JP6365246B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機構と変速歯車機構とを備える自動変速機に係り、詳しくは、無段変速機構を介して入力軸と出力部材とを接続し回転伝達する低速モードと、増速プラネタリギヤ及び無段変速機構を介して入力軸と出力部材とを接続し回転伝達する高速モードと、を達成可能な変速歯車機構を備える自動変速機に関する。
従来、例えば、車両に用いて好適な自動変速機として、1対のプーリとこれらプーリに巻回される金属製ベルトを備え、プーリの有効径を変更することにより無段に変速するベルト式無段変速機構を用いた自動変速機が普及している。
更に、これらの自動変速機において、ベルト式無段変速機構と変速機構とを組合せ、変速比が低い無段変速を行う低速モードと、それよりも変速比が高い無段変速を行う高速モードとを有する自動変速機が提案されている(特許文献1参照)。この自動変速機では、エンジン回転を入力する入力軸の回転を無段変速機構により無段変速し、カウンタシャフト(出力軸)上にある変速機構で変速せずに、無段変速回転を反転・再反転して車輪に出力することで低速モードを達成し、また、入力軸の回転を無段変速機構により無段変速し、カウンタシャフト上にある変速機構で無段変速回転とエンジンの回転とを合成して増速し、その増速した無段変速回転を反転・再反転して車輪に出力することで高速モードを達成している。
特開2002−5259号公報
しかしながら、特許文献1に記載の自動変速機では、上記高速モードの際に、カウンタシャフト上にある変速機構に無段変速回転と入力軸の回転との2つの回転を入力する必要があるため、平行な軸間同士で回転を伝達するギヤとして、入力軸に駆動連結されたギヤ及びそれに噛合する変速機構のギヤ、無段変速機構の従動プーリに駆動連結されたギヤ及びそれに噛合する変速機構のギヤ、の計4つのギヤを必要としている。そのため、部品点数の削減を妨げており、軽量化やコストダウンの妨げとなっている。
また、通常、車両に搭載されるエンジンは重量物であり、車両に搭載する場合になるべく低重心となるように配置される。しかしながら、一般的なベルト式無段変速機構をそのまま採用し、それに変速機構を付加した構造となっているので、エンジンの出力軸(クランクシャフト)に駆動連結される入力軸の延長上に、自動変速機の部品の中でも比較的大きい無段変速機構の駆動プーリが、そのまま駆動連結されている。そのため、特許文献1の自動変速機は、エンジンルーム内における下方側に大きなスペースが必要とされ、例えば車両のフレーム、ラジエータ、サスペンションなどに対する干渉が懸念されるなど、搭載性の観点から好ましい構造ではない。
そこで、平行な軸間同士で動力伝達を行うギヤの数を削減することが可能で、かつ車両の搭載性の向上を図ることが可能な自動変速機を提供することを目的とするものである。
本開示に係る自動変速機(1)は(例えば図1)、第1軸(AX1)上に配置され、駆動源(40)に駆動連結された入力軸(2)と、
前記第1軸(AX1)と平行な第2軸(AX2)上に配置されたプライマリプーリ(11)と、前記第2軸(AX2)と平行な第3軸(AX3)上に配置されたセカンダリプーリ(12)と、それら両プーリに巻回されたベルト(13)と、を有し、変速比を連続的に変更可能な無段変速機構(10)と、
前記第3軸(AX3)上に配置されて変速した回転を出力する出力部材(8)と、
前記第3軸(AX3)上に配置され、前記セカンダリプーリ(12)に駆動連結される第1の回転要素(S1)、前記入力軸(2)の回転を入力可能な第2の回転要素(CR1)及び前記出力部材(8)に駆動連結された第3の回転要素(R1)を有して前記無段変速機構(10)の回転を増速する増速プラネタリギヤ(SP1)と、係合時に前記無段変速機構(10)を介して前記入力軸(2)と前記出力部材(8)とを接続し回転伝達する低速モードを達成可能な第1の係合要素(CL)と、係合時に前記増速プラネタリギヤ(SP1)及び前記無段変速機構(10)を介して前記入力軸(2)と前記出力部材(8)とを接続し回転伝達する高速モードを達成可能な第2の係合要素(CH)と、を有する変速歯車機構(20)と、
前記第2軸(AX2)上に配置され、前記プライマリプーリ(11)に駆動連結されたプライマリ入力ギヤ(31)と、
前記第3軸(AX3)上に配置され、前記変速歯車機構(20)が前記高速モードである場合に前記第2の回転要素(CR1)に駆動連結されるハイ用入力ギヤ(32)と、
前記第1軸(AX1)上に配置され、前記入力軸(2)に駆動連結され、かつ前記プライマリ入力ギヤ(31)と前記ハイ用入力ギヤ(32)とに噛合するドライブギヤ(30)と、を備え、前記変速歯車機構(20)は、前記セカンダリプーリ(12)に接続された第4の回転要素(S2)と、前記第3の回転要素(R1)及び前記出力部材(8)に駆動連結された第5の回転要素(CR2)と、回転固定自在な第6の回転要素(R2)と、を有する減速プラネタリギヤ(SP2)を有し、前記低速モード時において、前記第1の係合要素(BL)が係合されると前記第6の回転要素(R2)の回転を固定して前記減速プラネタリギヤ(SP2)で前記無段変速機構(10)の回転を減速して前記出力部材(8)に出力する、ことを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
本自動変速機によると、第1軸上に入力軸が配置され、第1軸と平行な第2軸上に無段変速機構のプライマリプーリ及びプライマリプーリに駆動連結されたプライマリ入力ギヤが配置され、第2軸と平行な第3軸上に無段変速機構のセカンダリプーリ、変速歯車機構、及び該変速歯車機構と駆動連結されるハイ用入力ギヤが配置されており、第1軸上に配置され、入力軸に駆動連結され、かつプライマリ入力ギヤとハイ用入力ギヤとに噛合するドライブギヤを備えている。これにより、共通のドライブギヤから、プライマリ入力ギヤとハイ用入力ギヤとに入力軸の回転を伝達する構造にすることができ、平行な軸間同士で動力伝達を行うギヤを3つのギヤにすることができて、軽量化やコストダウンを図ることができる。また、駆動源が駆動連結される入力軸が配置された第1軸とは異なる第2軸上にプライマリプーリを配置することができ、プライマリプーリの位置を入力軸よりも高い位置に配置することを可能とすることができる。これにより、例えばエンジンルーム内の下方側における自動変速機の設置スペースが狭い車両などにも対応する設計が可能となり、自動変速機の車両搭載性の向上を図ることができる。
第1の実施形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。 第1の実施形態に係る自動変速機の概略側面図。 (a)は、第1の実施形態に係る自動変速機の速度線図、(b)は、自動変速機の係合表。 第2の実施形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。 (a)は、第2の実施形態に係る自動変速機の速度線図、(b)は、自動変速機の係合表。
<第1の実施形態>
以下、本実施形態に係る自動変速機1を、図1乃至図3(a)、(b)に沿って説明する。なお、本明細書中で駆動連結とは、互いの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、それら回転要素が一体的に回転するように連結された状態、あるいはそれら回転要素がクラッチ等を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いる。
本実施形態の自動変速機1の概略構成について図1に沿って説明する。自動変速機1は、トルクコンバータ41と、無段変速機構(CVT)としてベルト式無段変速装置10と、変速歯車機構20と、ディファレンシャル装置50等を有しており、ハウジングケース及びミッションケースを一体にしたケース7に収納されている。また、自動変速機1は、第1軸AX1〜第3軸AX3までの互いに平行な軸を備えている。
無段変速装置10は、プライマリプーリ11と、セカンダリプーリ12と、それら両プーリに巻回されたベルト13と、を有している。ここで、ベルト13は、ゴム製ベルト、金属製プッシュタイプベルト(いわゆるバントーネタイプ)、金属製プルタイプベルト、金属リング等のあらゆる無端ベルトを含む。
第1軸AX1上には、駆動源としてのエンジン40のクランク軸にトルクコンバータ41を介して接続される入力軸2と、入力軸2に駆動連結されるドライブギヤ30と、が配置されている。ドライブギヤ30は、エンジン40のクランク軸の回転と共に回転する入力軸2によって回転される。
第2軸AX2上には、無段変速装置10のプライマリプーリ11と、プライマリプーリ11と第1連結軸3を介して駆動連結しドライブギヤ30と噛合するプライマリ入力ギヤ31と、が配置されている。プライマリプーリ11は、可動シーブ11aと固定シーブ11bとを有している。可動シーブ11aは、固定シーブ11bの軸部(不図示)に摺動自在に支持されており、かつその背面に変速操作用の油圧アクチュエータ(不図示)が配置されている。また、固定シーブ11bの軸部は、例えばボールベアリングなどによりケース7に回転自在に支持されており、第1連結軸3と連結している。したがって、可動シーブ11a及び固定シーブ11bは、ドライブギヤ30及びプライマリ入力ギヤ31を介して入力軸2、つまりエンジン40の回転が伝達されて回転駆動されるようになっている。
第3軸AX3上には、無段変速装置10のセカンダリプーリ12と、変速歯車機構20と、ドライブギヤ30と噛合するハイ用入力ギヤ32と、が配置されている。セカンダリプーリ12は、固定シーブ12b及び固定シーブ12bの軸部(不図示)に摺動自在に支持されている可動シーブ12aを有しており、可動シーブ12aの背面にはベルト挟圧力保持用の油圧アクチュエータ(不図示)が配置されている。また同様に、固定シーブ12bの軸部の両端は、それぞれローラベアリングなどを介してケース7に回転自在に支持されている。したがって、可動シーブ12a及び固定シーブ12bは、ベルト13を介して両プーリ11,12のプーリ幅に基づき変速された回転が伝達されて回転駆動されるようになっている。両プーリ11,12のプーリ幅を変更することにより、無段変速装置10は、変速比を連続的に変更可能になっている。
変速歯車機構20は、セカンダリプーリ12の固定シーブ12bの軸部に連結された第2連結軸4と、第1の回転要素としての第1サンギヤS1、第3の回転要素としての第1リングギヤR1及び第1サンギヤS1と第1リングギヤR1とに噛合する少なくとも1つの第1ピニオンギヤP1を有する第2の回転要素としての第1キャリヤCR1を有するいわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである増速プラネタリギヤとしての第1プラネタリギヤSP1と、第1の係合要素としての低速用クラッチCLと、第2の係合要素としての高速用クラッチCHと、第3の係合要素としての後進用ブレーキBRと、ドライブギヤ30と噛合するハイ用入力ギヤ32に接続された第4連結軸6と、を備えて構成されている。自動変速機1は、入力軸2の回転を変速歯車機構20を介して出力部材としての出力ギヤ8に出力する。
第1プラネタリギヤSP1の第1サンギヤS1は、第2連結軸4を介して無段変速装置10のセカンダリプーリ12と駆動連結されている。また、第1リングギヤR1は、第3連結軸5を介して出力ギヤ8と連結されている。そして、第2連結軸4と出力ギヤ8との間には低速用クラッチCLが介在するように配置され、第1キャリヤCR1と第4連結軸6との間には高速用クラッチCHが介在するように配置されている。また、高速用クラッチCHと第1キャリヤCR1との間には、ケース7に常時固定された後進用ブレーキBRが配置されており、不図示の油圧制御装置の油圧制御により後進用ブレーキBRが係合状態となることで、第1キャリヤCR1が固定される。
ディファレンシャル装置50は、図示を省略したディファレンシャルギヤを内包したデフケース53を有しており、デフケース53はケース7に回転自在に支持されていると共に、比較的大径のマウントリングギヤ51を固定して有している。マウントリングギヤ51は、デフケース53を介してディファレンシャルギヤに接続されており、ディファレンシャルギヤを介してデフケース53に支持された左右車軸(不図示)が接続されている。そして、第3軸AX3上の出力ギヤ8と、マウントリングギヤ51とが噛合しており、かつ出力ギヤ8は比較的小径に、マウントリングギヤ51は比較的大径に構成されて、比較的大きな減速比を得ている。
図2は、自動変速機1を車両に搭載した場合における各構成要素の位置関係の一例を示す概略側面図である。図2に示すように、入力軸2(エンジン40)と同軸の第1軸AX1上にドライブギヤ30が配置され、ドライブギヤ30と噛合するプライマリ入力ギヤ31の軸上に第2軸AX2が位置することで、第1軸AX1とは異なる第2軸AX2上にプライマリプーリ11が配置される。つまり、エンジン40が駆動連結される入力軸2が配置された第1軸AX1とは異なる第2軸AX2上にプライマリプーリ11を配置することができ、プライマリプーリ11の位置を入力軸2よりも高い位置に配置することを可能とすることができる。これにより、例えばエンジンルーム内の下方側における自動変速機1の設置スペースが狭い車両などにも対応する設計が可能となり、自動変速機1の車両搭載性の向上を図ることができる。
次に、自動変速機1の作用について説明する。例えば、ドライバによりシフトレバーがN(ニュートラル)レンジに選択されると、不図示の油圧制御装置の油圧制御により、図3(b)に示すように、低速用クラッチCL、高速用クラッチCH及び後進用ブレーキBRが解放状態(図中×)にされる。
この状態で、エンジン40が駆動されていると、入力軸2にエンジン40からの駆動回転がトルクコンバータ41を介して入力され、ドライブギヤ30、プライマリ入力ギヤ31を介してプライマリプーリ11が駆動回転される。また、上記変速操作用の油圧アクチュエータによりプライマリプーリ11のプーリ幅が低速段側(プーリ幅が広がる方向)に制御されると共に、上記ベルト挟圧力保持用の油圧アクチュエータによりセカンダリプーリ12の挟持力が制御され、つまり両プーリ11,12によりベルト13が挟持されて、セカンダリプーリ12にプライマリプーリ11の回転が減速されて伝達される。
なお、エンジン40の出力回転の回転方向を正転回転とすると、入力軸2、ドライブギヤ30は、第1軸AX1上において正転回転であり、ドライブギヤ30と噛合するプライマリ入力ギヤ31、プライマリ入力ギヤ31と駆動連結するプライマリプーリ11は、第2軸AX2上においてエンジン40の出力回転と逆方向の回転となり、プライマリプーリ11にベルト13を介して回転されるセカンダリプーリ12も、第3軸AX3上において逆転回転する。
このように無段変速装置10により減速された回転は、セカンダリプーリ12より第2連結軸4に出力され、第1プラネタリギヤSP1の第1サンギヤS1に入力される。ここで、低速用クラッチCL、高速用クラッチCH及び後進用ブレーキBRが解放状態であることから、第1プラネタリギヤSP1は、セカンダリプーリ12より第2連結軸4を介して第1サンギヤS1に入力された回転によって第1ピニオンギヤP1が空転し、第1キャリヤCR1及び第1リングギヤR1が回転しない。第1リングギヤR1が回転しないことにより、第1リングギヤR1に第3連結軸5を介して連結される出力ギヤ8に入力軸2の回転が伝達されないこととなり、変速歯車機構20とディファレンシャル装置50を介して駆動連結された車輪に動力伝達が行われず、自動変速機1はニュートラル状態となる。
次に、例えばドライバによりシフトレバーがNレンジからD(ドライブ)レンジに選択されると、不図示の油圧制御装置の油圧制御により、図3(b)に示すように、まず、変速歯車機構20は、ニュートラル状態から低速モードに移行し、低速用クラッチCLが係合状態(図中○)にされ、高速用クラッチCHと後進用ブレーキBRが解放状態(図中×)にされる。
低速用クラッチCLが係合状態となることで、第1プラネタリギヤSP1が一体となって回転するため、プライマリプーリ11の回転に対して減速して回転するセカンダリプーリ12に連結する第2連結軸4の逆転回転が、低速用クラッチCLを介して出力ギヤ8に伝達される。この状態における第1プラネタリギヤSP1の各構成要素の運動状態は、図3(a)の直線Aに示す運動状態となる。そして、出力ギヤ8の逆転回転は、出力ギヤ8よりマウントリングギヤ51に、更に減速されると共に逆転されて伝達される。これにより、マウントリングギヤ51には、エンジン40と同方向の回転である正転回転となって伝達され、つまり左右車軸には正転回転の駆動回転が伝達されて、不図示の駆動車輪を前進方向に駆動する。このように、変速歯車機構20は、低速用クラッチCLを係合状態にすることで、無段変速装置10を介して入力軸2と出力ギヤ8とを接続し回転伝達する低速モードを達成可能に構成されている。
この状態から無段変速装置10による変速比を小さく、すなわち油圧制御装置の油圧制御によりプライマリプーリ11の可動シーブ11aを固定シーブ11bに近づく方向に摺動させることで、プライマリプーリ11の溝幅を次第に小さくして有効径を増大させるとともに、セカンダリプーリ12の可動シーブ12aを固定シーブ12bから離れる方向に摺動させることで、セカンダリプーリ12の溝幅を次第に大きくして有効径を減少させることで、セカンダリプーリ12の回転速度が速くなり、セカンダリプーリ12に連結された第2連結軸4から第1プラネタリギヤSP1に入力される回転速度が大きくなるとともに、第1プラネタリギヤSP1の全体が一体となって回転するため、入力軸2の回転速度に対する出力ギヤ8の回転速度が、無段変速装置10での変速比の変化に応じて増大する。
低速用クラッチCLを係合状態とし、無段変速装置10の変速比を最低変速比とした状態における第1プラネタリギヤSP1の各構成要素の運動状態は、図3(a)の直線Bに示す運動状態となる。つまり、低速モード時における第1プラネタリギヤSP1の各構成要素の運動状態は、無段変速装置10の変速比の変化に応じて図3(a)に示す直線Aの運動状態から直線Bの運動状態の範囲で変更可能に構成されている。
第1プラネタリギヤSP1の各構成要素の運動状態が図3(a)の直線Bに示す状態である場合、ドライブギヤ30と噛合するハイ用入力ギヤ32に連結される第4連結軸6の回転速度と、第1プラネタリギヤSP1の全体の回転速度と、が一致している。したがって、変速歯車機構20は、自動変速機1を構成する各回転部材に回転変動を生じさせることなく、高速用クラッチCHを係合状態にし、かつ低速用クラッチCLを解放状態にして、低速モードから高速モードに移行することができる。このようにして係合状態とするクラッチの変更、いわゆるつかみ替え(クラッチ・ツウ・クラッチ変速)を行うことで、自動変速機1は、第1キャリヤCR1に入力軸2の回転を入力可能となり、第1キャリヤCR1を入力軸2の回転速度に応じた回転速度にするとともに、無段変速装置10のセカンダリプーリ12と駆動連結された第1サンギヤS1の回転速度を変化させることにより、いわゆるオーバードライブ状態を設定することができる。
第1キャリヤCR1の回転速度を入力軸2の回転速度に維持した状態で、無段変速装置10の変速比を小さくしセカンダリプーリ12の回転速度を低下させることで、セカンダリプーリ12に駆動連結される第1サンギヤS1の回転速度を低下させた場合、第1サンギヤS1の回転速度の低下に従って第1リングギヤR1の回転速度が増大し、第1リングギヤR1に第3連結軸5を介して駆動連結された出力ギヤ8の回転速度も増大する。セカンダリプーリ12の回転速度の低下に応じて、第1プラネタリギヤSP1の各構成要素の運動状態は、図3(a)の直線Bに示す運動状態から直線Cに示す運動状態の範囲で変化可能に構成されている。このように、変速歯車機構20は、高速用クラッチCHを係合状態にすることで、第1プラネタリギヤSP1及び無段変速装置10を介して入力軸2と出力ギヤ8とを接続し回転伝達する高速モードを達成可能に構成されている。
このように、自動変速機1は、共通のドライブギヤ30から、プライマリ入力ギヤ31とハイ用入力ギヤ32とに入力軸2の回転を伝達する構造にすることができ、平行な軸間同士で動力伝達を行うギヤを3つのギヤにすることができて、軽量化やコストダウンを図ることができる。
次に、例えばドライバによりシフトレバーがNレンジからR(リバース)レンジに選択されると、不図示の油圧制御装置の油圧制御により、図3(b)に示すように、後進用ブレーキBRが係合状態(図中○)にされ、低速用クラッチCLと高速用クラッチCHとが解放状態(図中×)にされる。
後進用ブレーキBRが係合状態となることで、第1プラネタリギヤSP1の第1キャリヤCR1の回転が固定される。そのため、エンジン40の出力回転の回転方向を正転回転とした場合、上述した通り、セカンダリプーリ12は、第3軸AX3上において逆転回転しており、セカンダリプーリ12と第2連結軸4を介して駆動連結される第1プラネタリギヤSP1の第1サンギヤS1も第3軸AX3上で逆転回転する。そして、後進用ブレーキBRにより第1キャリヤCR1が固定されていることから、第1リングギヤR1は、第1サンギヤS1の逆転回転が第1ピニオンギヤP1を介して入力され、第3軸AX3上で正転回転する。第1リングギヤR1が正転回転することにより、第1リングギヤR1に連結された第3連結軸5が正転回転し、第3連結軸5に連結された出力ギヤ8よりマウントリングギヤ51に、更に減速されると共に逆転されて伝達される。
これにより、マウントリングギヤ51には、エンジン40と逆方向の回転である逆転回転となって伝達され、つまり左右車軸には逆転回転の駆動回転が伝達されて、不図示の駆動車輪を後進方向に駆動する。このように、変速歯車機構20は、後進用ブレーキBRを係合状態にすることで、第1キャリヤCR1の回転を固定し、無段変速装置10の回転を逆転して出力ギヤ8に出力する後進モードを達成可能に構成されている。
後進用ブレーキBRを係合状態にし、無段変速装置10の変速比を高い変速比とした場合における第1プラネタリギヤSP1の各構成要素の運動状態は、図3(a)の直線Dに示す運動状態となる。なお、第1プラネタリギヤSP1の各構成要素の運動状態は、後進用ブレーキBRを係合状態にした場合、図3(a)の直線Dに示す運動状態から、無段変速装置10の変速比を最低変速比とした場合における第1プラネタリギヤSP1の各構成要素の運動状態を示す図3(a)の直線Eの運動状態の範囲で変更可能に構成されている。
(本実施形態のまとめ)
以上説明したように、本実施形態の自動変速機(1)によると、第1軸(AX1)上に配置され、駆動源(40)に駆動連結された入力軸(2)と、
第1軸(AX1)と平行な第2軸(AX2)上に配置されたプライマリプーリ(11)と、第2軸(AX2)と平行な第3軸(AX3)上に配置されたセカンダリプーリ(12)と、それら両プーリに巻回されたベルト(13)と、を有し、変速比を連続的に変更可能な無段変速機構(10)と、
第3軸(AX3)上に配置されて変速した回転を出力する出力部材(8)と、
第3軸(AX3)上に配置され、セカンダリプーリ(12)に駆動連結される第1の回転要素(S1)、入力軸の回転を入力可能な第2の回転要素(CR1)及び出力部材(8)に駆動連結された第3の回転要素(R1)を有して無段変速機構の回転を増速する増速プラネタリギヤ(SP1)と、係合時に無段変速機構(10)を介して入力軸(2)と出力部材(8)とを接続し回転伝達する低速モードを達成可能な第1の係合要素(CL)と、係合時に増速プラネタリギヤ(SP1)及び無段変速機構(10)を介して入力軸(2)と出力部材(8)とを接続し回転伝達する高速モードを達成可能な第2の係合要素(CH)と、を有する変速歯車機構(20)と、
第2軸(AX2)上に配置され、プライマリプーリ(11)に駆動連結されたプライマリ入力ギヤ(31)と、
第3軸(AX3)上に配置され、変速歯車機構(20)が高速モードである場合に第2の回転要素(CR1)に駆動連結されるハイ用入力ギヤ(32)と、
第1軸(AX1)上に配置され、入力軸(2)に駆動連結され、かつプライマリ入力ギヤ(31)とハイ用入力ギヤ(32)とに噛合するドライブギヤ(30)と、を備えている。
このため、共通のドライブギヤ(30)から、プライマリ入力ギヤ(31)とハイ用入力ギヤ(32)とに入力軸(2)の回転を伝達する構造にすることができ、平行な軸間同士で動力伝達を行うギヤを3つのギヤにすることができて、軽量化やコストダウンを図ることができる。また、駆動源(40)が駆動連結される入力軸(2)が配置された第1軸(AX1)とは異なる第2軸(AX2)上にプライマリプーリ(11)を配置することができ、プライマリプーリ(11)の位置を入力軸(2)よりも高い位置に配置することを可能とすることができる。これにより、例えばエンジンルーム内の下方側における自動変速機(1)の設置スペースが狭い車両などにも対応する設計が可能となり、自動変速機(1)の車両搭載性の向上を図ることができる。
また、変速歯車機構(20)は、第2の回転要素(CR1)の回転を固定可能であり、係合時に無段変速機構(10)の回転を逆転して出力部材(8)に出力する後進モードを達成可能な第3の係合要素(BR)を有している。これにより、自動変速機(1)は、第3の係合要素(BR)が変速歯車機構(20)と同一軸線上に配置されていて第2の回転要素(CR1)を直接固定するので、第2の回転要素(CR1)の回転を止めるためのトルクが増幅されずにそのまま第3の係合要素(BR)に作用するため、第3の係合要素(BR)を特に大型化することなく、第2の回転要素(CR1)を固定することができる。
<第2の実施形態>
次に、第1の実施形態を一部変更した第2の実施形態について、図4及び図5(a)、(b)に沿って説明する。図4は、第2の実施形態に係る自動変速機を示すスケルトン図、図5は、第2の実施形態に係る変速歯車機構の作用を説明する図で、(a)は、速度線図、(b)は、係合表である。なお、第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と同様な部分に同符合を付して、その説明を省略する。
変速歯車機構20は、第4回転要素としての第2サンギヤS2、第6の回転要素としての第2リングギヤR2及び第2サンギヤS2と第2リングギヤR2とに噛合する少なくとも1つの第2ピニオンギヤP2を有する第5の回転要素としての第2キャリヤCR2を有するいわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである減速プラネタリギヤとしての第2プラネタリギヤSP2と、第1の係合要素としての低速用ブレーキBLと、を備えて構成されている。
第1プラネタリギヤSP1の第1リングギヤR1は、第5連結軸9を介して第2プラネタリギヤSP2の第2キャリヤCR2に駆動連結されている。また、第2プラネタリギヤSP2の第2サンギヤS2は、第2連結軸4を介して無段変速装置10のセカンダリプーリ12と駆動連結されている。また、第2リングギヤR2は、ケース7に常時固定された低速用ブレーキBLが不図示の油圧制御装置の油圧制御により係合状態となった場合に、回転が固定される。そして、第1プラネタリギヤSP1の第1リングギヤR1と駆動連結される第2キャリヤCR2は、第3連結軸5を介して出力ギヤ8と連結されている。
次に、自動変速機1の作用について説明する。例えば、ドライバによりシフトレバーがN(ニュートラル)レンジに選択されると、不図示の油圧制御装置の油圧制御により、図5(b)に示すように、低速用ブレーキBL、高速用クラッチCH及び後進用ブレーキBRが解放状態(図中×)にされる。
この状態で、エンジン40が駆動されていると、入力軸2にエンジン40からの駆動回転がトルクコンバータ41を介して入力され、ドライブギヤ30、プライマリ入力ギヤ31を介してプライマリプーリ11が駆動回転される。また、上記変速操作用の油圧アクチュエータによりプライマリプーリ11のプーリ幅が低速段側(プーリ幅が広がる方向)に制御されると共に、上記ベルト挟圧力保持用の油圧アクチュエータによりセカンダリプーリ12の挟持力が制御され、つまり両プーリ11,12によりベルト13が挟持されて、セカンダリプーリ12にプライマリプーリ11の回転が減速されて伝達される。
なお、エンジン40の出力回転の回転方向を正転回転とすると、入力軸2、ドライブギヤ30は、第1軸AX1上において正転回転であり、ドライブギヤ30と噛合するプライマリ入力ギヤ31、プライマリ入力ギヤ31と駆動連結するプライマリプーリ11は、第2軸AX2上においてエンジン40の出力回転と逆方向の回転となり、プライマリプーリ11にベルト13を介して回転されるセカンダリプーリ12も、第3軸AX3上において逆転回転する。
このように無段変速装置10により減速された回転は、セカンダリプーリ12より第2連結軸4に出力され、第1プラネタリギヤSP1の第1サンギヤS1と、第2プラネタリギヤSP2の第2サンギヤS2と、に入力される。ここで、低速用ブレーキBL、高速用クラッチCH及び後進用ブレーキBRが解放状態であることから、第1プラネタリギヤSP1は、セカンダリプーリ12より第2連結軸4を介して第1サンギヤS1に入力された回転によって第1ピニオンギヤP1が空転し、第1キャリヤCR1及び第1リングギヤR1が回転しない。また、第2プラネタリギヤSP2は、セカンダリプーリ12より第2連結軸4を介して第2サンギヤS2に入力された回転によって第2ピニオンギヤP2が空転し、第2キャリヤCR2及び第2リングギヤR2が回転しない。第2キャリヤCR2が回転しないことにより、第2キャリヤCR2に第3連結軸5を介して連結される出力ギヤ8に入力軸2の回転が伝達されないこととなり、変速歯車機構20とディファレンシャル装置50を介して駆動連結された車輪に動力伝達が行われず、自動変速機1はニュートラル状態となる。
次に、例えばドライバによりシフトレバーがNレンジからD(ドライブ)レンジに選択されると、不図示の油圧制御装置の油圧制御により、図5(b)に示すように、まず、変速歯車機構20は、ニュートラル状態から低速モードに移行し、低速用ブレーキBLが係合状態(図中○)にされ、高速用クラッチCHと後進用ブレーキBRが解放状態(図中×)にされる。
低速用ブレーキBLが係合状態となることで、第2リングギヤR2の回転が固定される。第2リングギヤR2の回転が固定されることで、プライマリプーリ11の回転に対して減速して回転するセカンダリプーリ12に連結する第2連結軸4の逆転回転が、第2ピニオンギヤP2によって減速され、第2キャリヤCR2を介して出力ギヤ8に伝達される。つまり、自動変速機1は、無段変速装置10で減速した入力軸2の回転を、第2プラネタリギヤSP2によってより減速して出力ギヤ8に伝達することができる。このため、自動変速機1は、前進の開始時等のエンジン40から入力される入力軸2の回転を出力ギヤ8に伝達するまでに減速してトルクを大きくする必要がある場合に、セカンダリプーリ12の回転が第2プラネタリギヤSP2により減速されるため、セカンダリプーリ12の可動シーブ12aを固定シーブ12b方向に摺動させ、セカンダリプーリ12の有効径を過度に小さくする必要がなく、可動シーブ12aを摺動させるために必要な油圧アクチュエータの能力を抑えることができ、無段変速装置10を小型化及び軽量化することができる。
ここで、低速用ブレーキBLが係合状態となった場合、第1プラネタリギヤSP1は、第1サンギヤS1がセカンダリプーリ12及び第2サンギヤS2と同速度で回転し、第1リングギヤR1が第2サンギヤS2よりも低速度の第2キャリヤCR2と同速度で回転するため、第1キャリヤCR1によって第1サンギヤS1及び第1リングギヤR1の回転差を吸収する。この状態における第1プラネタリギヤSP1及び第2プラネタリギヤSP2の各構成要素の運動状態は、図5(a)の直線Fに示す運動状態となる。そして、出力ギヤ8の逆転回転は、マウントリングギヤ51に更に減速されると共に逆転されて伝達される。これにより、マウントリングギヤ51には、エンジン40と同方向の回転である正転回転となって伝達され、つまり左右車軸には正転回転の駆動回転が伝達されて、不図示の駆動車輪を前進方向に駆動する。このように、変速歯車機構20は、低速用ブレーキBLを係合状態にすることで、無段変速装置10を介して入力軸2と出力ギヤ8とを接続し回転伝達する低速モードを達成可能に構成されている。
この状態から無段変速装置10による変速比を小さく、すなわち油圧制御装置の油圧制御によりプライマリプーリ11の可動シーブ11aを固定シーブ11bに近づく方向に摺動させることで、プライマリプーリ11の溝幅を次第に小さくして有効径を増大させるとともに、セカンダリプーリ12の可動シーブ12aを固定シーブ12bから離れる方向に摺動させることで、セカンダリプーリ12の溝幅を次第に大きくして有効径を減少させることで、セカンダリプーリ12の回転速度が速くなり、セカンダリプーリ12に連結された第2連結軸4から第1プラネタリギヤSP1に入力される回転速度が大きくなるとともに、第1プラネタリギヤSP1の全体が一体となって回転するため、入力軸2の回転速度に対する出力ギヤ8の回転速度が、無段変速装置10での変速比の変化に応じて増大する。低速用ブレーキBLを係合状態とし、無段変速装置10の変速比を最低変速比とした状態における第1プラネタリギヤSP1の各構成要素の運動状態は、図5(a)の直線Gに示す運動状態となる。つまり、低速モード時における第1プラネタリギヤSP1及び第2プラネタリギヤSP2の各構成要素の運動状態は、無段変速装置10の変速比の変化に応じて図5(a)に示す直線Fの運動状態から直線Gの運動状態の範囲で変更可能に構成されている。
第1プラネタリギヤSP1及び第2プラネタリギヤSP2の各構成要素の運動状態が図5(a)の直線Gに示す状態である場合、ドライブギヤ30と噛合するハイ用入力ギヤ32に連結される第4連結軸6の回転速度と、第1プラネタリギヤSP1の第1キャリヤCR1の回転速度と、が一致するように構成されている。したがって、変速歯車機構20は、自動変速機1を構成する各回転部材に回転変動を生じさせることなく、高速用クラッチCHを係合状態にし、かつ低速用ブレーキBLを解放状態にして、低速モードから高速モードに移行することができる。このようにして係合状態とするクラッチ及びブレーキの変更を行うことで、自動変速機1は、第1キャリヤCR1を入力軸2の回転速度に応じた回転速度にするとともに、無段変速装置10のセカンダリプーリ12と駆動連結された第1サンギヤS1の回転速度を変化させることにより、いわゆるオーバードライブ状態を設定することができる。
第1キャリヤCR1の回転速度を入力軸2の回転速度に維持した状態で、無段変速装置10の変速比を小さくしセカンダリプーリ12の回転速度を低下させることで、セカンダリプーリ12に駆動連結される第1サンギヤS1の回転速度を低下させた場合、第1サンギヤS1の回転速度の低下に従って第1リングギヤR1の回転速度が増大する。また、低速用ブレーキBLが解放状態であるため、第2プラネタリギヤSP2は、第1リングギヤR1と駆動連結される第2キャリヤCR2が第1リングギヤR1と同速度で回転し、第2連結軸4を介してセカンダリプーリ12と駆動連結される第2サンギヤS2が第1サンギヤS1と同速度で回転するため、第2キャリヤCR2に第3連結軸5を介して連結された出力ギヤ8の回転速度も入力軸2の回転速度よりも増大するとともに、第2リングギヤR2の回転速度が第2サンギヤS2及び第2キャリヤCR2によって増大する。セカンダリプーリ12の回転速度の低下に応じて、第1プラネタリギヤSP1及び第2プラネタリギヤSP2の各構成要素の運動状態は、図5(a)の直線Gに示す運動状態から直線Hに示す運動状態の範囲で変化可能に構成されている。このように、変速歯車機構20は、高速用クラッチCHを係合状態にすることで、第1プラネタリギヤSP1、第2プラネタリギヤSP2及び無段変速装置10を介して入力軸2と出力ギヤ8とを接続し回転伝達する高速モードを達成可能に構成されている。
次に、例えばドライバによりシフトレバーがNレンジからR(リバース)レンジに選択されると、不図示の油圧制御装置の油圧制御により、図5(b)に示すように、後進用ブレーキBRが係合状態(図中○)にされ、低速用ブレーキBLと高速用クラッチCHとが解放状態(図中×)にされる。
後進用ブレーキBRが係合状態となることで、第1プラネタリギヤSP1の第1キャリヤCR1の回転が固定される。そのため、エンジン40の出力回転の回転方向を正転回転とした場合、上述した通り、セカンダリプーリ12は、第3軸AX3上において逆転回転しており、セカンダリプーリ12と第2連結軸4を介して駆動連結される第1プラネタリギヤSP1の第1サンギヤS1も第3軸AX3上で逆転回転する。そして、後進用ブレーキBRにより第1キャリヤCR1が固定されていることから、第1リングギヤR1は、第1サンギヤS1の逆転回転が第1ピニオンギヤP1を介して入力され、第3軸AX3上で正転回転する。第2プラネタリギヤSP2は、セカンダリプーリ12と第2連結軸4を介して駆動連結される第2サンギヤS2が第3軸AX3上で逆転回転し、第1リングギヤR1と駆動連結される第2キャリヤCR2が正転回転することにより、第2リングギヤR2が増速して正転回転する。第2キャリヤCR2が正転回転することにより、第2キャリヤCR2に第3連結軸5を介して連結された出力ギヤ8が正転回転し、出力ギヤ8よりマウントリングギヤ51に、更に減速されると共に逆転されて伝達される。
これにより、マウントリングギヤ51には、エンジン40と逆方向の回転である逆転回転となって伝達され、つまり左右車軸には逆転回転の駆動回転が伝達されて、不図示の駆動車輪を後進方向に駆動する。このように、変速歯車機構20は、後進用ブレーキBRを係合状態にすることで、第1キャリヤCR1の回転を固定し、無段変速装置10の回転を逆転して出力ギヤ8に出力する後進モードを達成可能に構成されている。
後進用ブレーキBRを係合状態にし、無段変速装置10の変速比を高い変速比とした場合における第1プラネタリギヤSP1及び第2プラネタリギヤSP2の各構成要素の運動状態は、図5(a)の直線Iに示す運動状態となる。なお、第1プラネタリギヤSP1及び第2プラネタリギヤSP2の各構成要素の運動状態は、後進用ブレーキBRを係合状態にした場合、図5(a)の直線Iに示す運動状態から、無段変速装置10の変速比を最低変速比とした場合における第1プラネタリギヤSP1及び第2プラネタリギヤSP2の各構成要素の運動状態を示す図5(a)の直線Jの運動状態の範囲で変更可能に構成されている。
(本実施形態のまとめ)
以上説明したように、本実施形態の自動変速機(1)によると、変速歯車機構(20)は、セカンダリプーリ(12)に接続された第4の回転要素(S2)と、第3の回転要素(R1)及び出力部材(8)に駆動連結された第5の回転要素(CR2)と、回転固定自在な第6の回転要素(R2)と、を有する減速プラネタリギヤ(SP2)を有し、低速モード時において、第1の係合要素(BL)が係合されると第6の回転要素(R2)の回転を固定して減速プラネタリギヤ(SP2)で無段変速機構(10)の回転を減速して出力部材(8)に出力する。
このため、自動変速機(1)は、前進の開始時等のエンジン(40)から入力される入力軸(2)の回転を出力部材(8)に伝達するまでに減速してトルクを大きくする必要がある場合にセカンダリプーリ(12)の回転が減速プラネタリギヤ(SP2)により減速されるため、セカンダリプーリ(12)の有効径を過度に小さくする必要がなく、セカンダリプーリ(12)の有効径を小さくするために必要な油圧アクチュエータの能力を抑えることができ、無段変速機構(10)を小型化及び軽量化することができる。
なお、以上説明した第1乃至第2の実施形態において、自動変速機1にトルクコンバータを備えたものを一例に説明したが、これに限らず、例えば発進クラッチを備えたものであってもよく、つまり発進時などに、エンジン40からの回転を調整して無段変速装置10に入力し得るものであれば、いずれのものを備えていてもよい。
また、第1乃至第2の実施形態において、無段変速装置10としてベルト式無段変速装置を備えたものを一例に説明したが、これに限らず、例えばトロイダル式無段変速機構やコーンリング式無段変速機構等を備えたものであってもよく、つまり変速比を連続的に変更可能なものであれば、いずれのものを備えていてもよい。
また、第1乃至第2の実施形態において、自動変速機1は、エンジン40に接続されるものとして説明したが、これに限らず、モータ及びエンジンの組合せ、或いはモータのみを駆動源とするものであってもよく、つまりハイブリッド車輌や電気自動車などに本発明に係る自動変速機1を用いてもよい。また、これらに限らず、本発明に係る自動変速機を接続し得る駆動源として用いることができるものであれば、どのようなものであってもよい。
また、第1乃至第2の実施形態において説明した自動変速機1は、FF車輌に用いて好適なものであるが、これに限らず、RR車輌や四輪駆動車など、特にエンジンのクランク軸と平行な軸上に車輪に連結されるドライブシャフトが配置されるような車両に搭載する自動変速機であれば、どのようなものに用いても構わない。
1 自動変速機
2 入力軸
8 出力部材(出力ギヤ)
10 無段変速機構(ベルト式無段変速装置)
11 プライマリプーリ
12 セカンダリプーリ
13 ベルト
20 変速歯車機構
30 ドライブギヤ
31 プライマリ入力ギヤ
32 ハイ用入力ギヤ
40 駆動源(エンジン)
AX1 第1軸
AX2 第2軸
AX3 第3軸
BL 第1の係合要素(低速用ブレーキ)
BR 第3の係合要素(後進用ブレーキ)
CL 第1の係合要素(低速用クラッチ)
CH 第2の係合要素(高速用クラッチ)
CR1 第2の回転要素(第1キャリヤ)
CR2 第5の回転要素(第2キャリヤ)
R1 第3の回転要素(第1リングギヤ)
R2 第6の回転要素(第2リングギヤ)
S1 第1の回転要素(第1サンギヤ)
S2 第4の回転要素(第2サンギヤ)
SP1 増速プラネタリギヤ(第1プラネタリギヤ)
SP2 減速プラネタリギヤ(第2プラネタリギヤ)

Claims (2)

  1. 第1軸上に配置され、駆動源に駆動連結された入力軸と、
    前記第1軸と平行な第2軸上に配置されたプライマリプーリと、前記第2軸と平行な第3軸上に配置されたセカンダリプーリと、それら両プーリに巻回されたベルトと、を有し、変速比を連続的に変更可能な無段変速機構と、
    前記第3軸上に配置されて変速した回転を出力する出力部材と、
    前記第3軸上に配置され、前記セカンダリプーリに駆動連結される第1の回転要素、前記入力軸の回転を入力可能な第2の回転要素及び前記出力部材に駆動連結された第3の回転要素を有して前記無段変速機構の回転を増速する増速プラネタリギヤと、係合時に前記無段変速機構を介して前記入力軸と前記出力部材とを接続し回転伝達する低速モードを達成可能な第1の係合要素と、係合時に前記増速プラネタリギヤ及び前記無段変速機構を介して前記入力軸と前記出力部材とを接続し回転伝達する高速モードを達成可能な第2の係合要素と、を有する変速歯車機構と、
    前記第2軸上に配置され、前記プライマリプーリに駆動連結されたプライマリ入力ギヤと、
    前記第3軸上に配置され、前記変速歯車機構が前記高速モードである場合に前記第2の回転要素に駆動連結されるハイ用入力ギヤと、
    前記第1軸上に配置され、前記入力軸に駆動連結され、かつ前記プライマリ入力ギヤと前記ハイ用入力ギヤとに噛合するドライブギヤと、を備え
    前記変速歯車機構は、前記セカンダリプーリに接続された第4の回転要素と、前記第3の回転要素及び前記出力部材に駆動連結された第5の回転要素と、回転固定自在な第6の回転要素と、を有する減速プラネタリギヤを有し、前記低速モード時において、前記第1の係合要素が係合されると前記第6の回転要素の回転を固定して前記減速プラネタリギヤで前記無段変速機構の回転を減速して前記出力部材に出力する、
    ことを特徴とする自動変速機。
  2. 前記変速歯車機構は、前記第2の回転要素の回転を固定可能であり、係合時に前記無段変速機構の回転を逆転して前記出力部材に出力する後進モードを達成可能な第3の係合要素を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機。
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