JP6375709B2 - 冷却システム - Google Patents

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Description

本発明は、冷却システムに関し、詳しくは、熱源と放熱器との間の冷媒流路に冷媒を循環させるため複数の電動ポンプを制御する技術に関する。
上記のように構成された冷却システムとして特許文献1には、半導体を冷却するための液体冷媒が供給される冷却ジャケットと、液体冷媒の熱を放熱するラジエータと、液体冷媒を循環させる電動型の2つの循環ポンプとを備えた液冷システムが示されている。
この特許文献1では、2つの循環ポンプが配管により直列に接続され、2つの循環ポンプと並列する位置にバイパス用のチューブを備え、故障等により1つの循環ポンプが停止した場合には、バイパス用のチューブに液体冷媒を送ることで液体冷媒の循環を行えるように構成されている。
また、この特許文献1では、2つの循環ポンプの回転を検出するセンサを備え、センサにより1つの循環ポンプが停止したことを判定した場合には、故障がない循環ポンプに対する電圧の上昇により回転速度を上昇させる制御を行うように構成されている。
特許文献2では、内燃機関とラジエータとの間の冷却水通路に対して、定格が異なる2つの電動ウォータポンプが並列に備えられ、これらの駆動を制御する電子制御ユニットを備えた冷却装置が示されている。
この特許文献2では、電子制御ユニットが、内燃機関の運転状態に応じた要求循環量に基づいて、最適となる一方の電動ウォータポンプを駆動する状態と、一方の駆動では対応できない場合に2つの電動ウォータポンプを同時に駆動する状態とに切り換えるように構成されている。
特開2005‐228237号公報 特開2006‐37883号公報
自動車の内燃機関を冷却するように、熱源としての内燃機関と、放熱器としてのラジエータとの間に冷媒としてのエンジンの冷却水を電動ポンプで循環させる冷却装置では、特許文献1や特許文献2にも記載されるように、ウォータポンプの駆動速度の調整により効率的な冷却が実現する。
電動モータで駆動されるウォータポンプの特性を考えると、冷却水を最も効率的に循環させる際の供給電力は決まった値になり、この効率的な駆動状態で循環させ得る冷媒の量も決まった値になる。
これに対して、特許文献2に記載されるように定格が異なる2つのウォータポンプを用いるものでは、供給する電力の調整により循環量の調整が可能となり、ウォータポンプを切り換えて用いることにより効率を高めることも可能となる。しかしながら、この特許文献2の構成では、2つのウォータポンプを選択して供給する電力を調整することになるため、必ずしもウォータポンプを良好な効率で利用していることにはならず、消費電力を考えると改善の余地があった。
本発明の目的は、複数の電動ポンプの制御により必要量の冷却水の循環を行う際の消費電力の抑制が可能な冷却システムを構成する点にある。
本発明の特徴は、熱源と放熱器との間の冷媒流路に冷媒を循環させる複数の電動ポンプと、複数の前記電動ポンプを個別に制御するポンプ制御装置とを備え、複数の前記電動ポンプは、全てが冷媒の循環量を調整可能であり、前記ポンプ制御装置が、設定された目標循環量が0である場合には、全ての前記電動ポンプを停止状態に維持し、前記目標循環量が0よりも大きく、複数のうちの1つの電動ポンプの効率循環量より小さい場合には、前記1つの電動ポンプに対し前記目標循環量を得る電力を供給するとともに、複数の前記電動ポンプのうち前記1つの電動ポンプを除く他の電動ポンプは停止し、前記目標循環量が、前記1つの電動ポンプの効率循環量を超え、且つ、複数の前記電動ポンプの全ての効率循環量を積算した値を越えない場合には、前記1つの電動ポンプを最高効率で駆動すると共に、前記目標循環量から当該1つの電動ポンプの効率循環量を減じた残余分を循環させるように前記他の電動ポンプを駆動する点にある。
この構成によると、設定された目標循環量が複数の電動ポンプのうち1つの電動ポンプの効率循環量の積算値を超え、且つ、この電動ポンプを除いた他の電動ポンプの総効率循環量の総量を超えない場合には、1つの電動ポンプを最高効率で駆動することにより電力に無駄がなく、他の電動ポンプを駆動することになるが、この駆動に要する電力の無駄を低減できる。
これにより、例えば、単一の電動ポンプのみを駆動する構成や、定格が異なる電動ポンプを選択し、供給電力を調整して駆動する構成と比較して、電動ポンプで消費される電力を削減することができる。
本発明は、前記ポンプ制御装置が、設定された目標循環量が、複数の前記電動ポンプの全ての効率循環量を積算した値より大きい場合には、複数の前記電動ポンプの全てに対して、効率循環量を得る電力より大きい電力を供給して駆動しても良い。
これによると、例えば、熱源の温度が目標温度より高くなり、設定された目標循環量が大きい場合に、全ての電動ポンプを、効率駆動量を得る電力より大きい電力で駆動する。これにより、熱源の温度低下が促進され、目標循環量が低減する。この結果、再び、少なくとも1つの電動ポンプを最高効率で駆動する状態に復帰させて消費電力を低減することができる。
本発明は、前記ポンプ制御装置が、設定された目標循環量が、複数の前記電動ポンプの全ての効率循環量を積算した値より大きい場合には、複数の前記電動ポンプの少なくとも1つに対して、その電動ポンプの最高効率で駆動する電力を供給し、他の電動ポンプに対して、効率循環量を得る電力より大きい電力を供給して駆動しても良い。
これによると、複数の電動ポンプの少なくとも1つを最高効率で駆動することにより、他の電動ポンプが非効率な領域で駆動される場合でも、消費電力の抑制が可能となる。
本発明は、複数の前記電動ポンプとして、最高効率で駆動した際の消費電力と、効率循環量とが等しい2つの電動ポンプを用いても良い。
性能が等しい2つの電動ポンプを用いることで、制御が単純となりメンテナンスも容易となる。
本発明は、複数の前記電動ポンプとして、最高効率で駆動した際の消費電力と、効率循環量とが異なる2つの電動ポンプを用いても良い。
これによると、性能が異なる電動ポンプを用いることにより、例えば、目標循環量が0から増大する場合には、ポンプ制御装置が2つの電動ポンプのうち、最高効率で駆動した際の消費電力と、効率循環量とが小さい電動ポンプを先に駆動することにより、冷媒の循環量が少ない場合でも細やかなコントロールが可能となる。
本発明は、前記目標循環量が0から増大する場合には、前記ポンプ制御装置が前記2つの電動ポンプのうち、最高効率で駆動した際の消費電力と、効率循環量とが小さい電動ポンプを先に駆動しても良い。
エンジンの冷却システムを示す図である。 モータ制御ユニットの構成を示すブロック回路図である。 ポンプ制御ルーチンのフローチャートである。 2つの電動ポンプの流量と効率とを表すグラフである。 2つの電動ポンプの出力と流量との関係を示すグラフである。 2つの電動ポンプに供給される電力を示すタイミングチャートである。 2つの電動ポンプの振動と位相差とを示すタイミングチャートである。 2つの電動ポンプの振動の関係を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔冷却システムの構成〕
図1に示すように、乗用車等の車両に備えられるエンジンEのウォータジャケット1(熱源の一例)の冷却水(冷媒の一例)をラジエータ2(放熱器の一例)に送り、放熱の後にウォータジャケット1に戻す循環型の冷媒流路Rが構成されている。この冷媒流路Rに冷却水を循環させる第1電動ポンプP1と第2電動ポンプP2と備え、これらを個別に制御するポンプ制御装置10と、各々の電動ポンプP(第1電動ポンプP1と第2電動ポンプP2との上位概念)に電力を供給するモータ制御ユニット11とを備えてエンジンの冷却システムが構成されている。
エンジンEは4サイクル型等の一般的な内燃機関であり、冷媒流路Rは、ウォータジャケット1から冷却水を送り出す供給管3と、ラジエータ2で放熱した冷却水をエンジンEのウォータジャケット1に戻す還元管4とを備えている。供給管3には冷却水の温度を計測する温度センサTSを備えている。
ラジエータ2の上部にはラジエータキャップ2Aが備えられ、この近傍にリザーバタンク5が備えられ、ラジエータキャップと一体形成されたプレッシャーバルブを介してリザーバタンク5との間で冷却水を給排する給排管6が備えられている。
2つの電動ポンプP(第1電動ポンプP1と第2電動ポンプP2との上位概念)は還元管4において冷媒流路Rの冷却水の循環方向(図1に矢印で示す方向)に沿って直列に配置されている。各々の電動ポンプPは、三相ブラシレス直流モータで成るモータMと、インペラWとを有する遠心ポンプ型に構成されている。尚、モータMとして同期型モータや誘導型モータを用いても良い。
電動ポンプPは、インペラWと、これらを収容するハウジングとの内部に間隙が形成され、2つの電動ポンプPの一方が停止する状況においても他方を駆動することにより、還元管4での冷却水の循環が可能となる。また、2つの電動ポンプPが同時に駆動された場合には供給管3の圧力上昇に伴い流量が増大する。
モータMは、永久磁石で構成されるロータと、これを取り囲む位置に配置される界磁コイルとを備えて構成されている。このモータMは、3相交流が供給されることにより回転する6極3相9スロット型に構成されている。
〔制御構成〕
このエンジンの冷却システムでは、第1電動ポンプP1と第2電動ポンプP2とに等しい性能のものが使用されている。具体的には、各々の電動ポンプPが最高効率で駆動した際の消費電力と、効率循環量Qeとが等しい性能のものが使用されている。
モータ制御ユニット11は、ポンプ制御装置10での制御により、電源12からの電力から三相交流を作り出し、少なくとも何れか一方の電動ポンプPのモータMに供給することにより、電動ポンプPの回転数(単位時間あたりの回転数)を設定するインバータとして機能する。
つまり、モータ制御ユニット11は、図2に示すように、各々のモータMに対応する一対の電力制御部11Aと、一対のPWM制御部11Cと、一対の位相検知部11Bとを備えると共に、各々のモータMの回転位相を調整するための信号を電力制御部11Aに出力する単一の相対位相制御部11Dを備えている。
電力制御部11Aは、直流の電源12の電力から三相交流を作り出し、モータMの界磁コイルに供給するために複数の電力制御素子を有している。PWM制御部11Cは、デューティ比の設定により電力制御部11Aから界磁コイルに供給する電力(電圧)を制御するため電力制御素子を有している。位相検知部11Bは、三相交流の各相の誘起電圧を取得しゼロクロスのタイミングからロータの回転位相を取得するようにA/D変換素子やシャント抵抗等を有している。相対位相制御部11Dは各々の電力制御部11Aにおける三相の電力の出力タイミングを設定する。
ポンプ制御装置10は、温度センサTSの計測信号が入力し、モータ制御ユニット11からの制御信号が入力すると共に、モータ制御ユニット11に制御信号を出力する。また、ポンプ制御装置10は、マイクロプロセッサやDSPを用いることによりECUとして構成されるものであり、循環量設定部10Aと、駆動モード設定部10Bと、位相制御部10Cと、記憶部10Dとを備えている。
循環量設定部10Aは、温度センサTSの計測信号に基づいて冷媒流路Rでの冷却水の目標循環量Qd(単位時間あたりの水量)を設定する。駆動モード設定部10Bは、電動ポンプPの駆動形態を設定する。位相制御部10Cは2つの電動ポンプPが同時に駆動される場合に、各々のモータMの回転に起因する振動を抑制する。
記憶部10Dは、EEPROM等の不揮発性メモリで構成され、温度センサTSで計測される冷却水温に対応して目標循環量Qdを設定するテーブル、あるいは、演算により目標循環量Qdを設定する関数や係数等の情報を記憶している。このテーブルあるいは情報は、モータ制御ユニット11に出力される目標電力信号と対応するものであり、例えば、テーブルから読み出した目標電力信号をモータ制御ユニット11に出力することにより、モータ制御ユニット11は、目標電力信号に対応する電力を電動ポンプPのモータMに供給し、目標循環量Qdを得るように構成されている。
更に、記憶部10Dは、電動ポンプPを最高効率で駆動した際の効率循環量Qeと、最高効率で駆動する際に必要とする供給電力値を記憶する。尚、循環量設定部10Aと、駆動モード設定部10Bと、位相制御部10Cとはソフトウエアで構成されるものであるが、これらをロジック等のハードウエアで構成しても良い。
このエンジン冷却システムでは、例えば、最高効率が異なる複数の電動ポンプPを備えた場合には、各々のモータMに対応して供給電力値に対する冷却水の循環量を表す複数のテーブルや、供給電力値と循環量との関係を示す複数の関数や、係数のように演算の元になる複数のデータ等が記憶部10Dに記憶されることになる。これに加えて、記憶部10Dは、各々の電動ポンプPを最高効率で駆動した際の効率循環量Qeと、最高効率で駆動する際に必要とするように複数の供給電力値が電動ポンプ毎に記憶される。
尚、このエンジン冷却システムでは、モータ制御ユニット11のPWM制御部11Cの制御により、電動ポンプPのモータMに印加する電圧を変更することにより供給電力を変更させて回転数(単位時間あたりの回転数)を制御する制御形態となる。
効率循環量Qeは、予め計測された値である。尚、効率循環量Qeを計測する場合には、電動ポンプPのモータMを駆動する供給電力を(印加電圧を)連続的に変更する状況で、その供給電力と冷却水の循環量とをサンプリングする計測を行い、複数のサンプリングタイミングでの供給電力値と循環量とを取得する。このように取得した供給電力値で循環量を除して得られる値のうち、最も大きい値が最高効率となる。従って、電動ポンプPを最高効率で駆動した場合に、単位流量の冷却水を循環させるに必要な供給電力値も最も小さくなる。この現象を利用して省電力を実現するため最高効率における循環量を効率循環量Qeに設定し、これに対応する供給電力値が記憶部10Dに記憶されている。
〔制御形態〕
このポンプ制御装置10の制御形態の概要をポンプ制御ルーチンとして図3のフローチャートに示している。この制御では、循環量設定部10Aが温度センサTSで計測される冷却水の水温に基づいて、冷媒流路Rに循環させる目標循環量Qdを設定する(#1ステップ)。
このステップでは、記憶部10Dに記憶されたデータと、冷却水温とに基づき目標循環量Qdが求められる。
次に、目標循環量Qdと、効率循環量Qeとが比較されることになるが(#2ステップ)、目標循環量Qdが「0」である場合には、駆動モード設定部10Bが双方の電動ポンプPを停止状態に維持する(#3、#4ステップ)。尚、このポンプ制御ルーチンでは、モータMに対する電力供給を停止するようにモータ制御ユニット11を制御して電動ポンプPを停止させる。
また、#2ステップでの比較により目標循環量Qdが効率循環量Qeより小さい場合には(等しい場合も含む)、一方の電動ポンプPに対し目標循環量Qdを得る電力を供給し、他方の電動ポンプPは停止する(#5、#6ステップ)。尚、目標循環量Qdが効率循環量Qeと一致する場合には、一方の電動ポンプPに対して効率循環量Qeを得る電力が供給される。
前述したように、記憶部10Dには電動ポンプPに供給する供給電力値と、その供給電力値に対応する冷却水の循環量との関係を示すテーブルデータや、演算の元になるデータの何れかが記憶されている。従って、ポンプ制御装置10では、データに基づき目標循環量Qdから供給すべき電力が求められる。
このように#5、#6ステップでは、目標循環量Qdに基づいて求められた電力を一方の電動ポンプPに供給することにより、必要とする循環量を得る。
また、#2ステップでの比較により目標循環量Qdが効率循環量Qeより大きく、効率循環量Qeの2倍より小さい場合には(等しい場合も含む)、駆動モード設定部10Bが一方の電動ポンプPに対し、効率循環量Qeを得る電力を供給し、他方の電動ポンプPは残余分(Qd−Qe)の循環量を得る電力を供給する(#7、#8ステップ)。尚、残余分(Qd−Qe)の循環量が効率循環量Qeと一致する場合には、他方の電動ポンプPに対して効率循環量Qeを得る電力が供給される。
この#7、#8ステップでは、双方の電動ポンプPを駆動することなり、この駆動時には少なくとも一方の電動ポンプPに対して効率循環量Qeを得る電力を供給することになるため、効率的に電動ポンプPを駆動して省電力を実現する。
特に、この実施形態のように2つの電動ポンプPを用いる場合に、#7ステップでは、設定された目標循環量Qdが1つの電動ポンプPの効率循環量を超え、且つ、1つの電動ポンプを除いた他の電動ポンプPの総効率循環量を超えないことを判定している。この判定において、他の電動ポンプPが1つであるため、総効率循環量が1つの電動ポンプPの効率循環量Qeと一致することになる。そして、#8ステップでは、1つの電動ポンプPを最高効率で駆動すると共に、目標循環量Qdから当該1つの電動ポンプPの効率循環量Qeを減じた残余分を循環させるように他の電動ポンプPを駆動することになる。
この実施形態では、2つの電動ポンプPを用いた冷却システムにおける制御形態を説明しているが、例えば、3つ以上となるN個の電動ポンプPを用いる場合には、目標循環量Qdが1つの電動ポンプPの効率循環量Qeを超え、且つ、他の電動ポンプP(N−1個)の効率循環量Qeの(N−1個)倍を超えない((N−1個)の電動ポンプの総効率循環量〔(N−1)×Qe〕を超えない)場合にも#7、#8ステップと同様の制御が行われる。具体的には、少なくとも1つの電動ポンプPに対して効率循環量Qeを得る電力を供給し、残余分の循環量を残りの(N−1個)電動ポンプPで循環させるように、これらの電動ポンプPに対して電力が供給される。
電動ポンプPの流量Qと効率との関係を図4のグラフのように示すことが可能であり、第1電動ポンプP1に供給する電力を増大した場合に、流量Qが効率循環量Qeに達した時点で最高効率となる。同図には、第1電動ポンプP1で効率循環量Qeを得るように駆動する状況において、第2電動ポンプP2の駆動を開始した場合に、第1電動ポンプP1と第2電動ポンプP2と併せた効率が低い状態から上昇することも示しており、冷媒流路Rに流れる冷却水の流量Qが、第1電動ポンプP1と第2電動ポンプP2との流量を併せた流量Qが、効率循環量Qeの2倍に達した時点で最高の効率で冷却水を循環させることになることが理解できる。
尚、同図に示す「圧力」のグラフは、冷媒流路Rに圧力センサを備えて冷却水に作用する圧力であり、冷却水の流量が増大するほど圧力が低下することを示している。
図5のグラフには、第1電動ポンプP1と第2電動ポンプP2との出力と流量との関係を示している。このグラフから第1電動ポンプP1による流量Qが効率循環量Qeに達した時点で、この第1電動ポンプP1の駆動状態を維持し第2電動ポンプP2の駆動を開始して必要とする流量を得ることが理解できる。
また、目標循環量Qdが効率循環量Qeの2倍より大きい場合には、駆動モード設定部10Bが効率循環量Qeの1/2の量の流量を双方の電動ポンプPで循環させるように双方の電動ポンプPに等しい電力を供給する(#9ステップ)。このように供給される電力は、2つの電動ポンプPで効率循環量を得るために供給される電力より大きい。
尚、#9ステップにおいて、目標循環量Qdが、効率循環量Qeの2倍より僅かに多い場合には、一方の電動ポンプPに対して効率循環量Qeを得る電力を供給し、他方の電動ポンプPに対して、残余分(Qd−2Qe)の循環量を得る電力を供給するように制御形態を設定しても良い。
更に、2つの電動ポンプPが駆動される状況では、位相制御部10Cが、2つのモータMの位相差αを設定することにより振動を抑制する振動抑制制御が実行される(#10ステップ)。
この振動抑制制御(#10ステップ)では、2つの位相検知部11Bから回転位相をポンプ制御装置10の駆動モード設定部10Bが取得して等速(等しい回転数)で回転させるようにPWM制御部11Cに制御信号を出力する。更に、このように2つのモータMが等速で回転する場合には、相対位相制御部11Dが、電力制御部11Aを制御することにより2つのモータMの位相差αを設定して振動が抑制される。
モータMは、前述したように6極3相9スロット型であり、ステータにはU相、V相、W相の各相の界磁コイルが備え、永久磁石で成るロータを備えている。図6に示すように、第1電動ポンプP1のモータMのU相、V相、W相には、この順序で電気角で120度の位相差で印加される。このようにU相、V相、W相の三相のステータコイルに電流が流れることにより、このモータMではロータと界磁コイルとの間に作用する吸引力と斥力とによりロータの回転が可能となる。
また、モータMの駆動時には、主としてコギングトルクの作用により振動を発生させるため、2つのモータMを同相で駆動した場合には、振動が重畳すること等により共振を招き結果としてエンジン冷却システムを振動させることもあった。
この種のモータMでは、1回転で6回の相切換タイミングが発生し、相切換は図6のタイミングチャートに示されるように、相切換タイミング60度に対応する周期Tで行われる。尚、モータMが極3相9スロット型であるため、モータMが1回転する際の相切換は18回行われる。
このように相切換が行われるため、コギングトルクに起因する振動も周期Tと同期する。このような理由から周期Tの1/2だけ位相がずれたタイミング(30度の位相差)で他方のモータMの各相に電流を供給することにより振動を抑制している。
図6に示すタイミングチャートでは、半波(ユニポーラ)駆動方式において、U相、V相、W相の各相における電流の供給タイミングを示しており、同図で上段に示す第1電動ポンプP1のモータMに対する電流の供給タイミングと比較して、同図で下段に示す第2電動ポンプP2のモータMに対する電流の供給タイミングを、周期Tの1/2となる位相差αだけシフトさせることにより、逆位相となる2つの振動を互い振動で相殺させ、振動の抑制を実現している。
つまり、図7に示すように、第1電動ポンプP1で発生する振動が周期Tで継続して発生する場合に、第2電動ポンプP2で発生する振動を位相差αに対応するタイミングだけずらすことにより、振動の重畳を抑制している。特に、第1電動ポンプP1のモータMの駆動により発生する振動を図8に示すように実線に示した場合に、第2電動ポンプP2のモータMの駆動により発生する振動を波線で示すように作り出し、各々の振動が相殺することにより振動を低減しているのである。
このような位相差αで2つのモータMを駆動する場合には、相対位相制御部11Dが各々の電力制御部11Aを制御することとなる。つまり、相対位相制御部11Dは、一方のモータMに対する電力を一時的に増大することや、一時的に低減することにより位相を進ませるあるいは、遅れさせることにより、位相差αを作り出し、この位相差αを維持するように制御を行うのである。
〔#10ステップの変形例〕
前述した実施形態では、位相差αを周期Tの1/2に設定しているが、電動ポンプPの駆動時には、ロータとインペラWとを含む回転系が回転することにより振動が発生することも多く、このように回転系の振動の特性や、2つのモータMの位置関係や、モータMの回転数、あるいは、インペラWによって送られる冷却水の脈動や、冷却水同士の干渉等により、位相差αを一義的に決めることが困難である。
このような理由から、2つのモータMを同時に等速(等しい回転数)で駆動した場合に振動を最も良好に抑制される位相差αを、モータMの回転数に対応して予めFFTアナライザ等により振動を計測し、この振動が最も小さくなる位相差αを求め、記憶部10Dに対してテーブルデータとして記憶する。そして、2つのモータMが同時に等速で駆動される場合には、回転数に基づいて記憶部10Dに記憶した位相差αを読み出し、この位相差αで2つのモータMを駆動するように制御を行っても良い。
このように、実測に基づいて位相差αを設定することにより、回転数や2つのモータMの相対的な位置関係、あるいは、冷却水の脈動等を反映した状態で良好に振動の抑制が可能となる。
〔実施形態の効果〕
このように、2つの電動ポンプPの少なくとも一方を最高効率で駆動して省電力を実現するだけではなく、複数の電動ポンプPを備えているため、単一の電動ポンプPを備えるものと比較して電動ポンプPの故障時にも冷却水を循環させることが可能となりエンジンEのオーバヒートを抑制できる。
また、性能が等しい2つの電動ポンプPを用いることにより、例えば、異なる性能の電動ポンプPを用いる構成と比較して、電動ポンプPのメンテナンスが容易で交換のために複数種の電動ポンプPを準備する必要もない。
更に、最高効率で駆動した際の消費電力と、効率循環量とが異なる2つの電動ポンプPを用いることにより、例えば、目標循環量が0から増大する場合には、2つの電動ポンプPのうち、最高効率で駆動した際の消費電力と、効率循環量とが小さい電動ポンプP(小容量側の電動ポンプP)を先に駆動することにより、冷媒の循環量が少ない場合でも細やかなコントロールが可能となる。
尚、性能が異なる2つの電動ポンプPを用いるもので、目標循環量が0から増大する場合には、2つの電動ポンプPのうち、大容量側の電動ポンプPを先に駆動するように制御の順序を設定しても良い。このように順序を設定することにより小容量側の電動ポンプPの使用頻度を低下させて故障の発生を抑制し、例えば、大容量側の電動ポンプPが故障した場合に、小容量側の電動ポンプPの作動によりエンジンEのオーバヒートを抑制することも可能となる。
目標循環量Qdが効率循環量Qeを超えない場合には、1つの電動ポンプPのみを駆動するため、例えば、大容量の1つ電動ポンプPを駆動する場合と比較して電力の無駄を抑制する。また、複数の電動ポンプPを駆動する場合に1つの電動ポンプPを最高効率で駆動することにより、電力を無駄に消費することがなく、効率的な冷却水の循環を実現する。
2つの電動ポンプPを同時に等しい数で駆動する場合に回転位相の位相差αを設定することにより振動を抑制して運転者が感ずる振動音を小さくして快適な運転環境を得る。また、振動を抑制する場合に、実測に基づいて位相差αを設定した場合には、振動の抑制が更に良好に行える。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い。
(a)複数の電動ポンプPとして3つ以上の電動ポンプPを冷媒流路Rに備える。また、複数の電動ポンプPを備える場合に、これらを並列的に配置しても良い。このように、3つ以上の電動ポンプPを備えた場合には、2つ以上の電動ポンプPを最高効率で同時に駆動することが可能となり、消費電力の抑制が可能となる。
(b)循環量設定部10Aで目標循環量Qdが設定された場合に、2つの電動ポンプPのうち先に駆動する電動ポンプPを、エンジンEの始動毎に切り換えるように制御形態を設定する。このように制御形態を設定することにより、双方の電動ポンプPの積算駆動時間を略等しくし、故障状態に陥るまでの時間を長くし、メンテナンス時には同時の交換が可能となる。
(c)例えば、3つ以上のN個の電動ポンプPを備えたシステムで、目標循環量QdがN個の電動ポンプPの効率循環量Qeを積算した値を超える場合に、(N−1)個の電動ポンプPを効率循環量Qeを得るように電力を供給し、残りの1つの電動ポンプPで残余分〔Qd−(N−1)×Qe〕の冷媒を循環させるように駆動する。このように制御した場合には、1つの電動ポンプPが効率循環量Qeを超える状態で駆動されるが(N−1)個の電動ポンプPで効率循環量Qeを得るように駆動するため、電力の無駄を低減が可能となる。
(d)電動ポンプPの回転位相を検知可能な構成を利用して、供給電力に対する電動ポンプPの回転数に基づき、故障を検知し、報知できるように構成する。これにより電動ポンプPの交換時期を容易に把握できる。
本発明は、熱源と放熱器との間の冷媒流路に冷媒を循環させるために複数の電動ポンプを備えた冷却システムに利用することができる。
1 熱源(ウォータジャケット)
2 放熱器(ラジエータ)
10 ポンプ制御装置
P 電動ポンプ
R 冷媒流路
Qd 目標循環量
Qe 効率循環量

Claims (6)

  1. 熱源と放熱器との間の冷媒流路に冷媒を循環させる複数の電動ポンプと、複数の前記電動ポンプを個別に制御するポンプ制御装置とを備え、
    複数の前記電動ポンプは、全てが冷媒の循環量を調整可能であり、
    前記ポンプ制御装置が、複数の前記電動ポンプを個別に最高効率で駆動した際の単位時間あたりの冷媒の循環量を効率循環量として電動ポンプ毎に記憶しており、
    前記ポンプ制御装置は、
    設定された目標循環量が0である場合には、全ての前記電動ポンプを停止状態に維持し、
    前記目標循環量が0よりも大きく、複数のうちの1つの電動ポンプの効率循環量より小さい場合には、前記1つの電動ポンプに対し前記目標循環量を得る電力を供給するとともに、複数の前記電動ポンプのうち前記1つの電動ポンプを除く他の電動ポンプは停止し、
    前記目標循環量が、前記1つの電動ポンプの効率循環量を超え、且つ、複数の前記電動ポンプの全ての効率循環量を積算した値を越えない場合には、前記1つの電動ポンプを最高効率で駆動すると共に、前記目標循環量から当該1つの電動ポンプの効率循環量を減じた残余分を循環させるように前記他の電動ポンプを駆動する冷却システム。
  2. 前記ポンプ制御装置は、設定された目標循環量が、複数の前記電動ポンプの全ての効率循環量を積算した値より大きい場合には、複数の前記電動ポンプの全てに対して、効率循環量を得る電力より大きい電力を供給して駆動する請求項1記載の冷却システム。
  3. 前記ポンプ制御装置は、設定された目標循環量が、複数の前記電動ポンプの全ての効率循環量を積算した値より大きい場合には、複数の前記電動ポンプの少なくとも1つに対して、その電動ポンプの最高効率で駆動する電力を供給し、他の電動ポンプに対して、効率循環量を得る電力より大きい電力を供給して駆動する請求項1記載の冷却システム。
  4. 複数の前記電動ポンプとして、最高効率で駆動した際の消費電力と、効率循環量とが等しい2つの電動ポンプが用いられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却システム。
  5. 複数の前記電動ポンプとして、最高効率で駆動した際の消費電力と、効率循環量とが異なる2つの電動ポンプが用いられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却システム。
  6. 前記目標循環量が0から増大する場合には、前記ポンプ制御装置が前記2つの電動ポンプのうち、最高効率で駆動した際の消費電力と、効率循環量とが小さい電動ポンプを先に駆動する請求項5に記載の冷却システム。
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