JP6376325B2 - ガラス繊維用組成物、ガラス繊維及びガラス繊維の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維用組成物、ガラス繊維及びガラス繊維の製造方法 Download PDF

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Description

Eガラスと呼ばれるガラス繊維は、プリント配線板や車、飛行機などの構造部材として使用されるガラス長繊維である(例えば特許文献1)。ガラス長繊維は、ブッシングと呼称される成形装置を使用して連続的に成形、紡糸することで製造される。ブッシング装置は多数のノズル部(又はオリフィス部)を備えた略矩形状の外観を有する装置であり、ブッシングノズル先端部で溶融ガラスの粘度を10dPa・sとなるように温度管理される。溶融ガラスはブッシングノズル先端部から連続的に流出して急冷され、ガラス繊維となって紡糸されることになる。
このようなガラス繊維の成形を行う場合、溶融ガラス中に気泡が含まれるとガラス繊維の紡糸における切断の原因となり易い。また、プリント配線板中に気泡を含有するガラス繊維がホローファイバーとして混入した場合、スルーホールメッキがホローファイバー中に侵入し、導通不良となる危険性があり、プリント配線板の信頼性を低下させるため問題とされる。溶融ガラス中の気泡の数を低減するには、ガラス融液の脱泡、均質化が起こる温度域において必要十分な清澄ガスを発生する清澄剤を選択することが重要である。
特開2007−39320号
従来、Eガラスの製造ではSO成分を清澄剤として利用している。ところが、SOを多量に含有すると、溶融ガラス上層部に泡層が生成して、燃焼バーナーの熱が伝わりにくくなり、溶解効率が低下するという問題がある。
そこでSOの含有量を一定量以下に制限する必要がある。しかし、この場合溶融ガラスの脱泡、均質化に必要な量の清澄ガスが放出されず、清澄が不十分となることが問題視されていた。
本発明の目的は、ガラス繊維の製造上の問題が発生せず、プリント配線板等に要求される製品特性を満足し、特に溶融ガラスの脱泡、均質化に必要な量の清澄ガスを放出可能な、清澄性に優れたガラス繊維用組成物とガラス繊維の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は種々の検討を行った結果、清澄剤としてClとSOを併用することにより、上記目的が達成できることを見いだし、本発明として提案するものである。
即ち、本発明のガラス繊維用組成物は、質量%でSiO 42〜67%、Al 8〜25%、B 0〜25%、MgO 0〜15%、CaO 10〜35%、LiO+NaO+KO 0〜2%、P 0〜5%、Cl 0.003〜0.225%、SO 0.005〜0.1%含有することを特徴とする。ここで「LiO+NaO+KO」とは、LiO、NaO及びKOの含有量の合量を意味する。
上記構成を採用することにより、ガラス100g中の泡個数が10個以下であり、アルカリ溶出量を0.1mg以下、紡糸温度TXと液相温度TLの差(以下、TX−TLと表す)を80℃以上、溶融温度(ガラスの粘度が102.0dPa・sとなる温度)を1500℃以下とすることが容易になる。
本発明においては、質量%でSiO 52〜56%、Al 12〜16%、B 5〜10%、MgO 0〜5%、CaO 16〜25%、LiO+NaO+KO 0〜2%、P 0〜2%、Cl 0.003〜0.225%、SO 0.005〜0.1%含有することが好ましい。
本発明においては、さらに質量%でSrO 0〜6%、BaO 0〜2%含有することが好ましい。
本発明においては、さらに質量%でSnOを0.001〜0.06%含有することが好ましい。
本発明のガラス繊維は、上記したガラス繊維用組成物からなる。
本発明のガラス繊維の製造方法は、質量%でSiO 42〜67%、Al 8〜25%、B 0〜25%、MgO 0〜15%、CaO 10〜35%、LiO+NaO+KO 0〜2%、P 0〜5%、Cl 0.003〜0.225%、SO 0.005〜0.1%含有するガラスとなるようにガラス原料バッチを調合し、溶融した後、紡糸してガラス繊維に成形することを特徴とする。
本発明においては、質量%でSiO 52〜56%、Al 12〜16%、B 5〜10%、MgO 0〜5%、CaO 16〜25%、LiO+NaO+KO 0〜2%、P 0〜2%、Cl 0.003〜0.225%、SO 0.005〜0.1%含有するガラスとなるようにガラス原料バッチを調合することが好ましい。
本発明においては、さらに質量%でSrO 0〜6%、BaO 0〜2%含有するガラスとなるように原料バッチを調合することが好ましい。
本発明においては、さらに質量%でSnOを0.001〜0.06%含有するガラスとなるように原料バッチを調合することが好ましい。
本発明においては、Cl源として、Cl含有ガラスからなるガラスカレットを使用することが好ましい。
本発明においては、原料バッチ中に含まれるSOが、0.01〜0.5質量%となるようにバッチを調合することが好ましい。
本発明のガラス繊維用組成物は、所定量のClとSOを清澄剤として含有することを特徴とする。ClとSOは共に1400℃以上の温度域で清澄ガスを多量に放出できるため、両者を併用することによって多量の清澄ガスを発生させることができる。またSOを過剰に使用する必要がなくなることから、溶融ガラスに泡層が形成されにくくなり、効率良くガラスを溶融することができる。
以下、本発明のガラス繊維用組成物について、各成分の組成範囲を上記のように限定した理由を述べる。なお以下の説明において、特に断りがない限り、%表示は質量%を意味する。
SiOはガラスのネットワークを構成する元素の一つである。その含有量は42〜67%であり、好ましくは45〜65%、より好ましくは50〜60%、特に好ましくは52〜56%である。SiOの含有量が少ないとガラスの構造強度が著しく悪化し、ガラス繊維を用いた複合部材に要求される機械的強度を満足できなくなる。一方、SiOの含有量が多いと溶融ガラスの溶融温度が上昇し、その結果、溶融法によりこのようなガラス組成物を高い効率で均質になるように製造しようとすれば、高価な設備が必要となる。
Alは溶融ガラス中での結晶の晶出や分相生成を抑制する効果がある成分である。Alの含有量は8〜25%であり、好ましくは8〜20%、より好ましくは10〜18%、特に好ましくは12〜16%である。Alの含有量が8%より少ないと、TX−TLが小さくなり、紡糸性が悪化する。なお紡糸温度とは、ガラスの粘度が10dPa・sとなる温度である。一方、Alの含有量が25%より多いと、ガラスの溶融温度が上昇し、溶融性が悪化しやすくなる。
は、SiOと同様にガラス網目構造において、その骨格をなす成分であるが、SiOのように溶融ガラスの溶融温度を大きくすることはなく、むしろ溶融温度を低下させる働きがある。Bの含有量は0〜25%あり、好ましくは0〜20%、より好ましくは1〜10%、特に好ましくは5〜10%である。Bの含有量が多いと溶融過程においてスカムなどの異質ガラスが生成しやすい。
MgOは、ガラス原料を溶融し易くする融剤としての働きを有する成分であると同時に溶融温度の低下に非常に有効であり、溶融時にガラスの泡切れを良くし、均質なガラスを作るのに役立つ成分である。MgOの含有量は0〜15%であり、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%、特に好ましくは0.5〜4%である。MgO含有量が多いと溶融ガラスの分相性が高くなってTLが上昇し易くなり、結果としてTX−TLが小さくなるため好ましくない。
CaOは、MgOと共に溶融温度を低下させる成分である。CaOの含有量は10〜35%であり、好ましくは15〜30%、より好ましくは16〜25%である。CaOの含有量が少ないと、ガラスの溶融温度が上昇し、溶融性が悪化しやすくなる。一方、CaO含有量が35%より多いと溶融ガラスの分相性が高くなり、TX−TLが小さくなるため好ましくない。
本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、溶融温度を低下させるためSrOとBaOを含有してもよい。SrOの含有量は好ましくは0〜6%であり、より好ましくは0.1〜2%、さらに好ましくは0.1〜1.5%である。また、BaOの含有量は好ましくは0〜2%であり、より好ましくは0.05〜1%、さらに好ましくは0.05%〜0.5%である。SrOやBaOの含有量が多いと溶融ガラスの分相性が高くなり、TX−TLが小さくなるため好ましくない。
アルカリ金属酸化物であるLiO、NaOあるいはKOは、複数のガラス原料を混合した状態で加熱してガラス融液とする際に、ガラス融液の生成を容易にする、いわゆる融剤としての働きをする。また溶融温度を低下させる働きもある。LiO、NaO及びびKOの含有量の合量は0〜2%であり、好ましくは0〜1%、より好ましくは0〜0.8%である。LiO、NaO及びKOの合量が多いとガラスのアルカリ溶出量が増加し、電気絶縁性が悪化する。また、樹脂とガラス界面における接着強度が低下し、プリント配線板の機械的強度が低下しやすくなるため好ましくない。
は溶融ガラス中に微細な結晶核の形成を阻止する効果を有する成分である。Pの含有量は0〜5%であり、好ましくは0〜2%、より好ましくは0.1〜1%である。Pの含有量が多いとTX−TLが小さくなるため好ましくない。
Clは、溶融ガラス中でアルカリ金属、アルカリ土類金属、水素などの成分と反応して清澄ガスとなり、溶融ガラスから放出される成分である。例えばClはNa成分と次式の反応によって清澄ガスを放出する。
NaO+Cl→2NaCl+1/2O
Clの含有量は、0.003〜0.225%であり、好ましくは0.004〜0.10%、より好ましくは0.005〜0.08%、最も好ましくは0.005〜0.03%である。Cl含有量が少ないと清澄性が悪化するため好ましくない。一方、Clの含有量が多いと、プリント配線基板に使用した場合に、社団法人日本電子回路工業会のハロゲンフリープリント配線板の規格「ハロゲンフリープリント配線板用銅張積層板−ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂 JPCA−ES03−2007」で定められるプリント配線板のCl含有量の上限(0.09質量%)を逸脱し易くなるため好ましくない。例えばプリント配線板のガラス繊維の割合が40質量%、樹脂のCl含有量が0質量%と仮定すると、ガラス繊維のCl含有量が0.225質量%を超えた場合、プリント配線板のCl含有量がJPCA−ES03−2007の基準を逸脱する。また塩素系難燃材などの使用や樹脂中に塩素が含まれる場合には、ガラス繊維のCl含有量の上限はさらに制限される。
SOは、溶融ガラス中でガラス成分と以下のような反応を起こし、SOガスとOを放出する。
SO 2−→SO+1/2O+O2−
ガラス中のSO含有量は、0.005〜0.1%あり、好ましくは0.01〜0.08%、より好ましくは0.015〜0.065%である。SOの含有量が少ないと清澄性が著しく悪化するため好ましくない。一方、SOの含有量が多いと溶融ガラス上層部に泡層を形成して燃焼バーナー熱が伝わりにくくなり、溶解効率が低下する。
本発明においては、ClやSOに加えて、Sb、As、SnO等の清澄剤成分を一種類以上含有してもよい。この場合、標準的な清澄剤の添加量の合計は、0.5%以内である。ただし環境面を考慮すると、SbやAsの使用は避ける方が良い。またSnOを使用する場合、その含有量は0.001〜0.06%の範囲で選択可能であるが、失透性や清澄性の観点から好適な範囲を適宜選択することができる。つまりSnOの含有量が少ないと十分な清澄性が得にくくなる。一方、SnOの含有量が多いと失透性が悪化し、TX−TLが小さくなる。そこでこの差を大きくすることを優先する場合には、SnOの含有量を0.005〜0.029%、特に0.01〜0.028%とすることが好ましい。また清澄性を優先する場合には、SnOの含有量を0.031〜0.058%、特に0.035〜0.05%とすることが好ましい。
本発明のガラス繊維用組成物は、化学的耐久性、溶融温度等を改善するために上記成分以外にも、Cr、PbO、La、WO、Nb、Y等の成分を各々3%まで含有して良い。ただし環境面を考慮すると、PbOの使用は避ける方が良い。
また、本発明のガラス繊維用組成物は、不純物として、例えば、H、CO、CO、HO、He、Ne、Ar、Nを各々0.1%まで含有していても良い。さらに不純物として、Pt、Rh、Auを各々0.05%以下まで含有していても良い。
本発明のガラス繊維用組成物は、溶融温度が1500℃以下であることが好ましい。溶融温度はより好ましくは1450℃以下であり、さらに好ましくは1400℃以下である。溶融温度が高いと、ガラスを均質に溶融するために高価な設備が必要となる。なお溶融温度は、SiO、Al等の含有量を減らしたり、B、MgO、CaO等の含有量を増やしたりすることにより、低下させることができる。
本発明のガラス繊維用組成物は、TX−TLが80℃以上であることが好ましい。TX−TLはより好ましくは100℃以上、さらに好ましくは115℃以上である。TX−TLが80℃より小さいと、溶融炉からブッシングまでの経路での温度の低い部分でガラス中に結晶が析出し、紡糸時の切断の原因となる。なおTX−TLは、Pの含有量を増やしたり、MgO、CaO等の含有量を減らしたりして液相温度TLを下げることにより、大きくすることができる。
本発明のガラス繊維用組成物は、アルカリ溶出量が0.1mg以下であることが好ましい。アルカリ溶出量はより好ましくは0.05mg以下、さらに好ましくは0.02mg以下である。アルカリ溶出量が0.1mgより多いと樹脂とガラス界面における接着強度が低下して、プリント配線板の機械的強度が低下しやすくなる。なおアルカリ溶出量は、アルカリ金属酸化物の含有量を低減したり、SiO、Al等の含有量を増やしたりすることにより、低減することができる。
本発明のガラス繊維用組成物は、ガラス100g中の泡個数が10個以下であることが好ましい。ガラス100g中の泡個数はより好ましくは5個以下、さらに好ましくは2個以下である。ガラス100g中の泡個数が10個より多いと、ガラス繊維の紡糸における切断が起こりやすくなる。なおガラス中の泡個数は、Cl、SO等の含有量を増やしたりすることにより、低減することができる。
次に本発明のガラス繊維を製造する方法を、ダイレクトメルト法(DM法)を例にして説明する。なお本発明は下記の方法に制限されるものではなく、例えばマーブル状に成形した繊維用ガラス材料をブッシング装置で再溶融し紡糸する、いわゆる間接成形法(MM法:マーブルメルト法)を採用することもできる。この方法は少量多品種生産に向いている。
まず酸化物換算の質量百分率表示でSiO 42〜67%、Al 8〜25%、B 0〜25%、MgO 0〜15%、CaO 10〜35%、LiO+NaO+KO 0〜2%、P 0〜5%、SnO 0.001〜0.06%、SO 0.005〜0.1%、好ましくは質量%でSiO 52〜56%、Al 12〜16%、B 5〜10%、MgO 0〜5%、CaO 16〜25%、LiO+NaO+KO 0〜2%、P 0〜2%、Cl 0.003〜0.225%、SO 0.005〜0.1%含有するガラスとなるようにガラス原料を調合する。各成分の含有量を上記の通りとした理由は既述の通りであり、ここでは説明を省略する。
Cl源として、NaCl、KCl、BaCl、CaCl等の塩化物原料を使用することができる。またClを含有するガラスカレットを使用してもよい。ここでガラスカレットとは、ガラス製造工程で発生した不良ガラスや、家電製品などから回収したリサイクルガラスを指す。またClを含むダストを使用してもよい。ここでダストとはガラス溶融炉などで発生する排ガスから回収した粉塵のことである。
SO源としては、NaSOなどのアルカリ金属硫酸塩、MgSO、CaSO、BaSO、ZnSOなどのアルカリ土類金属硫酸塩を使用することができる。またSO含有ガラスからなるガラスカレット、SO成分を含むダスト、或いはSO成分を含むその他のガラス原料を使用してもよい。なお金属硫黄や硫化物は、ガラスを還元するため使用しない方が良い。
原料中のSO成分は、ガラス溶融中に分解し、その一部がSOとしてガラスから蒸発逸散する。それゆえ得られるガラス中に含まれるSO量は、原料バッチに含まれるSO量よりも少なくなる。それゆえ原料バッチ中のSO成分の含有量が0.01〜0.5%、好ましくは0.05〜0.4%、より好ましくは0.1〜0.4%となるようにガラス原料等を調整する必要がある。バッチ中のSO量が少ないと清澄性が著しく悪化するため好ましくない。一方、バッチ中のSO量が多いと溶融ガラス上層部に泡層を形成して燃焼バーナー熱が伝わりにくくなり、溶解効率が低下する。
次いで、調合したガラス原料バッチをガラス溶融炉に投入し、ガラス化し、溶融、均質化する。溶融温度は1400〜1600℃程度が好適である。
続いて溶融ガラスを紡糸してガラス繊維に成形する。詳述すると、溶融ガラスをブッシング装置に供給する。ブッシング装置に供給された溶融ガラスは、その底面に設けられた多数のブッシングノズルからフィラメント状に連続的に引き出される。このようにして引き出されたモノフィラメントに各種処理剤を塗布し、所定本数毎に集束することによってガラス繊維を得る。
このようにして成形された本発明のガラス繊維は、チョップドストランド、ヤーン、ロービング等に加工され、種々の用途に供される。
なおチョップドストランドとは、ガラスモノフィラメントを集束したガラス繊維(ストランド)を所定長の長さに切断したものである。ヤーンとは、ストランドに撚りをかけたものである。ロービングとは、ストランドを複数本合糸し、円筒状に巻き取ったものである。
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
表1〜4は、本発明の実施例(試料No.1〜19)及び比較例(試料No.20〜222)を示している。また表5は、本実施例において使用する液晶板ガラスカレットの組成(カレット1〜4)を示している。
各試料は次のようにして調製した。
まず、表中の組成となるようにガラス原料を調合し、500gのガラス原料バッチを用意した。次にこの原料バッチを白金坩堝に投入し、1500℃で4時間溶融した。なお溶融中に二回の攪拌を行い、ガラスを均質化した。その後、溶融ガラスを成形し、各種の評価に供した。
なおNo.1〜6、10、12〜16、19は塩化マグネシウムを、No.8、9、11は塩化カルシウムをCl源として使用した。試料No.7はカレット1を、No.17はカレット2を、No.18はカレット3を、No.19はカレット4を、それぞれSn及びCl源として使用した。また試料No.7、18、19のカレット使用率はバッチ全体の10質量%、試料No.17のカレット使用率はバッチ全体の15質量%とした。
本発明の実施例では、SO源となるガラス原料の使用量を変えることによってガラスバッチ中のSO添加量を調整した。またガラス中のSO量は、蛍光X線分析から求めた。
泡数の計測は、溶融ガラスをカーボンプレート上に流しだし、徐冷してインゴットを作製し、インゴット中の泡個数を計測した。計測の結果、ガラス100g中の泡個数が31個を越えるものを×、11〜30個のものを△、6〜10個のものを○、5個以下のものを◎で示した。なお計測は、インゴットの中央部分を光学顕微鏡で観察し、100g当たりの個数に換算した。
紡糸温度TX(ガラスの粘度が10dPa・sとなる温度)と溶融温度(ガラスの粘度が10dPa・sとなる温度)は、白金球引き上げ法によって測定した。
液相温度TLの測定は次のようにして行った。約120×20×10mmの白金ボートに粉砕した試料を充填して線形の温度勾配を有する電気炉に16時間投入し、顕微鏡によって判定した結晶析出箇所の温度を電気炉の温度勾配グラフから算出し、この温度を液相温度TLとした。
アルカリ溶出量は、JIS R3502に準拠した方法で測定した。
試料No.1〜19から明らかなように、本発明のガラスは、ガラス100g中の泡個数が10個以下であり、アルカリ溶出量が0.1mg以下であり、80℃以上のTX−TL、1500℃以下の溶融温度を有していた。
これに対し、比較例である試料No.20、21は、ガラス100g中の泡個数が10個より多く、清澄性が悪かった。また試料No.22は、アルカリ溶出量が多かった。
[実施例2]
次に、本発明のガラス繊維用組成物を使用することによって実現できるガラス繊維について説明する。
例えば、実施例1の試料No.1のガラス組成を有するガラス繊維用組成物を溶融した後、白金製のノズルを有するブッシング装置に供給し、直径12μmのモノフィラメントをブッシングノズルから引き出す。このモノフィラメントに収束剤を塗布し、複数本束ねてストランドとする。
このようにして得られる本発明のガラス繊維は、ガラス溶融時の清澄性が良好であることから、ホローファイバーが殆ど発生しない。
本発明のガラス繊維用組成物は、プリント配線板や、車、飛行機などの構造部材として使用されるEガラス繊維用組成物として好適である。

Claims (13)

  1. 質量%でSiO 42〜67%、Al 8〜25%、B 0〜25%、MgO 0〜15%、CaO 15〜35%、LiO+NaO+KO 0〜2%、P 0〜5%、Cl 0.003〜0.225%、SO 0.005〜0.1%含有することを特徴とするガラス繊維用組成物
  2. 質量%でSiO 52〜56%、Al 12〜16%、B 5〜10%、MgO 0〜5%、CaO 16〜25%、LiO+NaO+KO 0〜2%、P 0〜2%、Cl 0.003〜0.225%、SO 0.005〜0.1%含有することを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維用組成物。
  3. さらに質量%でSrO 0〜6%、BaO 0〜2%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス繊維用組成物。
  4. さらに質量%でSnOを0.001〜0.06%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス繊維用組成物。
  5. 質量%でCl 0.003〜0.10%含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス繊維用組成物。
  6. 請求項1〜の何れかに記載のガラス繊維組成物からなることを特徴とするガラス繊維。
  7. 質量%でSiO 42〜67%、Al 8〜25%、B 0〜25%、MgO 0〜15%、CaO 15〜35%、LiO+NaO+KO 0〜2%、P 0〜5%、Cl 0.003〜0.225%、SO 0.005〜0.1%含有するガラスとなるようにガラス原料バッチを調合し、溶融した後、紡糸してガラス繊維に成形することを特徴とするガラス繊維の製造方法。
  8. 質量%でSiO 52〜56%、Al 12〜16%、B 5〜10%、MgO 0〜5%、CaO 16〜25%、LiO+NaO+KO 0〜2%、P 0〜2%、Cl 0.003〜0.225%、SO 0.005〜0.1%含有するガラスとなるようにガラス原料バッチを調合することを特徴とする請求項に記載のガラス繊維の製造方法。
  9. さらに質量%でSrO 0〜6%、BaO 0〜2%含有するガラスとなるように原料バッチを調合することを特徴とする請求項又はに記載のガラス繊維の製造方法。
  10. さらに質量%でSnOを0.001〜0.06%含有するガラスとなるように原料バッチを調合することを特徴とする請求項の何れかに記載のガラス繊維の製造方法
  11. 質量%でCl 0.003〜0.10%含有することを特徴とする請求項7〜10の何れかに記載のガラス繊維の製造方法。
  12. Cl源として、Cl含有ガラスからなるガラスカレットを使用することを特徴とする請求項11の何れかに記載のガラス繊維の製造方法。
  13. 原料バッチ中に含まれるSOが0.01〜0.5質量%となるように、バッチを調合することを特徴とする請求項12の何れかに記載のガラス繊維の製造方法。
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