JP6376082B2 - 電池パック - Google Patents

Description

本発明は、組電池と、組電池を監視する監視ユニットを内蔵した電池パックに関し、特にその構造に関する。

複数の単電池から構成された組電池と、組電池を監視し、必要に応じて制御を行う監視ユニットを内蔵した電池パックが知られている。下記特許文献１には、ハイブリッド車両に搭載されたＨＶバッテリ（１３）が示されている。ＨＶバッテリには、車両駆動用の電動機に電力を供給するバッテリモジュール（１３１）と、バッテリモジュールを監視する電池監視ユニット(１３２)と、バッテリモジュールからの電力供給を遮断するためのリレーを備えるジャンクションブロック（１３３）が内蔵されている。下記特許文献１では、浸水センサを設け、浸水が検知されると、ジャンクションブロック内のリレーを制御し、単電池間に設けられたヒューズ（１３１ｂ）を溶断し、電源を遮断している。なお、（ ）内の符号は、記特許文献１にて用いられている符号であり、本願の実施の形態で用いられる符号と関連しない。

特開２０１３−１１０８１３号公報

低コスト化のために浸水センサを廃止したいという要請がある。本発明は、浸水センサを廃止した場合であっても、電池パックの浸水時の安全性を確保することを目的とする。

本発明にかかる電池パックは、組電池と、組電池を監視する監視ユニットと、監視ユニットを収容し、内部を防水する監視ユニットケースと、組電池、監視ユニットおよび監視ユニットケースを収容する電池ケースと、を有する。監視ユニットは、組電池の電圧を検出するために、配線によって組電池と接続されている。監視ユニットは、組電池から延びるこの配線を受ける電圧検出用コネクタを有している。電圧検出用コネクタは、電池パック内の他の活電部に比べて高い位置に配置されている。

電圧検出用コネクタでは、組電池の正負の端子に接続している端子が近接しており、浸水時にはこれらの端子間で放電する可能性が高い。監視ユニットを監視ユニットケースに収めることにより、浸水を遅らせることができ、さらに、電圧検出用コネクタを最も高い位置に配置することで、最後に浸水するようにできる。

本発明によれば、浸水時において、電池パック内の放電に関する安全性が確保される。

電池パックの概略構成を示す図である。 電池パック等の概略の回路構成を示す図である。 ＥＣＵ収容ケースの構造を示す分解斜視図である。 ＥＣＵ収容ケースの構造を示す断面図である。

以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図１は、ハイブリッド車両（ＨＶ）や電気自動車等の駆動用モータに電力を供給する電池パック１０の概略構成を示す透視図である。以下では、ハイブリッド車両を例に挙げて説明する。

電池パック１０は、複数の単電池１２を電気的に接続した組電池１４と、組電池１４の管理および制御を行う監視ユニットである電池電子制御装置（以下、電池ＥＣＵと記す。）１６と、組電池１４を外部機器と接続、遮断するためのジャンクションブロック１８を有する。さらに、電池パック１０は、組電池１４、電池ＥＣＵ１６およびジャンクションブロック１８を収容する電池ケース２０を有する。電池ＥＣＵ１６は、ＥＣＵ収容ケース２２内に収められ、電池ケース２０内の組電池１４やジャンクションブロック１８等の他の電気素子から隔離されている。ＥＣＵ収容ケース２２は、電池ケース２０の一部と、ＥＣＵカバー２４から構成することができる。

電池ＥＣＵ１６は、組電池１４の電圧、特に組電池の両極間の電圧を監視するために、組電池１４から延びる配線２６を受ける高圧コネクタ２８が設けられている。電池ＥＣＵ１６は、概略薄い直方体形状であり、ＥＣＵ収容ケース２２内で立てて配置され、このときの上縁近傍に高圧コネクタ２８が設けられている。高圧コネクタ２８は、電池ケース２０内の、高圧コネクタ２８以外の活電部（グランドに対し電位を有する部分）、例えば組電池１４を構成する個々の単電池１２、ジャンクションブロック１８内の回路素子やジャンクションブロック１８と他の機器を接続するためのコネクタ３０などより高い位置に配置されている。

図２は、電池パック１０内の回路構成および電池パック１０に接続される関連機器を示す図である。前述のように、電池パック１０は、組電池１４、電池ＥＣＵ１６およびジャンクションブロック１８を含む。電池ＥＣＵ１６は、ハイブリッド車両の動力装置の制御を統括するＨＶ−ＥＣＵ３２と電気的に接続されている。ＨＶ−ＥＣＵ３２は、電池ＥＣＵ１６の他、エンジンを制御するエンジンＥＣＵ（不図示）、電動機を制御する電動機ＥＣＵ（不図示）に電気的に接続されている。ＨＶ−ＥＣＵ３２は、アクセル、ブレーキ等の操作から運転者の要求を取得し、また車両に備えられた各種センサから車両の運行状況を取得し、これらの情報を統合して、各ＥＣＵを介して、エンジン、電動機、組電池等の制御を行う。

電力制御装置（ＰＣＵ）３４は、組電池１４の電力を電動機に供給し、また電動機が発電した電力を組電池１４に充電する制御を行う。組電池１４の直流電力は、電力制御装置３４により昇圧され、三相交流電力に変換されて車両駆動用の電動機に供給される。車両の制動時に電動機で発電された交流電力は、電力制御装置３４にて直流電力に変換され組電池１４に充電される。電力制御装置３４は、ジャンクションブロック１８を介して組電池１４に接続されている。ジャンクションブロック１８内には、リレーが備えられ、所定条件下で電池パック１０と電力制御装置３４の電気的接続を遮断する。

図３、図４は、電池ＥＣＵ１６およびＥＣＵ収容ケース２２の構成を示す図である。ＥＣＵ収容ケース２２は、底面が電池ケース２０の一部で構成され、四方の側面および上面がＥＣＵカバー２４で構成される。ＥＣＵカバー２４は、電池ケース２０の底面に固定される下カバー３６と、下カバー３６の上に結合される上カバー３８を含む。下カバー３６は、電池ＥＣＵ１６の下部周囲を囲む壁を形成し、上カバー３８は下カバー３６の前記の壁に連続し、電池ＥＣＵ１６の上部の周囲を囲む壁と、上面を形成する。一体物の上カバー３８により、電池ＥＣＵ１６の上側部分が囲まれ、この中に高圧コネクタ２８が配置される。下カバー３６には、上カバー３８との合わせ面から掘り下げられた溝４０が設けられ、ここに配線２６が通されている。配線周囲は柔軟性または弾性のシール材４２が巻かれ、シール材４２によりＥＣＵカバー２４と配線２６の隙間が埋められている。また、配線２６は、細い電線が束ねられたものであり、シール材４２が巻かれた部分において、個々の電線の隙間がブチルゴム等の粘り気のある又は塑性変形可能なシール材（不図示）で埋められている。

電池ケース２０と下カバー３６の合わせ面、下カバー３６と上カバー３８の合わせ面にはシール材、例えばシール用スポンジ（不図示）が配置され、上下のカバー３６，３８が組み付けられたときに合わせ面を水密にシールする。また、配線２６が貫通する部分は、前述のようにシール材４２等で水密にシールされる。これにより、ＥＣＵ収容ケース２２は、電池ＥＣＵ１６を防水状態で収容する。

電池パック１０内で、最も高い電圧が生じるのは、組電池１４の両端の端子間である。この電圧は、ジャンクションブロック１８内の端子間、および電池ＥＣＵ１６の高圧コネクタ２８の端子間にかかる。特に、高圧コネクタ２８の端子同士は接近しているため、電池パック１０内に浸水があった場合、この部分で大きな電流が流れる放電が生じる可能性が高い。そこで、この電池パック１０は、高圧コネクタ２８を他の活電部より高い位置に配置し、浸水の可能性を低減している。

また、防水されたＥＣＵ収容ケース２２内に電池ＥＣＵ１６を配置することでも高圧コネクタ２８が浸水する可能性を低減している。また、上カバー３８が一体ものであり下方にのみ開放しているので、電池パック１０およびＥＣＵ収容ケース２２内に浸水があったとしても、電池パック１０の上下方向が維持される限り、上カバー３８内には空気が残る。これによっても、上カバー３８内の高圧コネクタ２８が浸水する可能性が低減する。

また、電池パック１０の下側から浸水する場合には、高圧コネクタ２８より低い電圧の部分、また端子間隔が広い部分において、まず放電が始まる。このため、放電電流は比較的少なく、徐々に組電池１４の端子間電圧が低下する。高圧コネクタ２８が浸水することがあっても、それ以前に組電池１４の放電が始まっており、高圧コネクタ２８の端子間で大きな電圧が生じることが防止される。

１０ 電池パック、１２ 単電池、１４ 組電池、１６ 電池ＥＣＵ（監視ユニット）、１８ ジャンクションブロック、２０ 電池ケース、２２ ＥＣＵ収容ケース（監視ユニットケース）、２４ ＥＣＵカバー、２６ 配線、２８ 高圧コネクタ（電圧検出用コネクタ）、３０ コネクタ、３２ ＨＶ−ＥＣＵ、３４ 電力制御装置、３６ 下カバー、３８ 上カバー、４０ 溝、４２ シール材。

Claims (1)

1. 組電池と、
   組電池を監視する監視ユニットと、
   監視ユニットを収容し、内部を防水する監視ユニットケースと、
   組電池、監視ユニットおよび監視ユニットケースを収容する電池ケースと、
   を有し、
   監視ユニットは、組電池の電圧を検出するための、組電池から延びる配線を受ける電圧検出用コネクタを有し、電圧検出用コネクタが電池パック内の他の活電部に比べて高い位置に配置されている、
   電池パック。

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