JP6359904B2 - 切断装置及び切断方法並びに切断装置を用いた解体システム - Google Patents
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Description
引用文献2には、コンクリートなどの固形材をアシストガスを用いてレーザ加工して溶融し、その後冷却して脆くなった溶滓を回転カッタによって切削し粉砕することを開示している。
レーザ光によって軟化された状態の、放射線を放出する施工対象物を、水圧供給部から供給される水の圧力により駆動される水車で駆動される回転切断用ブレードによって切断することにより、効率良く短時間で施工対象物を切断することができる。さらに、水車から排出される水を、冷却水として第1管路により、回転切断用ブレード内に形成された冷却水流路に導き、この回転切断用ブレードをその冷却水によって冷却し、その冷却水を、その冷却水流路から第2管路に排出するので、その施工対象物の切断時に、汚染源となる冷却水を原子炉内に放水することがなく、放射線汚染による二次廃棄物を少なくすることができる。
まず、本発明の切断装置を有する解体システムが適用される沸騰水型原子力プラントについて説明する。図1に、沸騰水型原子力プラントの概略構成図を示す。沸騰水型原子力プラント11は、原子炉15及び原子炉格納容器16を備えている。原子炉格納容器16は、原子炉建屋17内に設置されて、上端部に原子炉格納容器上蓋18が取り付けられて密封されている。原子炉格納容器16は、内部に形成されたドライウェル19、及び冷却水が充填された圧力抑制プールが内部に形成された圧力抑制室(ウェットウェル)20を有する。ドライウェル19に連絡されるベント通路21の一端が、圧力抑制室20内の圧力抑制プールの冷却水中に浸漬されている。
原子炉格納容器上蓋18の真上に複数に分割された放射線遮蔽体であるシールドプラグ22が配置され、これらのシールドプラグ22が、原子炉建屋17の運転床42に設置されている。
36上に設けられた筒状のペデスタル37上に据え付けられている。筒状のγ線遮蔽体3
8が、ペデスタル37の上端に設置され、原子炉圧力容器24を取り囲んでいる。
次に、原子炉建屋内施工対象物を取り扱うための本発明の実施例1による切断装置100を有する多関節マニピュレータについて説明する。図2に、本実施例の多関節マニピュレータの全体構成図を示す。多関節マニピュレータ1は、一端が原子炉建屋17内の構造体に取り付け可能な固定台座2、固定台座2より伸長する本体アーム3、分岐部4、分岐部4より分岐する第1アーム5a及び切断装置100よりなる第1多関節マニピュレータ5、及び、分岐部4より分岐する第2アーム6a及び把持部6bよりなる第2多関節マニピュレータ6により構成される分岐型マニピュレータである。
第1多関節マニピュレータ5には、切断装置100と第1アーム5aとの接続部付近に取り付けられた第1撮像装置7aにより、切断装置100をその撮像視野の略中央部としその周辺の画像が撮像される。同様に、第2多関節マニピュレータ6には、把持部6bと第2アーム6aとの接続部付近に第2撮像装置7bが取り付けられている。切断装置100にはレーザヘッド170を有する。
固定台座2は、例えば、水等の液媒体を供給するためのポンプ及びタンク(図示せず)からなる水圧供給部9とホースにて、またレーザ装置70と光ファイバ172にて接続されている。
なお、チューブ47は、水圧供給部9より供給される水媒体による液圧に耐え得ること、及び耐放射線性を考慮し、例えばポリエーテル系又はポリエステル系樹脂のチューブ体が用いられる。
切断用水流モータ112は、図4、図8に示すように、多関節マニピュレータ1の固定台座2(図2参照)から配設された柔軟金属配管、例えばロータリジョイントを組合せた金属配管(図示せず)と、柔軟金属配管が接続され、駆動水を流入させる流入栓112iと、駆動水によって回転切断用ブレード111の駆動軸112jを軸に回転する水車112h(図7参照)と、回転させた駆動水を排出する流出栓112oとを有する。
実施例2の実施例1と異なる点は、切断装置100である。図9、図10は、切断装置100の第2の実施例である切断装置100Bを示す図である。図9(a)は切断装置100Bの外観図、図9(b)は、図9(a)において矢印Eの方向からの側面図である。図10は切断装置100Bの構造と施行例を示す図である。図10(a)は、施工対象物Sを軟化させている状態を示す。図10(b)は、施工対象物Sを切断している状態を示す。なお、図9(b)、図10(a)において、INは冷却水の流入を、OUTは冷却水の出流を示す。
第1に、切断用ブレード、切断用ブレードの駆動部及び切断部冷却部から構成される切断部150である。切断用ブレードに関しては、実施例1では刃先を回転させて行う回転切断用ブレード111を用いた。実施例2では、図9に示すように、相対抗して交差する3枚の交差切断用ブレード151を用いる。図9(b)に確実に切断できるように、中央の交差切断用ブレード151bと交差し、交差切断用ブレード151bを挟むように2枚の交差切断用ブレード151a、151cを配置している。交差は、各交差切断用ブレード151の刃先先端151hが施工対象物Sを横切るようにする。
第2に、レーザヘッド170である。構造は実施例1と同じであるが、レーザヘッド170を施工対象物Sに対して垂直に設けている点が実施例1と異なる。なお、実施例1においてもレーザヘッド170を施工対象物Sに対して垂直に設けてもよい。
過酷事故により炉心溶融により生成された燃料デブリは、炉内構造物である金属と、燃料の硬化物であるセラミックの混合した物質になる場合がある。金属とセラミックは性質が大きくことなるため、金属とセラミックの混合物を切断することは難しい。例えば、実施例1および実施例2の切断装置において、レーザ光173をセラミック部分に短時間照射することによりセラミック部分を破砕除去し、そのあとで金属部分をレーザ光173により軟化させ切断することにより、金属とセラミックの混合物となった燃料デブリを容易に切断することができる。
本実施例の切断装置100を有する原子炉建屋17内の施工対象物の解体システム及び解体システムを用いた作業工程について説明する。図11に、本願発明の切断装置100を用いた解体システムの一例として、原子炉圧力容器上蓋23(以下。単に容器上蓋23という)の解体システムについて説明する。
本願発明の切断装置100を用いた解体システムの他の例として、燃料デブリ解体装置の例を説明する。燃料デブリ解体装置自体は、適用例1と同様な構成であり図示しない。即ち、燃料デブリ解体装置は、実施例1又は実施例2で示した切断装置100を有する多関節マニピュレータ1と、水圧供給部9と、水圧供給部9を介して切断装置100Bも含めて多関節マニピュレータ1を遠隔制御する遠隔操作装置50と、解体された容器上蓋23を一時的に保管する保管部10とを有する。
2:固定台座 3:本体アーム 4:分岐部
5:第1多関節マニピュレータ 5a:第1アーム
6:第2多関節マニピュレータ 6a:第2アーム
6b:把持部 7a:第1撮像装置 7b:第2撮像装置
7c:第3撮像装置 8:第3撮像装置用マニピュレータ
9:水圧供給部 10:保管部 10w:窓
11:沸騰水型原子力プラント 15:原子炉
16:原子炉格納容器 17:原子炉建屋 18:原子炉格納容器上蓋
23:原子炉圧力容器上蓋 24:原子炉圧力容器
25:炉心 33:制御棒 38:γ線遮蔽体
39:原子炉ウェル 40:ドライヤ・セパレータプール
41:使用済燃料貯蔵プール 42:運転床
43:天井クレーン 44:シリンダ 45:フランジ
46:固定座 47:チューブ 48:ばね、
50:遠隔装操作装置 55:表示装置 56:コントローラ
57:原子炉圧力容器上蓋スプレイ用フランジ 58:吊り天秤
62:作業ハウス 63:横行台車 64:走行台車
65:作業ハウス内レール 70:レーザ装置
80:多関節マニピュレータ移動テーブル 81:主旋回テーブル
82:主旋回駆動部 83:副旋回テーブル
84:副旋回駆動部 85:シール付クランプ部
86:カバー 100,100A.100B:切断装置
101:固定部 110:切断部 111:回転切断用ブレード
111h:刃先 112:切断用水流モータ
112h:水車 112j:駆動軸 114:切断部冷却部
114t:冷却水流路 150:切断部
151、151a、151b、151c:交差切断用ブレード
151h:刃先 152:水圧シリンダ 152r:水圧駆動リンク
154t:冷却水流路 170:レーザヘッド
171:レーザヘッド本体 172:光ファイバ
173:レーザ光 174:伸縮機構 S:施工対象物
Claims (6)
- 放射線を放出する施工対象物にレーザ光を照射し、前記施工対象物を軟化させるレーザヘッドと、
内部に冷却水流路が形成されて軟化した前記施工対象物を切断する回転切断用ブレード、及び前記回転切断用ブレードを水圧供給部から供給される水の圧力によって駆動させる、前記回転切断用ブレードと同軸に設けられた水車を有する切断部と、
前記冷却水流路に接続され、前記水車から排出される前記水を冷却水として前記冷却水流路に導く第1管路と、
前記冷却水流路に接続され、前記冷却水流路から排出される前記冷却水を導く第2管路とを備えたことを特徴とする切断装置。 - 前記レーザヘッドは、その先端が前記施工対象物と接触し、前記レーザ光の照射範囲を囲む筒状形状を有する請求項1に記載の切断装置。
- 請求項1または2に記載の切断装置を用い、
前記施工対象物に前記レーザヘッドからの前記レーザ光を照射し、前記施工対象物を軟化させるステップと、
前記水車により前記回転切断用ブレードを駆動させて軟化した前記施工対象物を切断するステップと、
を有することを特徴とする切断方法。 - 前記回転切断用ブレードを、前記第1管路によって前記冷却水流路に導かれる前記冷却水で冷却する請求項3に記載の切断方法。
- 請求項1または2に記載の切断装置を先端に搭載して前記切断装置を監視する撮像装置を有する多関節マニピュレータを、原子炉圧力容器の内部に挿入する挿入手段と、
作業ハウス又は前記原子炉圧力容器の外部に設けられ、前記撮像装置にて得られる映像に基づいて前記切断装置と前記多関節マニピュレータとを遠隔操作し、前記施工対象物を切断する遠隔操作装置と、
を備えたことを特徴とする原子炉内施工対象物の解体システム。 - 前記施工対象物は、原子炉内構造物又は燃料デブリである請求項5に記載の原子炉内施工対象物の解体システム。
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