JP6377529B2 - 無電極紫外線放射ランプおよび紫外線処理装置 - Google Patents

無電極紫外線放射ランプおよび紫外線処理装置 Download PDF

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Description

この発明は、高周波電磁界により放電ガスを励起し紫外線を放射させる紫外線放射ランプなどの、放電ガスが封入された気密容器内に電極を備えないいわゆる無電極型の紫外線放射ランプおよびそのランプを用いて被処理物に紫外線を照射し、殺菌、化学反応などの処理を行う紫外線処理装置に関する。
一般に放電ランプでは、放電を開始するために、放電空間内に放電のきっかけとなる電子が存在する必要がある。この初期電子が電界で加速され、放電空間内のガス原子を電離して放電が開始する。放電ランプが暗黒中に置かれるなど、この初期電子が存在しない場合には、宇宙線や大地からの放射線が放電空間内のガス原子を電離して、初期電子源として発生してくるまで待つ必要があり、長い場合には数十秒から数分の間、放電が開始しないこともある。そのため、安定器によっては無負荷と判断して電力供給を自動停止することもあり、放電ランプがまったく点灯しないなどの不具合が生じる。
放電ガスが封入された気密容器内にフィラメントなどの電極を有する放電ランプの場合は、この始動時の問題を解決することは比較的容易である。電極を構成する材料である「エミッター」と呼ばれる仕事関数の低い材料を電極に塗布することが従来より行われている。極微量の光があれば仕事関数の低い材料の塗布層から光電子の放出が行われ、あるいはフィラメント式電極では予熱によって熱電子が放出され、これらにより電子が供給され、その電子が放電のきっかけとなる初期電子として働き、電源供給後速やかに放電が開始し、それが持続される。
これに対して、いわゆる無電極型の放電ランプでは、電磁界誘導によって放電ガスを励起することから、電極を有することがないため、初期電子を供給する「エミッター」を導入することはできず、宇宙線や大地からの放射線によって初期電子が形成されてくるまで待たなければならないという始動時の問題を解決することは困難な課題となっている。
なお、ここで、無電極紫外線放射ランプは、放電ガスが封入された気密容器内に電極を備えない紫外線放射ランプを指すものとし、放電ガスが封入された気密容器外部に励起コイルを備え、この励起コイルからの高周波電磁界により放電ガスを励起し紫外線を放射させる紫外線放射ランプや、放電ガスが封入された気密容器外壁に設けた2枚の電極間に高周波電圧を印加して容器を形成する誘電体を介して容器内部に高周波電界を生起し放電ガス中で放電(誘電体バリア放電)を発生させて紫外線を放射させる、エキシマランプなどと呼ばれる紫外線放射ランプ等を含むものとする。
この困難な課題に対処するべく、初期電子を供給する技術が従来よりいくつか提案されている。たとえば、下記特許文献1によれば、略電球形状に形成され内部に放電ガスが封入された気密容器にくぼみ部を設けて、このくぼみ部に励起コイルを挿入し、この励起コイルに高周波電流を流し、それによって生じる電界により放電ガスを励起する無電極放射ランプにおいて、上記のくぼみ部のガス封入側の内側面に導電膜を設けている。この導電膜は励起コイルの近傍に設けられているため、励起コイルの両端と導電膜との間に強電界が生じ、初期電子が増加しやすくなって、放電の開始が容易になる。
また、下記特許文献2では、上記特許文献1に記載された無電極放電ランプと同様の構成の無電極放電ランプにおいて、ランプの点灯始動時の初期電子を放出するための始動用光源を備えるようにしている。そして、この始動用光源の構成を簡単にするため、始動用光源を、発光素子と導体とによる閉ループで構成し、この閉ループを、励起コイルが発生する磁界と鎖交するよう配置して、励起コイルが発生する磁界によって閉ループに誘導電流を生じさせて発光素子を発光せしめ、初期電子を放出しやすくしている。
下記特許文献3では、放電ガスが封入された気密容器内壁面に、平均粒径が0.05〜1μmのα−アルミナ被層を形成しその上に蛍光体層を形成するか、あるいは上記のα−アルミナを混合した蛍光体層を形成するようにしている。このようなα−アルミナ被層(あるいはα−アルミナを混合した蛍光体層)は、常温で暗黒中でも常時、気密容器内に電子を放出しているので、放電のきっかけとなる電子が常に供給されることになって、このランプが暗黒中にあって外部光がなかったり、周囲が宇宙線から遮断された環境下であっても、速やかに点灯させることができる。
特開2005−183316号公報(第4頁、図1) 特開2005−56803号公報(第3〜5頁、図1、図2、図4) 特開平6−163002号公報(第3頁、図1)
しかしながら、上記特許文献1のように、ランプの気密容器内側面に導電膜を設ける場合には、この導電膜に水銀が付着して早期に黒化し、出力低下や水銀消耗によるランプ寿命の短縮化などの問題が生じる。また、導電膜によって多少なりとも消費電力が増大し、効率が低下する。
上記特許文献2のように、発光素子と導体とによって構成された閉ループを配置する場合には、そのような閉ループを設けなければならないこと自体、構成が複雑化することを意味する。さらに発光素子での電力消費により効率が低下することも無視できない。
さらに、上記特許文献3では、放電ガスが封入された気密容器内壁面にα−アルミナ含有層を形成しているが、この放電ランプは有電極型の放電ランプであって、このようなα−アルミナ含有層を気密容器内壁面に形成する技術を無電極型の紫外線放射ランプに適用して効率良好に初期電子源を供給することは難しい。
この発明は、上記に鑑み、黒化などが生じることがなく、したがってそれによる短寿命化とも無縁で、しかも消費電力が増大することがなく、構成簡単で、効果的に初期電子源を供給することにより、暗黒中に配置された場合でも短時間で確実に始動することができるように改善した、無電極紫外線放射ランプを提供するとともに、そのランプを用いた紫外線処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、放電ガスが封入された気密容器と、該気密容器の外部に設けられて該気密容器中に放電を発生させる放電発生手段とを備える無電極紫外線放射ランプにおいて、前記放電発生手段は、フェライトコアと、該フェライトコアに巻回された励起コイルを含み、該励起コイルに高周波電流を流すことにより前記気密容器内の前記放電ガスを励起するように構成されてなり、上記気密容器の内壁面の少なくとも一部に形成された絶縁性の酸化金属微粒子膜からなる初期電子源を有し、放電開始時に該絶縁性の酸化金属微粒子膜から電子が放出されることにより、該放出された電子をきっかけとして放電が開始されることを特徴とする無電極紫外線放射ランプを提供する。
一実施例において、上記の絶縁性酸化金属微粒子膜は、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテリビウム、ルテチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオビウムのうちの少なくとも一種の金属の酸化物微粒子、あるいは複数種の金属の酸化物微粒子の混合物で構成することができる。
一実施例において、上記の絶縁性酸化金属微粒子膜は、その塗布前のスラリー状態において、最頻出現粒径が0.05μm以下である酸化金属微粒子により、形成するようにしてもよい。
一実施例において、上記の絶縁性酸化金属微粒子膜は、その塗布前のスラリー状態において、最頻出現粒径が0.05μm以下かつ0.01μm以上である酸化金属微粒子により、形成するようにしてもよい。
一実施例において、上記の絶縁性酸化金属微粒子膜は、気密容器内壁面の、放電発生手段に対応する領域に形成するようにしてもよい。
一実施例において、上記の絶縁性酸化金属微粒子膜は、気密容器内壁面の全体にわたって形成するようにしてもよい。
さらに、一実施例において、上記気密容器内壁面に形成された絶縁性の酸化金属粒子膜を有する上記無電極紫外線放射ランプと、該ランプからの紫外線がその内部の被処理物に照射されるよう上記のランプが配置された被処理物容器とから紫外線処理装置を構成することもできる。
この発明によれば、放電ガスが封入された気密容器と、該気密容器の外部に設けられて該気密容器中に放電を発生させる放電発生手段とを備える無電極紫外線放射ランプにおいて、上記気密容器の内壁面の少なくとも一部に形成された絶縁性の酸化金属微粒子膜からなる初期電子源を有し、放電開始時に該絶縁性の酸化金属微粒子膜から電子が放出されることにより、該放出された電子をきっかけとして放電が開始されるようにしたので、効率よく初期電子源が形成され、放電をすみやかに開始させることができ、かつ、暗黒中でも短時間で確実に始動できることになる。加えて、この絶縁性酸化金属微粒子膜は真空紫外線を吸収するため、石英ガラス等の気密容器の構成材料や励起コイルを形成する材料の真空紫外線照射による劣化を防止して長寿命とすることができる。また、初期電子源として、構成が簡単であり、消費電力を増大させる要素にもならない。このように効果的に初期電子源を供給でき、ランプを暗黒中に配置しても短時間で確実に始動することができる、長寿命かつ低消費電力しかも構成簡単な無電極紫外線放射ランプを提供することができる。
この発明にかかる無電極紫外線放射ランプの一実施例の一部を断面して示す側面図である。 この発明にかかる無電極紫外線放射ランプの他の実施例を概略的に示す斜視図である。 この発明にかかる無電極紫外線放射ランプのさらに別の実施例を概略的に示す斜視図である。 この発明にかかる紫外線処理装置の一実施例を概略的に示す斜視図である。 紫外線処理装置の同実施例を正面から見た概略的な正面図である。 この発明にかかる紫外線処理装置の他の実施例を概略的に示す斜視図である。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例にかかる無電極紫外線放射ランプを示すものである。無電極紫外線放射ランプ10は、図1に示すように、放電ガスを封入した気密容器11を有する。この気密容器11は、石英ガラスにより略円筒状に形成されているが、その一端(図では下端)から内方(図では上方)にくぼんでいるくぼみ部12が設けられている。このくぼみ部12に、下方から上方へと挿入するよう棒状フェライトコア14が配置される。この棒状フェライトコア14には、励起コイル15が巻回されており、その基部(下端部)にフェライトコア14の熱を放散するための放熱フィン16が取り付けられている。
この実施例では、放電ガスとして、気密容器11内にアルゴン、ネオンなどの混合希ガスと水銀アマルガムが封入されている。そして、気密容器11の内壁面全面にわたって酸化ジルコニウムの微粒子よりなる絶縁性酸化金属微粒子膜13が形成されている。
この絶縁性酸化金属微粒子膜13は、粒径の小さな酸化ジルコニウムのスラリーを塗布して形成される。なお、スラリーとは微粒子を水もしくは有機溶媒中に均一分散させた液体状の材料である。ここでは、塗布前のスラリー状態における酸化ジルコニウム微粒子の粒径分布が0.005μmから0.1μmの間にあり、粒径の最頻出現粒径(最大分布粒径)は0.01μmから0.05μmの間に存在するスラリーを用いる。このような材料は、たとえば、Physical Vapor Synthesis法で作られる、シーアイ化成株式会社の"ナノテック(NanoTek)"(登録商標)超微粒子マテリアルとして入手可能である。この酸化ジルコニウムのスラリーを気密容器11の内壁面に塗布した後、酸素を吹き込みながら、溶媒を焼成して酸化させることで、微粒子のみの膜を内壁面に形成することができる。
この無電極紫外線放射ランプ10において、励起コイル15に高周波電流を流して気密容器11内の放電ガスを励起し放電を開始させると紫外線が放射されることになる。このように励起コイル15とフェライトコア14とにより気密容器11内に放電を発生させるため、これら励起コイル15とフェライトコア14とが放電発生手段に相当する。
その放電開始時に、気密容器11の内壁面全面に形成された絶縁性酸化金属微粒子膜13より電子が放出され、この放出電子が放電のきっかけとなり、速やかに放電が開始する。この絶縁性酸化金属微粒子膜13から電子が放出されるメカニズムはかならずしも明確ではないが、その微粒子を構成する結晶構造が、前回の放電時に機械的なダメージを受け、結晶構造中に歪などが形成され、そのダメージや歪が消失し結晶構造が回復するときにexo電子(エキソ電子)と呼ばれる電子を放出するというものであると考えられる。あるいは、前回の放電により形成されたプラズマからの帯電粒子が気密容器11の内壁面上の絶縁性酸化金属微粒子膜13の微粒子表面に付着し、その微粒子を帯電させ、つぎの始動時に印加される磁界により電子が放出される、とも考えられる。
いずれにしても、このような現象は、気密容器11の内壁面上の金属微粒子膜13が導電性である場合には、電子が流動して消失するため、発生することが難しくなり、初期電子源として有効に機能することができない。また、この電子放出現象では、微粒子の径が小さいほど膜13を形成する層の表面積が大きくなるため、初期電子源を蓄え放出する能力は高くなる。そのため、微粒子径は小さければ小さいほどよい、と一応いえる。
一方、膜13の微粒子結晶構造にダメージを与え歪を形成したり電子を微粒子上に保持したりする能力は、吸収される紫外線量が多いほど高まることは容易に推測できる。紫外線を吸収する能力は、微粒子を構成する材料の仕事関数で決まるが、その他にこの遮断能力を左右するものとして膜13を構成する金属微粒子の表面長さがある。この微粒子の表面長さが真空紫外線の波長前後であれば、その紫外線が効果的に酸化金属微粒子に捕捉されて遮断効果を高めたり、散乱したりする。そのため、たとえば波長185nmの望ましくない真空紫外線によってダメージ等が与えられるものとすると、膜13を形成する微粒子の直径は約60nm(≒185nm/π)つまり0.06μm程度となる。しかし、実際の酸化金属微粒子は完全な球形ではなく、凹凸を有する場合が多いので、微粒子径はそれよりもやや小さいほうがよい。このような観点から、膜13を構成する金属微粒子の最頻出現粒径あるいは平均粒径は0.05μm以下が望ましいことになる。
このように求められる金属微粒子の粒径は、金属微粒子膜13を気密容器11の内壁面に形成した後で確認することが難しいことから、塗布前のスラリー状態での最頻出現粒径(最大分布粒径)で規定するものとする。
さらに、この絶縁性酸化金属微粒子膜13は、石英ガラスにより形成される気密容器11を保護する役割も担う。水銀が放射する波長185nmの真空紫外線や、エキシマランプと呼ばれるキセノンガスを用いた誘電体バリア放電からの波長172nmの真空紫外線が石英ガラスに照射されると、石英を構成する酸化シリコン結合が切断され、微細クラックが生じて、ついにはガラスの破壊に至る現象が生じる。そのため、これらエキシマランプや紫外線放射ランプでは石英ガラスよりなる気密容器を保護するためにこれらの真空紫外線を除去することが望ましいことになる。上記のとおり、この絶縁性酸化金属微粒子膜13は、真空紫外線を効果的に遮断するので、石英ガラスよりなる気密容器11を保護することができる。
この保護効果を高めるための膜13の金属粒子粒径は、塗布前のスラリー状態において、最頻出現粒径が0.05μm以下でかつ0.01μm以上であることが望ましい。金属微粒子の表面長さが遮断すべき真空紫外線の波長程度である場合にその遮断効果が高められるが、実際の微粒子は凹凸を有していて完全な球形でないためその微粒子の直径は上記の波長に応じた値よりやや小さいものとすべきであることは前述したとおりであって、その観点から上記のように最頻出現粒径が0.05μm以下でかつ0.01μm以上としている。
このような微粒子径とされた、真空紫外線の吸収機能のある絶縁性酸化金属微粒子膜13を気密容器11の内壁面の全面に形成したことにより、気密容器11を形成する石英ガラスが真空紫外線で劣化し、微細クラックを生じてついには破壊に至ることを効果的に防止できる。
なお、このように絶縁性酸化金属微粒子膜13を気密容器11の内壁面の全面に形成すれば、石英ガラスよりなる気密容器11の長寿命化を図ることができるが、単に初期電子源としてのみ用いる場合には気密容器11の内壁面の一部にのみ形成してもよいことはもちろんである。膜13を気密容器11の内壁面の一部に形成する場合、励起コイル15に対応する部分に設ければ、励起コイル15を構成する材料の真空紫外線による劣化を防止でき、励起コイル15の長寿命化を図ることができる。
この実施例では酸化ジルコニウムの微粒子を塗布することによって絶縁性酸化金属微粒子膜13を形成したが、これに限定されるものではない。絶縁性酸化金属微粒子を構成する金属は、周期律表において、希土類金属であるランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテリビウム、ルテチウムあるいはその近傍に存在する、イットリウム、ジルコニウム、ニオビウム、から選ぶことができる。あるいはこれらの混合物でもよい。
また、本発明は、図1に示した無電極紫外線放射ランプ10だけでなく、他の構成の無電極紫外線放射ランプにも適用可能である。そのいくつかの例を図2、図3に示す。
図2には、同心円筒状無電極紫外線放射ランプ20が示されており、この図2において、放電ガスが封入される石英ガラスからなる気密容器21は円筒状に形成されていて、この円筒状気密容器21と同心となるよう円筒状の貫通部22が形成されている。この貫通部22を貫通するよう、その周囲に励起コイル24がスパイラル状に巻回された円柱状フェライトコア23が同心状に挿入されている。このように構成される同心円筒状無電極紫外線放射ランプ20において、円筒状の貫通部22を有する円筒状気密容器21の内壁面の全面または一部の面に絶縁性酸化金属微粒子膜(図では省略)が形成される。
図3には、図2に示したものと同様の同心円筒状無電極紫外線放射ランプ30が示されている。この図3に示した同心円筒状無電極紫外線放射ランプ30では、放電ガスが封入される石英ガラスからなる気密容器31が円筒状に形成され、この円筒状気密容器31と同心となるよう円筒状の貫通部32が設けられ、この貫通部32を貫通するように円柱状フェライトコア33が同心状に挿入されており、これらについては図2の同心円筒状無電極紫外線放射ランプ20と変わりがないが、励起コイル34が、円柱状フェライトコア33の周囲ではなく、円筒状の気密容器31の外周囲に、スパイラル状に巻回されている点が異なっている。この同心円筒状無電極紫外線放射ランプ30において、円筒状の貫通部32を有する円筒状気密容器31の内壁面の全面または一部の面に絶縁性酸化金属微粒子膜(図では省略)が形成される。
このようにして形成される各無電極紫外線放射ランプを用いて紫外線処理装置を構成することができる。この紫外線処理装置は、無電極紫外線放射ランプから放射される紫外線を被処理物に照射し、被処理物の殺菌あるいは他の化学反応等の処理を行うものである。上記のような無電極紫外線放射ランプを用いて紫外線処理装置を構成することにより、ランプをオンしてから被処理物に紫外線照射するまでの時間を短縮することができるため、とくに紫外線照射のオン・オフを繰り返す用途では処理の時間効率を向上させることができる。また、紫外線照射のための消費電力を低減することができるとともに、上記の無電極紫外線放射ランプは長寿命であるため、ランプ交換頻度を少なくすることもできる。
つぎに、上記のような無電極紫外線放射ランプを用いた紫外線処理装置の実施例について説明する。図4、図5に示される紫外線処理装置50では、複数個のリング状無電極紫外線放射ランプ40が用いられている。このリング状無電極紫外線放射ランプ40は、上では述べていないリング状の形態をとっている。このリング状無電極紫外線放射ランプ40は、石英ガラスによりリング状に形成された気密容器41と、このリング状気密容器41を取り囲むように取り付けられたリング状のフェライトコア42とを有して構成される。気密容器41内には、図1の無電極紫外線放射ランプ10と同様に、たとえば、アルゴン、ネオンなどの混合希ガスと水銀アマルガムよりなる放電ガスが封入されている。そして、図では省略しているが、気密容器41の内壁面の全面または一部の面に酸化ジルコニウム等の微粒子よりなる絶縁性酸化金属微粒子膜が形成されていることも図1と同様である。
リング状のフェライトコア42には、励起コイル(図示を省略)が巻回されており、この励起コイルに高周波電流を流すことにより、リング状気密容器41内に高周波磁界が形成されて、それによって誘導される起電力によって、気密容器41内の放電ガスが励起され、紫外線が放射される。
この複数個のリング状無電極紫外線放射ランプ40は、被処理流体が図4では左右方向に流通させられる円筒状の水流管51を取り囲むように取り付けられている。この水流管51および複数個のリング状無電極紫外線放射ランプ40を囲むように保護容器52が設けられており、この保護容器52により水流管51およびランプ40が覆われて保護されている。
こうして構成される紫外線処理装置50において、水流管51を囲むようにリング状のランプ40が設けられて水流管51の内部に紫外線が照射されるので、水流管51中を流れる被処理流体に紫外線が効率よく照射され、被処理流体の殺菌等の処理が行われる。
図6に示す紫外線照射装置60では、図2で示した同心円状無電極紫外線放射ランプ20が用いられる。この紫外線照射装置60では、円筒状の被処理物容器61内に2本の同心円状無電極紫外線放射ランプ20が配置されており、この円筒状の被処理物容器61は両端が水密に閉鎖され、流体状の被処理物の流入口62と流出口63とが設けられている。
なお、ここでは図2で示した同心円状無電極紫外線放射ランプ20を用いているが、図3で示した同心円状無電極紫外線放射ランプ30を用いることができることはもちろんである。
この紫外線処理装置60において、流体状の被処理物は流入口62から被処理物容器61中に流入し、円筒状の被処理物容器61をその長さ方向に、図では右方向に流れて流出口63から流出していく。その流れる方向に細長い紫外線放射ランプ20が配置されて、ランプ20の周囲より紫外線が放射されるため、被処理物容器61中を流れていく流体状の被処理物に対して満遍なく紫外線を照射することができ、処理効率を高めることができる。
以上、無電極紫外線放射ランプおよびそれを用いた紫外線処理装置の実施例について説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されることがないことはもちろんである。無電極紫外線放電ランプとしては上記のいくつかの形状のものだけに限らないし、放電ガスとして封入するガスは、上記のものに限らず、水銀を用いた無電極紫外線放電ランプの場合には、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガス単体、もしくはこれらの混合ガスでもよく、また水銀担持体としては、水銀単体、あるいは水銀と他の金属との合金であるアマルガムでもよい。
他にエキシマランプ等と呼ばれる無電極紫外線放射ランプなどにも本発明を適用することができる。このエキシマランプ等と呼ばれる無電極紫外線放射ランプでは、放電ガスが封入された気密容器外壁に設けた2枚の電極間に高周波電圧を印加して容器を形成する誘電体を介して容器内部に高周波電界を生起し放電ガス中で放電(誘電体バリア放電)を発生させて紫外線を放射させるので、これら気密容器外壁に設けた2枚の電極が放電発生手段に相当することになる。このエキシマランプ等では、放電ガスとして、気密容器内にキセノンやクリプトンなどの希ガスのみ封入し、あるいはハロゲンガスと希ガスの混合ガスを封入してもよい。
これら無電極紫外線放射ランプを用いた紫外線処理装置としては、上記図4ないし図6に示した構成のものだけでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の構成を採用することができる。

Claims (7)

  1. 放電ガスが封入された気密容器と、該気密容器の外部に設けられて該気密容器中に放電を発生させる放電発生手段とを備える無電極紫外線放射ランプにおいて、
    前記放電発生手段は、フェライトコアと、該フェライトコアに巻回された励起コイルを含み、該励起コイルに高周波電流を流すことにより前記気密容器内の前記放電ガスを励起するように構成されてなり、
    上記気密容器の内壁面の少なくとも一部に形成された絶縁性の酸化金属微粒子膜からなる初期電子源を有し、放電開始時に該絶縁性の酸化金属微粒子膜から電子が放出されることにより、該放出された電子をきっかけとして放電が開始されることを特徴とする無電極紫外線放射ランプ。
  2. 上記の絶縁性酸化金属微粒子膜は、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテリビウム、ルテチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオビウムのうちの少なくとも一種の金属の酸化物微粒子、あるいは複数種の金属の酸化物微粒子の混合物で構成されていることを特徴とする請求項1記載の無電極紫外線放射ランプ。
  3. 上記の絶縁性酸化金属微粒子膜は、その塗布前のスラリー状態において、最頻出現粒径が0.05μm以下かつ0.01μm以上である酸化金属微粒子により形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の無電極紫外線放射ランプ。
  4. 上記の絶縁性酸化金属微粒子膜は、気密容器内壁面の、放電発生手段に対応する領域に形成されたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の無電極紫外線放射ランプ。
  5. 上記の絶縁性酸化金属微粒子膜は、気密容器内壁面の全体にわたって形成されたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の無電極紫外線放射ランプ。
  6. 前記気密容器は、略円筒状、同心円筒状及びリング状から選ばれたいずれか1つの形状からなる放電空間を形成していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の無電極紫外線放射ランプ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の無電極紫外線放射ランプと、該ランプからの紫外線がその内部の被処理物に照射されるよう上記のランプが配置された被処理物容器とからなる紫外線処理装置。
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