JP6382177B2 - 剪断式破砕機の切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機 - Google Patents
剪断式破砕機の切断刃及びそれを具備する剪断式破砕機 Download PDFInfo
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Description
破砕対象は、例えば、可燃粗大ごみや不燃粗大ごみ、タイヤ、袋ごみ、ベール品などの圧縮梱包品、家電、木材、シート状物、プラスチック品など多岐にわたる。
ボルト差込孔120は、座繰り孔部120aとボルト軸部挿通孔部120bとにより構成されている。
座繰り孔部120aは、切断刃101Aで被破砕物を破砕する際に被破砕物との摩擦によって刃物取付用ボルト110の頭部110a(以下、単に「ボルト頭部110a」と称する。)が摩耗するのを防ぐために設けられるもので、ボルト頭部110aが埋没するまで挿入可能な段付き丸孔形状で、ボルト頭部110aの外周面と対向する周壁面121及びボルト頭部110aが座金122を介して座る座面123を有している。
こうなると、負荷のかかる被破砕物を破砕した場合に、切断刃101Aの破損を招き易くなるため、座繰り孔部120aの径寸法を極力小さくするようにしている。
このとき、座繰り孔部120aにおける角丸部124Aの曲率半径を大きくすると、座金122が角丸部124Aと干渉してしまい、ボルト頭部110aの座りが悪くなり、刃物取付用ボルト110の締付力が確実に伝わらないため、取付不良による切断刃101Aの破損や刃物取付用ボルト110の破損などが引き起こされる可能性がある。
したがって、角丸部124Aの曲率半径は非常に小さい値に設定せざるを得ない。
<二軸剪断式破砕機の概略説明>
図1に示される二軸剪断式破砕機1は、上下方向に開放された開口部2aを有するケーシング2と、ケーシング2の開口部2aにおいて互いに平行をなすように並設され、ケーシング2に両端部が回転可能に支持される2本の回転軸3とを備えている。
ケーシング2の上方には、図示されないホッパが配設されており、このホッパを介して開口部2a内に被破砕物を投入することができる。
各回転軸3には、図示されない動力伝達機構を介して、例えば、電動機又は油圧モータ等の駆動機4が接続されており、2本の回転軸3の回転数を自由に設定・変更できるのは勿論のこと、2つの駆動機4の同期運転により、2本の回転軸3を同期させて回転させることができる。
なお、2本の回転軸3を、例えば、歯車伝動機構等により連動して回転させるようにし、これら回転軸3の一方にのみ動力伝達機構を介して駆動機4を接続し、1つの駆動機4の作動によって2本の回転軸3を同時に回転させるようにしてもよい。
なお、破砕処理された処理物は、ケーシング2の下方に配設される図示されないベルトコンベヤ等の搬送装置により、所定の場所へと搬送される。
着脱式の切断刃11Aは、刃物取付面8に面接触可能な取付基部12と、取付基部12から回転刃5の径方向外側に突出して回転刃5の回転方向(図2(a)中記号C矢印方向)に尖り、かつ回転軸3の軸方向に沿う刃幅方向に刃先が連続する刃部13とを備えて構成されている。
なお、刃物取付面8には、回転刃5の回転方向に向かって後部位置に、回転刃5の径方向外側に突出するように係止凸部14が形成される一方、切断刃11Aの取付基部12には、係止凸部14と係合する係止段部15が形成され、係止凸部14と係止段部15とを係合させて破砕反力を受けるようにしている。
ここで、座面23のボルト頭部10aが座金22を介して座る面は、平坦な面に形成し、この平坦な面に形成し部分の径寸法を、座繰り孔部120aの径寸法D1と同一寸法になるようにしている。
以上に述べたような切断刃11Aを備える二軸剪断式破砕機1においては、オフセット対向する複数の回転刃5が互いに内向きに回転するように駆動機4で2本の回転軸3を回転させることにより、オフセット対向する複数の回転刃5における切断刃11Aの互いの側縁部で被破砕物を縦切りするとともに、各回転刃5における切断刃11Aの刃部13の刃先で被破砕物を横切りする。
第1の実施形態の切断刃11A及びそれを具備する二軸剪断式破砕機1によれば、座繰り孔部20aにおける周壁面21と座面23との間の角部に、座面23と連続する凹円弧面24Aを有する凹溝25Aを形成することによって、座繰り孔部20aの径寸法を大きくすることなく、凹円弧面24Aの曲率半径の寸法を座繰り孔部20aへの応力集中を低減するのに必要十分な大きさの値に設定することができ、切断刃11Aにおける座繰り孔部20aが設けられている部分の刃幅方向の肉厚(図2(b)中記号t寸法で示される厚み)を薄くすることなく座繰り孔部20aの応力集中が緩和されるので、破砕時の衝撃力や剪断力に耐え得るだけの強度を確保しつつ座繰り孔部20aの応力集中を低減することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る剪断式破砕機の切断刃11Bについて、図4を用いて以下に説明することとする。
なお、第2の実施形態において、先に述べた第1の実施形態と同一又は同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第2の実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。
座繰り孔部20aにおいては、周壁面21と座面23との間に傾斜面30を設けることにより、傾斜面30が設けられた部分が、座繰り孔部20aに対する刃物取付用ボルト10の抜き方向に進むに従って、座繰り孔部20aの中心を通る中心線に向けて近づくように傾斜する部分円錐面状に形成されている。
図3に示される第1の実施形態に係る切断刃11Aにおいて、座繰り孔部20aの径寸法をD1、凹円弧面24Aの曲率半径をR1とし、凹溝の深さをd1すると、d1≒R1とした場合のものを実施例1とした。
図4に示される第2の実施形態に係る切断刃11Bにおいて、実施例1と同様に、座繰り孔部20aの径寸法はD1であるが、凹円弧面24Bの曲率半径がR1よりもやや小さいR2で、凹溝25Bの深さd2がd1よりも小さく、d2≒R2であり、周壁面21と傾斜面30とがなす狭い方の角と広い方の角のうち狭い方の角度θを約150°程度とした場合のものを実施例2とした。
第1の実施形態に係る切断刃11Aの変形例を示す図5の切断刃11Cにおいて、凹円弧面24Cの曲率半径をR2よりも更に小さいR3し、凹溝25Cの深さd3≒R3とした場合のものを実施例3とした。
図6に示される従来の切断刃101Aにおいて、座繰り孔部120aの径寸法をD1、角丸部124Aの曲率半径を極めて小さなr1とした場合のものを比較例1とした。
図7に示される従来の切断刃101Bにおいて、角丸部124Bの曲率半径をr1よりも大きいr2とし、これに伴い座繰り孔部120aの径寸法がD1よりも大きいD2となった場合のものを比較例2とした。
図6に示される比較例1のものにおいて、図3に示される実施例1と同様の凹溝25Aを形成するための加工を行う際に、図8に示されるように、曲率半径r1の角丸部124Aが残存し、凹円弧面24Aの曲率半径は実施例1におけるそれと同じであるが、凹溝25Aの深さがd1よりも小さいd4の場合のものを比較例3とした。
図6に示される比較例1のものにおいて、図3に示される実施例1のものと同様の凹溝25Aを形成するための加工を行う際に、図9に示されるように、曲率半径r1の角丸部124Aが残存し、凹円弧面24Aの曲率半径は実施例1におけるそれと同じであるが、凹溝25Aの深さがd4よりも小さいd5とした場合のものを比較例4とした。
<条件>
刃幅:75mm
組立時の刃物先端径(回転刃の直径):650mm
フック先端部円周方向荷重: 200kN
フック先端部軸方向荷重:200kN
特に、傾斜面30を有する凹溝25Bを設けた実施例2のものでは、フック先端部円周方向荷重による応力集中のみならず、フック先端部軸方向荷重による応力集中も顕著に低減することができる。
また、実施例1、実施例2及び実施例3のものでは、座繰り孔部20aの径寸法が比較例1の座繰り孔部120aの径寸法と同じであり、破砕時の衝撃力や剪断力に耐え得るだけの強度を従来と同様に確保しつつも座繰り孔部20aの応力集中を従来よりも低減することができる。
図8及び図9に示される比較例3及び比較例4のものについては、曲率半径r1の角丸部124Aが残存しているため、応力集中低減効果が低い。したがって、図3、図4及び図5に示される実施例1、実施例2及び実施例3のものにおいて、座面23と凹円弧面24A,24B,24Cとが段差なく面一で連続することが重要であることが分かる。
9 刃物取付台
10 刃物取付用ボルト
11A〜11C 切断刃
20 ボルト差込孔
20a 座繰り孔部
21 周壁面
23 座面
24A〜24C 凹円弧面
25A〜25C 凹溝
30 傾斜面
Claims (3)
- 刃物取付用ボルトによって刃物取付台に着脱可能に固定され、刃物取付用ボルトの頭部の外周面と対向する周壁面及び該頭部を座らせるための座面とを有する座繰り孔部を備える剪断式破砕機の切断刃において、座繰り孔部における周壁面と座面との間の角部に、凹円弧面を有する凹溝を、該凹溝の凹円弧面の接線方向と座面とが一致し座面と面一に連続するとともに、周壁面側に切り込むようにした凹溝の深さが凹円弧面の曲率半径の大きさとなるように形成してなることを特徴とする剪断式破砕機の切断刃。
- 凹溝は、凹円弧面と周壁面との間で周壁面に対し鈍角をなすように傾斜が付された傾斜面を有することを特徴とする請求項1記載の剪断式破砕機の切断刃。
- 請求項1又は2記載の剪断式破砕機の切断刃を備えることを特徴とする剪断式破砕機。
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