらに備え、
    前記熱ロック機構は、前記熱ロック機構の熱エネルギーが大きくなるとき、前記無効状態から前記有効状態に遷移する、前記薬剤送達装置。
  10. 前記排出機構に動作可能に連結された第2の熱ロック機構をさらに備え、前記第2の熱ロック機構は、より高い相転移温度を有し、前記第2の熱ロック機構は、前記薬剤の送達を阻害する無効状態と、前記薬剤の送達を可能にする有効状態とを有し、前記第2の熱ロック機構は、前記より高い相転移温度において前記無効状態と前記有効状態との間で遷移する、請求項に記載の薬剤送達装置。
  11. ハウジングと、前記ハウジングにより支持され、プランジャおよび薬剤を含むように構成された体積を有する針付きシリンジと、前記プランジャに動作可能に連結された排出機構とを備える薬剤送達装置であって、前記薬剤送達装置は、
    前記排出機構に動作可能に連結された熱ロック機構であって、前記熱ロック機構は、相転移温度を有し、前記熱ロック機構は、前記薬剤の送達を阻害する無効状態と、前記薬剤の送達を可能にする有効状態とを有し、前記ロック機構は、前記相転移温度において前記無効状態と前記有効状態との間で遷移する、前記熱ロック機構をさらに備え、
    前記熱ロック機構は、前記熱ロック機構の熱エネルギーが大きくなるとき、前記有効状態から前記無効状態に遷移する、前記薬剤送達装置。
  12. 前記熱ロック機構は、第1の相転移材料および第2の相転移材料を備え、前記第1の相転移材料は、第1の相転移温度を有し、前記第1の相転移温度において固相と液相の間を遷移し、前記第2の相転移材料は、第2の相転移温度を有し、前記第2の相転移温度において固相と液相の間を遷移し、前記第1の相転移温度は、前記第2の相転移温度の開始を遅延させるために前記第2の相転移温度未満である、請求項に記載の薬剤送達装置。
  13. 前記第1の相転移温度は、5℃〜23℃である、請求項12に記載の薬剤送達装置。
  14. 前記第1の相転移温度は、12℃〜16℃である、請求項13に記載の薬剤送達装置。
  15. 前記第2の相転移温度は、7℃〜25℃である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の薬剤送達装置。
  16. 前記第2の相転移温度は、14℃〜20℃である、請求項15に記載の薬剤送達装置。
  17. 前記第2の相転移材料は、前記第1の相転移材料により全体的に取り囲まれている、請求項12〜16のいずれか1項に記載の薬剤送達装置。
  18. 薬剤を収容する手段と、
    前記薬剤を送達する手段と、
    前記送達する手段の作動をトリガーする手段と、
    前記収容する手段により支持され、前記送達する手段および前記トリガーする手段のうち少なくとも1つに動作可能に連結された熱ロック機構であって、前記熱ロック機構は、相転移温度を有し、前記相転移温度において物理相が変化するように構成されている、熱ロック機構と
    を備える薬剤送達装置であって、
    前記収容する手段は、ハウジング部材を備え、
    前記トリガーする手段は、前記ハウジング部材に動作可能に連結されたトリガー部材を備え、
    前記ハウジング部材および前記トリガー部材のうち少なくとも1つは、少なくとも1つの凹みを画定し、前記少なくとも1つの凹みは、前記熱ロック機構を受容し、前記熱ロック機構は、前記相転移温度未満の温度では前記ハウジング部材および前記トリガー部材の相対移動をブロックし、少なくとも前記相転移温度と同じ温度では前記ハウジング部材と前記トリガー部材との相対移動を可能にするように構成される、前記薬剤送達装置。
  19. 前記ハウジング部材および前記トリガー部材はそれぞれ、少なくとも1つの凹みを画定する、請求項18に記載の薬剤送達装置。
  20. 前記少なくとも1つの凹みは、前記ハウジング部材の内側表面の一部により画定された第1の凹みと、前記トリガー部材の外側表面の一部により画定された第2の凹みとを備える、請求項18に記載の薬剤送達装置。
  21. 薬剤を収容する手段と、
    前記薬剤を送達する手段と、
    前記送達する手段の作動をトリガーする手段と、
    前記収容する手段により支持され、前記送達する手段および前記トリガーする手段のうち少なくとも1つに動作可能に連結された熱ロック機構であって、前記熱ロック機構は、相転移温度を有し、前記相転移温度において物理相が変化するように構成され、前記熱ロック機構は、前記薬剤の送達を阻害する無効状態と、前記薬剤の送達を可能にする有効状態とを有し、前記熱ロック機構は、前記相転移温度において前記無効状態と前記有効状態との間で遷移する、前記熱ロック機構と
    を備える薬剤送達装置であって、
    前記トリガーする手段は、リブ付き、ぎざぎざのある、ざらついた、溝付き、または凹んだ質感を含み、前記収容する手段は、リブ付き、ぎざぎざのある、ざらついた、溝付き、または凹んだ質感を含み、前記熱ロック機構による前記トリガーする手段と前記収容する手段との間の結合を促進するように、前記トリガーする手段の前記質感と前記収容する手段の前記質感は互いに相補的である、前記薬剤送達装置。
  22. 薬剤を収容する手段と、
    前記薬剤を送達する手段と、
    前記送達する手段の作動をトリガーする手段と、
    前記収容する手段により支持され、前記送達する手段および前記トリガーする手段のうち少なくとも1つに動作可能に連結された熱ロック機構であって、前記熱ロック機構は、相転移温度を有し、前記相転移温度において物理相が変化するように構成され、前記熱ロック機構は、前記薬剤の送達を阻害する無効状態と、前記薬剤の送達を可能にする有効状態とを有し、前記熱ロック機構は、前記相転移温度において前記無効状態と前記有効状態との間で遷移する、前記熱ロック機構と
    を備える薬剤送達装置であって、
    前記熱ロック機構は、前記相転移温度において固相と液相との間で変化するように構成されている、前記薬剤送達装置。
JP2017523471A 2014-11-18 2015-11-11 薬剤送達装置のための熱ロック機構 Expired - Fee Related JP6383491B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201462081244P 2014-11-18 2014-11-18
US62/081,244 2014-11-18
PCT/US2015/060118 WO2016081238A1 (en) 2014-11-18 2015-11-11 Thermal locking mechanism for a medication delivery device

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017533033A JP2017533033A (ja) 2017-11-09
JP6383491B2 true JP6383491B2 (ja) 2018-08-29

Family

ID=54608978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017523471A Expired - Fee Related JP6383491B2 (ja) 2014-11-18 2015-11-11 薬剤送達装置のための熱ロック機構

Country Status (15)

Country Link
US (1) US10314981B2 (ja)
EP (1) EP3220979B1 (ja)
JP (1) JP6383491B2 (ja)
KR (1) KR20170068570A (ja)
CN (1) CN107106772B (ja)
AU (1) AU2015350349B2 (ja)
BR (1) BR112017007035A2 (ja)
CA (1) CA2963563C (ja)
EA (1) EA201790872A1 (ja)
ES (1) ES2806779T3 (ja)
IL (1) IL251291A0 (ja)
MX (1) MX2017006267A (ja)
SG (1) SG11201702609SA (ja)
WO (1) WO2016081238A1 (ja)
ZA (1) ZA201702193B (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3612249A4 (en) * 2017-04-19 2020-12-02 Medimmune, LLC E-CONNECTED AUTOMATIC INJECTORS
CN111163819A (zh) 2017-10-12 2020-05-15 伊莱利利公司 用于药物递送***的针护罩拉拔器
HUE064243T2 (hu) 2019-03-15 2024-02-28 Lilly Co Eli Automata injekciós rendszer
CN112229539A (zh) * 2019-07-13 2021-01-15 宁波泽世医疗科技有限公司 一种药物环境控制装置
CA3152217A1 (en) * 2019-10-08 2021-04-15 Amgen Inc. Temperature indicator for drug delivery device
WO2021113101A1 (en) * 2019-12-02 2021-06-10 Amgen Inc. Lockout mechanism for drug delivery device
CN110841149A (zh) * 2019-12-18 2020-02-28 苏州嘉树医疗科技有限公司 一种低温锁定的自动注射器
EP4370178A1 (en) * 2021-07-16 2024-05-22 SHL Medical AG Sequence-dependent activation mechanism using a rotator

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8602733D0 (en) * 1986-02-04 1986-03-12 Univ Brunel Syringe
US6056716A (en) * 1987-06-08 2000-05-02 D'antonio Consultants International Inc. Hypodermic fluid dispenser
US5222362A (en) 1989-01-10 1993-06-29 Maus Daryl D Heat-activated drug delivery system and thermal actuators therefor
US5170779A (en) 1991-01-22 1992-12-15 Ginsberg Irwin A Automated ear cleansing device
US6454746B1 (en) 1997-06-04 2002-09-24 Eli Lilly And Company Medication delivery apparatus
US7887506B1 (en) 1999-11-23 2011-02-15 Pulse Needlefree Systems, Inc. Safety mechanism to prevent accidental patient injection and methods of same
DK1242132T3 (da) * 1999-12-23 2004-02-23 Arnold Neracher Injektionsanordning og fremdrivningssystem derfor
WO2002007812A2 (en) 2000-07-20 2002-01-31 Acist Medical Systems, Inc. Syringe plunger locking mechanism
WO2002028458A1 (en) 2000-10-06 2002-04-11 Maxwell Edmund Whisson Body heat actuated parenteral device
US6939323B2 (en) 2001-10-26 2005-09-06 Massachusetts Institute Of Technology Needleless injector
CA2501825C (en) * 2002-10-09 2009-12-01 Therasense, Inc. Fluid delivery device, system and method
WO2005072794A2 (en) 2004-01-29 2005-08-11 M 2 Medical A/S Disposable medicine dispensing device
US7862540B2 (en) 2006-05-17 2011-01-04 Alcon Research, Ltd. Ophthalmic injection device using shape memory alloy
US20070270750A1 (en) 2006-05-17 2007-11-22 Alcon, Inc. Drug delivery device
US20080097390A1 (en) 2006-09-27 2008-04-24 Alcon Manufacturing, Ltd. Spring actuated delivery system
CA2666924C (en) * 2006-10-16 2015-06-16 Alcon Research Ltd. Temperature control device and thermal sensor assembly for medical device
EP2077875A2 (en) * 2006-10-26 2009-07-15 Mallinckrodt Inc. Medical fluid injector having a thermo-mechanical drive
US7740619B2 (en) 2007-08-01 2010-06-22 Alcon Research, Ltd. Spring driven ophthalmic injection device with safety actuator lockout feature
GB2452030A (en) 2007-08-10 2009-02-25 Owen Mumford Ltd Injection devices
JP2010011915A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Brother Ind Ltd ミシンの膝操作レバー
CA3154661A1 (en) 2010-01-22 2011-07-28 Deka Products Limited Partnership Infusion pump apparatus, method and system
RS54298B1 (en) 2010-03-01 2016-02-29 Eli Lilly And Company AUTOMATIC INJECTOR WITH DELAY MECHANISM INCLUDING DUAL FEATURE MOVEMENT ELEMENT
GB2490721B (en) * 2011-05-12 2017-03-01 Owen Mumford Ltd Injection devices
KR101662470B1 (ko) * 2012-12-20 2016-10-04 일라이 릴리 앤드 캄파니 약물 분배 장치로부터 용량 분배를 방지하기 위한 잠금 조립체

Also Published As

Publication number Publication date
MX2017006267A (es) 2017-08-14
ES2806779T3 (es) 2021-02-18
AU2015350349B2 (en) 2018-05-10
KR20170068570A (ko) 2017-06-19
CA2963563C (en) 2021-03-09
EP3220979B1 (en) 2020-05-20
EA201790872A1 (ru) 2017-09-29
IL251291A0 (en) 2017-05-29
EP3220979A1 (en) 2017-09-27
US10314981B2 (en) 2019-06-11
CN107106772B (zh) 2020-03-27
BR112017007035A2 (pt) 2017-12-12
AU2015350349A1 (en) 2017-04-06
ZA201702193B (en) 2018-12-19
WO2016081238A1 (en) 2016-05-26
CN107106772A (zh) 2017-08-29
US20170224929A1 (en) 2017-08-10
JP2017533033A (ja) 2017-11-09
CA2963563A1 (en) 2016-05-26
SG11201702609SA (en) 2017-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6383491B2 (ja) 薬剤送達装置のための熱ロック機構
JP7235838B2 (ja) 薬物送達システムのアクチュエータアセンブリ
ES2903053T3 (es) Conjunto espaciador para sistema de administración de fármacos
JP4601522B2 (ja) 2チャンバアンプル用の自動ペン
BR112018075474B1 (pt) Conjunto atuador de agulha e sistema de administração de fármaco
JP6741794B2 (ja) 薬物送達システムのための駆動アセンブリおよびスペーサ
BR112018075483B1 (pt) Conjunto de acionamento e sistema de administração de fármaco
EP3055005B1 (en) Medicament delivery device
JP2016519976A (ja) 医療用注射装置
JP6644793B2 (ja) ばね駆動式薬剤送達装置
BRPI0923667A2 (pt) dispositivo de injeÇço para administrar doses distribuÍdas de fÁrmaco lÍquido
CA3079355C (en) End-of-dose detection for drug delivery system
CN108367117B (zh) 注射器
JP2018530387A (ja) 細身の駆動機構を有する薬剤送達装置
US20230233374A1 (en) Device for Controlled Injection Across a Variety of Material Properties
BR112018075442B1 (pt) Conjunto espaçador para sistema de administração de fármaco e referido sistema

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170428

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180320

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6383491

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees