JP6370380B2 - 銀−パラジウム合金の電着のための電解質、及びその析出方法 - Google Patents

銀−パラジウム合金の電着のための電解質、及びその析出方法 Download PDF

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Description

本発明は電解質、及び、微量でセレン又はテルルも含む、銀を多く含む銀−パラジウム合金の電着方法に関する。本発明の電解質は、広範な電流密度における、対応する合金の導電面への均一な析出を可能にする。
電気接点は今日、実質的に全ての電気装置に導入されている。これらの用途は、簡素なプラグコネクタから、通信分野、自動車産業、又は宇宙航空部門における、安全に関係する高性能の開閉接点までに及ぶ。これらの接点の表面は、長期にわたって安定した高い電気伝導率、低い接触抵抗、並びに最少の差込力で、高い腐食耐性及び耐摩耗性を示す必要がある。電気工学では、プラグ接点は多くの場合、金−コバルト、金−ニッケル又は金−鉄からなる硬質金合金で被覆されている。これらの被膜は良好な耐摩耗性、良好なはんだ付け性、長期間にわたっても安定である低い接触抵抗、及び高い腐食耐性を有する。金の価格上昇のため、一層有利な価格の代替物が求められている。
銀を多く含む銀合金(硬質銀)による被覆は、硬質金による被膜の代替物として有利であることを証明している。同様に、これらの高い電気伝導率及び高い抗酸化性も考慮すると、銀及び銀合金は中でも、電気工学において最も有効な接点材料である。合金化される金属に応じて、これらの銀合金被膜は、これまで用いられてきた硬質金被膜、又は例えば、パラジウム−ニッケルの金フラッシュとの被膜の組み合わせに類似した被膜特性を有する。更なる要因は、銀の価格は他の貴金属、特に硬質金合金と比較して低いことである。
銀の使用における1つの制限は、例えば、硫黄含有及び塩素含有雰囲気における、硬質金と比較しての銀の低い腐食耐性である。硫化銀は半導電性であり柔らかく、かつ通常は、接触力が十分な場合、拭き取って差し込む手順により容易に除去可能であるため、硫化銀の変色した層は、表面の見た目の変化を除いて、通常、重大な危険性は呈さない。変色した塩化銀層は反対に、非導電性であり硬く、容易に除去することができない。したがって、変色した層内の塩化銀の大部分が、接触特性に関係する問題を引き起こす(参照:Marjorie Myers:Overview of the Use of Silver in Connector Applications;Interconnect & Process Technology,Tyco Electronics Harrisburg,Feb.2009)。
腐食耐性を増加させるために、他の金属を銀との合金にすることができる。本文脈中で銀との好適な合金相手となる金属は、パラジウムである。例えば、パラジウムの含有量が適切に多量であれば、銀−パラジウム合金は耐硫黄性がある(独国特許発明第2914880 A1号)。
パラジウム−銀合金は既に、相当な期間、展伸合金として接点材料に使用されており、成功している。リレー開閉接点としては、60/40パラジウム−銀合金をインレイとして使用するのが好ましい。貴金属をベースにしたこれらの電気接点材料の被膜も今日では、好ましくは電気(化学)的に製造されている。通常はアルカリ性電解質からの、パラジウム−銀合金被覆の電気化学的析出は既に、完全に調査されているにも関わらず、部分的には、析出したパラジウム−銀合金被膜が品質及び組成物の点において必要条件を満たさなかったために、実用的な機能性を備える任意の電解質を開発可能であることが、現在まで証明されていない。文献及び特許に従来記載された酸性電解質混合物は、主にチオシアン酸、スルホン酸、硫酸、スルファミン酸又は硝酸電解質をベースにしている。しかし、現在全ての電解質に未だ共通していることは、電解質系の潜在的な安定性欠如である(Edelmetallschichten[Precious metal coats],H.Kaiser,2002,p.52,Eugen G.leuze Verlag)。
米国特許第4673472 A号は、スルファミン酸ベースの浴からの、成分として10〜20%の銀を含むパラジウムを多く含む合金の電着について開示している。浴のpHは約2.5である。アミノ酸の存在下にて、0〜20A/dmの範囲の電流密度で淡色で光沢のある析出が得られる。追加の光沢剤として、及び安定化のため、他の硫黄含有添加剤をこれらの電解質に使用する。
米国特許第4465563 A号によると、銀−パラジウム合金は、成分として有機スルホン酸を含む酸性水溶液から電解により析出させることが可能である。得られる合金は一般的に、パラジウムを多く含む。
研究機関の報告(Forschungsinstitut fur Edelmetalle & Metallchemie aus Schwabisch Gmund)では、スルホン酸電解質からの銀−パラジウム合金の電着における使用可能な電流密度の範囲は、テルル化合物及び/又はセレン化合物の添加により、拡張することができると言われている(プロジェクト番号:AiF 14160 N)。
銀−パラジウム合金の電着分野においては電解質が多数存在するにも関わらず、先行技術の電解質に対して実用性が優れている電解質を提供する必要性が、引き続き存在する。工業的応用のために、かかる電解質は十分高い安定性を有し、かつ、可能な限り広い電流密度範囲にわたり、安定した合金組成物の析出を可能にしなければならない。電解質はまた、高い電流密度の曝露後でも完全に機能性を維持しなければならず、かつ、これらの電解質から作製した析出は、接点材料での使用に関し、均一かつ有利でなければならない。
最も近い先行技術より当業者に明白な方法で明らかとなっているこれら及び他の目的物は、本請求項1に従った電解質によって達成される。請求項1に従属する請求項における他の好ましい実施形態について、保護が求められる。請求項5は、本発明の電解質が用いられる、銀−パラジウム合金の析出のための好ましい方法に関する。請求項6及び7は、本方法の好ましい実施形態に関する。
規定した目的物は、主に銀を含む銀−パラジウム合金の電着のための、シアン化物非含有であり酸性の水性電解質の使用により、大変有利に、しかし驚いたことに達成され、この電解質は、以下の成分を溶解した形態で含む:
1)銀が0.01〜2.5mol/Lの濃度の、銀化合物;
2)パラジウムが0.002〜0.75mol/Lの濃度のパラジウム化合物;
3)テルル/セレンが0.075〜80mmol/Lの濃度のテルル化合物又はセレン化合物;
4)0.2〜2mol/Lの濃度の尿素、並びに/又は以下から成る群から選択される1種以上のアミノ酸:
0.2〜40mmol/Lの濃度の、アラニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、リジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、プロリン、セリン、チロシン及びバリン;並びに
5)0.25〜4.75mol/Lの濃度のスルホン酸。
この電解質を用いて、広範な電流密度にわたり、均一な組成を有する均質な析出を達成することができ、使用に、したがって接点材料における硬質金合金の置き換えに著しい適合性を有する。本発明の電解質は比較的高い安定性を示し、特に工業的応用において有利であるように思われる(図1及び図2)。スルホン酸をベースにした本電解質により、高品質の電気接点材料を、フレームコーティングのライン、及び高速コーティングのラインでも有利に製造することができる。電解質は、上記で規定した成分のみを含有するのが好ましい。
析出した銀−パラジウム−テルル又は銀−パラジウム−セレン合金は、銀を約50〜99重量%含む組成物を有する(残りはパラジウム及びテルル/セレン)。本発明に従うと、析出用金属の濃度は、上記で規定した範囲内で、銀を多く含む合金をもたらすように、電解質中にて調節される。析出する金属の濃度に加え、析出合金中の銀の濃度もまた、用いる電流密度、使用するスルホン酸の割合、並びに添加したテルル化合物及び/又はセレン化合物の量に影響を受けることも留意されたい。当業者は、所望の目的合金を得るために、どのように問題のパラメーターを設定すべきかを認識しているか、又はこれらのパラメーターを定型的な実験により決定することができる。目標は、好ましくは銀が70〜99重量%、より好ましくは75〜97重量%、かつ大変好ましくは85〜95重量%の濃度を有する合金である。先行技術の教示とは対照的に、パラジウムが30重量%未満の本発明の合金でも、適切な腐食耐性を有することが明らかになっている。合金の他の成分は、述べた通りパラジウム、及びテルル又はセレンのいずれかである。後者は通常、合金中で10重量%未満、好ましくは5重量%未満、及び大変好ましくは4重量%未満の濃度で表される。結果として、パラジウムは析出金属の残部を形成する。特に好ましい組成物は、銀を約90重量%、パラジウムを7〜8重量%、並びにテルル及び/又はセレンを3〜2重量%有する。
本発明の電解質は上述の通り、尿素及び/又はαアミノ酸を含み、これらはパラジウムの錯化剤として機能し、本電解質の安定性の増加に寄与する。ここで用いられるのは、変更可能な基にアルキル基のみを有するアミノ酸であることが好ましい。アラニン、グリシン及びバリン等のアミノ酸の使用が更に好ましい。グリシン及び/又はアラニンの使用が特に好ましい。上述の濃度範囲内で、当業者は、使用するアミノ酸の最適濃度を自由に選択することができる。上記当業者は、あまりに少量のアミノ酸は所望の安定効果を付与せず、一方でこれらをあまりに高濃度で用いると、パラジウムの析出を抑制する場合があるということを考慮して、指標とするであろう。それ故、既に対応するパラジウム−アミノ酸錯体の形態でパラジウムを電解質に添加すると、特に有利であることが証明されている。
本発明の電解質は酸性pH領域で用いられる。最適結果は、電解質中のpH値が2未満の際に達成可能である。当業者は、電解液のpHがどのように調整され得るかを認識している。上記当業者は、当該の合金の析出に悪影響を与え得るような追加の物質は、できる限り少量で、電解質に導入するという考え方を指標とするであろう。特に好ましい一実施形態において、pHは、単にスルホン酸の添加により制御される。結果としてこれは、好ましい強力な酸性析出条件を作り出す。この条件下ではpHが1未満であり、かつ可能であれば最少0.1であってよく、また限定的な場合では最少0.01であってよい。最適な状況では、pHは約0.6である。
電解質に添加してよい金属化合物は一般に、当業者によく知られている。電解質に添加する銀化合物としては、好ましくは、電解質中で可溶性の銀塩を用いることが可能である。これらの塩は特に、メタンスルホン酸銀、炭酸銀、硫酸銀、リン酸銀、二リン酸四銀(I)、硝酸銀、酸化銀及び乳酸銀からなる群から選択されてよい。ここで、当業者はまた、できる限り少量の追加物質を電解質に添加するべきであるという原則を参考にしなければならない。それ故、特に好ましくは、添加される銀塩として、当業者はメタンスルホン酸銀、炭酸銀、又は酸化銀を選択する。使用する銀化合物の濃度が問題になる限りは、当業者は、上記で規定した限定値により導かれるであろう。銀化合物は、好ましくは銀が0.01〜2.5mol/Lの濃度、より好ましくは銀が0.02〜1mol/Lの濃度、かつ大変好ましくは銀が0.05〜0.2mol/Lで、電解質中に存在する。
使用するパラジウム化合物もまた、好ましくは、電解質に可溶性の錯体、又は可溶性の塩の形態で用いられる。本明細書で使用されるパラジウム化合物は、水酸化パラジウム、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、ピロリン酸パラジウム、硝酸パラジウム、リン酸パラジウム、臭化パラジウム、パラジウムPソルト(ジアミンジニトリトパラジウム(II);アンモニア性溶液)、グリシン酸パラジウム、及び酢酸パラジウムからなる群から選択されることが好ましい。このパラジウム化合物を、上述の濃度で電解質に添加する。パラジウム化合物は、好ましくはパラジウムが電解質中、0.002〜0.75mol/Lの濃度で用いられ、パラジウムが0.035〜0.2mol/Lの濃度であることが大変好ましい。
電解質にて使用されるセレン及び/又はテルル化合物は、上述の濃度内にて当業者により適切に選択されてよい。好ましい濃度範囲としては、0.075〜80mmol/Lのテルル/セレン、かつ大変好ましくは3.5〜40mmol/Lのテルル/セレンの濃度を選択してよい。電解質に添加可能な化合物としては、酸化数+4、+6の元素を有するセレン及び/又はテルル化合物が考えられる。述べた元素が+4の酸化数を有する化合物が特に好ましい。亜テルル酸塩、亜セレン酸塩、亜テルル酸、亜セレン酸、テルル酸、並びに本文脈においてはセレン酸塩、及びテルル酸塩からなる群から選択されるものがとりわけ好ましく、セレンよりもテルルを用いることが、現在では一般的に好ましい。亜テルル酸の塩の形態で、例えばテルル酸カリウムの形態で、テルルを電解質に添加することがとりわけ好ましい。
更に、本発明の電解質では、スルホン酸が0.25〜4.75mol/Lの十分な濃度にて使用される。濃度は、好ましくは0.5〜3mol/Lであり、大変好ましくは0.8〜2.0mol/Lである。スルホン酸は一方では、電解質中にて対応するpHとするように機能する。他方では、スルホン酸の使用は、本発明の電解質の更なる安定化をもたらす。スルホン酸の濃度の上限は、濃度が高すぎると、銀のみが析出するという事実により設けられる。スルホン酸としては、原則として、電気メッキにて使用するのに当業者に既知のスルホン酸を用いることが可能である。好ましく用いられるのは、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びメタンスルホン酸からなる群から選択されるスルホン酸である。本文脈において言及するに値するのに特に好ましいものは、プロパンスルホン酸及びメタンスルホン酸である。メタンスルホン酸が最も好ましく使用される。
更なる実施形態において、本発明は本発明の電解質からの銀を主に含む、銀−パラジウム被膜の電着方法に関する。本方法では、導電性基板を電解質に浸漬し、電解質と接触した陽極と、陰極としての基板との間に電流を流す。電解質に好ましいものとして述べた実施形態は、方法にも準用して適用可能であることも留意されたい。
銀−パラジウム合金の析出中の温度は、当業者により恣意的に選択されてよい。上記当業者は、一方では十分な析出速度及び利用可能な電流密度範囲、並びに他方では、経済的考慮及び/又は電解質の安定性を考慮するであろう。電解質中にて温度を45℃〜60℃とすることが有利である。電解質を45℃〜55℃の温度で使用することが特に好ましいようであり、かつ約50℃にて使用することが大変好ましいようである。
電解質の析出法の間に陰極と陽極との間にて確立される電流密度は、析出の効率及び質に応じて、当業者により選択されてよい。被膜導入の用途及び種類に応じて、電解質中の電流密度は有利に、0.5〜100A/dmにて設定される。電流密度は任意に、被膜電池の構造、流速、陽極状態及び陰極状態などの、導入パラメーターの調節により上昇又は低下させてよい。1〜50A/dmの電流密度が有利であり、2〜20A/dmが好ましく、2.5〜12A/dmが大変好ましい。
既に上で述べた通り、本発明の電解質は酸性電解質である。pHは、好ましくは<2であるべきであり、一層好ましくは<1であるべきである。電解中に電解質のpHに変動が生じる場合がある。したがって、本発明の方法の好ましい実施形態においては、当業者により採用される手順は電解中のpHを監視することであり、適切な場合、pHを設定値に調整する。
電解質の使用に関連して、種々の陽極を使用することができる。可溶性又は不溶性陽極は、可溶性及び不溶性の陽極の組み合わせと同様に好適である。可溶性陽極を使用する場合、銀陽極を用いると特に好ましい。
使用する不溶性陽極は、白金めっきチタン、黒鉛、混合イリジウム遷移金属酸化物、及び特定の炭素材料(「ダイヤモンドライクカーボン」DLC)、又はこれらの陽極の組み合わせからなる群から選択される材料から作製されたものが好ましい。本発明を実施するのに特に好ましいのは、イリジウムルテニウム混合酸化物、イリジウムルテニウムチタン混合酸化物、又はイリジウムタンタル混合酸化物からなる混合酸化物陽極である。更なる例はCobley,A.J.et al「The use of insoluble anodes in Acid Sulphate Copper Electrodeposition Solutions,Trans IMF,2001,79(3),pp.113 and 114」に掲載されている。
本発明の電解質に使用可能な湿潤剤は典型的には、ポリエチレングリコール付加物、脂肪族アルコールスルフェート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、ヘテロアリールスルフェート、ベタイン、フルオロ界面活性剤、並びにこれらの塩及びこれらの誘導体等のアニオン性及び非イオン性界面活性剤である(Kanani,N:Galvanotechnik[Electroplating];Hanser Verlag,Munich Vienna,2000;page 84 ffも参照のこと)。
本発明は、銀−パラジウム被膜の電着のための新規の電解質、及びまた、対応する方法を示す。比較的簡単な構成であるにも関わらず、電解質は、高い電流密度に対しても大変安定しており、導電性基板上への、耐腐食性銀−パラジウム合金の、広範囲の電流密度にわたっても均質かつ組成的に均一な析出を可能にする。本発明の電解質組成物の実質的な利点は、電解質の優れた安定性である。これは、沈殿物の不在により明白となっている(図1)。対照的に、AiFの報告(上を参照)に記載されている電解質は、短時間の稼働後ですら、茶色から黒色の明確な沈殿物を示す(図2)。かかる沈殿物は頻繁に、対応する貴金属の損失について、コストがかかり不便な分析及び洗浄手段を必要とする。本発明の電解質の特徴を組み合わせることにより、特に接点材料の工業生産における大変有利な使用を提案する特徴が得られる。これは、既知の先行技術の背景に対して速やかに予想できるものではなかった。
容器/電池壁に沈殿物がない、本発明の電解質の試験後の被膜電池。 容器/電池壁に薄黒い沈殿物を有する、AiF電解質(Forschungsinstitut Edelmetallchemie & Metallchemie aus Schwabisch Gmund;プロジェクト番号:AiF 14160 Nの報告)の試験後の被膜電池。 図3は、選択した電流密度による析出速度の変化を示す。広範囲の電流密度にわたり、実質的に同じ速度で析出が生じていることが明らかである。 図4は電流密度の関数としての、析出速度の変化を示す。ここでは、パラメーター間で好ましい線形依存性が明らかに見られる。
[実施例]
高速用途のための電解質の実施形態:
実施例1:
Figure 0006370380
示した電流密度範囲において得た合金組成物:銀90重量%、パラジウム7〜8重量%、及びテルル3〜2重量%。
実施例2:
Figure 0006370380
示した電流密度範囲において得た合金組成物:銀88重量%、パラジウム7〜10重量%、及びテルル5〜2重量%。
実施例3:
Figure 0006370380
示した電流密度範囲において得た合金組成物:銀92重量%、パラジウム3〜4重量%、及びテルル5〜4重量%。
実施例4:
Figure 0006370380
示した電流密度範囲において得た合金組成物:銀90重量%、パラジウム8〜9重量%、及びテルル2〜1重量%
実施例5:
Figure 0006370380
示した電流密度範囲において得た合金組成物:銀87重量%、パラジウム9〜10重量%、及びテルル4〜3重量%

Claims (8)

  1. を含む、銀−パラジウム合金の電着のための、シアン化物非含有であり酸性の水性電解質であって、前記電解質が、
    1)銀が0.01〜2.5mol/Lの濃度の、銀化合物、
    2)パラジウムが0.002〜0.75mol/Lの濃度のパラジウム化合物、
    3)テルル/セレンが0.075〜80mmol/Lの濃度のテルル化合物、又はセレン化合物、
    4)0.2〜2mol/Lの濃度の尿素、並びに/又は、
    0.2〜35mmol/Lの濃度の、アラニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、リジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、プロリン、セリン、チロシン及びバリンからなる群から選択される1種以上のアミノ酸、並びに
    5)0.25〜4.75mol/Lの濃度のスルホン酸
    を溶解した形態で含む、電解質。
  2. グリシン、アラニン、及びバリンからなる群から選択される1種以上のアミノ酸を用いることを特徴とする、請求項1に記載の電解質。
  3. 前記電解質が、2未満のpHを有することを特徴とする、請求項1及び/又は2に記載の電解質。
  4. 前記セレン及び/又はテルルが、酸化数+4、+6を有する化合物として使用されることを特徴とする、請求項1、2及び/又は3に記載の電解質。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解質の銀を含む、銀−パラジウム被膜の電着方法であって、導電性基板が前記電解質に浸漬され、前記電解質と接触した陽極と、陰極としての前記基板との間に電流が生じることを特徴とする、方法。
  6. 前記電解質の温度が45〜60℃であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記電解中の電流が、0.5〜100A/dmであることを特徴とする、請求項5及び/又は6に記載の方法。
  8. 前記電解中のpが、1未満の値に調節された状態で維持されることを特徴とする、請求項〜7のいずれか一項に記載の方法。
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