JP6368594B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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本発明は、光電変換素子に関する。
近年、光電変換素子として、量子ドットを備えた光電変換素子が注目されている。
量子ドットは、数nm〜100nm程度のナノ構造を有する粒子である。光電変換素子が複数の量子ドットからなる格子構造によって新たなバンドギャップ(量子準位)を形成することにより、これまで利用されなかった太陽光の長波長領域も吸収できるようになる。また、量子ドットを備えた光電変換素子は、量子ドットのサイズを制御することにより自由にバンドギャップを制御できるといった特徴も有する。このような複数の量子ドットを太陽電池に応用する場合、シリコン太陽電池では利用することができなかった長波長領域の太陽光を吸収できるので、優れた光電変換効率を得ることができる。
非特許文献1には、図12に示すようなプレーナー型の量子ドット層を有する光電変換素子300が開示されている。この光電変換素子は、InAsからなる量子ドット層310と、Al0.07Ga0.93Asからなる第1の障壁層320と、Al0.2Ga0.8Asからなる第2の障壁層321とを含む。この光電変換素子300では、第2の障壁層321は、量子ドット層310と第1の障壁層320との間に挿入されている。なお、図12において、量子ドット層310、第1の障壁層320、第2の障壁層321に加えて、光電変換素子300は、半導体層331、332及び電極341、342を備えている。量子ドット層310と第1の障壁層320との間に、第1の障壁層320よりもバンドギャップの大きい第2の障壁層321を挿入することで、量子ドット層310内への電子の閉じ込めが強くなり、量子ドット層310中の光吸収効率が高くなると記載されている。
A. V. Barve, et al., Applied Physics Letters 99, 191110 (2011)
しかしながら、非特許文献1に記載の発明では、量子ドット層310と第1の障壁層320との間に第2障壁層321を形成すると、図12の矢印に示すように、量子ドット層310からキャリアが電極342に向かって移動するとき、キャリアが第2障壁層321を超えていく必要がある。また、量子ドット層が複数層積層されている場合には、キャリアが第2障壁層321を複数回越えていく必要がある。このとき、ポテンシャル障壁によって、キャリア移動が妨げられ、キャリア移動効率が低下してしまうという問題がある。また、キャリアの移動途中に量子ドット層310が存在するため、キャリアが量子ドットポテンシャルにトラップされてしまい、キャリア移動効率が低下する虞がある。
本発明は、優れた光吸収特性を維持しつつ、良好なキャリア輸送特性を有する、量子ドットを用いた光電変換素子を得ることを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の一実施形態に係る光電変換素子は、半導体層と、前記半導体層の厚さ方向に沿って柱状に延びた複数の量子ドットナノワイヤを含むワイヤ層と、前記半導体層の前記ワイヤ層とは反対側に配置され、前記半導体層と電気的に接続された第1の電極と、前記ワイヤ層の前記半導体層とは反対側に配置された第2の電極と、を備える。前記複数の量子ドットナノワイヤの各々は、前記半導体層の厚さ方向に離間して配置された複数の量子ドット層と、前記複数の量子ドット層を三次元的に囲むと共に、前記半導体層と電気的に接続された第1障壁層と、前記厚さ方向に垂直な方向において前記第1障壁層の外周面を覆うと共に、前記第2の電極と電気的に接続された第2障壁層と、を含む。前記第1障壁層のうち、前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分のバンドギャップは、前記第2障壁層のバンドギャップよりも大きい。
上記の構成によれば、光電変換素子が前記複数の量子ドット層を三次元的に囲む第1障壁層と、第1障壁層を覆う第2障壁層とが設けられているので、量子ドット層において、第2障壁層の伝導帯下端よりも高く、第1障壁層の伝導帯下端よりも低いエネルギー準位に、量子準位が存在することとなる。そのため、当該量子準位に励起された電子が、熱励起やトンネル伝導等によって第2障壁層に電子移動することができる。そして、結果として、高い光電変換効率を有する光電変換素子を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる光電変換素子は、前記第1障壁層のうち、前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分の伝導帯下端は、前記第2障壁層の伝導帯下端よりもエネルギー的に高いことが好ましい。
本発明の一実施形態にかかる光電変換素子は、前記第1障壁層のうち、前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分の、前記垂直な方向における厚さは、キャリアがトンネル伝導により通過可能な厚さであることが好ましい。
上記の構成によれば、上記厚さがトンネル伝導により通過可能となっているので、量子ドット層から第2障壁層へトンネル効果により電子を移動させることができる。従って、光電変換効率を高めることができる。
本発明の一実施形態にかかる光電変換素子は、前記第1障壁層のうち、前記厚さ方向に垂直な面における前記量子ドット層を囲む部分は、前記半導体層の面内方向における厚さが1〜20nmであることが好ましい。
本発明の一実施形態にかかる光電変換素子は、前記半導体層がp型の導電型を有し、前記量子ドットナノワイヤが、n型の導電型を有することが好ましい。
また、本発明の別の実施形態にかかる光電変換素子は、前記半導体層がn型の導電型を有し、前記量子ドットナノワイヤが、n型の導電型を有することが好ましい。
本発明の一実施形態にかかる光電変換素子は、前記第1障壁層が、間接遷移型半導体で形成されている場合にも好適である。この場合、前記間接遷移型半導体の最も低い伝導帯下端が、前記第2障壁層の伝導帯下端よりもエネルギー的に上に位置している。
従来のStranski−Krastanov成長(SK成長)を用いた場合、間接遷移型半導体で第1障壁層を形成することは容易でなかった。また、間接遷移型半導体で第1障壁層を形成できたとしても、結晶性の低い半導体となってしまうので、第1障壁層におけるキャリア輸送効率が低かった。しかしながら、上記の構成によれば、結晶歪みが緩和されるので、第1障壁層を容易に形成することができる。さらに、上記の構成によれば、第1障壁層に励起された電子は、第2の電極に到達するまで第1障壁層内において輸送されるのではなく、第1障壁層よりもエネルギー準位の低い第2障壁層内において輸送される。従って、キャリア輸送効率に大きな影響が現れるのを抑制することができる。
本発明の一実施形態にかかる光電変換素子は、前記第1障壁層のうち前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分よりもバンドギャップが小さい第3障壁層をさらに備え、前記第3障壁層は、前記第1障壁層のうち前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分を前記厚さ方向に垂直な方向に二分するように、前記第1障壁層内に配置されていてもよい。
上記の構成によれば、第1障壁層のうち前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分を前記厚さ方向に垂直な方向に二分するように第3障壁層を設けるので、量子ドット層から第3障壁層に達するトンネル伝導と、第3障壁層から第2障壁層に達するトンネル伝導によって、電子が第2障壁層に輸送される。第3障壁層が存在することにより、トンネル伝導で乗り越える障壁層の厚さが小さくなるので、トンネル伝導による電子移動が容易になり、結果として、優れた光電変換効率を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる光電変換素子は、前記複数の量子ドット層と、前記第1障壁層のうち前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分との間に、前記第1障壁層よりもバンドギャップが小さい第4障壁層をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、第4障壁層は第1障壁層よりもバンドギャップが小さいので、第4障壁層を経由することにより、効率的な光励起、及び効率的なキャリア輸送をすることができる。
本発明によれば、優れた光吸収特性を維持しつつ、良好なキャリア輸送特性を有する、量子ドットを用いた光電変換素子を得ることができる。
図1は、実施形態1に係る太陽電池の概略図である。 図2は、実施形態1に係る太陽電池の一部を示す断面図である。 図3Aは、図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を示す第1の工程図である。 図3Bは、図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を示す第2の工程図である。 図3Cは、図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を示す第3の工程図である。 図3Dは、図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を示す第4の工程図である。 図3Eは、図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を示す第5の工程図である。 図3Fは、図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を示す第6の工程図である。 図3Gは、図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を示す第7の工程図である。 図4は、実施形態1の太陽電池の、伝導帯におけるエネルギー図である。 図5は、実施形態1の太陽電池のキャリアの移動について説明する説明図である。 図6は、実施形態2に係る太陽電池の一部を示す断面図である。 図7は、実施形態3に係る太陽電池の一部を示す断面図である。 図8は、実施形態3の太陽電池の、伝導帯におけるエネルギー図である。 図9は、実施形態3の変形例に係る太陽電池の、伝導帯におけるエネルギー図である。 図10は、実施形態4に係る太陽電池の一部を示す断面図である。 図11は、実施形態4の太陽電池の、伝導帯におけるエネルギー図である。 図12は、従来の構成の太陽電池の断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、以下の各図中の部材の寸法は、実際の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
本明細書において、超格子構造とは、共に半導体からなりバンドギャップが異なる2つの層が繰り返し積層された構造である。例えば、10nmオーダーの異なる物質の層が繰り返し積層された構造である。
量子ドットは、100nm以下の粒子サイズを有する半導体微粒子であり、量子ドットを構成する半導体よりもバンドギャップの大きい半導体で囲まれた微粒子である。量子ドット層は、複数の量子ドットを含む層のことを指し、超格子構造の井戸層となる。量子準位は、量子ドットの電子の離散的なエネルギー準位をいう。障壁層は、量子ドットを構成する半導体よりもバンドギャップの大きい半導体からなり、超格子構造を構成する。
<実施形態1>
(太陽電池)
図1は、実施形態1に係る太陽電池100の構成を示す。太陽電池100は、p型半導体層11と、p型半導体層11上に設けられた超格子半導体層12(ワイヤ層)と、を含んでいる。図1において、p型半導体層11がx方向及びy方向で形成される面に平行であり、p型半導体層11及び超格子半導体層12の厚さ方向をz方向であるとして説明する。超格子半導体層12は、複数の量子ドットナノワイヤ13を含む。超格子半導体層12のうち、量子ドットナノワイヤ13が存在しない空間には、樹脂14が充填されている。p型半導体層11の超格子半導体層12とは反対側の表面には、下部電極15(第1の電極)が設けられている。また、超格子半導体層12のp型半導体層11とは反対側の表面には、上部電極16(第1の電極)が設けられている。
p型半導体層11(ベース層)は、p型不純物を含む半導体で形成されている。
超格子半導体層12は、全体として、n型となるように構成されている。また、超格子半導体層12に形成された複数の量子ドットナノワイヤ13のそれぞれは、p型半導体層11の厚さ方向、つまりz方向に柱状に延びた形状を有する。超格子半導体層12及び量子ドットナノワイヤ13の詳細な構造については、後述する。複数の量子ドットナノワイヤ13は、例えば4本/μm以上の面密度で互いに等間隔に配置されている。
樹脂14は、例えば、ベンゾシクロブテン(BCB)で形成されている。なお、超格子半導体層12のうち量子ドットナノワイヤ13が存在しない空間を充填する材料として、樹脂14の他、太陽光を吸収可能な半導体材料や、太陽光を吸収して吸収波長とは異なる波長を放射する波長変換材料を用いてもよい。充填材料として用いる半導体材料は、後述する障壁層21(図2を参照。)と同一の材料であってもよい。
下部電極15は、p型半導体層11と接して設けられている。下部電極15は、p型半導体層11と電気的に接続されている。下部電極15は、例えば、AuGeNi/Au材料で形成されている。なお、下部電極15は、コンタクト層を介してp型半導体層11と電気的に接続されていてもよい。
上部電極16は、超格子半導体層12と接して設けられている。上部電極16は、例えば、ITO等の透明導電膜で形成されている。なお、上部電極16は、コンタクト層を介して超格子半導体層12と電気的に接続されていてもよい。また、上部電極16と超格子半導体層12との間にn型半導体層が設けられ、このn型半導体層を介して上部電極16と超格子半導体層12とが電気的に接続されていてもよい。また、上部電極16として、グリッド電極が設けられていてもよい。
(量子ドットナノワイヤ)
図2は、量子ドットナノワイヤ13の断面構造を示す断面図である。量子ドットナノワイヤ13は、xy面の面内方向における中心部分を構成するコア領域131と、xy面の面内方向においてコア領域131を囲うシェル領域132とを含む。また、複数の量子ドットナノワイヤ13のそれぞれは、複数の量子ドット層20と障壁層21とを含む。
複数の量子ドット層20は、量子ドットナノワイヤ13において、z方向に互いに離間して配置されている。量子ドット層20は、コア領域131に配置されている。なお、図2は、便宜上、1つの量子ドットナノワイヤ13当たり、2個の量子ドット層20だけを示している。実際には、1つの量子ドットナノワイヤ13は、例えば、30〜600層程度の量子ドット層20が配置された構成を有する。
障壁層21は、第1障壁層211と第2障壁層212とを含む。第1障壁層211は、量子ドット層20を三次元的に囲むように設けられている。第2障壁層212は、第1障壁層211の外周面を覆うように設けられている。
第1障壁層211は、後述するコア層23を介して、p型半導体層11と電気的に接続されている。第1障壁層211は、コア領域131のコア部2111と、シェル領域132のシェル部2112とを含む。コア部2111とシェル部2112とは、同一の材料で形成されている。シェル領域132では、第1障壁層211のシェル部2112と第2障壁層212とが積層された2重構造となっている。
コア部2111は、量子ドット層20と交互にz方向に積層されている。つまり、コア部2111と量子ドット層20とにより、超格子構造が形成されている。
シェル部2112は、xy面の面内方向において量子ドット層20を囲む。シェル部2112の厚さ(z方向に垂直な方向の厚さ、つまり、p型半導体層11の面内方向における厚さ)は、例えば、1〜20nmである。シェル部2112の厚さは、キャリアがトンネル伝導により通過可能な厚さ以下となっている。
第2障壁層212は、上部電極16と電気的に接続されている。第2障壁層212の厚さ(z方向に垂直な方向の厚さ)は、例えば、10〜500nmである。
量子ドット層20は、障壁層21を構成する半導体材料よりも狭いバンドギャップを有する半導体材料からなる。量子ドット層20は、量子効果により、伝導帯中及び価電子帯中に量子準位を有する。量子ドット層20は、例えば、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体、IV族化合物半導体、これらの混晶材料等で形成されている。具体的には、量子ドット層20は、InGaAs、InGaN、InGaAsSb、InAs、GaAs、AlAs、InSb、GaSb、AlSb、InP、GaP、InN、GaN,AlN、Si、SiGe、AlGaIn1−x−ySbAs1−z、AlGaIn1−x−yP、AlGaIn1−x−yN、等で形成されている。
障壁層21は、量子ドット層20を構成する半導体材料よりも広いバンドギャップを有する半導体材料からなる。障壁層21は、量子ドット層20の周りのポテンシャル障壁を構成する。障壁層21は、例えば、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体、IV族化合物半導体、これらの混晶材料等で形成されている。具体的には、障壁層21は、AlGaAs、AlGaAsSb、InAs、GaAs、AlAs、InSb、GaSb、AlSb、InP、GaP、InN、GaN,AlN、Si、SiGe、AlGaIn1−x−ySbAs1−z、AlGaIn1−x−yP、AlGaIn1−x−yN、等で形成されている。
なお、量子ドット層20及び障壁層21を混晶からなる材料で形成する場合、混晶の元素割合を適宜変更することにより、量子準位及び障壁層21のバンドギャップを変更したり、価電子帯バンドエネルギーオフセット(量子ドット層20と障壁層21の価電子帯エネルギー差)をゼロにしたりすることができる。
第1障壁層211は、第2障壁層212を構成する半導体材料よりもバンドギャップの大きい材料で形成されている。また、第1障壁層211を構成する半導体材料のΓ点でのバンドギャップと、第2障壁層212を構成する半導体材料のΓ点でのバンドギャップとを比較すると、前者は後者よりも大きい。
さらに、第1障壁層211を構成する半導体材料のΓ点における伝導帯下端でのエネルギー準位(CBM)と、第2障壁層212を構成する半導体材料のΓ点におけるCBMとを比較すると、前者は後者よりもエネルギー的に高い。
上記を満たす量子ドット層20、第1障壁層211、及び第2障壁層212の組み合わせとしては、例えば、量子ドット層20がInGaAs、第1障壁層211がAlGaAs、及び第2障壁層212がGaAsの場合や、量子ドット層20がInAs、第1障壁層211がAlGaAs、及び第2障壁層212がGaAsの場合等が挙げられる。ここでの第1障壁層211を構成するAlGa1−xAsは、Alの構成比率が45%以下(つまり、0<x≦0.45)の直接遷移型半導体である。
量子ドットナノワイヤ13は、n型ドーパント(n型不純物)を含むことが好ましい。これにより、量子ドット層20中に電子を存在させることができる。n型ドーパントは、量子ドット層20に存在してもよく、障壁層21に存在してもよい。また、第2障壁層212にn型ドーパントが含まれていることが好ましく、さらに第2障壁層212中のn型ドーパント濃度が、量子ドット層20もしくは障壁層21に存在するn型ドーパント濃度よりも高いことが好ましい。これにより、第1障壁層211と第2障壁層212との間に電界が生じるため、量子ドット層20の伝導帯側において光吸収された電子が効率的に第2障壁層212へ移動できる。
p型半導体層11と超格子半導体層12との間には、マスク層22が設けられている。マスク層22は、量子ドットナノワイヤ13のそれぞれに対応する開口221を有する。マスク層22を形成する材料としては、量子ドットナノワイヤ13の原材料とエネルギー的に安定な材料を形成しない材料を選択する。量子ドットナノワイヤ13の原材料としてInAs、GaAs等を採用する場合、マスク層22の材料としては、例えばSiO等が挙げられる。
マスク層22の開口221においては、p型半導体層11の表面にコア層23が設けられている。コア層23は、例えば、p型半導体層11と同一の材料で形成されている。コア層23が設けられていることにより、量子ドットナノワイヤ13の結晶性が向上し、超格子半導体層12からp型半導体層11へのキャリア取り出し効率が向上する。なお、コア層23は必須の構成ではない。
(太陽電池の製造方法)
以下、図3A〜図3Gを用いて、太陽電池100の製造方法を説明する。本実施形態の太陽電池100の製造においては、例えば、膜厚制御に優れた分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属化学気相成長法(MOCVD)等を用いることができる。
まず、p型半導体層11であるp−GaAs基板を有機系洗浄液で洗浄した後、硫酸系エッチング液によって表面をエッチングし、さらに10分間流水洗浄を施す。そして、図3Aに示すように、マスク層22としてSiO膜を堆積する。さらに、超格子半導体層12のそれぞれに対応するように、エッチングして複数の開口221を形成する。
次に、マスク層22が形成されたp型半導体層11をMOCVD装置内に設置する。そして、図3Bに示すように、p型半導体層11と同一の材料で、コア層23を形成する。
続いて、図3Bに示すように、量子ドット層20及び第1障壁層211のコア部2111を形成する。量子ドット層20及び第1障壁層211のコア部2111は、例えば、Stranski−Krastanov成長(SK成長)と呼ばれる方法を用いて、量子ドット層20及び第1障壁層211を成長させて形成する。このとき、量子ドット層20の原材料と第1障壁層211の原材料を交互に供給することにより、量子ドット層20と第1障壁層211とを交互に積層する。量子ドット層20及び第1障壁層211のコア部2111の原材料は、マスク層22上ではエネルギー的に不安定であるため、開口221上において形成されたナノワイヤ上に駆け上がり、積層される。そのため、量子ドット層20及びコア部2111をz方向に延びるワイヤ状に形成することができる。量子ドット層20を構成する材料の組成比を変更すれば量子ドット層20の混晶比を調整することができ、量子ドット層20を構成する材料の種類、成長温度、圧力、および堆積時間などを変更すれば量子ドット層20のサイズを調整することができる。
なお、量子ドット層20にn型ドーピングからの電子供給を行うため、量子ドット層20または第1障壁層211にn型ドーパントをドープする。ドーピングは必須ではないが、光吸収により量子ドットの伝導帯側の量子準位中に存在する電子を効率的に取り出すために、n型ドーパントがドープされていることが好ましい。
続いて、図3Cに示すように、MOCVD法により、量子ドット層20及びコア部2111の積層体の側面に、第1障壁層211のシェル部2112を形成する。このとき、高温成長であればコア領域の頂上に結晶成長が進みやすく、低温成長であればコア領域の側面に結晶成長が進みやすい。
さらに、図3Dに示すように、量子ドット層20、第1障壁層211のコア部2111及び第1障壁層211のシェル部2112の積層体を覆うように、MOCVD法により、第2障壁層212を形成する。
次に、図3Eに示すように、超格子半導体層12における量子ドットナノワイヤ13の間の間隙を、樹脂14で埋める。
続いて、図3Fに示すように、樹脂14のz方向の一部をエッチングする。このときのエッチングとしては、例えば、Cl/Oプラズマを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)法を用いることができる。これにより、量子ドットナノワイヤ13が表面に露出する。
最後に、図3Gに示すように、電子線蒸着等を用いて、p型半導体層11の表面に下部電極15を形成する。また、超格子半導体層12の表面に、上部電極16を形成する。これにより、太陽電池100が完成する。
図4は、本実施形態の太陽電池100の伝導帯におけるエネルギー図を示す。
図4の矢印A11で示すように、量子ドット層20に光が照射されると、中間エネルギー準位E1に存在した電子は、矢印A12及び矢印A13で示すように、中間エネルギー準位E1よりも上の量子準位に励起される。ここでは、図2に示すように、量子ドット層20の周囲のシェル領域132が、第1障壁層211のシェル部2112及び第2障壁層212からなる二層構造となるように形成され、また、図4に示すように、コア領域側のシェル部2112の方が、エネルギー準位が高くなっている。そのため、量子ドット層20の量子準位には、シェル部2112のエネルギー準位と第2障壁層212のエネルギー準位との間の領域(図4の領域E3)に比較的強い(つまり、振動子強度が大きい)光吸収遷移が存在することとなる。つまり、第2障壁層212の伝導帯下端CBM212よりも上であり、且つ、シェル部2112のポテンシャルに閉じ込められた(伝導帯下端CBM2112よりも下の)準位への遷移強度が強い光吸収遷移が存在する。なお、シェル部2112のエネルギー準位よりも上の領域(図4のE2で示すエネルギー準位の領域)への遷移は従来通り存在する。従って、本実施形態によれば、中間エネルギー準位E1から励起される電子には、従来のように、シェル部2112のエネルギー準位よりも高いエネルギー準位(例えば、エネルギー準位E4)へ励起される(矢印A12)ものに加え、矢印A13で示すように、シェル部2112の伝導帯下端CBM2112よりも低いエネルギー準位(例えば、エネルギー準位E5)へ励起されるものが存在することとなる。
中間エネルギー準位E1から電子が光励起されるメカニズムは、主に、以下の3種類がある。まず1つ目は、図4の矢印A12で示すように、シェル部2112の伝導帯下端CBM2112よりも高いエネルギー準位にまで励起された電子は、矢印A14で示すように、シェル部2112と第2障壁層212との間に形成された電界及び濃度勾配によってドリフト拡散する。なお、この光吸収メカニズムは、従来の光電変換素子と同様である。
2つ目及び3つ目は、図4に矢印A13で示すように、電子が領域E3に存在する量子準位(例えば、エネルギー準位E5)に励起されることによる光の吸収である。2つ目の方法とは、エネルギー準位E5に励起された電子が、さらに、熱励起により第1障壁層211のシェル部2112にまで励起され、図4の矢印A15で示すように、再び、熱を放出しながら、ドリフト拡散によって第2障壁層212に移動する方法である。これにより、電子が第2障壁層212に移動する。
なお、図4の矢印A14や矢印A15で示すように、第1障壁層211から第2障壁層212に移動した電子は、エネルギーを一部外部に放出する。ただし、エネルギー放出により失うエネルギーは一部であり、太陽電池100全体としてのエネルギー損失としては大きな影響は生じない。ここで放出するエネルギーの値を小さく抑える観点からは、第1障壁層211のシェル部2112の伝導帯下端CBM2112と第2障壁層212の伝導帯下端CBM212との差が0.5eV以下であることが好ましい。また、シェル部2112の効果を効率的に利用するためには、第1障壁層211のシェル部2112の伝導帯下端CBM2112と第2障壁層212の伝導帯下端CBM212との差が0.1eV以上であることが好ましい。
3つ目の方法とは、図4の矢印A16で示すように、エネルギー準位E5に励起された電子が、トンネル効果によって、第1障壁層211のシェル部2112を透過して第2障壁層212に移動する方法である。なお、トンネル効果を十分に発揮するためには、シェル部2112の厚さは20nm以下であることが好ましい。
また、第1障壁層211のシェル部2112が存在しない場合には、第2障壁層212の伝導帯下端CBM212よりも上の波動関数は量子ドット領域から反発するように存在する(すなわち、波動関数の2乗で表される電子の存在確率密度が量子ドット領域中において小さく、量子ドット領域以外の障壁層領域において電子の存在確率密度が大きくなる)傾向にある。しかしながら、本実施形態では、第2障壁層212に加えて、第2障壁層212よりも高い伝導帯下端CBM2112を有するシェル部2112を有するので、上記説明した領域E3のエネルギー準位の波動関数は、量子ドットの内部に存在しやすい傾向がある。これは、領域E3に相当する分、閉じ込めエネルギーが強くなるためである。
また、実施形態1の構成の太陽電池100は、例えば図12に示す従来技術の平面型2次元量子ドット構造の太陽電池300に比べて、量子ドット領域に対する障壁層領域の体積の割合が小さくなる。そのため、実施形態1の構成の太陽電池100は、障壁層領域における電子の存在確率密度が小さくなる。存在確率密度の総和が全空間で必ず1となる観点から換言すると、量子ドット領域における電子の存在確率密度は、増大する可能性がある。以上のことから、中間エネルギー準位E1と領域E3の波動関数のオーラバーラップが強くなり、中間エネルギー準位E1から領域E3への光吸収の強度が高くなる。
従って、実施形態1の構成によれば、量子ドット層20の量子準位に電子を存在させることで中間エネルギー準位を介して光学遷移を増大させることができる。つまり、従来よりも広い波長範囲において強い光吸収が行われるので、結果として、優れた光吸収特性を得ることができる。
なお、図4には図示しないが、量子ドット構造(量子ドット層・障壁層の材料の組み合わせや、量子ドット層の形状・サイズ等)によっては、中間エネルギー準位E1と伝導帯下端CBM212の間の準位でも量子準位が存在し、中間エネルギー準位E1と伝導帯下端CBM212への光吸収が起こっているものと考えられる。ただし、このようにして得られる光吸収スペクトル帯域は太陽光スペクトル全体から見れば大きな割合を占めない。逆に言えば、大きな割合を占めないように量子ドット構造を設計し、中間エネルギー準位E1と伝導帯下端CBM212の位置を制御すればよい。以上のことから、上記では、第2障壁層212の伝導帯下端CBM212よりも上の準位に電子が励起されることによる光の吸収について説明した。
本実施形態では、太陽電池100において、太陽光が太陽電池100に照射されると、価電子帯から伝導帯の量子準位への光励起によって、電子が伝導帯の量子準位に存在するようになる。光生成された正孔は、p型半導体層11にドリフト拡散し、下部電極15に到達する。また、光励起された電子は、上記で説明した機構によって、第2障壁層212へ移動し、第2障壁層212をドリフト拡散して上部電極16に到達する。
本実施形態では、量子ドット層20のシェル領域に、第1障壁層211のシェル部2112と第2障壁層212の2層の障壁層が形成されている。そのため、シェル部2112及び第2障壁層212のそれぞれの厚さ及び材料を選択することによって、吸収される光のエネルギーピークや吸収帯域幅を設計することができる。量子ドット層20のシェル領域に2層の障壁層が存在することにより、吸収される光のエネルギーピークや吸収帯域幅を設計するためのパラメーターが多くなるので、吸収光のエネルギーピークや吸収帯域幅の設計の自由度を高めることができる。従って、太陽光スペクトルやフォトディテクターの仕様によって、より最適な構造設計が可能となる。
中間エネルギー準位E1から領域E2,E3に励起された電子は、上記説明したように、第2障壁層212にすばやく移動する(図5の矢印A17)。第2障壁層212に移動した電子は、矢印A18で示すように、スムーズに上部電極16まで輸送される。電子が上部電極16に輸送されるまでにポテンシャル障壁がなく、高い効率でキャリア輸送が行われるためである。従って、本実施形態によれば、量子ドットナノワイヤ13内の量子ドット層20の積層数に影響を受けずにキャリア輸送を行うことができる。
さらに、一度、第2障壁層212へ移動した電子は、エネルギー準位の高い第1障壁層211のシェル部2112の存在により、量子ドット層20へ再び移動するという問題が抑制される。
なお、本実施形態において、価電子帯は、一様な連続準位となっていると考えられる。従来の太陽電池と同様に、本実施形態の太陽電池100の価電子帯は伝導帯と比較して、エネルギーオフセットが小さく、しかも、正孔の有効質量が大きいからである。そのため、量子ドット層20からp型半導体層11に向かって正孔が移動するときに、コア領域131に沿って正孔が移動しても(つまり、正孔が他の量子ドット層20を経由して移動しても)、価電子帯のエネルギー準位のエネルギーオフセットが小さいので、コア部2111でキャリア移動が妨げられにくい。
本実施形態では、シェル部2112のz方向に垂直な方向の厚さが、キャリアがトンネル伝導により通過可能な厚さ以下であるとしたが、これは必須ではない。シェル部2112の厚さがトンネル伝導により通過可能な厚さよりも大きくてもよい。この場合には、図4に示す矢印A13のようにE5の準位に励起された電子は、矢印A16で示すような、トンネル効果による移動をしない。
本実施形態では、半導体層がp型半導体層11であり、量子ドットナノワイヤ13がn型ドーパントを含むと説明したが、特にこれに限定されない。ただし、半導体層をp型半導体層11とし、量子ドットナノワイヤ13がn型ドーパントを含むとすることにより、キャリアの移動効率をより高めることができる。
本実施形態では、第1障壁層211のコア部2111とシェル部2112とが同一の材料で形成されていると説明したが、両者が異なる材料で形成されていてもよい。コア部2111とシェル部2112とが異なる材料で形成されている場合、少なくともシェル部2112を構成する半導体材料のバンドギャップが第2障壁層212よりも大きくなるように設定されていればよい。
<実施形態2>
次に、図6を用いて、実施形態2に係る太陽電池100Aについて説明する。太陽電池100Aは、量子ドットナノワイヤ13Aの構成を除いて、実施形態1の太陽電池100と同一の構成を有する。また、量子ドットナノワイヤ13Aは、第1障壁層211Aとして実施形態1の第1障壁層211とは異なる材料を用いたことを除いて、同一の構成を有する。
第1障壁層211Aは、間接遷移型半導体で形成されている。第1障壁層211Aを構成する間接遷移型半導体は、第2障壁層212を構成する半導体のバンドギャップとの関係を考慮して選択する。具体的には、第1障壁層211Aを構成する間接遷移型半導体のΓ点が、第2障壁層212を構成する半導体のΓ点よりも高いエネルギーを有する材料を選択する。さらに、第1障壁層211Aを構成する間接遷移型半導体のΓ点以外の波数のうち最小のエネルギーを持つ点が、第2障壁層212を構成する半導体のΓ点よりも高いエネルギーを有する材料を選択する。これにより、第1障壁層211Aが、波数空間においてどの地点であっても、第2障壁層212のΓ点が第1障壁層211Aのエネルギー準位よりも低いこととなるので、電子が、第1障壁層211Aから第2障壁層212へすばやく移動することができる。
このような間接遷移型半導体としては、例えば、Al比率が45%以上のAlGaAs(つまり、AlGa1−xAsにおいてxが0.45≦x<1を満たす。)が挙げられる。
実施形態2に係る太陽電池100Aは、実施形態1の太陽電池100と同様の製造方法で作成することができる。
一般的に、間接遷移型半導体は、直接遷移型半導体と比較して大きなバンドギャップを有し、格子定数が小さくなる。従って、間接遷移型半導体で第1障壁層を形成すると、第1障壁層を構成する間接遷移型半導体材料と量子ドット層を構成する材料との格子定数の差が、より大きくなってしまう。
図12は、従来技術である平面型2次元量子ドット構造を示す。平面型2次元量子ドット構造の太陽電池300では、xy平面内に複数の量子ドット層310を所定の配置に形成し、且つ、第1の障壁層320及び第2の障壁層321を介してz方向に積層されるように量子ドット層310を配置して形成されている。第1の障壁層320を間接遷移型半導体材料で形成すると、第1の障壁層320と量子ドット層310との格子定数の差が大きいことから、平面型2次元量子ドット構造の太陽電池300を形成するのが容易ではなく、結晶欠陥が多くなる傾向がある。そして、結果として、光励起により生成されたキャリアが欠陥の多い結晶中を輸送されることとなり、キャリア輸送効率が低下する。
しかしながら、本実施形態における量子ドットナノワイヤ構造においては、結晶歪みがxy面の方向に緩和されるため、結晶欠陥が生じにくく、高品質な結晶を得ることができる。さらに、第2障壁層212のバンドギャップと第1障壁層211Aのバンドギャップの差が小さい場合、第2障壁層212と第1障壁層211Aとを類似した材料で構成することができる。第2障壁層212と第1障壁層211Aとを類似した材料で構成することにより、結晶歪みがより緩和されるので、高い結晶品質を持つ第2障壁層212を得ることができる。第1障壁層211に光励起された電子は、上部電極16に到達するまで、第1障壁層211よりもエネルギー準位が低く、結晶品質の高い第2障壁層212内を輸送される。そのため、キャリア輸送効率に大きな影響が現れるのを抑制することができる。
<実施形態3>
次に、図7を用いて、実施形態3に係る太陽電池100Bについて説明する。太陽電池100Bは、量子ドットナノワイヤ13Bの構成を除いて、実施形態1の太陽電池100と同一の構成を有する。
量子ドットナノワイヤ13Bは、実施形態1と同様、コア領域131Bと、シェル領域132Bとを含む。また、量子ドットナノワイヤ13Bは、量子ドット層20と障壁層21Bとを含む。障壁層21Bは、第1障壁層211B、第2障壁層212、及び第3障壁層213Bの3種類で構成されている。
コア領域131Bでは、実施形態1と同様、量子ドット層20と第1障壁層211Bのコア部2111とがz方向に交互に積層されている。
シェル領域132Bでは、コア領域131に接して第1障壁層211Bのシェル部2112Bが設けられている。シェル領域132Bでは、シェル部2112B、第3障壁層213B、シェル部2112B、及び第2障壁層212の4つの障壁層が積層された構成を有する。つまり、実施形態1におけるシェル部2112が厚さ方向(y方向)に二分され、その間に第3障壁層213Bが挿入された構成となっている。
第3障壁層213Bは、第1障壁層211Bよりもバンドギャップが小さい材料で形成されている。第3障壁層213Bは、例えば、第2障壁層212と同一の材料で形成することができる。
第3障壁層213Bには、n型ドーパントがドープされている。第3障壁層213Bへのn型ドーパントのドーピング濃度は、第2障壁層212よりも低いことが好ましい。第2障壁層212の方が高いn型ドーパント濃度を有することにより、電子が第2障壁層212まで輸送されやすくなる。なお、第3障壁層213Bがn型ドーパントを含んでいることは必須ではない。
実施形態3に係る太陽電池100Bは、障壁層21Bの製造工程を除いて実施形態1の太陽電池100と同様の製造方法で作成することができる。障壁層21Bの形成方法は、シェル領域132Bの形成において、第1障壁層211Bのシェル部2112Bの形成、第3障壁層213Bの形成、及びシェル部2112の形成を連続して行い、さらに第2障壁層212Bを形成することを除いて、実施形態1の障壁層21と同様である。
図8は、本実施形態の太陽電池100Bの伝導帯におけるエネルギー図を示す。
本実施形態によれば、第1障壁層211Bのシェル部2112Bが2層に分割され、その間に、第1障壁層211Bよりもバンドギャップの小さい第3障壁層213Bが挿入されている。そのため、図8に示すように、量子ドット層20において励起されたキャリア(矢印A31)は、トンネル効果によって、第3障壁層213Bに移動する(矢印A32)。そして、第3障壁層213Bに移動したキャリアは、さらに、トンネル効果によって第2障壁層212に移動する(矢印A33)。矢印A32及び矢印A33で示すキャリアの移動において、第1障壁層211Bのシェル部2112Bが2層に分割されているので、トンネル効果によるキャリアの移動が容易になる。従って、第1障壁層211Bのシェル部2112Bを多層構造とすることによって、トンネル効果を利用したキャリア移動効率を高めつつ、シェル部2112Bの厚さを全体として大きくすることが可能となる。
なお、実施形態3では、第3障壁層213Bが第2障壁層212と同一の材料で形成されていると説明したが、第3障壁層213Bの材料は、第2障壁層212と同一であることに限定されない。例えば、図9に示すように、第3障壁層213Bを構成する材料が第2障壁層212を構成する材料のバンドギャップよりも大きくてもよい。この場合、第2障壁層212は第3障壁層213Bよりもエネルギー的に低いので、第2障壁層212に移動した電子が第3障壁層213Bに再び戻ってしまうのが抑制される。
<実施形態4>
次に、図10を用いて、実施形態4に係る太陽電池100Cについて説明する。太陽電池100Cは、量子ドットナノワイヤ13Cの構成を除いて、実施形態1の太陽電池100と同一の構成を有する。
量子ドットナノワイヤ13Cは、コア領域131Cと、シェル領域132Cとを含む。コア領域131Cは、量子ドットナノワイヤ13Cに沿ってz方向に延びるように設けられている。また、シェル領域132Cは、コア領域131Cの外周面を覆うように設けられている。また、量子ドットナノワイヤ13Cは、複数の量子ドット層20と、障壁層21Cとを含む。障壁層21Cは、第1障壁層211Cと、第2障壁層212Cと、第4障壁層214Cとを含む。第1障壁層211Cは、シェル領域132Cに設けられる。第2障壁層212Cはコア部2121Cとシェル部2122Cを含み、コア部2121Cはコア領域131Cに、シェル部2122Cはシェル領域132Cに設けられる。第4障壁層214Cは、シェル領域132Cに設けられる。
コア領域131Cは、複数の量子ドット層20と、第2障壁層212Cのコア部2121Cとが、繰り返しz方向に積層された超格子構造を有する。なお、図10は、便宜上、1つの量子ドットナノワイヤ13C当たり、2個の量子ドット層20だけを示している。実際には、1つの量子ドットナノワイヤ13Cは、例えば、30〜600層程度の量子ドット層20が積層された構成を有する。
シェル領域132Cでは、第4障壁層214C,第1障壁層211C、及び第2障壁層212Cのシェル部2122Cが積層された3重構造となっている。第4障壁層214Cは、複数の量子ドット層20のz方向に延びる側面を被覆するように設けられている。第4障壁層214Cの厚さ(z方向に垂直な方向の厚さ)は、例えば、1〜20nmである。第1障壁層211Cは、第4障壁層214Cを被覆している。第1障壁層211Cの厚さ(z方向に垂直な方向の厚さ)は、例えば、1〜20nmである。第2障壁層212Cのシェル部2122Cは、第1障壁層211Cを被覆している。シェル部2122Cのz方向に垂直な方向の厚さは、例えば、10〜500nmである。また、シェル部2122Cのz方向の厚さは、例えば、100〜3000nmである。
第1障壁層211Cを構成する材料としては、実施形態1の第1障壁層211と同じ材料を選択することができる。また、第2障壁層のシェル部2122Cを構成する材料としては、実施形態1の第2障壁層212と同じ材料を選択することができる。
第4障壁層214Cは、第1障壁層211Cよりバンドギャップが小さい半導体材料で形成されている。第4障壁層214Cは、例えば、第2障壁層212Cと同一の半導体材料で形成することができる。
実施形態4に係る太陽電池100Cは、障壁層21Cの製造工程を除いて実施形態1の太陽電池100と同様の製造方法で作製することができる。障壁層21Cの形成方法は、コア領域131Cにおいて、第2障壁層212Cのコア部2121Cと量子ドット層20とを交互に積層する点、及び、シェル領域132Cにおいて、第4障壁層214C、第1障壁層211C、及び第2障壁層212のシェル部2122Cを連続して形成する点を除いて、実施形態1の障壁層21と同様である。
図11は、本実施形態の太陽電池100Cの伝導帯におけるエネルギー図を示す。
本実施形態によれば、量子ドット層20において、矢印A41に示すようにキャリアが光励起されると、一旦、第4障壁層214Cのエネルギー準位にまで光励起され(矢印A42)、さらに、第1障壁層211Cのエネルギー準位に熱励起される(矢印A43)。第4障壁層214Cは第1障壁層211Cよりもエネルギー準位が低いので、段階的に第4障壁層214Cを経ることにより、第1障壁層211Cまで効率的にキャリアを取り出すことができる。なお、第1障壁層211Cの障壁層が薄い場合は、矢印A43と共に、第1障壁層211C中をトンネル過程でキャリアが輸送することができる。
また、本実施形態によれば、量子ドット層20と第1障壁層211Cとの間に第4障壁層214Cが設けられているので、第1障壁層211Cの歪みを緩和することができる。2種の材料をヘテロ接合させた場合の歪みは、それらの結晶格子定数差が大きいほど歪みが大きくなる。結晶格子定数はおおよそバンドギャップと相関があり、一般的にバンドギャップが大きいほど格子定数が小さい。従って、量子ドット層20と第1障壁層211Cとの間に中間のバンドギャップを持つ第4障壁層214Cを挿入する事で、格子定数差を段階的に変化させる事ができ、歪みを緩和できると考えられる。
上記の実施形態では、太陽電池がp型半導体層及びn型の超格子半導体層を含む構成であると説明したが、太陽電池は、例えば、n型半導体層及びp型の超格子半導体層を含む構成であってもよい。また、太陽電池がp型ドーパント及びn型ドーパントのいずれも含まない構成であってもよい。
また、本実施形態で説明した光電変換素子を、量子ドット太陽電池だけでなく、サブバンド間遷移を利用した量子ドットフォトディテクターに応用することもできる。量子ドットフォトディテクターにおいては、電子または正孔のどちらか一方のキャリアのみ利用する。従って、例えば伝導帯側のサブバンド間遷移を利用した量子ドットフォトディテクターの場合、ホールを利用しないため、価電子帯側における量子ドット層と第1障壁層とのバンドオフセットの大きさを、前記厚さ方向に正孔が移動するのを妨げない大きさに制限する必要はない。量子ドットフォトディテクターは例えば、n−i−n構造やn−n−n構造とする。nの導電型とはn型ドーピング濃度よりも低い濃度のことであり、例えば量子ドット1個につき、1個の電子が供給される程度のドーピング濃度のことをいう。このようなドーピング濃度では、効率的にサブバンド間光学遷移が起こる。
以上、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
本発明は、光電変換素子について有用である。
100 太陽電池
11 p型半導体層(半導体層)
12 超格子半導体層
13 量子ドットナノワイヤ(ワイヤ層)
15 下部電極(第1の電極)
16 上部電極(第2の電極)
20 量子ドット層
211 第1障壁層
2111 コア部
2112 シェル部
212 第2障壁層

Claims (9)

  1. 半導体層と、
    前記半導体層の厚さ方向に沿って柱状に延びた複数の量子ドットナノワイヤを含むワイヤ層と、
    前記半導体層の前記ワイヤ層とは反対側に配置され、前記半導体層と電気的に接続された第1の電極と、
    前記ワイヤ層の前記半導体層とは反対側に配置された第2の電極と、
    を備え、
    前記複数の量子ドットナノワイヤの各々は、
    前記半導体層の厚さ方向に離間して配置された複数の量子ドット層と、
    前記複数の量子ドット層を三次元的に囲むと共に、前記半導体層と電気的に接続された第1障壁層と、
    前記厚さ方向に垂直な方向において前記第1障壁層の外周面を覆うと共に、前記第2の電極と電気的に接続された第2障壁層と、
    を含み、
    前記第1障壁層のうち、前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分のバンドギャップは、前記第2障壁層のバンドギャップよりも大きく、
    前記第2障壁層のバンドギャップは、前記量子ドット層のバンドギャップよりも大きい、光電変換素子。
  2. 請求項1に記載の光電変換素子において、
    前記第1障壁層のうち、前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分の伝導帯下端は、前記第2障壁層の伝導帯下端よりもエネルギー的に高い、光電変換素子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光電変換素子において、
    前記第1障壁層のうち、前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分の、前記垂直な方向における厚さは、キャリアがトンネル伝導により通過可能な厚さである、光電変換素子。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光電変換素子において、
    前記第1障壁層のうち、前記厚さ方向に垂直な面における前記量子ドット層を囲む部分は、前記半導体層の面内方向における厚さが1〜20nmである、光電変換素子。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光電変換素子において、
    前記半導体層がp型の導電型を有し、
    前記量子ドットナノワイヤが、n型の導電型を有する、
    光電変換素子。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光電変換素子において、
    前記半導体層および前記第2障壁層がn型の導電型を有し、
    前記量子ドットナノワイヤが、n型の導電型を有する、
    光電変換素子。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の光電変換素子において、
    前記第1障壁層が、間接遷移型半導体で形成され、
    前記間接遷移型半導体の最も低い伝導帯下端が、前記第2障壁層の伝導帯下端よりもエネルギー的に上に位置している、光電変換素子。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の光電変換素子において、
    前記第1障壁層のうち前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分よりもバンドギャップが小さい第3障壁層をさらに備え、
    前記第3障壁層は、前記第1障壁層のうち前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分を前記厚さ方向に垂直な方向に二分するように、前記第1障壁層のうち前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分内に配置されている、光電変換素子。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の光電変換素子において、
    前記複数の量子ドット層と、前記第1障壁層のうち前記厚さ方向に垂直な方向において前記量子ドット層を囲む部分との間に、前記第1障壁層よりもバンドギャップが小さい第4障壁層をさらに備えた、光電変換素子。
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