JP6375241B2 - 浄化槽の維持管理状況の異常を検知するための装置 - Google Patents

浄化槽の維持管理状況の異常を検知するための装置 Download PDF

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Description

本発明は、浄化槽の維持管理状況の異常を検知するための装置に関し、より具体的には、浄化槽の維持管理情報を一元管理し、その情報を元に維持管理状況を自動評価することによって、運営状況の異常を早急に検知して、より精度の高い浄化槽設備の維持管理及び水質保全ができるようにするための装置に関する。
大都市では、建物や施設から排出される汚水を受け入れてから処理して排水するまでの汚水処理システムとして、大規模な下水道を備える下水処理システムが発達している。一方、建物や施設が分散している地域では、大規模な下水道を設置することは、費用等の面において困難である。そこで、こうした地域においては、分散型の浄化槽が多く用いられる。浄化槽は、環境の汚染を防止するという、社会上重要な役割を担っている。
個人住宅や地域の施設で用いられる浄化槽は、処理能力や処理内容によって設備及び機器の構成が様々であり、また同じような規模の浄化槽であっても設備及び機器の製造業者などが異なるため、事実上、浄化槽は一つ一つ構成が異なる。従来の浄化槽は法令で規定された構造基準に従って製造されたが、近年新設される浄化槽は法令で規定された性能基準に適合するように製造されており、このことも浄化槽の多様化の一因となっている。
一般に、浄化槽は工事業者によって設置される。設置された浄化槽は、人槽に応じて毎年数回の保守点検及び清掃が義務付けられており、その実務は一般に地域の組織や企業といった事業者に委託される。浄化槽の保守点検、清掃及び水質検査は総称して維持管理と呼ばれ、従来、次のようにして行われている。個人住宅や地域の施設等が建設されて浄化槽が設置されると、浄化槽の維持管理を委託された事業者は、その浄化槽の処理能力や処理内容、規模、構成に基づいて管理すべき事項をリストアップし、管理用チェックリストを作成する。その際には、浄化槽に用いられる設備及び機器を一つ一つ洗い出して各々について管理すべき事項をリストアップする。こうして作成された各々の浄化槽の管理用チェックリストは、浄化槽管理者及び浄化槽の管理を委託された事業者が保管し、浄化槽の管理をするときに持ち出して使われる。
従来の典型的な浄化槽の保守点検は、次のように行われる。浄化槽の保守点検を委託された事業者は、まず、1日で保守点検を行う複数の浄化槽の管理用チェックリストを抽出し、作業者がそれを持って巡回する。浄化槽の巡回順序は予め決めておき、その順番で巡回する。浄化槽の設置場所に着くと、その浄化槽に該当する管理用チェックリストを選択し、表示されている項目ごとに保守点検のための作業を実施する。そして、管理用チェックリストの該当箇所に実施した旨を記入する。これを全項目について繰り返す。依頼元から料金を受け取った場合には、料金を収納したことも管理用チェックリストに記入する。浄化槽の保守点検が終わると、リストを見て保守点検が終わっていない次の順番の浄化槽を見出し、その場所に移動する。そして前の浄化槽と同様の保守点検のための作業を繰り返す。全ての浄化槽の保守点検を終えると、管理用チェックリストを持ち帰って整理し、その後のために必要となる集計等をする。浄化槽の清掃を委託された事業者による清掃、及び検査機関による浄化槽の水質検査についても、同様の手順により行われる。
これまでに、浄化槽を確実にかつ効率よく維持管理できるようにすることを目的として、特許文献1〜7に開示される浄化槽管理システムが開発されている。特許文献1は、浄化槽チェックリスト作成する方法及び作成された浄化槽チェックリストを用いて浄化槽を管理する方法を開示する。特許文献2〜4は、浄化槽管理用の携帯用入出力端末を開示する。特許文献5は、浄化槽に用いられる設備及び機器の情報に基づいて標準の浄化槽チェックシートから当該浄化槽のチェックシートを抽出するシステムを開示する。特許文献6は、浄化槽の点検を容易にするための記録票を作成する装置を開示する。特許文献7は、浄化槽の設置を支援するためのシステムを開示する。
特開2002−230145号公報 特開2004−268024号公報 特開2004−268025号公報 特開2004−268026号公報 特開2005−279440号公報 特開2006−110483号公報 特開2009−087239号公報
上述のように、浄化槽の維持管理の運用には、製造業者、工事業者、保守点検業者、清掃業者、検査機関など複数の事業者が関わる。したがって、従来の浄化槽の維持管理システムにおいて単独の事業者だけで維持管理を行うことは少なく、製造業者、工事業者、保守点検業者、清掃業者、検査機関などを構成員とする事業者ネットワークで浄化槽維持管理システムが運用されることが一般的である。ところが、維持管理システム内での浄化槽管理情報は構成員それぞれで個別に管理されているため、維持管理システム全体としての運用状況の評価確認が行えない。このため、事業者ネットワーク間における情報の不整合や矛盾を検出することが困難であり、結果として個々の問題が生じた後に、その事後調査により関連性が発見されることになる。実際に、国内に最も多く設置されている一般家庭用浄化槽の点検頻度は法令で4ヵ月に1回以上(2015年現在)となっており、浄化槽維持管理ネットワーク間での管理情報の取得にも時間的な差が個別に生じるため、処置対応等が遅れるなどして、リアルタイムな維持管理サービスの提供の妨げになっている。
上述の特許文献1〜7に開示されたような従来の浄化槽管理システムによれば、個々の事業者は浄化槽を確実にかつ効率よく管理できるが、複数事業者間の情報の不整合や矛盾を検出する手段は提供されていない。
そこで、本発明は、浄化槽の維持管理システムで生ずる維持管理情報を一元管理し、その情報をもとに維持管理状況を自動評価することで、運営状況の異常を早急に検出して、より精度の高い維持管理及び水質保全ができるようにするための浄化槽維持管理状況異常検知装置を提供する。
本発明の一態様によれば、本発明は、浄化槽の設置及び維持管理の異常を検知するための浄化槽維持管理状況異常検知装置を提供する。本装置は、コンピュータと記憶手段とを備える。記憶手段は、コンピュータと接続され、浄化槽の設置及び維持管理について設定された設備基準と、浄化槽の設置及び維持管理の実態に関するデータであって浄化槽の保守点検又は清掃の際に作成される設備実態データと、浄化槽内部及びそこから排出される処理水が満たすべき水質基準と、浄化槽内部及びそこから排出される処理水の水質を検査した水質検査結果データとが格納される。コンピュータは、設備評価手段と水質評価手段と一次評価手段とを含む。設備評価手段は、記憶手段から設備基準と設備実態データとを読み出し、設備基準と設備実態データとを比較して設備実態データが設備基準に適合するかどうかを判定し、設備実態データが設備基準に適合する場合には設備正常情報を出力し、設備実態データが設備基準に適合しない場合には設備異常情報を出力する。水質評価手段は、記憶手段から水質基準と水質検査結果データとを読み出し、水質基準と水質検査結果データとを比較して水質検査結果データが水質基準に適合するかどうかを判定し、水質検査結果データが水質基準に適合する場合には水質正常情報を出力し、水質検査結果データが水質基準に適合しない場合には水質異常情報を出力する。一次評価手段は、設備評価手段によって生成された設備正常情報又は設備異常情報と、水質評価手段によって生成された水質正常情報又は水質異常情報とを取得し、取得した情報が設備正常情報と水質正常情報との組合せの場合には正常判定を出力し、取得した情報が設備異常情報と水質正常情報との組み合わせの場合には設備異常判定を出力し、取得した情報が設備正常情報と水質異常情報との組み合わせの場合には水質異常判定を出力し、取得した情報が設備異常情報と水質異常情報との組み合わせの場合には監査判定を出力する。
一実施形態においては、記憶手段は、浄化槽の過去の設備実態データである過去設備実態データをさらに格納する。過去設備実態データは、浄化槽の保守点検又は清掃の際に点検された水質のデータである過去点検水質データを含む。コンピュータは、経過確認手段をさらに含む。経過確認手段は、一次評価手段から出力された正常判定を取得したときには、記憶手段から過去設備実態データに含まれる過去点検水質データを取得し、過去点検水質データと水質基準とを比較して過去点検水質データが水質基準に適合するかどうかを判定し、過去点検水質データが水質基準に適合する場合には異常なし判定を出力し、過去点検水質データが水質基準に適合しない場合には過去点検水質異常判定を出力する。
一実施形態においては、記憶手段は、浄化槽の保守点検又は清掃における問題を検知するように設定された設備実態データに対する基準である設備検査基準をさらに格納し、コンピュータは、第1の管理異常検知手段をさらに含む。第1の管理異常検知手段は、一次評価手段から出力された設備異常判定を取得したとき、又は経過確認手段から出力された過去点検水質異常判定を取得したときには、記憶手段から過去設備実態データと設備検査基準とを取得し、過去設備実態データと設備検査基準とを比較して過去設備実態データが設備検査基準に適合するかどうかを判定し、過去設備実態データが設備検査基準に適合する場合には、経過観察・原因追求判定を出力し、過去設備実態データが設備検査基準に適合しない場合には、要管理状況確認判定を出力する。
一実施形態においては、記憶手段は、複数の浄化槽の過去の設備実態データである複数設備実態データと、浄化槽の保守点検又は清掃のおける問題を検知するように設定された設備実態データに対する基準である設備検査基準とをさらに格納し、コンピュータは、経過観察・原因追求手段をさらに含む。経過観察・原因追求手段は、一次評価から出力された水質異常判定を取得したときには、記憶手段から複数設備実態データと設備検査基準とを取得し、複数設備実態データから、判定対象の浄化槽の設備実態データと同じ事業者による保守点検又は清掃の際に作成されたのを抽出し、抽出された複数設備実態データのそれぞれと設備検査基準とを比較して、抽出された複数設備実態データのそれぞれが設備検査基準に適合するかどうかを判定し、抽出された複数設備実態データが設備検査基準に適合する場合には、経過観察・原因追求判定を出力し、抽出された複数設備実態データが設備検査基準に適合しない場合には、要改善判定を出力する。
一実施形態においては、記憶手段は、浄化槽の保守点検又は清掃の不適正を検知するように設定された設備実態データに対する基準である監査基準をさらに格納し、コンピュータは、要指導評価手段をさらに含む。要指導評価手段は、一次評価から出力された監査判定を取得したとき、又は経過観察・原因追求手段から出力された要改善判定を取得したときには、記憶手段から複数設備実態データと監査基準とを取得し、複数設備実態データから、判定対象の浄化槽の設備実態データと同じ事業者による保守点検又は清掃の際に作成されたのを抽出し、抽出された複数設備実態データと監査基準とを比較して抽出された複数設備実態データが監査基準に適合するかどうかを判定し、抽出された複数設備実態データが監査基準に適合する場合には、改善要請判定を出力し、抽出された複数設備実態データが監査基準に適合しない場合には、要指導判定を出力する。
一実施形態においては、記憶手段は、浄化槽の過去の設備実態データである過去設備実態データをさらに格納し、コンピュータは、第2の管理異常検知手段をさらに含む。第2の管理異常検知手段は、要指導評価手段から出力された改善要請判定を取得したときには、記憶手段から過去設備実態データと設備検査基準とを取得し、過去設備実態データと設備検査基準とを比較して過去設備実態データが設備検査基準に適合するかどうかを判定し、過去設備実態データが設備検査基準に適合する場合には、経過観察・原因追求判定を出力し、過去設備実態データが設備検査基準に適合しない場合には、要管理状況確認判定を出力する。
本発明の一態様によれば、本発明は、電子計算機によって実行されることによって電子計算機を上述の浄化槽維持管理状況異常検知装置が備えるコンピュータとして機能させるプログラム・コードを含むプログラムを提供する。
本発明によれば、浄化槽の維持管理における複数事業者間の情報の不整合や矛盾を検出することができ、それによって、浄化槽の維持管理に関する問題を素早く認識し、必要に応じて、浄化槽の管理を行った事業者に対して改善要請、問合せ、指導等の措置をとることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置のデータフロー及び処理フローの概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置の例示的なハードウェア構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置の具体的な機能ブロック及び処理フローを示す図である。 事業者情報の項目の例を示す図である。 水質基準の例を示す図である。 設備基本情報の項目の例を示す図である。 設備基準の例を示す図である。 設備検査基準の例を示す図である。 監査基準の例を示す図である。 浄化槽の保守点検又は清掃を行う事業者ごとに二次判定の種類ごとの数を集計した集計表の表示例を表す図である。 浄化槽の保守点検又は清掃を行う事業者ごとの管理状況の表示例を表す図である。 本発明の一実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置において行われる一次評価の処理フローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置における経過確認手段の処理フローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置における第1の管理異常検知手段の処理フローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置における経過観察・原因追究手段の処理フローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置における要指導評価手段の処理フローを示す図である。
まず、本発明の一実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置1(以下において単に「装置1」ともいう。)を用いて浄化槽の維持管理状況の異常を検知するための装置1の動作及び使い方を説明する。なお、装置1の動作を実現する装置1の構成については後述する。
装置1の動作の概要を説明する。図1を参照されたい。装置1は、入力された各種データに基づいて、浄化槽の維持管理の行動評価である一次評価を行う。一次評価は、法令に基づいた浄化槽の保守点検及び清掃の行動実態と放流水質の第三者評価結果との整合性を評価することにより、事業者の管理行動をチェックすることを目的としたものである。さらに、装置1は、一次評価の結果を利用して二次評価を行う。二次評価は、管理行動の結果である管理内容の適正度を評価することにより、問題を自動的に抽出・特定し、是正要求あるいは原因追究まで特定を図ることを目的としたものである。装置1のより具体的な動作は、以下の通りである。
装置1には、浄化槽内部及びそこから排出される処理水が満たすべき水質の基準である水質基準が記憶されている。水質基準の例を図5に示す。
装置1の使用者は、浄化槽の維持管理を行う事業者の情報を装置1に登録する。事業者情報の項目の例を図4に示す。
浄化槽を新たに設置するときには、装置1の使用者は、設置者からの申請に基づいて、浄化槽の使用者、設置場所、設備及び機器の構成、等からなる設備基本情報を装置1に入力する。設備基本情報の項目の例を図6に示す。装置1に入力された設備基本情報は、装置1に記憶される。
さらに、装置1の使用者は、設備基本情報に基づいて、浄化槽に関する法令及び指針並びに浄化槽製造業者が作成する説明書等に適合するように、設置対象の浄化槽の設備基準を作成し、それを装置1に入力する。このとき、装置1には、浄化槽に用いられる様々な設備及び機器について、それぞれに対応する設備基準の項目を予め登録しておき、装置1の使用者は、それらの項目のうち設置対象の浄化槽に用いられる設備及び機器に対応するものを選択することによって設置対象の浄化槽の設備基準を作成するようにすることができる。また、設備基準は、浄化槽内及びそこから排出される処理水の水質についての検査項目を含む。設備基準の項目の例を図7に示す。装置1に入力された設備基準は、装置1に記憶される。
設置された浄化槽については、法令に基づき、定期的に所定の維持管理が行われる。典型的には、保守点検は保守点検業者が、清掃は清掃業者が、それぞれ浄化槽管理者からの委託を受けて行う。保守点検を行う際には、保守点検業者は、例えば、無線によってネットワークを介して装置1に接続された端末を、従来の管理用チェックリストに代えて(又は管理用チェックリストと併せて)携行する。端末には、装置1に管理されている情報に基づいて、端末を携行する保守点検業者が保守点検を担当する浄化槽の一覧が表示される。保守点検業者は、保守点検を行おうとしている1つの浄化槽を一覧から選択する。すると、端末には、装置1に記憶されているその浄化槽の設備基準が表示され、設備基準の各項目の実態を入力できる状態となる。事業者は、保守点検の結果に基づいて、各項目の実態をその場で端末に入力する。入力された各項目の実態は、設備実態データとして端末から装置1に送信される。清掃業者が浄化槽の清掃をするときにも、保守点検業者が保守点検をするときと同様である。
装置1は、設備実態データを受け取ると、それを記憶する。さらに、装置1は、設備実態データを設備基準と比較することによって、設備評価情報を生成する。設備評価情報は、設備実態データの全項目が設備基準に適合することを示す設備正常情報か、設備実態データのいずれかの項目が設備基準に適合しないことを示す設備異常情報か、のいずれかである。具体的な評価方法の一例として、設備基準の各項目について、対応する設備実態データの項目の値が存在すれば(すなわち、入力漏れが無ければ)、その内容にかかわらず、設備実態データの全項目が設備基準に適合すると評価することができる。装置1は、生成した設備評価情報を記憶する。
また、設置された浄化槽については、検査機関により、定期的に法定の水質検査が行われる。水質検査を行う際には、検査機関は、例えば、無線によってネットワークを介して装置1に接続された端末を、従来の水質検査用チェックリストに代えて(又は水質検査用チェックリストと併せて)携行する。検査機関は、端末1に表示される一覧から、水質検査を行おうとしている1つの浄化槽を選択する。すると、端末には、水質基準の項目のリストが表示され、各項目の検査結果を入力できる状態となる。検査機関は、水質検査の結果に基づいて、各検査項目の結果をその場で端末に入力する。入力された各検査項目の結果は、水質検査結果データとして端末から装置1に送信される。
装置1は、水質検査結果データを受け取ると、それを記憶する。さらに、装置1は、水質検査結果データを水質基準と比較することによって、水質評価情報を生成する。水質評価情報は、水質検査結果データの全項目が水質基準に適合することを示す水質正常情報か、水質検査結果データのいずれかの項目が水質基準に適合しないことを示す水質異常情報か、のいずれかである。装置1は、生成した水質評価情報を記憶する。
図3に示されるように、1つの浄化槽(「対象浄化槽」という。)について設備評価情報及び水質評価情報が記憶されると、装置1は、これらの評価情報に従って、対象浄化槽の一次評価を行う。一次評価の結果である一次判定は、正常判定、設備異常判定、水質異常判定、及び監査判定のうちのいずれかである。具体的には、装置1は、一次判定を設備評価情報及び水質評価情報によって次の通りに定める。
設備評価情報が設備正常情報であり、水質評価情報が水質正常情報である場合には、一次判定は正常判定とする。装置1が一次判定として正常判定を出力した場合には、装置1の使用者は、対象浄化槽の維持管理には問題がなく、対象浄化槽の状態も良好であると理解することができる。
設備評価情報が設備異常情報であり、水質評価情報が水質正常情報である場合には、一次判定は設備異常判定とする。装置1が一次判定として設備異常判定を出力した場合には、装置1の使用者は、対象浄化槽の維持管理には問題がある可能性があるが、対象浄化槽の状態は良好であると理解することができる。
設備評価情報が設備正常情報であり、水質評価情報が水質異常情報である場合には、一次判定は水質異常判定とする。装置1が一次判定として水質異常判定を出力した場合には、装置1の使用者は、対象浄化槽の状態が良好でないと理解することができる。
設備評価情報が設備異常情報であり、水質評価情報が水質異常情報である場合には、一次判定は監査判定とする。装置1が一次判定として監査判定を出力した場合には、装置1の使用者は、対象浄化槽の状態が良好でなく、その原因として対象浄化槽の維持管理が不適切に行われている可能性があると理解することができる。
装置1は、一次判定を記憶し、必要に応じて、外部に出力し又は送信することができる。なお、本発明の別の実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置においては、一次判定を最終的な出力とし、以下に述べる二次評価を行わないようにしてもよい。
次いで、装置1は、対象浄化槽の二次評価を行う。二次評価には、経過確認評価、管理異常検知評価、経過観察・原因追究評価、及び要指導評価がある。装置1は、これらの二次評価の中から最初に行うべきものを一次判定に従って選択して実行し、二次評価の結果である二次判定を決定し出力する。一次判定と最初に行うべき二次評価との関係、及び二次評価の内容は、図3に示される通りであり、具体的には次の通りである。
一次判定が正常判定である場合には、装置1は、最初の二次評価として経過確認評価を行う。経過確認評価の結果は、異常なし判定か、過去点検水質異常判定か、のいずれかである。経過確認評価の内容は次の通りである。すなわち、装置1は、記憶している対象浄化槽の過去の設備実態データ(「過去設備実態データ」という。)の全件又は一部分(例えば直近の2件)のそれぞれについて、そこに含まれる浄化槽の保守点検又は清掃の際に点検された水質のデータ(「過去点検水質データ」という。)を水質基準と比較する。経過確認評価の結果は、水質基準と比較した全ての過去点検水質データが水質基準に適合する場合には異常なし判定とし、いずれかの過去点検水質データが水質基準に適合しない場合には過去点検水質異常判定とする。経過確認評価の結果が異常なし判定である場合には、異常なし判定をそのまま二次判定とする。装置1の使用者は、装置1が二次判定として異常なし判定を出力した場合には、対象浄化槽には問題がないと理解することができる。一方、経過確認評価の結果が過去点検水質異常判定である場合には、装置1は続いて管理異常検知評価を行って二次判定を決定する。なお、本発明の別の実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置においては、経過確認評価の結果が過去点検水質異常判定である場合に管理異常検知評価を行わずに、過去点検水質異常判定を二次判定としてもよい。
一次判定が設備異常判定である場合には、装置1は、最初の二次評価として第1の管理異常検知評価を行う。また、上述の経過確認評価の結果が過去点検水質異常判定である場合にも、装置1は、第1の管理異常検知評価を行う。第1の管理異常検知評価の内容は次の通りである。すなわち、装置1は、記憶している過去設備実態データの全件又は一部分(例えば直近の3件)のそれぞれを、記憶している設備検査基準と比較する。設備検査基準は、浄化槽の管理上の問題を検知するように設定された、設備実態データに対する基準である。設備検査基準の例を図8に示す。第1の管理異常検知評価の結果は、設備検査基準と比較した全ての過去の設備実態データが設備検査基準に適合する場合には経過観察・原因追究判定とし、いずれかの過去の設備実態データが設備検査基準に適合しない場合には要管理状況確認判定とする。いずれの場合であっても、第1の管理異常検知評価の結果を二次判定とする。装置1の使用者は、装置1が二次判定として経過観察・原因追究判定を出力した場合には、対象浄化槽には問題があるがその原因は保守点検又は清掃以外にあると理解することができ、より具体的には設置の不備又は水質検査の誤りが疑われることになる。従って、装置1の使用者は、対象浄化槽の設置状態及び水質点検の記録を精査して原因を追究することができ、或いはこのまま経過を観察することができる。一方、装置1が二次判定として要管理状況確認判定を出力した場合には、対象浄化槽には保守点検又は清掃に起因する問題があると理解することができ、事業者に問題を指摘して改善を要請することができる。
一次判定が水質異常判定である場合には、装置1は、最初の二次評価として経過観察・原因追究評価を行う。経過観察・原因追究評価の内容は次の通りである。すなわち、装置1は、記憶している複数の浄化槽の過去の設備実態データ(「複数設備実態データ」という。)の全部又は一部(例えば直近の3年分)の中から、対象浄化槽の設備実態データと同じ事業者による保守点検又は清掃の際に作成されたものを抽出し、それぞれを設備検査基準と比較する。経過観察・原因追究評価の結果は、設備検査基準と比較した全ての過去の設備実態データが設備検査基準に適合する場合には経過観察・原因追究判定とし、いずれかの過去の設備実態データが設備検査基準に適合しない場合には要改善判定とする。経過観察・原因追究評価の結果が経過観察・原因追究判定である場合には、経過観察・原因追究判定をそのまま二次判定とする。前述の通り、装置1の使用者は、装置1が二次判定として経過観察・原因追究判定を出力した場合には、対象浄化槽には問題があるがその原因は保守点検又は清掃以外にあると理解することができる。一方、経過観察・原因追究評価の結果が要改善判定である場合には、装置1は続いて要指導評価を行って二次判定を決定する。なお、本発明の別の実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置においては、経過観察・原因追究評価の結果が要改善判定である場合に要指導評価を行わずに、要改善判定を二次判定としてもよい。
一次判定が監査判定である場合には、装置1は、最初の二次評価として要指導評価を行う。また、上述の経過観察・原因追究評価の結果が要改善判定である場合にも、装置1は、要指導評価を行う。要指導評価の内容は次の通りである。すなわち、装置1は、記憶している複数設備実態データの全部又は一部(例えば直近の3年分)の中から、対象浄化槽の設備実態データと同じ事業者による保守点検又は清掃の際に作成されたものを抽出し、記憶している監査基準に基づいてそれらを評価する。監査基準は、浄化槽の保守点検又は清掃の不適正を検知するように設定された、設備実態データに対する基準であり、例えば、事業者によって1日に管理保守点検が行われた浄化槽の数が、1つの浄化槽の保守点検に要する時間と1日の作業時間とから計算される1日当たりに保守点検可能な浄化槽の数を超えていないかといったような、保守点検又は清掃の不正を監視する上で経験的に有効性が見出された判断項目を含めることができる。監査基準のチェック内容及びチェック方法の具体例を図9に示す。この例においては、チェックの結果、該当する項目の数が所定の割合に達した場合に、複数設備実態データが設備検査基準に適合しないものと判定する。要指導評価の結果は、複数設備実態データが設備検査基準に適合する場合には改善要請判定とし、複数設備実態データが設備検査基準に適合しない場合には要指導判定とする。要指導評価の結果が改善要請判定である場合には、装置1は続いて第2の管理異常検知評価を行って二次判定を決定する。第2の管理異常検知評価の内容は、前述の第1の管理異常検知評価の内容と同じものとすることができる。なお、本発明の別の実施形態に係る浄化槽維持管理状況異常検知装置においては、要指導評価の結果が改善要請判定である場合に第2の管理異常検知評価を行わずに、改善要請判定を二次判定としてもよい。一方、装置1において、要指導評価の結果が要指導判定である場合には、要指導判定をそのまま二次判定とする。装置1の使用者は、装置1が二次判定として要指導判定を出力した場合には、対象浄化槽の保守点検又は清掃の実施に重大な不適合があり、事業者に対して問合せや指導を行うべきであると理解できる。
以上により、装置1は、対象浄化槽の二次評価の結果である二次判定を決定する。装置1は、二次判定を記憶し、外部に出力することができる。
装置1は、必要に応じて、二次判定を装置1の使用者に電子メール等で通知することができる。装置1は、全ての二次判定を通知するように設定することもできるが、例えば二次判定が要管理状況確認判定又は要指導判定である場合に限って通知するなど、所与の条件に従って一部の二次判定のみを通知するように設定することもできる。装置1の利用者は、二次判定の通知を受けることによって、浄化槽の管理に関する問題を素早く認識し、必要に応じて、浄化槽の維持管理を行った事業者に対して改善要請、問合せ、指導等の措置をとることが可能になる。
装置1は、必要に応じて、装置1が記憶する各浄化槽の二次判定を集計して出力することができる。例えば、装置1は、浄化槽の維持管理を行う事業者ごとにその事業者が維持管理を担当する浄化槽の二次判定を種類ごとに集計し、一覧表を出力することができる。一覧表は、例えば、行を事業者、列を二次判定の種類とする行列形式の表とすることができる。二次判定の集計結果の一覧表の出力形式の例を図10に示す。この例において、列名の「G」は異常なし判定、「O」は要管理状況確認判定、「P」は経過観察・原因追究判定、「M」は要指導判定を意味する。なお、一次判定の集計結果も同様の形式で出力することができ、その場合においては、正常判定、設備異常判定、水質異常判定、及び監査判定を列に表示するようにすればよい。また、事業者ごとに二次判定の件数等の管理状況を表示した出力形式の例を図11に示す。装置1の使用者は、出力された一覧表及び事業者ごとの管理状況を見ることによって、例えば要指導判定の割合が高い事業者に対して指導を行うなどといった判断をすることが可能になる。
次に、上述の装置1の動作を実現する装置1の構成について説明する。図2は、装置1の例示的なハードウェア構成を示す図である。装置1は、コンピュータ110と、記憶手段120とを備える。
コンピュータ110は、中央処理装置(CPU)111と、中央処理装置が実行する各種のプログラムやデータなどを格納するRAM112、ROM113、ハードディスクドライブ(HDD)114などの記憶装置と、これらの装置を互いに接続するバス117とを有する汎用コンピュータを用いて実現することができる。コンピュータ110は、入出力インターフェース115をさらに備えることができ、入出力インターフェース115には、必要に応じて、CD−ROM又はDVD−ROMなどの外部記録媒体との間でデータの入出力を行うドライブ装置、キーボード又はマウスなどの入力装置、CRT、液晶ディスプレイ又はプリンタなどの出力装置、などを接続することができる。コンピュータ110は、他の機器又はネットワークと通信するための通信インターフェース116をさらに備えることができる。
装置1のコンピュータ110が備える各手段、すなわち、設備評価手段211、水質評価手段212、一次評価手段213、経過確認手段221、第1の管理異常検知手段222、経過観察・原因追究手段223、要指導評価手段224、及び第2の管理異常検知手段225は、中央処理装置111に各手段の処理を実行させるためのプログラムP(図示せず)を中央処理装置111が実行することによって実現される。一例として、プログラムPは、ハードディスクドライブ114に予め格納しておくことができる。中央処理装置111は、ハードディスクドライブ114に格納されたプログラムPをRAM112内に複製することができ、RAM112内に複製されたプログラムPを読み出しながら実行することができる。別の例として、プログラムPは、ROM113に予め記憶させておくことができ、中央処理装置111は、ROM113に記憶されたプログラムPを読み出しながら実行することができる。
装置1に入力される、設備基準、設備実態データ、水質基準、及び水質検査結果データは、例えば、コンピュータ110が備える入出力インターフェース115に接続された入力装置を用いて入力することができ、又は、コンピュータ110が備える通信インターフェース116に直接、若しくはネットワークを介して、接続された他の機器から入力することができる。
装置1は、一次判定若しくは二次判定又はその集計を、例えば、コンピュータ110が備える入出力インターフェース115に接続された出力装置に出力することができ、又は、コンピュータ110が備える通信インターフェース116に直接、若しくはネットワークを介して、接続された他の機器に出力することができる。装置1は、必要に応じて、通信インターフェース116に接続された機器又はネットワークを介して、二次判定を装置1の使用者に電子メール等で通知することができる。
記憶手段120は、例えばハードディスクドライブ又はフラッシュメモリなどの記憶媒体を備える。なお、本実施形態においては、記憶手段120はコンピュータ110の外部に設けられるように図示されているが、本発明の実施形態はこれに限られるものではなく、記憶手段120として、コンピュータ110に内蔵されたRAM112、ROM113、若しくはハードディスクドライブ114が用いられてもよく、又はこれらとコンピュータ110の外部に設けられる記憶媒体とを併用するようにしてもよい。いずれの実施形態であっても、記憶手段120には、装置1に入力された、設備基準、設備実態データ、水質基準、水質検査結果データ、設備検査基準、及び監査基準が記憶される。
図3に機能ブロックとして示されるように、コンピュータ110は、設備評価手段211と、水質評価手段212と、一次評価手段213とを少なくとも備え、経過確認手段221と、第1の管理異常検知手段222と、経過観察・原因追究手段223と、要指導評価手段224と、第2の管理異常検知手段225とをさらに備えるようにすることができる。装置1は、二次評価を集計する手段と、二次評価を装置1の使用者に電子メール等で通知する手段とをさらに備えるようにすることができる。これらの各手段は、コンピュータ110が備える中央処理装置111がプログラムPを実行することによって実現される。
装置1に入力された設備実態データ及び水質検査結果データに基づいて一次判定を決定する一連の処理である一次評価の流れを、図12を参照しながら説明する。装置1は、例えば新しい設備実態データが装置1に入力された時、及び新しい水質検査結果データが装置1に入力された時に、一次評価を開始することができる。一次評価の各ステップは、設備評価手段211、水質評価手段212、及び一次評価手段213により構成される一次評価部によって実行される。
一次評価が開始されると、設備評価手段211は、ステップ1において、記憶手段120から設備基準と前記設備実態データとを読み出し、ステップ2において、設備実態データを設備基準と比較して設備実態データが設備基準に適合するかどうかを判定する。ステップ2は、より具体的には、設備基準の各項目について、対応する設備実態データの項目の値が存在すれば、その内容にかかわらず、設備実態データが設備基準に適合するものと判定する。設備評価手段211は、設備実態データが設備基準に適合すると判定した場合には設備正常情報を出力し、設備実態データが前記設備基準に適合しないと判定した場合には設備異常情報を出力する。装置1は、設備評価手段211から出力された設備正常情報又は設備異常情報を、設備評価情報として一時的に記憶する。
さらに、水質評価手段212は、ステップ3において、記憶手段120から水質基準と水質検査結果データとを読み出し、ステップ4において、水質検査結果データを水質基準と比較して水質検査結果データが水質基準に適合するかどうかを判定する。ステップ4は、より具体的には、水質検査結果データの各項目について、水質基準の対応する項目に定められた条件と比較し、全項目が適合する場合には水質検査結果データが水質基準に適合するものとし、いずれかの項目が適合しない場合には水質検査結果データが水質基準に適合するものとする。水質評価手段212は、水質検査結果データが水質基準に適合する場合には水質正常情報を出力し、水質検査結果データが水質基準に適合しない場合には水質異常情報を出力する。なお、図12においては設備評価手段211における処理の後に水質評価手段212における処理が行われるように示されているが、これに限られるものではなく、設備評価手段211における処理より先に水質評価手段212がにおける処理が行われるようにしてもよく、又は設備評価手段211と水質評価手段212とが並列して処理を行うようにしてもよい。装置1は、水質評価手段212から出力された水質正常情報又は水質異常情報を、水質評価情報として一時的に記憶する。
次いで、一次評価手段213は、ステップ5において、装置1に一時的に記憶された設備評価情報及び水質評価情報を取得し、その組合せに基づいて一次判定を決定し出力する。具体的には、取得した情報が設備正常情報と水質正常情報との組合せの場合には正常判定を出力し、取得した情報が設備異常情報と水質正常情報との組み合わせの場合には設備異常判定を出力し、取得した情報が設備正常情報と水質異常情報との組み合わせの場合には水質異常判定を出力し、取得した情報が設備異常情報と水質異常情報との組み合わせの場合には監査判定を出力する。装置1は一次評価手段213から出力された一次判定を記憶し、一次評価は終了する。
次に、一次評価によって決定された一次判定を利用して二次判定を決定する一連の処理である二次評価の流れを、図13〜図16を参照しながら説明する。二次判定の各ステップは、経過確認手段221、第1の管理異常検知手段222、経過観察・原因追究手段223、要指導評価手段224、及び第2の管理異常検知手段225により構成される二次評価部によって実行される。装置1は、これらの手段の中から、一次判定の種類によって、二次判定を開始する手段を選択する。一次判定と二次評価が開始される手段との関係は、図3に示す通りである。
一次評価が正常判定である場合には、装置1は、二次評価を経過確認手段221から開始する。経過確認手段221における処理の流れを図13に示す。経過確認手段221を有効に機能させるため、装置1に入力される設備実態データは、浄化槽の保守点検又は清掃の際に点検された水質のデータを含むように定められる。また、装置1は、過去に入力された設備実態データを過去設備実態データとして記憶装置120に記憶しておく。経過確認手段221は、ステップ1において記憶手段120から直近の所定期間内の又は所定件数分の対象浄化槽の過去設備実態データを取得し、さらに水質基準を取得する。ステップ2において、取得した過去設備実態データのそれぞれに含まれる過去の水質のデータである過去点検水質データの各項目を水質基準の対応する項目に定められた条件と比較し、過去点検水質データが水質基準に適合するかどうかを判定する。ステップ2は、より具体的には、取得した全ての過去点検水質データの全ての項目が水質基準に適合する場合には過去点検水質データが水質基準に適合するものと判定し、いずれかの過去点検水質データのいずれかの項目が水質基準に適合しない場合には過去点検水質データが水質基準に適合しないものと判定する。経過確認手段221は、過去の水質検査結果データが水質基準に適合する場合には異常なし判定を出力し、過去の水質検査結果データが水質基準に適合しない場合には過去点検水質異常判定を出力する。
一次評価が設備異常判定である場合には、装置1は、二次評価を第1の管理異常検知手段222から開始する。また、装置1は、経過確認手段221が過去点検水質異常判定を出力した場合にも、第1の管理異常検知手段222の処理を開始する。第1の管理異常検知手段222における処理の流れを図14に示す。第1の管理異常検知手段222は、ステップ1において、記憶手段120から過去設備実態データと設備検査基準とを取得し、ステップ2において、取得した過去設備実態データのそれぞれについて、各項目を設備検査基準の対応する項目に定められた条件と比較して過去設備実態データが設備検査基準に適合するかどうかを判定する。ステップ2は、より具体的には、全ての過去設備実態データの全ての項目が設備検査基準に適合する場合には過去設備実態データが設備検査基準に適合するものと判定し、いずれかの過去設備実態データのいずれかの項目が設備検査基準に適合しない場合には過去設備実態データが設備検査基準に適合しないものと判定する。第1の管理異常検知手段222は、過去設備実態データが設備検査基準に適合する場合には経過観察・原因追求判定を出力し、過去の設備実態データが設備検査基準に適合しない場合には要管理状況確認判定を出力する。
一次評価が水質異常判定である場合には、装置1は、二次評価を経過観察・原因追究手段223から開始する。経過観察・原因追究手段223における処理の流れを図15に示す。経過観察・原因追究手段223は、ステップ1において、記憶手段120から、設備検査基準と、複数の浄化槽の過去の設備実態データである複数設備実態データとを取得し、取得した複数設備実態データの中から判定対象の浄化槽の設備実態データと同じ事業者による保守点検又は清掃の際に作成されたのを抽出する。なお、このように複数のデータの中から特定の条件に合致するデータを抽出して取得することは、公知のデータベースシステムを用いて実現することができる。ステップ2において、抽出された複数設備実態データのそれぞれについて、各項目を設備検査基準の対応する項目に定められた条件と比較して複数設備実態データが設備検査基準に適合するかどうかを判定する。ステップ2は、より具体的には、抽出された全ての複数設備実態データの全ての項目が設備検査基準に適合する場合には複数設備実態データが設備検査基準に適合するものと判定し、抽出されたいずれかの複数設備実態データのいずれかの項目が設備検査基準に適合しない場合には複数設備実態データが設備検査基準に適合しないものと判定する。経過観察・原因追究手段223は、複数設備実態データが設備検査基準に適合する場合には経過観察・原因追求判定を出力し、複数設備実態データが設備検査基準に適合しない場合には要改善判定を出力する。
一次評価が監査判定である場合には、装置1は、二次評価を要指導評価手段224から開始する。また、装置1は、経過観察・原因追究手段223が要改善判定を出力した場合にも、要指導評価手段224の処理を開始する。要指導評価手段224における処理の流れを図16に示す。要指導評価手段224は、ステップ1において、記憶手段120から複数の浄化槽の過去の設備実態データである複数設備実態データを取得し、その中から判定対象の浄化槽の設備実態データと同じ事業者による保守点検又は清掃の際に作成されたのを抽出し、さらに監査基準とを取得する。ステップ2において、抽出された複数設備実態データを監査基準の各項目に定められた条件と比較して複数設備実態データが監査基準に適合するかどうかを判定する。より具体的には、例えば、監査基準の全項目のうち該当する項目の数が所定の割合に達したときに、複数設備実態データが監査基準に適合しないと判定する。要指導評価手段224は、複数設備実態データが監査基準に適合する場合には改善要請判定を出力し、複数設備実態データが監査基準に適合しない場合には要指導判定を出力する。
装置1は、要指導評価手段224が改善要請判定を出力した場合には、第2の管理異常検知手段225の処理を開始する。第2の管理異常検知手段225は、処理が開始される条件を除いては、図14を参照しながら説明した第1の管理異常検知手段222と同じである。
1:浄化槽維持管理状況異常検知装置
110:コンピュータ
111:中央処理装置
112:RAM
113:ROM
114:ハードディスクドライブ
115:入出力インターフェース
116:通信インターフェース
117:バス
120:記憶手段
211:設備評価手段
212:水質評価手段
213:一次評価手段
221:経過確認手段
222:第1の管理異常検知手段
223:経過観察・原因追究手段
224:要指導評価手段
225:第2の管理異常検知手段

Claims (6)

  1. 浄化槽の設置及び維持管理の異常を検知するための浄化槽維持管理状況異常検知装置であって、
    コンピュータと、
    前記コンピュータと接続され、浄化槽の設置及び維持管理について設定された設備基準と、浄化槽の設置及び維持管理の実態に関するデータであって浄化槽の保守点検又は清掃の際に作成される設備実態データと、浄化槽内部及びそこから排出される処理水が満たすべき水質基準と、浄化槽内部及びそこから排出される処理水の水質を検査した水質検査結果データとを格納する、記憶手段と、
    を備え、
    前記コンピュータは、
    前記記憶手段から前記設備基準と前記設備実態データとを読み出し、前記設備基準と前記設備実態データとを比較して前記設備実態データが前記設備基準に適合するかどうかを判定し、前記設備実態データが前記設備基準に適合する場合には設備正常情報を出力し、前記設備実態データが前記設備基準に適合しない場合には設備異常情報を出力する、設備評価手段と、
    前記記憶手段から前記水質基準と前記水質検査結果データとを読み出し、前記水質基準と前記水質検査結果データとを比較して前記水質検査結果データが前記水質基準に適合するかどうかを判定し、前記水質検査結果データが前記水質基準に適合する場合には水質正常情報を出力し、前記水質検査結果データが前記水質基準に適合しない場合には水質異常情報を出力する、水質評価手段と、
    前記設備評価手段によって生成された前記設備正常情報又は前記設備異常情報と、前記水質評価手段によって生成された前記水質正常情報又は前記水質異常情報とを取得し、取得した情報が前記設備正常情報と前記水質正常情報との組合せの場合には正常判定を出力し、取得した情報が前記設備異常情報と前記水質正常情報との組み合わせの場合には設備異常判定を出力し、取得した情報が前記設備正常情報と前記水質異常情報との組み合わせの場合には水質異常判定を出力し、取得した情報が前記設備異常情報と前記水質異常情報との組み合わせの場合には監査判定を出力する、一次評価手段と、
    を含み、
    前記記憶手段は、複数の浄化槽の過去の設備実態データである複数設備実態データと、浄化槽の保守点検又は清掃における問題を検知するように設定された設備実態データに対する基準である設備検査基準とをさらに格納し、
    前記コンピュータは、
    前記一次評価手段から出力された水質異常判定を取得したときには、
    前記記憶手段から前記複数設備実態データと前記設備検査基準とを取得し、
    前記複数設備実態データから、前記浄化槽の前記設備実態データと同じ事業者による保守点検又は清掃の際に作成されたものを抽出し、
    抽出された前記複数設備実態データと前記設備検査基準とを比較して、抽出された前記複数設備実態データが前記設備検査基準に適合するかどうかを判定し、
    抽出された前記複数設備実態データが前記設備検査基準に適合する場合には、経過観察・原因追求判定を出力し、
    抽出された前記複数設備実態データが前記設備検査基準に適合しない場合には、要改善判定を出力する、
    経過観察・原因追求手段をさらに含む、
    装置。
  2. 前記記憶手段は、浄化槽の保守点検又は清掃の不適正を検知するように設定された設備実態データに対する基準である監査基準をさらに格納し、
    前記コンピュータは、
    前記一次評価手段から出力された監査判定を取得したとき、又は前記経過観察・原因追求手段から出力された要改善判定を取得したときには、
    前記記憶手段から前記複数設備実態データと前記監査基準とを取得し、
    前記複数設備実態データから、前記浄化槽の前記設備実態データと同じ事業者による保守点検又は清掃の際に作成されたものを抽出し、
    抽出された前記複数設備実態データと前記監査基準とを比較して、抽出された前記複数設備実態データが前記監査基準に適合するかどうかを判定し、
    抽出された前記複数設備実態データが前記監査基準に適合する場合には、改善要請判定を出力し、
    抽出された前記複数設備実態データが前記監査基準に適合しない場合には、要指導判定を出力する、
    要指導評価手段をさらに含む、請求項に記載の装置。
  3. 前記記憶手段は、前記浄化槽の過去の設備実態データである過去設備実態データをさらに格納し、
    前記コンピュータは、
    前記要指導評価手段から出力された改善要請判定を取得したときには、
    前記記憶手段から前記過去設備実態データと前記設備検査基準とを取得し、
    前記過去設備実態データと前記設備検査基準とを比較して前記過去設備実態データが前記設備検査基準に適合するかどうかを判定し、
    前記過去設備実態データが前記設備検査基準に適合する場合には、経過観察・原因追求判定を出力し、
    前記過去設備実態データが前記設備検査基準に適合しない場合には、要管理状況確認判定を出力する、
    第2の管理異常検知手段をさらに含む、請求項に記載の装置。
  4. 前記記憶手段は、前記浄化槽の過去の設備実態データである過去設備実態データをさらに格納し、前記過去設備実態データは、前記浄化槽の保守点検又は清掃の際に点検された水質のデータである過去点検水質データを含み、
    前記コンピュータは、
    前記一次評価手段から出力された正常判定を取得したときには、
    前記記憶手段から前記過去設備実態データに含まれる前記過去点検水質データを取得し、
    前記過去点検水質データと前記水質基準とを比較して前記過去点検水質データが前記水質基準に適合するかどうかを判定し、
    前記過去点検水質データが前記水質基準に適合する場合には異常なし判定を出力し、
    前記過去点検水質データが前記水質基準に適合しない場合には過去点検水質異常判定を出力する、
    経過確認手段をさらに含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記記憶手段は、浄化槽の保守点検又は清掃における問題を検知するように設定された設備実態データに対する基準である設備検査基準をさらに格納し、
    前記コンピュータは、
    前記一次評価手段から出力された設備異常判定を取得したとき、又は前記経過確認手段から出力された過去点検水質異常判定を取得したときには、
    前記記憶手段から前記過去設備実態データと前記設備検査基準とを取得し、
    前記過去設備実態データと前記設備検査基準とを比較して前記過去設備実態データが前記設備検査基準に適合するかどうかを判定し、
    前記過去設備実態データが前記設備検査基準に適合する場合には、経過観察・原因追求判定を出力し、
    前記過去設備実態データが前記設備検査基準に適合しない場合には、要管理状況確認判定を出力する、
    第1の管理異常検知手段をさらに含む、請求項に記載の装置。
  6. 電子計算機によって実行されることによって前記電子計算機を請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の装置が備える前記コンピュータとして機能させるプログラム・コードを含むプログラム。
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