JP6369126B2 - 非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池 Download PDF

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本発明は、安価な原料を用いながら、高容量、高サイクル特性を示す層状岩塩構造を有する非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末及びその製造方法を提供する。
近年、AV機器やパソコン等の電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高くなっている。このような状況下において、充放電電圧が高く、充放電容量も大きいという長所を有するリチウムイオン二次電池が注目されている。
従来、4V級の電圧をもつ高エネルギー型のリチウムイオン二次電池に有用な正極活物質としては、スピネル型構造のLiMn、岩塩型構造のLiMnO、LiCoO、LiCo1−XNi、LiNiO等が一般的に知られており、なかでもLiCoOは高電圧と高容量を有する点で優れているが、コバルト原料の供給量が少ないことによる製造コスト高の問題や廃棄電池の環境安全上の問題を含んでいる。そこで、汎用性に優れて使用できる層状岩塩構造を有するNiとCoとMnの固溶体である層状岩塩構造を有した三元系正極活物質粒子粉末(基本組成:Li(NiCoMn)O−以下、同じ−)の研究が盛んに行われている。
周知の通り、層状岩塩構造である該三元系正極活物質粒子粉末は、Ni化合物とCo化合物とMn化合物とリチウム化合物とを所定の割合で混合し、700〜1000℃の温度範囲で焼成することによって得ることができる。
しかし、この材料は、リチウムを引き抜いた際に、Ni2+がNi3+となりヤーンテラー歪を生じ、Liを0.45引き抜いた領域で六方晶から単斜晶へ、さらに引き抜くと単斜晶から六方晶と結晶構造が変化する。そのため、充放電反応を繰り返すことによって、結晶構造が不安定となり、サイクル特性が悪くなる、又酸素放出による電解液との反応などが起こり、電池の初回の充放電効率及び保存特性が悪くなる問題がある。この原因は、充放電の繰り返しに伴う結晶構造中のリチウムイオンの脱離・挿入挙動によって結晶格子が伸縮して、結晶構造が不安定になってしまうこととされている。
三元系正極活物質粒子粉末を用いたリチウムイオン二次電池にあっては、充放電の繰り返しによる充放電容量の劣化を抑制し、Co量を減らす、若しくは無くすことで低コストでありながらも高容量、高安定性である材料が現在最も要求されている。
低コストでありながら高容量であることを達成させるためには、該三元系正極活物質粒子粉末においてCo量を減らし、尚且つ充填性に優れ、適度な大きさを有すること、更に結晶構造の不安定化の抑制をすることが重要と考えられてきた。その手段としては、三元系正極活物質粒子粉末に用いるNi、Co、Mn化合物の組成バランス、粒子径及び粒度分布を制御する方法、焼成温度を制御して高結晶の粉末を得る方法、異種元素を添加して結晶の結合力を強化する方法、表面処理を行うことで該目標を達成する方法等が行われている。
これまで、Co量が少ない三元系正極活物質粒子粉末でMg/Ca>0.5で且つ、Ca量が150ppm以下である材料が知られている(特許文献1)。また、Coレスとしながらも高容量化することができる材料について知られている(特許文献2)。
特開2003−068306号公報 特開2003−086183号公報
非水電解質二次電池用の正極活物質として低コストであり、且つ高容量化が可能な材料が現在最も要求されているところであるが、未だ必要十分な要求を満たす材料やその製造方法が得られていない。
即ち、前記特許文献1には、MgとCaの添加量に着目しているのみで、また電池容量についても実用的に考えればまだ不十分であった。また、前記特許文献2では、Me元素がNiとMnのみで構成され、Coレスの材料ではあるが、製造方法などに問題があり電池容量が低く安定性に欠け、また高温サイクル特性等も記載されておらず実用的にまだ不十分であった。
そこで、本発明では、低コストであり、且つ高容量、高サイクル特性、特に高温下においても高サイクル特性を示す非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池を提供をすることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、層状岩塩構造を有し、少なくともLiとNiとMnとを含有する複合酸化物からなる正極活物質粒子粉末であって、該正極活物質粒子粉末を一方の電極に用い、対極をLiとしたコインセルを組んで、60℃環境下で4.6Vまで初期充電を行い、横軸に電圧を、縦軸に初期充電容量を電圧で微分した値であるdQ/dVを示したグラフ(dQ/dV曲線)を作成したとき、4.25〜4.45Vの間にピークを有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末である(本発明1)。
また、本発明は、前記の横軸に電圧を、縦軸に初期充電容量を電圧で微分した値であるdQ/dVを示したグラフ(dQ/dV曲線)において、3.65〜3.85Vに現れるピークの最大値に対する4.25〜4.45Vの間に現れるピークの最大値の強度比が0.10以上である本発明1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、少なくともNiとMnとを含有する水酸化物と、炭酸リチウムとを混合し、大気中で700〜1000℃で焼成して、少なくともLiとNiとMnとを含有する複合酸化物を得ることを特徴とする本発明1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末の製造方法である(本発明3)。
また、本発明は、本発明1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末を使用した非水電解質二次電池である(本発明4)。
本発明に係る非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末は、高容量、高サイクル特性を示すため、非水電解質二次電池用の正極活物質として好適である。
また、本発明に係る非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末の製造方法は、Coの含有量が少なくでき、安価なリチウム原料である炭酸リチウムを用いることができるので、原料コストの低減ができ、低コストで優れた特性を示す非水電解質二次電池用の正極活物質を提供することができる。
横軸に電圧を、縦軸に初期充電容量を電圧で微分した値であるdQ/dVを示したグラフ(dQ/dV曲線)である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末について述べる。
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、層状岩塩構造を有し、少なくともLiとNiとMnを含有する複合酸化物により構成される。
本発明に係る正極活物質粒子粉末のLi含有量の範囲は、Li/(Ni+Co+Mn)がモル比で0.98〜1.07であることが好ましい。Li含有量が少なすぎると、カチオンミキシングが起きやすくなってしまい、特性が悪化してしまう。またLi含有量が多すぎると、残留リチウム分が多くなってしまい、塗料化の際にゲル化してしまう恐れがある。Li含有量はより好ましくは、Li/(Ni+Co+Mn)がモル比で1.00〜1.04である。
本発明に係る正極活物質粒子粉末のNi含有量の範囲は、Ni/(Ni+Co+Mn)がモル比で0.2〜0.8であることが好ましく、0.3〜0.7であることがより好ましい。
本発明に係る正極活物質粒子粉末のMn含有量の範囲は、Mn/(Ni+Co+Mn)がモル比で0.1〜0.4であることが好ましく、0.2〜0.4であることがより好ましい。
特に、本発明に係る正極活物質粒子粉末はCoを含有していない、若しくはCo含有量が少ないことが特徴である。Co含有量はモル量で、0≦Co/(Ni+Mn)≦0.22であることが好ましい。本発明は、Co量を減らしつつ、NiとMnの配合状態をコントロールすることで、化合物の電気的中性条件を満たすために必要な余剰のLiを少なくでき、低コストでありながら、高容量を達成することができるものと考えている。Co含有量はより好ましくは0.02≦Co/(Ni+Mn)≦0.20であり、さらに好ましくは0.05≦Co/(Ni+Mn)≦0.18である。正極活物質粒子粉末にCoを少量含有させることにより、粒子としての導電性を向上させることができる。そのため、本発明の正極活物質粒子粉末を用いた電池のレート特性や直流抵抗といった特性を改善させることができる。
また、本発明における正極活物質粒子粉末は、Mg、Al、Ti、V、Fe、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、In、Sn、Ta、W、Biなどといった金属元素を含有していてもよい。正極活物質粒子粉末にこれらの金属元素を含有させることで、電池のサイクル特性やレート特性を向上させることができる。
本発明における正極活物質粒子粉末を一方の電極に用い、対極をLiとしたコインセルを組んで、60℃環境下で4.6Vまで初期充電を行い、横軸に電圧を、縦軸に初期充電容量を電圧で微分した値であるdQ/dVを示したグラフ(dQ/dV曲線)を作成したとき、該グラフはピークが存在する電圧幅において電池容量が発現することを意味する。よって、前述のコインセルのdQ/dV曲線において、4.25〜4.45Vの間にピークが存在するということは、用いられている正極活物質が、電池の上限電圧を4.45Vまでとして充電したときに、より高容量化が可能な材料であることが示唆される。
一般的に対極をLiとしたときの電池ではカットオフ電圧が3.0〜4.3Vまでの電池容量を使用するが、本発明における正極活物質を使用することで、4.45Vまで上限電圧を上げて高容量かつ安定性に優れた次世代型の正極活物質を使用した電池を提供することができることが考えられる。上限電圧を上げることで電池に使用する正極活物質量を減らすこともでき、電池としてのコストダウンも図ることができると考えられる。
また、本発明におけるdQ/dV曲線において、一般的な層状岩塩構造を有する正極活物質粒子粉末では4.25〜4.45Vの間にはピークは見られない。各種検討することにより本発明者らは、4.25〜4.45Vにピークを有する正極活物質粒子粉末材料を見出し、コストダウンだけならず、高容量化も成し得た。
本発明におけるdQ/dV曲線において、3.65〜3.85Vに現れるピークの最大値に対する4.25〜4.45Vの間に現れるピークの最大値の強度比は好ましくは0.10以上で、より好ましくは0.15以上で、さらに好ましくは0.20以上である。
次に、本発明に係る非水電解質用二次電池正極活物質粒子粉末の製造方法について述べる。
本発明に係る非水電解質用二次電池正極活物質粒子粉末は、少なくともNiとMnとを含有する水酸化物を前駆体として、該前駆体と炭酸リチウムとを所定の比率で加え均一に混合し、大気中で700℃〜1000℃の焼成を経ることで得ることができる。
本発明における少なくともNiとMnとを含有する水酸化物は、湿式反応による共沈等の定法により得ることができる。
また、湿式反応の過程においてCoを添加することで、NiとCoとMnの水酸化物を得ることもできる。その際のCo量は前記したとおり、0≦Co/(Ni+Mn)≦0.22程度であることが好ましい。
加えて、湿式反応の過程において他の金属元素も添加することができる。添加した金属元素は水酸化物粒子内に存在しても、水酸化物粒子の外縁に存在してもよい。添加できる金属元素の種類としては、Mg、Al、Ti、V、Fe、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、In、Sn、Ta、W、Biなどが挙げられる。
本発明においては、Li源に炭酸リチウムを使用し、焼成は大気中で行うことが重要である。一般的にNi含有量が多い三元系粒子粉末はLi源に水酸化リチウムを使用し、酸素濃度が80%を超えた領域で焼成する必要があるが、本発明の正極活物質粒子粉末は、より安価である炭酸リチウムがLi源として使用でき、また焼成において高濃度酸素を使用する必要がないため、更にコストダウンを図ることができる。
次に、本発明に係る非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末からなる正極活物質を用いた正極について述べる。
本発明に係る正極活物質粒子粉末を含有する正極を製造する場合には、定法に従って、導電剤と結着剤とを添加混合する。導電剤としてはアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等が好ましく、結着剤としてはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が好ましい。
本発明に係る正極活物質粒子粉末を含有する正極を用いて製造される二次電池は、前記正極、負極及び電解質から構成される。
本発明において負極活物質としては、リチウム金属、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、グラファイトや黒鉛等を用いることができる。
また、電解液の溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸ジエチルの組み合わせ以外に、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル等のカーボネート類や、ジメトキシエタン等のエーテル類の少なくとも1種類を含む有機溶媒を用いることができる。
さらに、電解質としては、六フッ化リン酸リチウム以外に、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩の少なくとも1種類を上記溶媒に溶解して用いることができる。
本発明に係る正極活物質粒子粉末を含有する正極を用いて製造した非水電解質二次電池は、後述する評価法で初期放電容量は170mAh/g以上である。
本発明に係る正極活物質粒子粉末を用いたとき、一般的にNi含有量が大きいことから高容量が期待できるが、本発明のように該正極活物質粒子粉末をCo量を減らして、尚且つ本発明にある製造方法を用いても高容量を達成できることが重要である。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
正極活物質粒子粉末の組成は、0.2gの試料を20%塩酸溶液25mlの溶液で加熱溶解させ、冷却後100mlメスフラスコに純水を入れ調整液を作製し、測定にはICAP[SPS−4000 セイコー電子工業(株)製]を用いて各元素を定量して決定した。
正極活物質粒子粉末の化合物の相の同定は、X線回折装置[SmartLab (株)リガク製]にて、2θが10〜90度の範囲を、0.02度刻みで0.8度/minステップスキャンで行った。
本発明に係る正極活物質粒子粉末については、2032型コインセルを用いて電池評価を行った。
電池評価に係るコインセルについては、正極活物質粒子粉末として複合酸化物を90重量%、導電材としてアセチレンブラックを3重量%、グラファイトを3重量%、バインダーとしてN−メチルピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン4重量%とを混合した後、Al金属箔に塗布し120℃にて乾燥した。このシートを14mmΦに打ち抜いた後、1.5t/cmで圧着したものを正極に用いた。負極は16mmΦに打ち抜いた厚さが500μmの金属リチウムとし、電解液は1mol/LのLiPFを溶解したECとDMCを体積比1:2で混合した溶液を用いて2032型コインセルを作製した。
横軸に電圧を、縦軸に初期充電容量を電圧で微分した値であるdQ/dVを示したグラフ(dQ/dV曲線)は、前記のコインセルを60℃の環境下で0.2Cで4.6Vまで16mA/gの充電密度で初期充電を行い、そのときの電圧を横軸に、初期充電容量を電圧で微分した値であるdQ/dVを縦軸に用いて電圧が3.0V〜4.6Vの範囲のグラフを作成した。図1に実施例と比較例のdQ/dV曲線を示す。
初期放電容量については、前記のコインセルを25℃の環境下で0.2CのCレートで4.3VまでCC−CV条件で充電し、5分休止させ、その後0.1CのCレートで3.0Vまで放電した1サイクル目の放電容量を用いた。表2に実施例と比較例の初期放電容量を示す。
60℃サイクル特性については、まず前記のコインセルを60℃の環境下で充電を0.2CのCレート条件で4.3Vまで充電し(CC−CV条件)、5分休止後、放電を0.2CのCレート条件で3.0Vまで行った。本条件にて、2サイクルの充放電を実施した後、充電を0.5CのCレート条件で4.3Vまで充電し(CC−CV条件)、5分休止後、放電を1CのCレート条件で3.0Vまで行った。この条件にて70サイクルの充放電を実施し、3サイクル目の放電容量xに対する70サイクル目の放電容量をyとしたとき、60℃サイクル特性は(y/x)×100%とした。表2に実施例と比較例の60℃サイクル特性を示す。
実施例1 <Li1.02(Ni0.6Co0.1Mn0.3)O粒子粉末>
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガンとを各元素のモル比でNi:Co:Mn=6:1:3の比になるように秤量し、湿式反応により共沈させた。水洗、乾燥することで(Ni0.6Co0.1Mn0.3)(OH)粒子粉末(前駆体)を得た。該前駆体と炭酸リチウムとをLi/(Ni+Co+Mn)がモル比で1.02の比になるように乳鉢にて1時間混合し、均一な混合物を得た。得られた混合物50gをアルミナるつぼに入れ、空気雰囲気で900℃、5時間保持することでLi1.02(Ni0.6Co0.1Mn0.3)Oとなる正極活物質粒子粉末を得た。
ここで得た正極活物質粒子粉末を用いてコイン型電池を作製した。このコイン型電池は前述したdQ/dV曲線で、4.25〜4.45Vの範囲でピークを有した。また、3.65〜3.85Vに現れるピークの最大値に対する4.25〜4.45Vの間に現れるピークの最大値の強度比は、0.29であった。
参考例1 <Li1.02(Ni0.67Mn0.33)O粒子粉末>
硫酸ニッケルと硫酸マンガンとをNi元素とMn元素とのモル比でNi:Mn67:33とした他は実施例1と同様にして水酸化物の前駆体を得た。該前駆体と炭酸リチウムとをLi/(Ni+Mn)がモル比で1.02になるように乳鉢にて1時間混合し、均一な混合物を得た。得られた混合物50gをアルミナるつぼに入れ、空気雰囲気で900℃、5時間保持することでLi1.02(Ni0.67Mn0.33)Oとなる正極活物質粒子粉末を得た。得られた正極活物質粒子粉末の諸特性を表1に示す。
比較例1 <Li1.04(Ni0.5Co0.2Mn0.3)O粒子粉末>
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガンとを各元素のモル比でNi:Co:Mn=5:2:3とした他は実施例1と同様にして水酸化物の前駆体を得た。該前駆体と炭酸リチウムとをLi/(Ni+Co+Mn)がモル比で1.04になるように乳鉢にて1時間混合し、均一な混合物を得た。得られた混合物50gをアルミナるつぼに入れ、空気雰囲気で920℃、5時間保持することでLi1.04(Ni0.5Co0.2Mn0.3)Oとなる正極活物質粒子粉末を得た。得られた正極活物質粒子粉末の諸特性を表1、表2に示す。
比較例2 <Li1.05(Ni0.33Co0.33Mn0.33)O粒子粉末>
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガンとを各元素のモル比でNi:Co:Mn=1:1:1とした他は実施例1と同様にして水酸化物の前駆体を得た。該前駆体と炭酸リチウムとをLi/(Ni+Co+Mn)がモル比で1.05になるように乳鉢にて1時間混合し、均一な混合物を得た。得られた混合物50gをアルミナるつぼに入れ、空気雰囲気で950℃、5時間保持することでLi1.05(Ni0.33Co0.33Mn0.33)Oとなる正極活物質粒子粉末を得た。得られた正極活物質粒子粉末の諸特性を表1に示す。
比較例3 <Li1.00(Ni0.6Co0.2Mn0.2)O粒子粉末>
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガンとを各元素のモル比でNi:Co:Mn=6:2:2とした他は実施例1と同様にして水酸化物の前駆体を得た。前記該前駆体と炭酸リチウムとをLi/(Ni+Co+Mn)がモル比で1.00になるように乳鉢にて1時間混合し、均一な混合物を得た。得られた混合物50gをアルミナるつぼに入れ、空気雰囲気で930℃、5時間保持することでLi1.00(Ni0.6Co0.2Mn0.2)Oとなる正極活物質粒子粉末を得た。得られた正極活物質粒子粉末の諸特性を表1に示す。
Figure 0006369126
Figure 0006369126
本発明に係る非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末は、電池としたときに高容量でありながらCoを低減して安価にすることができたため、非水電解質二次電池用の正極活物質として好適である。

Claims (4)

  1. 層状岩塩構造を有し、少なくともLiとNiとMnとCoと以下に記載のモル比で含有する複合酸化物からなる正極活物質粒子粉末であって、該正極活物質粒子粉末を一方の電極に用い、対極をLiとしたコインセルを組んで、60℃環境下で4.6Vまで初期充電を行い、横軸に電圧を、縦軸に初期充電容量を電圧で微分した値であるdQ/dVを示したグラフ(dQ/dV曲線)を作成したとき、4.25〜4.45Vの間にピークを有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末。
    Li/(Ni+Co+Mn):1.00〜1.04
    Ni/(Ni+Co+Mn):0.3〜0.7
    Mn/(Ni+Co+Mn):0.2〜0.4
    Co/(Ni+Co+Mn):0.05〜0.18
  2. 前記の横軸に電圧を、縦軸に初期充電容量を電圧で微分した値であるdQ/dVを示したグラフ(dQ/dV曲線)において、3.65〜3.85Vに現れるピークの最大値に対する4.25〜4.45Vの間に現れるピークの最大値の強度比が0.10以上である請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末。
  3. 少なくともNiとMnとを含有する水酸化物と、炭酸リチウムとを混合し、大気中で700〜1000℃で焼成して、少なくともLiとNiとMnとを含有する複合酸化物を得ることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末の製造方法。
  4. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末を使用した非水電解質二次電池。
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