本発明の実施形態に係る収納装置について図面を用いて説明する。
本実施形態の収納装置は、乗用車の車室内の前席の中央コンソールに設けられる。図1及びそれ以後の図面において、前、後、右、左、上、下は、運転席に乗車した乗員から見た方向である。
図1に示すように、収納装置は、開口10を有するボックス本体1と、開口10を開閉可能に被覆する蓋体2と、ボックス本体1に対して蓋体2を前後方向にスライド可能とし且つ上下方向に回動可能とする開閉機構3とを備える。
図2に示すように、ボックス本体1は、矩形の箱形状をなし、前後及び左右が側壁で囲まれた収納用の開口10を有する。開口10を囲む左右両側の側壁上端には、その前側部分に、段状のガイド溝11が形成されている。ガイド溝11は前後方向に延び、その前端部と後端部に係合穴11a、11bが形成されている。
ボックス本体1の左右両側には、一対の外側壁材12,12が設けられている。一対の外側壁材12,12には、複数のネジ穴12aが形成されていて、ネジ穴12aと、ボックス本体1の左右両側の側壁に形成したネジ穴12aに、図略のネジを螺着することで、一対の外側壁材12,12がボックス本体1に固定されている。
蓋体2は、ボックス本体1の上に配置されている。蓋体2は、下部材21と、上部材22と、クッション材23と、表皮部材24とを有する。上部材22に形成した凹部22aにはクッション材23が配置され、クッション材23の上を表皮部材24が被覆する。上部材22及び表皮部材24は、その周縁において下部材21の周縁に対して図略のネジ締結により一体に固定されている。
開閉機構3は、ベース部材5と、ヒンジ部51と、スライド部31と、検知部61と、伝達部材63と、ロック機構6と、操作部35とを備える。
図2、図3に示すように、ベース部材5は、矩形の薄板形状をなし、その左右両側にはヒンジ部51が突設されている。ヒンジ部51には、ヒンジ部51の回動中心となる回動支持穴51aが設けられている。また、ボックス本体1の後部の側壁には、図略のネジ締結により金属製の取付部材13が固定されている。取付部材13には、左右両側に後側に屈曲された一対の側壁13a、13aが設けられている。左右一対の側壁13a、13aにはそれぞれ回動穴13bが設けられている。取付部材13の回動穴13b、及びベース部材5の回動支持穴51aには、軸部材13cが挿通されていて、ボックス部材1に対してベース部材5が回動支持穴51aを中心に回動するようにしている。
ベース部材5は回動により閉状態と開状態に変位する。閉状態は、ベース部材5がボックス本体1の開口10を閉めたときの状態である。開状態は、ベース部材5が開口10を開いた状態をいい、ベース部材5が最も開いた全開状態だけでなく、ベース部材5が閉状態と全開状態の途中の開き状態をも含めた意味とする。このようなベース部材5の開閉により、蓋体2が開口10を開閉し、ベース部材5が開状態であるときには蓋体2も開状態となり、ベース部材5が閉状態であるときには蓋体2も閉状態となる。
軸部材13cには、ベース部材5の回動の負荷を軽減するための一対の付勢部材13dが巻回されている。ベース部材5のヒンジ部51には、回動支持穴51aよりも下方に穴部51bが設けられている。取付部材13の一対の側壁13aには、それぞれ回動穴13bを中心とする円弧形状の穴部13gが設けられている。穴部51b及び穴部13gには、係止バー13eが挿通されている。付勢部材13dの一端は取付部材13に係止され、他端は係止バー13eに係止されている。付勢部材13dは、蓋体2を操作者の手により押し上げたときの蓋体2及びベース部材5の荷重を軽減するが、付勢部材13dの付勢力だけではベース部材5及び蓋体2が開状態に向けて回動しないように設定されている。
また、軸部材13cには一対のピニオンギヤ13f、13fが固定されている。取付部材13には、ダンパギヤ14aを有するダンパ装置14が固定されている。ダンパギヤ14aはピニオンギヤ13fに噛合している。ベース部材5の回動によりピニオンギヤ13fが回転すると、ダンパギヤ14aが回転される。ダンパギヤ14aはダンパ装置14内部の粘性液体により回転に抵抗が付与されている。このため、ダンパギヤ14aと噛合しているピニオンギヤ13fの回転速度の変化が抑えられ、ベース部材5の回動速度の変化を緩和している。なお、取付部材13、軸部材13c、係止バー13e、及びダンパ装置14は、後側部材15により被覆される(図2)。
図2、図4、図6に示すように、スライド部31は、ベース部材5の左右中央に設けられた凹状のレール部31bと、蓋体2の下部材21の下面に固定されたガイド部31aとを有する。ガイド部31aは、長尺体であり、下部材21に前後方向に沿って配設されている。ガイド部31aは、凹状のレール部31bに前後方向にスライド可能に係合されている。レール部31bがガイド部31aを前後方向にスライドさせることで、蓋体2は、スライド部31により、図7に示す車両前側の前方位置P1と、図8に示す車両後側の後方位置P2との間を移動される。
図2、図5、図6に示すように、ベース部材5と蓋体2の下部材21の下面との間には、一対の前後付勢部材32が設けられている。前後付勢部材32は、コンスタントスプリングであり、固定部32aと、固定部32aから引き出したり収納したりされるつる巻状のばね32bとを有する。固定部32aは、ベース部材5から突出する固定壁5aに固定されている。ばね32bの先端は下部材21に連結されて下部材21を車両前側に付勢している。前後付勢部材32は、蓋体2を後方位置P2から前方位置P1まで戻して前方位置P1に保持する。
図6、図9、図10、図11に示すように、検知部61は、ベース部材5の後側の左右両側に一対設けられている。図9、図10に示すように、各検知部61は、箱形状をなす。検知部61の前側下部には、突出片61aが突出されていて、突出片61aは、ベース部材5に形成された穴部5bに進退可能に挿入されている。検知部61の左右両側の側壁には、後方に向けて上方に傾斜するガイド穴61bが形成されている。
伝達部材63は、前後方向に延びる長尺体である。伝達部材63は、ベース部材5の左右両側に一対設けられている。伝達部材63の長手方向に沿って複数のガイド穴63aが設けられている。各ガイド穴63aには、ベース部材5から突出する突起5cが前後方向に相対的に移動可能に挿入されていて、伝達部材63をベース部材5に対して前後方向に移動可能に保持している。
図9に示すように、伝達部材63の後端部には、軸穴63bが形成されている。伝達部材63の後端部は、検知部61の前側の開口61cから内部に挿入されている。伝達部材63の軸穴63b及び検知部61のガイド穴61bには、軸部材62が挿通されている。軸部材62の両端はベース部材5の後部に突出する壁部5dに支持されている。これにより、検知部61はベース部材5に対して上下方向に移動可能に保持され、突出片61aはベース部材5の穴部5bからボックス本体1に向けて進退可能とされている。また、検知部61の上下移動により伝達部材63が前後方向に移動可能とされる。
図11に示すように、伝達部材63の前後方向の中央には、ばね室63cが設けられている。ばね室63cの一端には、ベース部材5から突出する突片5eが配設されている。突片5eとばね室63cの他端との間に伝達付勢部材67が配設されていて、伝達付勢部材67は伝達部材63を後側に向けて付勢している。これにより、伝達部材63の後端部は軸部材62を検知部61のガイド穴61bの後端部に移動させ、検知部61を下方向に移動させている。
図10に示すように、検知部61の突出片61aは、伝達付勢部材67の付勢力により、ベース部材5の穴部5bから突出してボックス本体1の開口10の周縁に当接している。図12、図13に示すように、ベース部材5が開位置に回動すると、突出片61aはボックス本体1の開口10の周縁から離れる。突出片61aは、伝達付勢部材67の付勢力により穴部5bから下側に進出する。このようにして、伝達付勢部材67は、検知部61をボックス本体1に向けて進出するように付勢している。
図9に示すように、ロック機構6は、ベース部材5に設けられたロックピン64と、ロックピン64のばね室64eに配設されたピン付勢部材65と、蓋体2の下部材21に設けられたラチェット穴12kとを有する。
ロックピン64は、ベース部材5の前側に、左右一対設けられている。各ロックピン64は、基部64aと、基部64aの左右方向外側に突出する挿入ピン64cと、基部64aの左右方向内側に突出する傾斜部64dと、傾斜部64dの下部に設けられた突部64bとを有する。挿入ピン64cは、ベース部材5の左右方向の側壁に設けた孔部5fに進退可能に挿入されている。
図9、図11に示すように、ピン付勢部材65は、ロックピン64の基部64aに設けたばね室64eに収容されている。ばね室64eの一端には、ベース部材5から突出する突片5gが配設されている。突片5gとばね室64eの他端との間にピン付勢部材65が配設されていて、ロックピン64を左右方向外側、即ちベース部材5の側壁に設けた孔部5fから進出する方向に向けて付勢している。
図11に示すように、ロックピン64の傾斜部64dの下側には、伝達部材63の前端部が配置されている。伝達部材63の前端部には、傾斜面63dを有するガイド穴63eが設けられている。傾斜面63dは、前方に対して左右方向外側に向かって傾斜している。ロックピン64の突部64bは、ガイド穴63eに挿入されている。ガイド穴63eは、伝達部材63が前側に位置するときには、突部64bを傾斜面63dの後端部に位置させて挿入ピン64cを後退位置に移動させる。また、図13に示すように、ガイド穴63eは、伝達部材63が後側に位置するときには、突部64bを傾斜面63dの前端部に位置させて、ロックピン64を進出位置に移動させる。
図14、図15に示すように、蓋体2の下部材21の左右両側には、ロックピン64を収容する一対のピン収納部21a、21aが設けられている。各ピン収納部21aは、ロックピン64の挿入ピン64cと対向する立壁21bを配設させている。立壁21bには、複数のラチェット穴21kが前後方向に所定間隔毎に配列されている。
図10、図11に示すように、ベース部材5が閉状態にあるときには、検知部61の突出片61aはボックス本体1の開口10の周縁に当接している。このとき、検知部61は伝達付勢部材67の付勢力に抗して上側に押し戻されている。軸部材62は検知部61のガイド穴61bで前側下端に移動され、伝達部材63は前側に移動される。ロックピン64の突部64bは、伝達部材63のガイド穴63eにおいて左右方向内側に移動される。ロックピン64は左右方向内側に移動され、挿入ピン64cは、ラチェット穴21kから離脱して、蓋体2の前後方向の移動を許容する。
図12、図13に示すように、ベース部材5を閉状態から開状態に回動させたときには、検知部61の突出片61aはボックス本体1の開口10の周縁から離れ、検知部61が下降する。軸部材62はガイド穴61bの後側上端に移動される。伝達部材63は後側に移動される。伝達部材63のガイド穴63eではロックピン64の突部64bが左右方向外側に進出し、蓋体2のラチェット穴21kに係合する。これにより、蓋体2を開状態にしたときには、蓋体2のベース部材5に対するスライドは規制される。
図14に示すように、操作部35は、蓋体2の下部材21の前端部に取り付けられている。操作部35は、揺動ノブ36と、軸37と、一対の固定ピン38,38と、押圧部材39とを有する。
図16、図17に示すように、揺動ノブ36は、レバー36aと、レバー36aの後側の左右両端部に設けられた一対の突起部36b、36bと、レバー36aの後側の左右方向中央に設けられた一対の連結部36c、36cとを有する。突起部36bの左右方向内側の側面には、テーパ面36dが設けられている。テーパ面36dは、後方に向けて左右方向内側に傾斜している。
固定ピン38の基端部は、テーパ面36dに対応するテーパ面38aをもつ。固定ピン38の基端部の端面38bには、固定ピン38を左右方向外側に進出する方向に付勢する固定付勢部材30が係止されている(図14)。
揺動ノブ36を操作していないときには、突起部36bは後側に位置している。固定ピン38は固定付勢部材30の付勢力により左右方向外側に進出している。図6に示すように、蓋体2が最も前側に位置するか又は後側に位置しているときには、固定ピン38は、ボックス本体1の係合穴11a、11bに係合していて、ボックス本体1に対する蓋体2の前後方向へのスライド移動が規制されている。図17に示すように、揺動ノブ36を操作してレバー36aを上側に引き上げると、突起部36bが前側に変位され、固定ピン38は左右方向内側に後退される。固定ピン38は係合穴11a、11bから離脱して、ボックス本体1に対して蓋体2が前後方向にスライド移動することを許容する(図6参照)。
図14に示すように、蓋体2の下部材21の前端部は、左右両側から左右中央に向けて上側に立ち上がる一対の立ち上がり壁21c、21cと、一対の立ち上がり壁21c、21cの上部を連結する天井壁21dとを有する。各立ち上がり壁21cの後方部には、穴部21eが設けられている。軸37は、揺動ノブ36に設けられた挿入穴36eに挿入された状態で、両端部を穴部21eに係合させることにより、揺動ノブ36を蓋体2に対して揺動可能に支持している。
また、図14、図16に示すように、軸37にはノブ付勢部材34が巻回されている。ノブ付勢部材34の一端は、揺動ノブ36の突起部36bに係止され、他端は下部材21の天井壁21dに係止されることで、レバー36aを下側に向けるように揺動ノブ36を付勢している。
押圧部材39は、フォーク形状をなし、前端部39aから2つのフォーク部39b、39bに分枝している。前端部39aの前端面には凸部39eが突設され、突部39eには穴部39cが設けられている。揺動ノブ36の連結部36cの先端には連結穴36fが形成されている。押圧部材39の突部39eを一対の連結部36c、36cの間に配置して、穴部39c及び連結穴36fに軸部材33を挿入することで、押圧部材39の前端部39aは、揺動ノブ36の連結部36cに連結されている。
2つの各フォーク部39bは、前後方向に互いに平行に長く延びていて、その左右両側面には所定間隔に突起部39dが突出している。図15に示すように、蓋体2の下部材21には、挿入部21fを設けている。挿入部21fの下には、ロックピン64を収納するピン収納部21aが配置されている。挿入部21fは、前後方向に延びており、押圧部材39のフォーク部39bを挿入している。挿入部21fを囲む左右両側の壁面には、フォーク部39bの左右両側面と対面する部分に、所定間隔を隔てて配列された複数のガイド穴21gが設けられている。図14、図15に示すように、複数のガイド穴21gは、いずれも後側に向けて上側に傾斜している。複数の突起部39dは、それぞれガイド穴21gにガイド可能に挿入されている。
操作部35の揺動ノブ36を操作していないときには、図18、図19に示すように、揺動ノブ36及び押圧部材39は、実線で示す位置にある。このとき、押圧部材39の前端部39aは上側に位置する。押圧部材39のフォーク部39bの突起部39dは、ガイド穴21gの上端に位置する。
操作部35の揺動ノブ36のレバー36aを上側に引き上げると、レバー36a及び押圧部材39は、図18、図19に示すように、二点鎖線で示す位置に変位する。このとき、揺動ノブ36の連結部36cが下降する。連結部36cの下降により、押圧部材39の前端部39aが下降する。これにともない、押圧部材39の突起部39dがガイド穴21gにガイドされて下方前側に移動され、押圧部材39の全体が下側に移動される。
図15、図20に示すように、押圧部材39のフォーク部39bの下には、ロックピン64の傾斜部64dが配置されている。押圧部材39が下側に移動されると、押圧部材39のフォーク部39bはその下面でロックピン64の傾斜部64dを下側に押す。図15に示すように、傾斜部64dが押圧部材39により下側に押圧されると、傾斜部64dは、左右方向内側に移動される。そうすると、図21に示すように、ロックピン64は蓋体2の下部材21のラチェット穴21kとの係合が解除されて、ラチェット穴21kから後退する。これにより、蓋体2が開状態に位置していても、ベース部材5に対して蓋体2が前後方向に移動可能とされる。
開閉機構3は、更に、図22、図2に示すように、ヒンジ部51に設けられた干渉部52と、干渉部52に当接する当て部72と、当て部72に連結された補助付勢部材71とを備えている。ベース部材5の左右両側の後部には、一対のヒンジ部51が延設されている。各ヒンジ部51は、ベース部材5から下側に延びる延設部51cと、延設部51cの下端で後側に屈曲して延び先端に回動支持穴51aを設けた支持部51dとを有する。支持部51dの前端は、支持部51dの中で回動支持穴51aから最も離れた部分である。この部分には、当て部72に当接する干渉部52が設けられている。干渉部52は、支持部51dの前側端面から前側に突出している。
補助付勢部材71としては、例えば、圧縮コイルばね、弾性樹脂部材を用いることができる。本実施形態においては、補助付勢部材71として圧縮コイルばねを用いる。補助付勢部材71の下端はボックス本体1の後部に設けた座部12に係止され、上端は当て部72に係止されている。補助付勢部材71は、当て部72を、ベース部材5のヒンジ部51に向けて押し上げる方向に付勢している。
図23に示すように、ベース部材5と共に蓋体2がボックス本体1に対して回動することにより、干渉部52は回動支持穴51aを中心とする円弧状の回動軌跡Rに沿って移動する。
当て部72は、ベース部材5が完全に開いた全開状態に位置するときからベース部材5が完全に閉止した閉状態に位置するときまでにわたって干渉部52に当接する。当て部72は、干渉部52の当接により上下方向に移動可能とされている。
干渉部52は、ベース部材5が略全開状態のときに干渉部52が当て部72に当接することによって当て部72を最も高い位置A1に位置させるよう構成されている。干渉部52は、ベース部材5が略閉状態のときに干渉部52が当て部72に当接することによって当て部72を最も低い位置A2に押し下げるよう構成されている。
図22に示すように、干渉部52が当て部72に当接することによって当て部72が取り得る位置の中の最も高い位置A1にあるとき、ベース部材5は略全開状態となり、この場合の「略全開状態」は、ベース部材5が開口10を完全に開いたときの状態又は当該完全に開いた状態の開き角度よりも小さいが当該開き角度との差が10°以下好ましくは5°以下の範囲の開き角度で開いている状態であることがよい。本実施形態では、略全開状態のベース部材5は、ベース部材5が完全に開いた状態の開き角度をいう。
図1に示すように、干渉部52が当て部72に当接することによって当て部72が取り得る位置の中の最も低い位置A2にあるとき、ベース部材5は略閉状態となり、この場合の「略閉状態」は、ベース部材5が開口10を完全に閉じたときで開き角度が0°であるときの状態又は開き角度が10°以下、好ましくは5°以下の範囲で若干開いているがほぼ閉じているに近い状態であることがよい。本実施形態では、略閉状態のベース部材5は、ベース部材5が完全に閉じた状態の開き角度から1°程度開いた状態をいう。
図23に示すように、当て部72の後方端面には、略円弧形状の当て面72aが設けられている。当て面72aは、ベース部材5が略全開状態に位置するときに干渉部52に当接する開時当接部72bと、ベース部材5が略閉状態に位置するときに干渉部52に当接する閉時当接部72cと、を有する。
ベース部材5が略全開状態の位置にあるときの当て部72の高さがA1であるときに、当て面72aの開時当接部72bは干渉部52の回動軌跡R上に位置する。当て面72aは、開時当接部72bから閉時当接部72cに向けて干渉部52の回動軌跡Rの内側に位置して干渉部52の回動軌跡Rからのズレ量Zを徐々に大きくするように形成されている。言い換えれば、当て部72がA1の高さにあるときに、当て部72は、当て面72aと回動支持穴51aとの距離が開時当接部72bから閉時当接部72cに向けて徐々に小さくなるように形成されている。当て部72は、干渉部52の回動軌跡Rからのズレ量Zに応じて当て部72の押し下げ量が可変する。ズレ量Zが大きくなるにしたがって、当て部72は低い位置に押し下げられる。
当て部72がA1の高さにあるときの補助付勢部材71の圧縮量をB1とし、当て部72がA2の高さにあるときの補助付勢部材71の圧縮量をB2とするとき、補助付勢部材71の圧縮量B1よりも、補助付勢部材71の圧縮量B2の方が大きい。
ベース部材5が略全開状態の位置にあるときに、補助付勢部材71は、圧縮量B1が最も小さく、当て部72を押し上げる付勢力が最も小さい。ベース部材5が略閉状態の位置にあるときに、補助付勢部材71は、圧縮量B2が最も大きく、当て部72を押し上げる付勢力を最大限発揮できる。
補助付勢部材71の圧縮量B1は、補助付勢部材71がフリーのときと同じ長さ、即ちゼロであってもよいし、ゼロを超えて大きい値であってもよい。補助付勢部材の圧縮量B2は、B1よりも大きければよく、B2とB1との差異は0を超えて大きいことが必要である。
B2とB1との差異、即ち当て部72の高さA1とA2の差異は、ゼロを超えて大きく50mm以内であることがよく、更に5mm以上30mm以下であることが好ましい。本実施形態では、B1とB2との差異、即ち当て部72の高さA1とA2の差異は15mmとする。
また、本実施形態において、当て面72aは、干渉部52のおおよそ回動軌跡Rに沿った形状であって下部から前方上側に向けて緩やかに略弧状に湾曲している。閉時当接部72cは当て面72aの中の下部に位置し、開時当接部72bは当て面72aの中の上部に位置している。
本実施形態の収納装置の基本作動について説明する。
本実施形態の収納装置の蓋体2は、スライド部31によりボックス本体1に対して前後方向に移動可能である。また、蓋体2は、ベース部材5がボックス本体1に対して回動することによりベース部材5とともに上下方向に回動可能とされている。
ベース部材5が閉状態にあるときには、蓋体2も閉状態であり、ベース部材5が開状態であるときには蓋体2も開状態である。ベース部材5が閉状態にあるときには、蓋体2は閉状態を維持しながら、ボックス本体1に対して前後方向に移動可能である。
ベース部材5が開状態にあるときには、蓋体2も開状態である。このとき、蓋体2は、基本的には、ロック機構6によりベース部材5に対して前後方向の移動が規制されている。しかし、ベース部材5が開状態にあるときであっても、蓋体2の操作部35を操作することでロック機構6による蓋体2の前後方向の移動の規制を解除して、蓋体2を前後方向に移動可能とすることができる。
蓋体2の開閉機構3の作動について詳細に説明する。
図10、図11に示すように、ベース部材5が閉状態にあるときには、検知部61の突出片61aはボックス本体1の開口10の周縁に当接している。このとき、検知部61は伝達付勢部材67の付勢力に抗して上側に押し戻されている。伝達部材63は前側に移動される。ロックピン64は左右方向内側に移動され、ラチェット穴21kから離脱して、ベース部材5に対する蓋体2の前後方向の移動を許容している。
しかし、図6に示すように、蓋体2が前方位置P1又は後方位置P2において閉状態にあるときには、固定ピン38は、ボックス本体1のガイド溝11の前端及び後端に形成された係合穴11a又は11bに係合していて、ボックス本体1に対する蓋体2の前後方向へのスライド移動が規制されている。
揺動ノブ36のレバー36aを引き上げると、固定ピン38が左右方向内側に後退して係合穴11a又は11bから離脱して、蓋体2のスライド移動が許容される。この状態で蓋体2を後側に押すと、図24に示すように、ボックス本体1及びベース部材5に対して蓋体2が後方向に移動される。
図24、図12、図13に示すように、蓋体2が前方位置P1と後方位置P2の途中に位置しているときに、レバー36aから手を離してレバー36aを引き上げることなく蓋体2を上側に持ち上げると、ベース部材5が回動して開状態となる。検知部61の突出片61aがボックス本体1の開口10の周縁から離間して、突出片61aが下方に進出する。これにより、伝達部材63が後方に移動され、ロックピン64が左右方向外側に進出する。進出したロックピン64は、蓋体2の下部材21のラチェット穴21kに係合して、蓋体2の前後方向の移動がロックされる。
ここで、ラチェット穴21kは、下部材21の立壁21bに前後方向に所定間隔毎に配列されている。このため、ラチェット穴21kとラチェット穴21kとの間の穴無し部分21mにロックピン64が進出すると、ロックピン64はラチェット穴21kに係合できない。しかし、蓋体2は前後付勢部材32によりボックス本体1に対して前側に自動的に戻される。即ち、ベース部材5は蓋体2に対して相対的に後側に移動される。ベース部材5に設けたロックピン64は、ベース部材5を開状態にしたときの穴無し部分21mの位置から後側で最も近いラチェット穴21kに係合され、蓋体2の前後方向の移動がロックされる。
また、図19、図20、図21に示すように、蓋体2が前方位置P1と後方位置P2との間の途中に位置しているときに、レバー36aを引き上げながら蓋体2を上側に持ち上げたとき、検知部61の突出片61aが下方に進出する。しかし、揺動ノブ36の連結部36cが前側下方に移動することにより押圧部材39が下降し、下降した押圧部材39がロックピン64の傾斜部64dを下側に押すことによってロックピン64は左右方向内側に後退する。レバー36aを引き上げている間は検知部61の突出片61aが進出しているか否かに拘わらず、ロックピン64は押圧部材39により左右方向内側に後退されてラチェット穴21kから離脱するため、ベース部材5に対して蓋体2を前後方向にスライド移動することができる。
ベース部材5が開状態にあるときにレバー36aから手を離すと、レバー36aは下側の元の位置に戻り、押圧部材39は上側の元の位置に戻り、ロックピン64は押圧部材39によって押圧されなくなる。一方で、蓋体2が開状態にあることで検知部61の突出片61aが下側に進出している。このため、伝達部材63を経由してロックピン64が進出しラチェット穴21kに係合して、ベース部材5に対する蓋体2のスライド移動が規制される。
また、ベース部材5が開状態であるとき、図19に示すように、レバー36aを引き上げると、押圧部材39が下降する。図15に示すように、下降した押圧部材39は、ロックピン64を左右方向内側に移動させ、ロックピン64をラチェット穴21kから離脱させる。これにより、蓋体2は、開状態であっても、ベース部材5に対してスライド可能となる。
図10に示すように、ベース部材5を閉状態に戻すと、検知部61の突出片61aは、ボックス本体1に当接して、ベース部材5に対して上側に戻される。検知部61の上側への変位に伴って、伝達部材63は前側に移動され、ロックピン64はラチェット穴21kから離脱する。ベース部材5が開状態から閉状態に戻ると、前後付勢部材32の付勢力により、蓋体2はベース部材5に対して前側の前方位置P1に自動的に移動される。
ここで、図1に示すように、ベース部材5が閉状態に位置しているときには、ベース部材5のヒンジ部51の干渉部52は、当て部72の閉時当接部72cに干渉して、当て部72を押し下げ、補助付勢部材71を圧縮する。このときの補助付勢部材71の圧縮量B2は大きく、付勢力を最大限発揮する。補助付勢部材71はその大きな付勢力により当て部72を干渉部52に対して下側から押し上げ、ベース部材5の回動に要する力を軽減している。
図22に示すように、ヒンジ部51の回動により干渉部52が当て面72a上を閉時当接部72cから開時当接部72bに向けて移動していくと、干渉部52の回動軌跡Rからの当て面72aのズレ量Zが小さくなり、補助付勢部材71の圧縮量が減少して補助付勢部材71の押し上げ力が次第に軽減され、やがてベース部材5は全開状態に至り、蓋体2は全開状態に開く。
ベース部材5が略全開状態にあるときに補助付勢部材71の付勢力は最も小さくなるため、蓋体2を開状態から閉めるためには、小さい負荷を蓋体2に加えるだけでよい。蓋体2を閉めるときの感触を軽くすることができる。
本実施形態においては、蓋体2がベース部材5に対して前後方向にスライド可能である。蓋体2が前後方向のどの位置に位置していても、ベース部材5をボックス本体1に対して回動させることができる。ベース部材5の回動にともなって蓋体2もボックス本体1に対して回動させることができる。
蓋体2が前後方向のどの位置にあっても、検知部61はベース部材5が開状態となったことを検知して、ロックピン64が蓋体2のベース部材5に対するスライド移動をロックする。このため、蓋体2を前後方向の任意の位置で停止させてベース部材5の回動により蓋体2を開くことができる。
また、開いた蓋体2を閉めるときには、検知部61によりベース部材5が閉状態に位置することが検知され、これによりロックピン64のロックが解除される。ゆえに、蓋体2を閉めた時には、蓋体2のスライド移動のロックが解除され、前後付勢部材32により前後方向に自在に蓋体2を移動させることができる。
また、蓋体2が前後方向のいずれの位置にあっても、ベース部材5が略閉状態にあるときに補助付勢部材71の付勢力を最大限発揮させて蓋体2を開けるに要する負荷を軽減でき、またベース部材5が略全開状態にあるときに補助付勢部材71の付勢力を最小限として蓋体2を閉めるに要する負荷を軽減している。このため、本実施形態の収納装置は、蓋体2の開閉に要する負荷を軽減できる。
本実施形態においては、ベース部材5が閉状態のときに、干渉部52はやや下側を向いて当て部71に当接している。このため、干渉部52は、補助付勢部材71による上方向の押し上げ力を効果的に受け止めて、ベース部材5を上側に押し上げることができる。
また、ベース部材5が全開状態のときには、干渉部52は略水平方向に向いた状態で当て部71に当接している。干渉部52は補助付勢部材71による上方向の押し上げ力を殆ど受けていない。このため、ベース部材5を全開状態から下側に押したときに、補助付勢部材71の押し上げ力の影響を受けない。ゆえに、蓋体2の閉止にともなう負荷を最大限軽減することができる。
本実施形態の収納装置は、車両前席の間の中央コンソールに設けられている。本実施形態の収納装置の蓋体2は、乗員の肘掛けを兼用できる。乗員の体格に合わせて肘掛け兼用の蓋体2を前後方向の任意な位置にスライドすることができる。肘掛け兼用の蓋体2とする場合には、蓋体2は剛性を確保するために重量を重くする場合がある。この場合にも、本発明によれば、補助付勢部材71による押し上げ力が蓋体2の閉状態で最大限発揮できるため、重い蓋体2であっても軽やかに開くことができる。
本実施形態においては、検知部61とロックピン64との間に伝達部材63を介在させて蓋体2の開閉に関する検知情報を間接的にロックピン64に伝達していたが、伝達部材63を介在させることなく検知部61からロックピン64に直接的に検知情報を伝達させてもよい。蓋体2の開閉情報は、電気的な手法で検知しロックピン64に伝達してもよい。
本実施形態においては、閉状態の蓋体2は、最も前方の最前位置と最も後方の最後位置に位置しているときに固定ピン38が係合穴11a、11bに係合することで前後方向の移動が規制されており、前後方向の移動経路の中で最前位置及び最後位置以外の途中に位置するときは、閉状態の蓋体2は、ボックス本体1に対して前後方向に移動が可能とされている。しかし、閉状態の蓋体2を前後方向の移動経路の任意の位置でロックさせる機構を設けても良い。この場合には、肘掛けとしての蓋体2を、乗員の体格に合わせて、前後方向の任意な位置に保持させることができる。
また、本実施形態では、蓋体2を開状態から閉状態にすると、ロック機構6により蓋体2のベース部材5に対するスライド移動の規制が解除されて、前後付勢部材32により自動で蓋体2が前方位置P1に移動するように構成されている。しかし、前後付勢部材32がなく、前後方向の移動はすべて手動で行うようにしてもよい。
本実施形態の収納装置は、図3に示すように、ベース部材5に設けられている軸部材13cには付勢部材13dが巻回されている。付勢部材13dは、蓋体2を操作者の手により押し上げたときの蓋体2及びベース部材5の荷重を軽減するが、付勢部材13dの付勢力だけではベース部材5及び蓋体2が開状態に向けて回動しないように設定されている。しかし、この付勢部材13dの付勢力を更に高くして、付勢部材13dの付勢力だけでベース部材5を閉状態から開状態にさせることも可能である。この場合、ベース部材5を閉状態に維持し操作部35の操作により閉状態でのロックを解除するためのロック機構を別途設けるとよい。
本実施形態の干渉部72、当て部72、補助付勢部材71は、開閉機構3のない収納装置であっても、適用できる。本実施形態の開閉機構3は、本実施形態の干渉部72、当て部72、及び補助付勢部材71のない収納装置であっても、適用できる。
また、本実施形態の収納装置は、後部座席中央のコンソールに設けてもよい。また、収納装置は、蓋付きカップホルダであってもよい。
(1)本実施形態の収納装置は、開口10を有するボックス本体1と、開口10を開閉可能に被覆する蓋体2と、ボックス本体1に対して蓋体2を前後方向にスライド可能とし且つ上下方向に回動可能とする開閉機構3とを備える収納装置であって、開閉機構3は、ボックス本体1と蓋体2との間に設けられたベース部材5と、ベース部材5をボックス本体1に回動可能に支持するヒンジ部51と、ベース部材5に対して蓋体2を前後方向にスライドさせるスライド部31と、ベース部材5が開口10を閉じている閉状態にあるか又はボックス本体1に対して回動して開口10を開いた開状態にあるかを検知する検知部61と、検知部61によりベース部材5が開状態にあることが検知されたときに蓋体2のベース部材5に対するスライドをロックし、検知部61によりベース部材5が閉状態にあることが検知されたときに蓋体2のベース部材5に対するスライドのロックを解除するロック機構6と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、蓋体2がベース部材5に対して前後方向にスライド可能である。蓋体2が前後方向のどの位置に位置していても、ベース部材5をボックス本体1に対して回動させることができる。ベース部材5の回動にともなって蓋体2もボックス本体1に対して回動させることができる。
蓋体2が前後方向のどの位置にあっても、検知部61はベース部材5が開状態となったことを検知して、ロック機構6がベース部材5に対する蓋体2のスライド移動をロックする。このため、蓋体2を前後方向の任意の位置で停止させてベース部材5の回動により蓋体2を開くことができる。
また、開いた蓋体2を閉めるときには、検知部61によりベース部材5が閉状態に位置することが検知され、これによりロック機構6のロックが解除される。ゆえに、蓋体2を閉めた時には、蓋体2のスライド移動のロックが解除され、前後方向に自在に蓋体2を移動させることができる。
以上のように、本発明によれば、蓋体2が前後方向の途中に位置していても蓋体2の開動作を行うことができる収納装置を提供することができる。
(2)検知部61は、ベース部材5に保持されているとともにボックス本体1に向けて進出するように付勢されており、ロック機構6は、蓋体2に前後方向に配列された複数のラチェット穴21kと、ラチェット穴21kに進退可能にベース部材5に設けられたロックピン64とを有し、ベース部材5が開状態にあるときに検知部61がベース部材5に対して進出した進出位置にあり、ベース部材5が閉状態にあるとき検知部61がボックス本体1に当接することで検知部61がベース部材5に対して後退した後退位置にあり、検知部61が進出位置にあることでロックピン64がラチェット穴21kに係合し、検知部61が後退位置にあることでロックピン64がラチェット穴21kから離脱するように、ロックピン64と検知部61とが直接的に又は間接的に連係していることが好ましい。
上記構成によれば、ベース部材5が開状態にあることを検知部61の進出により検知し、検知部61の進出に連携してロックピン64が進出してラチェット穴21kに係合する。このため、ベース部材5が開状態となると、自動的に蓋体2のスライド移動が規制される。
ベース部材5が閉状態になると、検知部61が後退し、検知部61の後退に連携してロックピン64が後退してラチェット穴21kから離脱する。このため、蓋体2が前後方向のどの位置に位置していても、蓋体2を開くとスライド移動が停止され、蓋体2を閉止するとスライド移動することができる。
(3)開閉機構3は、ベース部材5が開状態にあるときにロックピン64のラチェット穴21kへの係合を解除する操作部35を更に有することが好ましい。
上記(2)の構成によれば、蓋体2が開状態であると、自動的に蓋体2のスライド移動が規制される。しかし、蓋体2が開状態にあるときでも蓋体2をスライド移動させたい場合がある。(3)の構成によれば、蓋体2が開状態であっても、操作部35によって、ラチェット穴21kからロックピン64を離脱させることができる。
(4)開閉機構3は、ヒンジ部51における回動中心(回動支持穴51a)から最も離れたヒンジ部51の部分に設けられた干渉部52と、ベース部材5が閉状態から全開状態まで回動する間に干渉部52に当接する当て部72と、当て部72に連結され当て部72を押し上げる方向に当て部72を付勢する補助付勢部材71とを備え、干渉部52は、ベース部材5が閉状態にあるときに、補助付勢部材71の付勢力に抗して、当て部72を、ベース部材5が全開状態にあるときの当て部72の高さよりも低い高さまで押し下げるよう構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、ベース部材5が略閉状態の位置にあるときには、干渉部52が、補助付勢部材71の付勢力に抗して、当て部72を、略全開状態の位置にあるときの当て部72の高さA1よりも低い高さA2まで押し下げる。このため、ベース部材5が略閉状態にあるときには、ベース部材5が略閉状態にあるときに比べて、補助付勢部材71の圧縮量は大きい。このため、ベース部材5が略閉状態にあるときには、補助付勢部材71は最大限押し上げ力を発揮でき、ベース部材5及び蓋体2の回動の負荷を軽減できる。
また、ベース部材5が略全開状態の位置にあるときは、当て部72がA2よりも高いA1に位置していて、補助付勢部材71の圧縮量は、ベース部材5が略閉状態の位置にあるときよりも小さく、補助付勢部材71の付勢力は小さい。このため、ベース部材5が略全開状態の位置にあるときから蓋体2を閉めるときには、補助付勢部材71の付勢力に妨げられることなく、軽い負荷で蓋体2を閉じることができる。
ゆえに、蓋体2の開閉動作に伴う負荷を軽減することができる。
(5)干渉部52は、ベース部材5が略閉状態のときに干渉部52が当て部72に当接することによって当て部72を最も低い位置A2に押し下げるよう構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、ベース部材5が略閉状態にあるときに補助付勢部材71の付勢力を最大限発揮させて蓋体2を開けるに要する負荷を軽減できる。
(6)干渉部52は、ベース部材5が略全開状態のときに干渉部52が当て部72に当接することによって当て部72を最も高い位置A1に位置させるよう構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、ベース部材5が略全開状態にあるときに補助付勢部材71の付勢力を最小限として蓋体2を閉めるに要する負荷をより一層軽減することができる。
(7)当て部72は、ベース部材5が略全開状態に位置するときに干渉部52に当接する開時当接部72bと、ベース部材5が略閉状態に位置するときに干渉部52に当接する閉時当接部72cと、を有し、ベース部材5が略全開状態に位置するときの当て部72に対して、当て部72と回動中心(回動支持穴51a)との距離が開時当接部72bから閉時当接部72cに向けて徐々に小さくされていることが好ましい。
上記構成によれば、ベース部材5が略全開状態にある場合の当て部72の位置がA1であるとき、当て部72は、当て部72と回動中心(回動支持穴51a)との距離が開時当接部72bから閉時当接部72cに向けて徐々に小さくなるように形成されている。このため、蓋体2が略全開状態から略閉状態に向けて閉まっていくときに、補助付勢部材71の付勢力に抗して、干渉部52により当て部72が徐々に押し下げられる。これにともない、補助付勢部材71は次第に圧縮量が大きくなり、干渉部52が当て部72の閉時当接部72cに当接するときには圧縮量を最大限とする。ゆえに、蓋体2が略閉状態の位置にあるときに、補助付勢部材71が付勢力を最大限発揮し、蓋体2の開動作に伴う負荷を軽減することができる。
また、ベース部材5が略全開状態の位置にあるときは、補助付勢部材71の圧縮量は、ベース部材5が略閉状態の位置にあるときよりも小さく、補助付勢部材71の付勢力は小さい。このため、ベース部材5が略全開状態の位置にあるときから蓋体2を閉めるときには、軽い負荷で蓋体2を閉じることができる。
(4)〜(7)の発明は、(1)〜(3)の発明と共に実現できるが、別個に独立させることも可能である。