JP6358687B2 - 炉体用パネル、炉体構造、及び築炉方法 - Google Patents

炉体用パネル、炉体構造、及び築炉方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄鋼、自動車,電気,電子,窯業、化学工業及び環境関連等の分野において、溶解、精錬及び加熱等に使用される工業炉等に使用される炉体用パネル、炉体構造、及び築炉方法に関する。
工業炉は、例えば、電子セラミックスの製造技術において、セラミックスの焼成工程等に使用されている。この工業炉の多くは、その炉壁及び炉床が、並型と呼ばれるサイズの耐火レンガ(230×114×65mm)を耐火モルタルを接合材として積み上げ、又は敷き詰めることにより構成されている。炉の天井は、耐火レンガをアーチ状に組む構造を採用しているが、これは重量の重い天井を安定して保持するのに、アーチ構造が適しているからである。
ところで、耐熱性の点でセラミックファイバーでも問題のない炉においては、施工性の観点から、耐火レンガに替えてセラミックファイバーを使用した炉が提案され、実用に供されている。セラミックファイバーは耐火レンガに比べて遥かに軽量なので、セラミックファイバーを使用して大型のパネルを作成し、これを炉壁及び天井に使用することにより、築炉の作業性が大幅に改善される。この場合、天井を構成するパネルを上方から吊り下げる等の方法により、アーチ構造ではなく平坦な天井とすることができる(特許文献1)。
一方、特許文献2に記載のコークス炉は、炉体に耐火物を使用しているが、この炉体耐火物の間に形成される隙間を、セラミックファイバーロープを介在させることにより、シールしている。
特開2008−45815号公報 特開2014−133795号公報
しかしながら、セラミックファイバーについては、平成27年11月1日施行・適用の「特定化学物質障害予防規則」の改正により、発がん性を有するとして、水で集めて飛散しないようにすることが義務づけられる等、使用が規制された。このため、規則改正後においては、天井部材にセラミックボードを使用することが困難となり、セラミックボードを使用した場合には、炉の廃棄時に、セラミックボードの処分に問題が生じる。よって、このようなセラミックボードは、炉のシール材等としての使用に問題が大きい。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、セラミックファイバーを使用する代わりに、軽量耐火物を使用することにより、軽量耐火物の有する耐熱性と軽量性を生かした工業炉を、炉体用パネルを構成する耐火物における熱伝達及び熱応力伝播を極力抑制して、熱膨張に起因する割れ及びひびの発生を防止し、築炉作業における作業性を向上させた方法で築炉することができ、環境にとっても好ましい工業炉を得ることができる炉体用パネル、炉体構造、及び築炉方法を提供することを目的とする。
本発明に係る炉体用パネルは、
複数個の板状の耐火物片を、その平面に平行な方向に配置すると共に前記平面に垂直な方向に重ね、前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界が、前記平面に垂直な方向に隣接する耐火物片同士の前記境界とは不一致になるように配置し、前記平面に平行な面同士は接合し、前記平面に平行な方向に隣接する前記耐火物片同士は接合しないことにより、組み立てられた炉体用パネルであって、
複数個の前記耐火物片の全体から構成される全体形状は、直方体形状をなす本体部と、この本体部の前記平面に平行な面の中央から突出する凸部と、前記本体部における前記凸部が形成された面の反対側の面に前記凸部に対応して形成された凹部とを、有するものであり、
一の炉体用パネルの前記凸部を他の炉体用パネルの前記凹部に嵌合して、複数個の炉体用パネルが重ね合わされる用途に使用されることを特徴とする。
本発明に係る他の炉体用パネルは、
複数個の板状の耐火物片を、その平面に平行な方向に配置すると共に前記平面に垂直な方向に重ね、前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界が、前記平面に垂直な方向に隣接する耐火物片同士の前記境界とは不一致になるように配置し、前記平面に平行な面同士は接合し、前記平面に平行な方向に隣接する前記耐火物片同士は接合しないことにより、組み立てられた炉体用パネルであって、
前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界は、その少なくとも一部が前記耐火物片同士の接触を含む小さい第1間隙であり、他部が前記第1間隙よりも大きな第2間隙であり、
複数個の前記耐火物片の全体から構成される全体形状は、直方体形状をなす本体部と、この本体部の前記平面に平行な面の中央から突出する凸部と、前記本体部における前記凸部が形成された面の反対側の面に前記凸部に対応して形成された凹部とを、有するものであり、
一の炉体用パネルの前記凸部を他の炉体用パネルの前記凹部に嵌合して、複数個の炉体用パネルが重ね合わされる用途に使用されることを特徴とする。
この炉体用パネルにおいて、例えば,
前記耐火物片は、前記平面に平行な方向に配置されたものが耐火物片層を構成し、この耐火物片層が複数層重ねられて前記炉体用パネルが構成されており、
前記第2間隙は、前記耐火物片層の1層おきに設けられている。
本発明に係る他の炉体用パネルは、
複数個の板状の耐火物片を、その平面に平行な方向に配置すると共に前記平面に垂直な方向に重ね、前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界が、前記平面に垂直な方向に隣接する耐火物片同士の前記境界とは不一致になるように配置し、前記平面に平行な面同士は接合し、前記平面に平行な方向に隣接する前記耐火物片同士は接合しないことにより、組み立てられた炉体用パネルであって、
複数個の前記耐火物片の全体から構成される全体形状は、直方体形状をなす本体部と、この本体部の前記平面に平行な面の半分の領域から突出する第1凸部と、前記本体部における前記第1凸部が形成された面の反対側の面の半分の領域から突出する第2凸部とを、有するものであり、
一の炉体用パネルの前記第1凸部を他の炉体用パネルの前記第1凸部又は前記第2凸部に係合させて、複数個の炉体用パネルが重ね合わされる用途に使用されることを特徴とする。
本発明に係る他の炉体用パネルは、
複数個の板状の耐火物片を、その平面に平行な方向に配置すると共に前記平面に垂直な方向に重ね、前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界が、前記平面に垂直な方向に隣接する耐火物片同士の前記境界とは不一致になるように配置し、前記平面に平行な面同士は接合し、前記平面に平行な方向に隣接する前記耐火物片同士は接合しないことにより、組み立てられた炉体用パネルであって、
前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界は、その少なくとも一部が前記耐火物片同士の接触を含む小さい第1間隙であり、他部が前記第1間隙よりも大きな第2間隙であり、
複数個の前記耐火物片の全体から構成される全体形状は、直方体形状をなす本体部と、この本体部の前記平面に平行な面の半分の領域から突出する第1凸部と、前記本体部における前記第1凸部が形成された面の反対側の面の半分の領域から突出する第2凸部とを、有するものであり、
一の炉体用パネルの前記第1凸部を他の炉体用パネルの前記第1凸部又は前記第2凸部に係合させて、複数個の炉体用パネルが重ね合わされる用途に使用されることを特徴とする。
本発明に係る更に他の炉体用パネルは、
複数個の板状の耐火物片を、その平面に平行な方向に配置すると共に前記平面に垂直な方向に重ね、前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界が、前記平面に垂直な方向に隣接する耐火物片同士の前記境界とは不一致になるように配置し、前記平面に平行な面同士は接合し、前記平面に平行な方向に隣接する前記耐火物片同士は接合しないことにより、組み立てられた炉体用パネルであって、
前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界は、その少なくとも一部が前記耐火物片同士の接触を含む小さい第1間隙であり、他部が前記第1間隙よりも大きな第2間隙であることを特徴とする。
本発明に係る炉体構造は、
前記炉体用パネルを複数個使用して構築され、
前記炉体用パネルが前記凸部及び前記凹部を有する場合は、一の炉体用パネルの前記凸部を他の炉体用パネルの前記凹部に嵌合して前記複数個の炉体用パネルを重ね合わせ、又は前記炉体用パネルが前記第1凸部及び前記第2凸部を有する場合は、一の炉体用パネルの前記第1凸部を他の炉体用パネルの前記第1凸部若しくは第2凸部に係合させて前記複数個の炉体用パネルを重ね合わせることにより、炉体の側壁,底壁及び天井壁の少なくともいずれかが構築されていることを特徴とする。
この炉体構造において、例えば、
前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の高さ方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを積み上げて、炉体の前記側壁が構築されているか、又は、例えば、
前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の奥行き方向又は幅方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを炉体の奥行き方向又は幅方向に重ねて、炉体の前記側壁が構築されている。
また、例えば、
前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の奥行き方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを炉体の奥行き方向に重ねて、炉体の前記底壁及び前記天井壁が構築されているように構成できる。更に、これらの炉体構造において、例えば、
前記天井壁を構成する前記炉体用パネルは、その本体部の中心に、補強用心棒が挿入されているように構成することができる。
本発明に係る築炉方法は、
前記炉体用パネルを複数個用意し、前記炉体用パネルが前記凸部及び前記凹部を有する場合は、一の炉体用パネルの前記凸部を他の炉体用パネルの前記凹部に嵌合して前記複数個の炉体用パネルを重ね合わせ、又は前記炉体用パネルが前記第1凸部及び前記第2凸部を有する場合は、一の炉体用パネルの前記第1凸部を他の炉体用パネルの前記第1凸部若しくは第2凸部に係合させて前記複数個の炉体用パネルを重ね合わせることにより、炉体の側壁、底壁及び天井壁の少なくともいずれかを構築することを特徴とする。
この築炉方法において、例えば、
前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の高さ方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを積み上げて、炉体の前記側壁を構築するか、又は、例えば、
前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の奥行き方向又は幅方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを炉体の奥行き方向又は幅方向に重ねて、炉体の前記側壁を構築することができる。更に、
前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の奥行き方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを炉体の奥行き方向に重ねて、炉体の前記底壁及び前記天井壁を構築することができる。
本発明によれば、凸部及び凹部を有する複数個の炉体用パネルを、隣接する両炉体用パネルの凸部と凹部とを嵌合して連結し、これを繰り返して、炉体の側壁,底壁及び天井壁の少なくともいずれかが構築されるので、築炉作業が容易であると共に、壁としてのシール性が優れている。築炉時には、従来のようなモルタルによる接合をする必要がないので、作業時の省力化が可能である。
特に、前記炉体用パネルは、複数個の板状の耐火物片を重ね合わせて一面に平行の面を接合面とし、この接合面に垂直の面を接合しない非接合面とすることにより、前記非接合面において、熱の伝達及び熱応力の伝播を防止することができ、熱膨張に起因する炉体用パネル及び炉体の割れを防止することができる。
また、前記一面に平行の方向に配置された耐火物片層のうち、一部の耐火物片層間の間隙を第1間隙としたとき、他の残部の間隙は、前記第1間隙よりも大きな第2間隙とすることにより、前記第2間隙においては、耐火物片同士が大きく離隔しているために、更に、確実に、熱伝達及び熱応力伝播を防止して、熱膨張を抑制し、熱膨張に起因する炉体用パネル及び炉体の割れ及びひびの発生を防止することができる。更に、空隙を設けることにより、炉体の断熱性も向上する。
本発明の第1実施形態に係る炉体構造の天井壁,側壁部及び底壁を構成する炉体用パネル10を示す図であり、図1(a)は炉体用パネル10の正面図、図1(b)は炉体用パネル10の平面図、図1(c)は炉体用パネル10の右側面図、図1(d)は炉体用パネル10の斜視図である。 同じく第1実施形態において、炉体用パネルの変形例を示す図であり、図2(a)はこの炉体用パネル20の正面図、図2(b)は炉体用パネル20の平面図、図2(c)は炉体用パネル20の右側面図である。 短寸の炉体用パネル30を示す図である。 短寸の炉体用パネル40を示す図である。 短寸の炉体用パネル50を示す図である。 本実施形態の炉体構造を示す平面断面図である。 同じくその正面断面図である。 同じくその右側面図である。 (a)は本実施形態の築炉方法を示す平面図、(b)は正面図、(c)右側面図である。 (a)は同じく本実施形態の築炉方法を示す平面図、(b)は正面図、(c)右側面図である。 本実施形態の他の実施形態の炉体構造を示す平面断面図である。 同じくその正面断面図である。 同じくその右側面図である。 同じくその天井壁の横断面図である。 2個の耐火物部材を連結した天井壁を示す正面断面図である。 本発明の第2実施形態に係る炉体用パネル60を示す図であり、図16(a)は炉体用パネル60の正面断面図、図16(b)は同じくその側面断面図である。 (a)、(b)は耐火物片層61b等を示し、(c)、(d)は耐火物片層61c等を示し、(e),(f)は耐火物片層61aを示し、(g)、(h)は耐火物片層61gを示す図である。 (a)は炉体用パネル60の平面図を示し、(b)は炉体用パネル64の平面図を示す。 炉体用パネル65を示す図である。 炉体用パネル65の耐火物片層を示す図である。 炉体用パネル66を示す図である。 炉体用パネル66の耐火物片層を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る炉体用パネル70を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図であり。 炉体用パネル70を使用して、炉体の底壁及び天井壁を構築した炉体を示す右側面断面図である。 同じくその正面断面図である。 炉体用パネル80を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面断面図、(c)は平面図であり。 炉体用パネル90を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面断面図、(c)は平面図であり。 炉体用パネル90の耐火物片層を示す図である。 炉体用パネル100を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面断面図、(c)は平面図であり。 炉体用パネル100の耐火物片層を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、具体的に説明する。本発明において使用する耐火物は、軽量耐火物であることが好ましい。耐火物の組成自体は、例えば、Al:95.0質量%、SiO:4.5質量%、Fe:0.1質量%、NaO:0.4質量%のもの等、通常の組成のものを使用すれば良いが、耐火物の製造過程で、発泡処理等を工夫することにより、嵩比重が例えば1.0以下、好ましくは0.2〜0.8等の低い耐火物を得ることができる。なお、嵩比重が1.0以下の軽量アルミナ質耐火断熱レンガの製造方法が特開2013−139368号公報等に記載されている。このような軽量耐火物を使用することにより、例えば嵩比重が0.3の場合は長さLが2m程度の耐火物部材10(後述する)の重量を、25kg程度まで軽量化することができ、これにより、築炉に際し、作業者の作業性を良好に維持することができる。
次に、本発明の第1実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、この本発明の第1実施形態に係る炉体用パネルについて説明する。図1は炉体の天井壁,側壁部及び底壁を構成する炉体用パネル10を示す図であり、図1(a)は炉体用パネル10の正面図、図1(b)は炉体用パネル10の平面図、図1(c)は炉体用パネル10の右側面図,図1(d)は炉体用パネル10の斜視図である。また、図2は炉体の側壁角部用の炉体用パネル20を示す図であり、図2(a)は炉体用パネル20の正面図、図2(b)は炉体用パネル20の平面図、図2(c)は炉体用パネル40の右側面図である。図3,図4,及び図5は、短寸の炉体用パネル30,40,50を示す図である。図1に示す炉体用パネル10は、複数個の板状の耐火物片11、12,13を接合することにより形成されている。各耐火物片11,12,13は板状をなし、炉体用パネル10は、各耐火物片11,12,13をそれらの厚さ方向に重ね合わせることにより構成されている。そして、炉体用パネル10の本体部10aは、比較的厚い耐火物片11同士をその表面及び裏面で重ね、ほぼ直方体形状に組み立てており、前記表面及び裏面の重ね合わせ面は、モルタルを塗り、焼き付け処理することにより、接合して、接合面15となっている。耐火物片11、12,13の側面同士は、接合せず、非接合面16となっている。そして、非接合面16が一直線上には整合しないように、各耐火物片11,12,13の大きさが決められている。これにより、炉体用パネル10はばらばらになることなく、一体化されたものとなる。本体部10aの一方の面(一面)の中央には、凸部10bが設けられている。この凸部10bは、直方体形状の本体部10aの一辺(長さH)の中央部からこの一辺に交差する辺(長さL)に平行に延びるように形成されており、比較的薄い板状の耐火物片12をその表面で本体部10aに接合することにより、本体部10aの一面(表面)に固定されている。耐火物片12の側面同士は、接合されていない。一方、本体部10aにおける凸部10bの反対側の面(裏面)には、この凸部10bに対応する位置に、凹部10cが形成されている。この凹部10cは、本体部10aの裏面の前記一辺に沿う方向の両端部に夫々耐火物片13を接合することにより、これらの耐火物片13間に形成される。耐火物片13間の凹部10cは、隣接する炉体用パネル10の凸部10bが嵌合するのに十分な大きさとなっており、例えば、耐火物片13の厚さが20mmで凹部10cの深さが20mmである場合は、耐火物片12の厚さは21mmであるというように、凸部10bの厚さの方が凹部10cの深さよりも若干大きくなっている。本体部10aと耐火物片13の全体の厚さがWとなる。そして、図1に示すように、幅がW、長さがLの矩形面を面10dとし、幅がW、長さがHの凹凸形状の面を面10eとする。なお、図1(c)に示すように、炉体用パネル10の幅方向における耐火物片12の長さはAであり、この炉体用パネル30の幅方向の両側縁から耐火物片12までの長さはいずれもBである。また、耐火物片13は、炉体用パネル30の幅方向の両側縁部に両側縁からCの長さで設けられている。更に、炉体用パネル30の幅方向の長さはHである。
図2に示す炉体用パネル20も同様に、複数個の板状の耐火物片11,12,13を接合することにより構成されている。この炉体用パネル20も、耐火物片11,12,13の表面及び裏面同士は、モルタルを塗り、焼き付け処理することにより、接合しているが、耐火物片11、12、13の側面同士は接合していない。よって、耐火物片11,12,13の表面及び裏面同士の間は接合面15となり、耐火物片11,12,13の側面同士の間は非接合面16となっている。この炉体用パネル20は、その凸部20bが設けられた面には、薄板状の耐火物片12が、2組相互に離隔して配置されている。1個の耐火物片12は、長さがAで、炉体用パネル40の長手方向の一方の端部から長さBだけ離隔した位置に設けられ、この1個の耐火物片12からBだけ離隔した位置から、炉体用パネル20の他方の端部まで、3個の耐火物片12が連なるように設けられている。炉体用パネル20の凹部20cは、炉体用パネル10と同様に、夫々、炉体用パネル20の幅方向の両側縁部に、炉体用パネル20の長手方向の全域に連なるように、複数個の耐火物片13が配置されている。なお、図2(c)に示すように、炉体用パネル20の幅方向における耐火物片12の長さはAであり、この炉体用パネル20の幅方向の両側縁から耐火物片12までの長さはいずれもBである。また、耐火物片13は、炉体用パネル20の幅方向の両側縁部に両側縁からCの長さで設けられている。更に、炉体用パネル20の幅方向の長さはHである。
図3に示す炉体用パネル30は、3枚の耐火物片11を重ねて構成されており、その一方の面に耐火物片13を接合して、凹部30cを設けたものである。また、図4に示す炉体用パネル40は、3枚の耐火物片11を重ねて構成されており、その一方の面に耐火物片12を接合して、凸部40bを設けたものである。更に、図5に示す炉体用パネル50は、3枚の耐火物片11を重ねて構成されており、凸部及び凹部を有しないものである。
次に、本発明の第1実施形態の炉体構造について添付の図面を参照して具体的に説明する。図6は本発明の実施形態に係る炉体構造を示す平面断面図、図7は同じくその正面一部断面図、図8は同じくその右側面断面図である。そして、図6は図7のI−I線による断面図、図7は図6のII−II線による断面図、図8は図7のIII−III線による断面図である。本実施形態の炉体構造は、図1乃至図5に示す炉体用パネル10,20,30,40,50を組み合わせることにより、図1乃至図3に示すように、底壁3と、この底壁3を囲む3個の側壁2(2a、2b、2c)と、側壁2a、2b、2cの上に設置された天井壁4とが構築されて炉体1が構成されている。また、炉体1の前面には、熱処理すべき処理物を出し入れするための開口部5が設けられており、この開口部5の周囲は、開口部枠2d,2eにより囲まれていて、開口部5の面積が、炉体内部の空間よりも若干絞られている。
次に、これらの炉体用パネル10,20,30,40を使用した築炉方法について説明する。図9及び図10は、築炉方法を示す平面図である。先ず、図9に示すように、炉床上に、炉体用パネル10及び炉体用パネル20を、その長手方向を水平にして、耐火物片12が上面となるように、載置する。即ち、炉体の奥の側壁2aの最下層として、2個の炉体用パネル10をその長手方向に連ねて載置する。そして、この2個の炉体用パネル10の長手方向端部に、側壁2b、2cの最下層として、炉体用パネル20をその長手方向を炉体前後方向にして載置し、更に、この炉体用パネル20の手前に、夫々2個の炉体用パネル10をその長手方向を炉体用パネル20に一致させて載置する。そして、開口部5の開口部枠2d、2eとして、炉体用パネル10の前端に、夫々1個の炉体用パネル20をその長手方向を炉体用パネル10に垂直にし、炉体の横方向にして、載置する。このとき、単独の耐火物片12が炉体左右方向の外側になるようにする。
この図9に示すように配置した炉体用パネルの上に、次に、図10に示すようにして、炉体用パネル10,20を載置する。即ち、炉体奥の側壁2aとして、図10に示す3個の炉体用パネル20,炉体用パネル10及び炉体用パネル20をその長手方向を炉体横方向にして載置する。このとき、下層の(図9)2個の炉体用パネル10の中間の上に、1個の炉体用パネル10を載置し、更に、その両側に、夫々炉体用パネル20を載置する。このとき、下層の炉体用パネル10の上面の凸部10bを、上層の炉体用パネル10の下面の凹部10c内に嵌合するようにして、下層の炉体用パネル10の上に上層の炉体用パネル10を積み上げる。また、上層の炉体用パネル10の両側に、夫々炉体用パネル20を、下層の炉体用パネル10の上面の凸部10bと炉壁2aの両端部の下層の炉体用パネル20の単独の耐火物片12(凸部20b)とが、上層の炉体用パネル20の下面の凹部20cに嵌合するようにして、積み上げる。同様にして、下層の炉体用パネル10,20の上面の凸部10b、20bが、上層の炉体用パネル10,20の下面の凹部10c、20cに嵌合するようにして、下層の炉体用パネル10,20の上に、上層の炉体用パネル10,20を積み上げていく。このとき、上層において、炉体開口部5の開口部枠2d、2eについては、炉体用パネル20が炉体前端まで延びているので、開口部枠2d、2eの下層の炉体用パネル20の上に載置する炉体用パネルは、炉体用パネル10,20よりも短寸とすることが必要である。そこで、炉体用パネル10を切断し、短寸とした炉体用パネル10−1を、下層の開口部枠2d、2eの上に載置する。この場合も、下層の炉体用パネル20の凸部20bを、上層の炉体用パネル10−1の凹部に嵌合する。
このようにして、図9に示すパターンの炉体用パネル10,20と、図10に示すパターンの炉体用パネル10,20とを交互に積み上げていく。これにより、図6乃至図8に示す炉体の側壁2a、2b、2cが構築される。このとき、最下層の炉体用パネルのパターンにおいては、図4に示すように、下面に凹部がなく、上面に凸部40bが形成された炉体用パネル40を使用することが好ましい。また、最上層の炉体用パネルのパターンにおいては、図3に示すように、上面に凸部がなく、下面に凹部30cが形成された炉体用パネル30を使用することが好ましい。但し、最下層及び最上層においても、このように、一面が平坦な炉体用パネルを使用せずに、炉体用パネル10,20を使用してもよい。また、図5に示す炉体用パネル50は、その下面及び上面に凹部及び凸部をもたないが、炉体の部位によっては、このような炉体用パネル50を使用することも可能である。
次に、側壁2a、2b、2cに囲まれた空間に、底壁3を構築する。図8に示すように、炉体用パネル10を、この炉体用パネル10の高さHが炉体高さ方向になるように立て、その凸部10bが炉体後方を向き、凹部10cが炉体前方を向くようにして、隣接する炉体用パネル10間で凸部10bが凹部10cに嵌合するように重ねることにより、底壁3が組み立てられる。図9と図6との間の対比からわかるように、底壁3の炉体幅方向の長さは、2個の炉体用パネル10をその長手方向に連ねた長さを有する。また、開口部5の開口部枠2d、2eの間の底壁3の部分は、炉体用パネル10の長さは、開口部枠2d、2e間に嵌まるように調節する。
次に,上述のごとく構築された側壁2a、2b、2cの上に、天井壁4を配置する。この天井壁4は、図8に示すように、底壁3と同様に、炉体用パネル10をその凸部10bを凹部10cに嵌合して重ねることにより組み立てられるが、その配置領域は、奥の側壁2aの上端面上から、手前の開口部枠2d、2eの上面上までである。この天井壁4を構成する炉体用パネル30は、底壁3を構成する炉体用パネル10よりも2倍以上に長いものを使用して、1本の炉体用パネル10を側壁2b、2cの各上端面上に架け渡すか、又は、複数個の炉体用パネル10をその長手方向に連ね、後述するようにして、中心に心棒を配置して複数個の炉体用パネル10を支持させるようにした後、側壁2b、2cの各上端面上に架け渡すことにより、配置される。このようにして、炉体1が完成する。
本実施形態においては、凸部10b(20b)及び凹部10c(20c)を有する複数個の炉体用パネル10(20)を、隣接する両炉体用パネル10(20)の凸部10b(20b)を凹部10c(20c)に嵌合して連結し、これを繰り返して、炉体1の側壁2a、2b、2c,底壁3及び天井壁4が構築されるので、モルタルによる接合作業が不要であり、築炉作業が容易である。また、炉体用パネル10,20を構成する複数個の耐火物片11,12,13は、この複数個の板状の耐火物片11,12,13を重ね合わせてその一面に平行の面を接合面15とし、この接合面15に垂直の面を接合しないとすることにより、組み立てられている。
従来の炉体の構築作業においては、耐火物にモルタルを塗ってこれを炉体構造に積み上げ、その後、炉体全体を加熱して焼き付け処理することにより、各耐火物を相互に接合して炉体が構築されている。このため、焼き付け処理時に熱応力により耐火物に割れが入る虞があり、慎重に加熱処理する必要があり、構築作業及び熱処理に時間がかかるという問題点がある。これに対し、本実施形態においては、先ず、炉体用パネル10,20を製作する。このとき、耐火物片11,12,13の表面又は裏面にモルタルを塗って焼き付けする接合処理が行われるが、耐火物片11,12,13の側面は接合せず、ここに非接合面16を設けることにより、熱の伝達を非接合面で防止することができ、熱膨張に起因する炉体用パネル30,40の割れを防止することができる。これらの炉体用パネル10,20を使用した炉体1の築炉作業時には、モルタルの使用及びその焼き付け処理は不要であるので、耐火物の割れ等の問題は生じることがなく、また、築炉作業性が優れている。
本実施形態においては、長寸の炉体用パネル10,20を横(水平)にして、この上に他の炉体用パネル10,20を積み上げていくことにより築炉できるので、炉体用パネル10,20を積み上げるときの作業性が優れていると共に、この炉体用パネル10,20を積み上げる段数を適宜調整することにより、炉体1の高さを任意に設定することができる。
次に、本発明の他の実施形態の炉体構造について添付の図面を参照して具体的に説明する。図11は本発明の実施形態に係る炉体構造を示す平面断面図、図12は同じくその正面一部断面図(図11のII−II線による断面図)、図13は同じくその右側面断面図である。また、図14は炉体用パネル10を天井壁に使用した場合の変形例を示す横断面図である。図11乃至図13に示すように、炉体1は、複数個の炉体用パネル10を組み合わせることにより、底壁3と、この底壁3を囲む3個の側壁2(2a、2b、2c)と、側壁2a、2b、2cの上に設置された天井壁4とが構築されて、炉体1が構成されている。即ち、底壁3は、炉体用パネル10を組み合わせて、平板状に構成されており、この底壁3の炉体開口部5からみて、右縁部の側部に右側壁2cが立設され、左縁部の側部に左側壁2bが立設され、底壁3の奥に奥側壁2aが立設されている。そして、これらの3個の側壁2a、2b、2cの上に、平板状の天井壁4が設置されている。側壁2a、2b、2c及び天井壁4も、炉体用パネル10を組み合わせて平板状に構成されている。このように構成された炉体1には、開口部5を介して、熱処理すべき処理物を出し入れする。
炉体用パネル10は、前述のごとく、図1乃至図3に示す構造を有する。次に、この炉体用パネル10を使用した築炉方法について説明する。先ず、この炉体用パネル10の凸部10bを隣接する炉体用パネル10の凹部10cに嵌合して、複数個の炉体用パネル10を同一姿勢で積み重ねていくことにより、平板状の壁を組み立てる。このとき、炉体用パネル10として、長さL、幅W、高さHが下記の7種類の炉体用パネルを使用する。
炉体用パネル10−1:長さL、幅W、高さH
炉体用パネル10−2:長さL、幅W、高さH
炉体用パネル10−3:長さL+2H、幅W、高さH
炉体用パネル10−4:長さL、幅W、高さH
炉体用パネル10−5:長さL−H、幅W、高さH
炉体用パネル10−6:長さL、幅W、高さH
炉体用パネル10−7:長さL−2H(4W)、幅W、高さH
これらの炉体用パネルは、全て幅がW、高さがHであるが、例えば、炉体用パネル10−1の幅と、炉体用パネル10−2の幅とは、異なる寸法としても良い。また、図12等からみると、H=2Wの寸法関係があるように見えるが、これには限らない。
先ず、図11の平面図に示す側壁2を組み立てる。この側壁2は、炉体1の正面からみて、左側の側壁2b、右側の側壁2c、及び奥の側壁2aを、それらの間に平面視で矩形をなす空間が形成されるように、立設する。このとき、左右の側壁2b、2cは、炉体用パネル10−1を夫々n個使用し、これらをW方向に重ね合わせて、n個の炉体用パネル10−1の組み合わせにより構築する。奥の側壁2aは、炉体用パネル10−1をn個使用し、同様に、W方向に重ね合わせて、n個の炉体用パネル10−1の組合せにより構築する。これにより、平面視で、コ字型になるように、側壁2a、2b、2cが配置され、炉体高さ方向の寸法がLで、厚さがHの側壁2が組み立てられる。この場合に、炉体用パネル10の面10dが炉内面となる。
次に、側壁2a、2b、2cに囲まれた炉床上に、底壁3を構築する。底壁3は、n個の炉体用パネル10−2をその長さ方向が炉体の横方向になるようにして、W方向に重ね合わせることにより、構築する。この底壁3は炉体奥行き方向の寸法がnWであり、これは側壁2b、2cの炉体奥行き方向の寸法nWと一致する。底壁3の高さ(厚さ)はHである。このようにして、L×nW×Hの底壁3が、側壁2に3方を囲まれて、炉床上に載置される。この場合も、炉体用パネル10−2の面10dが炉内面(底壁上面)となる。
そして、炉体の開口部5においては、炉体用パネル10-4,10-5,10−6,10−7を門型に組み立てて、炉体1の前面に配置する。図12に示すように、側壁2b、2cの前面に、例えば、左右各2個の炉体用パネル10−4を立てて炉体幅方向に重ねることにより、配置する。次いで、これらの炉体用パネル10−4の対向方向の内側に、左右2個の炉体用パネル10−5を立てて炉体幅方向に重ねることにより、配置する。そして、底壁3の前面に、例えば、2個の炉体用パネル10−7をその長手方向を炉体横方向にし、炉体奥行き方向に重ねるようにして、炉床上に配置する。更に、左右2組の炉体用パネル10−5上に、例えば2個の炉体用パネル10−6を、その長手方向を炉体横方向にし、炉体奥行き方向に重ねるようにして、載置する。この炉体用パネル10−5により左右両側の開口部枠2dが構成され、炉体用パネル10−6により、上側の開口部枠2eが構成される。そして、開口部枠2d及び開口部枠2eにより、門型の開口部枠が構成される。これにより、炉体内部において、底壁3及び側壁2(2a、2b、2c)により区画される空間が、開口部5において、縦の開口部枠2d及び横の開口部枠2eにより若干絞られるようになっている。
この側壁2(2a、2b、2c)と開口部枠2d、2eの上に、天井壁4を載置する。この天井壁4は、炉体用パネル10−3を使用して構築する。即ち、炉体用パネル10−3を、その長手方向が炉体の幅方向を向いて側壁2b、2c間に架け渡されるように、且つ、炉体用パネル10の高さHが炉体の高さ方向になるようにして、炉体奥方向に重ね合わせる。また、同様にして、この炉体用パネル10−3を、奥の側壁2a上に配置し、更に、炉前面の炉体用パネル10−4と炉体用パネル10−6の上に配置する。このようにして、炉体の天井を覆うようにして、炉体横寸法がL+2H、炉体奥行き寸法がnW+2H、厚さがHの天井壁4が構築される。この天井壁4もその下面、即ち炉内面が、炉体用パネル10の面10dとなる。
なお、炉体用パネル10の寸法及び炉体の寸法は任意であり、底壁3、側壁2及び天井壁4等の主要な炉体構造物は、いずれも、所望の炉体寸法に合わせて、相互に異なる寸法の炉体用パネル10を使用して構築することができる。また、基本的には、上述の築炉方法において、モルタル及び焼き付け等による接合処理は不要である。このようにして、底壁3、側壁2(2a、2b、2c)、天井壁4により、開口部5以外が覆われた炉体を構築することができる。なお、本実施形態の炉構築方法においては、先ず、側壁2を構築し、その後、底壁3を構築したが、これは、先に底壁3を構築すると、側壁構築作業時に、作業者が底壁3上に乗り上げることが必要になり、作業時に不便があるからである。しかし、本発明は、これに限らず、先に底壁3を構築しても良いことは勿論である。
本実施形態においては、上述のごとくして炉体を構築するので、炉体用パネル10は、作業者が持ちやすい質量及び形状のもの(例えば、嵩比重が0.3で、長さLが2m程度の場合、炉体用パネル10の質量は25kg)にして予め用意しておき、構築時には、この炉体用パネル10を基本的には凸部10bを凹部10cに嵌合するだけで、モルタルの塗布等の接合処理はせずに、積み上げ又は積み重ねていく。このため、構築時には、乾燥作業が不要である。そして、炉体用パネル10の作成に際しては、耐火物片11,12,13の面にモルタルを塗布して、その後、焼き付け処理することにより、耐火物片11,12,13から炉体用パネル10を製造するが、この焼き付け処理の熱の印加に際し、耐火物片11,12,13の側面間の非接合面16は接合処理していない。このため、この非接合面16においては熱は伝達されず、耐火物片11,12,13に熱膨張に起因する熱応力が作用することが防止され、耐火物片11,12,13にひび又は割れが発生することが防止される。そして、本実施形態においては、セラミックファイバーを使用する必要がないことは勿論である。
図14は天井壁4を、心棒で補強することを示す図である。天井壁4は、炉体用パネル10(又は20)を、炉体幅方向に所定距離離隔した側壁2b、2cの上に、この側壁2b、2cにまたがるようにして配置される。このため、炉体用パネル10の長手方向(L方向)には、その中央部が下降する方向に曲げモーメントが作用する。そこで、図14に示すように、大型の天井壁4においては、その炉体用パネル10の本体部10aの内部に、長尺の心棒18を設けることが好ましい。この心棒18により、炉体用パネル10がその長手方向に補強される。なお、この心棒18の埋設は、本体部10a用の3層の耐火物片11の中央の耐火物片11を2個の短寸のものとし、それらの短寸耐火物片11間の空間17に心棒18を配置すれば良い。
また、天井壁4が大型である場合は、図15に示すように、2個の炉体用パネル10をその長手方向に連続して配置し、これを、通常の炉設備において耐火物炉体を覆うように配置されている鉄板製の外殻30から吊り下げるようにして連結すればよい。即ち、この2個の炉体用パネル10の内部に共通してその長手方向に延びる1本の心棒32を埋設し、これを、外殻30の天板から、支持部材31を介して吊り下げることにより、2個の炉体用パネル10を連結することができる。これにより、天井壁4の構造を強化することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、炉体用パネルの更に一層の軽量化を図ったものである。図16(a)は本実施形態に係る炉体用パネルを示す右側面断面図、図16(b)は同じくその正面断面図である。この場合に、図16(a)は図1(b)のA−A線による断面図、図16(b)は図1(a)のB−B線による断面図である。また、図17(a)、(b)は耐火物片層61b、61d、61fを示す平面図及び右側面図、図17(c)、(d)は耐火物片層61c,61eを示す平面図及び右側面図、図17(e)、(f)は耐火物片層61aを示す正面図及び右側面図、図17(g)、(h)は耐火物片層61gを示す正面図及び右側面図である。図17(c)は図17(d)のC−C線による断面図、図17(d)は図17(c)のD−D線による断面図である。本実施形態の炉体用パネル60は、直方体形状の本体部60a,本体部60aの一面にて突出する凸部60b、本体部60aの他面に形成された凹部60cから構成される。本体部60aにおいては、複数個の板状の耐火物片11a,11bをその平面に平行の方向に配置し、その平面に垂直の方向(上下)に重ねて、上下の耐火物片同士は接合されている。本体部60aは、5層の耐火物片層61b、61c、61d、61e、61fを積層して構成されている。図17(a)、(b)に示すように、この炉体用パネル60の耐火物片層61b、61d、61fは、薄板状の4枚の耐火物片11aをその平面に平行の方向に全体的に矩形をなすように配置して構成されている。この耐火物片層61b等は、例えば、長さが600mm、幅が250mm、厚さが40mmである。また、図17(c)、(d)に示すように、炉体用パネル1の耐火物片層61c,61eは、薄板棒状の耐火物片11bを枠組み状に配置し、その内側に薄板状の耐火物片11cを耐火物片層61c等の幅方向に長くなるように配置し、この耐火物片11cの両側に薄板状の耐火物片11dを耐火物片層61c等の長手方向に長くなるように配置して構成されている。この場合に、外側の枠組みとなる耐火物片11bと中央の耐火物片11dとの間に空間(間隙62)が形成されるように、各耐火物片11b,11c、11dの大きさが決められている。耐火物片層61c,61eの外縁上の大きさは、耐火物片層61a等と同一である。但し、間隙62は耐火物片層61c等の中央を避けた位置に、例えば、幅が45mm、長さが220mmの大きさに形成されている。更に、図17(e)に示すように、耐火物片層61aは、3個の耐火物片12がその長手方向に連なるように配置されている。また、図17(g)に示すように、耐火物片層61gも、3個の耐火物片13がその長手方向に連なるように配置されている。この耐火物片層13は、耐火物片層12よりも幅が短く、図16に示すように、炉体用パネル60の幅方向に2個の耐火物片13を辺縁に沿って配置したときに、これらの耐火物片13間に、別の炉体用パネル60の耐火物片12が嵌合する大きさを有している。また、耐火物片12,13の厚さは、他の耐火物片11a,11b,11c、11dの厚さの1/2の20mmとなっている。
このように構成された炉体用パネル60は、比較的厚い耐火物片11aと,耐火物片11b,11c、11dとをその表面及び裏面で重ね、ほぼ直方体形状に組み立てられて本体部60aとなり、耐火物片11aと、耐火物片11b、11c、11dとの表面及び裏面の重ね合わせ面は、モルタルを塗り、焼き付け処理することにより、接合して、接合面(図1中、太線にて示す)となっている。耐火物片11a、11b、11c、11dの夫々側面同士は、接合せず、非接合面となっている。そして、非接合面及び被接合面と間隙62が上下に整合しないように、各耐火物片11a、11b、11c、11dの大きさが決められている。また、本体部60aの一方の面(上面)の中央には、耐火物片12が接合されて、凸部60bが形成されている。更に、本体部60aの他方の面(下面)の両側縁には、夫々耐火物片13が接合され、これらの耐火物片13の相互間の間隙として凹部60cが形成されている。これらの耐火物片層61aの耐火物片12の相互間(図17(e)参照)及び耐火物片層61gの耐火物片13の相互間(図17(g)参照)も非接合面であり、この非接合面が耐火物片層61b、61fの非接合面と上下に整合しないように、各耐火物片11a、11b、11c、11d,12,13の大きさが決められている。これにより、炉体用パネル60はばらばらになることなく、一体化されたものとなる。なお、耐火物片13間の凹部60cは、下方に隣接する炉体用パネル60の凸部60bが嵌合するのに十分な大きさとなっており、例えば、耐火物片13の厚さが20mmで凹部60cの深さが20mmである場合は、耐火物片12の厚さは21mmであるというように、凸部60bの厚さの方が凹部60cの深さよりも若干大きくなっている。そして、本体部60aと耐火物片13の全体の厚さが炉体用パネル60の厚さWとなる。
図16に示すように、本実施形態の炉体用パネル60は、耐火物片層61bと耐火物片層61dと耐火物片層61fとの相互間に、間隙62を有する耐火物片層61c、61eを挟んで積層し、その下面の両辺縁に沿う位置に夫々耐火物片層61gを配置し、その上面の中央に耐火物片層61aを配置する。そして、上下に隣接する耐火物片同士(耐火物片層の厚さ方向に隣接する耐火物片同士)を接着剤により接合し(図中太線にて示す)、耐火物片の平面に平行の方向に隣接する耐火物片同士は接合せずに、残しておく。つまり、一の耐火物片層においては、耐火物片同士の間は、接合せずにそのまま残しておく。また、図16(a)、(b)に示すように、上層の耐火物片同士が重なる面(接合していない面)と、耐火物片の平面に垂直の方向に重なる下層の耐火物片同士が重なる面又は間隙62の位置とは、不一致となるように、耐火物片の大きさ等が調節されている。このようにして、各層の耐火物片層は、相互に接合していないので、耐火物片同士が接触するか、又は離隔する状態にあり、各耐火物片11a、12,13同士は、第1の間隙で配置され、耐火物片層61c,61eの耐火物片11b,11c、11dの相互間は、間隙62を形成できるだけの大きな間隔で離隔しており、これらの耐火物片11b,11c、11d同士は、第2の間隙で配置されることになる。この第2の間隙の大きさは第1の間隙よりも大きい。なお、第1の間隙としては、築炉時に、通常、耐火物片を隣り合わせに配置すると隣り合う耐火物片は相互に接触した状態になるが、このように接触した状態も含む。
なお、上記図16及び図17に示す炉体用パネル1は、図18(a)の平面図に示すように、凸部60bを構成する3個の耐火物片12が炉体用パネル60の長手方向に連続して並んでいる。この炉体用パネルの外観形状はこれに限らず、例えば、図18(b)の平面図のように、平面視で正方形の耐火物片12と、長方形の耐火物片12とを適長間隔をおいて配置したもの(炉体用パネル64)としても良い。なお、炉体用パネル64のその他の構造は、炉体用パネル60と同様である。本実施形態の炉体用パネルも、築炉方法に応じて、適宜の外観形状をとることができる。
本第2実施形態の炉体用パネル60を使用した築炉方法及び同方法により得られた炉体構造は、第1実施形態の炉体用パネル10を使用した築炉方法及び炉体構造(図6乃至図15)と同様である。即ち、本実施形態の炉体用パネル60,64は、それらの内部に間隙62を有しているが、外観の形状は、基本的には、図1に示す炉体用パネル10及び図2に示す炉体用パネル20と同様であるので、築炉方法及び得られた炉体構造は、これらの炉体用パネル10,20を使用した場合と相違はない。
本実施形態においても、先ず、炉体用パネル60,64を製作する。このとき、耐火物片11a、11b、11c、11d、12,13の表面又は裏面にモルタルを塗って焼き付けする接合処理が行われるが、耐火物片11a、11b、11c、11d、12,13の側面は接合せず、ここに非接合面を設けることにより、熱の伝達を非接合面で防止することができ、熱膨張に起因する炉体用パネル60,64の割れを防止することができる。更に、本実施形態においては、耐火物片11aからなる耐火物片層61b,61d、61fと、耐火物片11b、11c、11dからなる耐火物片層61c、61eとの間に、間隙62からなる空間が形成されているので、この間隙62において、熱の伝達を十分に防止することができ、熱膨張に起因する炉体用パネル60,64の割れを確実に防止することができる。更に、この間隙62からなる空間を設けることにより、炉体用パネル60,64の質量を軽減することができる。これらの炉体用パネル60,64を使用した炉体の築炉作業時には、モルタルの使用及びその焼き付け処理は不要であるので、耐火物の割れ等の問題は生じることがなく、築炉作業性が優れている。
本実施形態においても、長寸の炉体用パネル60,64を横(水平)にして、この上に他の炉体用パネル60,64を積み上げていくことにより築炉できるので、炉体用パネル60,64を積み上げるときの作業性が優れていると共に、この炉体用パネル60,64を積み上げる段数を適宜調整することにより、炉体の高さを任意に設定することができる。そして、炉体用パネル60,64は間隙62を有するため、炉体用パネル10,20よりも軽量であるので、作業員が築炉する際の作業性を一層向上させることができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る炉体用パネルについて説明する。図19(a)はこの他の実施形態に係る炉体用パネル65を示す平面図、図19(b)は図19(a)のB−B線による断面図、図19(c)は正面図である。この炉体用パネル65の耐火物片17は平面視で長方形をなす薄板であり、図20(a)〜(c)に示すように、耐火物片層1a、1c、1eは5枚の耐火物片17aがその短辺方向に連ねて配置されたものである。また、耐火物片18aは図20(d)〜(f)に示すように、平面視で幅が狭い長寸の板状をなし、これらの耐火物片18aが枠状に配置され、縁辺の部分を除く内側に5個の間隙19aが設けられている。そして、これらの耐火物片層1a〜1eを重ねて相互間の重なり面を接合して、炉体用パネル65が形成されている。この炉体用パネル65においては、耐火物片層1b、1dに大きな間隙19aが設けられており、炉体用パネル65内に大きな空間が形成されている。本実施形態の炉体用パネル65も、炉体パネル用パネル60,70と同様に、熱伝導を効果的に抑制することができ、また軽量化を図ることができる。
次に、本発明の更に他の実施形態に係る炉体用パネルについて説明する。図21(a)はこの実施形態に係る炉体用パネル66を示す平面図、図21(b)は図21(a)の右側面図、図21(c)は正面図である。この炉体用パネル66の上層の耐火物片層1aは、図22(a)〜(c)に示すように、6枚の平面視で長方形の薄板からなる耐火物片17bをその長辺方向及び短辺方向に配置したものである。また、上から2層目の耐火物片層1bは図22(d)〜(f)に示すように、細長い耐火物片18b、若干幅広の耐火物片18c及び若干長寸の耐火物片18dが枠状に配置され、耐火物片18c、18d間に細幅の耐火物片18eが配置されていて、縁辺の部分を除く内側に6個の間隙19bが設けられている。この炉体用パネル66においても、耐火物片層1b、1dに大きな間隙19bが設けられており、炉体用パネル66内に大きな空間が形成されている。本実施形態の炉体用パネル66も、炉体パネル用パネル60,70と同様に、熱伝導を効果的に抑制することができ、また軽量化を図ることができる。
これらの炉体用パネル65,66は、突起及び凹部を持たず、全体的に平板状をなす。このような平板状の炉体用パネル65,66は、図6乃至図8に示す炉体又は図11乃至図13に示す炉体の例えば底壁3として使用することができる。
次に、本発明の更に他の実施形態に係る炉体用パネルについて説明する。図23はこの実施形態の炉体用パネル70を示す図であり、図23(a)は正面図、図23(b)は右側面図、図23(c)は平面図である。この炉体用パネル70は、本体部70aは炉体用パネル10の本体部10aと同様に直方体形状をなし、複数個の平板状の耐火物片11をその平面に平行の方向に配置し、その厚さ方向に重ねて構成されている。この本体部70aも本体部10aと同様に、平面に平行な方向に隣接する耐火物片同士は接合せず、厚さ方向に重なる耐火物片同士は接合されている。本実施形態においては、この本体部70aの一面に薄厚の耐火物片12を重ねて接合し、他面に薄厚の耐火物片13を重ねて接合することにより、夫々第1凸部70b及び第2凸部70cが形成されている。耐火物片11、12,13の側壁の相互間は、接合されておらず、これらの境界は、厚さ方向に隣接する耐火物片の層の相互間で、不一致の位置に設けられている。そして、本実施形態においては、耐火物片12及び13は、本体部70aの両面における半分の領域に配置されている。即ち、耐火物片12,13は、本体部70aの平面における幅方向の半分の領域であって、前記平面の長手方向の全域に重なるように配置されている。なお、本実施形態においては、耐火物片12と耐火物片13とはいずれも本体部70aの幅方向の一方の端縁に沿って配置されている。
次に、この炉体用パネル70と、炉体用パネル10,20を使用した築炉方法及び炉体構造について説明する。図24はこの炉体構造を示す右側面断面図、図25は同じくその正面断面図である。本実施形態の築炉方法においては、炉体の側壁2a、2b、2cは、図6乃至図8に示す方法と同様にして、炉体用パネル10,20を使用して構築する。本実施形態においては、この炉体の底壁3及び天井壁4を、炉体用パネル70を使用して構築する。即ち、底壁3は、炉体用パネル70の第1凸部70b及び第2凸部70cを下半部にして床面上に載置し、隣接する炉体用パネル70は第1凸部70b及び第2凸部70bを上半部にして床面上に載置し、第1凸部70bを隣接する炉体用パネル70の第2凸部70cに係合させて、炉体用パネル70を配置していく。このようにして、炉体用パネル70を、第1凸部70b及び第2凸部70cが下半部のもの、第1凸部70b及び第2凸部70cが上半部のもの、第1凸部70b及び第2凸部70cが下半部のものというように配列していき、隣接する炉体用パネル70の第1凸部70b及び第2凸部70cを係合させることにおり、複数個の炉体用パネル70が、上下方向については、相互に支持しあうようになり、全体的に平板状を保持する。同様に、天井壁4についても、炉体用パネル70の第1凸部70b及び第2凸部70cを下半部にして、側壁2の上端面上に架け渡すようにして載置し、隣接する炉体用パネル70は第1凸部70b及び第2凸部70bを上半部にして側壁2の上端面上に架け渡すようにして載置し、第1凸部70bを隣接する炉体用パネル70の第2凸部70cに係合させて、炉体用パネル70を配置していく。これにより、底壁3と同様に、炉体用パネル70が相互間で上下方向に支持しあうことにより、平面状を保持して、炉体天井に配置される。本実施形態においては、例えば、天井壁4については、作業員が、炉体用パネル70を上下関係を交互に逆にして側壁2の上端面上に載置していくだけで、天井壁4を構築できるので、炉体用パネル10,20のように、凸部を凹部に嵌合させつつ、側壁2の上端面上に配置していく場合よりも、構築が容易である。従って、本実施形態の炉体用パネル70は、特に、天井壁4を構築する場合に好適である。
次に,図26を参照して、本発明の他の実施形態に係る炉体用パネル80について説明する。本実施形態は、炉体用パネル80の本体部が5枚の耐火物片11aをその幅方向に並べ、2層の耐火物片11aの層の間に、4枚の短寸の耐火物片11b、11bを配置するものである。そして、この中心層の耐火物片層においては、耐火物片11bと耐火物片11bとの間に、間隙82が形成されている。これにより、本実施形態においても、炉体用パネル60,70と同様に、炉体用パネル自体の軽量化と、熱伝達の抑制による割れ防止とを図ることができる。
図27は本発明の他の実施形態に係る炉体用パネル90を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面断面図、(c)は平面図である。図28(a)、(b)に示す5枚の耐火物片11aをその幅方向に配置し、図28(e)、(f)に示す8枚の耐火物片11cを横方向及び縦方向に並べて配置し、これらの耐火物片11aと耐火物片11cの各層の間に、図28(c)、(d)に示す耐火物片11bの層を挟むことにより、本体部が構築されている。この耐火物片11bは、枠とこの枠内に配置された桟とを構成し、これらの枠及び桟との間に間隙92が形成されている。また、第1凸部及び第2凸部は、夫々、3枚の耐火物片12,13を長手方向に配置して構成されている。これにより、本実施形態においても、炉体用パネル60,70と同様に、炉体用パネル自体の軽量化と、熱伝達の抑制による割れ防止とを図ることができる。
図29は本発明の他の実施形態に係る炉体用パネル100を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面断面図、(c)は平面図である。本実施形態が図27、図28に示す炉体用パネル90と相違する点は、図29(b)及び図30(e)、(f)に示すように、横に並んだ4枚の耐火物片11cと、同じく横に並んだ4枚の耐火物片11cとが、上下に離隔して配置され、両者の間に、間隙が形成されていることにある。これにより、炉体用パネル100はその中心部にも間隙が設けられているため、炉体用耐火物の軽量化及び熱伝達の防止が一層図られている。
2,2a、2b、2c:側壁
2d,2e:開口部枠
3:底壁
4:天井壁
5:開口部
10,20,30,40,50,60,64,65,66,70,80,90,100:炉体用パネル
11,12,13:耐火物片
10a、20a、60a,70a:本体部
10b、20b、60b:凸部
10c、20c、60c:凹部
70a:本体部
70b:第1凸部
70c:第2凸部

Claims (15)

  1. 複数個の板状の耐火物片を、その平面に平行な方向に配置すると共に前記平面に垂直な方向に重ね、前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界が、前記平面に垂直な方向に隣接する耐火物片同士の前記境界とは不一致になるように配置し、前記平面に平行な面同士は接合し、前記平面に平行な方向に隣接する前記耐火物片同士は接合しないことにより、組み立てられた炉体用パネルであって、
    複数個の前記耐火物片の全体から構成される全体形状は、直方体形状をなす本体部と、この本体部の前記平面に平行な面の中央から突出する凸部と、前記本体部における前記凸部が形成された面の反対側の面に前記凸部に対応して形成された凹部とを、有するものであり、
    一の炉体用パネルの前記凸部を他の炉体用パネルの前記凹部に嵌合して、複数個の炉体用パネルが重ね合わされる用途に使用されることを特徴とする炉体用パネル。
  2. 複数個の板状の耐火物片を、その平面に平行な方向に配置すると共に前記平面に垂直な方向に重ね、前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界が、前記平面に垂直な方向に隣接する耐火物片同士の前記境界とは不一致になるように配置し、前記平面に平行な面同士は接合し、前記平面に平行な方向に隣接する前記耐火物片同士は接合しないことにより、組み立てられた炉体用パネルであって、
    前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界は、その少なくとも一部が前記耐火物片同士の接触を含む小さい第1間隙であり、他部が前記第1間隙よりも大きな第2間隙であり、
    複数個の前記耐火物片の全体から構成される全体形状は、直方体形状をなす本体部と、この本体部の前記平面に平行な面の中央から突出する凸部と、前記本体部における前記凸部が形成された面の反対側の面に前記凸部に対応して形成された凹部とを、有するものであり、
    一の炉体用パネルの前記凸部を他の炉体用パネルの前記凹部に嵌合して、複数個の炉体用パネルが重ね合わされる用途に使用されることを特徴とする炉体用パネル。
  3. 複数個の板状の耐火物片を、その平面に平行な方向に配置すると共に前記平面に垂直な方向に重ね、前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界が、前記平面に垂直な方向に隣接する耐火物片同士の前記境界とは不一致になるように配置し、前記平面に平行な面同士は接合し、前記平面に平行な方向に隣接する前記耐火物片同士は接合しないことにより、組み立てられた炉体用パネルであって、
    複数個の前記耐火物片の全体から構成される全体形状は、直方体形状をなす本体部と、この本体部の前記平面に平行な面の半分の領域から突出する第1凸部と、前記本体部における前記第1凸部が形成された面の反対側の面の半分の領域から突出する第2凸部とを、有するものであり、
    一の炉体用パネルの前記第1凸部を他の炉体用パネルの前記第1凸部又は前記第2凸部に係合させて、複数個の炉体用パネルが重ね合わされる用途に使用されることを特徴とする炉体用パネル。
  4. 複数個の板状の耐火物片を、その平面に平行な方向に配置すると共に前記平面に垂直な方向に重ね、前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界が、前記平面に垂直な方向に隣接する耐火物片同士の前記境界とは不一致になるように配置し、前記平面に平行な面同士は接合し、前記平面に平行な方向に隣接する前記耐火物片同士は接合しないことにより、組み立てられた炉体用パネルであって、
    前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界は、その少なくとも一部が前記耐火物片同士の接触を含む小さい第1間隙であり、他部が前記第1間隙よりも大きな第2間隙であり、
    複数個の前記耐火物片の全体から構成される全体形状は、直方体形状をなす本体部と、この本体部の前記平面に平行な面の半分の領域から突出する第1凸部と、前記本体部における前記第1凸部が形成された面の反対側の面の半分の領域から突出する第2凸部とを、有するものであり、
    一の炉体用パネルの前記第1凸部を他の炉体用パネルの前記第1凸部又は前記第2凸部に係合させて、複数個の炉体用パネルが重ね合わされる用途に使用されることを特徴とする炉体用パネル。
  5. 前記耐火物片は、前記平面に平行な方向に配置されたものが耐火物片層を構成し、この耐火物片層が複数層重ねられて前記炉体用パネルが構成されており、
    前記第2間隙は、前記耐火物片層の1層おきに設けられていることを特徴とする請求項2又は4に記載の炉体用パネル。
  6. 複数個の板状の耐火物片を、その平面に平行な方向に配置すると共に前記平面に垂直な方向に重ね、前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界が、前記平面に垂直な方向に隣接する耐火物片同士の前記境界とは不一致になるように配置し、前記平面に平行な面同士は接合し、前記平面に平行な方向に隣接する前記耐火物片同士は接合しないことにより、組み立てられた炉体用パネルであって、
    前記平面に平行な方向に隣接する耐火物片の境界は、その少なくとも一部が前記耐火物片同士の接触を含む小さい第1間隙であり、他部が前記第1間隙よりも大きな第2間隙であることを特徴とする炉体用パネル。
  7. 前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の炉体用パネルを複数個使用して構築され、
    前記炉体用パネルが前記凸部及び前記凹部を有する場合は、一の炉体用パネルの前記凸部を他の炉体用パネルの前記凹部に嵌合して前記複数個の炉体用パネルを重ね合わせ、又は前記炉体用パネルが前記第1凸部及び前記第2凸部を有する場合は、一の炉体用パネルの前記第1凸部を他の炉体用パネルの前記第1凸部若しくは第2凸部に係合させて前記複数個の炉体用パネルを重ね合わせることにより、炉体の側壁,底壁及び天井壁の少なくともいずれかが構築されていることを特徴とする炉体構造。
  8. 前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の高さ方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを積み上げて、炉体の前記側壁が構築されていることを特徴とする請求項7に記載の炉体構造。
  9. 前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の奥行き方向又は幅方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを炉体の奥行き方向又は幅方向に重ねて、炉体の前記側壁が構築されていることを特徴とする請求項7に記載の炉体構造。
  10. 前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の奥行き方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを炉体の奥行き方向に重ねて、炉体の前記底壁及び前記天井壁が構築されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の炉体構造。
  11. 前記天井壁を構成する前記炉体用パネルは、その本体部の中心に、補強用心棒が挿入されていることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の炉体構造。
  12. 前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の炉体用パネルを複数個用意し、前記炉体用パネルが前記凸部及び前記凹部を有する場合は、一の炉体用パネルの前記凸部を他の炉体用パネルの前記凹部に嵌合して前記複数個の炉体用パネルを重ね合わせ、又は前記炉体用パネルが前記第1凸部及び前記第2凸部を有する場合は、一の炉体用パネルの前記第1凸部を他の炉体用パネルの前記第1凸部若しくは第2凸部に係合させて前記複数個の炉体用パネルを重ね合わせることにより、炉体の側壁、底壁及び天井壁の少なくともいずれかを構築することを特徴とする築炉方法。
  13. 前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の高さ方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを積み上げて、炉体の前記側壁を構築することを特徴とする請求項12に記載の築炉方法。
  14. 前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の奥行き方向又は幅方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを炉体の奥行き方向又は幅方向に重ねて、炉体の前記側壁を構築することを特徴とする請求項12に記載の築炉方法。
  15. 前記炉体用パネルの前記凸部及び前記凹部又は前記第1凸部及び第2凸部を炉体の奥行き方向に向けて前記炉体用パネルを配置し、この状態で、複数個の炉体用パネルを炉体の奥行き方向に重ねて、炉体の前記底壁及び前記天井壁を構築することを特徴とする請求項13又は14に記載の築炉方法。
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