JP6367741B2 - 生体組織標本アレイ切片、生体組織標本アレイ、シート状生体組織標本アレイ、生体組織標本ブロック及びそれらの製造方法 - Google Patents

生体組織標本アレイ切片、生体組織標本アレイ、シート状生体組織標本アレイ、生体組織標本ブロック及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、生体組織標本アレイ切片、生体組織標本アレイ、シート状生体組織標本アレイ、生体組織標本ブロック及びそれらの製造方法に関する。
病院や研究機関等では、生体組織標本の病理染色が日常的に行われており、疾患の診断等に役立っている。
生体組織標本を病理染色する場合、コントロールと試験対象の生体組織標本を完全一致の条件下で染色することが好ましい。また、コントロールとして、複数の症例、複数の臓器の標本をひとまとめにした生体組織標本アレイを用いることが、染色操作の精度管理上、非常に有用である。
例えば、特許文献1には、シート状の組織片がロール状に巻回されて形成されたロール状組織片が、基板上にアレイ状に配列されてなる組織アレイを作製する作製方法であって、溶融した包埋剤を流し込んで貯留させる容器内に、複数のロール状組織片の軸線方向が鉛直方向を向くように保持する保持部材を配置して、保持部材に各ロール状組織片を保持させ、容器内に包埋剤を流し込んで複数のロール状組織片がアレイ状に配列されてなる基体ブロックを形成し、ロール状組織片が輪切り状となるように基体ブロックをスライスし、スライス片を基板上に設置することにより、組織アレイを作製する方法が記載されている。
特開2012−32238号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法により作製された生体組織標本アレイは、標本の集積度が限られているため専有面積が大きく、1枚のスライドガラス上に検体と共に載せることが困難な場合がある。
1枚のスライドガラス上に、コントロールとしての生体組織標本アレイ及び試験対象の生体組織標本を載せることができないと、両者を完全一致の条件下で染色することができず、染色の精度が十分に得られない場合がある。
そこで、本発明は、1枚のスライドガラス上に試験対象の生体組織標本と共に載せることが可能な、集積度の高い生体組織標本アレイ切片を提供することを目的とする。本発明はまた、生体組織標本アレイ、シート状生体組織標本アレイ、生体組織標本ブロック及びこれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
(1)長辺0.5〜25mm、短辺50〜200μm、厚さ1〜10μmである生体組織標本切片が、短辺方向に複数並べられてなる、生体組織標本アレイ切片。
(2)前記生体組織標本は、前記長辺方向及び前記短辺方向によって定義される面に5個/mm以上の密度で並べられている、請求項1に記載の生体組織標本アレイ切片。
(3)病理染色の対照用である、(1)又は(2)に記載の生体組織標本アレイ切片。
(4)基板と、前記基板上に積層された、(1)〜(3)のいずれかに記載の生体組織標本アレイ切片とを備える、生体組織標本アレイ。
(5)樹脂シートと、前記樹脂シート上に積層された、(1)〜(3)のいずれかに記載の生体組織標本アレイ切片とを備える、シート状生体組織標本アレイ。
(6)厚さ50〜500μmの生体組織標本切片が、厚さ方向に複数積層され、樹脂に包埋されてなる、生体組織標本ブロック。
(7)樹脂に包埋された生体組織標本を厚さ50〜500μmに切断して生体組織標本切片を得る工程(a)と、前記生体組織標本切片を厚さ方向に複数積層し、樹脂に包埋して生体組織標本ブロックを得る工程(b)と、を備える、生体組織標本ブロックの製造方法。
(8)前記工程(a)において、前記生体組織標本を30〜55℃の温度下で切断する、(7)に記載の生体組織標本ブロックの製造方法。
(9)厚さ50〜500μmの生体組織標本切片が、厚さ方向に複数積層され、樹脂に包埋されてなる生体組織標本ブロックを、前記生体組織標本切片の厚さ方向に幅1〜10μmで切断する工程を備える、生体組織標本アレイ切片の製造方法。
(10)厚さ50〜500μmの生体組織標本切片が、厚さ方向に複数積層され、樹脂に包埋されてなる生体組織標本ブロックを、前記生体組織標本切片の厚さ方向に幅1〜10μmで切断して生体組織標本アレイ切片を得る工程と、前記生体組織標本アレイ切片を、基板上に、前記生体組織標本アレイ切片における前記生体組織標本の厚さ方向が基板と平行になるように積層する工程と、を備える、生体組織標本アレイの製造方法。
(11)(1)〜(3)のいずれかに記載の生体組織標本アレイ切片を、基板上に積層する工程を備える、生体組織標本アレイの製造方法。
(12)(1)〜(3)のいずれか一項に記載の生体組織標本アレイ切片を、樹脂シート上に積層する工程を備える、シート状生体組織標本アレイの製造方法。
本発明によれば、1枚のスライドガラス上に試験対象の生体組織標本と共に載せることが可能な、集積度の高い生体組織標本アレイ切片を提供することができる。また、生体組織標本アレイ、シート状生体組織標本アレイ、生体組織標本ブロック及びこれらの製造方法を提供することができる。
1実施形態に係る生体組織標本アレイ切片の構造を示す斜視図である。 (a)は1実施形態に係る生体組織標本ブロックの構造を示す斜視図である。(b)は、1実施形態に係る生体組織標本アレイ切片の構造を示す斜視図である。 1実施形態に係る生体組織標本アレイの構造を示す図である。 1実施形態に係るシート状生体組織標本アレイの構造を示す斜視図である。 (a)上段は、50枚積層した生体組織標本切片を示す写真である。下段は、50枚積層した生体組織標本切片を切断した状態を示す写真である。(b)は、樹脂に再度包埋処理中の生体組織標本ブロックを示す写真である。 生体組織標本アレイ切片及び試験対象の生体組織標本切片(検体)を同一のスライドガラス上にのせた状態を示す写真である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。
[生体組織標本アレイ切片]
1実施形態において、本発明は、長辺0.5〜25mm、短辺50〜200μm、厚さ1〜10μmである生体組織標本切片が、短辺方向に複数並べられてなる、生体組織標本アレイ切片を提供する。
図1は、本実施形態の生体組織標本アレイ切片の構造を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の生体組織標本アレイ切片100においては、平面視において略矩形状であり複数の症例又は複数の臓器に由来する複数の生体組織標本切片110〜180が、短辺方向(図1におけるX方向)に並べられている。なお、ここで、平面視とは、生体組織標本アレイ切片に垂直な方向(図1におけるZ方向)から生体組織標本切片の方向を見た状態を意味する。
各生体組織標本切片は、長辺(図1におけるY方向)が0.5〜25mm、短辺(図1におけるX方向)が50〜200μm、厚さ(図1におけるZ方向)が1〜10μmである。長辺は、例えば0.5〜20mmであってもよく、例えば0.5〜15mmであってもよく、例えば0.5〜10mmであってもよい。短辺は、例えば50〜180μmであってもよく、例えば50〜140μmであってもよく、例えば50〜100μmであってもよい。厚さは、例えば1〜8μmであってもよく、例えば1〜6μmであってもよく、例えば1〜4μmであってもよい。
本実施形態の生体組織標本アレイ切片において、各生体組織標本切片は、長辺方向及び短辺方向によって定義される面(図1におけるXY平面)に5個/mm以上、例えば10個/mm以上、例えば15個/mm以上、例えば20個/mm以上の密度で並べられていてもよい。
例えば、生体組織標本アレイ切片を構成する生体組織標本切片1つあたりのサイズが、長辺0.5mm、短辺50μmであり、全ての生体組織標本が同じサイズであると仮定すると、この場合の各生体組織標本切片は、40個/mmの密度で並べられている計算になる。
本実施形態の生体組織標本アレイ切片は、このように集積度が高いため、コントロールとして必要な生体組織標本アレイ切片の大きさを、例えば2mm×5mm程度に小さくすることができる。
本実施形態の生体組織標本アレイ切片は、例えば病理染色の対照用であってもよい。例えば、陽性コントロールであってもよく、陰性コントロールであってもよい。病理染色としては、免疫染色;PAS(periodic acid−schiff)染色、グロコット(grocott)染色等の特殊染色等が挙げられる。
本実施形態の生体組織標本アレイ切片は、集積度が高く省スペースであるため、1枚のスライドガラス上に試験対象の生体組織標本と共に載せることができる。このため、試験対象の生体組織標本と完全同一条件で同時に染色することができ、染色操作の精度管理に非常に有用である。また、省スペースであるため、染色に要する試薬コストを低減することもできる。
[生体組織標本アレイ切片の製造方法]
1実施形態において、本発明は、厚さ50〜500μmの生体組織標本切片が、厚さ方向に複数積層され、樹脂に包埋されてなる生体組織標本ブロックを、前記生体組織標本切片の厚さ方向に幅1〜10μmで切断する工程を備える、生体組織標本アレイ切片の製造方法を提供する。
図2は、本実施形態の製造方法を説明する図である。図2(a)は生体組織標本ブロック200の構造を示す斜視図である。生体組織標本ブロック200の詳細については後述するが、生体組織標本ブロック200は、厚さ(図2(a)におけるX方向)50〜500μmの生体組織標本切片110〜180が積層されて樹脂に包埋されたものである。図2(a)における生体組織標本切片110のX、Y及びZ方向は、図1における生体組織標本切片110のX、Y及びZ方向と同じである。
本実施形態の製造方法は、生体組織標本ブロック200を、生体組織標本切片110〜180の厚さ方向(図2(a)におけるX方向)に、幅(生体組織標本切片110〜180の長軸方向に直交する方向、図2(a)におけるZ方向)1〜10μmで切断する工程を備える。本工程では、例えば、図2(a)におけるA−A線及びB−B線を含むXY平面において生体組織標本ブロック200を切断する。
図2(b)は、上記工程において切断された生体組織標本アレイ切片100を示す斜視図である。図2(b)における生体組織標本切片110のX、Y及びZ方向は、図1における生体組織標本切片110のX、Y及びZ方向と同じである。図2(b)に示す生体組織標本アレイ切片100と図1に示す生体組織標本アレイ切片100は、同一のものであり、図2(b)に示す生体組織標本アレイ切片100の見る向きを変えたものが図1に示す生体組織標本アレイ切片100である。より具体的には、図2(b)に示す生体組織標本アレイ切片100をXZ平面において時計回りに90度回転させたものが、図1に示す生体組織標本アレイ切片100である。
図2(b)に示す、生体組織標本アレイ切片100においては、複数の症例又は複数の臓器に由来する複数の生体組織標本切片110〜180が短辺方向(図2(b)におけるX方向)に並べられている。各生体組織標本切片は、長辺(図2(b)におけるY方向)が0.5〜25mm、短辺(図2(b)におけるX方向)が50〜500μm、厚さ(図2(b)におけるZ方向)が1〜10μmである。上記の短辺(図2(b)におけるX方向)は、例えば50〜400μmであってもよく、例えば50〜300μmであってもよく、例えば50〜200μmであってもよい。
[生体組織標本アレイ]
1実施形態において、本発明は、基板と、基板上に積層された、上記の生体組織標本アレイ切片とを備える、生体組織標本アレイを提供する。
図3は、本実施形態の生体組織標本アレイの構造を示す図である。本実施形態の生体組織標本アレイ300は、基板310と、基板上に積層された生体組織標本アレイ切片100とを備える。基板310としては、ガラス、プラスチック等を使用することができる。
基板310上に生体組織標本アレイ切片100を積層する場合には、例えば、基板310の表面に、まず、シラン剤、卵白グリセリン、1%アルブミン等の剥離防止剤を塗布し、続いて、生体組織標本アレイ切片100を積層してもよい。あるいは、基板310の表面に、まず、シラン剤を塗布し、その上に卵白グリセリン、1%アルブミン等を更に塗布し、続いて、生体組織標本アレイ切片100を積層してもよい。これにより、生体組織標本アレイ切片100が基板310から剥離しにくくなる。シラン剤としては、例えばGEヘルスケア・ジャパン社製の商品名「Bind−Silane」等を使用することができる。
本実施形態の生体組織標本アレイ300は、基板310上の生体組織標本アレイ切片100が積層されている領域以外の領域に、試験対象の生体組織標本を載せて、当該生体組織標本及び生体組織標本アレイ切片100に対して完全一致の条件下で同時に染色操作を行うためのものである。
本実施形態の生体組織標本アレイ300は、生体組織標本アレイ切片100が省スペースであり十分小さいにもかかわらず、コントロールとして必要な生体組織標本を高い集積度で備えているため、病理染色等の染色操作の精度管理を十分に行うことができる。
[生体組織標本アレイの製造方法]
1実施形態において、本発明は、厚さ50〜500μmの生体組織標本切片が、厚さ方向に複数積層され、樹脂に包埋されてなる生体組織標本ブロックを、前記生体組織標本切片の厚さ方向に幅1〜10μmで切断して生体組織標本アレイ切片を得る工程と、前記生体組織標本アレイ切片を、基板上に、前記生体組織標本アレイ切片における前記生体組織標本の厚さ方向が基板と平行になるように積層する工程と、を備える、生体組織標本アレイの製造方法を提供する。
本実施形態の製造方法において、生体組織標本アレイ切片を得る工程は、図2(a)、図2(b)を参照しながら上述したものと同様である。本工程により得られた生体組織標本アレイ切片100を基板310上に積層することにより、生体組織標本アレイ300を製造することができる。基板としては、ガラス、プラスチック等を使用することができる。ここで、生体組織標本アレイ切片100は、生体組織標本切片110〜180の厚さ方向(図2(b)におけるX方向)が基板と平行になるように積層する。
1実施形態において、本発明は、上述した生体組織標本アレイ切片を基板上に積層する工程を備える、生体組織標本アレイの製造方法を提供する。
すなわち、生体組織標本アレイの製造方法において、生体組織標本アレイ切片を作製する工程は必須の工程ではなく、予め作製された生体組織標本アレイ切片を用いることもできる。上述した構造を有する生体組織標本アレイ切片を基板上に積層することにより、生体組織標本アレイを製造することができる。
[シート状生体組織標本アレイ]
1実施形態において、本発明は、樹脂シートと、前記樹脂シート上に積層された、上記の生体組織標本アレイ切片とを備える、シート状生体組織標本アレイを提供する。
図4は、本実施形態のシート状生体組織標本アレイの構造を示す斜視図である。シート状生体組織標本アレイ400は、樹脂シート410と、樹脂シート410上に積層された生体組織標本アレイ切片100とを備える。
シート状生体組織標本アレイ400は、生体組織標本アレイ切片100の樹脂シート410と接する面と反対側の面上に、支持体420を更に備えていてもよい。
樹脂シート410の厚さは、例えば1〜10μm程度である。樹脂シート410の材質としては、生体組織標本の包埋に通常用いられる樹脂であれば特に制限されず、例えばパラフィンが挙げられる。樹脂シート410は、例えば、パラフィンのブロックをミクロトーム等で厚さ1〜10μm程度に切断すること等により作製することができる。
支持体420は、生体組織標本アレイ切片100又は樹脂シート410よりも大きな面積を有するものであってもよい。支持体420としては、例えばろ紙を好適に用いることができる。ろ紙としては、病理染色で通常用いられるものを使用することができる。ろ紙の厚さは、例えば0.5〜2mm程度であってよい。
シート状生体組織標本アレイ400は、樹脂シート410により生体組織標本アレイ切片100が支持されているため、標本アレイ切片100を破損することなく容易に流通させることができる。また、ガラス等の基板を含まないため、軽く、サイズも小さい。このため、場所を取らず保存も容易である。本実施形態のシート状生体組織標本アレイ400は、例えば4℃で長期間(例えば数か月間以上)保存することができる。
シート状生体組織標本アレイ400を用いることにより、生体組織標本アレイを容易に製造することができる。例えば、シラン剤、卵白グリセリン、1%アルブミン等の剥離防止剤を塗布したスライドガラス等の基板上に、シート状生体組織標本アレイ400の生体組織標本アレイ切片100側の面が接するように積層させることにより、生体組織標本アレイが得られる。
この場合、樹脂シート410は、病理染色時に通常行われる脱パラフィン処理により除去されるため、病理染色の妨げになることはない。
シート状生体組織標本アレイ400が支持体420を備える場合には、例えば、シート状生体組織標本アレイ400を水に浸すことにより、樹脂シート410及び生体組織標本アレイ切片100と、支持体420とを容易に剥離させることができる。
予め作製されたシート状生体組織標本アレイ400を使用することにより、生体組織標本アレイを製造するにあたり、生体組織標本アレイ切片を作製する労力を大幅に低減することができる。
本実施形態のシート状生体組織標本アレイの大きさは、ピンセット等で取り扱うことが可能であれば特に限定されず、例えば2mm×2mm〜25mm×25mm程度であってよい。
[シート状生体組織標本アレイの製造方法]
シート状生体組織標本アレイは、上記の生体組織標本アレイ切片を、樹脂シート上に積層する工程を備える製造方法により製造することができる。
より具体的には、まず、生体組織標本アレイ切片100を水に浮かべ、ろ紙上にすくう。また、樹脂シート410(例えば厚さ6μmのパラフィン)を水に浮かべ、別のろ紙上にすくう。続いて、生体組織標本アレイ切片100及び樹脂シートが対向するように、上記のろ紙同士を密着させ、例えば45℃程度に保温されたホットプレート上に載せて指で軽くプレスする。これにより、生体組織標本アレイ切片100と樹脂シート410とが接着する。
続いて、上面側のろ紙をゆっくり剥離することにより、シート状生体組織標本アレイ400(樹脂シート410及び生体組織標本アレイ切片100)が積層されたろ紙(支持体420)を得ることができる。シート状生体組織標本アレイ400はこのまま保存してもよい。
あるいは、シート状生体組織標本アレイ400が積層されたろ紙を再び水に浸すと、ろ紙を剥離させ、シート状生体組織標本アレイ400(樹脂シート410及び生体組織標本アレイ切片100)のみを水に浮かべた状態にすることができるため、この状態のシート状生体組織標本アレイ400をピンセット等で持ち上げて、新たなろ紙(支持体420)上に置いて乾燥させ、シート状生体組織標本アレイ400としてもよい。
[生体組織標本ブロック]
1実施形態において、本発明は、厚さ50〜500μmの生体組織標本切片が、厚さ方向に複数積層され、樹脂に包埋されてなる、生体組織標本ブロックを提供する。
図2(a)は生体組織標本ブロック200の構造を示す斜視図である。生体組織標本ブロック200は、厚さ(図2(a)におけるX方向)50〜500μmの生体組織標本切片110〜180が積層されて樹脂に包埋されたものである。
生体組織標本切片110〜180は、患者から採取された組織を、ホルマリン固定、脱水処理、脱アルコール処理、パラフィン浸透処理した後にパラフィン包埋したものを、厚さ50〜500μmに切断したものである。
[生体組織標本ブロックの製造方法]
1実施形態において、本発明は、樹脂に包埋された生体組織標本を厚さ50〜500μmに切断して生体組織標本切片を得る工程(a)と、前記生体組織標本切片を厚さ方向に複数積層し、樹脂に包埋して生体組織標本ブロックを得る工程(b)と、を備える、生体組織標本ブロックの製造方法を提供する。
まず、工程(a)について説明する。本工程においては、樹脂に包埋された生体組織標本を厚さ50〜500μmに切断する。
通常の生体組織標本切片は、樹脂に包埋された生体組織標本を、ミクロトーム等の装置を用いて厚さ約3〜4μmに切断することにより作製される。この場合においては、ミクロトームの刃の持ち上げ量を例えば4μmに設定し、予め氷で4℃以下に冷却しておいた生体組織標本を、室温(約25℃)に取り出した場合の温度差に起因する生体組織標本の膨張を利用して生体組織標本切片を得る。
ところが、本実施形態のように、厚さ50〜500μmの切片を作製する場合においては、上記の通常の条件では樹脂(例えばパラフィン)の粘りがなく、切片を得ることができない。
発明者は、通常、生体組織標本を氷で冷却するところを、生体組織標本の温度を30〜55℃に調節し、生体組織標本の膨張が安定した状態で、ミクロトームの刃の持ち上げ量を50〜100μmに設定して、生体組織標本切片を作製すると、生体組織標本が滑らかに削り取られ、きれいな切片が得られることを見出した。
生体組織標本の温度は、例えば35〜50℃であってもよく、例えば35〜45℃であってもよく、例えば40℃であってもよい。より詳細には、例えば、生体組織標本をアルミホイルに包み、霧吹きで水をふりかけた後に、所定の温度で蒸らしてから切片を作製するとよい。
続いて、工程(b)について説明する。本工程においては、厚さ50〜500μmに切断した上記の生体組織標本切片を複数積層し、樹脂に包埋して生体組織標本ブロックを作製する。
まず、工程(a)で作製した生体組織標本切片を水に浮かべ、スライドガラス上に載せる。続いて、このスライドガラスをホットプレートの上に置き、生体組織標本切片の伸展及びガラスへの密着を行う。この生体組織標本切片は第1層を形成する。ホットプレートの温度は45〜50℃に設定しておく。
続いて、工程(a)で作製した生体組織標本切片を水に浮かべ、ろ紙上に載せる。続いて、生体組織標本切片が載っている部分を下向きにして、第1層の生体組織標本切片に接触するようにして重ね合わせ、ろ紙を指で軽く押しつけて、第1層の生体組織標本切片に生体組織標本切片を密着させる。ここで積層した生体組織標本切片は第2層を形成する。
続いて、第2層の生体組織標本切片を積層させたのと同様の操作を繰り返し、生体組織標本切片を複数積層させる。積層させる生体組織標本切片の数は特に制限されないが、例えば50枚程度積層すると、コントロールとして非常に有用な生体組織標本ブロックを製造することができる。
本工程において、酸化防止及び変性防止の観点から、生体組織標本切片を浮かべる液体として、水の代わりに20v/v%グリセリン溶液を用いてもよい。
所定の数の生体組織標本切片を積層させた後、得られた標本を切断し、不要な部分をトリミングする。
図5(a)上段は、50枚積層した生体組織標本切片を示す写真である。図5(a)下段は、50枚積層した生体組織標本切片を切断した状態を示す写真である。図5下段の最も左に位置する標本は、標本を切断した後、反時計回りに90度回転させた状態を示す。当該標本の平面視において、図5(a)における左右方向に50枚の生体組織標本が並んでいる。図5(a)中の点線は、予定される切断部位を示す。標本は、例えば、5mm×5mm×5mm程度の大きさに切断すると取り扱いやすい。
続いて、不要な部分をトリミングして形を整えた標本を、再度樹脂に包埋して生体組織標本ブロックを得る。樹脂としては、例えばパラフィンが挙げられる。図5(b)は、樹脂に再度包埋処理中の生体組織標本ブロックを示す写真である。
次に実験例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
厚さ50μmの生体組織標本切片を50枚重ねて樹脂に包埋し、生体組織標本ブロックを製造した。続いて、生体組織標本ブロックを、生体組織標本の厚さ方向に幅4μmで切断し、生体組織標本アレイ切片を製造した。
得られた生体組織標本アレイ切片は、コントロールとなる50種の生体組織標本を含んでいた。また、省スペースであるため、試験対象の生体組織標本切片と同一のスライドガラス上に載せ、同一条件で免疫染色を行うことができた。
図6は、生体組織標本アレイ切片及び試験対象の生体組織標本切片(検体)を同一のスライドガラス上にのせた状態を示す写真である。
本発明によれば、1枚のスライドガラス上に試験対象の生体組織標本と共に載せることが可能な、集積度の高い生体組織標本アレイ切片を提供することができる。また、生体組織標本アレイ、シート状生体組織標本アレイ、生体組織標本ブロック及びこれらの製造方法を提供することができる。
100…生体組織標本アレイ切片、110,120,130,140,150,160,170,180…生体組織標本切片、200…生体組織標本ブロック、300…生体組織標本アレイ、310…基板、400…シート状生体組織標本アレイ、410…樹脂シート、420…支持体。

Claims (12)

  1. 長辺0.5〜25mm、短辺50〜500μm、厚さ1〜10μmである生体組織標本切片が、短辺方向に密着して複数並べられてなる、生体組織標本アレイ切片。
  2. 前記生体組織標本は、前記長辺方向及び前記短辺方向によって定義される面に5個/mm以上の密度で並べられている、請求項1に記載の生体組織標本アレイ切片。
  3. 病理染色の対照用である、請求項1又は2に記載の生体組織標本アレイ切片。
  4. 基板と、前記基板上に積層された、請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体組織標本アレイ切片とを備える、生体組織標本アレイ。
  5. 樹脂シートと、前記樹脂シート上に積層された、請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体組織標本アレイ切片とを備える、シート状生体組織標本アレイ。
  6. 厚さ50〜500μmの生体組織標本切片が、厚さ方向に密着して複数積層され、樹脂に包埋されてなる、生体組織標本ブロック。
  7. 樹脂に包埋された生体組織標本を厚さ50〜500μmに切断して複数の生体組織標本切片を得る工程(a)と、
    前記生体組織標本切片の1つを液体に浮かべて基板上に載せ、温度を45〜50℃に調整して生体組織標本切片の伸展及び基板への密着を行い、第1層の生体組織切片を形成する工程と、前記生体組織標本切片の別の1つを液体に浮かべてろ紙上に載せ、当該生体組織標本切片が載っている部分を前記第1層の生体組織切片に重ね合わせて押し付けて密着させることを繰り返し、前記生体組織標本切片を厚さ方向に密着させて複数積層し、樹脂に包埋して生体組織標本ブロックを得る工程(b)と、
    を備える、生体組織標本ブロックの製造方法。
  8. 前記工程(a)において、前記生体組織標本を30〜55℃の温度下で切断する、請求項7に記載の生体組織標本ブロックの製造方法。
  9. 厚さ50〜500μmの生体組織標本切片が、厚さ方向に密着して複数積層され、樹脂に包埋されてなる生体組織標本ブロックを、前記生体組織標本切片の厚さ方向に幅1〜10μmで切断する工程を備える、生体組織標本アレイ切片の製造方法。
  10. 厚さ50〜500μmの生体組織標本切片が、厚さ方向に密着して複数積層され、樹脂に包埋されてなる生体組織標本ブロックを、前記生体組織標本切片の厚さ方向に幅1〜10μmで切断して生体組織標本アレイ切片を得る工程と、
    前記生体組織標本アレイ切片を、基板上に、前記生体組織標本アレイ切片における前記生体組織標本の厚さ方向が基板と平行になるように積層する工程と、
    を備える、生体組織標本アレイの製造方法。
  11. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体組織標本アレイ切片を、基板上に積層する工程を備える、生体組織標本アレイの製造方法。
  12. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体組織標本アレイ切片を、樹脂シート上に積層する工程を備える、シート状生体組織標本アレイの製造方法。
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