JP6368625B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置において、装置使用時に発生する不要な変動磁場低減方法に関する。
磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)は、均一な静磁場中に置かれた被検体に高周波パルスを照射したときに生じる核磁気共鳴現象を利用して、被検体の物理的、化学的性質を示す断面画像を得る装置であり、特に、医療用として用いられている。
MRI装置は、主に被検体が挿入される撮像空間に均一な静磁場を生成する磁石装置と、撮像空間に位置情報を付与するために空間的に強度が勾配した磁場をパルス状に発生させる傾斜磁場コイル、被検体に高周波パルスを照射するRFコイル、被検体からの磁気共鳴信号を受信する受信コイル、および、受信した信号を処理して画像を表示するコンピュータシステムから構成されている。
MRI装置の性能向上の手段として、磁石装置が発生する静磁場の強度または均一度の向上がある。静磁場がより強い程、鮮明な画像が得られ、また、静磁場の広い空間でより一様である程、広い範囲にわたって鮮明な画像を得ることが出来るため、MRI装置は磁場の強度と均一性向上を指向して開発が続けられている。他の性能向上の手段としては、傾斜磁場精度の向上と傾斜磁場パルスの高速駆動がある。これらは、画質の向上と撮像時間の短縮に寄与する。特に撮像方法の多様化に伴い、傾斜磁場パルスを発生させる電流波形は高速な時間変化を伴うパルス波形となる傾向にある。
傾斜磁場コイルにはパルス状の電流が流れるため、撮像空間における傾斜磁場だけでなく、撮像空間外では漏れ磁場を生じ、磁石装置を構成する金属構造物に変動磁場を生じることで渦電流を発生させる。渦電流は撮像空間内で変動磁場を生じるため、静磁場と傾斜磁場の分布に影響し画質に悪影響を生じる。特に、近年のMRI装置においては、撮像方法の高度化に伴い、高精度な磁場が要求されるため、渦電流を低減することが重要な課題となっている。このため、一般に、超電導の静磁場磁石を有する高磁場(0.5テスラ以上)のMRI磁石に置いては、自己遮蔽型の傾斜磁場コイルを採用し、撮像空間以外への漏れ磁場を低減する構造が採用されている。一方、中低磁場(0.5テスラ未満)の静磁場磁石を有するMRI装置においては、傾斜磁場コイルを出力の小さな駆動電源で使用するために、シールドコイルを有しておらず、代わりに、静磁場磁石の磁極面に珪素鋼板などの磁束の通路となり、かつ、渦電流の発生が小さい磁性体磁極片が設置されている。また、中低磁場の静磁場磁石には、磁性体である鉄製の磁極が使用されることが多い。この場合、傾斜磁場による変動磁場は、渦電流による磁場だけでなく、磁性体のヒステリシス特性を持った鉄製磁極の磁化による残留磁場も画像に悪影響を及ぼすため、これらを低減することが重要な課題となっている。
本技術分野の背景技術として、特開平05−182821号広報(特許文献1)がある。この広報には、静磁場磁極の表面に傾斜磁場側からソフトフェライト、積層珪素鋼板を積層させた磁極片を用いることによって、傾斜磁場コイルによる渦電流を低減させる技術が開示されている。また、特開2004−65714号広報(特許文献2)には、静磁場磁極の表面に積層させた珪素鋼板の磁極片を深層部に対して表層部で小さい形状で設置し、鉄製磁極への傾斜磁場の漏れ磁場を低減する技術がある。
特開平05−182821号広報 特開2004−65714号広報
特許文献1が示すように、傾斜磁場コイルに最も近い静磁場磁極表面に抵抗値が大きくヒステリシス特性の小さいソフトフェライトを設置することで、渦電流と磁化変化による変動磁場を低減することができる。しかしながら、ソフトフェライトの飽和磁化は珪素鋼板などよりも低く、磁束が飽和しないためには積層の厚さが必要である。ソフトフェライトと珪素鋼板を合わせた厚さが十分に取れない場合は、静磁場磁極表面(鉄製磁極)に傾斜磁場の漏れ磁場が到達し、渦電流と磁化変化による変動磁場が画質に影響を及ぼす原因となる。
特許文献2では、静磁場磁極表層部の珪素鋼板製の磁極片を小さくすることにより、珪素鋼板表面に発生する渦電流を低減させている。珪素鋼板はソフトフェライトよりも飽和磁化が大きいため、積層厚さを抑えやすい。しかし渦電流の発生をより抑えるために、磁極片を小さくしていくと、見かけの電気抵抗が増加していくが、絶縁のための隙間が増加し、占積率が低下し、見かけの飽和磁化も低下する。このため、鉄製磁極へ到達する傾斜磁場の漏れ磁場を抑制するためには、占積率が低下した分だけ珪素鋼板の厚さを増す必要があった。
このように、従来技術では、静磁場磁極表面の渦電流発生を低減することが可能となる一方で、鉄製磁極の表面に厚く珪素鋼板またはソフトフェライトを設置する必要がある。撮像空間を広くするためには、傾斜磁場コイルと鉄製磁極の間隔は極力狭くする方が、静磁場磁石の磁気エネルギーを増やさずに済むので効率的である。一方で、傾斜磁場コイルが撮像空間に効果的に傾斜磁場を発生するためには、傾斜磁場コイルとソフトフェライトまたは珪素鋼板表面との間隔は広い方が良い。
このように、従来技術では、静磁場磁極表面に発生する渦電流を小さくすることが可能となる一方で、鉄製磁極への傾斜磁場の漏れ磁場は増加傾向にあった。これにより、鉄製磁極に発生する渦電流と磁化変化による変動磁場が画質に影響を与える場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、傾斜磁場発生時に鉄製磁極において、漏れ磁場による渦電流磁場と磁化変化による変動磁場の発生を抑えると同時に、撮像空間を広くとることで、被検者の快適性を向上させつつ良好な画像を得る手段を備えたMRI装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、磁性体磁極を有する静磁場磁石と傾斜磁場コイルを有するMRI装置において、撮像空間に対向する磁性体磁極は、略円盤状の鉄製磁極と略円環形状の鉄製磁極と略タイル形状の珪素鋼板の磁極片で構成され、前記円盤状の鉄製磁極の表面に前記タイル形状の珪素鋼板の磁極片が積層されており、前記円盤状の鉄製磁極は周回方向に分割され、絶縁物または空隙によって互いに絶縁されている。特に円盤形状の外周側部分で周方向に分割されている。
本構成のMRI装置によれば、静磁場磁石を構成する円盤形状の鉄製磁極と傾斜磁場コイルとの間隔を広げずに、磁性体磁極に発生する渦電流を抑制することが可能になる。すなわち、渦電流磁場および残留磁場が抑えられ、良好な画質を得ることのできるMRI装置が実現する。
本発明の第1実施形態であるMRI装置の静磁場磁極部分を示す部分正面図である。 本発明の第1実施形態であるMRI装置の摸式外観斜視図である。 本発明の第1実施形態であるMRI装置の構成と傾斜磁場の磁束の分布を示す部分断面図である。
従来技術による超伝導コイルを静磁場発生源に持つMRI装置の磁極構造における静磁場分布と傾斜磁場分布および渦電流流路を示す部分断面図である。 従来技術による永久磁石を主な静磁場発生源に持つMRI装置の磁極構造における静磁場分布と傾斜磁場分布および渦電流流路を示す部分断面図である。 MRI装置の数値シミュレーションによる従来技術の磁極構造と第1実施形態の磁極構造における渦電流による磁束密度の時間変化の比較である。 第2実施形態の静磁場磁石の磁極構造を示す部分正面図である。 第2実施形態の静磁場磁石の磁極構造を示す部分断面図である。 第3実施形態の静磁場磁石の磁極構造を示す部分正面図である。 第3実施形態の静磁場磁石の磁極構造を示す部分断面図である。 第4実施形態の静磁場磁石の磁極構造を示す部分正面図である。 第4実施形態の静磁場磁石の磁極構造を示す部分断面図である。 第5実施形態の静磁場磁石の磁極構造を示す部分正面図である。 第5実施形態の静磁場磁石の磁極構造を示す部分断面図である。 第6実施形態の静磁場磁石の磁極構造を示す部分正面図である。 第6実施形態の静磁場磁石の断面図である。 永久磁石型MRI装置における第7実施形態の静磁場磁石の部分正面図である。 第7実施形態の静磁場磁石の部分断面図である。 第7実施形態の別の実施あ例を示す静磁場磁石の部分断面図である。
以下、実施形態を図面を用いて説明する。
図2に示すように、一般的な中磁場のMRI装置は、円盤形状の上下の磁極1を概略C字形状のリターンヨーク2で連結した形状を有しており、上下磁極1の間にある撮像空間3に矢印4で示す方向に静磁場を発生する。被検者5は可動式のベッド6によって、撮像空間3に運ばれて画像を取得する。本形状により、中磁場のMRI装置は一般の高磁場の水平磁場型MRIに対して被検者5が挿入される撮像空間3は周囲の広い範囲を構造物で囲われておらず、被検者5はより解放感を得ることができる。これにより、被検者5の不安感を取り除くと共に、ベッド6を移動させることで常に撮像空間3の中心で患部を撮像することができ、さらに、撮像中に装置外部から操作者などが被検者5の撮像を補助出来るといった特徴を持つ。
磁極1は図3に示すように、鉄などの磁性体を使用した磁極円盤部7と概略円環形状で磁極円盤部と同じ磁性体を使用した磁極突起部8、および、珪素鋼板などの透磁率と電気抵抗が大きいシート形状の磁性体を概略タイル形状に積層した珪素鋼板ブロック9が上下の磁極をつなぐリターンヨークと共に磁気回路を形成している。静磁場は超電導材などを用いた概略円環形状のコイル10、または、図には示されていない磁化された永久磁石により発生させる。円環形状のコイルに超電導コイルを使用する場合、図3に示すように、コイル10は外側から真空容器11、輻射シールド12、液体ヘリウム容器13等の断熱構造を有する容器内に収められ、図示していない液体ヘリウムおよび冷凍機などによって極低温に維持される。
珪素鋼板ブロック9の撮像空間3側には、撮像空間3に中心からの距離に比例した強度で、静磁場の方向4と同一方向の傾斜磁場15をパルス状に発生する傾斜磁場コイル14が設置されている。傾斜磁場コイルは撮像空間3において、直交する三方向に独立に傾斜磁場を発生させるため、上下で3組のコイルの対からなり、例えば図3において、紙面の左右方向をx、紙面に垂直な方向をy、紙面の上下方向をzとすると、撮像空間3にx方向の傾斜磁場15を発生するX傾斜磁場コイル16による磁束は、破線17で示されるような分布となる。紙面垂直方向であるy方向の傾斜磁場を発生するY傾斜磁場コイルは18、z方向のZ傾斜磁場コイルは19で示しており、これらの三つのコイルは樹脂などによって一体の概略円盤形状に形成され、上下磁極で一対の傾斜磁場コイル14を構成している。傾斜磁場コイル14のさらに撮像空間3側には、高周波の電磁パルスを発生する概略円盤形状のRFコイル20が設置されている。これらをFRP樹脂製などのカバー21で覆ったものが磁極1を構成している。なお、RFコイル20は傾斜磁場コイル14と一体の場合、または、カバー21を兼ねる場合もある。
この他、図示していないが、MRI装置には、傾斜磁場コイル14やRFコイル20を駆動するための電源装置や、電源を制御したり、RFコイル12により得られた信号を画像化したりするコンピュータシステムが含まれる。
図1には、下側の磁極のうち、磁極円盤部7と磁極突起部8、珪素鋼板ブロック9、断熱構造容器とその内部に収められた超電導コイル10と磁極突起部8と珪素鋼板ブロック9、および、本発明の第1実施例である周回方向に分割した磁極円盤部7と磁極円盤部の分割の間に設置される隙間または絶縁構造物の構成を部分正面図で示している。
図1に示すように、時間変動する傾斜磁場により磁極円盤部7には渦電流が経路23のように発生するが、磁極円盤部7の撮像空間に対向する表面に絶縁構造を設ける、例えば隙間またはFRPなどの絶縁構造物によって、この渦電流23が磁極円盤部7全体で大きな渦電流流路を形成することを防いでいる。磁極円盤部7は通常、鉄などの電気抵抗が小さく、磁気ヒステリシス特性が大きい部材で構成されるので、ここで発生した渦電流23は撮像空間での渦電流磁場を生じると同時に、渦電流の時間変化に伴う変動磁場によって残留磁場を発生し、画質劣化の原因となる。
このため、鉄等と比較して電気抵抗率が大きく比透磁率の大きい珪素鋼板ブロック9を磁極円盤部7の表面に貼り付けているが、珪素鋼板の比透磁率は磁気的に飽和しない約1.7〜1.8テスラ以下で大きく、それ以上では急激に小さくなる。また、珪素鋼板は一般に厚さが1mm以下の薄板で、積層したものを加工し使用する必要があるため、構造上の貼り付けのベースとして飽和磁化の大きい鉄が磁極円盤部7に使用される。
図4に示すように、従来の中磁場MRI装置においては、一体の鉄製の磁極円盤部7上に、磁極突起部8が周回方向に同心円状で設置されている。磁極突起部は製作を容易にするためと、渦電流の低減のために、円環を周回方向に幾つかに分割した構造をしている。本構成において、傾斜磁場コイルによる磁束17は磁極円盤部全体で大きな渦電流経路24を生成する。
特に、磁極円盤部7は磁極突起部8に比べて周回方向の断面積が大きく、磁気的に未飽和の鉄製であるために、渦電流が発生しないようにすることが重要な課題である。このために、珪素鋼板ブロック9は傾斜磁場が直接磁極円盤部を通過しないように設置されている。しかしながら、珪素鋼板ブロックだけでは遮蔽できない漏れ磁場により渦電流24が発生し、この渦電流による磁場と残留磁場が画像に影響することを本発明者は発見した。
特に、超電導コイル10を発生源とする静磁場の磁束密度25は磁極円盤部の外周付近で高くなっており、この部分の磁化も大きくなっている。これは磁極円盤部の板厚が数センチから数10センチほどあるため、磁化が大きくなると比透磁率が小さくなり、渦電流の流れる流路断面積が大きくなり、流路抵抗が減少する。このため、特に磁極円盤部の外周部分で長時定数の渦電流流路が出来やすくなっていると考えられる。
一方、図5に示すように、永久磁石26を静磁場25の発生源とした場合には、磁極円盤部7の傾斜磁場側の表面は外周部においても磁束密度が高くなることはない。このため、外周側でも磁化は大きくならず、比透磁率も小さくならないので、渦電流が発生した場合でも短い時定数で減衰するために、図4の超電導コイルが起磁力の場合に比べて画質への影響は小さい。
これに対して、図1と図3に示すように、本発明の第1実施形態では、磁極円盤部7を周回方向に分割し、その間に絶縁構造22を設置することで、傾斜磁場コイルからの磁束17により磁極円盤部に渦電流が流路23のように発生しても、渦電流路は磁極円盤部7の表面上において絶縁構造22によって分割された範囲内で一周するので、発生量を減少させると共に時定数を短く抑えることができる。特に、磁極円盤部7の外周部分で周回方向に分割することで、長い時定数の渦電流の発生を低減できる。なお、磁極突起部を分割しても電位が同じであれば絶縁構造として部材を配置する場合の、その絶縁構造物は極めて薄い(1mm程度以下)シートまたは塗膜状で良いため、磁極突起部や磁極円盤部の形状は従来と同様でよく、形状の変化による静磁場均一度への影響は無視できる。
図6には、撮像空間中の一点に関して、渦電流磁場の時間変化をシミュレートした例を示す。従来技術による磁極構造の渦電流磁束密度の時間変化27と、本発明の第1実施例による磁極構造の渦電流磁場の時間変化28、29を磁場シミュレーションにより解析し比較している。それぞれ28は周方向の分割を45°毎とした結果、29は周方向の分割を90°毎とした場合の結果である。本発明により、渦電流磁場は時定数、値共に本発明による磁極形状で6〜7割程に低減できることがわかった。
本発明における第2実施形態の部分正面図を図7に、部分断面図を図8に示す。図7においては、磁極円盤部7と磁極突起部8および磁極円盤部の分割による隙間または絶縁構造物のみを示している。
図8は3つの傾斜磁場軸のうちのX軸を含み、絶縁構造22位置における平面での断面図を示している。磁極円盤部は半径方向の絶縁構造22により、周回方向に分割されており、それぞれの部分は略扇型形状を有している。本実施例では、すべての絶縁構造を隙間として設けており、平面で構成されているため、加工や組み立てが容易であるが、外周部のスリットにより渦電流を低減できる効果は実施例1と同様に期待できる。なお、周方向の分割を磁極突起部8の周方向の分割位置と合わせることにより、分割した部分を渡る渦電流が発生しない。なお、図では周方向90°毎の分割となっているが、渦電流低減の効果を考慮して45°または180°など角度を任意に選ぶことができる。
本発明における第3実施形態の部分正面図を図9に、部分断面図を図10に示す。図9においては、磁極円盤部7と磁極突起部8および磁極円盤部の分割による隙間または絶縁構造22のみを示している。図10はX軸を含み、隙間部 22位置における平面での断面図を示している。本実施形態では、磁極円盤部7は円盤内側部7aと円盤外側部7bに分かれている。内側円盤部は一体の円盤形状で、円盤外側部は表面に凸部のある扇形形状となっている。すなわち本実施例において、外側円盤部は内側円盤部をはめ込む構造を有しているとともに、外側円盤部は図9であれば、4つの扇形形状の磁性体部材を組み合わせることによって形成されている。また、円盤内側部と円盤外側部の間は空隙または絶縁部材22aおよび22bによって電気的に絶縁されている。本実施形態によれば、磁極円盤部で比較的磁化の小さい中心部分は円盤形状とすることで、空隙による静磁場分布への影響を避けることができる。磁極円盤部の外周部分は半径方向の空隙または絶縁構造物によって、長時定数の渦電流の発生を抑えることができる。
本発明における第4実施形態の部分正面図を図11に、部分断面図を図12に示す。図10においては、磁極円盤部と磁極突起部および磁極円盤部の分割による空隙または絶縁構造物のみを示している。図12はX軸を含み、空隙位置における平面での断面図を示している。本実施形態では、磁極円盤部は円盤中心部7cと円盤外周部7dに分かれている。また、円盤中心部と円盤外周部の間は、空隙または絶縁部材22cによって電気的に絶縁されている。本実施形態によれば、渦電流の時定数の短い中心部分には空隙または絶縁部材を設けないことで、静磁場の磁束密度分布の均一性には影響を及ぼさないで長時定数の渦電流の発生を抑えることができる。
本発明における第5実施形態の部分正面図を図13に、部分断面図を図14に示す。図13においては、磁極円盤部と磁極突起部および磁極円盤部の分割による空隙または絶縁構造物のみを示している。図14はX軸を含む平面による空隙位置での断面図を示している。本実施形態では、磁極円盤部は第4に実施形態と同一であるが、磁極突起部8が傾斜磁場軸のZ軸周りの周回方向に22.5度回転した形状となっている。また、磁極突起部と磁極円盤部の間には、空隙または絶縁構造物22dが配されている。磁極突起部を止める絶縁構造のボルト30により、磁極突起部は磁極円盤部をつなぎ合わせている。しかしながら、磁極突起部には鉄などの導電性部材が用いられているため、絶縁構造物22dと絶縁ボルト30によって、分割された磁極円盤部間で大きな渦電流流路が形成されることを防いでいる。なお、本実施形態は第1、第2、第3、第4いずれの場合でも同様に採用することができる。また、磁極突起部と磁極円盤部の周回方向に分割する角度は実施例1〜5で示した90度または45度以外にも任意に選ぶことができる。
本発明における第6実施形態の部分正面図を図15に、部分断面図を図16に示す。図15においては、磁極円盤部と磁極突起部および磁極円盤部の分割による空隙または絶縁構造物のみを示している。図16はY軸を含む鉛直な平面による断面図を示しており、Y軸はこの場合、撮像中心を原点にリターンヨーク側に向かう方向である。本実施形態において、磁極円盤部の外周側の空隙または絶縁構造物22は周回対称ではなく、リターンヨーク側で密に、リターンヨークと反対側で疎になっている。これは、磁極円盤部において、静磁場の磁束密度がリターンヨークの方向に集中して分布するために、磁束密度が大きく、比透磁率の小さいリターンヨーク側に空隙または絶縁構造物を多く配することで、長時定数の渦電流の発生を抑えると同時に、磁極円盤部の周回方向で渦電流の大きさと時定数を均一にすることができる。なお、本実施形態においては、磁極円盤部の構造は第4の実施例としたが、第1〜第5いずれの実施例の磁極円盤部構造においても適用できる。
本発明における第7実施形態の部分正面図を図17に、第7実施形態の部分断面図を図18と図19に示す。図17においては、磁極円盤部と珪素鋼板ブロックと磁極突起部および磁極円盤部の分割による空隙または絶縁構造物のみを示している。第7実施形態は静磁場の発生源として永久磁石26を使用した場合について示している。本実施形態においても磁極円盤部を周回方向に分割することで長時定数の渦電流の発生を低減できるが、永久磁石による磁束密度分布は、磁極円盤部の外周部分と中心部分で大きく変わらないので、外周部分のみの空隙または絶縁構造物では効果が大きくない。したがって、図17に示すように中心部分から外周部分までの半径方向の空隙または絶縁構造物22によって、長時定数の渦電流を低減することができる。また、静磁場発生源に超伝導コイルを使用した場合に比べ、磁極円盤部の撮像領域側表面円の磁化は小さく、比透磁率も大きいので、傾斜磁場の漏れ磁場は磁極円盤部の表面近くで急激に減衰する。このため、図19に示すように、磁極円盤部を円盤部撮像領域側7eと円盤部磁極側7fに分割し、円盤部撮像領域側のみ周回方向に空隙または絶縁構造物で分割する。また、円盤部撮像領域側と円盤部磁極側の間は空隙または絶縁構造物22eで互いに電気的に絶縁されている。本実施形態により、磁極円盤部を分割することにより生じる空隙または絶縁構造物を少なくでき、均一な静磁場の分布に与える影響を低減することができる。
1 磁極
2 リターンヨーク
3 撮像空間
4 静磁場およびその方向を示す矢印
5 被検者
6 可動式ベッド
7 磁極円盤部
7a 円盤内側部
7b 円盤外側部
7c 円盤中心部
7d 円盤外周部
7e 円盤部撮像領域側
7f 円盤部磁極側
8 磁極突起部
9 珪素鋼板ブロック
10 略円形コイル
11 真空容器
12 輻射シールド
13 ヘリウム容器
14 傾斜磁場コイル
15 X方向傾斜磁場の強さを示す矢印
16 X傾斜磁場コイル
17 X傾斜磁場コイルによる磁束
18 Y傾斜磁場コイル
19 Z傾斜磁場コイル
20 RFコイル
21 外装カバー
22、22a、22b、22c、22d、22e 絶縁構造である空隙または絶縁構造物
23 磁極円盤部に発生する渦電流
24 従来技術の磁極円盤部に発生する渦電流
25 静磁場磁石による磁束密度
26 永久磁石による静磁場発生源
27 従来技術の磁極構造による渦電流磁場の時間変化シミュレーション結果
28 本発明の磁極構造による渦電流磁場の時間変化シミュレーション結果(磁極円盤部の周回方向分割の角度が45度の場合)
29 本発明の磁極構造による渦電流磁場の時間変化シミュレーション結果(磁極円盤部の周回方向分割の角度が90度の場合)
30 絶縁ボルト

Claims (7)

  1. 撮像空間を中心に対向して配置される一対の静磁場磁石と、
    前記撮像空間を中心に対向して配置される一対の傾斜磁場コイルと、
    前記撮像空間に高周波磁場を発生させるRFコイルと、
    を有し、
    前記静磁場磁石は、
    磁場発生源として超伝導磁石を有し、
    前記撮像空間に対向した表面上に絶縁構造を有する略円盤形状の磁性体磁極円盤部を有し、
    前記絶縁構造は、前記磁性体磁極円盤部の中心に対して放射状に設けられており、
    前記撮像空間に面した前記磁性体磁極円盤部の表面がタイル形状に積層された珪素鋼板によって覆われ、かつ前記撮像空間に向かって突出し前記中心軸に対する周回方向において分割された円環状の磁極突起部を有し、
    前記磁極突起部は、前記超伝導磁石の内径面に沿って設けられ、かつ前記磁性体磁極円盤部に対して絶縁構造を介して固定される
    磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記絶縁構造は、シート状または塗料などの薄い膜状の絶縁材から構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置
  3. 前記磁性体磁極円盤部は、前記中心軸方向において内部に位置する箇所に、該中心軸に対して垂直な底面を有する円板状の絶縁構造が設けられていること
    を特徴とする請求項1または請求項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記磁性体磁極円盤部は、円盤中心部と円盤外周部とに分割され、
    前記円盤中心部と前記円盤外周部の間に絶縁構造が設けられ、
    前記円盤外周部が前記中心軸に対する周回方向において分割されていること
    を特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記磁性体磁極円盤部は、記磁極突起部分割される角度と同じ、またはその整数倍の角度に沿って前記絶縁構造が放射状に設けられたこと
    を特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置
  6. 前記周回方向に分割された磁性体磁極円盤部は、前記周回方向に分割された磁極突起部によって、互いに締結されていること
    を特徴とする請求項に記載の磁気共鳴イメージング装置
  7. 前記磁性体磁極円盤部は、周回方向において異なる角度位置に前記絶縁構造を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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