JP6378995B2 - ポリアミド中空糸膜 - Google Patents
ポリアミド中空糸膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6378995B2 JP6378995B2 JP2014199283A JP2014199283A JP6378995B2 JP 6378995 B2 JP6378995 B2 JP 6378995B2 JP 2014199283 A JP2014199283 A JP 2014199283A JP 2014199283 A JP2014199283 A JP 2014199283A JP 6378995 B2 JP6378995 B2 JP 6378995B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hollow fiber
- polyamide
- fiber membrane
- bubble point
- mpa
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
d=4Bγ/P
d:細孔径
B:キャピラリー定数
γ:液体の表面張力
P:バブルポイント圧
このような状況下、本発明は、高バブルポイントかつ高透水量を有するポリアミド中空糸膜、及びその製造方法を提供することを主な目的とする。さらに本発明は、当該ポリアミド中空糸膜を利用した中空糸膜モジュールを提供することも目的とする。
項1. ポリアミド樹脂により形成されたポリアミド中空糸膜であって、
20℃において表面張力が12mN/mの液体中で空気圧を加えたバブルポイント試験において、イニシャルバブルポイントが0.40MPa以上、かつ、バーストバブルポイントが0.55MPa以上であり、
25℃下で純水を用いた内圧透水量が、50L/(m2・atm・h)以上である、ポリアミド中空糸膜。
項2. 温度25℃、湿度60%において、引っ張り強度が12.0MPa以上であり、かつ、引っ張り伸びが150%以上である、項1に記載のポリアミド中空糸膜。
項3. 前記ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、及びポリアミドMXD6からなる群から選択された少なくとも1種である、項1または2に記載のポリアミド中空糸膜。
項4. モジュールケースに、項1〜3のいずれかに記載のポリアミド中空糸膜が収容されてなる、中空糸膜モジュール。
項5. ポリアミド樹脂と溶媒を含むポリマー溶液を冷却して、ポリアミド樹脂を相分離し、固化させる、熱誘起相分離法によるポリアミド中空糸膜の製造方法であって、
前記ポリマー溶液に、脂肪酸アミドを共存させる、ポリアミド中空糸膜の製造方法。
項6. 前記ポリマー溶液中のポリアミド樹脂と溶媒の合計質量を100質量部として、脂肪酸アミドの添加量が、0.01〜5.00質量部の範囲にある、項5に記載のポリアミド中空糸膜の製造方法。
本発明のポリアミド中空糸膜は、ポリアミド樹脂により形成されたポリアミド中空糸膜であって、20℃において表面張力が12mN/mの液体中で空気圧を加えたバブルポイント試験において、イニシャルバブルポイントが0.40MPa以上、かつ、バーストバブルポイントが0.55MPa以上であり、25℃下で純水を用いた内圧透水量が、50L/(m2・atm・h)以上であることを特徴とする。以下、本発明のポリアミド中空糸膜について、詳述する。
本発明のポリアミド中空糸膜は、ポリアミド樹脂と溶媒を含むポリマー溶液を冷却して、ポリアミド樹脂を相分離し、固化させる、熱誘起相分離法(TIPS法)において、ポリマー溶液に、脂肪酸アミドを共存させることによって、好適に製造することができる。本発明のポリアミド中空糸膜の製造方法は、より具体的には、以下の第1工程〜第3工程を経て製造される。
第1工程:ポリアミド樹脂及び脂肪酸アミドを溶媒に溶解させ、ポリマー溶液を調製する。
第2工程:二重管構造の中空糸製造用二重管状ノズルを用い、外側の環状ノズルから前記ポリマー溶液を吐出すると共に、内側のノズルから内部液を吐出し、凝固浴中に導入し、一定の引き取り速度で引き取ることにより中空糸膜を形成する。
第3工程:第2工程で形成された中空糸膜から溶媒を除去する。
第1工程では、ポリマー溶液に、脂肪酸アミドを共存させるために、ポリアミド樹脂及び脂肪酸アミドを溶媒に溶解させて、ポリマー溶液を調製する。ポリアミド樹脂を溶媒に溶解させるためには、高温下において、高沸点溶媒にポリアミド樹脂を溶解させる。
第2工程では、二重管構造の中空糸膜製造用二重管状ノズルを用い、外側の環状ノズルから上記のポリマー溶液(製膜原液)を吐出すると共に内側のノズルから内部液を吐出し、凝固浴中に導入し、一定の引き取り速度で引き取ることにより、中空糸膜を形成する。
第3工程では、第2工程で形成された中空糸膜から溶媒を除去する。中空糸膜から溶媒を除去する方法については、特に制限されず、ドライヤーで乾燥させて溶媒を揮散させる方法であってもよいが、抽出溶媒に浸漬して中空糸膜内部で相分離を起こしている溶媒を抽出除去する方法が好ましい。溶媒の抽出除去に使用される抽出溶媒としては、安価で沸点が低く抽出後に沸点の差などで容易に分離できるものが好ましく、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、ジエチルエーテル、ヘキサン、石油エーテル、トルエンなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくは水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、更に好ましくは水が挙げられる。また、フタル酸エステル、脂肪酸等の水に不溶の有機溶媒を抽出する際は、2−プロパノール、石油エーテル等を好適に用いることができる。また、抽出溶媒に中空糸膜を浸漬する時間としては、特に制限されないが、例えば0.2時間〜2ヶ月間、好ましくは0.5時間〜1ヶ月間、更に好ましくは2時間〜10日間が挙げられる。ポリアミド中空糸に残留する有機溶媒を効果的に抽出除去する為に、抽出溶媒を入れ替えたり、攪拌したりしてもよい。特に本発明のポリアミド中空糸膜を、半導体工業、食品工業、浄水用に使用する場合には、不純物、有機溶媒等の残存が問題となる為、第3工程は時間をかけて徹底的に行うことが望ましい。
本発明のポリアミド中空糸膜は、濾過フィルターとして好適に使用するために、被処理液流入口や透過液流出口等を備えたモジュールケースに収容され、中空糸膜モジュールとして使用される。
図1に示す装置を用いて、11cm長の中空糸膜を設置し、圧力0.05MPaで5分間透過液を回収し、内圧透水量を上述した式により算出した。
図2の概略に示されるような装置を用いて、バブルポイント次の方法で測定した。
(1)長さ20cmの中空糸膜を10本用意し、U字型に曲げ中空糸膜の開口部の方の端部1cm程度を熱シールし、中空部を塞いだ。
(2)長さ5cmの空気配管用軟質ナイロンチューブ(外径8mm、内径6mm)を用意し、片端をシリコン栓で塞ぎ、4cm程度までポッティング剤(ポリウレタン樹脂)を導入した。
(3)ポッティング剤の中に熱シールした方の端から中空糸膜束を挿入し、ポッティング剤が硬化するまで静置した。
(4)硬化後、中空糸膜の熱シールした部位よりも上部で切断し、中空糸膜の中空部を開口させた。この時、ポッティング剤が中空部に侵入していないか、中空糸膜間にポッティング剤が満たされているかを目視で確認した。問題なく中空が維持されていれば試験に移った。
(5)バブルポイント試験では、中空糸膜の孔内に液体を充填する必要がある。よって、ガラス容器14に試験で用いる液体(例えば住友スリーエム製フロリナートFC−72(20℃での表面張力12mN/m)、2−プロパノール)を導入し、そこに上記(1)〜(4)で作製した中空糸膜ミニモジュール13を浸漬し、数秒間減圧にして孔への液体充填を行った。
(6)試験液に浸漬された中空糸膜ミニモジュール13を図2のようにセットし、中空糸膜内部に0.4MPa/分で空気を送り増圧していった。最初に中空糸膜から気泡が発生した時の圧力を確認し、これをイニシャルバブルポイントとした。そのまま増圧を続け、膜のおよそ全体から気泡が発生した時の圧力を確認し、これをバーストバブルポイントとした。
室温25℃、湿度60%の環境で、ナイロン中空糸膜を約10cmに切断し、中空糸膜を島津製作所製オートグラフAGS−100Gにセットし、引っ張り強度、引っ張り伸度を、試験長50mm、引張速度50mm/min、測定数n=5にて測定した。
ポリアミド中空糸膜の内径及び外径は、ポリアミド中空糸膜の断面を光学顕微鏡にて200倍に拡大観察して測定し、n=3の平均値として算出した。
実施例1
ポリアミド6のチップ(ユニチカ(株)製A1030BRT、相対粘度3.53)280g、スルホラン(住友精化(株)製)192g、ジメチルスルホン(東京化成(株)製)528g、エチレンビスステアリン酸アミド(日油(株)製「アルフローH−50L」)0.10質量%(1.0g)を180℃で1.5時間攪拌し溶解させポリマー溶液(製膜原液)を調製した。次に、ポリマー溶液を定量ポンプを介して紡糸口金(二重管構造の中空糸膜製造用二重管状ノズル)に送液し、10g/分で押出した。紡糸口金の孔径は外径1.5mm、内径0.6mmのものを用いた。内部液にはグリセリン:ポリエチレングリコール400=4:6重量比混合溶液を4.0g/分の送液速度で流した。押出された紡糸原液は30mmのエアギャップを介して、5℃の40質量%プロピレングリコール水溶液からなる凝固浴に投入して冷却固化させ、40m/分の巻取速度にて巻き取った。得られた中空糸膜は24時間、水に浸漬して溶媒を抽出し、その後50℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させてポリアミド中空糸膜を得た。
ポリマー溶液の調製において、内部液の溶媒をグリセリン:ポリエチレングリコール300=3:7重量比混合溶液にしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は240L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.55MPa、バーストバブルポイントは0.83MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は14.5MPa、引っ張り伸びは290%であった。
ポリマー溶液の調製において、内部液の溶媒をポリエチレングリコール200:ポリエチレングリコール400=4:6重量比混合溶液にしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は300L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.45MPa、バーストバブルポイントは0.80MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は13.0MPa、引っ張り伸びは280%であった。
ポリマー溶液の調製において、内部液の溶媒を均一混合したグリセリン:塩化カルシウム=99:1重量比混合溶液にしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は200L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.56MPa、バーストバブルポイントは0.90MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は14.0MPa、引っ張り伸びは270%であった。
ポリマー溶液の調製において、内部液の溶媒を4重量%の濃度で塩化カルシウムを溶解させたグリセリンにしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は70L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.85MPa、バーストバブルポイントは1.12MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は13.5MPa、引っ張り伸びは250%であった。
ポリマー溶液の調製において、添加剤であるエチレンビスステアリン酸アミドの添加量を0.5質量%(5.0g)にしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は170L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.75MPa、バーストバブルポイントは1.05MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は15.5MPa、引っ張り伸びは290%であった。
ポリマー溶液の調製において、添加剤であるエチレンビスステアリン酸アミドの添加量を1.5質量%(15g)にしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は110L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.89MPa、バーストバブルポイントは1.20MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は16.5MPa、引っ張り伸びは280%であった。
ポリマー溶液の調製において、添加剤であるエチレンビスステアリン酸アミドの添加量を4.5質量%(45g)にしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は50L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.94MPa、バーストバブルポイントは1.21MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は18.5MPa、引っ張り伸びは220%であった。
ポリマー溶液の調製において、添加剤をエチレンビスラウリン酸アミドにしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は300L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.48MPa、バーストバブルポイントは0.63MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は13.0MPa、引っ張り伸びは270%であった。
ポリマー溶液の調製において、添加剤をエチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドにしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は150L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.65MPa、バーストバブルポイントは0.89MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は13.5MPa、引っ張り伸びは280%であった。
ポリマー溶液の調製において、添加剤をステアリン酸アミドにしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は350L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.42MPa、バーストバブルポイントは0.60MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は12.0MPa、引っ張り伸びは260%であった。
ポリマー溶液の調製において、添加剤をメチレンビスステアリン酸アミドにしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は290L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.55MPa、バーストバブルポイントは0.75MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は14.0MPa、引っ張り伸びは270%であった。
ポリマー溶液の調製においてポリアミド樹脂としてポリアミド610のチップ(東レ(株)製CM2001)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は70L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.59MPa、バーストバブルポイントは0.84MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は13.0MPa、引っ張り伸びは300%であった。
ポリマー溶液の調製においてポリアミド樹脂としてポリアミドMXD6のチップ(三菱ガス化学(株)製S6121)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は150L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.55MPa、バーストバブルポイントは0.80MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は12.0MPa、引っ張り伸びは200%であった。
市販のポリアミド6製平膜フィルター(公称孔径10nm)の、内圧透水量、バブルポイント、引っ張り強度、引っ張り伸びを測定した。その結果、内圧透水量は490L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.15MPa、バーストバブルポイントは0.21MPaであった。この平膜の引っ張り強度は2.8MPa、引っ張り伸びは90%と共に低かった。
ポリマー溶液の調製において、添加剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は250L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.35MPa、バーストバブルポイントは0.40MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は14.1MPa、引っ張り伸びは310%であった。
内部液をグリセリン単一にした以外は比較例2と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は600L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.26MPa、バーストバブルポイントは0.31MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は13.0MPa、引っ張り伸びは250%であった。
ポリマー溶液の調製において、ポリアミド6のチップ(ユニチカ(株)製A1030BRT、相対粘度3.53)170g、スルホラン(住友精化(株)製)221g、ジメチルスルホン(東京化成(株)製)609gにしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド中空糸膜を作製した。得られたポリアミド中空糸膜は、内圧透水量は4500L/(m2・atm・h)であり、イニシャルバブルポイントは0.11MPa、バーストバブルポイントは0.13MPaであった。得られた中空糸膜の引っ張り強度は7.1MPa、引っ張り伸びは130%であった。
実施例1〜14及び比較例1〜4のポリアミド中空糸膜の製造条件及び各物性値を表1に纏めて示す。これらの結果から、ポリマー溶液に脂肪酸アミドを共存させることにより、20℃で表面張力12mN/mの液体を用い、空気圧を加えたイニシャルバブルポイントが0.40MPa以上であり、バーストバブルポイントが0.55MPa以上であり、内圧透水量が50L/(m2・atm・h)以上であり、且つ引っ張り強度が12.0MPa以上であり、且つ引っ張り伸びが150%以上であるという高性能のポリアミド中空糸膜が得られることが明らかとなった(実施例1−14参照)。
PA6:ポリアミド6
PA610:ポリアミド610
MXD6:ポリアミドMXD6
PA6平膜:ポリアミド6の平膜
PSf UF膜:ポリスルホン限外ろ過膜
PEG200:ポリエチレングリコール200
PEG300:ポリエチレングリコール300
PEG400:ポリエチレングリコール400
Gly:グリセリン
CaCl2:塩化カルシウム
IBP:イニシャルバブルポイント
BBP:バーストバブルポイント
また、表中の「〃」は、上のセルと同条件であることを示す。
実施例1において得られた中空糸膜を250mm長に切断し、50本を束ねて熱シーラーを用いて両端を融着封止した。モジュールケースは両端からそれぞれ35mmの部分に出入水口を備えた塩化ビニル製の外径20mm、内径17mm、長さ140mmの円筒状パイプを作製した。次にモジュールケースと同じ外内径で25mm長のPTFE製ポットに、サンユレック(株)製の2液型ポリウレタンポッティング剤をすり切り一杯入れ、上記モジュールケースの片端を上部に装着し、膜束を上からポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製ポットの底に当たるまで押し込んだ。この状態で10時間静置し、片端をポッティングした。固化後、PTFE製ポットを引っ張りながら引き抜き、モジュールケースから出ているポリウレタン樹脂を膜束ごと切断し、中空部を露出させた。他方の膜束の端部も同様にポッティングし切断することで、両端に中空部が露出した状態とした。両端に出入水口を備えたキャップをかぶせて接着し、クロスフロー型モジュールが作製できた(図5のA参照)。このクロスフロー型モジュールの有効膜長は115mm×50本であった。
実施例1において得られた中空糸膜を200mm長に切断し、50本を束ねてU字状に折り曲げ、熱シーラーを用いて端部を融着封止した。モジュールケースは塩化ビニル製の外径20mm、内径17mm、長さ60mmの円筒状パイプを作製した。次にモジュールケースと同じ外内径で25mm長のPTFE製ポットに、サンユレック(株)製の2液型ポリウレタンポッティング剤をすり切り一杯入れ、上記フィルターケースの片端を上部に装着し、U字型膜束の封止部分を上からPTFE製ポットの底に当たるまで押し込んだ。この状態で10時間静置し、ポッティングした。固化後、PTFE製ポットを引っ張りながら引き抜き、モジュールケースから出ているポリウレタン樹脂を膜束ごと切断し、中空部を露出させた。モジュールケースの両端に出入水口を備えたキャップをかぶせて接着し、デッドエンド型モジュールが作製できた(図5のB参照)。このデッドエンド型モジュールの有効膜長は80mm×50本であった。
2:中空糸膜
3:入口側圧力計
4:出口側圧力計
5:二方弁
6:注射針
7:受け皿
8:空気流入口
9:レギュレーター
10:増圧タンク
11:スピードコントローラ
12:圧力センサ
13:中空糸膜モジュール
14:ガラス容器
15:フロリナートFC−72液
16:デジタル圧力表示機
17:二方弁
18:攪拌モーター
19:加圧ガス流入口
20:コンテナ
21:定量ポンプ
22:内部液導入口
23:中空糸製造用二重管状ノズル(紡糸口金)
24:凝固浴
25:ポリアミド中空糸膜
26:定速引き取り機
27:ボビン巻き取り機
28:純水シャワー
Claims (6)
- ポリアミド樹脂により形成されたポリアミド中空糸膜であって、
20℃において表面張力が12mN/mの液体中で空気圧を加えたバブルポイント試験において、イニシャルバブルポイントが0.40MPa以上、かつ、バーストバブルポイントが0.55MPa以上であり、
25℃下で純水を用いた内圧透水量が、50L/(m2・atm・h)以上である、ポリアミド中空糸膜。 - 温度25℃、湿度60%において、引っ張り強度が12.0MPa以上であり、かつ、引っ張り伸びが150%以上である、請求項1に記載のポリアミド中空糸膜。
- 前記ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、及びポリアミドMXD6からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1または2に記載のポリアミド中空糸膜。
- モジュールケースに、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド中空糸膜が収容されてなる、中空糸膜モジュール。
- ポリアミド樹脂と溶媒を含むポリマー溶液を冷却して、ポリアミド樹脂を相分離し、固化させる、熱誘起相分離法によるポリアミド中空糸膜の製造方法であって、
前記ポリマー溶液に、脂肪酸アミドを共存させる、ポリアミド中空糸膜の製造方法。 - 前記ポリマー溶液中のポリアミド樹脂と溶媒の合計質量を100質量部として、脂肪酸アミドの添加量が、0.01〜5.00質量部の範囲にある、請求項5に記載のポリアミド中空糸膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014199283A JP6378995B2 (ja) | 2014-09-29 | 2014-09-29 | ポリアミド中空糸膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014199283A JP6378995B2 (ja) | 2014-09-29 | 2014-09-29 | ポリアミド中空糸膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016068005A JP2016068005A (ja) | 2016-05-09 |
JP6378995B2 true JP6378995B2 (ja) | 2018-08-22 |
Family
ID=55865518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014199283A Active JP6378995B2 (ja) | 2014-09-29 | 2014-09-29 | ポリアミド中空糸膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6378995B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115245746B (zh) * | 2021-04-28 | 2023-08-04 | 天津膜天膜科技股份有限公司 | 膜组件孔径优化方法 |
CN117769455A (zh) | 2021-08-12 | 2024-03-26 | 尤尼吉可株式会社 | 聚酰胺多孔膜和聚酰胺多孔膜的制造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8800783B2 (en) * | 2008-09-30 | 2014-08-12 | Unitika Ltd. | Polyamide hollow fiber membrane, and production method thereof |
JP5389848B2 (ja) * | 2011-03-07 | 2014-01-15 | 株式会社キッツマイクロフィルター | ナイロン中空糸膜モジュール及びその製造方法 |
KR102073447B1 (ko) * | 2012-08-20 | 2020-02-04 | 유니티카 가부시끼가이샤 | 미세 공경 다공질 폴리아미드 중공 사막 및 그 제조 방법 |
-
2014
- 2014-09-29 JP JP2014199283A patent/JP6378995B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016068005A (ja) | 2016-05-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6337067B2 (ja) | 微細孔径多孔質ポリアミド中空糸膜及びその製造方法 | |
JP5305296B2 (ja) | ポリアミド中空糸膜及びその製造方法 | |
KR100991596B1 (ko) | 할라 막 | |
JP6405177B2 (ja) | ポリアミド中空糸膜 | |
JP5293959B2 (ja) | 中空糸膜及びその製造方法 | |
JP6675335B2 (ja) | 有機溶剤耐性を有するポリアミド限外濾過膜、及びその製造方法 | |
TWI472370B (zh) | 中空絲膜的製法 | |
JP5878288B2 (ja) | 高透過性ポリアミド中空糸膜及びその製造方法 | |
JP6105875B2 (ja) | 有機溶剤耐性を有するポリアミド限外濾過膜、及びその製造方法 | |
JP6378995B2 (ja) | ポリアミド中空糸膜 | |
JP6152193B2 (ja) | 有機溶剤耐性を有するポリアミド限外濾過膜、及びその製造方法 | |
JP6591782B2 (ja) | ポリアリレート中空糸膜及び該製造方法並びに該中空糸膜モジュール | |
WO2023017781A1 (ja) | ポリアミド多孔膜及びポリアミド多孔膜の製造方法 | |
JP2010082509A (ja) | 多孔質膜 | |
JP6649779B2 (ja) | 中空糸型半透膜とその製造方法 | |
JP5894687B2 (ja) | 高透過性ポリアミド中空糸膜及びその製造方法 | |
WO2023276614A1 (ja) | 正浸透膜、及びそれを含む正浸透膜モジュール | |
EP4223833A1 (en) | Polyamide porous membrane and method for producing same | |
EP4223394A1 (en) | Nanofiltration membrane and manufacturing method therefor | |
JP2005193192A (ja) | ポリスルホン系多孔膜およびその製造方法 | |
JP2016140802A (ja) | 中空糸型半透膜とその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170818 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180417 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180703 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180730 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6378995 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |