JP6367451B1 - 焼結人工砂 - Google Patents

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Abstract

【課題】Al23−SiO2を主成分とした焼結人工砂において、融点が高く鉄溶湯と反応し難い機能を有する焼結人工砂の提供。
【解決手段】低融点組成の種類と量を制御し(特にK2Oを0.20%以下に制御し)Al23−SiO2系相平衡状態図において液相線よりマイナス50℃以内の耐火度を示すように構成する焼結人工砂。この状態図において、ムライトが晶出する組成が望ましく、Al23が40%〜60%の組成が更に望ましい。パンミキサ造粒後にロータリーキルンで焼結して製造することが望ましい、焼結人工砂製法。かさ比重が1.6g/cm3以下、特に1.515g/cm3以下の軽量で、アスペクト比が0.85以上の球状で、粒子強度が1000MPa以上で破砕されにくい、焼結人工砂。
【選択図】図1

Description

本発明は鋳造製品に用いられる鋳物砂に係わる。鋳造製品は世界で約1億t/年製造され、日本では約500t/年製造されている。鋳造製品の大部分は鉄系鋳物である。鋳物砂は鋳造製品を製造するために3〜10倍の量が必要である。鋳物砂は繰り返し使用するが、回収工程で製品に付着したり、再生工程で破砕したりして5〜30%のロスが生じる。これらは産業廃棄物として廃棄される。破砕によるロスを低減するために、破砕されにくい人工砂が開発されてきた。しかしながら、製品に付着するロスの対策は未実施である。また、従来の各種製法による人工砂はかさ比重が重く、鋳型とした際に重筋作業となる問題があるが、これの対策も未実施である。
鋳物砂は粒子集合体であることから任意の形状である鋳型に成型できること、溶湯を鋳型に注湯する際に鋳型内の空気やガスを排出する通気性を有すること、溶湯の熱に耐えうる耐火度を有すること、各種の溶湯成分に対して化学反応による焼付き欠陥が生じないこと、鋳物砂を鋳型とするための粘結剤量が少なくできる粒形(真球が望ましい)などの特性を有することこと、繰り返し再生して使用して環境負荷を低減できる粒子強度であること、鋳造時に鋳型の膨張が低く変形の問題が生じないこと、鋳型から鋳造製品の取り出しが容易なこと、などなどの特性が鋳物砂には必要である。
鋳型は金型と砂型に大別され、鋳物砂は砂型用である。鋳鋼、鋳鉄、銅合金などの高融点金属の鋳造は鋳物砂による砂型が殆どである。鋳造製品の大部分は砂型で生産されている。低融点合金であるアルミ合金ではダイカストや重力鋳造と称される金型鋳造が殆どである。
本特許では生産量が大規模である砂型用の鋳物砂に係わる。
鋳物砂は、砂型の名称の由来である硅砂が最も使用される。硅砂は石英(シリカ、SiO2)が主な鉱物組成である。二次鉱物組成として、Al23−SiO2系の鉱物である長石、雲母、粘土鉱物など)である。その他、硅砂以外の鋳物砂として、オリビンサンド、ジルコンサンド、クロマイトサンド、アルミナサンド(粉砕タイプ)、カーボンサンド、鉄鋼ショット玉、炭化珪素砂、スラグサンド(フェロニッケル系、フェロクロム系、高炉スラグ系など)、最近開発された人工砂(ムライト系、アルミナ系、ジルコンミックス系など、セラミックサンドとも言う)などが使用されている。
鋳物砂は鋳造品を製造するための副資材であることから、まず、安価であることが要求され、機能として第一に鋳造時に鋳造欠陥がなく製品留まりが高いことが要求される。これは鋳物砂と鋳造品との反応が無いことである。また、環境適応型の社会実現が急務なことから、省資源性が高いと共に省エネルギー性が高いことが望まれる。具体的には、製品に付着してライン外に排出される鋳物砂をし得ると共に、鋳物砂を製造する際に消費されるエネルギーを削減し得ることが望まれる。次いで、再生・回収して繰り返し永久的に使用できる高強度粒子が望まれ、石英系の硅砂使用に伴う人体に悪影響な遊離珪酸発生が生じないことも望まれている。また当然、従来鋳物砂に要求される各種特性を具備している必要がある。1990年頃に人工砂が開発されたことで、石英系の砂と比較して、上記は全般的には改善されてきたが、永久的に使用するためには耐火度に起因する溶湯と鋳物砂の反応防止や製品に付着してライン外に流出することの対策が未だ不十分である。また、従来の人工砂は重いことから、重筋作業となり、人工砂の軽量化の対策が急務である。
特許文献1では、1400〜1750℃でAl23:20〜70%、SiO2:80〜30%の混合原料を焼結して、球状の鋳物砂製造技術が示されている。
特許文献2では、1600〜2200℃で原料を溶融させてアトマイジングすることで、Al23:40〜90%とSiO2:60〜10%組成の合成ムライト鋳物砂製造技術が示されている。
特許文献3では、焼成ボーキサイト等のAl23−SiO2系原料を溶融させてアトマイジングすることでアルミナ結晶鋳物砂製造技術が示されている。
特許文献4では、粉末粒子を火炎溶融法で溶融し、Al23−SiO2の重量比率が1〜15である球状鋳物砂製造技術が示されている。
特許文献5では、火炎溶融法で製造し、Al23及びSiO2が主成分でNa2Oの含有量が0.1重量%以下、K2Oの含有量が0.3重量%以下、CaOの含有量が0.5重量%以下、MgOの含有量が0.1重量%以下、Fe23の含有量が2重量%以下、TiO2の含有量が5重量%以下であり、溶出アルカリ量が0.41μmol/g以下であり、ウレタンバインダーと共に用いられる球状鋳物砂である製造技術が示されている。
上記の特許文献1〜4ではAl23−SiO2相状態図の組成で製造されるものであるが、耐火度については夾雑鉱物の影響を制御する発想が認められない。また、粒子内部が粗で粒子表面が緻密とする発想が認められない。すなわち、本発明が制御するK2Oや粒子構造についての発想は認められない。
上記の特許文献5では、その明細書段落0004、0029、0030、0044などに記載されているように、ウレタンバインダー特有の課題である可使時間延長効果を発揮する鋳物砂が提案されている。より詳しくは、コールドボックス法のようにウレタンバインダーを用いて鋳型を製造する場合では、フェノール樹脂成分とポリイソシアネート成分とを混合後、気体状のアミンを通気させることで鋳型を硬化させるが、アミンの通気前に、ウレタン化反応が徐々に進行して、硬化し始める恐れがあり、可使時間が短くなってしまうという課題を解決した鋳物砂が提案されている。この特許文献5では、可使時間に大きく影響を及ぼす溶出アルカリ量を測定することが好ましいとし、特に、溶出アルカリ成分の中ではCa分の影響が大きいと指摘して、これを低減することが好ましいとした上で、鋳物砂組成中のNa2O、K2Oの含有量としては、それぞれ好ましくは0.8重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更に好ましくは0.3重量%以下であるとしている。このように特許文献5では、可使時間と夾雑物との関係を、ウレタンバインダー特有の課題である可使時間延長効果で考察し、Ca分の影響が大きいことが示され、K2Oについても触れてはいるが、Fe23、TiO2、K2O、Na2O等の金属酸化物と溶出アルカリの関係について、個々の金属酸化物の役割についての証明をしていないし、耐火度との関係については何らの示唆も与えていない。
また、特許文献5に係る鋳物砂は、火炎溶融法で製造しているために粒子が重くなり、軽量粒子構造では無い。
特開平4-367349号公報 特開2003-251434号公報 特開2005-193267号公報 特開2004-202577号公報 特許第4877923号公報
本発明は、Al23−SiO2を主成分とした焼結人工砂において、融点が高く鉄溶湯と反応し難い機能を有する焼結人工砂の提供を図ることを課題とする。
本発明の他の目的は、省資源性が高くて省エネルギー性にも優れる焼結人工砂の提供を図ることにある。
本発明のさらに他の目的は、ハンドリング性に優れ、重筋作業を低減できる焼結人工砂の提供を図ることにある。
本発明は、Al23−SiO2と、原料中の夾雑物として含有される低融点組成とを含有した焼結人工砂の改良に関するものであり、前記低融点組成の種類と量を制御することで、前記焼結人工砂が、Al23−SiO2系相平衡状態図において液相線よりマイナス50℃以内の耐火度を示すように構成した焼結人工砂を提供することによって上記の課題を解決するものである。
また本発明は、Al23とSiO2と夾雑物として含有される低融点組成とを含む原料を焼結させることにより焼結人工砂を製造する方法において、Al23−SiO2系相平衡状態図において、前記低融点組成の量を制御することで、液相線よりマイナス50℃以内の耐火度の焼結人工砂を得ることを特徴とする焼結人工砂の製造方法を提供する。
本発明において、低融点組成とは、鋳込まれる金属の鋳込み温度(例えば鋳鋼であれば1550℃)よりも低い融点を有する組成を言う。この低融点組成は、例えば、原料中に表1に示したような塩基性酸化物や弱塩基性酸化物として存在し、具体的にはNa2O、K2O、FeOを例示することができる。
特にK2Oは、その融点が著しく低く、原料の鉱物に夾雑物として含有される量も多く、融点降下作用が大きい組成であると認められる。K2Oの量をコントロールすることによって、焼結人工砂がAl23−SiO2系相平衡状態図において液相線よりマイナス50℃以内の耐火度を示すように構成するために極めて有効であることを本発明者は知見し、この知見を出発点として本発明を完成させたものである。
特に、本発明は、Al23−SiO2系相平衡状態図において、初晶としてムライトが晶出する組成において、前記低融点組成としてのK2Oを0.20%以下にコントロールすることによって、焼結人工砂がAl23−SiO2系相平衡状態図において液相線よりマイナス50℃以内の耐火度を示すように構成した焼結人工砂を提供する。
焼結人工砂は、ムライト結晶間に結晶の重なり合いの隙間が存する結晶間構造を備えていることがその構造上の特徴である。具体的には、図3に示すように、焼結人工砂には柱状晶であるムライト結晶の重なり合い(配向構造やカードハウス構造)の結晶構造由来の隙間が存在する。本発明にあっては、結晶構造由来の隙間が存する結晶間構造を備えた焼結人工砂を対象とする。
これに対して、例えば特許文献5に示されたような溶融法により得られた人工砂では、ムライトなどの結晶の周りが非晶質で取り囲まれており、ムライト結晶同士の間には非晶質が存在しており、ムライト結晶の重なり合いの隙間(結晶構造由来の隙間)が存在しない結晶間構造を示す。このように溶融法人工砂では、ムライト結晶同士の間には非晶質が存在する結晶間構造を備えているため、かさ比重が大きくなるのに対して、本発明の焼結人工砂にあっては、結晶の重なり合いの隙間が存する結晶間構造を備えているため、1.6g/cm3未満のかさ比重に抑えることができる。特に、かさ比重を1.515g/cm3以下とすることによって、重筋作業からの解放に効果的である。
また、Al23−SiO2系相平衡状態図においては、Al23とSiO2との比率は特には問わないが、Al23が40%〜60%の組成であることが、合金の鋳込み温度を考えると十分な耐熱性を示す点で特に実用的である。
さらにまた、アスペクト比が0.85以上の球状の焼結人工砂とすることによって、比表面積が小さくなり、粘結剤による強度発現が大きくなる点で有利である。また、粒子強度を1000MPa以上とすることで、繰り返して長期間使用でき、天然資源保護の観点から低環境負荷の鋳物砂を提供し得るものである。
更には、本発明の実施に際しては、粒子表面が、粒子内部に比して、空隙が少なく緻密な構造を示すものとすることが望ましい。この構造によって、上記のように真球度が高く良好な粒形であることと相まって、粘結剤使用量が低減できる。これにより鋳造時に粘結剤の熱分解ガスが少なく、環境汚染や人体に対する影響の少ない環境を構築できる。
本発明に係る焼結人工砂は鋳造用に使用される鋳物砂であることから、粘結剤を添加して鋳物砂とし、これを造型して鋳型して使用される。例外的に減圧や凍結などの粘結剤を添加しない鋳型もあるが、これらにも本発明に係る焼結人工砂は適用することができる。
本発明は、人工砂の中でも溶湯と反応し難い特性を有する球状の焼結人工砂を提供することができたものである。具体的には、Al23−SiO2系相平衡状態図において液相線よりマイナス50℃以内の耐火度を、焼結人工砂が示すように、低融点組成の種類と量を制御することで、鉄系溶湯と反応し難い機能を有するものである。これにより、鋳造後に鋳造製品に付着してライン外に排出され、産業廃棄物となる製品付着砂の発生量を減少させることができる。更に、鋳型と溶湯の反応による鋳造欠陥である焼付き欠陥を防止し、欠陥として廃棄される鋳造製品を少なくさせることができる。
よって本発明は、省資源性が高いと共に、鋳物砂を製造する際に消費されるエネルギーを削減することができたものであり、省エネルギー性にも優れる焼結人工砂を提供することができたものである。
本発明は、上記のように高い耐熱性を有することは勿論、その比重が比較的小さな焼結人工砂であり、ハンドリング性に優れ、重筋作業を低減できる焼結人工砂を提供することができたものである。
また、本発明の焼結人工砂は、ムライト結晶の重なり合いの隙間(結晶間に存在する10ミクロン未満の微細な結晶構造由来の隙間)が存在する結晶間構造を示し、焼結人工砂粒子の内部に適切な空隙(粒子の強度に与える影響が殆ど無く、実用上問題とならない空隙)を有する。そして、本発明の実施に際して、粒子表面が、粒子内部に比して、空隙が少なく緻密な構造を示すものとすることも可能であるため、発明の焼結人工砂は軽量で有りながら、粒子強度が高く破砕されにくい特性を有するものとしても実施することができる。
本発明の組成であるAl23−SiO2系相平衡状態図である。 本発明で解決すべき鉄系溶湯と鋳型との反応の説明図である。 本発明の焼結人工砂の構造を示す顕微鏡写真である。 本発明の実施例-の測定に用いた微小強度試験機の外観図と、粒子強度測定の概念図である。 表3における本発明の効果をAl23−SiO2系相平衡状態図の初晶ムライト域でK2Oの耐火度に与える影響を示すグラフである。 表3における本発明の効果をAl23−SiO2系相平衡状態図の初晶アルミナ域でK2Oの耐火度に与える影響を示すグラフである。 本発明の実施例-の評価に用いた製品付着砂を測定するための鋳込み試験片用の鋳型(名工試型すくわれ試験片)の模式図である。
以下、図表を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(Al23−SiO2系相平衡状態図の組成と鋳物砂)
鋳物砂として使用するためには、鋳造する金属の融点よりも高くする必要がある。鋳物砂が鋳造時に融点に達して液体となると金属と混合したり、反応したりするためである。砂型に鋳造する金属は、純金属を例に挙げるとマグネシウム(651℃)、アルミニウム(660℃)、銅(1083℃)、ニッケル(1455℃)、鉄(1539℃)、クロム(1900℃)である。なお、ニッケルやクロムは鉄が母合金の合金であり、鉄の融点に近くなる。また、鋳鉄とは鉄に炭素、シリコンを加えたもので、最も低い融点は1120℃前後である。
鋳造時には金属(合金)の成分調整のために融点以上の高温度とし、成分調整後には溶湯処理工程を経て、湯流れ性(鋳込み時途中で金属が凝固しない)のある温度として砂型に鋳込む。この温度が鋳込み温度である。従って、鋳物砂に求められる耐火度(融点)は鋳込み温度が基準となる。最も生産量の多い鋳鉄の鋳込み温度は凡そ1340〜1440℃である。鋳鋼は材質により異なるが凡そ1550〜1650℃である。アルミ合金は凡そ580〜680℃である。鋳鋼は最も高温で溶湯と砂型の反応性が高く、砂型は塗型(耐火性塗料)を砂型に塗布することが必須である。この塗型は化学的焼付き欠陥対策である。鋳鉄は、細粒の6号砂以上を使用する砂型では原則塗型が不必要であり、粗粒の5号砂を使用する砂型では塗型が必要である。この塗型は物理的焼付き欠陥対策である。アルミ合金は鋳込み温度が低く、塗型は原則不必要である。
上記の合金の鋳込み温度を考えると、Al23−SiO2系相平衡状態図の組成である融点の鋳物砂であれば、十分な耐熱性と考えられる。図1にAl23−SiO2系相平衡状態図を示す。固相線はSiO2+ムライトが1587℃±10℃であり、ムライト+Al23は1890℃±10℃である。前述した様に、鋳造用金属では、鋳鋼の鋳込み温度である1550〜1650℃に、鋳型が耐えることができれば良く、鋳型の鋳込み時の温度上昇は鋳込み温度よりやや低くなることから、Al23−SiO2系相平衡状態図の組成の人工砂の融点で実用上は十分と言える。特に、Al23が40%〜60%の組成である領域が実用上好ましい。
なお図1は、山口明良:アルミナ系耐火物 現状と今後(岡山セラミックス技術振興財団)( 2007)3によるAl23−SiO2系相平衡状態図である。
(溶湯と鋳物砂の反応のメカニズム)
鋳鉄や鋳鋼溶湯と鋳型との反応を図2に示す。これは焼付き欠陥のうち、化学的焼付き欠陥について説明したものである。
まず、溶湯中のFe、Mn、Mgなどが大気中の酸素や鋳型中の水蒸気などにより酸化して液体の酸化物となる。鋳型中のSiO2が耐火度の低さにより溶融して液体となる。これら酸化物が混じり合って混合融体となると非晶質のスラグとなる。更に、反応が進むとファイアライト、テフロイト、フォルステライトの低融点物質となる。スラグや低融点物質が生成することで、鋳造欠陥である焼付き欠陥が生じる。また、軽微な場合は、製品に付着する鋳物砂が増加して、ライン外への持ち出しとなり、産業廃棄物を増加させる。
(Al23−SiO2系相平衡状態図の組成の人工砂の耐火度を低下させる物質)
Al23−SiO2系相平衡状態図の組成の人工砂は、珪酸塩鉱物であるカオリナイト(Al4Si4O10(OH)8)に、酸化鉱物であるアルミナ(Al23)で調整して製造することが、一般的である。工業的には珪酸塩鉱物も酸化鉱物も天然鉱物が利用されている。天然鉱物はアルカリ金属(Na、Kなど)やアルカリ土類金属(Mg、Caなど)を含む珪酸塩鉱物などが夾雑物として含まれ、これらの夾雑物がAl23−SiO2の純度を低下させている。
表1に酸化物の性質と融点を示す。
珪酸塩鉱物は酸性酸化物のシリカ(SiO2)と、塩基性酸化物のMgO、CaO、Na2O、K2Oなどからなる。表1ではその他の酸化物も併せて融点を示している。これによると鋳鋼の鋳込み温度(凡そ1550〜1650℃)よりも低い酸化物はNa2O(1132℃)、K2O(490℃)、FeO(1377℃)であり、特にK2Oの融点が著しく低い。表1の塩基性酸化物や弱塩基性酸化物はAl23−SiO2系相平衡状態図において融点降下作用がある低融点組成であり、これらの低融点組成の中でも、K2Oが融点降下作用が高いと考えられる。
(粒子強度の必要性)
鉱物は物質毎にモース硬度で表される硬さの指標を持っている。例えば、鋳物砂の代表的な鉱物を以下に挙げる。正長石KAlSi38(モース硬度6前後)、酸化鉄Fe23(モース硬度6前後)、酸化マグネシウムMgO (モース硬度6.5前後)、酸化クロムCr23 (モース硬度6〜7)、酸化ジルコニウムZrO2 (モース硬度6〜7)、石英SiO2(モース硬度7前後)、溶融石英SiO2(モース硬度7前後)、ムライト3Al23・2SiO2(モース硬度7.5)、アルミナ・コランダムAl23(モース硬度8〜9)である。
代表的な鋳物砂は硅砂であり、石英と長石からなることから、モース硬度は6前後〜7前後である。酸化ジルコンからなるジルコンサンド、酸化クロムからなるクロマイトサンドは、鋳造業界では硅砂と比較して、硬いとされているが、モース硬度は石英よりも低い。また人工砂の代表的なムライトは石英より硬くモース硬度7.5程度であり、アルミナはモース硬度8〜9であり、更に石英より硬い。ムライトやアルミナは鋳造の製造時に鋳物砂が受ける応力よりも粒子強度が高いことから、破砕し難い鋳物砂であり環境適応型と言える。一方、硅砂は5%〜30%破砕することから環境適応型ではない。
このように、ムライトやアルミナは、Al23−SiO2系相平衡状態図に含まれることから、この状態図に従って人工砂を製造することで、破砕されにくい環境適応型の人工砂とすることができる。
(人工砂の製法)
表2に人工砂の製法について示す。
(1)焼結法
およそ5t/年の生産量で、日本とアメリカで生産されてるムライト系人工砂の製法である。燃料バーナによりロータリーキルン内を1400℃〜1700℃に加熱する。加熱温度は組成により異なる。夾雑物のアルカリ成分を少なくしたSiO2とAl23原料をムライト化する比率(3Al23・2SiO2)で配合し、微粉末とした粒子を鋳物砂のサイズに造粒したものをロータリーキルン内で焼結する。造粒方法は表2に示す様に3種類あり、それぞれ粒子の緻密性や表面状態が異なる。ロータリーキルン中ではムライトの融点(約1850℃)以下でムライトを合成する。工業的な制約のために、合成時に原料の全てがムライトにはならず非晶質として存在する。メーカによりムライトの含有量やその他の成分や非晶質の量が異なる。ムライトを85%以上とすることと、緻密な粒子とすることが望ましい。
焼結法では、造粒した粒子からムライト結晶を析出させる。析出させる温度はムライトの融点以下である。この製法では下記の二種の空隙が粒子内に存在する。
図3に焼結人工砂の二種類の空隙を示す。
図3は本発明の焼結法人工砂に対して、高解像度の走査電子顕微鏡(SEM)を用い、2000倍にて組成像を撮影したものである。撮影箇所は人工砂粒子表面である。なお、後述する表3中の粒子表面では低解像度の走査電子顕微鏡で撮影しており、焼結人工砂の表面の柱状ムライト結晶と結晶構造由来の隙間を伺うことができる。これと比較して溶融風砕法人工砂の表面はガラス化しており、結晶構造由来の隙間は認められない。
第1の種類の空隙は、前述の結晶構造由来の隙間である。具体的には、柱状晶であるムライト結晶の重なり合い(配向構造やカードハウス構造)の間にできる隙間である。これはシングルミクロンのクリアランスであることから粒子の強度に与える影響は殆ど無く、実用上問題となるものでは無い。この結晶構造由来の隙間の存在は粒子のかさ密度を低下させる要因である。
第2の種類の空隙は焼結時の空隙である。造粒物中の空気、水分、原料の結晶水などや造粒物の圧密不足による隙間などにより、焼結時に粒子内に生成した空隙である。この焼結時の空隙は、数十ミクロン以上の大きさであることから、焼結時の空隙が多くなると粒子強度が低下する。
このように、空隙には、結晶構造由来の隙間と焼結時の空隙とがあるため、本書において、単に空隙と言えば、結晶構造由来の隙間と焼結時の空隙の両者を含むものとして説明し、両者を区別するときには結晶構造由来の隙間と焼結時の空隙とを使い分けるものとする。
本発明の実施に際しては、結晶構造由来の隙間を備えた人工砂を効率的に得るために、焼結法により人工砂を製造することが有利である。造粒法については、パンミキサ造粒法、スプレードライヤ造粒法など、種々の造粒方を採用することができるが、パンミキサ造粒法を用いることによって、粒子表面が、粒子内部に比して、空隙が少なく緻密な構造を示すものとすることが容易であり、粒子強度の向上などの点で有利である。
(2)溶融風砕法
溶融風砕法の黒鉛電極接触溶融法は最も生産量の多い人工砂の製法である。溶融風砕法は単に溶融法とも呼ばれる。現在約10t/年が製造されていると思われる。この鉱物組成はムライト+Al23である。図1においてムライトよりも液層線が高いことから、高温度が得られるアーク炉で製造している。ばん土けつ岩(Alum Shale :Al23を75%前後含む中国産ボーキサイト)が原料である。原料を黒鉛電極の上に投入し、ジュール熱により溶解する。また、プラズマアークも発生しているのでこのアーク熱によっても原料は溶解される。溶融温度は2000℃以上である。溶湯は黒鉛電極の下方に流れ落ち、オリフィスから排出され、直後にアトマイジング(風砕あるいは噴霧急冷)される。空中にて液体の表面張力により球状粒子となり、急冷されて人工砂となる。急冷されることから、結晶化されずに非晶質で残る量が比較的多い。
アーク炉溶融法は炉体中に原料をチャージし、黒鉛電極間のアーク放電によるアーク熱で原料を溶解して溶湯とする。出湯の直後にアトマイジングを行い、人工砂粒子を得る。炉体の耐火物はセルフライニングとすることが多く、耐火物の融点の影響を受けず高耐火度原料が溶解可能である。炉中で成分調整が可能であることから、Al23が80%、ZrO2が10%と言った高耐火度人工砂の製法に用いられる。中国で製造されており、生産量は約0.5t/年と思われる。
溶融風砕法では、ムライトの液相線以上の温度としていることから、ムライトやアルミナは液体となる。液体から結晶が晶出し、急冷のために晶出しない場合は非晶質となる。殆どの製品は結晶の周りが非晶質で取り囲まれており、焼結法の結晶間のシングルミクロン乃至サブミクロンのクリアランスが存在しない。これにより、かさ比重が大きくなる。また、ミクロン以上のガスによる空隙は存在しないか、存在する場合はガスの巻き込みによる気泡である。
(3)火炎内溶融法
これも中国で生産されており、生産量は約0.5t/年と思われる。火炎内溶融法は、溶融風砕法同様に単に溶融法とも呼ばれる。純酸素燃焼バーナを用いおよそ3000℃の火炎の中に、あらかじめ造粒あるいは所定のサイズに粉砕した原料粒子を燃料噴霧方向から火炎中に投入し、火炎内で粒子を溶融させて表面張力により球状粒子とし、火炎通過後の冷却中に結晶化させて球状人工砂とする製造方法である。ムライト、アルミナ、ムライト+クリストバライトなどの人工砂が製造されている。焼結法と比較すると緻密な粒子を製造しやすい。火炎の中の滞留状態や通過後の冷却状態などにより、結晶化や非晶質化が異なる。どちらかと言うと非晶質が多い。これを利用して、耐火度の高く安定相である非晶質シリカを製造することもできる。
液相線以上で溶融するために、粒子は溶融風砕法とほぼ同一となる。結晶間のシングルミクロン乃至サブミクロンのクリアランスが存在しない。これにより、かさ比重が大きくなる。ただし、火炎内を噴霧するために、エアーの巻き込みで気泡が生じ易いが、焼結法の様な均一な空隙とはならない。
(良好な粒形を有する鋳物砂の必要性)
表3に硅砂と人工砂の粒形、安息角を示す。
硅砂の中では粒形が良いオーストラリア産硅砂と、焼結人工砂と溶融風砕法人工砂との3種類を比較して示した。人工砂は硅砂と比較すると共に粒形は球に近い。焼結法では粒子を球状に造粒してから焼結して更に球状としているもので、本発明に係る焼結人工砂は、アスペクト比が0.85以上の球状をなすものであることが好ましい。溶融風砕法では耐火物原料を溶融して液体とし、表面張力により球状としている。球状であることから、比表面積が小さくなり、後述する粘結剤による強度発現が大きくなる。溶融風砕法が最も真球に近く、粒子の表面状態滑らかであり、ポーラスな箇所は無い。
焼結人工砂では表3の粒子表面のSEM像のように微細なポーラス箇所があり、これが内部まで続いている。硅砂の表面も同様に観察されるがこれは表面だけで内部はポーラスではない。
また、人工砂の安息角は焼結人工砂、溶融風砕法人工砂の順序で低下する。これにより、鋳物砂の流動性や鋳型としての充填が良好となる。
(物理的焼付き対策用塗型、化学的焼付き欠陥対策用塗型)
塗型を施すかどうかは、物理的焼付き欠陥対策と化学的焼付き欠陥対策の二つの観点から決められる。大物鋳物を生産する際は、鋳型内のガスを溶湯と置換するために粒子サイズを大きくして砂型の通気性を確保する。この時、砂粒間隙に溶湯が物理的に浸透することを防止するのが物理的焼付き欠陥対策用の塗型である。従って、本発明に係る焼結人工砂においても粒子サイズが大きくなると物理的焼付き欠陥対策用の塗型が必要となる。
溶湯と鋳型の化学反応による焼付き欠陥の塗型とは、砂型と溶湯の反応を防止する塗型である。砂型と溶湯が反応するためには、ともに液体であることが必要である。溶湯は液体である。砂型が液体となることは、溶湯の熱で鋳物砂が溶けたことを意味する。本発明では化学的焼付き欠陥のない、溶湯の熱によっても溶けない耐火度焼結人工砂による鋳物砂を提供するものであることから、化学的焼付き欠陥対策用の塗型は不要となる。
(粒子の粒度調整)
本発明は鋳物砂に係わるものであることから、20から1200ミクロンの粒子径からなる粒度範囲の粒子に調整することが望ましい。一般的に、106〜600ミクロンが鋳物砂として使用される。生型で生産される比較的小物の量産鋳物は150〜300ミクロンの鋳物砂が主体である。自硬性鋳型などで生産される比較的大物鋳物は300〜600ミクロンの鋳物砂が主体である。Vプロセスは106ミクロン前後である。なお、20〜106ミクロンは微砂と称して鋳物砂の補助的な粒度調整などの添加剤として使用される。850〜1200ミクロンはバックアップ用や裏砂として使用される。この様に鋳物砂は造型プロセスにより使用する粒度が異なる。
(鋳物砂と鋳型)
本発明に係る焼結人工砂は鋳造用に使用される鋳物砂であることから、粘結剤などの他の物質を常方法に従って添加することにより鋳物砂を得ることができる。そして、得られた鋳物砂を造型して鋳型を製造することができ、種々の金属の鋳造に使用される。例外的に減圧や凍結などの粘結剤を添加しない鋳物砂及び鋳型もあるが、これらにも本発明に係る焼結人工砂は適用することができる。
後述の実施例では、鋳物砂としての評価(粒子強度,粒形,耐火度など)と、鋳型としての評価(製品付着砂、鋳造欠陥の有無)をも示す。鋳造製品は、鋳物砂の中でも生型砂(ベントナイトを粘結剤)により最も多く生産されていることから、鋳型としては生型で評価した。
(空隙率の測定方法)
粒子の空隙率は、70mesh(212ミクロン)に分級した粒子を水平に置き、その上より樹脂埋めを行い、粒子を約106ミクロン研磨して、粒子の中心の断面とした。次いで、走査電子顕微鏡で組成像を撮影した。粒子のおよそ10粒に対して、白黒二値化により空洞と粒子マトリックスを分け、空隙率を黒の比率とした。なお、粒子の外周の黒色やノイズによる黒色は手作業で除去した。
砂粒の撮影は40倍の倍率で約100粒子を観察して、空隙の存在を確認し、平均的な空隙を有する粒子については250倍の倍率で組成像を撮影して、二値化により空隙率を求めた。250倍の倍率ではムライト柱状晶は解像度の関係で撮影できない。つまり、この倍率での走査電子顕微鏡では、ナノ単位の空隙は撮影され難いため、結晶構造由来の隙間と焼結時の空隙のうち、焼結時の空隙の比率が空隙率となる。なお、溶融法では空隙の無い粒子があり、空隙も気泡巻き込みにより生じるために、「空隙無し粒子」と「気泡巻き込み粒子」に分けてその比率を求めた。空隙率については空隙無し粒子の存在により、平均的な粒子を見いだせなかったために算出していない。
(かさ比重の測定方法)
かさ比重の測定は、中小企業事業団が平成11年5月に発行した「鋳型および鋳型材料に関する試験方法」に規定される「S−10鋳物砂の充填性(かさ比重)試験法」に準じて測定した。異なる点は投入容器であり、これは「S−5鋳物砂の流動度試験法」に定められたフォードカップ♯4を用いた。つまり、かさ比重と流動度の同時測定である。
かさ比重にあっては、空隙の構造とは無関係に結晶構造由来の隙間と焼結時の空隙の両者を含む空隙が多いほど、かさ比重が小さくなる傾向を示す。
(粒子強度の測定方法)
図4に微小強度試験機の外観と粒子強度測定の概念図を示す。用いた試験機は電磁力式微小強度試験機(以下、微小強度試験機)である。最大荷重容量が50Nであり、一定変位速度1mm/分の条件で負荷を加えた。粒子強度は試料一粒毎に顕微鏡で撮影して長径と短径を求めた後、微小強度試験機を用いて最大破壊荷重を測定した。
最大破壊荷重から粒子強度を求めるには試料粒子の断面積を知る必要である。ここで言う断面積とは圧縮試験時の加圧板と試料粒子の接触面積である。しかしながら、試料粒子は不整形粒子であるためにその接触面積は一定で無い。そこで、本報告では試料粒子を楕円体と仮定して断面積を求め、圧縮強度を算出する方法を用いる。鋳物砂粒子の長径(2a)と短径(2b)は顕微鏡写真から実測した。鋳物砂粒子高さ(2c)と破壊時の加圧板の位置(2c-2d)は微小強度計の読み値である。粒子強度(σK)は以下により算出した。
σK=P/S
ここに、σK:粒子強度、P:破壊荷重、S:変位dにおける楕円体断面積(加圧板と粒子の推定接触面積)である。
(人工砂,硅砂の粒子強度,アスペクト比,顕微鏡写真)
人工砂が硅砂と比較して、繰り返し使用時の産業廃棄物が少ないことや、粘結剤添加量が少なく環境に良いことを、表4(a)表4(b)より述べる。
上述のように、本発明の実施の形態に係る焼結鋳物砂は、鋳鉄溶湯と反応し難い機能を有することから、鋳造後に鋳造製品に付着してライン外に排出される製品付着砂の量が極めて少なくなることで産業廃棄物が低減でき、溶湯との反応による鋳造欠陥が減少することから製品歩留りが向上し、軽量であることから重筋作業の低減、粒形が良いことから粘結剤添加量の低減、粒子強度が高いことから破砕されて産業廃棄物となる量の低減が見込まれるなどの種々の利点を有するものであり、これを本発明の実施例-と比較例とを挙げて以下説明するが、本発明はこれらの実施例-に限定して理解されるべきではない。
(実施例-1〜5)
実施例-1〜5は、焼結法(パンミキサ造粒法)で製造したもので、高純度カオリナイトと高純度アルミナを組み合わせて、K2Oを0.20%以下に制御して製造したものである。
具体的には、夾雑物としてK2O含有量の低い高純度カオリナイト原鉱用い、選鉱及び焼焼後に微粉砕してスラリーとし、スプレードライヤで乾燥と水分調整を行い粒子とする。この粒子は緻密では無く、表面も滑らかでは無い。次いで、パンミキサで緻密かつ滑らかな粒子サイズが凡そ100〜300μmに造粒する。次いでロータリーキルンを用いで1350℃〜1850℃の所定の範囲で1〜3時間焼成してシリカ+ムライト系焼結人工砂とした。焼成温度や焼成時間はムライトが生成する条件である。冷却後に分級して、鋳造用として使用可能な粒度としている。以下の実施例-では原料の成分が異なるが、製法は同一である。なお、カオリナイトなどからムライトが生成する温度は凡そ1000℃からとされていることから、本実施例-の温度以下においても焼成時間を長くすることで同一の焼結人工砂を製造できる。
実施例-1〜5の詳細な化学成分を表5に示すが、実施例-1の焼結人工砂では、SiO2:51.4%,Al23:40.7%,K2O:0.09%である。前掲の表4に示したように、空隙率は2.6%、アスペクト比は0.906、かさ比重は1.502g/cm3,粒子強度は1565MPa、アスペクト比は0.91である。内部に微細な空隙は有するが粒子表面は緻密であり、軽量の極めて硬い球状焼結人工砂である。
実施例-2は、実施例-1のK2O含有量の低い高純度カオリナイト原鉱に、高純度アルミナフラワーをブレンドして、Al23−SiO2を調整したものである。化学成分は表5に示し、SiO2:44.3%,Al23:49.8%,K2O:0.11%である。表4に示したように、空隙率2.1%、アスペクト比0.886、かさ密度1.499g/cm3、粒子強度は1671MPa、アスペクト比は0.89であり、軽量で極めて硬い球状人工砂である。
実施例-3〜5も、実施例-2と同様の製造方法で得られたもので、若干、純度の低いアルミナフラワーを用いK2Oを増加させたものである。それぞれの化学成分等を表5に示す。
(比較例-1〜6)
比較例-1〜3は、実施例-1、2と同様に焼結人工砂である。比較例-4〜6は、溶融人工砂であり、比較例-4、5は溶融粉砕法で、比較例-6は火炎内溶融法によるものである。これらの化学成分などを表5に示す。
比較例-1は表2の焼結法(スプレードライヤ造粒法)で製造されたムライト系人工砂であり、上市されているものである。比較例-1の詳細な化学成分は表5に示し、SiO2:37.5%,Al23:55.8%,K2O :0.23%である。空隙率は16.7%、アスペクト比は0.834、かさ比重は1.534g/cm3、粒子強度は955MPaである。空隙率が実施例-1、2と比較して高い。アスペクト比も0.850以下であり、粒形が悪い。また、粒子表面が緻密で無いために空隙が外部に開放されている。そのためか、実施例-1、2と比較して粒子強度が低い。また、空隙率が高いにもかかわらず、かさ比重が1.534g/cm3と高い。これはSiO2と比較して比重の重いAl23が多いための影響、及びムライト結晶のシングルミクロンのクリアランスが少ないことが原因と思われる。
比較例-2は比較例-1と同様に焼結法(スプレードライヤ造粒法)で製造されたムライト系人工砂であり、上市されているものである。比較例-2の詳細な化学成分は表5に示し、SiO2 :37.0%,Al23 :56.3%,K2O :0.24%である。空隙率は9.8%、アスペクト比は0.820、かさ比重は1.533g/cm3、粒子強度は836MPaである。比較例-1と同様に実施例-1、2と比較して、粒形が悪く、粒子強度が低く、かさ比重が重い(表4参照)。
比較例-3は比較例-1、2と同様の製法で、最終工程に表面磨鉱工程を追加して、粒形などを改善したものである。SiO2 :39.8%,Al23 :57.8%,K2O :0.17%である。空隙率は9.6%、アスペクト比は0.867、かさ比重は1.619g/cm3、粒子強度は1124MPaである。K2Oが低く、耐火度は良好なことが予測されるが、かさ比重が重く、軽量では無い。また、粒子強度も低い。
比較例-4は表2の溶融風砕法(黒鉛電極接触溶融法)で製造されたムライト+アルミナ系溶融人工砂である。比較例-4の詳細な化学成分は表5に示し、SiO2 :19.0%,Al23 :71.5%,K2O :0.35%である。空隙率は、空隙の無い粒子と空隙のある粒子が混在しており、その比率は59:41であった。空気巻き込みによる空隙であり、焼結人工砂の空隙と形状が異なる。空隙率は、粒子により大きく異なるために測定していない。アスペクト比は0.925、かさ比重は1.940g/cm3、粒子強度は1433MPaである。溶融法で製造されたため、かさ比重は極めて重い。
比較例-5は、溶融風砕法(黒鉛電極接触溶融法)で製造されたムライト+アルミナ系溶融人工砂である。比較例-5の詳細な化学成分は表5に示し、SiO2 :19.4%,Al23 :68.6%,K2O :1.16%である。空隙率は、空隙の無い粒子と空隙のある粒子が混在しており、その比率は82:18であった。空気巻き込みによる空隙であり、焼結人工砂の空隙と形状が異なる。空隙率は、粒子により大きく異なるために測定していない。アスペクト比は0.929、かさ比重は1.942g/cm3、粒子強度は1425MPaである。溶融法で製造されたため、かさ比重は極めて重い。
比較例-6は、火炎内溶融で製造されたムライト+アルミナ系溶融人工砂である。SiO2:33.1%,Al23:58.9%,K2O:0.29%である。空隙率は、空隙の無い粒子と空隙のある粒子が混在しており、その比率は38:62であった。空気巻き込みによる空隙であり、焼結人工砂の空隙と形状が異なる。空隙率は、粒子により大きく異なるために測定していない。火炎内溶融法は、気相の多い燃焼ガス内で粒子を溶融させるために気泡巻き込み粒子が、溶融風砕法よりも多い。アスペクト比は0.941、かさ比重は1.680g/cm3、粒子強度は2175MPaである。溶融法で製造されたため、かさ比重は本発明品よりも1.1倍以上重い。
(K2Oと「液層線温度と熔倒温度の差」の関係)
人工砂は環境に良いことを述べたが、人工砂の組成により耐火度が低下し、環境に悪い条件があることを以下に述べる。
表5にK2Oと「液層線温度と熔倒温度の差」の関係を示した。液相線温度とは図1において、液相から初晶シリカ、初晶ムライト、初晶アルミナが晶出する液相線の温度である。初晶ムライトの液相線温度(Y1)と補正Al23濃度(X)を式(1)とした。初晶アルミナの液相線温度(Y2)と補正Al23濃度(X)を式(2)とした。補正Al23濃度とは、化学成分におけるSiO2とAl23の合計が100となる様に他の成分を除去した際のAl23の値である。図1のAl23−SiO2系相平衡状態図は二成分であることから、補正Al23濃度から液相線温度が計算できる。
Y1=-0.0811X2+11.172X+1501.0・・・・・・・・・・・・・(1)
Y2=-0.5307X2+101.87X-2745.2・・・・・・・・・・・・・(2)
なお実施例-及び比較例の耐火度試験は、JIS R 2204:1999「耐火物及び耐火物原料の耐火度試験方法」に基づいて行い、耐火度(SK番号)を測定した。熔倒温度とは、JIS R 8101:1999「耐火度試験用標準コーン」のSK番号と熔倒温度の関係から求めた。
(実施例-1〜5の液層線温度と熔倒温度の差)
実施例-1〜5の製造方法は上述した焼結法(パンミキサ造粒法)であり、高純度カオリナイトと高純度アルミナを組み合わせて、K2Oを0.20%以下に制御して製造した。それぞれ耐火度を測定して熔倒温度を求めた。また、蛍光X線により化学成分毎に組成を定量し、SiO2とAl23の実測値から補正Al23濃度を計算し、式(1)と式(2)から熔倒温度を算出した。なお、蛍光X線の定量値は、湿式分析の定量値により検量したものである。実施例-1〜5の液相線温度と熔倒温度の関係では、液相線温度より熔倒温度が低い。これは耐火度を下げる要因が働いていると言える。ただし実施例-1〜5の液相線温度と熔倒温度の差は、11.3℃から38.6℃であり、50℃以内である。
(比較例の液層線温度と熔倒温度の差)
比較例-1,比較例-6〜11は、焼結法(スプレードライヤ造粒法)で製造されたムライト系人工砂である。初晶がムライトとなる組成である。これら比較例ではK2Oが0.23%〜0.80%の範囲であり、実施例-と比較するとK2Oが多い。式(1)により熔倒温度を算出した。実施例-と比較して、これら比較例の熔倒温度は液相線温度から大きく下がっており、54.0℃〜174.9℃の差が生じている。従って、Al23−SiO2系相平衡状態図で予測される耐火度の性能が発現していないと言える。
比較例-2,比較例-14,比較例-15は、溶融風砕法(黒鉛電極接触溶融法)で製造されたムライト+アルミナ系の人工砂である。初晶がアルミナとなる組成である。これら比較例ではK2Oが0.0.35%〜1.48%の範囲であり、実施例と比較するとK2Oが多い。式(2)により熔倒温度を算出した。実施例と比較して、これら比較例の熔倒温度は液相線温度から大きく下がっており、140.1℃〜224.6℃の差が生じている。従って、Al23−SiO2系相平衡状態図で予測される耐火度の性能が発現していないと言える。
(初晶ムライト及び初晶アルミナ域でのK2Oの耐火度への影響)
図5(a)に初晶ムライト域、図5(b)に初晶アルミナ域での、K2Oの耐火度に与える影響を明確にするためのグラフを示す。初晶ムライト域と初晶アルミナ域では、K2Oの影響度が異なることから、それぞれ分けて示した。これによると、初晶ムライト域において液相線温度―熔倒温度をΔY1、初晶アルミナ域において液相線温度―熔倒温度をΔY2とし、K2O量をKとすると、それぞれ、式(3)、式(4)で表される。共に、1%以下の危険率で有意な正の相関であり、K2Oが増加すると、液相線温度と熔倒温度の差は大きくなり、耐火度が低下する。
ΔY1=215.7K+6.755・・・・・・・・・・・・・(3)
ΔY2=74.13K+113.99・・・・・・・・・・・・(4)
(鋳型の模式図(名工試型すくわれ試験片))
本発明の効果を図6に示す名工試型すくわれ試験片により、鋳鉄溶湯を鋳込み判定した。試験片重量6.5kg、鋳込み重量7.5kg、生型重量21.5kgの条件で、FC250相当の片状黒鉛鋳鉄を凡そ1400℃で鋳込んだ。生型の作製は、鋳物砂100部に対して、ワイオミング産ベントナイト8部添加し、コンパクタビリティ値が凡そ40%になるように水分を添加して混練砂とし、生型を造型した。評価としては、製品への付着砂の量及び鋳造欠陥の有無とした。
この鋳込み試験片による鋳込み試験結果を表6に示す。
(鋳込み試験片に付着した砂重量)
実施例-1実施例-2
実施例-1ではK2Oは0.09%であり、型バラシ直後の付着砂は63.1gであった。この付着砂はショットによりほぼ除去され、極僅かに製品に残留した。ショットで除去された付着砂は産業廃棄物として廃棄される。鋳造欠陥については型バラシ直後に製品の凹部に焼着物が付着していたが、ショットで焼結物は剥離し、鋳造欠陥は発生していなかった。
実施例-2ではK2Oは0.11%であり、型バラシ直後の付着砂は22.9gであった。この付着砂はショットにより完全に除去され製品には残留しなかった。製品の鋳肌は良好であり、鋳造欠陥は発生しなかった。実施例-2は実施例-1よりもK2Oが多いが鋳込み製品が良好であるのは、Al23が高く、液相線温度が高いことが一因であると思われる。
比較例-2,比較例-4
比較例-2ではK2Oは0.24%であり、型バラシ直後の付着砂は196.5gであった。この付着砂はショットによりほぼ除去され、極僅かに製品に残留した。鋳造欠陥については型バラシ直後に製品の凹部とその付近に焼着物が付着していたが、ショットで焼結物は剥離し、鋳造欠陥は発生していなかった。
比較例-4ではK2Oは0.35%であり、型バラシ直後の付着砂は121.8gであった。この付着砂はショットにより完全に除去され製品には残留しなかった。製品の鋳肌には極僅かに砂粒が存在し、鋳肌がやや悪い状態であった。ただし、鋳造欠陥では無い。
比較例-14,比較例-15,比較例-16
比較例-14〜16では、鋳型として最も多く使用されている硅砂を比較のために鋳込んだ。これらは石英や長石からなる硅砂であり、Al23−SiO2系相平衡状態図の組成では無い。比較例-14は石英の多い高純度硅砂であり、比較例-15、16に従って長石が増加する。それぞれ、付着砂は375.2g、284.1g、415.2gであり、実施例-1,2、比較例-2,4の人工砂と比較して、極めて多い付着であった。この付着砂はショット後にも製品に焼結して付着していた。また、製品は3点ともに、すくわれ欠陥が発生していた。
(焼結物のSEM/EDS分析)
付着砂の量とK2Oの関係を明確にするために、製品に付着した砂の製品と面した箇所をエネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡(SEM/EDS)で分析した。付着砂の製品側は焼結して、薄い焼結物となっている。これは鋳込み時に鉄が鋳型層に拡散してできたものである。焼結物の厚みは付着砂の量と比例している。
実施例-1,2の焼結物のEDS分析ではKは検出されていない。比較例-2,4,16の焼結物のEDS分析ではKが検出されている。それぞれの分析位置は砂粒と砂粒の接点である。鋳鉄溶湯の熱による鋳型表面の溶融や鋳鉄からのFeの拡散により、図2のファイフライト、テフロイト、フォルステライトの低融点物質が生成するが、Kが存在すると融点か低下して生成しやすくなる。これら低融点物質が砂粒の接着剤となり焼結層を形成する。Kが存在しない(検出限界以下)の実施例-1,2では、焼結物が薄く、付着砂も少ない。
この鋳込み試験片による鋳込み試験結果を表7に示す。
(シェル鋳型、フラン鋳型、アルカリフェノール鋳型での特性評価)
表8(a)(b)(c)に本発明の焼結人工砂のシェル鋳型、フラン鋳型、アルカリフェノール鋳型の鋳型特性を示す。
粘結剤を砂重量に対して添加したが、かさ比重がそれぞれ異なることから、体積当たりに換算したデータも付けている。実施例-1と実施例-2は本発明の焼結人工砂である。比較例-1は市場で販売されている空隙率の大きい焼結人工砂である。比較例-4は溶融風砕法の人工砂である。比較例-14は高純度硅砂であり、硅砂の中では鋳型強度が高く発現するものである。
表8(a)のシェル鋳型のかさ比重を考慮した曲げ強度では実施例-1実施例-2、比較例-1、比較例-4の人工砂は111.4〜122.2kg/cm2の範囲でほぼ同一の強度であり、比較例-14の高純度硅砂よりも強度が高い。従って、本発明は市場で販売されている人工砂と同等の強度特性であると言える。
表8(b)のフラン鋳型のかさ比重を考慮した24時間後の圧縮強度では、本発明の実施例-1が最も高強度で、次いで実施例-2が比較例-1とほぼ同一の強度である。従って、本発明品のフラン鋳型特性は良好である。なお、一般に焼結人工砂は、液体の粘結剤であるフラン樹脂や酸硬化剤を吸着して強度発現が低いとされているが、比較例-1はフラン樹脂向けに開発された焼結人工砂であり、強度発現が高い。また、本発明品も同様である。
表8(c)のアルカリフェノール鋳型のかさ比重を考慮した24時間後の圧縮強度では、比較例-4の溶融法粉砕人工砂が最も良好で、次いで比較例-14の高純度硅砂である。用いたアルカリフェノール樹脂は一般硅砂用である。焼結人工砂の実施例-1実施例-2、比較例-1はほぼ同一の強度であり、実施例-1実施例-2、比較例-1の順序である。焼結人工砂はアルカリフェノール鋳型にはやや強度が低いが、比較例-4、比較例-14と比較して、その差は僅かであり、十分に鋳型として使用できる。また、人工砂用のアルカリフェノール樹脂が市販されているので、これを利用して強度改善が可能である。
表8(a)〜(c)により、本発明品は、鋳型(主型)として生型に次いで使用量の多いフラン鋳型、次いで多いアルカリフェノール鋳型で使用可能である。また、生型(主型)のコンビネーションで中子としてよく使用されるシェル鋳型としても使用可能である。
鋳造用の鋳型として繰り返し回収して使用される鋳物砂に対して利用可能である。軽量で粒子強度が高いことから、全ての鋳物砂に適用可能である。また、最も生産量の多い生型、次いで生産量の多い自硬性鋳型はフラン鋳型やアルカリフェノール鋳型が主流であるが、これら鋳型に最も生産量の多い鉄系鋳物を鋳造するのに特に適している。K2Oを0.20%以下に制御するなど、低融点組成の種類と量を制御することで、溶湯と鋳型の反応が無く、製品に付着してショットラインに鋳物砂が持ち出され、ショットラインで鋳物砂はスチールショットや金属分(鋳物)と混じることで鋳物砂として使用できなくなり、産業廃棄物として廃棄される。本発明ではこの量が飛躍的に減少する。また、溶湯と鋳型との反応による化学的焼付き欠陥が減少することで、製品の歩留りが向上する。なお、欠陥となった製品はリターン材として再溶解されることから、このエネルギー費などが削減される。
上記の鋳型と溶湯の反応が生じないこと以外に、生型、自硬性鋳型そして今後の有害なガスが発生しないとして期待される水ガラス系無機鋳型では、回収砂の再生工程において粘結剤を剥離する強力な機械研磨が必要であり、従来の鋳物砂では粉砕されて産業廃棄物となる。本発明の粒子強度の高さにより粉砕されることなく使用可能である。

Claims (6)

  1. Al 2 3 とSiO 2 とを原料として含み、前記原料中の夾雑物として含有される低融点組成とを含有した焼結人工砂において、
    Al23−SiO2系相平衡状態図において、初晶としてムライト結晶が晶出する組成において、前記低融点組成としてのK2Oが0.20%以下であり、
    前記ムライト結晶の間に結晶の重なり合いの隙間が存する結晶間構造を備え、
    かさ比1.6g/cm3未満、アスペクト比が0.85以上あり、
    Al23−SiO2系相平衡状態図において液相線よりマイナス50℃以内の耐火度を示すものであることを特徴とする焼結人工砂。
  2. Al23−SiO2系相平衡状態図において、Al23が40%〜60%の組成であることを特徴とする請求項1記載の焼結人工砂。
  3. かさ比重が1.515g/cm3以下、粒子強度が1000MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結人工砂。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の焼結人工砂を含有する鋳物砂。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載の焼結人工砂を含有する鋳型。
  6. Al23とSiO2と夾雑物として含有される低融点組成とを含む原料を焼結させることにより焼結人工砂を製造する方法において、
    Al23−SiO2系相平衡状態図において、前記低融点組成の量を制御することで、請求項1〜の何れかに記載の焼結人工砂を得ることを特徴とする焼結人工砂の製造方法。
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