JP6379708B2 - タッチスイッチ - Google Patents
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Description
例えば、複数の操作部が近距離で並んで設けられている場合において、操作者が操作部の境界付近にタッチした場合に、意図していない操作部に対して操作がされたと判断してしまうという問題があった。このような場合にも実際に操作された操作部を検出するタッチスイッチが検討されている(特許文献1を参照)。このタッチスイッチは、それぞれ接触により別の操作を指示するための操作面(操作部)を複数備える場合において、その操作面の1つ(第1操作領域)の静電量の計測値が閾値を超えて接触と判断されるときにも、他の操作面の計測値が第1操作領域における計測値に対して一定の比率以上であるときには、第1操作領域への操作ではないと判定するようにされている。
本第1発明は、人体の近接又は接触によって操作がされる操作面の下に並べて設けられている第1の検知電極及び第2の検知電極と、前記操作面への人体の近接又は接触によって前記第1の検知電極に生じる静電容量に対応する第1の電気量と前記第2の検知電極に生じる静電容量に対応する第2の電気量とを検出する検出回路と、前記検出回路により検出された前記第1の電気量と前記第2の電気量との和又は差を合成電気量として算出し、算出した前記合成電気量に基づいて前記操作面にされた操作を判断する判断部と、を備え、前記操作面には第1の操作部と第2の操作部とが並んで配され、前記第1の検知電極は前記第1の操作部の下に設けられ、前記第2の検知電極は前記第2の操作部の下に設けられており、前記判断部は、前記第1の電気量から前記第2の電気量を減算して合成電気量を算出し、算出した前記合成電気量を所定の閾値と比較することにより、前記第1の操作部及び前記第2の操作部のいずれに対する操作がされたかを判断することを要旨とする。
本第2発明は、第1発明において、前記所定の閾値は、各前記操作部のいずれに対しても人体の近接又は接触がないときの前記合成電気量に対応する値を基準値として、前記基準値より小さい第1の閾値及び前記基準値より大きい第2の閾値であり、前記判断部は、前記算出した前記合成電気量が前記第1の閾値を下回るときは前記第1の操作部に対する操作がされたと判断し、前記算出した前記合成電気量が前記第2の閾値を上回るときは前記第2の操作部に対する操作がされたと判断することを要旨とする。
また、前記所定の閾値は、各操作部のいずれに対しても人体の近接又は接触がないときの合成電気量に対応する値を基準値として、基準値より小さい第1の閾値及び基準値より大きい第2の閾値であり、前記判断部は、算出した合成電気量が第1の閾値を下回るときは第1の操作部に対する操作がされたと判断し、算出した合成電気量が第2の閾値を上回るときは第2の操作部に対する操作がされたと判断する場合には、合成電気量を2つの閾値と比較することによって、いずれの操作部にタッチがされたかをより確実に判断することができる。また、2つの検知電極にまたがって人体部位が近接又は接触したときには、合成電気量が第1の閾値と第2の閾値との間の値となるため、いずれの操作部にもタッチがされていないと判断することができ、誤判断を防止することができる。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
操作面8には、区画された1又は2以上の操作部を配することができる。操作部は、個々に操作対象となる領域である。操作面8には、図1のように1つの操作部80が配されてもよいし、2つの操作部(81、82)が並んで配されていてもよい(図3参照)。
また、各検知電極3の大きさや形状がそれぞれ異なっていてもかまわないが、各センサとしての感度を同一とするために、第1の検知電極31の面積と第2の検知電極32の面積は、実質的に同一とすることが好ましい。
各検知電極3の材質や形成方法は特に限定されない。例えば、金属等の導電体により、また樹脂フィルムや樹脂基板上に金属等の導電体層を設けることにより、検知電極3を形成することができる。更に、検知電極3として導電布等が用いられてもよい。
そして、判断部71は、第1の電気量C1と第2の電気量C2との和又は差を、合成電気量(Cs)として算出し、算出した合成電気量Csに基づいて操作面8にされた操作を判断するように構成される。
その他、判断部71は、各種装置・設備(例えば、照明、空調、AV機器、自動開閉式窓等)と電気的に接続され、それらに対する操作を意図するタッチがされたと判断したときには、その判断に伴う動作をさせるための検出信号Sを各種装置等に出力するように構成することができる。尚、タッチスイッチ1には、検出回路5や判断部71を動作させるために図示されない電源等が供給される。
図1のタッチスイッチ1(11)においては、広い操作面8に1つの操作部80が備えられている。そして、その1つの操作部80の下に、2つの検知電極31、32が並んで配されている。同図において、人体91は第1の検知電極31上の中央部付近にタッチする場合、人体92は第2の検知電極32上の中央部付近にタッチする場合、人体93は第1の検知電極31と第2の検知電極32との境界部付近にタッチする場合を表す。操作部80は1つのスイッチ要素を構成しているため、人体9が操作部80上のどの位置(91、92、93)にタッチしたとしても、タッチスイッチ11は確実にそのタッチ操作があったと判定可能であることが求められる。
同図(a)は、各位置にタッチがあったときの電気量C1及びC2の変化を示す。検知電極31上に人体91のタッチがあったとき、検知電極31により検出される電気量C1は大きく減少する(大きな静電容量に対応する)が、検知電極32により検出される電気量C2は変化しない。また、検知電極32上に人体92のタッチがあったとき、検知電極32により検出される電気量C2は大きく減少するが、検知電極31により検出される電気量C1は変化しない。したがって、電気量C1及びC2のそれぞれを所定の閾値Thと比較し、いずれかが閾値Thを超える(下回る)場合には、操作部80に対してタッチ操作があるものと判定することができる。
このようなタッチスイッチ11は、広い面積の操作部80を構成する場合に好適であり、隣り合う検知電極3の境界付近における検出感度の低下を補い、少ない演算量で、操作部80へのタッチ操作の検知漏れを防止することができる。また、広い操作部80を2つの検知電極3に分割できるので、外来ノイズの影響を受けにくいタッチスイッチとすることができる。
図3に示すタッチスイッチ1(12)においては、操作面8に2つの操作部81、82が並んで設けられている。そして、操作部81の下に検知電極31、操作部82の下に検知電極32が並んで配されている。図において、人体91は操作部81(検知電極31)上の中央部付近にタッチする場合、人体92は操作部82(検知電極32)上の中央部付近にタッチする場合、人体93は操作部81と操作部82との境界部付近にタッチする場合を表す。操作部81、82は、それぞれ1つのスイッチ要素を構成しているため、タッチスイッチ12はいずれの操作部に対してタッチ操作があったかを、確実に判定することが求められる。
同図(a)は、各位置にタッチがあったときの電気量C1及びC2の変化を示す。操作部81上に人体91のタッチがあったとき、検知電極31により検出される電気量C1は大きく減少する(大きな静電容量に対応する)が、操作部82側の検知電極32により検出される電気量C2は変化しない。一方、操作部82上に人体92のタッチがあったとき、検知電極32により検出される電気量C2は大きく減少するが、操作部81側の検知電極31により検出される電気量C1は変化しない。したがって、電気量C1及びC2のそれぞれを所定の閾値Th1と比較し、閾値Th1を超える(下回る)場合には、対応する操作部81又は82に対してタッチ操作があるものと判定することができる。
一方、操作部82上に人体92のタッチがあったときには、合成電気量Cs2は、Cs0よりも検知電極32に生じた電気量の変化分だけ小さくなる。したがって、合成電気量Cs2を所定の第2閾値Th4と比較し、第2閾値Th4を超える(上回る)場合には、操作部82に対してタッチ操作があるものと判定することができる。
このようなタッチスイッチ12は、2つの操作部81、82密接するように並べる場合に好適であり、少ない演算量で、隣り合う操作部の境界付近における誤検知を防止し、意図しない操作を防止することができる。また、操作面8上に操作部81及び82を密に配置することができるため、意匠及び寸法の自由度を高くすることができる。
Claims (2)
- 人体の近接又は接触によって操作がされる操作面の下に並べて設けられている第1の検知電極及び第2の検知電極と、
前記操作面への人体の近接又は接触によって前記第1の検知電極に生じる静電容量に対応する第1の電気量と前記第2の検知電極に生じる静電容量に対応する第2の電気量とを検出する検出回路と、
前記検出回路により検出された前記第1の電気量と前記第2の電気量との和又は差を合成電気量として算出し、算出した前記合成電気量に基づいて前記操作面にされた操作を判断する判断部と、
を備え、
前記操作面には第1の操作部と第2の操作部とが並んで配され、
前記第1の検知電極は前記第1の操作部の下に設けられ、前記第2の検知電極は前記第2の操作部の下に設けられており、
前記判断部は、前記第1の電気量から前記第2の電気量を減算して合成電気量を算出し、算出した前記合成電気量を所定の閾値と比較することにより、前記第1の操作部及び前記第2の操作部のいずれに対する操作がされたかを判断することを特徴とするタッチスイッチ。 - 前記所定の閾値は、各前記操作部のいずれに対しても人体の近接又は接触がないときの前記合成電気量に対応する値を基準値として、前記基準値より小さい第1の閾値及び前記基準値より大きい第2の閾値であり、
前記判断部は、前記算出した前記合成電気量が前記第1の閾値を下回るときは前記第1の操作部に対する操作がされたと判断し、前記算出した前記合成電気量が前記第2の閾値を上回るときは前記第2の操作部に対する操作がされたと判断する、請求項1記載のタッチスイッチ。
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