JP6364195B2 - 高速断続切削加工においてすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

高速断続切削加工においてすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Description

本発明は、硬質被覆層がすぐれた潤滑性、耐チッピング性、耐摩耗性を備えることから、鋼や鋳鉄等の高速断続切削加工に用いた場合でも、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮する表面被覆切削工具に関する。
従来から、超硬合金からなる工具基体表面に、硬質被覆層として、周期律表の4a、5a、6a族から選ばれた少なくとも1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物等からなる硬質皮膜を被覆形成することにより、切削工具の耐摩耗性向上を図ることが知られている。
そして、硬質皮膜の中でも、α型酸化アルミニウム層は、熱安定性にすぐれ、反応性が低く、かつ、高硬度であるという点から、前述したような周期律表の4a、5a、6a族から選ばれた少なくとも1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物等からなる硬質被覆層の最表面層として被覆形成されることが多い。
前述したような最表面層としてα型酸化アルミニウム層を形成した硬質被覆層に関する先行技術としては、結晶粒形状に着目した技術として、例えば、工具基体の表面に、(a)下部層としてTi化合物層、(b)上部層として平板多角形(平坦六角形状を含む)状、かつ、たて長形状の結晶粒組織構造を有しZrを含有するα型酸化アルミニウム層を蒸着形成し、かつ、(c)上部層の結晶粒の内、面積比率で60%以上の結晶粒の内部は、少なくとも一つ以上のΣ3で表される構成原子共有格子点形態からなる結晶格子界面により分断されている表面被覆切削工具によって、硬質被覆層が高速重切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、4a、5a、6a族元素の炭化物、窒化物および/またはこれらの固溶体を主体とする硬質相と鉄族金属を主体とする結合相、残りが炭化タングステンから(WC)なるWC基超硬合金において、硬質相の少なくとも一部の結晶粒内に4a、5a、6a族元素の炭化物、窒化物、酸化物およびまたはそれらの固溶体からなる少なくとも一種の化合物(結晶粒を構成する硬質相成分は除く)が存在する構造とすることにより得た硬度と靭性のバランスにすぐれたWC基超硬合金からなる工具基体に炭化チタンなどからなる硬質被覆層をCVD法で形成した表面被覆切削工具が非常にすぐれた耐欠損性と耐摩耗性を示すことが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、WC基超硬合金製工具基体表面に0.2〜2.0μmの平均層厚のCrN層からなる硬質被覆層を物理蒸着で形成した表面被覆切削工具において、前記CrN層が、平均層厚と等しい高さを有し、工具基体表面に対して直立方向に成長した縦長平板状CrN結晶粒からなり、かつ、CrN層の表面から0.1μmの深さの水平断面における結晶粒組織を観察した場合、短辺が5〜100nm、アスペクト比が3以上である縦長平板状CrN結晶粒の占める面積割合が、全水平断面積の30%以上である構成とすることによって、断続重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮することが知られている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、Al層中にチタン酸化物を含有させることに着目した技術として、超硬合金またはサーメットからなる工具基体上の単一層または多層の被覆の場合には0.5〜25μmの厚さを有する少なくとも1層は、Al層およびZrOおよび/またはHfO層を有し該層中に、チタンの酸化物、炭酸化物、窒酸化物または炭酸窒化物からなる第3の微細分散性相が導入されていることにより、耐摩耗性が改善することが知られている(例えば、特許文献4参照)。
前述したような従来の硬質被覆層としての酸化アルミニウム層の被覆形成方法としては、通常は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法が採用されているが、その他に、ゾル−ゲル法によって酸化アルミニウム層を形成することも知られている。ゾルーゲル法は溶液から出発して多孔質ゲル、有機無機ハイブリッド、ガラス、セラミックス、ナノコンポジットを作成できる材料合成法である。高温材料を従来の熔融法や焼結法に比べて低い温度で作成でき、また、種々の微細構造や、バルク体、ファイバー、コーティング、粒子など様々な形態の製品を作るのに応用できる比較的新しい被覆形成方法として期待されている。
特開2009−172748号公報 特開2000−38636号公報 特開2011−156639号公報 特表2002−526654号公報
硬質被覆層として酸化アルミニウム層をCVD法により被覆形成した表面被覆切削工具においては、鋼や鋳鉄等の高速断続切削加工に際し、被覆工具のすくい面での耐摩耗性向上が挙げられるが、これは、特に、形成されるα型酸化アルミニウムの熱安定性、非反応性が高いことによるものである。
前記特許文献1に開示されたα型酸化アルミニウム層においては、高温強度および表面性状が満足できるものでないため、より高速条件下での重切削加工を行った場合には、チッピングを発生しやすいばかりか、熱塑性変形、偏摩耗をも発生しやすく、これを原因とした耐摩耗性の低下により、比較的短時間で使用寿命に至るという課題があった。
また、前記特許文献2に開示された炭化チタン層は、結晶性が低く機械的特性や界面強度が劣るため剥離を生じやすく、酸化アルミニウム層の被覆を行ったとしても結果的に急激に摩耗が進んでしまうという課題があった。
また、前記特許文献3に開示されたCrN層は、断続重切削加工に用いた場合には、層内でのクラックの進展を避けられず、これを原因として層の剥離や欠損が生じるという課題があった。
また、前記特許文献4に開示されたAl層およびZrOおよび/またはHfO層を有し該層中にチタンの酸化物、炭酸化物、窒酸化物または炭酸窒化物から成る第3の微細分散性相が導入した複合材料においては、切削時に生じる熱により、刃先の塑性変形が起きるという課題が生じていた。
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、硬質被覆層として酸化アルミニウム層を被覆形成した表面被覆切削工具において、鋳鉄や炭素鋼等の高速断続切削に用いた場合にあっても、チッピングや剥離が起こりにくく、長期間に亘ってすぐれた切削性能を発揮する表面被覆切削工具を提供することである。
そこで、本発明者等は、工具基体表面に耐摩耗性にすぐれた酸化アルミニウム層を形成すべく、これまで切削工具用の硬質被覆層の形成法としては、十分な研究が行われていなかったゾル−ゲル法による酸化アルミニウム層の形成に注目して鋭意検討したところ、ゾルーゲル法で酸化アルミニウム層を形成した後の乾燥及び焼成処理を所定の方法にて行うか、ゾルーゲル法で酸化アルミニウム層を形成する際に、酸化アルミニウムの結晶化を促進する効果のあるTi酸化物を応用し、あらかじめCVD法やPVD法、ゾル-ゲル法等で形成されたTi酸化物層上にゾル−ゲル法での酸化アルミニウム層を形成することで、複雑な結晶粒形状を有する酸化アルミニウム層を所望のサイズとアスペクト比にて形成させることができ、切れ刃に断続的・衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工に供した場合でも、隣接する結晶粒同士が凹凸に沿って互いに噛み合うことで、結晶粒同士の密着力が高まり、耐チッピング性、耐剥離性にすぐれ、長期間に亘ってすぐれた切削性能を維持できることを見出した。
即ち、酸化アルミニウム層をRTA(赤外線加熱)法などの基体のみを加熱できる熱処理方法で、あるいは、酸化アルミニウム層を形成する際にTi酸化物を応用したゾル-ゲル法により、酸化アルミニウム層下部に優先的に結晶化するような起点を意図して配置し熱処理することで、特定の結晶粒を選択的に結晶成長させることができ、結晶成長時に他の結晶粒に阻害されることなく、酸化アルミニウム層中のあらゆる方向に結晶成長した、凹凸性の高い結晶粒界からなる複雑形状の結晶粒が形成できる。さらに、焼成条件により結晶粒のサイズ及びアスペクト比、酸化アルミニウム層の結晶構造を制御することができ、結晶粒同士のアンカー効果により粒界における強度が大きく向上するとともに、優れた耐摩耗性や潤滑性を有するために、大きな衝撃や刃先近傍で発熱により、剥離や微小チッピングなどの異常損傷が起きやすい高速断続切削を行った場合においても長期間に亘ってすぐれた切削性能が発揮されることを見出した。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
(a)前記硬質被覆層は、0.2〜5.0μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層を具備し、
(b)前記酸化アルミニウム層を構成する結晶粒は、α型またはα型とγ型の混相の結晶構造を有し、
(c)前記酸化アルミニウム層の縦断面における各々の結晶粒形状を電子線後方散乱回折法により定め、層厚垂直方向の粒径に対する層厚方向の粒径の比を各結晶粒のアスペクト比とした場合に、前記結晶粒の平均アスペクト比は、0.5〜5.0であ
(d)前記酸化アルミニウム層の縦断面における各々の結晶粒形状を電子線後方散乱回折法により定め、各結晶粒の周長と結晶粒面積を求めた場合に、当該結晶粒面積と等しい面積を有する円の周長に対する当該結晶粒の周長の比の平均値が、1.8〜3.0であることを特徴とする表面被覆切削工具。
(2) 前記酸化アルミニウム層は、チタン酸化物の結晶粒を含有し、
(a)前記酸化アルミニウム層中の全金属元素に占めるTiの含有割合は、0.02at%を超え10at%以下であり、
(b)前記チタン酸化物の結晶粒は、平均粒径0.01〜0.10μmのチタン酸化物微粒子であり、該チタン酸化物微粒子は前記酸化アルミニウム層を構成する結晶粒を囲繞するように凝集形成されているとともに、前記酸化アルミニウム層を構成する結晶粒の周長上に存在するチタン酸化物微粒子の数の平均値が、5〜50個であることを特徴とする(1)に記載の表面被覆切削工具。
(3) 炭化タングステン基超硬合金からなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
上記工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCoの平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする(1)まzたは(2)に記載の表面被覆切削工具。
(4) 炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
上記工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCo及びNiの合計平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする(1)または(2)に記載の表面被覆切削工具。
(5) 前記酸化アルミニウム層は、ゾルーゲル法によりチタン酸化物層上に形成することを特徴とする前記(1)乃至(4)に記載の表面被覆切削工具の製造方法。」
を特徴とするものである。
以下、本発明について、詳細に説明する。
(a)硬質被覆層を構成する酸化アルミニウム層の平均層厚:
本発明の表面被覆切削工具は、硬質被覆層としてゾル−ゲル法により成膜した平均層厚0.2〜5.0μmの酸化アルミニウム層を備えているが、酸化アルミニウム層の平均層厚が0.2μm未満であると、前述したような凹凸性の高い結晶粒界によって奏される結晶粒同士のアンカー効果による粒界における強度の向上という本発明に特有な効果が十分に奏されず、一方、平均層厚が5.0μmを超えると、層の剥離が生じやすくなるため、好ましくない。そのため、酸化アルミニウム層の平均層厚は0.2〜5.0μmと定めた。
(b)酸化アルミニウム層を構成する結晶粒の結晶構造:
酸化アルミニウムの結晶形態にはα、κ、γ、δ、θがあるが、ゾルーゲル法を用いて酸化アルミニウム層を形成した場合、γ型の結晶構造を有する結晶粒から構成される酸化アルミニウム層が主に形成されるが、γ型酸化アルミニウムは高い潤滑性を有することから、耐溶着性や切削時の発熱抑制効果は高いものの、高温硬さが優れず、耐摩耗性が乏しいために、特に刃先付近での発熱が大きくなる高速切削においては比較的短時間で摩滅してしまうことから、単独では表面被覆切削工具の硬質被覆層として十分ではなかった。本発明においては、所定の乾燥及び焼成処理により酸化アルミニウム層を形成する、あるいは、TiOやTi、Ti、Tiなどのチタン酸化物(以下、「Ti酸化物」とも記す。)を酸化アルミニウム層の下地に応用することによって、結晶化を促進させるため、焼成条件はもちろん、Ti酸化物下地層厚みによっても酸化アルミニウム層の結晶構造を制御できる。なお、刃先温度が高くなる高速切削においては、高温硬さや耐熱性に優れたα型の酸化アルミニウム層であることが望ましく、刃先での発熱抑制や耐溶着性が求められる切削形態においてはα型酸化アルミニウムとともにγ型酸化アルミニウムを含んでいる方が良い。したがって、酸化アルミニウム層を構成する結晶粒の結晶構造は、α型またはα型とγ型の混相と定めた。
(c)酸化アルミニウム層を構成する結晶粒のアスペクト比および結晶粒形状:
本発明においては、酸化アルミニウム層を構成する結晶粒のアスペクト比を所定の値に制御するとともに酸化アルミニウム結晶粒の周縁部、すなわち粒界の形状を凹凸の多い形状とすることによって、隣接する結晶粒同士が凹凸に沿って互いに噛み合うことで、いわゆるアンカー効果による高い密着力を付与でき、耐摩耗性および耐チッピング性を向上させることができることを見出した。また、前述の結晶粒の周縁部の形状については、結晶粒の結晶粒面積と等しい面積を有する円の周長に対する結晶粒の周長の比の値を用いることによって、定量的に評価できることを数多くの実験を行うことにより確認した。
すなわち、該酸化アルミニウム層の縦断面を、例えば縦横8μm×6μmの観察視野、測定ステップ50nmにて電子線後方散乱回折法を用いて、上記観察視野範囲内における各々の結晶粒形状を5視野に対して求めた場合に、層厚垂直方向の最大径を層厚垂直方向の粒径、層厚方向の最大径を層厚方向の粒径と定義し、層厚垂直方向の粒径に対する層厚方向の粒径の比を各々算出し、その平均値を該酸化アルミニウム層中の結晶粒の平均アスペクト比とした場合に、前記結晶粒の平均アスペクト比は、0.5未満では耐摩耗性に乏しく、一方、5.0を超えると粗大組織となるため脱落チッピングがしやすくなる。したがって、酸化アルミニウム層を構成する結晶粒の平均アスペクト比は、0.5〜5.0と定めた。
また、上記平均アスペクト比と同様に、横8μm×6μmの観察視野、測定ステップ50nmにて電子線後方散乱回折法により該酸化アルミニウム層を構成する結晶粒各々の形状を5視野に対して求め、各結晶粒の粒界の長さ、つまり各結晶粒形状の外周の長さを各結晶粒の周長とした場合に、結晶粒の結晶粒面積を電子線後方散乱回折法により求めた結晶粒面積と等しい面積を有する円の周長に対する当該結晶粒の周長の比の平均値が、1.8未満であると粒界形状は凹凸が少なく、比較的滑らかになってしまい、結晶粒同士の噛み合いが小さくなるために、アンカー効果が得られず、結晶粒同士の結合力の向上の効果が十分に奏されない。一方、3.0を超えると一つの結晶粒に着目した場合、凹凸の非常に大きい結晶粒形状となるため、例えば、細長い凸部などの形状的に脆弱な部分が形成されてしまうため、クラックが発生しやすく、性能が劣位となる。したがって、結晶粒の結晶粒面積を電子線後方散乱回折法により求めた結晶粒面積と等しい面積を有する円の周長に対する当該結晶粒の平均値は、1.8〜3.0と定めた。
なお、前記酸化アルミニウム層は、工具基体に直接成膜することで、その性能を発揮することは可能であるが、炭窒化チタンを含む超硬合金を基体とする場合は窒素雰囲気中での焼成により、工具基体表面付近に、Ti、Ta、Nb、Zrのうち、少なくとも1種の耐摩耗性の高い炭窒化物を多く含有させ、基体表面硬化層を形成させるとともに、酸化アルミニウム層と工具基体との密着強度を向上させ、工具寿命を延長することが可能となる。なお、該基体表面硬化層形成後の超硬合金基体の硬さはビッカース硬さ(Hv)で2200以上、2800以下であることが好ましい。その際、炭窒化物を多く含有させることで基体表面付近におけるCoは相対的に減ることとなり、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて工具基体表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの断面観察を行い、分析視野領域1μm×1μmの範囲にて波長分散型X線分光法による定量分析により、結合相金属としてのCoの平均含有量を検出した場合に、2.0質量%未満にすれば、工具基体の表面硬化の要因となる炭窒化物が十分に形成され、耐摩耗性がより向上する。
また、炭窒化チタン基サーメットを基体とする場合には、焼結工程において昇温および最高温度で保持する際の雰囲気を所定の窒素雰囲気とし、保持の途中もしくは降温する際に減圧することにより、全焼結工程を一定圧力の窒素雰囲気中で実施した場合よりも表面を硬化させることができる。これは、最高温度で保持するまでの工程を一定圧力の窒素雰囲気中で実施すると、基体内部に均一に硬さの高い炭窒化物が分散形成されるが、これを昇温または保持の途中までは比較的高い窒素圧力下で処理し、保持の途中もしくは降温時から、より減圧された窒素雰囲気にして処理すると、工具基体のごく表面のみ脱窒されることにより、NiやCo金属結合相へのTiやNbなどの溶解および内部から工具基体表面への拡散が活発となり、TiやNbなどの炭窒化物の形成が表面にて促進され、工具基体表面硬化層が形成されるためである。なお、工具基体表面硬化層形成後のサーメット基体の硬さはビッカース硬さ(Hv)で2000以上、2600以下であることが好ましい。また、その際は前述した超硬合金基体と同様に、工具基体表面付近におけるNiおよびCoは相対的に減ることとなり、結合相金属としてのNiおよびCoの合計平均含有量を2.0質量%未満にすれば、工具基体の表面硬化の要因となる炭窒化物が十分に形成され、耐摩耗性がより向上する。
また、本発明の表面被覆切削工具は、工具基体の表面に直接酸化アルミニウム層を形成せずに、当業者において既に知られている硬質皮膜、即ち、周期律表の4a、5a、6a族およびSiから選ばれる少なくとも1種以上の元素を含有する窒化物、もしくは酸化物からなる少なくとも1層以上の硬質皮膜を物理蒸着(PVD)法、化学蒸着(CVD)法またはゾル−ゲル法により形成した後、該硬質皮膜の表面に前記酸化アルミニウム層を被覆形成してもよい。
本発明の表面被覆切削工具の硬質被覆層を構成する酸化アルミニウム層は、後述するようにゾル−ゲル法による酸化アルミニウム層の形成方法としてRTA法などによる熱処理を実施するか、あるいは、CVD法等で成膜されたTi酸化物の上にゾル−ゲル法により酸化アルミニウム層を成膜することで、特定の箇所で選択的に結晶化を促進でき、該酸化アルミニウム層中の結晶粒は比較的自由度高く結晶成長できるため、凹凸性の高い複雑形状の結晶粒界を有する酸化アルミニウム結晶粒が形成される。
なお、刃先に多く負荷のかかる切込の大きい断続切削では、結晶化促進効果を有するTi酸化物自体を該酸化アルミニウム層中に分散形成させ、性能向上に寄与させることができる。該酸化アルミニウム層中にTi酸化物微粒子を分散せしめるには、上記記載のTi酸化物下地上に酸化アルミニウムを成膜したのち、下地Ti酸化物が分解し、酸化アルミニウム層中に拡散混合する900℃以上の温度で焼成するのが望ましい。該方法によるとTi酸化物が微粒となり、酸化アルミニウム層中に侵入すると共に、該酸化アルミニウム結晶粒の周囲に形成されるため、断続切削時の衝撃を緩和することができ、優れた耐摩耗性を長時間にわたって発揮できる。
(d)酸化アルミニウム層中のTi酸化物の含有割合:
本発明の酸化アルミニウム層は、所定の焼成処理や酸化アルミニウム層のTi酸化物を下地として用いることで、結晶粒の周縁部の形状を凹凸が多い形状とすることを特徴としているが、Ti酸化物を下地として用いた場合に焼成条件によっては、該酸化アルミニウム層中にTi酸化物粒を導入することができ、特に断続切削において耐摩耗性を向上しうることを見出した。
その際、前記Ti酸化物結晶粒は、酸化アルミニウム層を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した場合に、図1、図2、図3に示すように、平均粒径0.01〜0.10μmの微細結晶粒として観察され、例えばTEMを用いたエネルギー分散形X線分析装置による元素マッピングを行うと、Ti酸化物結晶粒は酸化アルミニウム結晶粒の周囲に形成されていることがわかる。そして、その数の平均値は、結晶粒の一周長上に5〜50個であることが分かる。
さらに、Ti酸化物が分散された酸化アルミニウム層中の全金属元素中に占めるTiの含有割合を、例えば、縦断面視野領域0.2μm×0.3μmの範囲でTEMに付属されたエネルギー分散形X線分析装置による観察視野範囲内の定量分析を5視野実施し、その平均値を求めると、0.02at%を超え10at%以下であることが分かる。
なお、図1によれば、酸化アルミニウム結晶粒の結晶粒界には、該酸化アルミニウム結晶粒を取り囲むようにTi酸化物微粒子(図1中、矢印で示した部分)が形成されていることが観察される。
ここで、酸化アルミニウム結晶粒の周囲に形成されているTi酸化物微粒子の数の平均値が、一周長上に5個未満では、十分に切削時の衝撃を緩和することができず、一方、50個を超えると酸化アルミニウム素地より孤立してしまい切削時に脱落しやすく好ましくない。したがって、好ましい酸化アルミニウム結晶粒の周囲に形成されているTi酸化物微粒子の数は、5〜50個と定めた。
本発明の表面被覆切削工具の硬質被覆層を構成する酸化アルミニウム層は、以下に示すゾル−ゲル法によって形成することができる。
アルミナゾルの調製:
まず、アルミニウムのアルコキシド(例えば、アルミニウムセカンダリブトキシド(ASB)、アルミニウムプロポキシド)に溶媒としてアルコール(例えば、エタノール、1−ブタノール)や水を添加し、さらに、触媒として酸(例えば、塩酸、硝酸)、界面活性剤としてラウリン酸ナトリウム(C1123COONa)、または、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSN)を添加した後、−10〜20℃以下の温度範囲にて、攪拌したのち、撹拌時の温度範囲と同様、−10〜20℃以下の温度範囲にて保持する熟成処理を、例えば、撹拌と熟成処理の合計時間が12時間以上という長時間かけて行うことによってアルミナゾルを形成する。なお、本発明で用いるアルミナゾルはジメチルホルムアミド(DMF)やアセチルアセトン(AcAc)をキレート化剤として用いることが望ましい。これは過度の結晶化促進を抑制するためであり、過度の結晶化促進を抑制させる効果のあるキレート化剤を使用しない場合には、結晶化が促進されやすく、酸化アルミニウムの結晶化が該層中のあらゆる場所で開始されてしまうことから、結晶の成長が別の結晶の成長に阻害されるために、微粒の組織となる傾向にあり、所望のサイズ、アスペクト比を有する複雑形状の結晶粒が形成されない。つまり、キレート化剤を使用することで結晶化開始温度が高くなるよう調製を行うと同時に、所定の焼成処理やTi酸化物を使用することで酸化アルミニウム層中の限定された特定の箇所で結晶化を開始させることで、結晶成長方向に関して比較的高い自由度をもちながら結晶成長できる結果、複雑形状の結晶粒界を有する酸化アルミニウム結晶粒を所望のサイズとアスペクト比で形成させることが出来る。
また、界面活性剤を使用するとゾルの濡れ性が向上し、膜の均一性が向上する。但し、ゾル中に添加した界面活性剤は乾燥工程において熱分解させて層中から取り除かないとクラックが形成しやすくなるため、十分取り除ける量としてAlのアルコキシドに対してモル比で0.1以下が望ましい。
なお、Ti酸化物による酸化アルミニウムの結晶化促進効果のメカニズムは明らかにされていないが、Ti酸化物が還元される際にAlを酸化するための酸素供給源となると考えられ、Ti酸化物の表面から酸化アルミニウム結晶粒が成長する起点となり、Ti酸化物近傍の限定した箇所においては比較的低温で結晶化が可能になる。なお、酸化アルミニウム中のTi酸化物微粒子は焼成時に酸化アルミニウム結晶粒界を沿うように配置、形成されるが、該Ti酸化物微粒子の粒径は焼成時の雰囲気により粒径は変化し、雰囲気中の酸素量が多いと粒径は大きくなる傾向にあり、平均粒径が0.01μm未満であると、アルミニウムが酸化するのに必要な酸素の供給が十分ではないため結晶化しにくく、平均粒径が0.10μmを超えると、酸化アルミニウム層中に粗大なTi酸化物が含有していることとなり、焼成後はクラックや剥離の起点となりやすい。そのため、酸化アルミニウム層中のTi酸化物微粒子の平均粒径は0.01〜0.10μmとする。
前述のような酸化アルミニウム層中にTi酸化物微粒子を分散含有させる構成とする場合、酸化アルミニウム層中の全金属元素に占めるTiの含有割合が、0.02at%以下であると、切削時の衝撃を緩和するのに必要なTi酸化物微粒子量が十分ではなく、一方、10at%を超えるとチタン酸化物の含有比率が高すぎるため酸化アルミニウムの有するすぐれた高温硬さと耐酸化性を発揮できない。したがって、酸化アルミニウム層中の全金属元素に占めるTiの含有割合は0.02at%を超え、10at%以下とすることが望ましい。
通常行われるアルミナゾルの調製においては、40〜80℃での攪拌と、その攪拌温度で数時間程度の熟成処理が行われるが、本発明においては、−10〜20℃の低温度範囲における攪拌と熟成を、例えば、合計12時間以上行う長時間の低温処理を行うことが望ましい。
ここで、攪拌および熟成処理時の温度が20℃を超えると加水分解および重縮合反応が急速に進んでしまうため、酸化アルミニウム前駆体が密に形成されにくく、後工程の焼成処理で、α型酸化アルミニウムが形成されにくくなることから、攪拌および熟成処理時の温度の上限を20℃とし、一方、攪拌および熟成処理時の温度が−10℃未満では、加水分解および重縮合反応が進みにくく、前記記載の所定の焼成方法やTi酸化物を用いた後工程の焼成処理において結晶化しにくくなってしまうため、−10〜20℃の低温温度範囲とした。
なお、撹拌及び熟成時間を合計12時間以上としたのは、前記撹拌及び熟成時の温度範囲で起こる化学反応を十分に平衡状態までもっていき、加水分解縮重合したAlとOのネットワークが密に形成された安定な酸化アルミニウム前駆体ゾルを得るために必要な時間である。
乾燥処理および焼成処理:
RTA法にて熱処理する場合には前述のように調製したアルミナゾルを、工具基体の表面へ直接、あるいは、工具基体表面に化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法で形成した下地層としての硬質皮膜の表面へ塗布し、それに続き、アルミナゾル中の有機成分の熱分解速度がゆっくり進むよう5〜20℃/secというRTA法を使用した一般的なゾル-ゲル膜の形成にはあまり用いられない比較的遅い昇温速度で加熱し、100〜600℃、より好ましくは200〜500℃で5分以上保持して乾燥、冷却したのち、再度前記表面にアルミナゾルを塗布し、上記条件で乾燥処理を行う工程を所望の膜厚となるまで繰り返し実施し、アルミナの乾燥ゲルを形成後、600〜1100℃の温度範囲でRTA法による焼成処理を行って酸化アルミニウム層を被覆形成する。RTA法とは赤外線ランプから放射される電磁波により加熱する方法で、Siウェハー等の熱処理など、半導体産業で良く用いられている。非接触かつ急速な昇降温が可能であるとともに、近赤外線が用いられるため、被加熱物の透過率はもちろん、色などの表面状態によっても、吸収されやすさが異なるために、局所的な加熱が可能である。なお、本発明では昇温速度が速いと塗布膜中の有機成分が急激に燃焼、揮発するため、塗布膜中にポアができやすく緻密な膜となりにくい。また、1回の塗布による膜厚は、例えば焼成後における正味の膜厚として0.2μm以下がよく、薄く繰り返し形成することで、より緻密な膜が形成できる。
また、酸化アルミニウムの結晶化促進に効果のあるTi酸化物を応用する場合には、アルミナゾルを工具基体表面にCVD法などでTi酸化物層を形成した下地層の表面へ塗布するが、この場合も上記同様1回の塗布による膜厚は、0.2μm以下がよく、薄く繰り返し形成することで、より緻密な膜が形成できる。また、この場合乾燥や焼成などの熱処理はRTA法で行わなくてもよく、通常の電気炉で十分である。
電気炉を用いる場合には100〜600℃、より好ましくは200〜500℃での乾燥処理を1回以上繰り返し行い、次いで、600〜1100℃の温度範囲で焼成処理を行って酸化アルミニウム層を被覆形成する。
前記乾燥処理によってアルミナの乾燥ゲルが形成され、次いで行う焼成処理によって、硬質皮膜表面に、複雑形状を有する酸化アルミニウムの結晶粒からなるα型結晶構造またはα型とγ型結晶構造を有する酸化アルミニウム層が形成され、焼成条件によっては、Ti酸化物微粒子が分散含有した酸化アルミニウムが形成される。
前記酸化アルミニウム層の膜厚は、アルミナゾルの塗布厚さおよび塗布回数に依存するが、前述したように、被覆形成された酸化アルミニウム層の膜厚が0.2μm未満では、長期の使用に亘って表面被覆切削工具としてすぐれた耐摩耗性を発揮することができず、一方、膜厚が5.0μmを越えると酸化アルミニウム層が脱落チッピングを生じやすくなることから、酸化アルミニウム層の膜厚は0.2〜5.0μmとする。
また、乾燥処理の温度範囲を100〜600℃、より好ましくは200〜500℃、焼成処理の温度範囲を600〜1100℃と定めたのは、それぞれ、乾燥温度については、100℃未満では有機溶媒や界面活性剤などの熱分解が起こらず、600℃を超えるとゲルの体積収縮が急激に進行してクラック等を発生し、皮膜が剥離等を生じやすくなるためであり、焼成温度については、600℃未満ではRTA法などの所定の焼成方法やTi酸化物を用いても結晶化が起こらないため耐摩耗性が十分でなく、一方、1100℃を越える温度で焼成した場合、工具基体の劣化や粒状組織の粗大化が進んでしまうために耐欠損性、耐チッピング性、平滑性が低下傾向を示すという理由による。
本発明の表面被覆切削工具によれば、工具基体の表面に、ゾル−ゲル法によって成膜した酸化アルミニウムを被覆形成するものであり、それ自身が、すぐれた表面平滑性、潤滑性、耐溶着性、耐チッピング性を備えるとともに、酸化アルミニウム層を構成する結晶粒の周縁部の形状が凹凸の多い形状を有していることから、結晶粒同士の結合力が高まる。これらの効果が相俟って、これを、高熱発生を伴うとともに、切れ刃に断続的・衝撃的負荷が作用する鋼や鋳鉄などの高速断続切削加工に用いた場合でも、チッピング、剥離等の異常損傷を発生することなく、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであって、その効果は絶大である。
本発明工具15について、その酸化アルミニウム層の縦断面をTEMで観察した組織写真を示す。 本発明工具15について、その酸化アルミニウム層の縦断面をSEMで観察した組織写真を示す。 本発明工具15について、その酸化アルミニウム層の表面をSEMで観察した組織写真を示す。
つぎに、本発明を実施例により具体的に説明する。
(a1) 原料粉末として、平均粒径0.8μmの微粒WC粉末、平均粒径2〜3μmの中粒WC粉末といずれも1〜3μmの平均粒径を有するTiCN粉末、ZrC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、VC粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示す所定の配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1400℃の温度にて1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.05mmのホーニング加工を施すことによりISO・CNMG120408に規定するインサート形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A,B,C,D,E,E1,E2,E3,E4,E5(工具基体A,B,C,D,E,E1,E2,E3,E4,E5という)を製造した。
但し、1400℃にて1時間保持後1320℃までの冷却を、超硬基体E2については、3.3kPaの窒素雰囲気中にて40分間行い、超硬基体E3については、1kPaの窒素雰囲気中にて40分間、超硬基体E4については、2kPaの窒素雰囲気中にて10分間、超硬基体E5については、3.3kPaの窒素雰囲気中にて120分間かけて冷却することで基体表面を硬化処理した。
(b1) 次いで、上記工具基体A〜E5に対して、下地層を形成した。なお、下地層の形成にあたり、上記工具基体A及びBについては、化学蒸着装置に装入し、表2に示す成膜条件を用いて、粒状結晶組織を有するTiN層、縦長成長結晶組織のTiCN層(以下、l−TiCNで示す)、TiO、TiからなるTi化合物層を表5に示す皮膜構成にて下地層を予め形成した。一方、上記工具基体C及びDについては、物理蒸着装置の一種であるアークイオンプレーティング装置に装入し、表5に示す膜厚のTi0.5Al0.5N層からなる下地層を予め形成した。
また、上記工具基体Eについてはゾル-ゲル法により表5に示す膜厚のTiO層からなる下地層を予め形成した。
一方、上記工具基体E1,E2,E3,E4,E5については、下地層の形成を特に行わなかった。
(c1) 次いで、下地層の上に、酸化アルミニウム層をゾル−ゲル法で被覆形成するためのアルミナゾルの調製を、次のように行った。
表3に示す所定量のアルミニウムのアルコキシドであるアルミニウムセカンダリブトキシド(ASB)に、溶媒として、同じく表3に示す所定量のエタノールを添加して、恒温槽中5℃で攪拌を行い、さらに、触媒として表3に示す所定量の水を添加した塩酸を滴下により1時間かけて添加した。
(d1) これを、恒温槽中5℃に保持したまま、12時間以上攪拌を継続し、さらに、5℃で24時間低温で熟成処理し、さらに、キレート化剤として表3に示す所定量のアセチルアセトンを添加したアルミナゾルを調製した。
最終的な溶液組成は、モル比で、
(アルミニウムセカンダリブトキシド(ASB)):(水):(エタノール):(塩酸):(アセチルアセトン)
=1:(50〜100):20:(0.5〜0.8):(0.8〜1.2)
になるように調整を行った。
(e1) 次いで、前記超硬基体A〜E5に、化学蒸着法、物理蒸着法及びゾル-ゲル法により形成したTi化合物層上に、あるいは、特別な表面処理を施していない基体表面上に前記アルミナゾルを塗布した。
(f1) 次いで、前記塗布したアルミナゾルを、表4に示す所定条件の乾燥処理を行い、さらに塗布と乾燥を繰り返した後、600〜1100℃で表4に示す条件の焼成処理を行い、本発明酸化アルミニウム層を被覆形成することにより、表5、6に示す本発明の表面被覆切削工具1〜21(本発明工具1〜21という)を製造した。
本発明工具1〜21について、酸化アルミニウム層の縦断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、酸化アルミニウム層には凹凸性の高い結晶粒界が形成されており、本発明工具の一部には、該結晶粒周囲に新たな微粒結晶粒が形成されていることが確認された。この凹凸性の高い結晶粒形状の確認には電子線後方散乱回折法を用い、酸化アルミニウム層中の各結晶粒のアスペクト比、各結晶粒の面積と等しい面積を有する円の周長に対する当該結晶粒の周長の比をそれぞれ求めた。また、結晶構造の確認には、X線回折装置と透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、制限視野電子線回折法によりその各結晶粒を解析したところ、その結晶粒から明瞭な電子線回折パターンが得られ、そのパターンの解析及びX線回折パターンから、酸化アルミニウムはα型もしくはα型とγ型の混相を有していることが確認された。さらに、微粒結晶粒はチタン酸化物であることをTEMによるエネルギー分散形X線分析装置を用いて特定した。
図1に、一例として、本発明工具15の酸化アルミニウム層の縦断面TEM写真を、また、図2および図3に、同じく本発明工具15について、その酸化アルミニウム層の表面と断面TEM写真を示す。図2、図3によれば、酸化アルミニウム層中に分散する微細Ti酸化物粒が、酸化アルミニウム結晶粒を囲繞するように凝集形成されていることが確認できる。
(比較例1)
比較のため、以下の製造方法で表面被覆切削工具を製造した。
即ち、前記(a1)の工具基体A〜E5に対して、前記(b1)の工程で、硬質皮膜を形成し、前記(d1)の工程(表3参照)で、アルミナゾルを調製した。
次いで、前記(d1)の工程にかえて、恒温槽中40℃に保持したまま、12時間攪拌を継続し、さらに、40℃で24時間熟成するという処理を行い、キレート化剤としてアセチルアセトンを添加することによってアルミナゾルを調製した。
次いで、前記(e1)と同様にして、超硬基体A〜E5に、化学蒸着法により形成した前記Ti化合物層上に、あるいは、特別な表面処理を施していない基体表面上に前記アルミナゾルを塗布した。
次いで、前記塗布したアルミナゾルを、前記(f1)と同様にして、乾燥処理を行い、さらに塗布と乾燥処理を繰り返した後、焼成処理を行ったが、その際、乾燥条件と焼成条件は本発明工具とは異なる条件を用いて、酸化アルミニウム層を最表面に被覆形成することにより、表7、8に示す比較例の表面被覆切削工具1〜21(比較例工具1〜21という)を製造した。
前記本発明工具1〜21および比較例工具1〜21について、エネルギー分散型X線分光法装置を付属した透過型電子顕微鏡を用い、酸化アルミニウム層の縦断面を10万倍の観察視野範囲0.2×0.3μmで5視野に対して元素マッピング分析し、Ti酸化物微粒子の数の平均値を求めると共に、その結果を平面と仮定して、酸化アルミニウム層に分散含有される該微細Ti酸化物粒の面積を円の面積として算出した場合の近似円の直径を5点測定し、その平均値を該微細Ti酸化物粒の平均粒径とした。
また、酸化アルミニウム層中の全金属元素に占めるTiの含有割合を縦断面視野領域0.2μm×0.3μmの範囲でTEMに付属されたエネルギー分散形X線分析装置による観察視野範囲内の定量面分析を5視野実施し、その平均値を求めることにより測定した。
また、超硬基体表面のCoの含有量は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた波長分散型X線分光法により、酸化アルミニウム層または超硬基体の縦断面観察視野内を定量分析し、その平均値を採用した。超硬基体表面のCo含有量は基板表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの範囲内における分析視野領域1μm×1μmの面分析にて5視野測定した。
また、同時に酸化アルミニウム層の平均層厚を走査型電子顕微鏡を用いて断面測定したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均値(5ヶ所の平均値)を示した。
表6、8に、測定結果を示す。
つぎに、本発明工具1〜21および比較例工具1〜21について、以下に示す、炭素鋼の乾式高速断続切削試験、鋳鉄の湿式高速断続切削試験を実施し、いずれも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
切削条件1:
被削材:JIS・SCM435の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:360m/min、
切り込み:1.2mm、
送り:0.2mm/rev、
切削時間:5分、
(通常の切削速度は、220m/min)、
切削条件2:
被削材:JIS・FCD450の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:320m/min、
切り込み:1.0mm、
送り:0.2mm/rev、
切削時間:5分、
(通常の切削速度は、200m/min)、
これらの結果を表6、8に示す。




原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これらを表9に示す所定の配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1540℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG120412のチップ形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体F,G,H,I,J,J1,J2,J3,J4、J5(工具基体F〜J5という)を製造した。但し、工具基体J1については1.3kPaの窒素雰囲気中、昇温速度を2℃/minとし、室温より1540℃まで昇温させ30分保持した後、13Paの真空とし、さらに、1540℃にて30分保持後降温させて表面硬化させた。工具基体J3については、常に13Paの真空中にて昇温および1540℃にて60分保持、工具基体J4については1.3kPaの窒素雰囲気中で室温より1540℃まで昇温させ30分保持した後、13Paの真空とし、さらに、1540℃にて5分保持、工具基体J5については1.3kPaの窒素雰囲気中で室温より1540℃まで昇温させ30分保持した後、13Paの真空とし、さらに、1540℃にて90分保持後降温させて表面硬化させた。

ついで、上記工具基体F〜J5に対して、下地層を形成した。
なお、下地層の形成にあたり、上記工具基体F及びGについては、化学蒸着装置に装入し、表2に示す成膜条件を用いて、表10のTi化合物からなる皮膜構成にて下地層を予め形成した。一方、上記工具基体H、Iについては、物理蒸着装置の一種であるアークイオンプレーティング装置に装入し、表10に示す膜厚のTi0.5Al0.5N層からなる下地層を予め形成した。
一方、上記工具基体J〜J5については、下地層の形成を特に行わなかった。
ついで、下地層を形成した上記工具基体F,G,H,Iおよび、下地層を形成していない上記工具基体J〜J5のいずれに対しても、実施例1と同様に表3、4の調製条件及び乾燥条件、焼成条件を用い、酸化アルミニウム主体層を成膜し、表10、11に示す本発明の被覆工具22〜42(本発明工具22〜42という)を製造した。
本発明工具22〜42について実施例1と同様に酸化アルミニウム層の結晶構造、結晶粒の平均アスペクト比、等面積円の周長に対する結晶粒の周長の比の平均値、酸化アルミニウム層中の全金属元素に占めるTiの含有割合(at%)、結晶粒界に存在するTi酸化物微粒子の平均数(個)、結晶粒界に存在するTi酸化物微粒子の平均粒径(μm)、TiCN基サーメット表面に含まれる結合相金属としてのCo及びNiの合計平均含有量(at%)を測定・算出した。
表11にその結果を示す。


[比較例2]
前記実施例2で用いたのと同じ工具基体F〜J5を用いて、実施例2と同様に、ゾル−ゲル法により、表3に示すゾル調製条件、表4に示す乾燥・焼成条件を用いて表13に示す所定目標層厚になるまで酸化アルミニウム主体層を成膜し、表12、13に示す比較例の被覆工具22〜42(比較例工具22〜42という)を製造した。
酸化アルミニウム層の結晶構造、結晶粒の平均アスペクト比、等面積円の周長に対する結晶粒の周長の比の平均値、酸化アルミニウム層中の全金属元素に占めるTiの含有割合(at%)、結晶粒界に存在するTi酸化物微粒子の平均数(個)、結晶粒界に存在するTi酸化物微粒子の平均粒径(μm)、TiCN基サーメット表面に含まれる結合相金属としてのCo及びNiの合計平均含有量(at%)を表13に示す。


上記本発明工具22〜42、比較例工具22〜42について、次の条件で乾式高速断続切削加工試験を行った。
切削条件1:
被削材:JIS・SCM435の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:280m/min、
切り込み:1.4mm、
送り:0.25mm/rev、
切削時間:5分、
(通常の切削速度は、220m/min)、
切削条件2:
被削材:JIS・FCD450の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:340m/min、
切り込み:0.8mm、
送り:0.4mm/rev、
切削時間:5分、
(通常の切削速度は、200m/min)、
これらの結果を表11、13に示す。
表6、11及び表8、13に示される結果から、本発明工具1〜42においては、工具基体の表面に、ゾル−ゲル法によって酸化アルミニウム層が被覆形成され該酸化アルミニウム層は、すぐれた表面平滑性、耐溶着性、結晶粒同士の密着力を備えることから、これを、鋼、鋳鉄等の高速断続切削加工に用いた場合でも、チッピング、剥離等の異常損傷を発生することなく、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性、切屑排出性を発揮するのである。
これに対して、表面の酸化アルミニウム層に複雑形状結晶粒が形成されていない比較例工具1〜42においては、表面平滑性、耐溶着性は優れるものの、結晶粒同士の密着力が不十分であり、断続切削の大きな衝撃に耐えきれず、特にホーニング部付近での微小チッピングが起こりやすくなるために、異常損傷が起きやすく、優れた耐摩耗性を維持できず、クレータ摩耗が進行するため、短時間で使用寿命に至ることは明らかである。
なお、前述の実施例では、インサート形状の工具を用いて硬質被覆層の性能を評価したが、ドリル、エンドミルなどでも同様の結果が得られることはいうまでもない。
本発明の表面被覆切削工具によれば、表面に、ゾル−ゲル法によって酸化アルミニウム層が被覆形成され該酸化アルミニウム層は、すぐれた表面平滑性、耐溶着性、結晶粒同士の密着力を備えることから、これを、鋼、鋳鉄等の高速断続切削加工に用いた場合でも、チッピング、剥離等の異常損傷を発生することなく、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであり、工具寿命の長寿命化を図ることができ、その実用上の効果は絶大である。

Claims (5)

  1. 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
    (a)前記硬質被覆層は、0.2〜5.0μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層を具備し、
    (b)前記酸化アルミニウム層を構成する結晶粒は、α型またはα型とγ型の混相の結晶構造を有し、
    (c)前記酸化アルミニウム層の縦断面における各々の結晶粒形状を電子線後方散乱回折法により定め、層厚垂直方向の粒径に対する層厚方向の粒径の比を各結晶粒のアスペクト比とした場合に、前記結晶粒の平均アスペクト比は、0.5〜5.0であ
    (d)前記酸化アルミニウム層の縦断面における各々の結晶粒形状を電子線後方散乱回折法により定め、各結晶粒の周長と結晶粒面積を求めた場合に、当該結晶粒面積と等しい面積を有する円の周長に対する当該結晶粒の周長の比の平均値が、1.8〜3.0であることを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 前記酸化アルミニウム層は、チタン酸化物の結晶粒を含有し、
    (a)前記酸化アルミニウム層中の全金属元素に占めるTiの含有割合は、0.02at%を超え10at%以下であり、
    (b)前記チタン酸化物の結晶粒は、平均粒径0.01〜0.10μmのチタン酸化物微粒子であり該チタン酸化物微粒子は前記酸化アルミニウム層を構成する結晶粒を囲繞するように凝集形成されているとともに、前記酸化アルミニウム層を構成する結晶粒の周長上に存在するチタン酸化物微粒子の平均数は、5〜50個であることを特徴とする請求項1に記載の表面被覆切削工具。
  3. 炭化タングステン基超硬合金からなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
    上記工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCoの平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
    上記工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCo及びNiの合計平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面被覆切削工具。
  5. 前記酸化アルミニウム層は、ゾルーゲル法によりチタン酸化物層上に形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具の製造方法。
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