JP6381026B2 - 回転切削工具の減衰装置 - Google Patents
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Description
このため、切削工具が例えば旋盤で使用されるバイトのように工具それ自体は固定されるようなものに対しては特許文献1に係る技術を問題なく適用することができるが、切削工具それ自体が回転される例えばエンドミルのような回転切削工具に対して特許文献1に係る技術を適用した場合、粘弾性に対する回転切削工具の相対回転によって両者間に大きな摩擦力が生じるため、回転切削工具の回転負荷の増大を招いたり、粘弾性体の早期摩耗を招いたりするという問題点がある。
加工ヘッドのスピンドルに工具ホルダを介して取り付けられる回転切削工具の振動を減衰する回転切削工具の減衰装置であって、
回転切削工具の外周側を補助的に支持可能なアーム部材であって、加工ヘッド側から回転切削工具に向けて突き出す突出位置と、工具ホルダから後方の加工ヘッド側に退避される退避位置とに切替可能とされるアーム部材と、
回転切削工具の回転時にその回転切削工具の外周面と滑り合って接触する摺動部材と、
前記アーム部材と摺動部材との間に介在される粘弾性体とを備え、
回転切削工具の切削時の振動を、前記摺動部材を介して前記粘弾性体へと伝達して減衰するようにしたことを特徴とするものである。
加工ヘッドのスピンドルに工具ホルダを介して取り付けられる回転切削工具の振動を減衰する回転切削工具の減衰装置であって、
回転切削工具の外周側を補助的に支持可能なアーム部材と、
前記アーム部材の先端部に配設され、前記回転切削工具の外周面に向けて平坦な取付面を有するとともに、当該先端部の慣性質量を増大させる錘の役目もする取付ブロックと、
前記取付ブロックの取付面に粘弾性体を介して固着され、前記回転切削工具の回転時にその回転切削工具の外周面と滑り合って接触する摺動部材とを備え、
回転切削工具の切削時の振動を、前記摺動部材を介して前記粘弾性体へと伝達して減衰するようにしたことを特徴とするものである。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る回転切削工具の減衰装置が適用されたマシニングセンタの要部斜視図が示されている。また、図2には、同減衰装置が適用されたマシニングセンタを用いてクランクピンを加工する様子を図1のA矢印方向から見た図が示されている。
そして、工具ホルダ4の下方において、加工ヘッド2からエンドミル1へと架け渡されるように回転切削工具の減衰装置10(以下、単に「減衰装置10」と称する。)が配設されている。
工具ホルダ4は、スピンドル3に着脱可能なシャンク部4aとエンドミル1を挟持するチャック部4bとがATC把持部4cを介して一体的に連結されてなり、ATC把持部4cの外周面に形成された断面略Vの字状の環状V溝5に図示されない自動工具交換装置(ATC)の工具交換アームが係合してスピンドル3に対する工具ホルダ4の抜き差しにより、工具交換が行われるようになっている。
減衰装置10は、エンドミル1の外周側を補助的に支持可能なアーム部材11を備えている。
アーム部材11は、加工ヘッド2の先端部下面に固定されたブラケット12に基端部がピン13によって枢支される一方で、先端側がエンドミル1の刃部1aの手前の下方位置に向けて延びる棒状部材よりなり、ピン13を中心として上下方向に回動自在で、図1中実線で示されるように、加工ヘッド2側からエンドミル1に向けて突き出す突出位置と、同図中二点鎖線で示されるように、工具ホルダ4から後方の加工ヘッド2側に退避される退避位置との間で揺動可能とされている。
なお、図示されないエアシリンダや電動モータ等のアクチュエータを駆動源とする揺動機構により、アーム部材11が突出位置と退避位置との間で揺動駆動されて、アーム部材11の突出位置と退避位置との切替が行われる。
また、摺動部材18としては、例えば潤滑油を含浸させて自己潤滑性を持たせた銅系合金等の材料からなるものや、ポリアセタール(POM)やポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂系の材料からなるものなどが挙げられる。
このような長尺状のエンドミル1を用いて切削加工を行うと、切削加工時に受ける切削抵抗によってびびり振動が生じる。びびり振動は、摺動部材18を介して粘弾性体17へと伝達され、該粘弾性体17にて減衰される。
第1の実施形態の減衰装置10によれば、エンドミル1の回転時にそのエンドミル1の外周面と滑り合って接触する摺動部材18が設けられ、エンドミル1の切削時のびびり振動を摺動部材18を介して粘弾性体17へと伝達して減衰するようにされているので、エンドミル1の回転負荷の増大を招いたり、粘弾性体17の早期摩耗を招いたりすることなく、エンドミル1のびびり振動を抑制することができる。
また、アーム部材11が突出位置と退避位置とに切替可能とされるので、切削加工時に突出位置としたアーム部材11を、工具交換時に退避位置とすることができる。これにより、ATC(自動工具交換装置)を用いて工具交換する際に、アーム部材11や先端機能部15とATCとの干渉を確実に回避することができる。
また、錘の役目を兼ねる取付ブロック15の重みの付加により、先端機能部15の慣性質量が増すので、エンドミル1のびびり振動をより効果的に抑制することができる。
なお、第1の実施形態においては、加工ヘッド2とエンドミル1との間の下側に減衰装置10を設けた例を示したが、図3に示されるように、加工ヘッド2とエンドミル1との間の上側に減衰装置10´を設けても良く、図4に示されるように、加工ヘッド2とエンドミル1との間の上側および下側の両方に減衰装置10,10´を設けても良い。
図5には、本発明の第2の実施形態に係る回転切削工具の減衰装置が適用されたマシニングセンタの要部斜視図が示されている。また、図6には、図5のB−B線断面図が、図7には、同減衰装置が適用されたマシニングセンタを用いてクランクピンを加工する様子を示す斜視図が、それぞれ示されている。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一または同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第2の実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。
図6に示されるように、工具補助支持体21は、エンドミル1の切削時のびびり振動を抑制する減衰装置30を具備してエンドミル1を補助的に支持するものであり、工具ホルダ4におけるチャック部4bの外周面に軸受22を介して装着されるハウジング23を備えている。なお、ハウジング23の外周面の一部には、外周側に突出する突出部23aが形成され、突出部23aには、回り止めピン24が後方に突出するように植設され、該回り止めピン24が、加工ヘッド2の回り止め部25に係合し、加工ヘッド2に対するハウジング23の回転が防止されるようになっている。
減衰装置30は、ハウジング23からエンドミル1の刃部1aの手前の上方および下方位置に向けて延設される一対のアーム部材31を備えている。これらアーム部材31は、エンドミル1の軸線を挟んで180°の位置に配されている。
そして、スピンドル3の回転駆動により、エンドミル1をその軸線回りに回転させるとともに、クランクシャフト100を回転させ、エンドミル1の刃部1aがクランクピン101の外周面に略直交するようにクランクピン101の回転に追随させながら刃部1aをクランクピン101に接触させて切削する。
このような長尺状のエンドミル1を用いて切削加工を行うと、切削加工時に受ける切削抵抗によってびびり振動が生じる。びびり振動は、摺動部材35を介して粘弾性体34へと伝達され、該粘弾性体34にて減衰される。
第2の実施形態の減衰装置30によっても、エンドミル1の回転時にそのエンドミル1の外周面と滑り合って接触する摺動部材35が設けられ、エンドミル1の切削時のびびり振動を摺動部材35を介して粘弾性体34へと伝達して減衰するようにされているので、第1の実施形態の減衰装置10と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、サポート機能付回転切削工具20において、工具ホルダ4に軸受22を介してエンドミル1の回転を許容するように取り付けられるハウジング23からエンドミル1に向けてアーム部材31が延設されるので、ATCを用いて工具交換する際に、第1の実施形態のように、切削加工時に突出位置としたアーム部材11を退避位置にするといった特別な操作をすることなくアーム部材31とATCとの干渉を確実に回避することができ、サポート機能付回転切削工具20の着脱で工具交換を速やかに行うことができる。
2 加工ヘッド
3 スピンドル
4 工具ホルダ
10,30 減衰装置
11,31 アーム部材
16,33 取付ブロック(錘)
17,34 粘弾性体
18,35 摺動部材
22 軸受
23 ハウジング
Claims (3)
- 加工ヘッドのスピンドルに工具ホルダを介して取り付けられる回転切削工具の振動を減衰する回転切削工具の減衰装置であって、
回転切削工具の外周側を補助的に支持可能なアーム部材であって、加工ヘッド側から回転切削工具に向けて突き出す突出位置と、工具ホルダから後方の加工ヘッド側に退避される退避位置とに切替可能とされるアーム部材と、
回転切削工具の回転時にその回転切削工具の外周面と滑り合って接触する摺動部材と、
前記アーム部材と摺動部材との間に介在される粘弾性体とを備え、
回転切削工具の切削時の振動を、前記摺動部材を介して前記粘弾性体へと伝達して減衰するようにしたことを特徴とする回転切削工具の減衰装置。 - 加工ヘッドのスピンドルに工具ホルダを介して取り付けられる回転切削工具の振動を減衰する回転切削工具の減衰装置であって、
回転切削工具の外周側を補助的に支持可能なアーム部材と、
前記アーム部材の先端部に配設され、前記回転切削工具の外周面に向けて平坦な取付面を有するとともに、当該先端部の慣性質量を増大させる錘の役目もする取付ブロックと、
前記取付ブロックの取付面に粘弾性体を介して固着され、前記回転切削工具の回転時にその回転切削工具の外周面と滑り合って接触する摺動部材とを備え、
回転切削工具の切削時の振動を、前記摺動部材を介して前記粘弾性体へと伝達して減衰するようにしたことを特徴とする回転切削工具の減衰装置。 - 前記アーム部材は、前記工具ホルダに軸受を介して回転切削工具の回転を許容するように取り付けられるハウジングから回転切削工具に向けて延設される請求項1または2に記載の回転切削工具の減衰装置。
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JP2014131491A JP6381026B2 (ja) | 2014-06-26 | 2014-06-26 | 回転切削工具の減衰装置 |
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JP2014131491A JP6381026B2 (ja) | 2014-06-26 | 2014-06-26 | 回転切削工具の減衰装置 |
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JP2014131491A Active JP6381026B2 (ja) | 2014-06-26 | 2014-06-26 | 回転切削工具の減衰装置 |
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