JP6379658B2 - コアシートの印刷方法 - Google Patents
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Description
詳しくは、カード表面または裏面に任意の絵柄をオフセット印刷もしくはシルクスクリーン印刷により印刷したカードにおいて、カードを大判シートから個々の1枚のカードに打ち抜きする際に、打ち抜き刃により絵柄インキ層の剥離を生じないようにするコアシートの印刷方法に関する。
また、白色のカード基材の表裏にレーザ発色層を有するコアシートも使用されるようになってきている。この場合のカードも、レーザ発色層の表面に同様に絵柄印刷を行い、最表面にオフセット透明オーバープリントを印刷して保護するのが通常である。
カードの裏面側に対しても、同じ仕様で印刷が行われる。これらのカードでは、従来品のように、表裏面に透明なオーバーシートを積層しない特徴がある。従って、コアシートとオーバーシートを積層する熱プレス工程も行われないことになる。
このカードは、いわゆる直刷りカードであって、コアシートの絵柄インキ層を薄層のオーバープリント印刷で保護するだけなので、打ち抜きの際、金属抜き刃にインキ層が取られて、微小のインキ片が剥離(脱落)する問題が生じる。インキ片の剥離はカードを表面側から打ち抜きする場合の裏面側絵柄が顕著であるが、表面側が全く剥離しないわけではない。従来カードのように、オーバーシートが無いことのほか、オーバーシートの熱プレス積層や絵柄転写の工程を行わないことで、カードが熱履歴を経ないで製造されるため、インキの付着力が低下していることも影響していると考えられる。
カードの抜きは、シート1枚毎に行われるが、剥離したインキ片は抜き刃に移り、該抜き刃から次のカードの側面に付着し汚れとなる問題がある。付着したインキ片は、布で拭うかエアブローで除去できるが、その工数がかかりリードタイムの増加や歩留りの低減にも影響する。
本願に関連する先行技術文献は検出できないが、カードのオフセット印刷に関連する文献として、特許文献1がある。
カード1は、単層のコアシート100に表裏面の印刷がされている。
コアシート100は、通常は平坦な白色プラスチック樹脂シートからなる。材質は、塩化ビニルや非結晶性芳香族系ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート等が汎用されるが、特には限定されない。コアシート100の樹脂中には、酸化チタン(TiO2)等の白色顔料が配合されている。
カード1の厚みは、カードの物理的特性を規定する(JISX6301)規格値である、0.76mm±0.08mmを満たすことを基本とするが、特に限定しない。
コアシート100の裏面100d側も同様であり、透明オフセットアンカー層301が印刷され、その上にオフセット印刷またはシルクスクリーン印刷による絵柄層302が設けられ、最表面に透明オフセットオーバープリント層303が印刷される。
従来のカードでは、カードの表裏面にオーバーシートを積層しているが、本カードでは、オーバーシートを使用しない特徴がある。
この場合、コアシート100は、支持層101の外面にレーザ発色層102、103を有している。図2の場合、レーザ発色層は表裏に設けられているが、表面側の発色層102のみ、または裏面側の発色層103のみであっても良い。
レーザ発色層102,103に対する印刷は、図1の場合と同様であり、表面側のレーザ発色層102面に、オフセットアンカー層201、オフセット印刷および/またはシルクスクリーン印刷による絵柄層202、最表面に透明オフセットオーバープリント層203が順に印刷される。コアシートの裏面側も同様であり、レーザ発色層103面に、オフセットアンカー層301、オフセット印刷またはシルクスクリーン印刷による絵柄層302、透明オフセットオーバープリント層303が順に印刷される。
レーザ発色層102、103中には、発色剤が分散されているが、発色層を形成する樹脂の屈折率と、混合する発色剤の屈折率との差は小さいことが好ましく、屈折率の差が小さくなるようにすることにより、レーザ発色層102、103の可視光透過性を高めることができる。
あるいはまた、金属酸化物等の発色剤と光吸収剤とを併用してもよい。このように、その目的を果たすものであればよく、本発明では特にその材質を限定しない。
30面付け程度に多面付した大判コアシートであるため、要部を示し大部分を省略図示している。
コアシート100の表面100u側には、透明なオフセットアンカー層201がまず全面に印刷され、その上にオフセットおよび/またはシルクスクリーン印刷による絵柄3が設けられ、最表面に透明オフセットオーバープリント層203が印刷されている。
アンカー層201やオーバープリント層203は透明なので、視認できるのは絵柄層202の絵柄3のみである。絵柄3はカードの種類により様々であり、デザイン性のある絵柄である場合もあり、発行会社名の文字だけの場合もあり、単色の全面ベタ(一様な全面印刷)印刷の場合もある。
鎖線による矩形状の打ち抜き線kは、打ち抜きされる位置を示すのみで、印刷された形状を示すものではない。なお、完成後のカードの大きさは、ISO(ISO7810)またはJIS(JISX6301)に基づき、短辺53.92〜54.03mm、長辺85.47〜85.72mmとされている。
図3と同様に要部のみを図示している。コアシート100の裏面100d側全面にも、オフセットアンカー層201、オフセットおよび/またはシルクスクリーン印刷による絵柄層302、透明オフセットオーバープリント層303が順に印刷される。
裏面の絵柄層302は、従来はオフセット印刷による全面ベタ印刷がされ、その上にオフセット印刷による黒色の微細文字やパターンの印刷5がされることが多い。使用上の注意事項等の印刷が主である。
印刷層の厚みは、オフセット印刷では、0.1〜1.0μm程度となる。鎖線による矩形状の打ち抜き線kは、図3と同様に打ち抜きされる位置のみを示し、印刷された形状ではない。これらの印刷層の構成は、通常のものであり、特に特徴的なものではない。
ただし、オフセットアンカー層やオーバープリント層のインキは対象にならない。透明であってカードの汚れには影響しないからである。
従って、上記の10〜30%の範囲も単色オフセット印刷の網点印刷部4での網点部分の占める面積率が対象となることになる。
オフセット印刷の場合、印刷面での網点部分の占める面積率は、原版(刷版ではなく、写真原版)での網点面積率とほぼ直線比例的な関係にあるので、製版工程では、原版の網点面積率を当該範囲に設定すれば、所定の印刷面での網点部分の占める面積率が、同範囲で得られることになる。
印刷済みコアシート100の下面には、2軸延伸PETシートがクッション材31として置かれる。クッション材31の下面は抜き刃の急激な摩耗を緩和するため非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂を下敷きとして配置してある。矩形状の枠型である刃型の内部に、15枚ほどのカードが集積される毎に、内部から押圧して一括して排出するようにされている。インキの剥離があると、剥離したインキ片がカード1の側面に付着する。
(試験例1)
コアシート100として、非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂(PET−G樹脂)とポリカーボネート樹脂とのポリマーアロイ樹脂(厚み800μm)を使用し、表面側100uには、オフセットアンカー層201を印刷した後、図3図示のような絵柄3をオフセット印刷した。この絵柄3は、矩形状の打ち抜き線k部分にはかからない(抜き刃に接触しない)ものである。
裏面側の印刷に対するインキ剥離のみの影響を確認するため、表面側打ち抜き線kに接する部分には絵柄を設けなかったものである。絵柄3の上には、紫外線硬化型オフセットインキでオーバープリント層203を全面印刷した。
網点印刷部4の上には、紫外線硬化型オフセットインキで微細文字やパターンの印刷5を行った。この微細文字やパターンの印刷5は矩形状の打ち抜き線kに接する部分にはかからない(抜き刃に接触しない)ものである。微細文字やパターンの印刷5の上には、紫外線硬化型オフセットインキでオーバープリント層303を全面印刷した。
コアシート100として、中心の支持層101が厚み670μm±20μmの白色ポリカーボネート樹脂と非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂とのポリマーアロイを主成分とする樹脂組成物からなり、その両面に厚み65μm±10μmのポリカーボネート樹脂と非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂のポリマーアロイからなる透明なレーザ発色層102,103を有するコアシート(総厚800μm)を使用した。
表面側100uには、オフセットアンカー層201を印刷した後、図3図示のような絵柄3を紫外線硬化型オフセットインキで印刷した。この絵柄3は、打ち抜きされる矩形状の打ち抜き線k部分にはかからない(抜き刃に接触しない)ものである。裏面側の印刷のみの影響を確認するため、表面側打ち抜き線kに接する部分には絵柄を設けなかったものである。絵柄3の上には、紫外線硬化型オフセットインキでオーバープリント層203を全面印刷した。
網点印刷部4の上には、紫外線硬化型オフセットインキで微細文字やパターンの印刷5を行った。この微細文字やパターンの印刷5は矩形状の打ち抜き線k部分にはかからない(抜き刃に接触しない)ものである。微細文字やパターンの印刷5の上には、紫外線硬化型オフセットインキでオーバープリント層303を全面印刷した。
上記試験例1におけるコアシート自体と、特色インキの10%、20%、30%と目標とした灰色特色インキベタ刷りの反射濃度と、Lab座標における測色値を、表3に示す。
なお、反射濃度値および色調の測定は、エックスライト社の「X−rite530」によった。
従って、色調的には、灰色特色インキによる網点面積率20〜30%のものが、灰色特色インキベタ刷りと色差が小さく、好ましい結果であった。
3 絵柄
4 網点印刷部
5 微細文字やパターンの印刷
8 トンボ
30 抜き刃
31 クッション材
100 コアシート
101 支持層
102,103 レーザ発色層
201,301 オフセットアンカー層
202,302 絵柄層
203,303 オフセットオーバープリント層
k 打ち抜き線
Claims (2)
- 単層のカード用コアシートに多面付けして、カードの表裏面印刷を透明オフセットアンカー層、オフセットおよび/またはシルクスクリーン印刷による絵柄層、透明オフセットオーバープリント層の順で印刷した後、当該コアシートの表裏面にオーバーシートを積層しない状態で、単位の1枚毎のカードに打ち抜きして製造するカードの製造工程におけるコアシートの印刷方法において、少なくとも打ち抜きする抜き刃に接触する部分のカードの表面または裏面の絵柄印刷面がオフセット印刷であって、該印刷による網点部分の占める面積率が、10〜30%の範囲になるようにして絵柄を構成することを特徴とするコアシートの印刷方法。
- 表面または裏面にレーザ発色層を有する単層のカード用コアシートに多面付けして、カードの表裏面印刷を透明オフセットアンカー層、オフセットおよび/またはシルクスクリーン印刷による絵柄層、透明オフセットオーバープリント層の順で印刷した後、当該コアシートの表裏面にオーバーシートを積層しない状態で、単位の1枚毎のカードに打ち抜きして製造するカードの製造工程におけるコアシートの印刷方法において、少なくとも打ち抜きする抜き刃に接触する部分のカードの表面または裏面の絵柄印刷面がオフセット印刷であって、該印刷による網点部分の占める面積率が、10〜30%の範囲になるようにして絵柄を構成することを特徴とするコアシートの印刷方法。
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