JP6375833B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出装置に関する。
特許文献1には、液体吐出装置としての、インクジェットプリンタが開示されている。このインクジェットプリンタは、複数のノズルを有するインクジェットヘッドを備えている。インクジェットヘッドは、搬送される記録用紙に対して、その搬送方向と直交する用紙幅方向に往復移動可能である。また、インクジェットヘッドは、インクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部とチューブによって接続されている。インクジェットプリンタは、インクジェットヘッドを記録用紙に対して移動させながら、複数のノズルからそれぞれ記録用紙に向けてインクを吐出させることにより、記録用紙に画像等を記録する。
ところで、上記のようなインクジェットプリンタにおいて、インクジェットヘッドの複数のノズルから記録用紙に向けてインクを吐出させている間に、インクジェットヘッド内のインク流路の圧力が徐々に低下していく。通常は、その圧力低下(流路内の負圧の程度)に応じて、インクカートリッジからインクが供給される。しかし、インクの吐出量が多い(即ち、印字デューティが高い)と、インク流路内の圧力低下スピードが速いために、インクカートリッジからのインク供給が追いつかなくなる虞がある。ヘッドへのインク供給が遅れることによって、インク流路内の圧力が一定以下に下がると、ノズルのメニスカスが破壊されて空気がノズル内に入り込み、ノズルに吐出不良が生じる虞がある。
これに関して、特許文献1では、上述した、インクジェットヘッドへのインク供給不足が発生しうる状態になったときには、印字デューティを制限する、あるいは、待ち時間を設定することで、ヘッド内のインク圧力低下を抑え、インク供給不足の発生を防止している。
特開2010−214727号公報
しかしながら、印刷時におけるインク供給不足の発生を防止するためとはいえ、特許文献1のように、デューティを制限したり、あるいは、待ち時間を設けたりすると、その分、1枚の記録用紙に対する印刷に要する時間が長くなり、印刷速度が低下する。
本発明の目的は、記録用紙等の被吐出媒体への液体吐出に要する時間を長くすることなく、ヘッドへの液体供給の遅れを抑制することが可能な、液体吐出装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の液体吐出装置は、複数のノズルを有し、液体供給部から供給される液体を被吐出媒体に向けて液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと前記液体供給部との間に設けられたダンパー部と、前記ダンパー部のコンプライアンスを変化させるコンプライアンス変更部と、を備え、
前記コンプライアンス変更部は、前記液体吐出ヘッドが前記被吐出媒体へ向けて液体を吐出する吐出期間における、前記ダンパー部のコンプライアンスよりも、前記吐出期間の間の吐出休止期間における前記ダンパー部のコンプライアンスが小さくなるように、前記吐出期間と前記吐出休止期間との間で前記コンプライアンスを変化させることを特徴とするものである。
本発明においては、液体吐出ヘッドと液体供給部との間に、ダンパー部が設けられている。液体吐出ヘッドにおいて複数のノズルから液体を吐出させたときの、ヘッド内の液体流路の圧力低下には、液体の圧力変動を減衰させるダンパー部のコンプライアンス(即ち、圧力変動減衰機能)が大きく影響する。ノズルから液体を吐出している吐出期間では、液体流路内の圧力低下のスピードを鈍らせるため、ダンパー部のコンプライアンスは大きい(圧力変動減衰機能が高い)ことが望ましい。一方、ノズルからの液体の吐出を一時的に休止している吐出休止期間では、次の吐出期間が始まるまでに流路内の圧力を速やかに回復させるために、ダンパー部のコンプライアンスは小さい(圧力変動減衰機能が低い)のがよい。
そこで、本発明では、コンプライアンス変更部により、吐出休止期間のダンパー部のコンプライアンスが、吐出期間におけるコンプライアンスよりも低くなるように、吐出期間と吐出休止期間との間でコンプライアンスを変更する。これにより、吐出期間では、液体圧力の低下を抑制し、また、吐出休止期間では、先の吐出期間で低下した液体圧力を急激に回復させることができる。従って、被吐出媒体への液体の吐出に要する時間を長くすることなく、ヘッドへの液体供給遅れを防止できる。
第2の発明の液体吐出装置は、前記第1の発明において、前記液体吐出ヘッドは、前記被吐出媒体に対して所定の走査方向に往復移動可能であり、さらに、前記液体吐出ヘッドは、前記走査方向における1回のパスの間に前記被吐出媒体に対して液体を吐出するとともに、前記パスを複数回繰り返し、
前記コンプライアンス変更部は、前記液体吐出ヘッドが、前記走査方向における1回のパスでの液体吐出を終えたときに、前記ダンパー部のコンプライアンスを減少させることを特徴とするものである。
本発明において、液体吐出ヘッドは、被吐出媒体に対して走査方向に往復移動可能である。また、液体吐出ヘッドは、走査方向における1回の移動(パス)の間に被吐出媒体へ液体を吐出し、また、このパスを複数回繰り返し行う。ここで、上記の1回のパスでの液体吐出が終わったときに、液体吐出ヘッドは、移動方向を反転してから次のパスが開始されるまで、液体の吐出を一時的に休止する。そこで、本発明では、1回のパスの液体吐出が終わった後の、吐出休止期間において、ダンパー部のコンプライアンスを低下させる。
第3の発明の液体吐出装置は、前記第2の発明において、前記コンプライアンス変更部は、前記走査方向における1回のパスにおいて、前記液体吐出ヘッドが、前記複数のノズルが前記被吐出媒体と対向する位置から、前記複数のノズルが前記被吐出媒体と対向しない位置まで移動したときに、前記ダンパー部のコンプライアンスを減少させることを特徴とするものである。
走査方向における1回のパスにおいて、液体吐出ヘッドは、その移動範囲のうちの複数のノズルが被吐出媒体と対向する位置にあるときには、複数のノズルから液体を吐出させるが、複数のノズルが被吐出媒体と対向しない位置まで移動したら、液体の吐出は行わない。そこで、本発明では、液体吐出ヘッドが、1回のパスにおいて、複数のノズルが被吐出媒体と対向する位置から、複数のノズルが被吐出媒体と対向しない位置に移動したときに、ダンパー部のコンプライアンスを減少させる。
第4の発明の液体吐出装置は、前記第2又は第3の発明において、前記ダンパー部は、前記液体吐出ヘッドと一体的に前記走査方向に移動し、前記ダンパー部は、前記液体吐出ヘッド内の液体流路に連通するダンパー室と、前記ダンパー室を覆うダンパー膜とを有し、
前記コンプライアンス変更部は、前記走査方向における1回のパスでの、前記液体吐出ヘッドの移動範囲のうちの、端側領域に設置された接触部材を有し、前記液体吐出ヘッドが前記移動範囲の前記端側領域に到達したときに、前記接触部材が前記ダンパー部の前記ダンパー膜に接触することを特徴とするものである。
本発明では、液体吐出ヘッドの1回のパスが終了して、液体吐出ヘッドがその移動範囲の端側領域に到達したときに、その端側領域に設置されているダンパー膜に接触部材が接触する。これにより、ダンパー膜の変形が抑制されるため、ダンパー部のコンプライアンスが低下する。この構成では、各パスにおける液体吐出の終了後に、移動方向の反転のために液体吐出ヘッドを端側領域に到達させるだけで、簡単且つ自動的にダンパー部のコンプライアンスを低下させることができる。
第5の発明の液体吐出装置は、前記第2又は第3の発明において、前記ダンパー部は、前記液体供給部とチューブで接続され、且つ、前記液体吐出ヘッドと一体的に前記走査方向に移動し、
前記コンプライアンス変更部は、前記液体吐出ヘッドが、前記走査方向における1回のパスの間での液体吐出を終えたときに、前記ダンパー部のコンプライアンスを減少させ、さらに前記液体吐出ヘッドが移動して、その移動方向を反転する際に、前記ダンパー部のコンプライアンスを増加させることを特徴とするものである。
ダンパー部が、チューブによって液体供給部と接続され、且つ、液体吐出ヘッドと一体的に、液体供給部に対して走査方向に移動する構成では、液体吐出ヘッドがその移動方向を反転する際に、チューブとダンパー部との間で、慣性による液体の出入りが生じ、これによって液体圧力が変動する。そのため、液体吐出ヘッドの反転時には、その反転による液体圧力の変動を早期に吸収できるように、ダンパー部のコンプライアンスを大きくすることが好ましい。そこで、本発明では、1回のパスでの液体吐出が終了して、一旦、液体圧力を回復させるためにダンパー部のコンプライアンスを低下させた後、液体吐出ヘッドの移動方向が反転する際に、再び、コンプライアンスを大きくする。
第6の発明の液体吐出装置は、前記第1の発明において、前記液体吐出ヘッドは、前記複数のノズル内の液体にそれぞれ吐出エネルギーを付与するエネルギー付与部と、前記エネルギー付与部を駆動する駆動装置とを備え、
前記吐出期間は、前記駆動装置が、前記エネルギー付与部に対して、前記エネルギー付与部を作動させるための駆動信号を供給する期間であり、前記吐出休止期間は、前記駆動装置が、前記エネルギー付与部に対して、前記駆動信号を供給しない期間であることを特徴とするものである。
吐出期間は、複数のノズルから液体を吐出させる期間であるから、この吐出期間においては、駆動装置はエネルギー付与部に駆動信号を供給することで、エネルギー付与部を駆動して、ノズルから液体を吐出させる。一方、吐出休止期間においては、エネルギー付与部を駆動する必要がないため、駆動装置は、エネルギー付与部に駆動信号を供給しない。
本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 サブタンクの平面図である。 図2のIII-III線断面図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 (a)は図4のA部拡大図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 インクジェットヘッドの1パスの移動範囲と、その移動範囲の端側領域に配置されたコンプライアンス変更部を示す図である。 印刷中におけるインクジェットヘッド内のインク圧力変動の傾向を示す図である。 端側領域に位置するサブタンクとコンプライアンス変更部を示す図である。 変更形態のサブタンクとコンプライアンス変更部を示す図である。 別の変更形態のサブタンクとコンプライアンス変更部を示す図である。 別の変更形態のサブタンクとコンプライアンス変更部を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。尚、図1に示す前後左右の各方向をプリンタの「前」「後」「左」「右」と定義する。また、紙面手前側を「上」、紙面向こう側を「下」とそれぞれ定義する。以下では、前後左右上下の各方向語を適宜使用して説明する。
(プリンタの構成)
図1に示すように、インクジェットプリンタ1(本発明の液体吐出装置)は、プラテン2と、キャリッジ3と、サブタンク4と、インクジェットヘッド5と、カートリッジホルダ6と、搬送機構7と、メンテナンス装置8と、制御装置9等を備えている。
プラテン2の上面には、記録用紙100(本発明の被吐出媒体)が載置される。キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール10,11に沿って左右方向(以下、走査方向ともいう)に往復移動可能に構成されている。キャリッジ3には無端ベルト13が連結され、キャリッジ駆動モータ14によって無端ベルト13が駆動されることで、キャリッジ3は走査方向に移動する。
尚、プリンタ1の筐体には、走査方向に間隔を空けて配列された多数の透光部(スリット)を有するリニアエンコーダ12が設けられている。一方、キャリッジ3には、発光素子と受光素子とを有する透過型のエンコーダセンサ17が設けられている。エンコーダセンサ17が、リニアエンコーダ12の透光部を検知する度に検出信号を出力し、プリンタ1の制御装置9は、その検出信号からキャリッジ3の走査方向位置を認識する。
サブタンク4とインクジェットヘッド5は、共にキャリッジ3に搭載され、キャリッジ3とともに走査方向に移動可能である。図2は、サブタンク4の平面図である。図3は、図2のIII-III線断面図である。尚、図3では、サブタンク4の真下に位置するインクジェットヘッド5についても示されているが、このインクジェットヘッド5については、側面図で示すとともに、その内部流路を破線で簡略化して示している。
サブタンク4は、インクカートリッジ12が装着されたカートリッジホルダ6と、インクジェットヘッド5との間に設けられており、サブタンク4は、インクカートリッジ12から供給されたインクをインクジェットヘッド5へ供給する。より詳細には、図1に示すように、サブタンク4の上面には、チューブジョイント15が設けられ、このチューブジョイント15に4本のチューブ16の一端部が連結されている。4本のチューブ16の他端部は、カートリッジホルダ6(本発明の液体供給部)と接続されている。カートリッジホルダ6には、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクがそれぞれ貯留された4つのインクカートリッジ12が交換可能に装着されている。これにより、4つのインクカートリッジ12にそれぞれ貯留された4色のインクが、4本のチューブ16を介して、サブタンク4にそれぞれ供給される。
図2、図3に示すように、サブタンク4(本発明のダンパー部)は、4色のインクがそれぞれ流れる4つのインク流路21が形成された本体部材20を有する。各インク流路21は、チューブジョイント15と接続されたダンパー室22と、ダンパー室22と接続され、鉛直方向に延びる連通流路23とを有する。4色のインクがそれぞれ導入される4つのダンパー室22は、搬送方向に並べて配置されている。一方、4色のインクがそれぞれ流れる4つの連通流路23は、走査方向に並べて配置されている。
本体部材20の上面には、4つのダンパー室22を上方から覆うように可撓性のダンパーフィルム24(本発明のダンパー膜)が設けられている。キャリッジ3の走査方向における移動に伴うインクIの圧力変動が、サブタンク4内のインク流路21に生じたときには、各ダンパー室22においてダンパーフィルム24が変形することで、インク流路21内のインクの圧力変動が減衰されるようになっている。
尚、後で詳しく説明するが、本実施形態では、サブタンク4のダンパーフィルム24による圧力変動減衰機能(即ち、ダンパーフィルム24の変形のしやすさ:以下、サブタンク4のコンプライアンスともいう)を変更可能となっている。図1、及び、後で説明する図6に示すように、プラテン2に対して右側の領域と左側の領域のそれぞれにおいて、キャリッジ3が移動する空間の上には、サブタンク4のダンパーフィルム24に上方から接触可能なコンプライアンス変更部60がそれぞれ設けられている。記録用紙100への印刷中に、キャリッジ3がプラテン2の右側、あるいは、左側の位置に到達したときに、コンプライアンス変更部60が、サブタンク4のダンパーフィルム24に接触することで、ダンパーフィルム24の変形が規制され、サブタンク4のコンプライアンスが低下するようになっている。
インクジェットヘッド5(本発明の液体吐出ヘッド)は、サブタンク4の下部に取り付けられている。インクジェットヘッド5は、その下面に複数のノズル44を備え、サブタンク4から供給されたインクを吐出する。複数のノズル44は、4色のインクにそれぞれ対応して配列されて、4列のノズル列を構成している。インクジェットヘッド5の構造については、後で詳述する。
図1に示すように、搬送機構7は、前後方向にプラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18,19を有する。2つの搬送ローラ18,19は、図示しない搬送モータによって同期して駆動される。この搬送機構7は、搬送モータにより2つの搬送ローラ18,19を駆動することにより、プラテン2に載置された記録用紙100を、前方(以下、搬送方向ともいう)に搬送する。
メンテナンス装置8は、プラテン2の右側の位置に配置されている。メンテナンス装置8は、上下方向(図1の紙面垂直方向)に移動可能なキャップ25と、キャップ25に接続された吸引ポンプ26を備えている。メンテナンス装置8のキャップ25と吸引ポンプ26は、インクジェットヘッド5の複数のノズル44の吸引パージを行うためのものである。キャリッジ3がプラテン2よりも右側に移動し、インクジェットヘッド5の下面がキャップ25と対向したときに、キャップ25が上方に移動してインクジェットヘッド5の複数のノズル44を覆う。この状態で、吸引ポンプ26によりキャップ25内の空間を減圧することで、複数のノズル44内のインクを強制的に排出する(吸引パージ)。この吸引パージにより、インクジェットヘッド5のインク流路内の、塵、気泡、増粘したインクなどをノズル44から排出し、インクジェットヘッド5のインク吐出機能を回復させる。
制御装置9は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備える。また、制御装置9は、図示しないPC等の外部装置とデータ通信可能に接続されている。
ROMに格納されたプログラムに従い、ASICにより、記録用紙100への印刷等の各種処理を実行する。例えば、印刷処理においては、制御装置9は、PC等の外部装置から入力された印刷指令に基づいて、インクジェットヘッド5やキャリッジ駆動モータ14等を制御して、記録用紙100に画像等を印刷させる。具体的には、キャリッジ3とともにインクジェットヘッド5を走査方向に移動させながらインクを吐出させる、1回のパスでのインク吐出動作と、搬送ローラ18,19によって記録用紙100を搬送方向に所定量搬送する搬送動作とを、交互に行わせる。
(インクジェットヘッドの構造)
次に、インクジェットヘッド5の構造について説明する。図4は、インクジェットヘッド5の平面図である。図5(a)は図4のA部拡大図、(b)は(a)のB−B線断面図である。図4、図5に示すように、インクジェットヘッド5は、流路ユニット30と、圧電アクチュエータ31とを備えている。
図5(b)に示すように、流路ユニット30は、5枚のプレート35〜39が積層された構造を有する。5枚のプレート35〜39のうちの最下層のプレート39は、複数のノズル44が形成されたノズルプレート39である。一方、上側の残り4枚のプレート35〜38には、複数のノズル44に連通するマニホールド46や圧力室47等の流路が形成されている。
図4に示すように、流路ユニット30の上面には、4つのインク供給孔45が走査方向に並んで形成されている。4つのインク供給孔45は、上述したサブタンク4のインク流路21(図2、図3参照)と接続されており、サブタンク4から4色のインクがそれぞれ供給される。また、流路ユニット30は、その内部に、それぞれ搬送方向に延在する4本のマニホールド46を有する。4本のマニホールド46は、4つのインク供給孔45に接続されている。
また、流路ユニット30は、その下面に開口した複数のノズル44と、これら複数のノズル44にそれぞれ連通する複数の圧力室47とを有する。図4に示すように、平面視で、複数のノズル44は、4本のマニホールド46にそれぞれ対応して4列に配列されている。複数の圧力室47も、複数のノズル44と同様に、4本のマニホールド46に対応して4列に配列されている。図5(b)に示すように、各圧力室47は対応するマニホールド46に連通している。以上より、図5(b)に矢印で示すように、流路ユニット30内には、各マニホールド46から分岐して、圧力室47を経てノズル44に至る個別流路が複数形成されている。
図4、図5に示すように、圧電アクチュエータ31(本発明のエネルギー付与部)は、流路ユニット30の上面に配置されている。この振動板50と、圧電層54,55と、複数の個別電極52と、共通電極56を備えている。
振動板50は、複数の圧力室47を覆う状態で、流路ユニット30の上面に接合されている。2枚の圧電層54,55は、それぞれ、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等を主成分とする圧電材料かなり、振動板50の上面に積層されている。複数の個別電極52は、上層の圧電層55の上面において、複数の圧力室47とそれぞれ対向するように配置されている。共通電極56は、2枚の圧電層54,55の間において、複数の圧力室47に跨って配置されている。尚、圧電層55の、個別電極52と共通電極56とに挟まれている部分(活性部55aともいう)は、厚み方向において下向き、即ち、個別電極52から共通電極56に向かう方向に分極されている。
この圧電アクチュエータ31には、ドライバIC53(本発明の駆動装置)が実装されたCOF(図示省略)が電気的に接続されている。ドライバIC53は、制御装置9からの吐出制御信号を受けて、圧電アクチュエータ31の複数の個別電極52のそれぞれに対して、個別電極52の電位を、所定の駆動電位とグランド電位との間で変化させる駆動パルス信号を供給する。また、共通電極56は、COFのグランド配線(図示省略)と電気的に接続されることにより、常にグランド電位に保持されている。
ドライバICから個別電極52に駆動パルス信号が供給されて、個別電極52の電位が駆動電位に変化したときに、個別電極52と共通電極56との間に電位差が生じる。このとき、その個別電極52と共通電極56との電位差により、圧電層55の活性部55aに、その厚み方向に平行な電界が作用する。ここで、活性部55aの分極方向と電界の方向とが一致するために、活性部55aはその分極方向である厚み方向に伸びて面方向に収縮する。この活性部55aの収縮変形に伴って、振動板50が圧力室47側に凸となるように撓む。これにより、圧力室47の容積が減少して圧力室47内のインクにエネルギーが付与されることで、圧力室47に連通するノズル44からインクの液滴が吐出される。
(サブタンクのコンプライアンス変更)
図6は、インクジェットヘッド5の1パスの移動範囲と、その移動範囲の端側領域A2に配置されたコンプライアンス変更部60を示す図である。先にも述べたが、本実施形態のプリンタ1は、キャリッジ3(インクジェットヘッド5)の走査方向における1回の移動(パスともいう)の間に、インクジェットヘッド5の複数のノズル44から記録用紙100へ向けてインクを吐出させる。
より詳細には、図6において、1回のパスにおけるインクジェットヘッド5の移動範囲(印刷中移動範囲)のうちの中央領域(吐出領域A1という)にあるときに、インクジェットヘッド5の複数のノズル44が記録用紙100と対向する。この状態にあるときに、制御装置9は、印刷する画像データに応じた制御信号をインクジェットヘッド5のドライバIC53に送り、インクジェットヘッド5に複数のノズル44からインクを吐出させる。一方、インクジェットヘッド5が、前記吐出領域A1を通過して、印刷中移動範囲のうちの、前記吐出領域A1よりも左側、あるいは、右側の領域(端側領域A2という)まで移動すると、複数のノズル44が記録用紙100と対向しない状態となる。この端側領域A2内では、制御装置9は、インクジェットヘッド5に、複数のノズル44から記録用紙100へ向けてインクを吐出させることはせず、インクの吐出を休止させる。また、この端側領域A2においては、制御装置9は、次のパスを行うために、キャリッジ駆動モータ14を逆転させて、キャリッジ3及びインクジェットヘッド5の移動方向を反転させる。
図7は、印刷中におけるインクジェットヘッド5内のインク圧力変動の傾向を示す図である。図7に示すように、インクジェットヘッド5が図6の吐出領域A1内を移動しつつ、複数のノズル44からインクを吐出させる期間(吐出期間という)では、インクが消費されることによってインクジェットヘッド5内のインクの圧力が低下する。このとき、このインク圧力低下(流路内の負圧の程度)に応じて、インクカートリッジ12(図1参照)内のインクがサブタンク4を経由して供給される。
しかし、吐出期間におけるインクの吐出量が多いほど、インクの圧力低下のスピードが速くなり、インクカートリッジ12(サブタンク4)からのインク供給が追いつかなくなる。これにより、インクの圧力が所定の圧力P1以下まで低下すると、ノズル44のメニスカスが破壊されて空気がノズル44内に入り込み、ノズル44に吐出不良を生じさせてしまう。
ここで、上記の、吐出期間中における一時的なインク供給遅れを抑制するには、サブタンク4のダンパーフィルム24による圧力変動吸収が効果的である。この圧力変動吸収効果を高めるには、サブタンク4のダンパーフィルム24が変形しやすくなっていること、即ち、サブタンク4のコンプライアンス(圧力変動減衰機能)が大きいことが好ましい。吐出期間においては、サブタンク4のコンプライアンスが大きいほど、図7のインク圧力低下のスピードが鈍くなり、所定圧力P1以下まで低下することが抑制される。
一方で、常に、サブタンク4のコンプライアンスが大きいのがよいかというとそうではない。1回のパスにおいて、吐出領域A1におけるインクの吐出が終了すると(時間t1)、端側領域A2において、キャリッジ3が移動方向を反転して次のパスのインク吐出が始まるまで(時間t2)、インクジェットヘッド5はインクの吐出を休止することになる(吐出休止期間)。図7に示すように、吐出期間から吐出休止期間に移行すると、サブタンク4からインクジェットヘッド5へインクが供給され続けることによって、インクジェットヘッド5内のインクの圧力が回復していき、大気圧Patmに近づく。
その後、吐出休止期間が終わって、次のパスにおける吐出期間が始まると(時間t2)、吐出休止期間で回復した圧力を起点として、再び、インクの圧力が低下し始める。ここで、吐出休止期間において、インクの圧力が十分に回復していないと、次のパスの吐出期間におけるインク圧力低下の程度によっては、インクジェットヘッド5内のインクの圧力が所定圧力P1以下まで低下してしまう虞がある。
特に、双方向印字では、インクジェットヘッド5が走査方向の一方向に移動するとき(往動時)と、走査方向の他方向に移動するとき(復動時)で、それぞれインクを吐出させる。この場合、先のパスでのインクの吐出が終了した後、キャリッジ3の移動方向が反転する間の、わずかな時間しかインクの吐出が休止していない。つまり、吐出休止期間が短いため、先のパスで低下したインクの圧力が十分に回復する前に、次のパスにおける吐出期間が開始されてしまうことになり、後の吐出期間において、インク圧力が所定圧力P1以下まで低下しやすくなる。
そこで、吐出休止期間においては、先の吐出期間で低下したインクの圧力を、速やかに回復させることが望ましい。そのためには、サブタンク4のダンパーフィルム24による圧力変動吸収を効かさないのがよい。具体的には、サブタンク4のダンパーフィルム24を変形しにくくする、即ち、サブタンク4のコンプライアンス(圧力変動減衰機能)を小さくすることが好ましい。吐出休止期間において、サブタンク4のコンプライアンスが小さいと、インクカートリッジ12からのインクがインクジェットヘッド5内に速やかに流れ込むため、図7に破線で示すように、インクジェットヘッド5内のインク圧力の回復スピードが大きくなる。そのため、次の吐出期間が始まるまでに、短い時間で大気圧Patm付近までインクの圧力を回復させることが可能となる。
以上の観点に基づき、本実施形態では、吐出期間におけるサブタンク4のコンプライアンスよりも、吐出休止期間におけるサブタンク4のコンプライアンスが低くなるように、吐出期間と吐出休止期間との間で、サブタンク4のコンプライアンスを変化させる。
具体的には、図6に示すように、インクジェットヘッド5の印刷中移動範囲のうちの、吐出領域A1を挟む左右2つの端側領域A2に、それぞれ、コンプライアンス変更部60が設けられている。尚、本実施形態において、キャリッジ3及びインクジェットヘッド5は、記録用紙100への印刷中に1回のパスで移動する印刷中移動範囲よりも、さらに大きな範囲(最大移動範囲)内で移動可能である。即ち、インクジェットヘッド5の吸引パージを行う際には、キャリッジ3は、印刷中移動範囲よりもさらに右側の、メンテナンス装置8と対向する位置まで移動する。しかし、本実施形態において、コンプライアンス変更部60がサブタンク4のコンプライアンスを変更するのは、ノズル44からインクを吐出しながらパスを繰り返す、記録用紙100への印刷時である。そのため、コンプライアンス変更部60は、インクジェットヘッド5が記録用紙100へのインク吐出を行う際の、1回のパスでの移動範囲(印刷中移動範囲)のうちの端側領域A2に、設けられている。
次に、コンプライアンス変更部60の具体的な構成について説明する。図8は、端側領域A2に位置するサブタンク4とコンプライアンス変更部60を示す図である。図6、図8に示すように、左右2つのコンプライアンス変更部60は、互いに左右対称の構成であることから、以下では、左側のコンプライアンス変更部60について説明する。
図6、図8に示すように、コンプライアンス変更部60は、端側領域A2において、サブタンク4が移動する空間の上方に配置されている。コンプライアンス変更部60は、搬送方向に並ぶ4つの接触ローラ61(本発明の接触部材)と、これら4つの接触ローラ61を支持する支持部材62とを有する。支持部材62は、プリンタ1のフレーム(図示省略)に固定的に設けられている。この支持部材62には、搬送方向に延びる軸63が支持され、この軸63に4つの接触ローラ61が回転自在に取り付けられている。
吐出領域A1でのインクの吐出を終えて、サブタンク4及びインクジェットヘッド5がキャリッジ3とともに端側領域A2に移動すると、4つの接触ローラ61は、サブタンク4のダンパーフィルム24のうちの、4つのダンパー室22を覆っている部分にそれぞれ接触する。これにより、各ダンパー室22においてダンパーフィルム24の変形が接触ローラ61によって規制されるため、サブタンク4のコンプライアンスが減少する。
尚、接触ローラ61は、搬送方向に延びる軸63に回転自在に支持されているため、走査方向に移動するサブタンク4のダンパーフィルム24と接触する際に、各接触ローラ61が、ダンパーフィルム24に対して転がるように接触する。そのため、接触ローラ61とダンパーフィルム24との間に大きな摩擦力が発生せず、接触ローラ61が接触してもダンパーフィルム24が傷みにくい。
次に、端側領域A2においてキャリッジ3の移動方向が反転すると、次のパスが開始されて、サブタンク4及びインクジェットヘッド5が吐出領域A1へ向けて移動する。このとき、4つの接触ローラ61が、サブタンク4のダンパーフィルム24から離れる。これにより、各ダンパー室22におけるダンパーフィルム24の変形拘束が解除されるため、サブタンク4の各ダンパー室22のコンプライアンスが増加する。
以上説明したように、本実施形態では、コンプライアンス変更部60により、吐出期間の間の吐出休止期間におけるサブタンク4のコンプライアンスを、吐出期間におけるコンプライアンスよりも低くなるように、吐出期間と吐出休止期間との間でコンプライアンスを変更する。これにより、吐出期間では、コンプライアンスを高くしてインクジェットヘッド5内のインク圧力の低下を抑制し、また、吐出休止期間では、逆にコンプライアンスを低くして、先の吐出期間で低下したインク圧力を急激に回復させることができる。従って、従来のような印字デューティの制限や、待機時間の設定等を行う必要がないことから、記録用紙100へのインク吐出に要する時間(即ち、1枚の記録用紙100の印刷に要する時間)を長くすることなく、インクジェットヘッド5へのインク供給遅れを防止できる。
また、本実施形態では、インクジェットヘッド5の1回のパスが終了して、インクジェットヘッド5が印刷中移動範囲の端側領域A2に到達したときに、その端側領域A2に設置されている、コンプライアンス変更部60の接触ローラ61が、サブタンク4のダンパーフィルム24に接触する。これにより、ダンパー室22を覆うダンパーフィルム24の変形が抑制されるため、ダンパー室22のコンプライアンスが低下する。この構成では、各パスにおいて、インクジェットヘッド5のインク吐出の終了後に、移動方向の反転のためにインクジェットヘッド5を端側領域A2に到達させるだけで、簡単且つ自動的にサブタンク4のコンプライアンスを低下させることができる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]コンプライアンス変更部60の構成は、前記実施形態のようなものには限られない。例えば、以下に示すように、モータ等によって可動する部分を有する構成を採用することも可能である。
図9のコンプライアンス変更部60Aは、モータ70によって上下方向に移動可能に構成されている。図9の二点鎖線の位置から実線の位置まで、接触ローラ61が下方に移動したときに、接触ローラ61がダンパーフィルム24に接触する。また、制御装置9は、エンコーダセンサ17(図1参照)の検出信号から、インクジェットヘッド5が端側領域A2に移動してきたことを認識可能である。そこで、インクジェットヘッド5が端側領域A2に移動してきたときに、制御装置9は、モータ70を制御して、接触ローラ61をダンパーフィルム24に接触させることにより、ダンパー室22のコンプライアンスを小さくすることができる。
図10のコンプライアンス変更部60Bは、4つのダンパー室22内にそれぞれ収容された4枚の金属片71と、4つのダンパー室22の上方において上下に移動可能な磁石72と、磁石を上下に駆動させるモータ73とを備えている。モータ73によって磁石72をダンパーフィルム24に近づけると、各ダンパー室22内の金属片71が磁石72に引きつけられてダンパーフィルム24に接触する。この構成においても、インクジェットヘッド5が端側領域A2に移動してきたときに、制御装置9は、モータ73を制御して磁石72をダンパーフィルム24に近づけることで、ダンパー室22のコンプライアンスを小さくすることができる。
2]前記実施形態では、複数のノズル44が記録用紙100と対向しない端側領域A2に、インクジェットヘッド5が移動したときに、コンプライアンス変更部60がダンパー室22のコンプライアンスを変更する構成となっている。この構成では、コンプライアンス変更のタイミングは、インクジェットヘッド5が端側領域A2に移動してきたときであって、そのタイミングが固定されており、変更タイミングを自由に変えることができない。これに対して、例えば、以下のような構成のコンプライアンス変更部を採用すれば、コンプライアンスの変更タイミングを変えることも可能である。
図11のコンプライアンス変更部60Cは、ダンパーフィルム24の、4つのダンパー室22を覆う部分にそれぞれ配置された4つの金属片74と、4つのダンパー室22内にそれぞれ収容された4つの電磁石75と、4つの電磁石75にそれぞれ通電する通電回路76とを備えている。制御装置9は、通電回路76から4つの電磁石75への通電を制御する。通電回路76から電磁石75への通電が行われると、各電磁石75から磁束が発生し、ダンパーフィルム24に設けられた金属片74が電磁石75に引き寄せられる。これにより、ダンパーフィルム24の変形が抑制されるため、ダンパー室22のコンプライアンスが小さくなる。尚、図11の形態では、コンプライアンス変更部60Cが、サブタンク4に設けられているため、サブタンク4の位置に関係なく、ダンパー室22のコンプライアンスを自由に変更することができる。つまり、制御装置9が、通電回路76への通電タイミングを制御することで、コンプライアンスの変更タイミングを調整できるということである。
図11のようなコンプライアンス変更部60Cを採用すれば、例えば、以下のようなタイミングで、コンプライアンスの変更を行うことも可能である。
(a)インクジェットヘッド5は、1回のパスにおいて、常に、記録用紙100と対向する図6の吐出領域A1の全域で、インクを吐出するわけではない。印刷する画像データによっては、あるパスにおいては、図6の吐出領域A1の一部範囲においてのみインクを吐出し、他の範囲ではインクを吐出しない場合がある。そのような場合には、1回のパスでのインクの吐出が終了したら、インクジェットヘッド5が端側領域A2まで移動する前であっても、すぐに、コンプライアンスを小さくしてもよい。
具体的には、まず、制御装置9は、PC等の外部装置から入力された画像データから、各パスについて、吐出領域A1のうちの、実際にインクを吐出するインク吐出範囲を取得する。そして、制御装置9は、各パスにおいて、インクジェットヘッド5が、前記インク吐出範囲内でインクを吐出しながら移動するときには、コンプライアンス変更部60にコンプライアンス変更は行わせない。その後、インクジェットヘッド5が前記インク吐出範囲を過ぎたときには、制御装置9は、コンプライアンス変更部60C(通電回路76)を制御して、ダンパー室22のコンプライアンスを低くする。
尚、先の実施形態でも説明したように、インクジェットヘッド5のノズル44からインクを吐出させる際には、ドライバIC53は、圧電アクチュエータ31へ駆動パルス信号を供給し、圧電アクチュエータ31を駆動する。一方、インクジェットヘッド5がインクの吐出を休止している間は、圧電アクチュエータ31を駆動する必要がなく、ドライバIC53から圧電アクチュエータ31へ駆動パルス信号を供給しない。言い換えれば、上記の変更形態において、ドライバIC53が圧電アクチュエータ31へ駆動パルス信号を供給する期間が、本発明の「吐出期間」であり、吐出期間の間にあって、ドライバIC53が圧電アクチュエータ31へ駆動パルス信号を供給しない期間が、本発明の「吐出休止期間」である。
(b)図1に示すように、ダンパー室22を有するサブタンク4は、チューブ16によってカートリッジホルダ6(本発明の液体供給部)と接続されており、このサブタンク4はインクジェットヘッド5と一体的に走査方向に移動する。この構成においては、インクジェットヘッド5が、端側領域A2においてその移動方向を反転する際に、チューブ16とサブタンク4との間で、慣性によるインクの出入りが生じる。そして、このインクの移動によって、サブタンク4内のインク圧力が変動する。そのため、吐出期間から吐出休止期間に移行したときにサブタンク4のコンプライアンスを低下させた場合でも、吐出休止期間の中でインクジェットヘッド5が移動方向を反転する際には、反転による圧力変動を早期に吸収できるように、再度、コンプライアンスを大きくすることが好ましい。
即ち、1回のパスにおいて、インクジェットヘッド5のインクの吐出が終了すると、コンプライアンス変更部60によって、一旦、ダンパー室22のコンプライアンスを低下させる。さらに、インクジェットヘッド5の移動方向が反転する際には、再び、コンプライアンスを大きくする。具体的には、インクジェットヘッド5が、図6の吐出領域A1から端側領域A2に移動した直後にはコンプライアンスを小さくし、さらに進んで反転位置に到達する直前には、コンプライアンスを逆に大きくして、反転時に生じるインク圧力変動を効果的に吸収させる。
3]前記実施形態では、インクジェットヘッド5の一方向へのパスと他方向へのパスの、両方でインクを吐出させる、いわゆる、双方向印字において本発明を適用した例を説明した。これに対して、インクジェットヘッド5の一方向へのパスにおいてのみ、インクを吐出させ、他方向へのパスではインクを吐出させない、いわゆる、片方向印字でも本発明を適用可能である。この場合は、前記一方向へのパスでインクを吐出する期間が、本発明の「吐出期間」に相当し、前記一方向へのパスの間の、インクを吐出しない前記他方向へのパスを含む期間が、本発明の「吐出休止期間」となる。
4]複数枚の記録用紙100に対して続けて印刷を行う場合に、2枚の記録用紙100の印刷の間の期間において、コンプライアンスを低くすることも可能である。この形態では、2枚の記録用紙100の各々を印刷する期間が、本発明の「吐出期間」に相当し、2枚の記録用紙100の印刷の間の期間、即ち、印刷を終えた記録用紙100の排紙や、次に印刷する印刷用紙の給紙を行う期間が、本発明の「吐出休止期間」に相当する。
5]前記実施形態のプリンタ1は、インクジェットヘッド5が走査方向に移動しながら、記録用紙100に対してインクを吐出する、いわゆる、シリアルタイプのプリンタである。これに対して、搬送される記録用紙100の幅方向に配列された複数のノズルを有する、ライン型のインクジェットヘッドを備えた、いわゆる、ラインプリンタに対しても本発明を適用できる。例えば、ライン型のインクジェットヘッドによって、複数枚の記録用紙100に対して連続的に印刷を行う場合に、2枚の記録用紙100の印刷の間の、吐出休止期間において、インクジェットヘッドとカートリッジホルダの間に設けられたダンパー部のコンプライアンスを小さくする。
以上、説明した前記実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインクジェットヘッドに適用したものであるが、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される液体吐出装置においても本発明は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を噴射して、基板表面に導電パターンを形成する液体吐出装置にも、本発明を適用することは可能である。この場合、基板が、本発明の「被吐出媒体」に相当する。
1 インクジェットプリンタ
4 サブタンク
5 インクジェットヘッド
6 カートリッジホルダ
9 制御装置
12 インクカートリッジ
16 チューブ
22 ダンパー室
24 ダンパーフィルム
31 圧電アクチュエータ
44 ノズル
53 ドライバIC
60 コンプライアンス変更部
61 接触ローラ
60A,60B,60C コンプライアンス変更部
100 記録用紙

Claims (6)

  1. 複数のノズルを有し、液体供給部から供給される液体を被吐出媒体に向けて液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドと前記液体供給部との間に設けられたダンパー部と、
    前記ダンパー部のコンプライアンスを変化させるコンプライアンス変更部と、
    を備え、
    前記コンプライアンス変更部は、
    前記液体吐出ヘッドが前記被吐出媒体へ向けて液体を吐出する吐出期間における、前記ダンパー部のコンプライアンスよりも、前記吐出期間の間の吐出休止期間における前記ダンパー部のコンプライアンスが小さくなるように、前記吐出期間と前記吐出休止期間との間で前記コンプライアンスを変化させることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記液体吐出ヘッドは、前記被吐出媒体に対して所定の走査方向に往復移動可能であり、
    さらに、前記液体吐出ヘッドは、前記走査方向における1回のパスの間に前記被吐出媒体に対して液体を吐出するとともに、前記パスを複数回繰り返し、
    前記コンプライアンス変更部は、
    前記液体吐出ヘッドが、前記走査方向における1回のパスでの液体吐出を終えたときに、前記ダンパー部のコンプライアンスを減少させることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記コンプライアンス変更部は、
    前記液体吐出ヘッドが、前記走査方向における1回のパスにおいて、前記複数のノズルが前記被吐出媒体と対向する位置から、前記複数のノズルが前記被吐出媒体と対向しない位置まで移動したときに、前記ダンパー部のコンプライアンスを減少させることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記ダンパー部は、前記液体吐出ヘッドと一体的に前記走査方向に移動し、
    前記ダンパー部は、前記液体吐出ヘッド内の液体流路に連通するダンパー室と、前記ダンパー室を覆うダンパー膜とを有し、
    前記コンプライアンス変更部は、
    前記走査方向における1回のパスでの、前記液体吐出ヘッドの移動範囲のうちの、端側領域に設置された接触部材を有し、
    前記液体吐出ヘッドが前記移動範囲の前記端側領域に到達したときに、前記接触部材が前記ダンパー部の前記ダンパー膜に接触することを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記ダンパー部は、前記液体供給部とチューブで接続され、且つ、前記液体吐出ヘッドと一体的に前記走査方向に移動し、
    前記コンプライアンス変更部は、
    前記液体吐出ヘッドが、前記走査方向における1回のパスの間での液体吐出を終えたときに、前記ダンパー部のコンプライアンスを減少させ、
    さらに前記液体吐出ヘッドが移動して、その移動方向を反転する際に、前記ダンパー部のコンプライアンスを増加させることを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
  6. 前記液体吐出ヘッドは、前記複数のノズル内の液体にそれぞれ吐出エネルギーを付与するエネルギー付与部と、前記エネルギー付与部を駆動する駆動装置とを備え、
    前記吐出期間は、前記駆動装置が、前記エネルギー付与部に対して、前記エネルギー付与部を作動させるための駆動信号を供給する期間であり、
    前記吐出休止期間は、前記駆動装置が、前記エネルギー付与部に対して、前記駆動信号を供給しない期間であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
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