JP6362272B2 - カルボキシル基含有反応性化合物、それを用いた硬化型樹脂組成物、およびその用途。 - Google Patents

カルボキシル基含有反応性化合物、それを用いた硬化型樹脂組成物、およびその用途。 Download PDF

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Description

本発明は、多価アルコール化合物に酸無水物基を導入し、その後さらに分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上の水酸基を併せ持つ化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有反応性化合物およびその組成物、用途に関する。
カラーフィルタ等に代表される表示素子用レジスト材料、プリント配線基板等に代表されるソルダーレジスト用材料として、コハク酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物をエポキシアクリレート等と反応させて得られるカルボキシル基含有反応性化合物は、低酸価でありながら優れた現像性を有し、レジストインキに用いられている(特許文献1)。
既存の酸変性エポキシアクリレート等は比較的幅広い分子量分布を有しているため、ネガ型のフォトレジスト材料として用いた場合に非照射部をアルカリ性の現像液で溶出させると、照射部と非照射部の際がスムーズに溶出できず、エッジラインの解像度が悪化するという課題を有していた。
また、酸変性エポキシアクリレート等では、原料としてエポキシ化合物を使用することから、エポキシ化合物を製造する際の原料、例えばエピクロロヒドリン等に由来するハロゲン分が残留してしまう。これをソルダーレジスト等の電子回路用封止材料に使用した場合、そのハロゲン分が長期の回路信頼性に悪影響を及ぼす可能性が指摘されてきた。
さらに、カラーフィルタ用のカラーレジスト等に使用した場合、酸変性エポキシアクリレート類は耐熱性を維持するために多官能の芳香族エポキシ類を原料として用いるのが一般的である。このため、製造工程における加熱処理等によって黄変色が生じてしまう等の課題があった(特許文献2)。
既存の酸変性エポキシアクリレート類の製造に用いられる酸無水物は、主に1分子中に1つの酸無水物基を含有するものが用いられる。1分子中に2つ以上の酸無水物基を有するものを用いると、エポキシアクリレート類が1分子中に多くの水酸基を含有していることから、分子間の架橋反応が進行し分子量の制御が難しかった。
特許文献3には1分子中に2つの酸無水物基を有する化合物に1分子中に水酸基と不飽和基を有する化合物を反応させて半エステル化した化合物を原料に、さらにエポキシ化合物と反応させたものからレジスト用組成物を得る手法は記載されているが、本発明のような一分子中に3つ以上の酸無水物基を有する化合物から誘導される化合物又は組成物は記載されていない。
WO2008/004630号公報 特開2005−126674号公報 特開2005−206803号公報
本発明は、良好な光反応性、現像性、ネガ型レジスト材料として好適な特性を有している反応性樹脂を提供することを課題としている。
本発明者らは前述の課題を解決するため、特定の構造を有する多官能酸無水物(A)に分子中に一個以上の重合可能なエチレン性不飽和基と一個以上の水酸基を併せ持つ化合物(B)を反応させて得られるカルボキシル基含有反応性化合物(C)が、特に優れた樹脂物性を有することを見出した。
即ち、本発明は
(1)少なくとも一分子中に3つ以上の水酸基を有する多価アルコール(a)と核水添無水トリメリット酸ハライド(b−1)または無水トリメリット酸ハライド(b−2)とを反応させて得られる多官能酸無水物(A)に、さらに1分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上の水酸基を併せ持つ化合物(B)を反応させて得られるカルボキシル基含有反応性化合物(C)に関する。
(2)前記多価アルコール(a)が、下記一般式(1)
Figure 0006362272
(式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して、R、R、R、R、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜11の炭化水素基、もしくは炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表し、Rは水酸基、もしくは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルを表す。lは0〜11、mとnはそれぞれ1〜11の整数を表す。)で表される一分子中に少なくとも3つの水酸基を含有する多価アルコール(a−1)であることを特徴とするカルボキシル基含有反応性化合物(C)に関する。
(3)前記多価アルコール(a)が、該多価アルコール(a)に、アルキレンオキサイド、環状エーテル、及び環状エステルからなる群より選ばれる1以上とを反応させて得られる多価アルコール(a−2)であることを特徴とするカルボキシル基含有反応性化合物(C)に関する。
(4)前記のカルボキシル基含有反応性化合物(C)に、さらに1分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上のエポキシ基を併せ持つ化合物(D)を反応させて得られる多官能反応性化合物(E)に関する。
(5)前記カルボキシル基含有反応性化合物(C)または多官能反応性化合物(E)を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
(6)皮膜形成用材料である前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
(7)活性エネルギー線による描画を目的とした材料組成物である前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
(8)前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物に関する。
本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)及び多官能反応性化合物(E)は、優れた反応性、光描画における優れた現像性を有し、強靭な硬化物を与える。
本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)及び多官能反応性化合物(E)はプリント配線板用ソルダーレジスト、半導体パッケージ基板用層間絶縁材料、フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジスト、メッキレジスト等に使用できる。
特に、着色性と耐熱性が高い特徴を生かして、カラーフィルタ等で有用なカラーレジスト等、ブラックマトリクス材料、スペーサー材料等にも適している。
また光描画法による光導波路等の用途にも本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)及び多官能反応性化合物(E)を使用できる。
本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)は、少なくとも一分子中に3つ以上の水酸基を有する多価アルコール(a)に核水添無水トリメリット酸ハライド(b−1)または無水トリメリット酸ハライド(b−2)を反応させて得られる多官能酸無水物(A)に、1分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上の水酸基を併せ持つ化合物(B)を反応させて得られる。
本発明の多官能反応性化合物(E)は、本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)に1分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上のエポキシ基を併せ持つ化合物(D)を反応させて得られる。
本発明において用いられる多価アルコール(a)は少なくとも一分子中に3つ以上の水酸基を有する。水酸基が1分子中に2つ以下の場合は、最終的な硬化物となった際に強固な架橋構造を構成することができない。
本発明において多価アルコール(a)は下記一般式(1)で示される構造を有しているものが好ましい。
Figure 0006362272
(式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して、R、R、R、R、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜11の炭化水素基、もしくは炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表し、Rは水酸基、もしくは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルを表す。lは0〜11、mとnはそれぞれ1〜11の整数を表す。)
上記一般式(1)において、lまたはmが2以上の場合、複数存在することになるR、R、R、Rは、それぞれのR、R、R、Rが異なる置換基をとってよい。例えば、l=2の場合、4つ存在するRは4つが同一の置換基でも、すべて異なる置換基でもよい。R、R、RについてもRと同様である。
多価アルコール(a)の具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、1,2,4−ブタントリオール、2−ヒドロキシアルキルメチル−1,4−ブタンジオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,8−オクタントリオール、1,2,9−ノナントリオール、1,2,10−デカントリオール、トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどのトリオール類、ジトリメチロールプロパン、1,1,2,2−エタンテトラオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、1,2,3,5−ペンタンテトラオール、1,2,4,5−ペンタンテトラオール、1,1,5,5−ペンタンテトラオール、1,2,5,6−ヘキサンテトラオール、1,2,7,8−オクタンテトラオール、1,2,9,10−デカンテトラオールなどのテトラオール類、ジペンタエリスリトール、ポリグリセリンなどのポリオール等が挙げられる。
これらのうち、一般式(1)で示される分子中に4〜6個の水酸基を有する多価アルコールを用いた場合に、得られる硬化物の特性が優れている。特にペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールが、硬化物の特性の良さ、材料の入手のしやすさの観点から好ましい。
本発明において多価アルコール(a−2)とは、多価アルコール(a)にアルキレンオキサイド、環状エーテル、及び、環状エステルからなる群より選ばれるいずれか一つ以上を付加重合させた構造を持つ化合物のことを指す。また、多価アルコール(a−2)は反応性や硬化物の特性を用途に応じて最適化することもできる。
一般式(1)中Rで示される炭化水素基とは炭素原子と水素原子のみから構成される原子団を指す。
炭化水素基の炭素数は1〜11が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、直鎖または分枝のペンチル基、直鎖または分枝のヘキシル基、直鎖または分枝のヘプチル基、直鎖または分枝のオクチル基等の脂肪族炭化水素基や、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基や、フェニル基、トリル基、ナフチル基、メチルナフチル基等の芳香族基、ベンジル基、ナフチルメチル基等の芳香族置換アルキル基等を挙げることができる。このうち本発明においては、本発明の硬化物の透明性が良好な点で脂肪族炭化水素基や脂環式炭化水素基が好ましく、メチル基とエチル基が強靭性と耐熱性が良好な本発明の硬化物を与える点からより好ましい。
またはRで示される、ヒドロキシアルキル基とは、直鎖状、分岐状アルキル基の水素原子の1つ又は2つ以上が水酸基で置換されている原子団を指す。
ヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜4が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びイソブチル基の水素原子の1つ又は2つ以上が水酸基で置換されたものが挙げられる。このうち本発明においては、反応が容易な点で、水酸基が末端炭素に1つ置換されたものが好ましい。ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基が本発明の硬化物の強靭性と耐熱性が良好な点からより好ましい。
本発明において用いられるアルキレンオキサイドとは、三員環の環状エーテルを有する化合物を指す。
アルキレンオキサイドの炭素数は2〜8が好ましい。例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等を挙げることができる。これらのアルキレンオキサイドは1種または必要に応じて2種以上を混合したものでも良い。中でも、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種であると、入手し易く、安価であるため本発明において好ましい。
アルキレンオキサイドの使用量は、多価アルコール(a)の水酸基1当量に対して、通常三員環の環状エーテル0.1〜6.0当量、好ましくは、0.2〜2.0当量である。この範囲であれば得られる硬化物の耐熱性及び強靭性が良好である。
本発明において用いられる環状エーテルとは、4員環以上の環状の炭化水素の1つ以上の炭素が酸素で置換された構造を有する化合物であれば特段の限定はない。
環状エーテルは4〜6員環が好ましく、具体例としてはオキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等を挙げることができる。これらの環状エーテルは1種または必要に応じて2種以上を混合したものでも良い。中でも、テトラヒドロフランは入手し易く、安価であるため本発明において好ましい。
環状エーテルの使用量は、多価アルコール(a)の水酸基1当量に対して、環状エーテル0.1〜6.0当量、好ましくは、0.2〜2.0当量である。この範囲であれば得られる硬化物の耐熱性及び強靭性が良好である。
本発明において用いられる環状エステルとは、環状の炭化水素の中にエステル結合を含む構造を有する化合物であれば特段の限定はない。
環状エステルの炭素数は2〜6であることが好ましい。環状エステルの具体例としてはアセトラクトン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等を挙げることができる。これらの環状エステルは1種または必要に応じて2種以上を混合したものでも良い。中でも、カプロラクトンは入手し易く、安価であるため本発明において好ましい。
環状エステルの使用量は、多価アルコール(a)の水酸基1当量に対して、環状エステル0.1〜6.0当量、好ましくは、0.2〜2.0当量である。この範囲であれば得られる硬化物の耐熱性及び強靭性が良好である。
多価アルコール(a−2)の例を具体例に示すと、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパンテトラヒドロフラン付加物、トリメチロールプロパンカプロラクトン付加物、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールテトラヒドロフラン付加物、ペンタエリスリトールカプロラクトン付加物、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物、ジペンタエリスリトールテトラヒドロフラン付加物、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加物、等が挙げられる。
無水核水添トリメリット酸ハライド(b−1)とは、多価アルコールに酸無水物基を導入し、多官能酸無水物化合物とするために用いられる。これにより、酸無水物基の開環エステル化を伴うことなく、酸無水物基を導入することができる。
また核水添されていることから、耐熱、耐光下においても着色が少なく、その硬化物は高い光学特性を維持しながら、耐熱性、強靱性に優れる。
無水トリメリット酸ハライド(b−2)も(b−1)同様の目的をもって使用されるものである。(b−2)は(b−1)より高い耐熱性を有する。
ハライド(b−1)と(b−2)は併用することも可能であり、着色性と耐熱性のバランスを、用途に応じて適宜調製することができる。
ハライド(b−1)または(b−2)としては、例えば、フッ素化物、塩素化物、臭素化物及びヨウ素化物等が挙げられ、中でも反応の容易さから塩素化物が好ましい。
多官能酸無水物(A)の合成は、公知の手法により行うことができる。多価アルコール(a)とハライド(b−1)または(b−2)との反応における試剤の添加の方法には特に制限がなく任意の添加法が採用できる。例えば、多価アルコール(a)と塩基性物質を溶媒に溶解し、これに溶媒に溶解した上記のハライド(b−1)または(b−2)をゆっくりと滴下する方法、あるいは、逆に必要に応じて溶媒に溶解した上記のハライド(b−1)または(b−2)中に多価アルコール(a)と塩基性物質の混合溶液を滴下する方法、ハライド(b−1)または(b−2)と多価アルコール(a)の混合溶液の中へ塩基性物質を滴下する方法、さらには、多価アルコール(a)の溶液の中に核水添無水トリメリット酸ハライドの溶液と塩基性物質の溶液を同時に滴下する、などが採用可能である。
塩基性物質存在下の多価アルコール(a)とハライド(b−1)または(b−2)の反応では、反応の進行とともに塩基性物質が中和して生成した塩酸塩が生じる。これを濾過して除去した後、ろ液を濃縮することで、目的の多官能酸無水物(A)の粗生成物が高収率で得られる。これを、適当な溶媒に溶解し、水洗後濃縮してから減圧乾燥すると純度の高い多官能酸無水物(A)が得られる。さらに必要に応じて適当な溶媒で再結晶を行うことで、より純度の高い多官能酸無水物(A)が得られる。
多価アルコール(a)の使用量は通常水酸基当量で、ハライド1に対して、0.6〜1.0、好ましくは、0.8〜1.0である。この範囲であれば多価アルコール(a)の水酸基はすべてエステル化され未反応のハライドが系内に余ることはない。
ハライド(b−1)または(b−2)と多価アルコール(a)の反応において使用可能な溶媒は原料に対して不活性であれば特に限定されないが、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン-ビス(2−メトキシエチル)エーテル等のエーテル溶媒、ピコリン、ピリジン等の芳香族アミン溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のようなケトン系溶媒、トルエン、キシレン等の様な芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のような含ハロゲン溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のようなアミド系溶媒、ヘキサメチルホスホルアミド等のような含リン溶媒、ジメチルスルホオキシド等のような含イオウ溶媒、γ-ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のようなエステル系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のような含窒素溶媒、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール等の水酸基を有する芳香族系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。
ここで挙げた溶媒には多価アルコール(a)から多価アルコール(a−2)を製造する際に用いられる環状エーテルや環状エステルが含まれているが、多価アルコール(a)にハライドを反応させる際は、反応温度は−10℃〜80℃、好ましくは0℃〜70℃、より好ましくは10℃〜60℃である。反応温度が80℃よりも高いと多価アルコール(a)に環状エーテルや環状エステルが反応して、多価アルコール(a−2)が得られ、多価アルコール(a)とハライドの反応率が低下する。反応時間は、特に制限はないが通常10分〜48時間、好ましくは30分〜24時間である。反応は通常常圧で行われるが、必要に応じて加圧下、または減圧下でも実施することができる。
多価アルコール(a)に環状エーテルや環状エステルを反応させて多価アルコール(a−2)を製造する際は、反応温度は80℃〜250℃、好ましくは90℃〜220℃、より好ましくは100℃〜200℃である。反応時間は、特に制限はないが通常10分〜48時間、好ましくは30分〜24時間である。反応は通常常圧で行われるが、必要に応じて加圧下、または減圧下でも実施することができる。
多官能酸無水物(A)を得る反応における溶質の濃度は、通常5質量%〜50質量%、副反応の制御、沈殿の濾過工程を考慮すると好ましくは10質量%〜40質量%で行われる。10質量%以上40質量%以下の範囲で行われるのがより好ましい。
多官能酸無水物(A)を得る反応での反応雰囲気は、通常、窒素下で行う。反応容器は密閉型反応容器でも開放型反応容器でもよいが、反応系を不活性雰囲気に保つため、開放型の場合には不活性ガスでシールできるものを用いる。
塩基性物質は、反応の進行とともに発生する塩化水素を中和するために用いる。この際使用される塩基性物質の種類としては特に限定されないが、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等の有機3級アミン類、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の無機の塩基性物質を用いることができる。ピリジンや、トリエチルアミンは安価に入手できる点や液体で溶解性に富むため反応操作が容易になる、という点で好ましい。また、無機の塩基性物質は安価に入手できる点で好ましい。
使用される塩基性物質の量は、特に制限はないが過剰に使用しすぎると生成物に混入したり、精製負荷が大きくなったりするので、核水添無水トリメリット酸ハライドに対して通常1.0モル倍〜30モル倍、好ましくは1.2モル倍〜20モル倍、さらに好ましくは1.5モル倍〜10モル倍が採用される。
水洗操作の際、多官能酸無水物(A)は一部加水分解を受けて、多価カルボン酸に変化するが、これは、減圧下加熱処理をすることにより、一部加水分解して生成した多価カルボン酸を容易に多官能酸無水物に戻すことができる。この減圧下加熱処理工程の際採用される温度は80℃〜200℃、好ましくは100℃〜180℃であり、減圧度は、10MPa以下、好ましくは1MPa以下であり、加熱時間は上限は特に制限はないが、通常は10分〜48時間、好ましくは30分〜24時間である。
こうして得られた多官能酸無水物(A)をさらに精製することも可能である。その場合の精製方法としては、再結晶、昇華、洗浄、活性炭処理、カラムクロマトグラフィーなど任意に行うことができる。またこれら精製法を繰り返しても、組み合わせて実施することも可能である。こうして得られる多官能酸無水物(A)の純度は例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)などの分析で得られるピークの面積比として、通常90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上である
本発明で示される1分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上の水酸基を併せ持つ化合物(B)は、酸無水物基と水酸基が付加反応により半エステル化することで、分子中に不飽和結合を導入することと同時に遊離のカルボキシル基を生じさせることで、光反応性とアルカリ現像液による溶解性を付与させることを目的としている。
化合物(B)が有する水酸基は、好ましくは1分子中に1つであることが好ましい。2つ以上含まれると(A)を架橋させる作用を有することになる。これは積極的に分子量を高めるために使用することも可能だが、過度に使用すると粘度の上昇、現像性の悪化を招く。
具体的には、一般に入手可能な1分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上の水酸基を併せ持つ化合物(B)として、たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。
さらに、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基含有多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
さらに、エポキシ化合物に(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸を付加させてカルボキシレート化させた化合物類として、メチルグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、エチルグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、オクチルグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、デシルグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ステアリルグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ブチルフェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、グリシジル(メタ)アクリレート(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。
このほか、エチレングリコールモノビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、ブチレングリコールモノビニルエーテルといったジオールモノビニルエーテル類も使用することが出来る。
多官能酸無水物(A)とエチレン性不飽和基と1つ以上の水酸基を併せ持つ化合物(B)の反応は、公知の方法が適用できる。
この際、反応を促進させるために触媒を使用することが好ましく、該触媒の使用量は、反応物、即ち多官能酸無水物(A)、化合物(B)、場合により溶剤その他を加えた反応物の総量に対して0.1〜10質量%である。その際の反応温度は60〜150℃であり、また反応時間は、好ましくは5〜60時間である。使用しうる触媒の具体例としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が挙げられる。
本酸付加反応は、無溶剤で反応させる、若しくは溶剤で希釈して反応させることも出来る。ここで用いることが出来る溶剤としては、本反応に対して不活性溶剤であれば特に限定はない。好ましい溶剤の使用量は、得られる樹脂の粘度や使途により適宜調整されるべきものであるが、好ましくは固形分として90〜30質量%、より好ましくは80〜50質量%である。
具体的に例示すれば、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、及びそれらの混合物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ等が挙げられる。
また、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のアルキルアセテート類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のモノ、若しくはポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート類、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のポリカルボン酸アルキルエステル類等が挙げられる。
また、エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル等のアルキルエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類等が挙げられる。
また、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
本発明には、本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)に、さらに反応性を付与する、もしくは付与する酸価の調整を目的として、一分子中に一つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上のエポキシ基を併せ持つ化合物(D)を反応させて得られる多官能反応性化合物(E)も含まれる。本発明の多官能反応性化合物(E)には用いる一分子中に一つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上のエポキシ基を併せ持つ化合物(D)の反応量により、カルボキシル基を有する多官能反応性化合物(E)と、有さない多官能反応性化合物(E)とが含まれる。
前記化合物(D)が有するエポキシ基は、好ましくは1分子中に1つであることが好ましい。2つ以上含まれると反応性化合物(C)を架橋させる作用を有することになる。これは積極的に分子量を高めるために使用することも可能だが、過度に使用すると粘度の上昇、現像性の悪化を招く。
一分子中に一つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上のエポキシ基を併せ持つ化合物(D)として具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。
カルボキシル基含有反応性化合物(C)と化合物(D)との反応は、公知の方法が適用できる。本反応においては前記反応性化合物(C)を反応させる際に用いる触媒、溶剤が同様に使用することができる。その際の該触媒の使用量は、反応物、即ち反応性化合物(C)、化合物(D)、場合により溶剤その他を加えた反応物の総量に対して0.1〜10質量%である。反応温度は60〜150℃であり、また反応時間は、好ましくは5〜60時間である。
本発明の反応性化合物(C)又は反応性化合物(E)を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物とは、それぞれの用途に合わせてその他の物質を混合し、使途に応じた特性を付与させた組成物を示す。
例えば、その他の反応性化合物(F)、活性エネルギー線反応性開始剤(G)、着色顔料(H)、体質顔料(I)、硬化剤(J)、その他の材料等が挙げられる。
反応性化合物(F)の具体例としては、ラジカル反応型のアクリレート類、カチオン反応型のその他エポキシ化合物類、その双方に感応するビニル化合物類等のいわゆる反応性オリゴマー類が挙げられる。
使用しうるアクリレート類としては、単官能(メタ)アクリレート類、多官能(メタ)アクリレート、その他エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、フェニルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート類としては、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、およびそのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
使用しうるビニル化合物類としてはビニルエーテル類、スチレン類、その他ビニル化合物が挙げられる。ビニルエーテル類としては、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。スチレン類としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。その他ビニル化合物としてはトリアリルイソイシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
さらに、いわゆる反応性オリゴマー類としては、活性エネルギー線に官能可能な官能基とウレタン結合を同一分子内に併せ持つウレタンアクリレート、同様に活性エネルギー線に官能可能な官能基とエステル結合を同一分子内に併せ持つポリエステルアクリレート、その他エポキシ樹脂から誘導され、活性エネルギー線に官能可能な官能基を同一分子内に併せ持つエポキシアクリレート、これらの結合が複合的に用いられている反応性オリゴマー等が挙げられる。
また、カチオン反応型単量体としては、一般的にエポキシ基を有する化合物であれば特に限定はない。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリジジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA ジグリジジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4,−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ユニオン・カーバイド社製「サイラキュアUVR−6110」等)、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド(ユニオン・カーバイド社製「ELR−4206」等)、リモネンジオキシド(ダイセル化学工業社製「セロキサイド3000」等)、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4,−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート(ユニオン・カーバイド社製「サイラキュアUVR−6128」等)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン等が挙げられる。
これらのうち、反応性化合物(F)としては、ラジカル硬化型であるアクリレート類が最も好ましい。カチオン型の場合、カルボン酸とエポキシが反応してしまうため2液混合型にする必要が生じる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、組成物中にカルボキシル基含有反応性化合物(C)又は多官能反応性化合物(E)97〜5質量%、好ましくは87〜10質量%、その他反応性化合物(F)3〜95質量%、さらに好ましくは3〜90質量%を含む。必要に応じてその他の成分を含んでいてよい。
本発明において用いられる活性エネルギー線反応性開始剤(G)としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等の公知一般のラジカル型光反応開始剤類が挙げられる。
また、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩、ルイス酸のホスホニウム塩、その他のハロゲン化物、トリアジン系開始剤、ボーレート系開始剤、及びその他のカチオン系開始剤類、光酸発生剤類が挙げられる。
ルイス酸のジアゾニウム塩としては、p−メトキシフェニルジアゾニウムフロロホスホネート、N,N−ジエチルアミノフェニルジアゾニウムヘキサフロロホスホネート(三新化学工業社製サンエイドSI-60L/SI-80L/SI-100Lなど)等が挙げられ、ルイス酸のヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート等が挙げられ、ルイス酸のスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホネート(Union Carbide社製Cyracure UVI-6990など)、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート(Union Carbide社製Cyracure UVI-6974など)等が挙げられ、ルイス酸のホスホニウム塩としては、トリフェニルホスホニウムヘキサフロロアンチモネート等が挙げられる。
その他のハロゲン化物としては、2,2,2−トリクロロ−[1−4’−(ジメチルエチル)フェニル]エタノン(AKZO社製Trigonal PIなど)、2,2−ジクロロ−1−4−(フェノキシフェニル)エタノン(Sandoz社製Sandray 1000など)、α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン(製鉄化学社製BMPSなど)等が挙げられる。トリアジン系開始剤としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン(Panchim社製Triazine Aなど)、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン(Panchim社製Triazine PMSなど)、2,4−トリクロロメチル−(ピプロニル)−6−トリアジン(Panchim社製Triazine PPなど)、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン(Panchim社製Triazine Bなど)、2[2’(5”−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(三和ケミカル社製など)、2(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(三和ケミカル社製)等が挙げられる。
ボーレート系開始剤としては、日本感光色素製NK-3876及びNK-3881等が挙げられ、その他の光酸発生剤等としては、9−フェニルアクリジン、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール(黒金化成社製ビイミダゾールなど)、2,2−アゾビス(2−アミノ−プロパン)ジヒドロクロリド(和光純薬社製V50など)、2,2−アゾビス[2−(イミダソリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(和光純薬社製VA044など)、[η−5−2−4−(シクロペンタデシル)(1,2,3,4,5,6,η)−(メチルエチル)−ベンゼン]鉄(II)ヘキサフロロホスホネート(Ciba Geigy社製Irgacure 261など)、ビス(y5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]チタニウム(Ciba Geigy社製CGI-784など)等が挙げられる。
この他、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル等の熱に感応する過酸化物系ラジカル型開始剤等を併せて用いても良い。また、ラジカル系とカチオン系の双方の開始剤を併せて用いても良い。開始剤は、1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併せて用いることもできる。
本発明において用いられる着色顔料(H)とは、本発明の活性エネルギー線樹脂組成物を着色材料とするために用いられるものである。これらは構成により有機顔料と無機顔料に分類されるが、これらは目的とする色や用途に合わせて、適宜選択されるものである。
有機顔料としては、その基本骨格により分類される。例えば、イソインドリノン系、イソインドリン系、アゾメチン系、アントラキノン系、アントロン系、キサンテン系、ジケトピロロピロール系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、インジゴイド系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の多環顔料類、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合ジスアゾ系等のアゾ顔料類、レーキ顔料類、蛍光顔料類が挙げられる。
無機顔料類としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、雲母、カーボンブラック、ベンガラ、アルミフレーク等が挙げられる。
また、本発明で示される体質顔料(I)とは、着色を目的としない顔料を示し、組成物の粘度や流動性、硬化物の機械的特性を得ることを目的に使用されるものである。
たとえば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、黒鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ポリスチレンビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリプロピレンビーズ、ポリテトラフルオロエタンビーズ等が挙げられる。
また、本発明で示される硬化剤(J)とは、さらに硬化物の架橋度を高める目的で使用されるものである。例えば、本発明の組成物をレジスト材料として使用した場合、現像終了後にカルボキシルが残留していると、耐水性や耐熱性等が悪化する。このため、硬化剤としてエポキシ基を有する化合物を配合し、現像終了後に加熱工程を行うことで、カルボキシル基含有反応性化合物(C)又は多官能反応性化合物(E)に由来するカルボキシル基を、硬化剤(J)としてエポキシ基を有する化合物等を用いてカルボキシレート化し、特性の向上を図ることが可能である。
さらにその他の材料として、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を各種用途に適合させる目的で、70質量%を上限にその他の成分を加えることもできる。その他の成分としては、活性エネルギー線に反応性を示さない樹脂類、各種添加剤、また塗工適性付与等を目的に粘度調整のため添加される揮発性溶剤等が挙げられる。下記に使用しうるその他の成分を例示する。
この他に活性エネルギー線に反応性を示さない樹脂類(いわゆるイナートポリマー)、たとえばその他のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ケトンホルムアルデヒド樹脂、クレゾール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン樹脂、グアナミン樹脂、天然及び合成ゴム、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びこれらの変性物を用いることもできる。これらは40質量%までの範囲において用いることが好ましい。
その他の添加剤としては、例えばメラミン等の熱硬化触媒、アエロジル等のチキソトロピー付与剤、シリコーン系、フッ素系のレベリング剤や消泡剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の重合禁止剤、安定剤、酸化防止剤等を使用することが出来る。
また使用目的に応じて、粘度を調整する目的で、本発明の樹脂組成物中、50質量%、さらに好ましくは35質量%までの範囲において揮発性溶剤を添加することも出来る。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は活性エネルギー線によって容易に硬化する。ここで活性エネルギー線の具体例としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線、ガンマー線、レーザー光線等の電磁波、アルファー線、ベータ線、電子線等の粒子線等が挙げられる。本発明の好適な用途を考慮すれば、これらのうち、紫外線、レーザー光線、可視光線、または電子線が好ましい。
本発明において皮膜形成用材料とは、基材表面を被覆することを目的として利用されるものである。具体的な用途としては、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ、オフセットインキ等のインキ材料、ハードコート、トップコート、オーバープリントニス、クリヤコート等の塗工材料、ラミネート用、光ディスク用他各種接着剤、粘着剤等の接着材料、ソルダーレジスト、エッチングレジスト、マイクロマシン用レジスト等のレジスト材料等これに該当する。さらには、皮膜形成用材料を一時的に剥離性基材に塗工しフイルム化した後、本来目的とする基材に貼合し皮膜を形成させる、いわゆるドライフイルムも皮膜形成用材料に該当する。
本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)及びカルボキシル基を有する多官能反応性化合物(E)は、カルボキシル基により基材への密着性が高まるため、プラスチック基材、若しくは金属基材の皮膜形成用材料に適している。カルボキシル基を有さない多官能反応性化合物(E)も硬度、密着性及び衝撃性のいずれにも優れる硬化物を与えるため、皮膜形成用材料に適している。
さらには、カルボキシル基含有反応性化合物(C)及びカルボキシル基を有する多官能反応性化合物(E)が、アルカリ水溶液に可溶であるため、活性エネルギー線による描画のための材料組成物として用いることができる。
本発明において活性エネルギー線による描画のための材料組成物とは、基材上に該組成物の皮膜層を形成させ、その後、紫外線等の活性エネルギー線を部分的に照射し、照射部、未照射部の物性的な差異を利用して描画しようとする活性エネルギー線感応型の組成物を指す。具体的には、照射部、または未照射部を何らかの方法、例えば溶剤等やアルカリ溶液等で溶解させるなどして除去し、描画を行うことを目的として用いられる組成物である。
これらは、パターニングが可能な種々の材料に適応でき、例えば特に、ソルダーレジスト材料、ビルドアップ工法用の層間絶縁材に有用であり、さらには光導波路としてプリント配線板、光電子基板や光基板のような電気・電子・光基材等にも利用される。
特に好適な用途としては、高い耐熱性と透明性が高いという特徴を生かして、カラーレジスト材料や光導波路用回路形成材料として好適に用いることが出来る。
皮膜形成させる方法としては特に制限はないが、グラビア等の凹版印刷方式、フレキソ等の凸版印刷方式、シルクスクリーン等の孔版印刷方式、オフセット等の平版印刷方式、ロールコーター、ナイフコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スピンコーター等の各種塗工方式が任意に採用できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物とは、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射し硬化させたものを指す。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成例1:多官能酸無水物(A)の合成1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら、表中記載の無水物クロリド(b)を表中記載量((a)の水酸基に対して1.1当量)、にTHFを45g加えて均一溶液にした。この溶液を攪拌しながら5℃まで冷却後、表中記載の(a)を表中記載量、ピリジン((a)の水酸基に対して1.2当量)とTHF54gを加えて均一にした溶液を、液温を10℃以下に保ちながら徐々に滴下した。滴下終了後、室温で1時間攪拌し、次いで50℃まで昇温し、反応を8時間継続した。続いて、反応液を20℃まで冷却し、不溶解分であるピリジン塩酸塩をろ去した後、ろ液を濃縮した。濃縮物を酢酸エチル120mlに溶解させ、30mlの水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムをろ去した後、ろ液を濃縮し、得られた濃縮物を15mlの酢酸エチルに溶かし、トルエンで再結晶し生成物を得た。化合物の合成においては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)により原料アルコール類の消失を確認した時点で反応終了とした。
比較合成例1−1:2官能酸無水物の合成
合成例1に準じて、二官能酸無水物を合成した。結果を合成例1と併せて下記表に示した。
Figure 0006362272
表中略語
TMP:トリメチロールプロパン
PE:ペンタエリスリトール
DPE:ジペンタエリスリトール
DPE6EO:ジペンタエリスリトール6モルエチレンオキサイド付加物
DPE6CL:ジペンタエリスリトール6モルカプロラクトン付加物
PE4EO:ペンタエリスリトール4モルエチレンオキサイド付加物
BPA2EO:ビスフェノールA2モルエチレンオキサイド付加物
THI:トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート
HTAC:核水添無水トリメリット酸クロリド
TMAC:無水トリメリット酸クロリド
*HTAC/TMAC(mol比)=1/1
実施例1 カルボキシル基含有反応性化合物(C)の調製
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、合成例1で調製した多官能酸無水物(A)を20mmol(質量は表中記載)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、(A)と(B)の総量に対して固形分60質量%となる量を加え、触媒としてピリジンを溶剤を含めた総量の0.3質量%加え、撹拌溶解させた。
さらに1分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上の水酸基を併せ持つ化合物(B)として表中記載の化合物を加え、100℃、10時間反応を行った。
反応終了後冷却し、溶液での酸価(AV、mgKOH/g)を測定し、固形分酸価に換算し反応終点を確認した。
酸価の測定はJIS K0070:1992に準じた方法で実施した。
比較例1 2官能カルボキシル基含有反応性化合物の調製
実施例1と同様に、表中記載のその他の2官能酸無水物を20mmol(質量は表中記載)を用いて反応を行った。
Figure 0006362272
表中略語
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート OHV=116g/OHeq
PE3A:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物、トリ/テトラ比=約50/50(モル)OHV=650g/OHeq
GMA−AA:グリシジルエーテル−アクリル酸カルボキシレート化合物、共栄社化学 ライトエステルG−201P、OHV=214g/OHeq
PGE−AA:フェニルグリシジルエーテル−アクリル酸カルボキシレート化合物、日本化薬 カヤラッドR−128H、OHV=222g/OHeq
TMEG−100:エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、新日本理化 リカシッドTMEG−100
実施例2:反応性化合物(E)の調製
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、実施例1で調製した反応性化合物(C)の反応溶液 0.01mol(質量は表中記載、固形分換算値)に、1分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上のエポキシ基を併せ持つ化合物(D)として表中記載の化合物を記載量添加し、最終的に固形分が60質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し調整したのちに、100℃24時間反応させ、反応性化合物(E)を得た。
Figure 0006362272
表中略語
GMA:グリシジルメタアクリレート
4HBAGE:4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル
実施例3:白色ネガ型レジスト用組成物の調製
実施例1及び比較例1において合成したカルボキシル基含有反応性化合物(C)溶液、または実施例2で調製した反応性化合物(E)溶液を固形分換算で7g(実際の仕込み量は固形分60質量%で除したもの)、その他の反応性化合物(F)として、ラジカル硬化型単量体DPHA(ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート、日本化薬株式会社)4g、体質顔料(I)として硫酸バリウムB−30(堺化学工業株式会社)5g、着色顔料(H)として、酸化チタン顔料タイペークCR−90(石原産業株式会社)3g、硬化剤(J)として、TEPIC−SP(トリスエポキシプロピルイソシアヌレート、日産化学株式会社)4g、活性エネルギー線反応性開始剤(G)としてイルガキュア907(BASFジャパン株式会社)を0.5g、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを4gを、三本ロールミルを用いて混練し白色ネガ型レジスト用組成物を得た。
得られたレジスト組成物を、シルクスクリーン法にて銅貼り積層板上に塗工し、80℃のオーブンで15分間溶剤を揮発させた。次いで、紫外線露光装置((株)オーク製作所、型式HMW−680GW)を用い回路パターンの描画されたマスク、および感度を見積もるために、コダック製ステップタブレットNo.2を通して500mJ/cmの紫外線を照射した。その後、ドライフイルム上のフイルムを剥離し剥離状態を確認した。その後1%炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像を行い、紫外線未照射部の樹脂を除去した。水洗乾燥した後、プリント基板を150℃の熱風乾燥器で60分加熱硬化反応させ硬化膜を得た。
白色レジスト組成物の評価項目
<感度評価>
感度は、ステップタブレットを透過した露光部に、何段目の濃度部分までが現像時に残存したかで判定した。段数(値)が大きいほうがタブレットの濃部で高感度と判定される(単位:段)。
<現像性評価>
現像性は、パターンマスクを透過した露光部を現像する際に、現像液噴射後からパターン形状部が完全に現像されきるまでの時間、いわゆるブレイクタイムをもって現像性の評価とした(単位:秒)。20秒から40秒程度が好適である。
<解像性評価>
解像性は、パターンマスクに含まれるラインアンドスペースパターンが、細密にパターニングされているかを光学顕微鏡を用いて判定した(単位:マイクロメートル)。値が小さいものが、細密パターンが可能であると判定される。
<黄変色性評価>
黄変色性は、150℃硬化反応後のレジストをさらに180℃72時間、熱風オーブンに入れて耐熱着色性をみた。黄変色性は目視で評価した。評価基準は以下の通り。
◎:変色なし
○:やや黄色味に僅かに着色する
△:黄色変色が認められる
×:褐色に変色する。
<耐光性評価>
耐光性は、150℃硬化反応後のレジストに、スーパーUV試験機(岩崎電気)にて20時間紫外線光を照射し、照射終了後の白色レジストの着色性を目視で評価した。評価基準は以下の通り。
◎:変色なし
○:やや黄色味に僅かに着色する
△:黄色変色が認められる
×:褐色に変色する。
<耐熱性評価>
耐熱性は、150℃硬化反応後のレジスト膜を作成した基板を、260℃はんだ浴に1分間浮かせた後に水に入れ急冷する。これを3回繰りかえした後に、カッターナイフでX字状に傷を入れ、セロハンテープによる密着性評価を行った。
○:剥離なし
△:X字部に僅かな剥離痕あり
×:剥離あり
Figure 0006362272
表中略語
CCR−1218H:クレゾールノボラック型酸変性エポキシアクリレート(日本化薬)
ZCR−1569H:ビフェニル型酸変性エポキシアクリレート(日本化薬)
ASP−010:メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸共重合体(日本化薬)
以上の結果から、本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)及び多官能反応性化合物(E)は、感度、現像性、解像性に優れ、さらに黄色性、耐光性、耐熱性のバランスに優れた硬化物を得ることが出来る。
実施例4:金属用コーティング材料組成物
実施例1で調製したカルボキシル基含有反応性化合物(C)、または実施例2で調製した多官能反応性化合物(E)を固形分換算で10g(実際の仕込み量は固形分60質量%で除したもの)、その他反応性化合物(F)として、ビスフェノールエチレンオキサイドジアクリレート15g、トリプロピレングリコールジアクリレート15g、ウレタンアクリレート(UX−5000、日本化薬)10g、活性エネルギー線反応性開始剤(G)として、イルガキュア184(BASFジャパン)1.5gを入れ、均一となるまでよく混練し、硬化性組成物を調製した。
得られた組成物を、ワイヤーバーコータ―#8にてTFS基板(錫フリー鋼板)上に塗工し、100℃10分間、オーブンにて溶剤を揮発させた。その後、500mJ/cmの紫外線を照射し、硬化反応を行い、硬化膜を得た。
金属用コーティング材料の評価
<硬化性評価>
硬化後塗膜の硬さを鉛筆硬度試験(JIS−K5600−5−4:1999)に準じて評価した。
<密着性評価>
金属基材への密着性をクロスカット剥離試験(JIS−K5600−5−6:1999)に準じて評価した。
評価基準もJIS−K5600に準拠し、下記の分類によって評価した。
分類0:剥離なし、良好
分類1:角部に僅かに剥離あり
分類2:角部に剥離あり
分類3:マス目の半分未満の剥離あり
分類4:マス目の半分以上の剥離あり
分類5:ほぼ全面的な剥離あり、不良
<耐衝撃性評価>
塗膜の耐衝撃性をデュポン衝撃試験(JIS−K5600−5−6:1999)に準じて評価した。錘は500g、打撃型は6・35mm、落下高さは250mmにて実施した。
○:割れなし
△:割れはあるものの剥離なし
×:剥離あり
Figure 0006362272
表中略語
HOA−HH:ヒドロキシエチルアクリレートヘキサヒドロフタル酸モノエステル
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート
以上の結果から、本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)及び/又は多官能反応性化合物(E)を含む樹脂組成物は、密着性、硬化性、耐衝撃性に優れたコーティング組成物となりうることが示された。
本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)及び多官能反応性化合物(E)は変色が少なく、解像性が高く、耐熱性が高い。このためソルダーレジスト材料の他、皮膜形成材料や、無色透明が求められる、または着色を目的とする硬化性材料、例えば活性エネルギー線硬化型のコーティング材料、印刷インキに好適である。
さらに本発明のカルボキシル基含有反応性化合物(C)及びカルボキシル基を有する多官能反応性化合物(E)はカルボキシル基を分子中に有するため、アルカリ現像によるネガ型の光描画にも好適である。このことから着色が少ないことを求められるレジスト材料、カラーレジスト、特にはLCD用等のカラーレジスト、ブラックマトリックス、スペーサーレジスト、光導波材料等に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 少なくとも一分子中に3つ以上の水酸基を有する多価アルコール(a)と核水添無水トリメリット酸ハライド(b−1)または無水トリメリット酸ハライド(b−2)とを反応させて得られる多官能酸無水物(A)に、1分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上の水酸基を併せ持つ化合物(B)を反応させて得られるカルボキシル基含有反応性化合物(C)。
  2. 請求項1記載の多価アルコール(a)が、下記一般式(1)
    Figure 0006362272
    (式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して、R、R、R、R、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜11の炭化水素基、もしくは炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表し、Rは水酸基、もしくは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルを表す。lは0〜11、mとnはそれぞれ1〜11の整数を表す。)で表される一分子中に少なくとも3つの水酸基を含有する多価アルコール(a−1)であるカルボキシル基含有反応性化合物(C)。
  3. 多価アルコール(a)が請求項1又は請求項2に記載の多価アルコール(a)に、アルキレンオキサイド、環状エーテル、及び環状エステルからなる群より選ばれる1以上を反応させて得られる多価アルコール(a−2)であるカルボキシル基含有反応性化合物(C)。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のカルボキシル基含有反応性化合物(C)に、1分子中に1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1つ以上のエポキシ基を併せ持つ化合物(D)を反応させて得られる多官能反応性化合物(E)。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の反応性化合物(C)を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. 請求項4に記載の多官能反応性化合物(E)を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. 皮膜形成用材料である請求項5又は請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  8. 活性エネルギー線による描画を目的とした材料組成物である請求項5又は請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  9. 請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物。
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