JP6359856B2 - 車両用外装品、車両用外装品製造方法および、車両用外装品の材料 - Google Patents

車両用外装品、車両用外装品製造方法および、車両用外装品の材料 Download PDF

Info

Publication number
JP6359856B2
JP6359856B2 JP2014075101A JP2014075101A JP6359856B2 JP 6359856 B2 JP6359856 B2 JP 6359856B2 JP 2014075101 A JP2014075101 A JP 2014075101A JP 2014075101 A JP2014075101 A JP 2014075101A JP 6359856 B2 JP6359856 B2 JP 6359856B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
abs resin
weight
butadiene rubber
molded product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014075101A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015196763A (ja
Inventor
梨沙 武田
梨沙 武田
葛谷 拓嗣
拓嗣 葛谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inoac Corp
Original Assignee
Inoac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inoac Corp filed Critical Inoac Corp
Priority to JP2014075101A priority Critical patent/JP6359856B2/ja
Publication of JP2015196763A publication Critical patent/JP2015196763A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6359856B2 publication Critical patent/JP6359856B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

本発明は、ABS樹脂を材料とする車両用外装品、その車両用外装品の製造方法、その車両用外装品の材料に関する。
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体であるABS樹脂は、塗装性に優れた樹脂であるため、スポイラー等の車両用外装品のブロー成形品の材料として、用いられることが多い。下記特許文献には、ABS樹脂を材料とするブロー成形品の一例が記載されている。
特許第3250022号公報 特開平5−112695号公報 特公平7−5820号公報
ABS樹脂を材料として用いることで、塗装性に優れたブロー成形品を製造することが可能となる。しかしながら、ABS樹脂では、押出機による溶融と固化とが繰り返されると、溶融粘度の低下が生じ、適切なブロー成形品を製造できない虞がある。
詳しくは、ブロー成形品の成形は、押出機にて溶融した材料により円筒状のパリソンを形成し、そのパリソンを金型によって挟み込む。そして、金型によって挟み込まれたパリソン内にエアが吹き出されることで、金型に応じた形状のブロー成形品が製造される。このため、パリソンが金型によって挟み込まれた際に金型からはみ出た材料が、バリとなり、このバリは、再利用される。このように、ブロー成形品の材料は、溶融と固化とが複数回繰り返されて使用されることが多い。つまり、ブロー成形品の材料は、複数回の熱履歴を受けることが多い。
このため、ブロー成形品の材料として、ABS樹脂が採用されると、バリの再利用に伴いABS樹脂は溶融粘度が低下し、流動性が高くなる傾向にある。流動性の高くなった材料により、パリソンを成形すると、パリソンは、自重により、引き延ばされてしまう。つまり、ドローダウンが生じる。このようにドローダウンが生じたパリソンを用いて、ブロー成形品を製造すると、ブロー成形品の厚さが不均一となったり、規定の厚さより薄くなり、適切なブロー成形品を製造することができない虞がある。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、複数回の熱履歴を受けた材料であっても、適切に車両用外装品のブロー成形品を製造することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用外装品は、ブロー成形品であって、ABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを含む材料により成形され、前記ABS樹脂の量の100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が0.3〜15重量部であることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用外装品製造方法は、ABS樹脂と1,2−ブタジエンゴムとを含み、前記ABS樹脂の量の100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が0.3〜15重量部である材料を融解してパリソンを成形するパリソン成形工程と、前記パリソン成形工程において成形された前記パリソンを金型によって挟み込む型締め工程と、前記金型によって挟み込まれた前記パリソンにエアを吹き込むブロー工程とを含むことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用外装品の材料は、ブロー成型品の材料であって、ABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを含み、前記ABS樹脂の量を100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が0.3〜15重量部であることを特徴とする。
本発明では、車両用外装品の材料として、ABS樹脂と1,2−ブタジエンゴムとを含む材料が採用されている。1,2−ブタジエンゴムは、側鎖を有しており、反応性が高いため、1,2−ブタジエンゴムにより、ABS樹脂が網目状に架橋する。これにより、ABS樹脂と1,2−ブタジエンゴムとを含む材料では、溶融と固化とが複数回繰り返された材料によっても、溶融粘度の変化が少なく、適切に車両用外装品を製造することが可能となる。
パリソン成形工程を示す図である。 (a)型締め工程を示す側断面図である。(b)図2(a)のX−Xから見た正面図である。 ブロー工程を示す図である。 (a)型開き(脱型)工程を示す側断面図である。(b)図4(a)のYから見た正面図である。 実施例1〜6のブロー成形品を製造するための材料の原料配合量(重量部)および、実施例1〜6のブロー成形品の物性評価を示す表である。 比較例1〜7のブロー成形品を製造するための材料の原料配合量(重量部)および、比較例1〜7のブロー成形品の物性評価を示す表である。
本発明に記載の「ブロー成形品」は、ABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを含む材料により製造される。以下に、ブロー成形品の製造方法について、詳しく説明する。まず、少なくともABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを混合して、押出機により加熱した状態でコンパウンドし、ストランドを押し出し成形する。そして、ストランドを所定の大きさにカットすることで、ブロー成形品の材料のペレットを作製する。次に、図1に示すように、押出機10により材料のペレットを混練溶融し、ノズル12の先端から、融解した材料をチューブ状に押し出す。これにより、パリソン16が円筒状に形成される。
次に、複数に分離された金型18,20によって、パリソン16を挟み込む。これにより、図2(a)、(b)に示すように、パリソン16が、金型18,20の内部に位置する本体部22と金型18,20からはみ出したバリ24とに分かれる。続いて、図3に示すように、金型18,20内に設けられたエア流路14により、本体部22内にエアが吹き出される。これにより、本体部22が金型18,20内で膨らみ、金型18,20の内面に応じた形状となる。そして、冷却により本体部22が固化した後に、図4に示すように、金型18,20が分離されることで、ブロー成形品28が製造される。
そして、バリ24は、ブロー成形品28から離脱させる。このように、ブロー成形品28の製造時には、バリ24が発生し、このバリ24は、別のブロー成形品28の製造時に再利用される。このため、ブロー成形品の材料は、溶融と固化とを繰り返し、複数回の熱履歴を受ける。これにより、従来のABS樹脂を原料とするブロー成形品の材料では、この複数回の熱履歴によって、溶融粘度が低下する。溶融粘度が低下した材料では、ブロー成形品の製造時に、パリソンにドローダウンが生じ、ブロー成形品の厚さが不均一となったり、規定の厚さより薄くなり、適切なブロー成形品を製造することができない虞がある。
このようなことに鑑みて、本発明に記載のブロー成形品では、ABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを含む材料が採用されている。1,2−ブタジエンゴムは、側鎖に2重結合を有しているため、ブロー成形品の製造時に加えられる熱により、ラジカルが発生し、1,2−ブタジエンゴム同士で架橋反応が生じ、ゲル化する。これにより、複数回の熱履歴による溶融粘度の低下を抑制することが可能となる。また、1,2−ブタジエンゴムのラジカルにより、ABS樹脂のブタジエン部分に架橋反応が生じることで、ABS樹脂の分子量が大きくなり、複数回の熱履歴による溶融粘度の低下を抑制することが可能となる。このように、本発明のブロー成形品では、ABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを含む材料を採用することで、複数回の熱履歴による溶融粘度の低下を抑制することが可能となり、適切なブロー成形品を製造することが可能となる。
特に、本発明では、複数回の熱履歴による溶融粘度の低下を抑制することが可能であることから、本発明のブロー成形品として、大型のブロー成形品、例えば、車両用スポイラー等の車両用外装品を採用することが好ましい。車両用スポイラー等は、形状が特殊であるため、製造時にバリの発生量が多い(図4(b)参照)。このため、再利用される材料が多くなり、熱履歴の頻度が高くなる。また、車両用スポイラー等は大きいため、製造時に作成されるパリソンも大きくなり、比較的重い。このため、材料の溶融粘度の低下が大きくなった場合に、パリソンが大きく引き伸ばされる虞がある。つまり、車両用スポイラー等のブロー成形品の材料は、熱履歴による溶融粘度の低下を適切に抑制する必要がある。このことから、本発明のブロー成形品として、車両用スポイラー等の車両用外装品を採用することが好ましい。
このように、複数回の熱履歴による熱劣化を抑制することが可能なブロー成形品の材料の流動性を測定する手法として、MFR(メルトフローレート)測定法(JIS K7210 A法)を採用することが可能である。このMFR測定法では、対象となる材料のペレットが、シリンダ内で220℃の条件下で溶解され、その溶解された材料が、所定の荷重(10kg)により、シリンダから押し出される。この際、シリンダから10分間の間に押し出された材料の量が、MFR測定法による測定値(g/10分)となる。この測定値(g/10分)は、高いほど、溶融粘度が低いことを示している。
そして、複数回の熱履歴による溶融粘度の変化を測定するべく、上記手法の測定を用いて、少なくともABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを混合して、ペレタイズした材料のMFRを測定する(初回)。そして、前記ペレタイズした材料を再度ペレタイズしてペレットを作製し、そのペレットを用いて、MFR測定法により材料の溶融粘度を測定する。つまり、ペレタイズを繰り返した材料のMFRを測定する。そして、このように、ペレタイズ時の溶融と固化とが繰り返し行われた材料の溶融粘度を測定することで、複数回の熱履歴による溶融粘度の変化を測定することができる。つまり、MFR測定法による初回の測定値と、複数回ペレタイズした材料の測定値との差が少ないほど、複数回の熱履歴による溶融粘度の変化は少ない。本発明のブロー成形品では、最初のペレット(初回測定材料)からペレタイズを3回繰り返した材料のMFRの測定値、つまり、同じ材料が4回の熱履歴を受けた時のMFR測定値と、初回のMFR測定値との差が、0.5g/10分以下であることが好ましく、さらに言えば、0.2g/10分以下であることが好ましい。
また、ブロー成形品の材料の原料として採用される1,2−ブタジエンゴムの添加量は、少なすぎると、架橋反応が適切に進まず、熱履歴による溶融粘度の低下を抑制することができない。一方、1,2−ブタジエンゴムの添加量が、多すぎると、架橋反応が過剰に進み、溶融粘度が極端に高まり成形時の成形条件が大きく変動してしまう。このため、1,2−ブタジエンゴムの添加量は、ABS樹脂の量の100重量部に対し、0.3〜15重量部であることが好ましい。さらに言えば、0.5〜10重量部であることが好ましく、特に、1〜5重量部であることが好ましい。
また、本発明のブロー成形品の材料は、ABS樹脂に他の樹脂を加えることも可能である。具体的には、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアミド(PA)、ポリスルフォン(PSF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等が挙げられる。なお、ABS樹脂以外の樹脂の添加量は、ABS樹脂の量の100重量部に対し、50重量部以下であることが好ましく、さらに言えば、30重量部以下であることが好ましい。
また、本発明のブロー成形品の材料には、酸化防止剤を適宜添加することが可能である。酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、チオール系等の種々の酸化防止剤を採用することが可能である。さらに、補強材、着色剤、離形剤等を適宜添加することが可能である。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<ブロー成形品の材料の製造>
図5に示す原料の配合から、実施例1〜6のブロー成形品の材料、および、図6に示す原料の配合から、比較例1〜7のブロー成形品の材料を製造した。以下に、各原料の詳細を示す。
・ABS樹脂;奇美製,グレード:PA747H
・ポリカーボネート樹脂;帝人製,グレード:L1250ZW
・1,2−ブタジエンゴム;JSR製,グレード:RB820
・1,3−ブタジエンゴム樹脂;JSR製,グレード:BR−01
・スチレンブタジエンゴム;旭化成製,グレード:タフプレンT411
・フェノール系酸化防止剤;ADEKA製,グレード:アデカスタブAO−60
・チオール系酸化防止剤;ADEKA製,グレード:アデカスタブAO−412S
・リン系酸化防止剤;ADEKA製,グレード:アデカスタブ2112
上記原料を、図5若しくは図6に示す配合(重量比)で計量し、計量した原料を二軸押出機に投入する。そして、所定の条件(温度:220℃、スクリュー回転数:200rpm、吐出量:20kg/h)により、ストランドを成形し、所定の大きさにカットすることで、材料のペレットを作製する。そして、上述した手法により、実施例1〜6のブロー成形品、および、比較例1〜7のブロー成形品を製造する。
<ブロー成形品の材料の評価>
ブロー成形品の材料の熱履歴による流動性(溶融粘度)の変化を測定するべく、実施例1〜6のブロー成形品の材料、および、比較例1〜7のブロー成形品の材料の流動性を、MFR測定法(JIS K7210 A法)により、複数回測定した。詳しくは、実施例1〜6のブロー成形品の材料、および、比較例1〜7のブロー成形品の材料の各々のペレットをシリンダ内で220℃の条件下で溶解し、その溶解した材料を、所定の荷重(10kg)により、シリンダから押し出す。この際、シリンダから10分間の間に押し出された材料の量を測定する。この測定値(g/10分)を、図5および図6の「MFR(初回)」の欄に記す。
次に、先に作製された材料を再度、上記条件でペレタイズし、ペレタイズ時の溶融と固化とが2回繰り返された材料をMFR測定法により測定する。この測定値(g/10分)を、初回測定材料のペレタイズ繰り返し1回目材料として、図5および図6の「MFR(繰り返し1回目)」の欄に記す。そして、同様にペレタイズ時の溶融と固化とが2回繰り返された材料をさらに上記条件でペレタイズし、ペレタイズ時の溶融と固化とが3回繰り返された材料をMFR測定法により測定する。この測定値(g/10分)を、初回測定材料のペレタイズ繰り返し2回目材料として、図5および図6の「MFR(繰り返し2回目)」の欄に記す。さらに、ペレタイズ時の溶融と固化とが3回繰り返された材料を再度、上記条件でペレタイズし、ペレタイズ時の溶融と固化とが4回繰り返された材料をMFR測定法により測定する。この測定値(g/10分)を、初回測定材料のペレタイズ繰り返し3回目材料として、図5および図6の「MFR(繰り返し3回目)」の欄に記す。
また、「MFR(初回)」の欄に記された測定値と、「MFR(繰り返し3回目)」の欄に記された測定値との差を演算する。そして、2つの測定値の差が、0.2(g/10分)以下である場合には、図5および図6の「リターン性」の欄に「◎」を記し、0.5(g/10分)以下である場合には、図5および図6の「リターン性」の欄に「○」を記し、0.5(g/10分)を超えている場合には、図5および図6の「リターン性」の欄に「×」を記した。
以上の評価結果から、ブロー成形品の材料として、ABS樹脂と1,2−ブタジエンゴムとを含む材料を採用することで、熱履歴により流動性が変化しないことが解る。詳しくは、図5に示すように、実施例1〜6のブロー成形品の材料には、ABS樹脂と1,2−ブタジエンゴムとを含む材料が採用されており、リターン性が「◎」若しくは「○」となっている。つまり、複数回の熱履歴を受けた材料であっても、流動性が殆ど変化していない。一方、図6に示すように、比較例1〜5のブロー成形品の材料には、1,2−ブタジエンゴムが採用されておらず、リターン性が「×」となっている。つまり、複数回の熱履歴を受けた材料では、流動性が大きく変化している。このことから、ブロー成形品の材料として、ABS樹脂と1,2−ブタジエンゴムとを含む材料を採用することで、熱履歴により流動性が変化しないことが解る。
特に、比較例4のブロー成形品の材料では、1,2−ブタジエンゴムの代わりに、1,3−ブタジエンゴムが採用され、比較例5のブロー成形品の材料では、1,2−ブタジエンゴムの代わりに、スチレンブタジエンゴムが採用されている。1,3−ブタジエンゴムおよび、スチレンブタジエンゴムは、1,2−ブタジエンゴムと異なり、側鎖に2重結合を有していない。このことから、側鎖に2重結合を有している1,2−ブタジエンゴムにより、熱履歴による流動性の変化が抑制されていることが解る。
また、1,2−ブタジエンゴムの添加量は、ABS樹脂の添加量を100重量部とした場合に、0.3〜15重量部であることが好ましい。詳しくは、図5に示すように、実施例1〜6のブロー成形品の材料では、0.5〜10重量部の1,2−ブタジエンゴムが添加されており、リターン性が「◎」若しくは「○」となっている。一方、図6に示すように、比較例6のブロー成形品の材料では、0.2重量部の1,2−ブタジエンゴムが添加され、比較例7のブロー成形品の材料では、20重量部の1,2−ブタジエンゴムが添加されており、リターン性が「×」となっている。このことから、誤差を考量して、1,2−ブタジエンゴムの添加量は、ABS樹脂の添加量を100重量部とした場合に、0.3〜15重量部であることが好ましい。特に、実施例1〜3,6のブロー成形品の材料では、1.5〜3重量部の1,2−ブタジエンゴムが添加されており、リターン性が「◎」となっている。このことから、誤差を考量して、1,2−ブタジエンゴムの添加量は、ABS樹脂の添加量を100重量部とした場合に、1〜5重量部であることが好ましい。
また、ブロー成形品の材料として、ABS樹脂に他の樹脂を加えることも可能である。詳しくは、図5に示すように、実施例6のブロー成形品の材料では、ABS樹脂に加えて、ポリカーボネー樹脂が添加されており、リターン性が「◎」となっている。このことから、ABS樹脂に加えて他の樹脂を添加しても、熱履歴による流動性の変化を抑制できることが解る。なお、実施例6のブロー成形品の材料では、ポリカーボネート樹脂の添加量は、ABS樹脂の量を100重量部とした場合に、25重量部であることから、30重量部以下であることが好ましい。
また、ブロー成形品の材料として、種々の酸化防止剤を添加することが可能である。詳しくは、図5に示すように、実施例1,2,6のブロー成形品の材料では、酸化防止剤が添加されておらず、実施例3〜5のブロー成形品の材料では、種々の酸化防止剤が添加されているが、いずれの材料においても、リターン性が「◎」となっている。このことから、種々の酸化防止剤を添加しても、熱履歴による流動性の変化を抑制できることが解る。そして、実施例1〜6のブロー製品の材料で成形されたブロー成形品は、バリを繰り返し再利用しても、比較例1〜6のブロー成形品の材料より、成形時のドローダウンが少なく、それによるブロー成形品の偏肉等の影響が少なかった。比較例7のブロー成形品の材料では、バリ再利用時に溶融粘度が上がりすぎ、パリソンのショットサイズ(長さ)が短くなって、成形条件の調整が都度必要になった。
以下、本発明の諸態様について列記する。
(1)ABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを含む材料により成形され、前記ABS樹脂の量を100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が0.3〜15重量部であることを特徴とするブロー成形品。
(2)前記ブロー成形品が、車両用外装品であることを特徴とする(1)項に記載のブロー成型品。
(3)前記ブロー成形品が、車両用スポイラーであることを特徴とする(1)項または(2)項に記載のブロー成形品。
(4)前記材料の初回測定時の流動性(JIK K7210 A法)を示す値(g/10分)と、前記初回測定用材料が融解と固化とを1回繰り返されたときの前記材料の前記流動性を示す値(g/10分)との差が、0.5g/10分以内であることを特徴とする(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載のブロー成形品。
(5)前記材料の初回測定時の流動性(JIK K7210 A法)を示す値(g/10分)と、前記初回測定用材料が融解と固化とを2回繰り返されたときの前記材料の前記流動性を示す値(g/10分)との差が、0.5g/10分以内であることを特徴とする(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のブロー成形品。
(6)前記材料の初回測定時の流動性(JIK K7210 A法)を示す値(g/10分)と、前記初回測定用材料が融解と固化とを3回繰り返されたときの前記材料の前記流動性を示す値(g/10分)との差が、0.5g/10分以内であることを特徴とする(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載のブロー成形品。
(7)ABS樹脂と1,2−ブタジエンゴムとを含み、前記ABS樹脂の量を100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が0.3〜15重量部である材料を融解してパリソンを成形するパリソン成形工程と、
前記パリソン成形工程において成形された前記パリソンを金型によって挟み込む型締め工程と、
前記金型によって挟み込まれた前記パリソンにエアを吹き込むブロー工程と
を含むことを特徴とするブロー成形品製造方法。
(8)ABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを含み、前記ABS樹脂の量を100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が0.3〜15重量部であることを特徴とするブロー成形品の材料。

Claims (7)

  1. ブロー成型品であって、
    ABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを含む材料により成形され、前記ABS樹脂の量を100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が0.3〜15重量部であることを特徴とする車両用外装品
  2. 前記ABS樹脂の量を100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が1〜5重量部であることを特徴とする請求項1に記載の車両用外装品。
  3. 前記材料の初回測定時の流動性(JIK K7210 A法)を示す値(g/10分)と、前記初回測定時の材料が融解と固化とを3回繰り返されたときの前記材料の前記流動性を示す値(g/10分)との差が、0.5g/10分以内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用外装品
  4. 前記車両用外装品が、車両用スポイラーであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の車両用外装品
  5. ABS樹脂と1,2−ブタジエンゴムとを含み、前記ABS樹脂の量を100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が0.3〜15重量部である材料を融解してパリソンを成形するパリソン成形工程と、
    前記パリソン成形工程において成形された前記パリソンを金型によって挟み込む型締め工程と、
    前記金型によって挟み込まれた前記パリソンにエアを吹き込むブロー工程と
    を含むことを特徴とする車両用外装品製造方法。
  6. ブロー成形品の材料であって、
    ABS樹脂と、1,2−ブタジエンゴムとを含み、前記ABS樹脂の量を100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が0.3〜15重量部であることを特徴とする車両用外装品の材料。
  7. 前記ABS樹脂の量を100重量部に対し、前記1,2−ブタジエンゴムの量が1〜5重量部であることを特徴とする請求項6に記載の車両用外装品の材料。
JP2014075101A 2014-04-01 2014-04-01 車両用外装品、車両用外装品製造方法および、車両用外装品の材料 Active JP6359856B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014075101A JP6359856B2 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 車両用外装品、車両用外装品製造方法および、車両用外装品の材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014075101A JP6359856B2 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 車両用外装品、車両用外装品製造方法および、車両用外装品の材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015196763A JP2015196763A (ja) 2015-11-09
JP6359856B2 true JP6359856B2 (ja) 2018-07-18

Family

ID=54546676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014075101A Active JP6359856B2 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 車両用外装品、車両用外装品製造方法および、車両用外装品の材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6359856B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6350479B2 (ja) 2015-10-02 2018-07-04 トヨタ自動車株式会社 ゲート電圧制御装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006051831A (ja) * 2005-10-31 2006-02-23 Idemitsu Kosan Co Ltd 中空成形体の製造方法
JP2013053251A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Sumitomo Rubber Ind Ltd 高減衰組成物
JP5951376B2 (ja) * 2012-07-11 2016-07-13 理研ビタミン株式会社 スチレン系樹脂組成物および該樹脂組成物成形品並びにスチレン系樹脂用マスターバッチ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015196763A (ja) 2015-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103102592A (zh) 一种用于汽车保险杠的改性聚丙烯材料及其制备方法
CN108164960A (zh) 一种高耐热、高熔体强度吹塑pc/abs复合材料及其制备方法
CN103483760A (zh) 一种低取向挤出级abs材料
JP6359856B2 (ja) 車両用外装品、車両用外装品製造方法および、車両用外装品の材料
KR101602814B1 (ko) 고인장강도용 유리 섬유 강화 폴리아마이드66 수지 조성물 및 이의 제조방법
CN111051436B (zh) 树脂组合物、成型品和其制造方法
CN104592633A (zh) 汽车保险杆用材料及其制备方法
JP2017200986A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、成形品および成形品の製造方法
JP6920604B2 (ja) 発泡成形体、及びその製造方法
JP2016029290A (ja) 螺旋状蛇腹衝撃吸収部材
JP2013064043A (ja) 樹脂組成物、成形体および、成形方法
WO2020179792A1 (ja) 発泡ブロー成形用樹脂、発泡ブロー成形体の製造方法
KR20140021682A (ko) 낮은 전단 조건하에 성형 가능한 열가소성 엘라스토머
WO2022110669A1 (zh) 一种聚丙烯复合材料及其制备方法与应用
JP5005837B1 (ja) アダプター及び熱可塑性樹脂成形品の製造方法
CN105773909A (zh) 一种奥迪乘用车塑料件多次注塑工艺
JP6102769B2 (ja) ウォーターアシスト成形品
JP6348363B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物ペレットおよび成形品
JP2008024842A (ja) 光学フィルムの製造方法
JP2020128032A5 (ja)
JP6695259B2 (ja) 複合成形体及びその製造方法、並びに複合成形体製造用金型
CN110271137B (zh) 空心型材复合技术
KR102473146B1 (ko) 3d 프린팅용 조성물 및 이를 이용한 3d 프린터용 필라멘트
WO2018079700A1 (ja) Peek樹脂組成物成形体
CN116120678A (zh) 一种3d打印用abs树脂及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180621

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6359856

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250