JP6365570B2 - 可変長コンロッド及び可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

可変長コンロッド及び可変圧縮比内燃機関 Download PDF

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Description

本発明は、可変長コンロッド及び可変長コンロッドを備えた可変圧縮比内燃機関に関する。
従来から、内燃機関の機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備えた内燃機関が知られている。このような可変圧縮比機構としては様々なものが提案されているが、そのうちの一つとして内燃機関で用いられるコンロッドの有効長さを変化させるものが挙げられる(例えば、特許文献1、2)。ここで、コンロッドの有効長さとは、クランクピンを受容するクランク受容開口の中心とピストンピンを受容するピストンピン受容開口の中心との間の長さを意味する。したがって、コンロッドの有効長さが長くなるとピストンが圧縮上死点にあるときの燃焼室容積が小さくなり、よって機械圧縮比が増大する。一方、コンロッドの有効長さが短くなるとピストンが圧縮上死点にあるときの燃焼室容積が大きくなり、よって機械圧縮比が低下する。
有効長さを変更可能な可変長コンロッドとしては、コンロッド本体の小径端部に、コンロッド本体に対して回動可能な偏心部材(偏心アームや偏心スリーブ)を設けたものが知られている(例えば、特許文献1、2)。偏心部材はピストンピンを受容するピストンピン受容開口を有し、このピストンピン受容開口は偏心部材の回動軸線に対して偏心して設けられる。このような可変長コンロッドでは、偏心部材の回動位置を変更すると、これに伴ってコンロッドの有効長さを変化させることができる。
特許文献1、2に記載の可変長コンロッドでは、コンロッド本体に設けられた油圧ピストン機構で偏心部材を回動させることによってコンロッドの有効長さが変更される。斯かる可変長コンロッドでは、油圧ピストン機構への作動油の流れを切り換えることで偏心部材の回動が制御される。例えば、特許文献1に記載の可変長コンロッドでは、一つの切換ピン及び二つの逆止弁を用いて油圧ピストン機構への作動油の流れが切り換えられる。
国際公開第2014/019683号 特開2011−196549号公報
しかしながら、可変長コンロッドの製造コストを低減すると共に可変長コンロッドの信頼性を向上させるためには、油圧ピストン機構への作動油の流れを切り換えるための機構をできるだけシンプルにすることが望まれている。
そこで、上記課題に鑑みて、本発明の目的は、油圧ピストン機構を備えた可変長コンロッドにおいて、油圧ピストン機構への作動油の流れを切り換えるための機構をシンプルにすることにある。
上記課題を解決するために、第1の発明では、可変長コンロッドであって、クラクランクピンを受容するクランク受容開口が設けられたコンロッド本体と、ピストンピンを受容するピストンピン受容開口が設けられると共に、該ピストンピン受容開口の中心と前記クランク受容開口の中心との間の長さを変化させるように前記コンロッド本体に回動可能に取り付けられた偏心部材と、前記コンロッド本体に形成されると共に作動油が供給される油圧シリンダと、前記油圧シリンダ内で摺動し且つ前記偏心部材と連動する油圧ピストンと、前記コンロッド本体に設けられた流れ方向切換機構と、前記油圧シリンダ、前記油圧ピストン及び前記流れ方向切換機構とは別の、前記作動油を扱う油圧機構とを備え、前記流れ方向切換機構は一つの逆止弁及び一つの切換機構を備え、前記逆止弁は該逆止弁の一次側から該逆止弁の二次側への作動油の流れを許可し且つ前記二次側から前記一次側への作動油の流れを禁止するように構成され、前記切換機構は一つの切換ピンを備え、該切換ピンは、前記コンロッド本体に形成されたピン収容空間に収容され、前記コンロッド本体に、前記油圧シリンダと前記ピン収容空間とを連通させる第一油路と、前記油圧機構又は前記油圧機構及び当該可変長コンロッドの外部空間と前記ピン収容空間とを連通させる第二油路と、前記逆止弁の一次側と前記ピン収容空間とを連通させる第三油路と、前記逆止弁の二次側と前記ピン収容空間とを連通させる第四油路とが形成され、前記切換ピンは、前記第一油路を前記第四油路に連通させ且つ前記第二油路を前記第三油路に連通させる第一位置と、前記第一油路を前記第三油路に連通させ且つ前記第二油路を前記第四油路に連通させる第二位置との間で切り換えられるように構成される、可変長コンロッドが提供される。
第2の発明では、第1の発明において、前記切換ピンは、前記第一位置と前記第二位置との間で切り換えられるときに直線的に移動する。
第3の発明では、第2の発明において、前記切換ピンは、前記第一位置と前記第二位置との間で切り換えられるときに前記クランク受容開口の中心軸線と平行に移動する。
第4の発明では、第2又は第3の発明において、前記切換ピンは円柱形状を有し、前記切換機構は、前記切換ピンの周方向の回動を防止する回動防止部材を更に備える。
第5の発明では、第1から第4のいずれか一つの発明において、前記切換ピンは、前記コンロッド本体の外部から供給される油圧によって前記第一位置と前記第二位置との間で切り換えられる。
第6の発明では、第1から第5のいずれか一つの発明において、前記油圧機構は、前記コンロッド本体に形成されると共に作動油が供給される別の油圧シリンダであり、当該可変長コンロッドは、前記別の油圧シリンダ内で摺動し且つ前記偏心部材と連動する別の油圧ピストンを更に備え、前記第二油路は前記別の油圧シリンダと前記ピン収容空間とを連通させるように形成されている。
第7の発明では、第1から第5のいずれか一つの発明において、前記油圧機構は、作動油を貯留可能な貯留室であり、前記第二油路は前記貯留室と前記ピン収容空間とを連通させるように形成されている。
第8の発明では、第1から第5のいずれか一つの発明において、前記油圧機構は、前記コンロッド本体の外部に配置されると共に前記油圧シリンダに作動油を供給する油圧供給源であり、前記第二油路は、前記油圧供給源と前記ピン収容空間とを連通させる供給油路と、当該可変長コンロッドの外部空間と前記ピン収容空間とを連通させる排出油路とであり、前記切換ピンは、前記第一油路を前記第四油路に連通させ且つ前記供給油路を前記第三油路に連通させる第一位置と、前記第一油路を前記第三油路に連通させ且つ前記排出油路を前記第四油路に連通させる第二位置との間で切り換えられるように構成される。
第9の発明では、第8の発明において、前記排出油路に配置された逆流防止機構を更に備え、該逆流防止機構は、前記切換ピンが前記第二位置にあるときに前記流れ方向切換機構から前記外部空間への作動油の移動を許可し且つ該外部空間から該流れ方向切換機構への流体の移動を禁止するように構成される。
第10の発明では、第1から第9のいずれか一つの発明において、前記第一油路の数が一本である。
第11の発明では、第1から第7のいずれか一つの発明において、前記第一油路及び前記第二油路の数がそれぞれ一本である。
第12の発明では、第1から第11のいずれか一つの発明において、前記第一油路は前記第三油路又は前記第四油路と同一直線上に形成されている。
第13の発明では、第1から第7のいずれか一つの発明において、前記第一油路は前記第三油路又は前記第四油路と同一直線上に形成され、前記第二油路は前記第三油路又は前記第四油路と同一直線上に形成されている。
第14の発明では、第7から第9のいずれか一つの発明において、前記コンロッド本体の外部から供給される油圧によって前記偏心部材の一方への回動の停止位置を二段階に切り換えるように構成された停止装置を更に備える。
第15の発明では、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比内燃機関であって、第1から第14のいずれか一つの発明の可変長コンロッドを備え、該可変長コンロッドによって前記ピストンピン受容開口の中心と前記クランク受容開口の中心との間の長さを変更することにより機械圧縮比が変更される、可変圧縮比内燃機関が提供される。
本発明によれば、油圧ピストン機構を備えた可変長コンロッドにおいて、油圧ピストン機構への作動油の流れを切り換えるための機構をシンプルにすることができる。
図1は、第一実施形態に係る可変圧縮比内燃機関の概略的な側面断面図である。 図2は、第一実施形態に係る可変長コンロッドを概略的に示す斜視図である。 図3は、第一実施形態に係る可変長コンロッドを概略的に示す側面断面図である。 図4は、コンロッド本体の小径端部近傍の概略的な分解斜視図である。 図5は、流れ方向切換機構が設けられた領域を拡大した可変長コンロッドの側面断面図である。 図6は、図5のA−A線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図7は、図5のB−B線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図8は、図5のC−C線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図9は、図7及び図8のD−D線に沿った可変長コンロッドの部分断面図である。 図10は、第一実施形態に係る可変長コンロッドを概略的に示す側面断面図である。 図11は、油圧供給源から切換ピンに油圧が供給されているときの作動油の流れを説明する概略図である。 図12は、油圧供給源から切換ピンに油圧が供給されていないときの作動油の流れを説明する概略図である。 図13は、流れ方向切換機構が設けられた領域を拡大した、第二実施形態に係る可変長コンロッドの側面断面図である。 図14は、図13のE−E線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図15は、図13のF−F線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図16は、図15のG−G線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図17は、図15のH−H線に沿った可変長コンロッドの部分断面図である。 図18は、油圧供給源から切換ピンに油圧が供給されているときの作動油の流れを説明する概略図である。 図19は、油圧供給源から切換ピンに油圧が供給されていないときの作動油の流れを説明する概略図である。 図20は、第三実施形態に係る可変長コンロッドを概略的に示す斜視図である。 図21は、第三実施形態に係る可変長コンロッドを概略的に示す側面断面図である。 図22は、流れ方向切換機構が設けられた領域を拡大した可変長コンロッドの側面断面図である。 図23は、図22のI−I線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図24は、図22のJ−J線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図25は、図22のK−K線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図26は、油圧供給源から切換ピンに油圧が供給されているときの作動油の流れを説明する概略図である。 図27は、油圧供給源から切換ピンに油圧が供給されていないときの作動油の流れを説明する概略図である。 図28は、逆流防止機構及び流れ方向切換機構が設けられた領域を拡大した可変長コンロッドの側面断面図である。 図29は、図28のL−L線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図30は、図28のM−M線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図31は、油圧供給源から切換ピンに油圧が供給されているときの作動油の流れを説明する概略図である。 図32は、油圧供給源から切換ピンに油圧が供給されていないときの作動油の流れを説明する概略図である。 図33は、第五実施形態に係る可変長コンロッドを概略的に示す斜視図である。 図34は、第五実施形態に係る可変長コンロッドを概略的に示す側面断面図である。 図35は、流れ方向切換機構が設けられた領域を拡大した可変長コンロッドの側面断面図である。 図36は、図35のN−N線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図37は、図35のO−O線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図38は、油圧供給源から切換ピンに油圧が供給されているときの作動油の流れを説明する概略図である。 図39は、油圧供給源から切換ピンに油圧が供給されていないときの作動油の流れを説明する概略図である。 図40は、第六実施形態に係る可変長コンロッドを概略的に示す斜視図である。 図41は、第六実施形態に係る可変長コンロッドを概略的に示す側面断面図である。 図42は、流れ方向切換機構が設けられた領域を拡大した可変長コンロッドの側面断面図である。 図43は、図42のP−P線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図44は、図42のQ−Q線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図45は、図42のR−R線に沿った可変長コンロッドの断面図である。 図46は、第六実施形態に係る可変長コンロッドを概略的に示す側面断面図である。 図47は、切換ピン及び停止部材に中程度の油圧が供給されているときの作動油の流れを説明するための概略図である。 図48は、切換ピン及び停止部材に高い油圧が供給されているときの作動油の流れを説明するための概略図である。 図49は、切換ピンに低い油圧が供給されているときの作動油の流れを説明するための概略図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
<第一実施形態>
最初に、図1〜図12を参照して、本発明の第一実施形態に係る可変長コンロッドについて説明する。
<可変圧縮比内燃機関>
図1は、第一実施形態に係る可変圧縮比内燃機関の概略的な側面断面図を示す。図1を参照すると、1は内燃機関を示している。内燃機関1は、クランクケース2、シリンダブロック3、シリンダヘッド4、ピストン5、可変長コンロッド6、燃焼室7、燃焼室7の頂面中央部に配置された点火プラグ8、吸気弁9、吸気カムシャフト10、吸気ポート11、排気弁12、排気カムシャフト13及び排気ポート14を備える。シリンダブロック3はシリンダ15を画定する。ピストン5はシリンダ15内で摺動する。
可変長コンロッド6は、その小径端部においてピストンピン21を介してピストン5に連結されると共に、その大径端部においてクランクシャフトのクランクピン22に連結される。可変長コンロッド6は、後述するように、ピストンピン21の軸線とクランクピン22の軸線までの距離、すなわち有効長さを変更することができる。
可変長コンロッド6の有効長さが長くなると、クランクピン22からピストンピン21までの長さが長くなるため、図中に実線で示したようにピストン5が上死点にあるときの燃焼室7の容積が小さくなる。一方、可変長コンロッド6の有効長さが変化しても、ピストン5がシリンダ内を往復動するストローク長さは変化しない。したがって、このとき、内燃機関1における機械圧縮比が高くなる。
一方、可変長コンロッド6の有効長さが短くなると、クランクピン22からピストンピン21までの長さが短くなるため、図中に破線で示したようにピストン5が上死点にあるときの燃焼室7内の容積が大きくなる。しかしながら、上述したように、ピストン5のストローク長さは一定である。したがって、このとき、内燃機関1における機械圧縮比が低くなる。
<可変長コンロッドの構成>
図2は、第一実施形態に係る可変長コンロッド6を概略的に示す斜視図であり、図3は、第一実施形態に係る可変長コンロッド6を概略的に示す側面断面図である。図2及び図3に示したように、可変長コンロッド6は、コンロッド本体31と、コンロッド本体31に回動可能に取り付けられた偏心部材32と、コンロッド本体31に設けられた第1油圧ピストン機構33及び第2油圧ピストン機構34と、偏心部材32と第1油圧ピストン機構33とを連結する第1連結部材45と、偏心部材32と第2油圧ピストン機構34とを連結する第2連結部材46と、第1油圧ピストン機構33及び第2油圧ピストン機構34への作動油の流れを切り換える流れ方向切換機構35とを備える。
<コンロッド本体>
まず、コンロッド本体31について説明する。コンロッド本体31は、クランクシャフトのクランクピン22を受容するクランク受容開口41が設けられた大径端部31aと、後述する偏心部材32のスリーブ32aを受容するスリーブ受容開口42が設けられた小径端部31bとを有する。小径端部31bは、ピストン5側に配置され、大径端部31aの反対側に位置する。なお、クランク受容開口41はスリーブ受容開口42よりも大きいことから、クランク受容開口41が設けられている側のコンロッド本体31の端部を大径端部31aと称し、スリーブ受容開口42が設けられている側のコンロッド本体31の端部を小径端部31bと称する。
また、本明細書では、クランク受容開口41の中心軸線(すなわち、クランク受容開口41に受容されるクランクピン22の軸線)と、スリーブ受容開口42の中心軸線(すなわち、スリーブ受容開口42に受容されるスリーブ32aの軸線)との間で延びる線X(図3)、すなわちコンロッド本体31の中央を通る線をコンロッド6及びコンロッド本体31の軸線Xと称す。
また、コンロッド6の軸線Xに対して垂直であってクランク受容開口41の中心軸線に垂直な方向におけるコンロッド6の長さをコンロッド6の幅と称する。加えて、クランク受容開口41の中心軸線に平行な方向におけるコンロッド6の長さをコンロッド6の厚さと称する。図2及び図3からわかるように、コンロッド本体31の幅は、油圧ピストン機構33、34が設けられている領域を除いて、大径端部31aと小径端部31bとの間の中間部分で最も細い。また、大径端部31aの幅は小径端部31bの幅よりも広い。一方、コンロッド本体31の厚さは、油圧ピストン機構33、34が設けられている領域を除いてほぼ一定の厚さとされる。
<偏心部材>
次に、偏心部材32について説明する。図4は、コンロッド本体31の小径端部31b近傍の概略斜視図である。図4では、偏心部材32は、分解された状態で示されている。図2〜図4を参照すると、偏心部材32は、コンロッド本体31に形成されたスリーブ受容開口42内に受容される円筒状のスリーブ32aと、スリーブ32aからコンロッド本体31の幅方向において一方の方向に延びる一対の第1アーム32bと、スリーブ32aからコンロッド本体31の幅方向において他方の方向(上記一方の方向とは概して反対方向)に延びる一対の第2アーム32cとを備える。スリーブ32aはスリーブ受容開口42内で回動可能である。このため、偏心部材32はコンロッド本体31の小径端部31bにおいてコンロッド本体31に対して小径端部31bの周方向に回動可能に取り付けられることになる。偏心部材32の回動軸線はスリーブ受容開口42の中心軸線と一致する。
また、偏心部材32のスリーブ32aには、ピストンピン21を受容するピストンピン受容開口32dが設けられている。このピストンピン受容開口32dは円筒状に形成されている。円筒状のピストンピン受容開口32dは、その軸線がスリーブ32aの円筒状外形の中心軸線と平行ではあるが、同軸にはならないように形成される。したがって、ピストンピン受容開口32dの軸線は、スリーブ32aの円筒状外形の中心軸線、すなわち偏心部材32の回動軸線から偏心している。
このように、本実施形態では、ピストンピン受容開口32dの中心軸線が偏心部材32の回動軸線から偏心している。このため、偏心部材32が回転すると、スリーブ受容開口42内でのピストンピン受容開口32dの位置が変化する。スリーブ受容開口42内においてピストンピン受容開口32dの位置が大径端部31a側にあるときには、コンロッドの有効長さが短くなる。逆に、スリーブ受容開口42内においてピストンピン受容開口32dの位置が大径端部31a側とは反対側、すなわち小径端部31b側にあるときには、コンロッドの有効長さが長くなる。したがって、本実施形態によれば、偏心部材32を回動させることによって、コンロッド6の有効長さが変化する。すなわち、偏心部材32は、コンロッド6の有効長さを変化させるように、コンロッド本体31の小径端部31bに回動可能に取り付けられている。
<油圧ピストン機構>
次に、図3を参照して、第1油圧ピストン機構33について説明する。第1油圧ピストン機構33は、コンロッド本体31に形成された第1油圧シリンダ33aと、第1油圧シリンダ33a内で摺動する第1油圧ピストン33bと、第1油圧シリンダ33a内に供給される作動油をシールする第1オイルシール33cとを有する。第1油圧シリンダ33aは、そのほとんど又はその全てがコンロッド6の軸線Xに対して第1アーム32b側に配置される。また、第1油圧シリンダ33aは、小径端部31bに近づくほどコンロッド本体31の幅方向外側に突出するように軸線Xに対して或る程度の角度だけ傾斜して延在する。
第1油圧ピストン33bは、第1連結部材45により偏心部材32の第1アーム32bに連結される。第1油圧ピストン33bは、ピンによって第1連結部材45に回転可能に連結される。図4に示されるように、偏心部材32の第1アーム32bは、スリーブ32aに結合されている側とは反対側の端部において、ピンによって第1連結部材45に回転可能に連結される。したがって、第1油圧ピストン33bは偏心部材32と連動する。第1オイルシール33cは、リング形状を有し、第1油圧ピストン33bの下端部の周囲に取り付けられる。
次に、第2油圧ピストン機構34について説明する。第2油圧ピストン機構34は、コンロッド本体31に形成された第2油圧シリンダ34aと、第2油圧シリンダ34a内で摺動する第2油圧ピストン34bと、第2油圧シリンダ34a内に供給される作動油をシールする第2オイルシール34cとを有する。第2油圧シリンダ34aは、そのほとんど又はその全てがコンロッド6の軸線Xに対して第2アーム32c側に配置される。また、第2油圧シリンダ34aは、小径端部31bに近づくほどコンロッド本体31の幅方向外側に突出するように軸線Xに対して或る程度の角度だけ傾斜して延在する。
第2油圧ピストン34bは、第2連結部材46により偏心部材32の第2アーム32cに連結される。第2油圧ピストン34bは、ピンによって第2連結部材46に回転可能に連結される。図4に示されるように、第2アーム32cは、スリーブ32aに連結されている側とは反対側の端部において、ピンによって第2連結部材46に回転可能に連結される。したがって、第2油圧ピストン34bは偏心部材32と連動する。第2オイルシール34cは、リング形状を有し、第2油圧ピストン34bの下端部の周囲に取り付けられる。
<流れ方向切換機構>
次に、図5〜図9を参照して、流れ方向切換機構35の構成について説明する。図5は、流れ方向切換機構35が設けられた領域を拡大した可変長コンロッド6の側面断面図である。図6は、図5のA−A線に沿った可変長コンロッド6の断面図である。図7は、図5のB−B線に沿った可変長コンロッド6の断面図である。図8は、図5のC−C線に沿った可変長コンロッド6の断面図である。図9は、図7及び図8のD−D線に沿った可変長コンロッド6の部分断面図である。なお、図5では、第1油圧ピストン33b及び第2油圧ピストン34bは省略されている。
流れ方向切換機構35はコンロッド本体31に設けられる。より具体的には、流れ方向切換機構35は、コンロッド本体31の軸線方向において第1油圧シリンダ33a及び第2油圧シリンダ34aとクランク受容開口41との間に配置される。第1油圧シリンダ33a及び第2油圧シリンダ34aは流れ方向切換機構35を介して互いに連通する。
流れ方向切換機構35は逆止弁70及び切換機構80を備える。本実施形態では、逆止弁70はコンロッド本体31の軸線方向において切換機構80よりもクランク受容開口41側に配置される。また、逆止弁70及び切換機構80はコンロッド本体31の幅方向において同一の位置に配置される。
切換機構80は、一つの切換ピン81と、切換ピン81を付勢する第1付勢バネ82と、第1付勢バネ82を支持する第1支持部材83とを備える。切換ピン81、第1付勢バネ82及び第1支持部材83は、コンロッド本体31に形成されたピン収容空間47に収容される。本実施形態では、ピン収容空間47は、円筒形状を有し、その軸線がクランク受容開口41の中心軸線と平行に延びるように形成される。ピン収容空間47は、図7に示したように、コンロッド本体31の厚さ方向において、一方の端部において閉じており、他方の端部において開いている。切換機構80は可変長コンロッド6の組立時にピン収容空間47の開いた端部からピン収容空間47に挿入される。
第1付勢バネ82は、例えばコイルバネであり、切換ピン81に形成されたバネ収容穴81aに収容される。第1支持部材83は、例えばCリング、Eリング等のスナップリングであり、ピン収容空間47に形成された円周溝に配置される。第1付勢バネ82は、ピン収容空間47の閉じた端部に向かって、クランク受容開口41の中心軸線と平行な方向に切換ピン81を付勢する。
後述するように、切換ピン81には、コンロッド本体31の外部の油圧供給源から油圧が供給される。切換ピン81は、外部の油圧供給源から供給される油圧によって、ピン収容空間47の閉じた端部から離間された第一位置と、ピン収容空間47の閉じた端部に当接する第二位置との間で切り換えられる。具体的には、切換ピン81は、切換ピン81に所定圧以上の油圧が供給された場合には第1付勢バネ82の付勢力に抗して第一位置に移動し、切換ピン81に所定圧未満の油圧が供給され又は切換ピン81に油圧が供給されない場合には第1付勢バネ82の付勢力によって第二位置に移動する。切換ピン81は、第一位置と第二位置との間で切り換えられるとき、図7の矢印の方向に直線的に移動する。切換ピン81の移動方向は、クランク受容開口41の中心軸線と平行である。なお、図7では、切換ピン81は第一位置に位置している。
切換ピン81は、円柱形状を有し、その軸線がピン収容空間47の軸線と一致するようにピン収容空間47に収容される。したがって、切換ピン81はその軸線がクランク受容開口41の中心軸線と平行に延びている。切換ピン81には、第1貫通孔81b、第2貫通孔81c、第3貫通孔81d及び第4貫通孔81eが切換ピン81の軸線に垂直に延びるように形成されている。切換ピン81は、後述する回動防止部材84によって、第1貫通孔81b〜第4貫通孔81eがコンロッド本体31の軸線方向に延びるようにピン収容空間47に配置される。
第1貫通孔81b及び第2貫通孔81cは、切換ピン81の軸線方向において互いに離間され、切換ピン81の周方向において同一の位置に形成される。第3貫通孔81d及び第4貫通孔81eは、切換ピン81の軸線方向において互いに離間され、切換ピン81の周方向において同一の位置に形成される。第1貫通孔81b及び第2貫通孔81cは切換ピン81の軸線方向及び周方向において第3貫通孔81d及び第4貫通孔81eから離間されている。
切換機構80は、図9に示したように、切換ピン81の周方向の回動を防止する回動防止部材84を更に備える。本実施形態では、回動防止部材84は球状のボールである。回動防止部材84は、切換ピン81に形成された凹部に切換ピン81の周方向に移動不能に配置される。図5及び図9に示したように、ピン収容空間47には、半円形状の断面を有する摺動溝47aが形成されている。摺動溝47aはクランク受容開口41の中心軸線と平行に延在する。
切換ピン81が周方向に回動しようとすると回動防止部材84が摺動溝47aの周囲に当接するため、切換ピン81の周方向の回動が防止される。一方、回動防止部材84は、摺動溝47aに沿って、切換ピン81と共に切換ピン81の軸線方向に移動することができる。したがって、回動防止部材84によって切換ピン81の軸線方向の移動を可能としつつ切換ピン81の回動を防止することができる。この結果、切換ピン81が第一位置と第二位置との間で移動するときに第1貫通孔81b〜第4貫通孔81eの延在方向がコンロッド本体31の軸線方向からずれることを抑制することができる。
なお、切換ピン81の周方向の回動を防止するための構成は、上述した構成に限定されない。例えば、回動防止部材84が直方体形状を有し、摺動溝47aが四角形の断面を有してもよい。また、ピン収容空間47を画定する壁面に形成された凹部に回動防止部材84が配置され、切換ピン81に、半円形状の断面を有し且つ切換ピン81の軸線方向に延びる摺動溝が形成されてもよい。また、ピン収容空間47を画定する壁面に、コンロッド本体31の軸線方向に突出する突起が形成され、切換ピン81に、ピン収容空間47の突起を受容し且つ切換ピン81の軸線方向に延びる摺動溝が形成されてもよい。この場合、ピン収容空間47の突起が回動防止部材として機能する。また、切換ピン81及びピン収容空間47は直方体形状を有してもよい。この場合、切換ピン81がピン収容空間47内で周方向に回動できないため、回動防止部材は不要である。
逆止弁70は、コンロッド本体31に形成された逆止弁収容空間48に収容される。本実施形態では、逆止弁収容空間48は、円筒形状を有し、その軸線がクランク受容開口41の中心軸線と平行に延びるように形成される。また、逆止弁収容空間48はコンロッド本体31の軸線方向においてピン収容空間47よりもクランク受容開口41側に形成される。逆止弁収容空間48は、図8に示したように、コンロッド本体31の厚さ方向において、両方の端部において開いている。逆止弁収容空間48の一方の端部(図8において上側)に形成された開口は、逆止弁収容空間48の他方の端部(図8において下側)に形成された開口よりも小さい。逆止弁70は可変長コンロッド6の組立時に逆止弁収容空間48の上記他方の端部から逆止弁収容空間48に挿入される。上記一方の端部に形成された開口は、逆止弁70の挿入時に逆止弁収容空間48から空気を排出する排気口として機能する。
逆止弁70は、弁体71と、弁体71を収容する弁体収容部材72と、弁体71の可動範囲を規制する弁体規制部材73とを備える。弁体71は、球状のボールであり、弁体収容部材72に形成された弁体収容穴72aに収容される。弁体規制部材73は、弁体収容穴72a内で弁体71に向かって突出する突出部73aを有する。
弁体収容部材72は円柱形状を有し、その軸線が逆止弁収容空間48の軸線と一致するように逆止弁収容空間48に収容される。したがって、弁体収容部材72はその軸線がクランク受容開口41の中心軸線と平行に延びている。弁体収容部材72には、第5貫通孔72b、第6貫通孔72c、第7貫通孔72d及び第8貫通孔72eが弁体収容部材72の軸線と垂直に延びるように形成されている。弁体収容部材72は、後述する固定ピン30によって、第5貫通孔72b〜第8貫通孔72eがコンロッド本体31の軸線方向に延びるように逆止弁収容空間48に配置される。
第5貫通孔72b及び第6貫通孔72cは、弁体収容部材72の軸線方向において互いに離間され、弁体収容部材72の周方向において同一の位置に形成される。第7貫通孔72d及び第8貫通孔72eは、弁体収容部材72の軸線方向において互いに離間され、弁体収容部材72の周方向において同一の位置に形成される。第5貫通孔72b及び第7貫通孔72dは、弁体収容部材72の周方向において互いに離間され、弁体収容部材72の軸線方向において同一の位置に形成される。第6貫通孔72c及び第8貫通孔72eは、弁体収容部材72の周方向において互いに離間され、弁体収容部材72の軸線方向において同一の位置に形成される。
また、弁体収容部材72には、第5貫通孔72bと第7貫通孔72dと弁体収容穴72aとを連通させる第1連通路72fと、第6貫通孔72cと第8貫通孔72eとを連通させる第2連通路72gとが形成されている。第1連通路72f及び第2連通路72gは、弁体収容部材72の軸線及び第5貫通孔72b〜第8貫通孔72eの延在方向に垂直に延びるように形成されている。また、弁体収容穴72aと第2連通路72gとの間には、弁体収容部材72の軸線方向に延びる貫通孔72iが形成されている。
第2連通路72gから弁体71に作動油が供給される場合、弁体71は貫通孔72iから離れる方向に移動して貫通孔72iを開放する。この結果、弁体71は第2連通路72gと弁体収容穴72aとを連通させる。このとき、弁体71が弁体規制部材73の突出部73aに当接すると、弁体71の移動が規制される。一方、第1連通路72f及び弁体収容穴72aから弁体71に作動油が供給される場合、弁体71は、貫通孔72iに向かって移動して貫通孔を72i閉塞し、弁体収容穴72aと第2連通路72gとの連通を遮断する。したがって、逆止弁70は逆止弁70の一次側((図8において弁体71よりも下側の空間)から逆止弁70の二次側((図8において弁体71よりも上側の空間)への作動油の流れを許可し且つ逆止弁70の二次側から逆止弁70の一次側への作動油の流れを禁止するように構成されている。本実施形態では、逆止弁70の一次側は第2連通路72gであり、逆止弁70の二次側は弁体収容穴72a及び第1連通路72fである。
逆止弁70はシール材74を更に備える。シール材74は、例えばOリングであり、弁体収容部材72に形成された円周溝に配置される。シール材74は、逆止弁70の一次側と二次側との間で作動油が貫通孔72iを介さずに移動することを防止する。
可変長コンロッド6は、逆止弁収容空間48において弁体収容部材72の位置を固定する固定ピン30を更に備える。弁体収容部材72には、固定ピン30が挿入されるピン挿入穴72hが形成されている。ピン挿入穴72hは第5貫通孔72b〜第8貫通孔72eの延在方向及びこれと垂直な方向に延びている。固定ピン30は、逆止弁収容空間48からクランク受容開口41までコンロッド本体31の軸線方向に延びる貫通孔に配置されている。固定ピン30によって、逆止弁収容空間48内での弁体収容部材72の移動が抑制される。この結果、第5貫通孔72b〜第8貫通孔72eの延在方向がコンロッド本体31の軸線方向からずれることを抑制することができる。なお、参考のために、固定ピン30は図5において破線で示されている。
図5及び図6からわかるように、コンロッド本体31内には、第1油圧シリンダ33aとピン収容空間47とを連通させる第1ピストン連通油路51及び第2ピストン連通油路52と、第2油圧シリンダ34aとピン収容空間47とを連通させる第3ピストン連通油路53及び第4ピストン連通油路54とが形成されている。第1ピストン連通油路51〜第4ピストン連通油路54はコンロッド本体31の軸線方向に延びている。
第1ピストン連通油路51及び第2ピストン連通油路52は、コンロッド本体31の厚さ方向において互いに離間され、コンロッド本体31の軸線方向及び幅方向において同一の位置に形成される。第3ピストン連通油路53及び第4ピストン連通油路54は、コンロッド本体31の厚さ方向において互いに離間され、コンロッド本体31の軸線方向及び幅方向において同一の位置に形成される。第1ピストン連通油路51及び第3ピストン連通油路53は、コンロッド本体31の幅方向において互いに離間され、コンロッド本体31の厚さ方向において同一の位置に形成される。第2ピストン連通油路52及び第4ピストン連通油路54は、コンロッド本体31の幅方向において互いに離間され、コンロッド本体31の厚さ方向において同一の位置に形成される。
また、図5及び図7からわかるように、コンロッド本体31内には、ピン収容空間47と逆止弁収容空間48とを連通させる第1空間連通油路55、第2空間連通油路56、第3空間連通油路57及び第4空間連通油路58が形成されている。第1空間連通油路55〜第4空間連通油路58はコンロッド本体31の軸線方向に延びている。第1空間連通油路55は弁体収容部材72の第5貫通孔72bと連通するように形成され、第3空間連通油路57は弁体収容部材72の第7貫通孔72dと連通するように形成されている。したがって、第1空間連通油路55及び第3空間連通油路57は、逆止弁70の二次側とピン収容空間47とを連通させる。一方、第2空間連通油路56は弁体収容部材72の第6貫通孔72cと連通するように形成され、第4空間連通油路58は弁体収容部材72の第8貫通孔72eと連通するように形成されている。したがって、第2空間連通油路56及び第4空間連通油路58は、逆止弁70の一次側とピン収容空間47とを連通させる。
第1空間連通油路55及び第2空間連通油路56は、コンロッド本体31の厚さ方向において互いに離間され、コンロッド本体31の軸線方向及び幅方向において同一の位置に形成される。第3空間連通油路57及び第4空間連通油路58は、コンロッド本体31の厚さ方向において互いに離間され、コンロッド本体31の軸線方向及び幅方向において同一の位置に形成される。第1空間連通油路55及び第3空間連通油路57は、コンロッド本体31の幅方向において互いに離間され、コンロッド本体31の軸線方向及び厚さ方向において同一の位置に形成される。第2空間連通油路56及び第4空間連通油路58は、コンロッド本体31の幅方向において互いに離間され、コンロッド本体31の軸線方向及び厚さ方向において同一の位置に形成される。
上述したように、油路51〜58はコンロッド本体31の軸線方向に延在している。また、第1ピストン連通油路51及び第1空間連通油路55は同一直線上に形成され、第2ピストン連通油路52及び第2空間連通油路56は同一直線上に形成され、第3ピストン連通油路53及び第3空間連通油路57は同一直線上に形成され、第4ピストン連通油路54及び第4空間連通油路58は同一直線上に形成されている。このため、クランク受容開口41からドリル等によって切削加工を行うことによって油路51〜58を容易に形成することができる。
この結果、図5及び図8に示したように、空間連通油路55〜58のクランク受容開口41側には、空間連通油路55〜58と同軸の延長油路55a〜58aが形成される。延長油路55a〜58aは例えばベアリングメタル20によって閉じられる。このことによって、ベアリングメタル20を用いてコンロッド6をクランクピン22に組み付けるだけで延長油路55a〜58aを容易に閉じることができる。
また、コンロッド本体31内には、コンロッド本体31の外部の油圧供給源から切換ピン81に油圧を供給するための油圧供給油路59が形成されている。なお、参考のために、油圧供給油路59は図3及び図5において破線で示されている。図7に示したように、油圧供給油路59は、コンロッド本体31の厚さ方向において、ピン収容空間47の閉じた端部側でピン収容空間47と連通している。油圧供給油路59は、クランク受容開口41に連通するように形成されると共に、クランクピン22内に形成された油路(図示せず)を介してコンロッド本体31の外部の油圧供給源に連通される。
さらに、コンロッド本体31内には、逆止弁70の一次側に作動油を補充するための補充用油路67が形成されている。なお、参考のために、補充用油路67は図5において破線で示されている。図8に示したように、補充用油路67の一方の端部は、逆止弁70の一次側において逆止弁収容空間48に連通される。補充用油路67の他方の端部は、クランク受容開口41に連通される。また、ベアリングメタル20には、補充用油路67に合わせて貫通穴20aが形成されている。補充用油路67は、貫通穴20a及びクランクピン22内に形成された油路(図示せず)を介してコンロッド本体31の外部の油圧供給源に連通される。したがって、補充用油路67により、逆止弁70の一次側は、常時又はクランクシャフトの回転に合わせて定期的に油圧供給源に連通している。なお、補充用油路67が逆止弁70の一次側に連通する位置は、図8に示した位置とは異なっていてもよい。
<可変長コンロッドの動作>
次に、図10〜図12を参照して、可変長コンロッド6の動作について説明する。図10(A)は、第1油圧シリンダ33aに作動油が供給され且つ第2油圧シリンダ34aには作動油が供給されていない状態を示している。一方、図10(B)は、第1油圧シリンダ33aには作動油が供給されておらず且つ第2油圧シリンダ34aには作動油が供給されている状態を示している。図11は、油圧供給源50から切換ピン81に油圧が供給されているときの作動油の流れを説明する概略図である。また、図12は、油圧供給源50から切換ピン81に油圧が供給されていないときの作動油の流れを説明する概略図である。
可変長コンロッド6は油圧供給源50及び電子制御ユニット(ECU)40を更に備える。油圧供給源50は油圧供給油路59を介して切換ピン81に油圧を供給する。油圧供給源50は、コンロッド本体31の外部に配置され、ECU40によって制御される。したがって、ECU40は、油圧供給源50によって切換ピン81に供給される油圧を制御することができる。
図11に示したように、油圧供給源50から所定圧以上の油圧が供給されているときには、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力に抗して第一位置に位置する。このとき、切換ピン81の第1貫通孔81bを介して、第1油圧シリンダ33aと連通する第1ピストン連通油路51と、逆止弁70の二次側と連通する第1空間連通油路55とが連通する。また、切換ピン81の第4貫通孔81eを介して、第2油圧シリンダ34aと連通する第4ピストン連通油路54と、逆止弁70の一次側と連通する第4空間連通油路58とが連通する。一方、第1油圧シリンダ33aと連通する第2ピストン連通油路52と、逆止弁70の一次側と連通する第2空間連通油路56との連通が切換ピン81によって遮断される。また、第2油圧シリンダ34aと連通する第3ピストン連通油路53と、逆止弁70の二次側と連通する第3空間連通油路57との連通が切換ピン81によって遮断される。
したがって、切換ピン81は、第一位置において、第1ピストン連通油路51を第1空間連通油路55に連通させ、第4ピストン連通油路54を第4空間連通油路58に連通させる。言い換えれば、切換ピン81は、第一位置において、第1油圧シリンダ33aを逆止弁70の二次側に連通させ且つ第2油圧シリンダ34aを逆止弁70の一次側に連通させる。また、切換ピン81は、第一位置において、第2ピストン連通油路52と第2空間連通油路56との連通を遮断し、第3ピストン連通油路53と第3空間連通油路57との連通を遮断する。言い換えれば、切換ピン81は、第一位置において、第1油圧シリンダ33aと逆止弁70の一次側との連通を遮断し、第2油圧シリンダ34aと逆止弁70の二次側との連通を遮断する。
この結果、第2油圧シリンダ34aから第1油圧シリンダ33aへの作動油の流れが許可され、第1油圧シリンダ33aから第2油圧シリンダ34aへの作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第一位置に位置するとき、第1油圧シリンダ33aから第2油圧シリンダ34aへの作動油の流れを禁止し且つ第2油圧シリンダ34aから第1油圧シリンダ33aへの作動油の流れを許可する第一状態にある。
ところで、内燃機関1のシリンダ15内でのピストン5の往復動による上向きの慣性力がピストンピン21に作用すると、第2油圧ピストン34bに下向きの慣性力が作用する。流れ方向切換機構35が第一状態に切り替えられた後、斯かる慣性力が発生すると、第2油圧シリンダ34a内の作動油が第2油圧シリンダ34aから排出される。この結果、第2油圧シリンダ34a内の作動油は、第4ピストン連通油路54、第4空間連通油路58、第1空間連通油路55及び第1ピストン連通油路51を通って第1油圧シリンダ33aに供給される。したがって、第2油圧シリンダ34aは第1油圧シリンダ33aに作動油を供給する。このため、第1油圧ピストン33bは上昇し、第2油圧ピストン34bは下降する。この結果、図10(A)に示した例では、偏心部材32は図中の矢印の方向に回動され、ピストンピン受容開口32dの位置が上昇する。したがって、クランク受容開口41の中心とピストンピン受容開口32dの中心との間の長さ、すなわちコンロッド6の有効長さが長くなり、図中のL1となる。したがって、切換ピン81が第一位置に移動して流れ方向切換機構35が第一状態にされると、コンロッド6の有効長さが長くなる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が高くなる。
一方、図12に示したように、油圧供給源50から油圧が供給されていないときには、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力によって第二位置に位置する。このとき、切換ピン81の第2貫通孔81cを介して、第1油圧シリンダ33aと連通する第2ピストン連通油路52と、逆止弁70の一次側と連通する第2空間連通油路56とが連通する。また、切換ピン81の第3貫通孔81dを介して、第2油圧シリンダ34aと連通する第3ピストン連通油路53と、逆止弁70の二次側と連通する第3空間連通油路57とが連通する。一方、第1油圧シリンダ33aと連通する第1ピストン連通油路51と、逆止弁70の二次側と連通する第1空間連通油路55との連通が切換ピン81によって遮断される。また、第2油圧シリンダ34aと連通する第4ピストン連通油路54と、逆止弁70の一次側と連通する第4空間連通油路58との連通が切換ピン81によって遮断される。
したがって、切換ピン81は、第二位置において、第2ピストン連通油路52を第2空間連通油路56に連通させ、第3ピストン連通油路53を第3空間連通油路57に連通させる。言い換えれば、切換ピン81は、第二位置において、第1油圧シリンダ33aを逆止弁70の一次側に連通させ且つ第2油圧シリンダ34aを逆止弁70の二次側に連通させる。また、切換ピン81は、第二位置において、第1ピストン連通油路51と第1空間連通油路55との連通を遮断し、第4ピストン連通油路54と第4空間連通油路58との連通を遮断する。言い換えれば、切換ピン81は、第二位置において、第1油圧シリンダ33aと逆止弁70の二次側との連通を遮断し、第2油圧シリンダ34aと逆止弁70の一次側との連通を遮断する。
この結果、第1油圧シリンダ33aから第2油圧シリンダ34aへの作動油の流れが許可され、第2油圧シリンダ34aから第1油圧シリンダ33aへの作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第二位置に位置するとき、第2油圧シリンダ34aから第1油圧シリンダ33aへの作動油の流れを禁止し且つ第1油圧シリンダ33aから第2油圧シリンダ34aへの作動油の流れを許可する第二状態にある。
ところで、内燃機関1のシリンダ15内でのピストン5の往復動による下向きの慣性力と、燃焼室7内での混合気の燃焼による下向きの爆発力とがピストンピン21に作用すると、第1油圧ピストン33bに下向きの慣性力が作用する。流れ方向切換機構35が第二状態に切り替えられた後、斯かる慣性力及び爆発力が発生すると、第1油圧シリンダ33a内の作動油が第1油圧シリンダ33aから排出される。この結果、第1油圧シリンダ33a内の作動油が、第2ピストン連通油路52、第2空間連通油路56、第3空間連通油路57及び第3ピストン連通油路53を通って第2油圧シリンダ34aに供給される。したがって、第2油圧シリンダ34aは第1油圧シリンダ33aから作動油を受け取る。このため、第2油圧ピストン34bは上昇し、第1油圧ピストン33bは下降する。この結果、図10(B)に示した例では、偏心部材32は図中の矢印の方向(図10(A)の矢印とは反対方向)に回動され、ピストンピン受容開口32dの位置が下降する。したがって、クランク受容開口41の中心とピストンピン受容開口32dの中心との間の長さ、すなわちコンロッド6の有効長さは図中のL1よりも短いL2となる。したがって、切換ピン81が第二位置に移動して流れ方向切換機構35が第二状態にされると、コンロッド6の有効長さが短くなる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が低くなる。
本実施形態では、上述したように、切換ピン81を第一位置と第二位置との間で切り替えることによって、コンロッド6の有効長さをL1とL2との間で切り替えることができる。この結果、コンロッド6を備えた内燃機関1では、機械圧縮比を変更することができる。
なお、本実施形態では、第1ピストン連通油路51及び第2ピストン連通油路52が、油圧シリンダ(第1油圧シリンダ33a)とピン収容空間47とを連通させる第一油路に相当する。第3ピストン連通油路53及び第4ピストン連通油路54が、作動油を扱う油圧機構(第2油圧シリンダ34a)とピン収容空間47とを連通させる第二油路に相当する。第2空間連通油路56及び第4空間連通油路58が、逆止弁70の一次側とピン収容空間47とを連通させる第三油路に相当する。第1空間連通油路55及び第3空間連通油路57が、逆止弁70の二次側とピン収容空間47とを連通させる第四油路に相当する。
<第一実施形態における作用効果>
本実施形態では、上述したように、油圧ピストン機構33、34への作動油の流れを切り換える流れ方向切換機構35は、一つの逆止弁70と、一つの切換ピン81を備えた一つの切換機構80とを備えている。このため、複数の切換ピン又は逆止弁を備えた構成等と比較して、油圧ピストン機構への作動油の流れを切り換えるための機構をシンプルにすることができる。
また、本実施形態では、切換ピン81は、第一位置と第二位置との間で切り換えられるときに直線的に移動する。このため、切換ピン81を回動させる場合等と比較して、切換ピン81の位置を切り換えるための機構をシンプルにすることができる。
ところで、内燃機関1のシリンダ15内でのピストン5の往復動による慣性力と、燃焼室7内での混合気の燃焼による爆発力とは、基本的にクランク受容開口41の中心軸線に対して垂直な方向に作用する。これに対して、本実施形態では、切換ピン81は、第一位置と第二位置との間で切り換えられるときにクランク受容開口41の中心軸線と平行に移動する。このため、本実施形態では、慣性力及び爆発力が切換ピン81の作動方向にほとんど作用しないため、慣性力又は爆発力による切換ピン81の誤作動を抑制することができる。
<第二実施形態>
次に、図13〜図19を参照して、本発明の第二実施形態に係る可変長コンロッド6aについて説明する。第二実施形態に係る可変長コンロッド6aの構成及び動作は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る可変長コンロッド6の構成及び動作と同様である。
図13は、流れ方向切換機構35が設けられた領域を拡大した可変長コンロッド6aの側面断面図である。図14は、図13のE−E線に沿った可変長コンロッド6aの断面図である。図15は、図13のF−F線に沿った可変長コンロッド6aの断面図である。図16は、図15のG−G線に沿った可変長コンロッド6aの断面図である。図17は、図15のH−H線に沿った可変長コンロッド6aの部分断面図である。なお、図13では、第1油圧ピストン33b及び第2油圧ピストン34bは省略されている。
図13及び図14からわかるように、コンロッド本体31内には、第1油圧シリンダ33aとピン収容空間47とを連通させる第5ピストン連通油路60と、第2油圧シリンダ34aとピン収容空間47とを連通させる第6ピストン連通油路61とが形成されている。第5ピストン連通油路60及び第6ピストン連通油路61はコンロッド本体31の軸線方向に延びている。第5ピストン連通油路60及び第6ピストン連通油路61は、コンロッド本体31の幅方向において互いに離間され、コンロッド本体31の厚さ方向において同一の位置に形成される。また、第5ピストン連通油路60及び第2空間連通油路56は同一直線上に形成され、第6ピストン連通油路61及び第4空間連通油路58は同一直線上に形成されている。
第二実施形態では、切換ピン81に第1連通溝81f及び第2連通溝81gが更に形成されている。第1連通溝81f及び第2連通溝81gは切換ピン81の軸線方向に延びている。図16に示したように、第1連通溝81fは第1貫通孔81b及び第2貫通孔81cと連通している。また、第1連通溝81fは、切換ピン81の摺動位置に関わらず第5ピストン連通油路60と連通するように形成されている。したがって、第1連通溝81fは、切換ピン81の第一位置及び第二位置において第5ピストン連通油路60と連通している。
図17に示したように、第2連通溝81gは第3貫通孔81d及び第4貫通孔81eと連通している。また、第2連通溝81gは、切換ピン81の摺動位置に関わらず第6ピストン連通油路61と連通するように形成されている。したがって、第2連通溝81gは、切換ピン81の第一位置及び第二位置において第6ピストン連通油路61と連通している。
<可変長コンロッドの動作>
以下、図18及び図19を参照して、可変長コンロッド6aの動作について説明する。図18は、油圧供給源50から切換ピン81に油圧が供給されているときの作動油の流れを説明する概略図である。また、図19は、油圧供給源50から切換ピン81に油圧が供給されていないときの作動油の流れを説明する概略図である。
図18に示したように、油圧供給源50から所定圧以上の油圧が供給されているときには、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力に抗して第一位置に位置する。このとき、切換ピン81の第1貫通孔81b及び第1連通溝81fを介して、第1油圧シリンダ33aと連通する第5ピストン連通油路60と、逆止弁70の二次側と連通する第1空間連通油路55とが連通する。また、切換ピン81の第4貫通孔81eを介して、第2油圧シリンダ34aと連通する第6ピストン連通油路61と、逆止弁70の一次側と連通する第4空間連通油路58とが連通する。一方、第5ピストン連通油路60と、逆止弁70の一次側と連通する第2空間連通油路56との連通が切換ピン81によって遮断される。また、第6ピストン連通油路61と、逆止弁70の二次側と連通する第3空間連通油路57との連通が切換ピン81によって遮断される。
したがって、切換ピン81は、第一位置において、第5ピストン連通油路60を第1空間連通油路55に連通させ、第6ピストン連通油路61を第4空間連通油路58に連通させる。言い換えれば、切換ピン81は、第一位置において、第1油圧シリンダ33aを逆止弁70の二次側に連通させ且つ第2油圧シリンダ34aを逆止弁70の一次側に連通させる。また、切換ピン81は、第一位置において、第5ピストン連通油路60と第2空間連通油路56との連通を遮断し、第6ピストン連通油路61と第3空間連通油路57との連通を遮断する。言い換えれば、切換ピン81は、第一位置において、第1油圧シリンダ33aと逆止弁70の一次側との連通を遮断し、第2油圧シリンダ34aと逆止弁70の二次側との連通を遮断する。
この結果、第2油圧シリンダ34aから第1油圧シリンダ33aへの作動油の流れが許可され、第1油圧シリンダ33aから第2油圧シリンダ34aへの作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第一位置に位置するとき、第1油圧シリンダ33aから第2油圧シリンダ34aへの作動油の流れを禁止し且つ第2油圧シリンダ34aから第1油圧シリンダ33aへの作動油の流れを許可する第一状態にある。流れ方向切換機構35が第一状態にされると、第一実施形態と同様に、偏心部材32が一方の方向に回動してコンロッド6aの有効長さが長くなる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が高くなる。
一方、図19に示したように、油圧供給源50から油圧が供給されていないときには、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力によって第二位置に位置する。このとき、切換ピン81の第2貫通孔81cを介して、第1油圧シリンダ33aと連通する第5ピストン連通油路60と、逆止弁70の一次側と連通する第2空間連通油路56とが連通する。また、切換ピン81の第3貫通孔81d及び第2連通溝81gを介して、第2油圧シリンダ34aと連通する第6ピストン連通油路61と、逆止弁70の二次側と連通する第3空間連通油路57とが連通する。一方、第5ピストン連通油路60と、逆止弁70の二次側と連通する第1空間連通油路55との連通が切換ピン81によって遮断される。また、第6ピストン連通油路61と、逆止弁70の一次側と連通する第4空間連通油路58との連通が切換ピン81によって遮断される。
したがって、切換ピン81は、第二位置において、第5ピストン連通油路60を第2空間連通油路56に連通させ、第6ピストン連通油路61を第3空間連通油路57に連通させる。言い換えれば、切換ピン81は、第二位置において、第1油圧シリンダ33aを逆止弁70の一次側に連通させ且つ第2油圧シリンダ34aを逆止弁70の二次側に連通させる。また、切換ピン81は、第二位置において、第5ピストン連通油路60と第1空間連通油路55との連通を遮断し、第6ピストン連通油路61と第4空間連通油路58との連通を遮断する。言い換えれば、切換ピン81は、第二位置において、第1油圧シリンダ33aと逆止弁70の二次側との連通を遮断し、第2油圧シリンダ34aと逆止弁70の一次側との連通を遮断する。
この結果、第1油圧シリンダ33aから第2油圧シリンダ34aへの作動油の流れが許可され、第2油圧シリンダ34aから第1油圧シリンダ33aへの作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第二位置に位置するとき、第2油圧シリンダ34aから第1油圧シリンダ33aへの作動油の流れを禁止し且つ第1油圧シリンダ33aから第2油圧シリンダ34aへの作動油の流れを許可する第二状態にある。流れ方向切換機構35が第二状態にされると、第一実施形態と同様に、偏心部材32が他方の方向に回動してコンロッド6aの有効長さが短くなる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が低くなる。
なお、本実施形態では、第5ピストン連通油路60が、油圧シリンダ(第1油圧シリンダ33a)とピン収容空間47とを連通させる第一油路に相当する。また、第6ピストン連通油路61が、作動油を扱う油圧機構(第2油圧シリンダ34a)とピン収容空間47とを連通させる第二油路に相当する。本実施形態では、第一実施形態と異なり、第一油路及び第二油路の数が一本ずつである。このため、本実施形態では、油圧ピストン機構への作動油の流れを切り換えるための機構をより一層シンプルにすることができる。
<第三実施形態>
次に、図20〜図27を参照して、本発明の第三実施形態に係る可変長コンロッド6bについて説明する。第三実施形態に係る可変長コンロッド6bの構成及び動作は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る可変長コンロッド6の構成及び動作と同様である。
<可変長コンロッドの構成>
図20は、第三実施形態に係る可変長コンロッド6bを概略的に示す斜視図である。図21は、第三実施形態に係る可変長コンロッド6bを概略的に示す側面断面図である。図20及び図21に示したように、可変長コンロッド6bは、コンロッド本体31と、コンロッド本体31に回動可能に取り付けられた偏心部材32と、コンロッド本体31に設けられた油圧ピストン機構33と、偏心部材32と油圧ピストン機構33とを連結する連結部材45と、油圧ピストン機構33への作動油の流れを切り換える流れ方向切換機構35とを備える。
第三実施形態では、第一実施形態と異なり、油圧ピストン機構33及び連結部材45の数は一つである。このため、可変長コンロッドの部品点数を少なくすることができる。この結果、第三実施形態では、油圧ピストン機構を備えた可変長コンロッドの総重量及び製造コストを減少させることができる。
<流れ方向切換機構>
以下、図22〜図27を参照して、流れ方向切換機構35の構成について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。図22は、流れ方向切換機構35が設けられた領域を拡大した可変長コンロッド6bの側面断面図である。図23は、図22のI−I線に沿った可変長コンロッド6bの断面図である。図24は、図22のJ−J線に沿った可変長コンロッド6bの断面図である。図25は、図22のK−K線に沿った可変長コンロッド6bの断面図である。
第三実施形態では、コンロッド本体31の外部に配置された油圧供給源50が油圧シリンダ33aに作動油を供給する。このため、図24に示したように、切換ピン81には、作動油供給路81hが更に形成されている。作動油供給路81hは、第4貫通孔81eから切換ピン81の軸線方向と垂直な方向及び切換ピン81の軸線方向に延び、切換ピン81の軸線方向の一方の端部において開いている。このため、作動油供給路81hは、切換ピン81が第一位置にあるとき、ピン収容空間47を介して油圧供給油路59と第4貫通孔81eとを連通させる。
また、図22及び図23からわかるように、コンロッド本体31内には、油圧シリンダ33aとピン収容空間47とを連通させる第1ピストン連通油路51及び第2ピストン連通油路52が形成されている。第1ピストン連通油路51及び第2ピストン連通油路52はコンロッド本体31の軸線方向に延びている。第1ピストン連通油路51及び第2ピストン連通油路52は、コンロッド本体31の厚さ方向において互いに離間され、コンロッド本体31の軸線方向及び幅方向において同一の位置に形成される。また、第1ピストン連通油路51及び第1空間連通油路55は同一直線上に形成され、第2ピストン連通油路52及び第2空間連通油路56は同一直線上に形成されている。
また、第三実施形態では、油圧シリンダ33a内の作動油はコンロッド6bの外部空間に排出される。外部空間に排出された作動油は、内燃機関1に設けられたオイルパン2aに回収される。回収された作動油は油圧供給源50から油圧シリンダ33aに再び供給される。
作動油をコンロッド本体31の外部に排出するために、コンロッド本体31に排出油路62が更に形成されている。なお、参考のために、排出油路62は図21及び図22において破線で示されている。排出油路62は、コンロッド本体31の幅方向に延び、ピン収容空間47とコンロッド6bの外部空間とを連通させる。図24に示したように、排出油路62は、コンロッド本体31の厚さ方向において、第3空間連通油路57と同一の位置に形成される。また、排出油路62は、コンロッド本体31の幅方向において、第3空間連通油路57と隣接している。排出油路62は、コンロッド本体31の外部からドリル等によって切削加工を行うことによって形成される。なお、排出油路62は、コンロッド本体31の幅方向に対して斜めに延びていてもよい。
<可変長コンロッドの動作>
次に、図26及び図27を参照して、可変長コンロッド6bの動作について説明する。図26は、油圧供給源50から切換ピン81に油圧が供給されているときの作動油の流れを説明する概略図である。また、図27は、油圧供給源50から切換ピン81に油圧が供給されていないときの作動油の流れを説明する概略図である。
図26に示したように、油圧供給源50から所定圧以上の油圧が供給されているときには、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力に抗して第一位置に位置する。このとき、切換ピン81の第1貫通孔81bを介して、油圧シリンダ33aと連通する第1ピストン連通油路51と、逆止弁70の二次側と連通する第1空間連通油路55とが連通する。また、ピン収容空間47、作動油供給路81h及び第4貫通孔81eを介して、油圧供給源50と連通する油圧供給油路59と、逆止弁70の一次側と連通する第4空間連通油路58とが連通する。一方、油圧シリンダ33aと連通する第2ピストン連通油路52と、逆止弁70の一次側と連通する第2空間連通油路56との連通が切換ピン81によって遮断される。また、コンロッド6bの外部空間と連通する排出油路62と、逆止弁70の二次側と連通する第3空間連通油路57との連通が切換ピン81によって遮断される。
したがって、切換ピン81は、第一位置において、第1ピストン連通油路51を第1空間連通油路55に連通させ、油圧供給油路59を第4空間連通油路58に連通させる。言い換えれば、切換ピン81は、第一位置において、油圧シリンダ33aを逆止弁70の二次側に連通させ且つ油圧供給源50を逆止弁70の一次側に連通させる。また、切換ピン81は、第一位置において、第2ピストン連通油路52と第2空間連通油路56との連通を遮断し、排出油路62と第3空間連通油路57との連通を遮断する。言い換えれば、切換ピン81は、第一位置において、油圧シリンダ33aと逆止弁70の一次側との連通を遮断し、コンロッド6bの外部空間と逆止弁70の二次側との連通を遮断する。
この結果、油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れが許可され、油圧シリンダ33aからコンロッド6bの外部空間への作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第一位置に位置するとき、油圧シリンダ33aからコンロッド6bの外部空間への作動油の流れを禁止し且つ油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れを許可する第一状態にある。流れ方向切換機構35が第一状態にされると、図21に示したように、偏心部材32が一方の方向に回動してコンロッド6bの有効長さが長くなる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が高くなる。
一方、図27に示したように、油圧供給源50から油圧が供給されていないときには、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力によって第二位置に位置する。このとき、切換ピン81の第2貫通孔81cを介して、油圧シリンダ33aと連通する第2ピストン連通油路52と、逆止弁70の一次側と連通する第2空間連通油路56とが連通する。また、切換ピン81の第3貫通孔81dを介して、コンロッド6bの外部空間と連通する排出油路62と、逆止弁70の二次側と連通する第3空間連通油路57とが連通する。一方、油圧シリンダ33aと連通する第1ピストン連通油路51と、逆止弁70の二次側と連通する第1空間連通油路55との連通が切換ピン81によって遮断される。また、油圧供給源50と連通する油圧供給油路59と、逆止弁70の一次側と連通する第4空間連通油路58との連通が切換ピン81によって遮断される。
したがって、切換ピン81は、第二位置において、第2ピストン連通油路52を第2空間連通油路56に連通させ、排出油路62を第3空間連通油路57に連通させる。言い換えれば、切換ピン81は、第二位置において、油圧シリンダ33aを逆止弁70の一次側に連通させ且つコンロッド6bの外部空間を逆止弁70の二次側に連通させる。また、切換ピン81は、第二位置において、第1ピストン連通油路51と第1空間連通油路55との連通を遮断し、油圧供給油路59と第4空間連通油路58との連通を遮断する。言い換えれば、切換ピン81は、第二位置において、油圧シリンダ33aと逆止弁70の二次側との連通を遮断し、油圧供給源50と逆止弁70の一次側との連通を遮断する。
この結果、油圧シリンダ33aからコンロッド6bの外部空間への作動油の流れが許可され、油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第二位置に位置するとき、油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れを禁止し且つ油圧シリンダ33aからコンロッド6bの外部空間への作動油の流れを許可する第二状態にある。流れ方向切換機構35が第二状態にされると、偏心部材32が他方の方向に回動してコンロッド6bの有効長さが短くなる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が低くなる。
なお、本実施形態では、第1ピストン連通油路51及び第2ピストン連通油路52が、油圧シリンダ33aとピン収容空間47とを連通させる第一油路に相当する。また、油圧供給油路59及び排出油路62が、作動油を扱う油圧機構(油圧供給源50)及びコンロッド6bの外部空間とピン収容空間47とを連通させる第二油路に相当する。
<第四実施形態>
次に、図28〜図32を参照して、本発明の第四実施形態に係る可変長コンロッド6cについて説明する。第四実施形態に係る可変長コンロッド6cの構成及び動作は、以下に説明する点を除いて、基本的に第三実施形態に係る可変長コンロッド6bの構成及び動作と同様である。
<作動油の供給及び排出による問題点>
第三実施形態の説明において上述したように、本実施形態では、流れ方向切換機構35が第一状態にあるときに、コンロッド本体31の外部の油圧供給源50から油圧シリンダ33aに作動油が供給される。一方、流れ方向切換機構35が第二状態にあるときに、油圧シリンダ33aからコンロッド本体31の外部に作動油が排出される。このとき、油圧シリンダ33a内の作動油は、大気開放された排出油路62からコンロッド6cの外部空間に排出される。
油圧シリンダ33a内の作動油が排出された直後には、コンロッド本体31内の油路には、作動油がまだ残っている。この状態では、コンロッド6cの外部空間の空気は排出油路62からコンロッド本体31内の油路に流入することができない。しかしながら、作動油の排出後、クランクシャフトの回転に伴うコンロッド6の動作によって、コンロッド本体31内の作動油に慣性力が作用する。この結果、コンロッド本体31内の作動油が排出油路62から排出され、このことによって排出油路62からコンロッド本体31内の油路に空気が流入する場合がある。
コンロッド本体31内の油路を介して油圧シリンダ33aに空気が流入すると、油圧ピストン33bに下向きの力が加わったときに、流入した空気が圧縮することによって油圧ピストン33bの位置が変化するおそれがある。この場合、偏心部材32の回動位置、ひいては内燃機関1の機械圧縮比を適切に制御できない。このため、油圧シリンダ33aへの空気の流入を抑制すべく、油圧シリンダ33a内の作動油の排出後に排出油路62から流れ方向切換機構35に空気が流入することを抑制する必要がある。
<逆流防止機構の構成>
そこで、第四実施形態では、可変長コンロッド6cは逆流防止機構100を更に備える。以下、図28〜図30を参照して、逆流防止機構100の構成について説明する。図28は、逆流防止機構及び流れ方向切換機構35が設けられた領域を拡大した可変長コンロッド6cの側面断面図である。図29は、図28のL−L線に沿った可変長コンロッド6cの断面図である。図30は、図28のM−M線に沿った可変長コンロッド6cの断面図である。逆流防止機構100はピン収容空間47とコンロッド6cの外部空間との間の排出油路に配置される。以下に説明するように、逆流防止機構100は、切換ピン81が第二位置にあるときに、流れ方向切換機構35からコンロッド6cの外部空間への作動油の移動を許可し且つコンロッド6cの外部空間から流れ方向切換機構35への流体の移動を禁止するように構成される。
逆流防止機構100は、コンロッド本体31に形成された逆流防止機構収容空間101に収容される。逆流防止機構収容空間101は、コンロッド本体31の軸線方向において、油圧シリンダ33aと流れ方向切換機構35との間に形成される。本実施形態では、逆流防止機構収容空間101は、円筒形状を有し、その軸線がクランク受容開口41の中心軸線と平行に延びるように形成される。逆流防止機構収容空間101は、図29に示したように、コンロッド本体31の厚さ方向において、一方の端部において閉じており、他方の端部において開いている。逆流防止機構100は可変長コンロッド6cの組立時に逆流防止機構収容空間101の開いた端部から逆流防止機構収容空間101に挿入される。
逆流防止機構100は、逆流防止ピン102と、逆流防止ピン102を付勢する第2付勢バネ103と、第2付勢バネ103を支持する第2支持部材104とを備える。逆流防止ピン102は、円柱形状を有し、その軸線がクランク受容開口41の中心軸線と平行に延びるように逆流防止機構収容空間101に収容される。第2付勢バネ103は、例えばコイルバネであり、逆流防止ピン102と第2支持部材104との間に配置される。第2支持部材104は、例えばCリング、Eリング等のスナップリングであり、逆流防止機構収容空間101に形成された円周溝に配置される。第2付勢バネ103は、逆流防止機構収容空間101の閉じた端部に向かって、クランク受容開口41の中心軸線と平行な方向に逆流防止ピン102を付勢する。
後述するように、逆流防止ピン102には、油圧シリンダ33aから排出される作動油によって油圧が供給される。逆流防止ピン102は、油圧によって、逆流防止機構収容空間101の閉じた端部から離間された第一位置と、逆流防止機構収容空間101の閉じた端部に当接する第二位置との間で切り換えられる。具体的には、逆流防止ピン102は、逆流防止ピン102に所定圧以上の油圧が供給された場合には第2付勢バネ103の付勢力に抗して第一位置に移動し、逆流防止ピン102に所定圧未満の油圧が供給され又は逆流防止ピン102に油圧が供給されない場合には第2付勢バネ103の付勢力によって第二位置に移動する。逆流防止ピン102は、第一位置と第二位置との間で切り換えられるとき、図29の矢印の方向に直線的に移動する。逆流防止ピン102の移動方向は、クランク受容開口41の中心軸線と平行である。なお、図29では、切換ピン81は第二位置に位置している。
また、本実施形態では、逆流防止機構100を介して作動油をコンロッド6cの外部空間に排出するために、コンロッド本体31に第1排出油路62a及び第2排出油路62bが形成されている。なお、参考のために、第1排出油路62a及び第2排出油路62bは図28において破線で示されている。第1排出油路62aは、コンロッド本体31の軸線方向に延び、ピン収容空間47と逆流防止機構収容空間101とを連通させる。第2排出油路62bは、コンロッド本体31の幅方向に延び、逆流防止機構収容空間101とコンロッド6cの外部空間とを連通させる。
第1排出油路62aは第3空間連通油路57と同一直線上に形成されている。このため、クランク受容開口41からドリル等によって切削加工を行うことによって第1排出油路62aを容易に形成することができる。一方、第2排出油路62bは、コンロッド本体31の厚さ方向において、逆流防止機構収容空間101の閉じた端部側に形成されている。第2排出油路62bは、コンロッド本体31の外部からドリル等によって切削加工を行うことによって形成される。なお、第2排出油路62bは、コンロッド本体31の幅方向に対して斜めに延びていてもよい。
<可変長コンロッドの動作>
次に、図31及び図32を参照して、可変長コンロッド6cの動作について説明する。 図31は、油圧供給源50から切換ピン81に油圧が供給されているときの作動油の流れを説明する概略図である。また、図32は、油圧供給源50から切換ピン81に油圧が供給されていないときの作動油の流れを説明する概略図である。
図31に示したように、油圧供給源50から所定圧以上の油圧が供給されているときには、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力に抗して第一位置に位置する。このとき、切換ピン81の第1貫通孔81bを介して、油圧シリンダ33aと連通する第1ピストン連通油路51と、逆止弁70の二次側と連通する第1空間連通油路55とが連通する。また、ピン収容空間47、作動油供給路81h及び第4貫通孔81eを介して、油圧供給源50と連通する油圧供給油路59と、逆止弁70の一次側と連通する第4空間連通油路58とが連通する。一方、油圧シリンダ33aと連通する第2ピストン連通油路52と、逆止弁70の一次側と連通する第2空間連通油路56との連通が切換ピン81によって遮断される。また、逆流防止機構収容空間101と連通する第1排出油路62aと、逆止弁70の二次側と連通する第3空間連通油路57との連通が切換ピン81によって遮断される。
したがって、切換ピン81は、第一位置において、第1ピストン連通油路51を第1空間連通油路55に連通させ、油圧供給油路59を第4空間連通油路58に連通させる。言い換えれば、切換ピン81は、第一位置において、油圧シリンダ33aを逆止弁70の二次側に連通させ且つ油圧供給源50を逆止弁70の一次側に連通させる。また、切換ピン81は、第一位置において、第2ピストン連通油路52と第2空間連通油路56との連通を遮断し、第1排出油路62aと第3空間連通油路57との連通を遮断する。言い換えれば、切換ピン81は、第一位置において、油圧シリンダ33aと逆止弁70の一次側との連通を遮断し、逆流防止機構収容空間101と逆止弁70の二次側との連通を遮断する。
この場合、逆流防止ピン102には油圧が供給されないため、逆流防止ピン102は第2付勢バネ103の付勢力によって第二位置に位置する。このため、ピン収容空間47と連通する第1排出油路62aと、コンロッド6cの外部空間と連通する第2排出油路62bとの連通が逆流防止ピン102によって遮断される。
この結果、油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れが許可され、油圧シリンダ33aからコンロッド6cの外部空間への作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第一位置に位置するとき、油圧シリンダ33aからコンロッド6cの外部空間への作動油の流れを禁止し且つ油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れを許可する第一状態にある。流れ方向切換機構35が第一状態にされると、第三実施形態と同様に、偏心部材32が一方の方向に回動してコンロッド6bの有効長さが長くなる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が高くなる。
一方、図32に示したように、油圧供給源50から油圧が供給されていないときには、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力によって第二位置に位置する。このとき、切換ピン81の第2貫通孔81cを介して、油圧シリンダ33aと連通する第2ピストン連通油路52と、逆止弁70の一次側と連通する第2空間連通油路56とが連通する。また、切換ピン81の第3貫通孔81dを介して、逆流防止機構収容空間101と連通する第1排出油路62aと、逆止弁70の二次側と連通する第3空間連通油路57とが連通する。一方、油圧シリンダ33aと連通する第1ピストン連通油路51と、逆止弁70の二次側と連通する第1空間連通油路55との連通が切換ピン81によって遮断される。また、油圧供給源50と連通する油圧供給油路59と、逆止弁70の一次側と連通する第4空間連通油路58との連通が切換ピン81によって遮断される。
したがって、切換ピン81は、第二位置において、第2ピストン連通油路52を第2空間連通油路56に連通させ、第1排出油路62aを第3空間連通油路57に連通させる。言い換えれば、切換ピン81は、第二位置において、油圧シリンダ33aを逆止弁70の一次側に連通させ且つ逆流防止機構収容空間101を逆止弁70の二次側に連通させる。また、切換ピン81は、第二位置において、第1ピストン連通油路51と第1空間連通油路55との連通を遮断し、油圧供給油路59と第4空間連通油路58との連通を遮断する。言い換えれば、切換ピン81は、第二位置において、油圧シリンダ33aと逆止弁70の二次側との連通を遮断し、油圧供給源50と逆止弁70の一次側との連通を遮断する。
この場合、逆流防止ピン102には所定圧以上の油圧が供給されるため、逆流防止ピン102は第2付勢バネ103に抗して第一位置に位置する。このため、逆流防止機構収容空間101を介して、ピン収容空間47と連通する第1排出油路62aと、コンロッド本体31の外部と連通する第2排出油路62bとが連通される。
この結果、油圧シリンダ33aからコンロッド6cの外部空間への作動油の流れが許可され、油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第二位置に位置するとき、油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れを禁止し且つ油圧シリンダ33aからコンロッド6cの外部空間への作動油の流れを許可する第二状態にある。流れ方向切換機構35が第二状態にされると、第三実施形態と同様に、偏心部材32が他方の方向に回動してコンロッド6bの有効長さが短くなる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が低くなる。
流れ方向切換機構35が第二状態にあるとき、油圧ピストン33bが油圧シリンダ33aの底部に当接すると、油圧シリンダ33a内の作動油の排出が終了する。作動油の排出が終了すると、逆流防止ピン102に作用する油圧は第2付勢バネ103の付勢力よりも小さくなる。この結果、逆流防止ピン102は、第2付勢バネ103の付勢力によって第二位置に移動し、第1排出油路62aと第2排出油路62bとの連通を遮断する。このため、第2排出油路62bから流れ方向切換機構35への流体の移動が禁止される。したがって、逆流防止機構100は切換ピン81が第二位置にあるときに流れ方向切換機構35からコンロッド6cの外部空間への作動油の移動を許可し且つコンロッド6cの外部空間から流れ方向切換機構35への流体の移動を禁止する。したがって、本実施形態では、逆流防止機構100によって第2排出油路62bから流れ方向切換機構35に空気が流入することを抑制することができ、ひいては油圧シリンダ33aへの空気の流入を抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1ピストン連通油路51及び第2ピストン連通油路52が、油圧シリンダ33aとピン収容空間47とを連通させる第一油路に相当する。また、油圧供給油路59及び排出油路(第1排出油路62a及び第2排出油路62b)が、作動油を扱う油圧機構(油圧供給源50)及びコンロッド6cの外部空間とピン収容空間47とを連通させる第二油路に相当する。
<第五実施形態>
次に、図33〜図39を参照して、本発明の第五実施形態に係る可変長コンロッド6dについて説明する。第五実施形態に係る可変長コンロッド6dの構成及び動作は、以下に説明する点を除いて、基本的に第三実施形態に係る可変長コンロッド6bの構成及び動作と同様である。
図33は、第五実施形態に係る可変長コンロッド6dを概略的に示す斜視図である。図34は、第五実施形態に係る可変長コンロッド6dを概略的に示す側面断面図である。可変長コンロッド6dは押圧機構37及び貯留室38を更に備える。また、図35に示したように、第五実施形態では、第一実施形態と同様に、コンロッド本体31内に、逆止弁70の一次側に作動油を補充するための補充用油路67が形成されている。
<貯留室及び押圧機構>
以下、図34を参照して、貯留室38及び押圧機構37の構成について説明する。貯留室38は、コンロッド本体31に形成され、作動油を貯留することができる。貯留室38は、その全てがコンロッド6の軸線Xに対して第2アーム32c側に配置される。すなわち、貯留室38は、コンロッド6の軸線Xに対して油圧シリンダ33aとは反対側に配置される。また、貯留室38は、小径端部31bに近づくほどコンロッド本体31の幅方向外側に突出するように軸線Xに対して或る程度の角度だけ傾斜して配置される。貯留室38は油圧シリンダ33aの突出方向とは反対の方向に突出する。
押圧機構37は、貯留室38内に配置され、貯留室38に貯留される作動油を流れ方向切換機構35に向かって押圧する。押圧機構37は、押圧ピン37aと、押圧ピン37aを介して作動油を押圧する押圧バネ37bと、押圧バネ37bを支持するバネ支持部材37cとを有する。押圧ピン37aは、円柱形状を有し、貯留室38内で摺動する。押圧ピン37aは、偏心部材32に連結されていないため、偏心部材32から独立して動作可能である。
押圧バネ37bは、例えばコイルバネであり、押圧ピン37aの摺動位置に関わらず押圧ピン37aを流れ方向切換機構35に向かって押圧するように構成される。バネ支持部材37cは、例えばCリング、Eリング等のスナップリングであり、貯留室38に形成された円周溝に配置される。
図35は、流れ方向切換機構35が設けられた領域を拡大した可変長コンロッド6dの側面断面図である。図36は、図35のN−N線に沿った可変長コンロッド6dの断面図である。図37は、図35のO−O線に沿った可変長コンロッド6dの断面図である。図35及び図36からわかるように、コンロッド本体31内には、貯留室38とピン収容空間47とを連通させる第1貯留室連通油路64及び第2貯留室連通油路65が形成されている。第1貯留室連通油路64及び第2貯留室連通油路65はコンロッド本体31の軸線方向に延びている。
第1貯留室連通油路64及び第2貯留室連通油路65は、コンロッド本体31の厚さ方向において互いに離間され、コンロッド本体31の軸線方向及び幅方向において同一の位置に形成される。第1ピストン連通油路51及び第1貯留室連通油路64は、コンロッド本体31の幅方向において互いに離間され、コンロッド本体31の厚さ方向において同一の位置に形成される。第2ピストン連通油路52及び第2貯留室連通油路65は、コンロッド本体31の幅方向において互いに離間され、コンロッド本体31の厚さ方向において同一の位置に形成される。
第1貯留室連通油路64及び第3空間連通油路57は同一直線上に形成され、第2貯留室連通油路65及び第4空間連通油路58は同一直線上に形成されている。このため、クランク受容開口41からドリル等によって切削加工を行うことによって第1貯留室連通油路64及び第2貯留室連通油路65を容易に形成することができる。
<可変長コンロッドの動作>
以下、図38及び図39を参照して、可変長コンロッド6dの動作について説明する。図38は、油圧供給源50から切換ピン81に油圧が供給されているときの作動油の流れを説明する概略図である。また、図39は、油圧供給源50から切換ピン81に油圧が供給されていないときの作動油の流れを説明する概略図である。
図38に示したように、油圧供給源50から所定圧以上の油圧が供給されているときには、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力に抗して第一位置に位置する。このとき、切換ピン81の第1貫通孔81bを介して、油圧シリンダ33aと連通する第1ピストン連通油路51と、逆止弁70の二次側と連通する第1空間連通油路55とが連通する。また、切換ピン81の第4貫通孔81eを介して、貯留室38と連通する第2貯留室連通油路65と、逆止弁70の一次側と連通する第4空間連通油路58とが連通する。一方、油圧シリンダ33aと連通する第2ピストン連通油路52と、逆止弁70の一次側と連通する第2空間連通油路56との連通が切換ピン81によって遮断される。また、貯留室38と連通する第1貯留室連通油路64と、逆止弁70の二次側と連通する第3空間連通油路57との連通が切換ピン81によって遮断される。
したがって、切換ピン81は、第一位置において、第1ピストン連通油路51を第1空間連通油路55に連通させ、第2貯留室連通油路65を第4空間連通油路58に連通させる。言い換えれば、切換ピン81は、第一位置において、油圧シリンダ33aを逆止弁70の二次側に連通させ且つ貯留室38を逆止弁70の一次側に連通させる。また、切換ピン81は、第一位置において、第2ピストン連通油路52と第2空間連通油路56との連通を遮断し、第1貯留室連通油路64と第3空間連通油路57との連通を遮断する。言い換えれば、切換ピン81は、第一位置において、油圧シリンダ33aと逆止弁70の一次側との連通を遮断し、貯留室38と逆止弁70の二次側との連通を遮断する。
この結果、貯留室38から油圧シリンダ33aへの作動油の流れが許可され、油圧シリンダ33aから貯留室38への作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第一位置に位置するとき、油圧シリンダ33aから貯留室38への作動油の流れを禁止し且つ貯留室38から油圧シリンダ33aへの作動油の流れを許可する第一状態にある。流れ方向切換機構35が第一状態にされると、貯留室38は油圧シリンダ33aに作動油を供給する。この結果、第三実施形態と同様に、偏心部材32が一方の方向に回動してコンロッド6dの有効長さが長くなる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が高くなる。
一方、図39に示したように、油圧供給源50から油圧が供給されていないときには、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力によって第二位置に位置する。このとき、切換ピン81の第2貫通孔81cを介して、油圧シリンダ33aと連通する第2ピストン連通油路52と、逆止弁70の一次側と連通する第2空間連通油路56とが連通する。また、切換ピン81の第3貫通孔81dを介して、貯留室38と連通する第1貯留室連通油路64と、逆止弁70の二次側と連通する第3空間連通油路57とが連通する。一方、油圧シリンダ33aと連通する第1ピストン連通油路51と、逆止弁70の二次側と連通する第1空間連通油路55との連通が切換ピン81によって遮断される。また、貯留室38と連通する第2貯留室連通油路65と、逆止弁70の一次側と連通する第4空間連通油路58との連通が切換ピン81によって遮断される。
したがって、切換ピン81は、第二位置において、第2ピストン連通油路52を第2空間連通油路56に連通させ、第1貯留室連通油路64を第3空間連通油路57に連通させる。言い換えれば、切換ピン81は、第二位置において、油圧シリンダ33aを逆止弁70の一次側に連通させ且つ貯留室38を逆止弁70の二次側に連通させる。また、切換ピン81は、第二位置において、第1ピストン連通油路51と第1空間連通油路55との連通を遮断し、第2貯留室連通油路65と第4空間連通油路58との連通を遮断する。言い換えれば、切換ピン81は、第二位置において、油圧シリンダ33aと逆止弁70の二次側との連通を遮断し、貯留室38と逆止弁70の一次側との連通を遮断する。
この結果、油圧シリンダ33aから貯留室38への作動油の流れが許可され、貯留室38から油圧シリンダ33aへの作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第二位置に位置するとき、貯留室38から油圧シリンダ33aへの作動油の流れを禁止し且つ油圧シリンダ33aから貯留室38への作動油の流れを許可する第二状態にある。流れ方向切換機構35が第二状態にされると、貯留室38は油圧シリンダ33aから作動油を受け取る。この結果、第三実施形態と同様に、偏心部材32が他方の方向に回動してコンロッド6dの有効長さが短くなる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が低くなる。
本実施形態では、油圧シリンダ33aから排出された作動油は貯留室38に貯留され、貯留された作動油は貯留室38から油圧シリンダ33aに供給される。言い換えれば、作動油は油圧シリンダ33aと貯留室38との間を行き来する。このため、オイルシール33c等から作動油が漏れた場合に補充用油路67から供給される補充油を除いて、油圧供給源50から油圧シリンダ33aに作動油を供給する必要がない。したがって、本実施形態では、油圧供給源50の負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、第1ピストン連通油路51及び第2ピストン連通油路52が、油圧シリンダ33aとピン収容空間47とを連通させる第一油路に相当する。また、第1貯留室連通油路64及び第2貯留室連通油路65が、作動油を扱う油圧機構(貯留室38)とピン収容空間47とを連通させる第二油路に相当する。
<第六実施形態>
次に、図40〜図49を参照して、本発明の第六実施形態に係る可変長コンロッド6eについて説明する。第六実施形態に係る可変長コンロッド6eの構成及び動作は、以下に説明する点を除いて、基本的に第三実施形態に係る可変長コンロッド6bの構成及び動作と同様である。
図40は、第六実施形態に係る可変長コンロッド6eを概略的に示す斜視図である。図41は、第六実施形態に係る可変長コンロッド6eを概略的に示す側面断面図である。可変長コンロッド6eは停止装置39を更に備える。
<停止装置>
次に、停止装置39について説明する。停止装置39は、コンロッド本体31の外部から供給される油圧によって偏心部材32の一方への回動(図41における時計回りの回動)の停止位置を二段階に切り換えるように構成されている。
停止装置39は、コンロッド本体31に形成された停止シリンダ39aと、停止シリンダ39a内で摺動可能である停止部材39bと、停止部材39bを引込み位置へと付勢する第3付勢バネ39cとを備える。図41に示した例では、停止シリンダ39a及び停止部材39bは、その軸線がコンロッド本体31の幅方向に延びるように配置される。しかしながら、これら停止シリンダ39a及び停止部材39bは、コンロッド本体31の幅方向に対して斜めに延びていてもよい。
停止部材39bは、偏心部材32の第2アーム32c側においてコンロッド本体31から少なくとも部分的に突出した突出位置と、コンロッド本体31内に(すなわち、停止シリンダ39a内に)少なくともそのほとんどが収容された引込み位置との間で摺動可能である。停止部材39bは、突出位置及び引込み位置の両方の位置において、一方の方向に回動した偏心部材32の第2アーム32cに当接するように配置される。
図42は、流れ方向切換機構35が設けられた領域を拡大した可変長コンロッド6eの側面断面図である。図43は、図42のP−P線に沿った可変長コンロッド6eの断面図である。図44は、図42のQ−Q線に沿った可変長コンロッド6eの断面図である。図45は、図42のR−R線に沿った可変長コンロッド6eの断面図である。
図41〜図44からわかるように、コンロッド本体31内には、コンロッド本体31の外部の油圧供給源から停止部材39bに油圧を供給するための作動油路66が形成されている。なお、参考のために、作動油路66は図41及び図42において破線で示されている。作動油路66は停止シリンダ39aからクランク受容開口41までコンロッド本体31の軸線方向に延びている。このため、クランク受容開口41からドリル等によって切削加工を行うことによって作動油路66を容易に形成することができる。また、作動油路66は例えばベアリングメタル20によって閉じられる。このことによって、ベアリングメタル20を用いてコンロッド6をクランクピン22に組み付けるだけで作動油路66を容易に閉じることができる。
作動油路66は停止シリンダ39aとピン収容空間47とを連通させる。図44に示したように、作動油路66は、コンロッド本体31の厚さ方向において、ピン収容空間47の閉じた端部側でピン収容空間47と連通している。作動油路66はコンロッド本体31の厚さ方向において油圧供給油路59とほぼ同一の位置に配置される。
図44からわかるように、作動油路66は、切換ピン81が第一位置に位置するとき、ピン収容空間47を介して油圧供給油路59と連通する。このことによって、油圧供給油路59、ピン収容空間47及び作動油路66を介して外部の油圧供給源から停止部材39bに油圧が供給される。
停止装置39では、停止部材39bに所定圧以上の高い油圧が供給されていないときには、第3付勢バネ39cの付勢力によって停止部材39bが引込み位置に引き込まれる。一方、停止部材39bに所定圧以上の高い油圧が供給されているときには、油圧によって停止部材39bが突出位置に移動する。
<可変長コンロッドの動作>
次に、図46〜図49を参照して、可変長コンロッド6eの動作について説明する。図46は、第六実施形態に係る可変長コンロッド6eを概略的に示す側面断面図である。図46(A)は、流れ方向切換機構35が第一状態にあり且つ停止部材39bが引込み位置にある状態を示している。図46(B)は、流れ方向切換機構35が第一状態にあり且つ停止部材39bが突出位置にある状態を示している。図46(C)は、流れ方向切換機構35が第二状態にあり且つ停止部材39bが引込み位置にある状態を示している。図47は、切換ピン81及び停止部材39bに中程度の油圧が供給されているときの作動油の流れを説明するための概略図である。図48は、切換ピン81及び停止部材39bに高い油圧が供給されているときの作動油の流れを説明するための概略図である。図49は、切換ピン81に低い油圧が供給されているときの作動油の流れを説明するための概略図である。
ここで、切換ピン81が第一位置と第二位置との間で切り換わる油圧、すなわち流れ方向切換機構35が第一状態と第二状態との間で切り換わる油圧を第一閾値とする。また、停止部材39bの作動位置が突出位置と引込み位置との間で切り換わる油圧を第二閾値とする。切換機構80及び停止装置39は、第一閾値が第二閾値よりも小さくなるように構成される。したがって、油圧供給源50から供給される油圧を上昇させていくと、最初に切換ピン81が第二位置から第一位置に移動し、流れ方向切換機構35が第二状態から第一状態に変化する。その後、油圧供給源50から供給される油圧を更に上昇させていくと、停止部材39bが引込み位置から突出位置へと移動する。
また、本実施形態では、可変長コンロッド6eは油圧切換機構90を更に備える。油圧切換機構90は油圧供給源50と油圧供給油路59との間に配置される。油圧切換機構90は、油圧供給源50に連通する三方弁91と、三方弁91に連通する三つの油路92〜94とを備える。三方弁91はECU40によって制御される。
三つの油路92〜94には、それぞれリリーフ弁が設けられており、これらリリーフ弁の解放圧は互いに異なるものとなっている。図47〜図49に示した例では、油路92に設けられたリリーフ弁の解放圧P1、油路93に設けられたリリーフ弁の解放圧P2、油路94に設けられたリリーフ弁の解放圧P3の順に解放圧が低くなる(P1>P2>P3)。加えて、油路92と油路93との間には油路93内の圧力が高くなると解放されるリリーフ弁が設けられ、油路93と油路94との間には油路94内の圧力が高くなると解放されるリリーフ弁が設けられる。これら油路間に設けられたリリーフ弁の解放圧P4は油路94に設けられたリリーフ弁の解放圧P3よりも低く設定される。加えて、油路92が油圧供給油路59に連通する。
このように構成された油圧切換機構90では、三方弁91により油圧供給源50が油路93に連通しているときに油圧供給油路59に供給される油圧は中程度となる。本実施形態では、このときの油圧は第一閾値よりも高く第二閾値よりも低い圧力とされる。このときの油圧が第一閾値よりも高いため、図47に示したように、切換ピン81は第1付勢バネ82に抗して第一位置に位置する。この結果、第三実施形態と同様に、油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れが許可され、油圧シリンダ33aからコンロッド6eの外部空間への作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、油圧シリンダ33aからコンロッド6eの外部空間への作動油の流れを禁止し且つ油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れを許可する第一状態にある。
このとき、油圧シリンダ33aに作動油が供給され、油圧ピストン33bが上昇する。また、このときの油圧が第二閾値よりも低いため、図47に示したように停止部材39bは引込み位置に配置される。この結果、図46(A)に示したように、偏心部材32は図中の矢印の方向に最も回動された位置まで回動される。これにより、ピストンピン受容開口32dの位置は最も上昇する。したがって、クランク受容開口41の中心とピストンピン受容開口32dの中心との間の長さ、すなわちコンロッド6eの有効長さが最も長くなり、図中のL1となる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が最も高くなる。
一方、図48に示したように、油圧切換機構90において三方弁91により油圧供給源50が油路92に連通しているときに油圧供給油路59に供給される油圧は高くなる。本実施形態では、このときの油圧は第二閾値よりも高い圧力とされる。したがって、このときの油圧が第一閾値よりも高いため、図47に示した状態と同様に、切換ピン81は第1付勢バネ82に抗して第一位置に位置する。
この結果、流れ方向切換機構35は第一状態にあり、油圧ピストン33bが上昇する。また、このときの油圧が第二閾値よりも高いため、図48に示したように停止部材39bは突出位置に配置される。この結果、図46(B)に矢印で示した方向への偏心部材32の回動角度は、図46(A)に示した状態よりも僅かに小さくなる。これにより、ピストンピン受容開口32dの位置は最も上昇した位置よりも下降する。したがって、図46(A)に示した状態よりも、コンロッド6eの有効長さが短くなり、図中のL2となる。この結果、図46(A)に示した状態よりも、内燃機関1における機械圧縮比が低くなる。
他方、図49に示したように、油圧切換機構90において三方弁91により油圧供給源50が油路94に連通しているときに油圧供給油路59に供給される油圧は低くなる。本実施形態では、このときの油圧は第一閾値よりも低い圧力とされる。したがって、このときの油圧が第一閾値よりも低いため、図49に示したように、切換ピン81は第1付勢バネ82の付勢力によって第二位置に位置する。この結果、第三実施形態と同様に、油圧シリンダ33aからコンロッド6eの外部空間への作動油の流れが許可され、油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れが禁止される。したがって、流れ方向切換機構35は、切換ピン81が第二位置に位置するとき、油圧供給源50から油圧シリンダ33aへの作動油の流れを禁止し且つ油圧シリンダ33aからコンロッド6eの外部空間への作動油の流れを許可する第二状態にある。
このとき、油圧シリンダ33aからコンロッド6eの外部空間へ作動油が排出され、油圧ピストン33bが下降する。また、このとき、停止部材39bに油圧が供給されないため、図49に示したように停止部材39bは引込み位置に配置される。この結果、図46(C)に示したように、偏心部材32は、図中の矢印の方向に最も回動された位置まで回動される。これにより、ピストンピン受容開口32dの位置は最も下降する。したがって、コンロッド6eの有効長さが最も短くなり、図中のL3となる。この結果、内燃機関1における機械圧縮比が最も低くなる。
本実施形態では、上述したように、流れ方向切換機構35及び停止装置39によって偏心部材32の回動位置を三段階に切り換えることができる。この結果、本実施形態では、可変長コンロッドの有効長さを三段階に切り換えることができる。
なお、本明細書において、ピストン5の上昇とは、ピストン5がシリンダヘッド4に近づくように移動することを意味し、ピストン5の下降とは、ピストン5がシリンダヘッド4から離れるように移動することを意味する。また、油圧ピストン33b、34bの上昇とは、油圧ピストン33b、34bがコンロッド本体31の小径端部31bに近づくように移動することを意味し、油圧ピストン33b、34bの下降とは、油圧ピストン33b、34bが小径端部31bから離れるように移動することを意味する。
<その他の態様>
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。
上述した実施形態では、切換ピンに所定圧以上の油圧が供給されたときに、コンロッドの有効長さが長くされて内燃機関における機械圧縮比が高圧縮比にされ、一方、切換ピンに所定圧未満の油圧が供給されるとき又は切換ピンに油圧が供給されないときに、コンロッドの有効長さが短くされて内燃機関における機械圧縮比が低圧縮比にされる。しかしながら、切換ピンに所定圧未満の油圧が供給されるとき又は切換ピンに油圧が供給されないときに、コンロッドの有効長さが長くされて内燃機関における機械圧縮比が高圧縮比にされ、一方、切換ピンに所定圧以上の油圧が供給されたときに、コンロッドの有効長さが短くされて内燃機関における機械圧縮比が低圧縮比にされてもよい。
また、一つの切換ピンの移動によって油圧シリンダへの作動油の流れを切り換えることができれば、第一油路〜第四油路、逆止弁及び切換機構の詳細な構成は、上述した構成に限定されない。
例えば、切換ピン81は、第一位置と第二位置との間で切り換えられるときに、軸線方向に移動する代わりに切換ピン81の周方向に回動してもよい。この場合、例えば、切換ピン81には、第一回動位置において第1ピストン連通油路51と第1空間連通油路55とを連通させる第1貫通孔と、第一回動位置において第4ピストン連通油路54と第4空間連通油路58とを連通させる第2貫通孔と、第二回動位置において第2ピストン連通油路52と第2空間連通油路56とを連通させる第3貫通孔と、第二回動位置において第3ピストン連通油路53と第3空間連通油路57とを連通させる第4貫通孔とが形成される。
また、切換ピン81は、第一位置と第二位置との間で切り換えられるときにクランク受容開口41の中心軸線とは異なる方向に移動してもよい。例えば、切換ピン81は、第一位置と第二位置との間で切り換えられるときにコンロッド本体31の幅方向又は軸線方向に移動してもよい。また、切換ピン81は、油圧の代わりに機械的な機構(例えばカム機構)によって第一位置と第二位置との間で切り換えられてもよい。
また、上述した実施形態は、任意に組み合わせて実施可能である。例えば、第三実施形態〜第五実施形態において、第六実施形態のように、可変長コンロッドが停止装置39を備え、コンロッド本体31内に作動油路66が形成されていてもよい。
また、第三実施形態〜第六実施形態における可変長コンロッドが第二実施形態のように変更されてもよい。具体的には、第三実施形態、第四実施形態及び第六実施形態において、油圧シリンダ33aとピン収容空間47とを連通させる第一油路の数が一本であり、切換ピン81に第1連通溝81fが形成されていてもよい。また、第五実施形態において、油圧シリンダ33aとピン収容空間47とを連通させる第一油路の数と、油圧機構(貯留室38)とピン収容空間47とを連通させる第二油路の数とがそれぞれ一本であり、切換ピン81に第1連通溝81f及び第2連通溝81gが形成されていてもよい。
1 内燃機関
6、6a、6b、6c、6d、6e 可変長コンロッド
21 ピストンピン
22 クランクピン
31 コンロッド本体
31a 大径端部
31b 小径端部
32 偏心部材
32d ピストンピン受容開口
33a 第1油圧シリンダ、油圧シリンダ
33b 第1油圧ピストン、油圧ピストン
34a 第2油圧シリンダ
34b 第2油圧ピストン
38 貯留室
35 流れ方向切換機構
41 クランク受容開口
42 スリーブ受容開口
47 ピン収容空間
50 油圧供給源
51 第1ピストン連通油路
52 第2ピストン連通油路
53 第3ピストン連通油路
54 第4ピストン連通油路
55 第1空間連通油路
56 第2空間連通油路
57 第3空間連通油路
58 第4空間連通油路
59 油圧供給油路
60 第5ピストン連通油路
61 第6ピストン連通油路
62 排出油路
62a 第1排出油路
62b 第2排出油路
70 逆止弁
80 切換機構
81 切換ピン

Claims (15)

  1. 可変長コンロッドであって、
    クラクランクピンを受容するクランク受容開口が設けられたコンロッド本体と、
    ピストンピンを受容するピストンピン受容開口が設けられると共に、該ピストンピン受容開口の中心と前記クランク受容開口の中心との間の長さを変化させるように前記コンロッド本体に回動可能に取り付けられた偏心部材と、
    前記コンロッド本体に形成されると共に作動油が供給される油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダ内で摺動し且つ前記偏心部材と連動する油圧ピストンと、
    前記コンロッド本体に設けられた流れ方向切換機構と、
    前記油圧シリンダ、前記油圧ピストン及び前記流れ方向切換機構とは別の、前記作動油を扱う油圧機構と
    を備え、
    前記流れ方向切換機構は一つの逆止弁及び一つの切換機構を備え、
    前記逆止弁は該逆止弁の一次側から該逆止弁の二次側への作動油の流れを許可し且つ前記二次側から前記一次側への作動油の流れを禁止するように構成され、
    前記切換機構は一つの切換ピンを備え、該切換ピンは、前記コンロッド本体に形成されたピン収容空間に収容され、
    前記コンロッド本体に、前記油圧シリンダと前記ピン収容空間とを連通させる第一油路と、前記油圧機構又は前記油圧機構及び当該可変長コンロッドの外部空間と前記ピン収容空間とを連通させる第二油路と、前記逆止弁の一次側と前記ピン収容空間とを連通させる第三油路と、前記逆止弁の二次側と前記ピン収容空間とを連通させる第四油路とが形成され、
    前記切換ピンは、前記第一油路を前記第四油路に連通させ且つ前記第二油路を前記第三油路に連通させる第一位置と、前記第一油路を前記第三油路に連通させ且つ前記第二油路を前記第四油路に連通させる第二位置との間で切り換えられるように構成される、可変長コンロッド。
  2. 前記切換ピンは、前記第一位置と前記第二位置との間で切り換えられるときに直線的に移動する、請求項1に記載の可変長コンロッド。
  3. 前記切換ピンは、前記第一位置と前記第二位置との間で切り換えられるときに前記クランク受容開口の中心軸線と平行に移動する、請求項2に記載の可変長コンロッド。
  4. 前記切換ピンは円柱形状を有し、前記切換機構は、前記切換ピンの周方向の回動を防止する回動防止部材を更に備える、請求項2又は3に記載の可変長コンロッド。
  5. 前記切換ピンは、前記コンロッド本体の外部から供給される油圧によって前記第一位置と前記第二位置との間で切り換えられる、請求項1から4のいずれか1項に記載の可変長コンロッド。
  6. 前記油圧機構は、前記コンロッド本体に形成されると共に作動油が供給される別の油圧シリンダであり、
    当該可変長コンロッドは、前記別の油圧シリンダ内で摺動し且つ前記偏心部材と連動する別の油圧ピストンを更に備え、
    前記第二油路は前記別の油圧シリンダと前記ピン収容空間とを連通させるように形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の可変長コンロッド。
  7. 前記油圧機構は、作動油を貯留可能な貯留室であり、
    前記第二油路は前記貯留室と前記ピン収容空間とを連通させるように形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の可変長コンロッド。
  8. 前記油圧機構は、前記コンロッド本体の外部に配置されると共に前記油圧シリンダに作動油を供給する油圧供給源であり、
    前記第二油路は、前記油圧供給源と前記ピン収容空間とを連通させる供給油路と、当該可変長コンロッドの外部空間と前記ピン収容空間とを連通させる排出油路とであり、
    前記切換ピンは、前記第一油路を前記第四油路に連通させ且つ前記供給油路を前記第三油路に連通させる第一位置と、前記第一油路を前記第三油路に連通させ且つ前記排出油路を前記第四油路に連通させる第二位置との間で切り換えられるように構成される、請求項1から5のいずれか1項に記載の可変長コンロッド。
  9. 前記排出油路に配置された逆流防止機構を更に備え、該逆流防止機構は、前記切換ピンが前記第二位置にあるときに前記流れ方向切換機構から前記外部空間への作動油の移動を許可し且つ該外部空間から該流れ方向切換機構への流体の移動を禁止するように構成される、請求項8に記載の可変長コンロッド。
  10. 前記第一油路の数が一本である、請求項1から9のいずれか1項に記載の可変長コンロッド。
  11. 前記第一油路及び前記第二油路の数がそれぞれ一本である、請求項1から7のいずれか1項に記載の可変長コンロッド。
  12. 前記第一油路は前記第三油路又は前記第四油路と同一直線上に形成されている、請求項1から11のいずれか1項に記載の可変長コンロッド。
  13. 前記第一油路は前記第三油路又は前記第四油路と同一直線上に形成され、前記第二油路は前記第三油路又は前記第四油路と同一直線上に形成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の可変長コンロッド。
  14. 前記コンロッド本体の外部から供給される油圧によって前記偏心部材の一方への回動の停止位置を二段階に切り換えるように構成された停止装置を更に備える、請求項7から9のいずれか1項に記載の可変長コンロッド。
  15. 機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比内燃機関であって、
    請求項1から14のいずれか1項に記載の可変長コンロッドを備え、該可変長コンロッドによって前記ピストンピン受容開口の中心と前記クランク受容開口の中心との間の長さを変更することにより機械圧縮比が変更される、可変圧縮比内燃機関。
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