JP6376967B2 - 沸騰伝熱部材およびこれを用いた沸騰冷却装置 - Google Patents

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Description

この発明は、沸騰伝熱部材、およびこれを用いるとともに冷媒の相変化を利用して発熱体を冷却する沸騰冷却装置に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
たとえば、半導体素子や、半導体素子およびその制御回路が一体化されたパワー半導体モジュールを冷却する冷却装置として、冷媒の相変化を利用して発熱体を冷却する沸騰冷却装置を用いることが考えられている。
この種の沸騰冷却装置として、底壁外面または側壁外面に発熱体取付部が設けられかつ外部からの熱を受ける中空状受熱部、外部に熱を放出する中空状放熱部、および受熱部内と放熱部内とを通じさせる冷媒流通部を有する冷媒封入体と、冷媒封入体内に封入されて受熱部に液相状態で貯留されており、かつ相変化により潜熱として熱を輸送する冷媒とを備えた沸騰冷却装置が知られている(特許文献1参照)。
ところで、特許文献1記載の沸騰冷却装置において、受熱部の発熱体取付部が設けられた壁の内面に、受熱部内方を向いた種々の形式の沸騰伝熱面を有する沸騰伝熱部材を設けることが考えられている。
当該沸騰伝熱部材の1つとして、板状金属素材の片面に高エネルギービームを照射することにより多数の穴を形成する方法によって製造され、かつ片面に多数の穴を有する沸騰伝熱面が設けられた板状沸騰伝熱部材が知られている(特許文献2参照)。特許文献2記載の沸騰伝熱部材は、高エネルギービームの1度の照射で1つの穴が形成されている。
しかしながら、最近では発熱体からの発熱密度が高くなっており、特許文献2記載の沸騰伝熱部材を用いた沸騰冷却装置においても、発熱体の冷却効率が不足するおそれがある。
特開2010−196912号公報 特開2012−13396号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、発熱体の冷却効率を向上しうる沸騰伝熱部材およびこれを用いた沸騰冷却装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)全体が金属材料により一体に形成され、金属材料表面にレーザビームが照射されることによって、相変化により熱を輸送する液相冷媒中に浸漬される沸騰伝熱面が設けられており、沸騰伝熱面が、内周面が粗面となっている複数の穴、および各穴の開口の周囲に形成された環状***部を有し、環状***部が、レーザービームが照射されることにより発生した溶融金属の液滴が飛散して穴の周囲に付着し、これが凝固するとともに堆積することにより形成されており、表面が粗面となっている沸騰伝熱部材。
2)環状***部の***高さが、穴の深さの10%以上である上記1)記載の沸騰伝熱部材。
3)沸騰伝熱面が、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルおよびハイドロフルオロオレフィンのうちの1種からなる冷媒中に浸漬されるようになっており、沸騰伝熱面に形成された穴が底から開口に向かって徐々に大きくなり、当該穴の開口部の径である穴径、近接した2つの穴のピッチおよび穴の深さが、それぞれ300〜700μmである上記1)または2)記載の沸騰伝熱部材。
4)全穴の穴径が、全穴の穴径の平均値に対して±10%の範囲内にある上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の沸騰伝熱部材。
5)すべての穴が行列状に並んで形成され、各行および各列において、穴径の大きな大穴と穴径の小さな***とが交互に形成されており、全***の穴径の平均値が、全大穴の穴径の平均値の50%以下である上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の沸騰伝熱部材。
6)外部からの熱を受ける中空状受熱部、受熱部の上方に設けられ、かつ外部に熱を放出する中空状放熱部、および受熱部内と放熱部内とを通じさせる冷媒流通部を有する冷媒封入体と、冷媒封入体内に封入されて受熱部に液相状態で貯留されており、かつ相変化により潜熱として熱を輸送する冷媒とを備えた沸騰冷却装置において、
受熱部の底壁外面または側壁外面に発熱体取付部が設けられ、受熱部の底壁または側壁における発熱体取付部に取り付けられた発熱体から発せられる熱を受ける部分に、上記1)〜5)のうちのいずれかに記載された沸騰伝熱部材が、沸騰伝熱面が受熱部内方を向きかつ受熱部内の液相冷媒中に浸漬されるように配置されている沸騰冷却装置。
7)冷媒封入体が、受熱部、放熱部および冷媒流通部を含めて全体が一体に設けられており、放熱部内に、冷却流体を冷媒封入体の外部から供給するとともに冷媒封入体の外部に戻す冷却流体循環管が配置されている上記6)記載の沸騰冷却装置。
上記1)〜5)の沸騰伝熱部材によれば、全体が金属材料により一体に形成され、金属材料表面にレーザビームが照射されることによって、相変化により熱を輸送する液相冷媒中に浸漬される沸騰伝熱面が設けられており、沸騰伝熱面が、内周面が粗面となっている複数の穴、および各穴の開口の周囲に形成された環状***部を有し、環状***部が、レーザービームが照射されることにより発生した溶融金属の液滴が飛散して穴の周囲に付着し、これが凝固するとともに堆積することにより形成されており、表面が粗面となっているので、伝熱面積が増大するとともに、穴の内周面および環状***部の表面において沸騰が起こり、気泡の発生率が向上する。しかも、環状***部の働きによって、沸騰伝熱面の表面が蒸気膜で覆われにくくなるので、バーンアウトの発生を遅らせることができる。したがって、沸騰伝熱部材を用いた沸騰冷却装置における発熱体の冷却効率が向上する。
上記2)の沸騰伝熱部材によれば、環状***部の表面における沸騰が効果的に起こり、気泡の発生率が向上するとともに、バーンアウトの発生を効果的に遅らせることができる。
上記3)の沸騰伝熱部材によれば、沸騰伝熱面に形成された穴が底から開口に向かって徐々に大きくなっているので、穴内で発生した気泡の穴内からの排出が効果的に行われ、冷却効率が向上する。特に、沸騰伝熱面が、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルおよびハイドロフルオロオレフィンのうちの1種からなる冷媒中に浸漬されるようになっている場合、沸騰伝熱面に形成された穴が底から開口に向かって徐々に大きくなっており、しかも穴の開口部の径である穴径、隣り合う2つの穴のピッチおよび穴の深さが、それぞれ300〜700μmであると、気泡の発生率が向上し、冷却効率が向上する。
上記6)および7)の沸騰冷却装置によれば、冷媒封入体の受熱部の発熱体取付部に取り付けられた発熱体から発せられる熱が沸騰伝熱部材に伝わり、沸騰伝熱面において液相冷媒が沸騰気化してガス状になって気泡が発生し、液相冷媒中に放出される。液相冷媒中に放出されたガス状冷媒からなる気泡は液相冷媒中を上昇し、冷媒封入体の冷媒流通部を経て放熱部に至り、放熱部において放熱して再液化し、冷媒流通部を経て受熱部に戻る。このような動作を繰り返すことによって、発熱体から発せられる熱が、冷媒により潜熱として放熱部に輸送され、放熱部から放熱される。したがって、 相変化を伴う冷媒の循環がスムーズに行われることになり、冷却効果が向上する。
この発明の実施形態の沸騰伝熱部材の沸騰伝熱面を模式的に示す部分拡大平面図である。 図1のA−A線拡大図である。 図1の沸騰伝熱部材の沸騰伝熱面を示す平面から見た写真である。 図1の沸騰伝熱部材の沸騰伝熱面に形成された穴および環状突起を拡大して示す沸騰伝熱部材の厚み方向に切断した写真である。 この発明の沸騰伝熱部材を用いた沸騰冷却装置を概略的に示す垂直断面図である。 実施例の沸騰伝熱部材をつくる際の各穴の形成時におけるレーザビームの照射方法を示す説明図である。 実施例、比較例1および比較例2の結果を示すグラフである。 この発明の他の実施形態の沸騰伝熱部材の沸騰伝熱面を模式的に示す部分拡大平面図である。 図8の沸騰伝熱部材の沸騰伝熱面を示す平面から見た写真である。 この発明の沸騰伝熱部材を用いた沸騰冷却装置の変形例を概略的に示す垂直断面図である。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、以下の説明において、「銅」という用語には、純銅の他に銅合金を含むものとする。
なお、全図面を通じて同一物および同一部分には同一符号を付す。
図1および図2はこの発明の沸騰伝熱部材の実施形態を模式的に示す。図3および図4は沸騰伝熱部材を具体的に示す写真である。また、図5はこの発明の沸騰伝熱部材を用いた沸騰冷却装置の全体構成を概略的に示す。
図1および図2において、沸騰伝熱部材(1)は全体がJIS A1100、JIS A3003などのアルミニウム、銅(銅合金を含む)などの金属材料により一体に形成された板状であり、板状本体(2)の片面にレーザビームが照射されることによって、相変化により熱を輸送する液相冷媒中に浸漬される沸騰伝熱面(3)が設けられている。沸騰伝熱面(3)には、複数の穴(4)および各穴(4)の開口の周囲に形成された環状***部(5)が行列状に縦横に並んで設けられている。複数の穴(4)および各穴(4)の開口の周囲に形成された環状***部(5)は千鳥配置状に設けられていてもよい。
各穴(4)は、底(下端部)から開口(上端部)に向かって徐々に大きくなっており、穴(4)の内周面は粗面となっていて微細な凹凸が存在している(図3および図4参照)。沸騰伝熱面(3)が、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルおよびハイドロフルオロオレフィンのうちの1種からなる冷媒中に浸漬されるようになっている場合、各穴(4)の開口部の径である穴径(D)、近接した2つの穴(4)のピッチ(P)および穴(4)の深さ(d)は、それぞれ300〜700μmであることが好ましい。全穴(4)の穴径は、全穴(4)の穴径の平均値に対して±10%の範囲内にあることが好ましい。
ここで、穴(4)の開口は円形でないことが多いので、「穴径」という語は、穴(4)の開口部の面積を、この面積と等しい円の直径で表した円相当径を意味するものとする。
環状***部(5)は、アルミニウム製板状素材に高エネルギービームを照射することにより発生した溶融アルミニウムの液滴が飛散して穴(4)の周囲に付着し、これが凝固するとともに堆積することによって形成されており、その表面が粗面となっていて微細な凹凸が存在している(図3および図4参照)。環状***部(5)の***高さ(h)は、穴(4)の深さ(d)の10%以上であることが好ましい。
また、この発明の沸騰伝熱部材は、全体が板状のものに限るものではなく、たとえばベース板の片面に複数の放熱フィンが並列状に一体に形成されたヒートシンクのような形状のものでもよい。この場合、放熱フィンの表面に沸騰伝熱面が形成される。
図5は、この発明の沸騰伝熱部材を用いた沸騰冷却装置の全体構成を概略的に示す。
図5において、沸騰冷却装置(10)は、外部からの熱を受ける中空状受熱部(12)、外部に熱を放出する中空状放熱部(13)、および受熱部(12)内と放熱部(13)内とを通じさせる冷媒流通部(14)を有するアルミニウム製の冷媒封入体(11)と、冷媒封入体(11)内に封入されて受熱部(12)に液相状態で貯留されており、かつ相変化により潜熱として熱を輸送する冷媒(15)とを備えている。冷媒(15)は、たとえばハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルおよびハイドロフルオロオレフィンのうちの1種からなり、冷媒封入体(11)内を真空状態にして封入されている。
冷媒封入体(11)の受熱部(12)、放熱部(13)および冷媒流通部(14)は、全体がアルミニウム製ケーシングに設けられており、冷媒封入体(11)の受熱部(12)の底壁(12a)外面に発熱体取付部(16)が設けられている。すなわち、受熱部(12)の底壁(12a)に開口(17)が形成され、沸騰伝熱面(3)が開口(17)を通して受熱部(12)内に臨むとともに開口(17)を液密状に塞ぐように、沸騰伝熱部材(1)が受熱部(12)の底壁(12a)に固定されており、沸騰伝熱部材(1)の外面が発熱体取付部(16)となっている。発熱体取付部(16)に銅製(銅合金製も含む)のヒートスプレッダ(18)が図示しない熱伝導性グリスを介して取り付けられ、ヒートスプレッダ(19)の下面に、たとえば半導体素子からなるパワーデバイスを備えたパワーモジュールなどからなる発熱体(T)が、図示しない熱伝導性グリスを介して取り付けられるようになっている。また、冷媒封入体(11)の放熱部(13)内に、液相または気相の冷却流体を冷媒封入体(11)の外部から供給するとともに冷媒封入体(11)の外部に戻す冷却流体循環管(19)が配置されている。
上記実施形態においては、沸騰伝熱部材(1)が用いられる沸騰冷却装置(1)の冷媒封入体(11)は、受熱部(12)、放熱部(13)および冷媒流通部(14)を含めて全体がアルミニウムにより直方体状に形成されているが、これに限定されるものではなく、別個に設けられた受熱部と放熱部とが冷媒流通部によって通じさせられることによって冷媒封入体が形成されていてもよい。
上述した沸騰冷却装置(10)において、発熱体(T)から発せられる熱が、ヒートスプレッダ(16)および沸騰伝熱部材(1)を経て受熱部(12)内の冷媒に伝わり、沸騰伝熱部材(1)の板状本体(2)の沸騰伝熱面(3)に触れている部分において、液相冷媒が沸騰気化してガス状になり、沸騰伝熱面(3)に気泡が発生して液相冷媒(15)中に放出される。液相冷媒(15)中に放出されたガス状冷媒からなる気泡は液相冷媒(15)中を上昇し、冷媒封入体(11)の冷媒流通部(14)を経て放熱部(13)に至り、放熱部(13)において冷却流体循環管(19)内を流れる冷却流体に放熱して再液化し、冷媒流通部(13)を経て受熱部(12)に戻る。このような動作を繰り返すことによって、発熱体(T)から発せられる熱が、冷媒により潜熱として放熱部(13)に輸送され、放熱部(13)から放熱される。したがって、 相変化を伴う冷媒の循環がスムーズに行われることになり、冷却効果が向上する。
次に、上述した沸騰冷却装置(10)を用いて行った実施例について、比較例とともに説明する。
実施例
長さ80mm、幅40mm、厚み2mmのJIS A1100製板状金属材料の片面に、レーザビームを照射して穴(4)および環状***部(5)を有する沸騰伝熱面(3)を設けることによって沸騰伝熱部材(1)をつくった。すなわち、直径500μmである円形照射範囲(R)(図6参照)が行列状となるように縦横に並びかつ近接した2つの円形照射範囲(R)の中心間の距離であるピッチが700μmとなるように設定し、各円形照射範囲(R)にレーザビームを照射した。照射条件は、レーザビームの出力電流28A、周波数50kHz、スピード300mm/sとし、図6に示すように、円形照射範囲(R)において、外周縁から幅60μmの部分(直径380μmまでの部分)を20μmのピッチで4周照射した後、残りの直径380μmの部分を20μmのピッチで縦横に格子状に照射するという操作を3回繰り返すことによって、複数の穴(4)および環状***部(5)を形成した。
比較例1
実施例と同様にして複数の穴(4)および環状***部(5)を形成した後、環状***部(5)を取り去って沸騰伝熱部材をつくった。
比較例2
穴(4)も環状***部(5)も形成されていない長さ80mm、幅40mm、厚み2mmのJIS A1100製アルミニウム板を沸騰伝部材とした。
評価試験
実施例、比較例1および比較例2の沸騰伝熱部材を、図1に示す沸騰冷却装置(10)の受熱部(12)の底壁(12a)外面に、開口(16)を液密状に閉鎖するように取り付けた。また、冷媒(15)としてハイドロフルオロエーテル(3M社製、Novec7000)を封入した。さらに、沸騰伝熱部材(1)の下面に熱伝導性グリースを介して1辺40mm、厚み3mmの正方形状ヒートスプレッダ(16)を配置し、その下面に熱伝導性グリースを介して1辺25mmのヒータを取り付けた。
そして、ヒータから発熱させながら熱伝達率とヒータの発熱密度との関係を調べた。熱伝達率は、発熱量/(ヒートスプレッダの面積)×過熱度=熱伝達率という式で求めた。なお、過熱度は、放熱部(13)内で圧力を測定し、当該圧力に基づいて、用いられる冷媒について予め求められている蒸気圧と飽和温度との関係から冷媒飽和温度を求め、当該冷媒飽和温度をヒータの温度から減じることにより得られる。たとえば、3M社製、Novec7000の場合、蒸気圧と飽和温度との関係は表1の通りである。
実施例、比較例1および比較例2の結果を図7に示す。
図7から明らかなように、実施例の沸騰伝熱部材を用いた沸騰冷却装置によれば、比較例1および比較例2の沸騰伝熱部材を用いた沸騰冷却装置に比べて熱伝達率が優れており、その結果冷却効率が向上していることが分かる。
図8および図9は沸騰伝熱部材の他の実施形態を示す。
図8はこの発明の沸騰伝熱部材の他の実施形態を模式的に示す。また、図9は当該他の実施形態の沸騰伝熱部材を具体的に示す写真である。
図8に示す沸騰伝熱部材(20)の板状本体(2)の片面に形成された沸騰伝熱面(21)には、複数の穴(22)(23)および各穴(22)(23)の開口の周囲に形成された環状***部(24)(25)が行列状に縦横に並んで設けられている。各行および各列には、穴径の大きな大穴(22)および大径の環状***部(24)と、穴径の小さな***(23)および小径の環状***部(25)とが交互に形成されている。
各穴(22)(23)は、底(下端部)から開口(上端部)に向かって徐々に大きくなっており、穴(22)(23)の内周面は粗面となっていて微細な凹凸が存在している。沸騰伝熱面(21)が、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルおよびハイドロフルオロオレフィンのうちの1種からなる冷媒中に浸漬されるようになっている場合、各穴(22)(23)の開口部の径である穴径(D)、近接した2つの穴(22)(23)のピッチ(P)および穴(22)(23)の深さ(d)は、それぞれ300〜700μmであることが好ましい。この場合、全***(23)の穴径の平均値が、全大穴(22)の穴径の平均値の50%以下であることが好ましい。
ここで、穴(22)(23)の開口は円形でないことが多いので、「穴径」という語は、穴(22)(23))の開口部の面積を、この面積と等しい円の直径で表した円相当径を意味するものとする。
環状***部(24)(25)は、アルミニウム製板状素材に高エネルギービームを照射することにより発生した溶融アルミニウムの液滴が飛散して穴(22)(23)の周囲に付着し、これが凝固するとともに堆積することによって形成されており、その表面が粗面となっていて微細な凹凸が存在している。環状***部(24)(25)の***高さ(h)は、穴(22)(23)の深さ(d)の10%以上であることが好ましい。
図10はこの発明の沸騰伝熱部材を用いた沸騰冷却装置の変形例を示す。
図10に示す沸騰冷却装置(30)の場合、冷媒封入体(11)の受熱部(12)の側壁(12b)外面に発熱体取付部(16)が設けられている。すなわち、受熱部(12)の側壁(12b)に開口(17)が形成され、沸騰伝熱面(3)が開口(17)を通して受熱部(12)内に臨むとともに開口(17)を液状に塞ぐように、沸騰伝熱部材(1)が受熱部(12)の側壁(12b)に固定されており、沸騰伝熱部材(1)の外面が発熱体取付部(16)となっている。
この発明による沸騰冷却装置は、たとえば半導体素子からなるパワーデバイスを備えたパワーモジュールなどからなる発熱体を冷却するのに好適に用いられる。
(1)(20):沸騰伝熱部材
(3)(21):沸騰伝熱面
(4)(22)(23):穴
(5)(24)(25):環状***部
(10)(30):沸騰冷却装置
(11):冷媒封入体
(12):受熱部
(12a):底壁
(12b):側壁
(13):放熱部
(14):冷媒流通部
(15):冷媒
(16):発熱体取付部

Claims (7)

  1. 全体が金属材料により一体に形成され、金属材料表面にレーザビームが照射されることによって、相変化により熱を輸送する液相冷媒中に浸漬される沸騰伝熱面が設けられており、沸騰伝熱面が、内周面が粗面となっている複数の穴、および各穴の開口の周囲に形成された環状***部を有し、環状***部が、レーザービームが照射されることにより発生した溶融金属の液滴が飛散して穴の周囲に付着し、これが凝固するとともに堆積することにより形成されており、表面が粗面となっている沸騰伝熱部材。
  2. 環状***部の***高さが、穴の深さの10%以上である請求項1記載の沸騰伝熱部材。
  3. 沸騰伝熱面が、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルおよびハイドロフルオロオレフィンのうちの1種からなる冷媒中に浸漬されるようになっており、沸騰伝熱面に形成された穴が底から開口に向かって徐々に大きくなり、当該穴の開口部の径である穴径、近接した2つの穴のピッチおよび穴の深さが、それぞれ300〜700μmである請求項1または2記載の沸騰伝熱部材。
  4. 全穴の穴径が、全穴の穴径の平均値に対して±10%の範囲内にある請求項1〜3のうちのいずれかに記載の沸騰伝熱部材。
  5. すべての穴が行列状に並んで形成され、各行および各列において、穴径の大きな大穴と穴径の小さな***とが交互に形成されており、全***の穴径の平均値が、全大穴の穴径の平均値の50%以下である請求項1〜3のうちのいずれかに記載の沸騰伝熱部材。
  6. 外部からの熱を受ける中空状受熱部、受熱部の上方に設けられ、かつ外部に熱を放出する中空状放熱部、および受熱部内と放熱部内とを通じさせる冷媒流通部を有する冷媒封入体と、冷媒封入体内に封入されて受熱部に液相状態で貯留されており、かつ相変化により潜熱として熱を輸送する冷媒とを備えた沸騰冷却装置において、
    受熱部の底壁外面または側壁外面に発熱体取付部が設けられ、受熱部の底壁または側壁における発熱体取付部に取り付けられた発熱体から発せられる熱を受ける部分に、請求項1〜5のうちのいずれかに記載された沸騰伝熱部材が、沸騰伝熱面が受熱部内方を向きかつ受熱部内の液相冷媒中に浸漬されるように配置されている沸騰冷却装置。
  7. 冷媒封入体が、受熱部、放熱部および冷媒流通部を含めて全体が一体に設けられており、放熱部内に、冷却流体を冷媒封入体の外部から供給するとともに冷媒封入体の外部に戻す冷却流体循環管が配置されている請求項6記載の沸騰冷却装置。
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