JP6358215B2 - 連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法及び装置、該表面欠陥判定方法を用いた鋼片の製造方法 - Google Patents

連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法及び装置、該表面欠陥判定方法を用いた鋼片の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋳型に溶鋼を吐出して該鋳型の下端から鋳片を引き抜くことにより連続して鋼片を製造する連続鋳造に関し、特に、鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法及び装置、該表面欠陥判定方法を用いた鋼片の製造方法に関する。
従来、連続鋳造用鋳型に複数の熱電対を設置して、操業トラブルや品質異常を検知することが行われている。
例えば、特許文献1や2では、鋳型の湯面近傍に3段(行)の熱電対を設置し、凝固シェル厚が10mm程度になる鋳型範囲における温度測定値から鋳型内の溶鋼流動を予測し、表面欠陥の起因となる介在物や気泡の存在有無を判定する方法が開示されている。
また、特許文献3や4では、同様に鋳型に熱電対を設置して、温度測定値から鋳片の縦割れを検知する方法が開示されている。
さらに、特許文献5では、多数(多種類)の操業データを少数(少種類)の変数(特徴量と称する)で表現できるように変換し、その代表値となる特徴量と品質データとの対応についての実績データベースを用いて製品品質を予測する技術が開示されている。
特開2011−11258号公報 特開2012−66278号公報 特開2011−206810号公報 特開2011−522704号公報 特許第5169096号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
特許文献1や2に開示された方法では、鋳型に設置された熱電対から間接的にスラブ温度を測定しても、溶鋼内部温度を予測し、さらには溶鋼流動を予測することは実際には難しい。また、たとえうまく予測できたとしても、実際のスラブ表面欠陥は、気泡や介在物など溶鋼流動の異常によるものだけでなく、例えばフラックスの巻込み(噛込み)や流れ落ちといった不均一流入、オシレーション割れ、或いは鋳型直下の冷却異常による冷却斑などに起因するものも多いのが事実であり、これらの発生をスラブ温度測定から予測するのは困難である。
特許文献3は、鋳型幅方向の温度分布を数値処理し、ある閾値を超えるものを温度分布異常として検出する方法であるが、この方法では縦割れの検知は出来ても、他の表面欠陥の原因となる異常の検知は難しい。また鋳型幅方向の温度分布は重要な情報であるが、実際には鋳型内の浸漬ノズルの深さ変更や、特に電磁制御している場合等においては内部の溶鋼流動が複雑かつ非対称になるため、温度分布異常を誤検知しやすい。
特許文献4は、割れのない状態で求めた温度測定値に基づいて、鋳型内に配置される熱電対によって測定された実際の温度値を計算に入れて、縦割れのブレークアウトが生じるリスクの統計的評価を行うものであるが、実際の製造現場では、溶鋼温度(出鋼温度)の違い(ばらつき含め)や、操業中における浸漬ノズルや鋳造速度等の連続的な変化があるため、リファレンスとなる「割れのない状態で求めた温度測定値」との数値的比較評価は難しい。
特許文献5は、データベースを用いた製品品質予測技術であるが、データベースの保管・管理・読出しのための設備や制御システムが必要となり、設備投資費の高騰化が懸念される。また、特許文献5の実施例では、鋳型銅板温度を用いた製品品質予測例が提示されているが、品質予測に必要な銅板温度データ数(銅板に埋設する熱電対の本数)に関する言及や、欠陥発生位置の特定はされていない。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、連続鋳造で製造された鋳片又は鋼片における表面欠陥の発生の有無及びその発生位置を判定する、連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法及び装置と、該表面欠陥判定方法を用いた鋼片の製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法は、鋳型の長辺面銅板に埋設した測温素子の測温データを取得し、該測温データに基づいて鋳片における表面欠陥発生の有無を判定するものであって、前記長辺面銅板に埋設する前記測温素子の配置を、鋳造方向については、最上段の前記測温素子の位置を湯面制御レベルから下方に200mm以内、最下段の前記測温素子の位置を湯面制御レベルから下方に500mm以上離れた位置、隣り合う前記測温素子間の間隔を250mm以下、段数を4段以上とし、鋳型幅方向については、前記鋳型の短辺面銅板に最も近い位置に埋設された前記測温素子の位置を前記長辺面銅板と前記短辺面銅板の交線から鋳型幅中央に向かう方向に沿って250mm以内、隣り合う前記測温素子間の間隔を200mm以下、列数を8列以上とし、上記のように配置された前記測温素子の測温データを所定の時間間隔で取得する測温データ取得工程と、該測温データ取得工程で前記長辺面銅板毎に取得された前記測温データの各時間における平均値を算出し、該平均値に基づいて前記測温データを規格化する測温データ規格化工程と、該測温データ規格化工程で規格化された前記測温データの主成分分析を行う主成分分析工程と、該主成分分析工程で算出された主成分スコアの頻度分布を作成し、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差を求める頻度分布作成工程と、該主ピーク及び標準偏差に基づいて、前記鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する表面欠陥発生判定工程とを備えたことを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、最下段の前記測温素子の位置は、湯面制御レベルから鋳造方向に900mm以内とすることを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記表面欠陥発生判定工程は、前記頻度分布における主ピークの主成分スコアの絶対値が前記頻度分布の標準偏差を超えた場合、前記鋳片において表面欠陥の発生有りと判定することを特徴とするものである。
(4)本発明に係る連続鋳造鋳片の表面欠陥判定装置は、鋳型の長辺面銅板に埋設した測温素子の測温データを取得し、該測温データに基づいて鋳片における表面欠陥発生の有無を判定するものであって、前記長辺面銅板に埋設する前記測温素子の配置を、鋳造方向については、最上段の前記測温素子の位置を湯面制御レベルから下方に200mm以内、最下段の前記測温素子の位置を湯面制御レベルから下方に500mm以上離れた位置、隣り合う前記測温素子間の間隔を250mm以下、段数を4段以上とし、鋳型幅方向については、前記鋳型の短辺面銅板に最も近い位置に埋設された前記測温素子の位置を前記長辺面銅板と前記短辺面銅板の交線から鋳型幅中央に向かう方向に沿って250mm以内、隣り合う前記測温素子間の間隔を200mm以下、列数を8列以上とし、上記のように配置された前記測温素子の測温データを所定の時間間隔で取得する測温データ取得手段と、該測温データ取得手段で前記長辺面銅板毎に取得された前記測温データの各時間における平均値を算出し、該平均値に基づいて前記測温データを規格化する測温データ規格化手段と、該測温データ規格化手段で規格化された前記測温データの主成分分析を行う主成分分析手段と、該主成分分析手段で算出された主成分スコアの頻度分布を作成し、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差を求める頻度分布作成手段と、該主ピーク及び標準偏差に基づいて、前記鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する表面欠陥発生判定手段を備えたことを特徴とするものである。
(5)上記(4)に記載のものにおいて、最下段の前記測温素子の位置は、湯面制御レベルから鋳造方向に900mm以内とすることを特徴とするものである。
(6)上記(4)又は(5)に記載のものにおいて、前記表面欠陥発生判定手段は、前記頻度分布における主ピークの主成分スコアの絶対値が前記頻度分布の標準偏差を超えた場合、前記鋳片において表面欠陥の発生有りと判定することを特徴とするものである。
(7)本発明に係る鋼片の製造方法は、上記(1)乃至(3)に記載の連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法を用いたものであって、
前記鋳片を所定長さの鋼片に切断する切断工程を有し、
前記表面欠陥発生判定工程において表面欠陥の発生有りと判定された場合は、該表面欠陥の発生有りと判定された部位を有する鋼片の表面に手入れを施す手入れ工程とを備えたことを特徴とするものである。
本発明においては、鋳型の長辺面銅板内の鋳造方向及び鋳型幅方向の比較的広い範囲に埋設した測温素子の測温データを取得する測温データ取得工程と、該取得された測温データの平均値を鋳型の長辺面銅板毎に算出し、該平均値を用いて前記各測温データを規格化する測温データ規格化工程と、該測温データ規格化工程で規格化された前記測温データの主成分分析を行う主成分分析工程と、該主成分分析工程で算出された主成分スコアの頻度分布を作成し、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差を求める頻度分布作成工程と、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差に基づいて、前記鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する表面欠陥発生判定工程とを備えたことにより、種々条件で鋳造された鋳片に対して溶鋼流動の異常に起因する介在物や気泡の存在、フラックスの不均一流れ込み(パウダー巻込み・噛み込み等)や冷却斑といった鋳片自体又は製品における表面欠陥発生の有無の判定及びその発生位置の特定を的確に行うことができるようになる。
これにより、鋳造後の前記鋳片から切断された鋼片に対する表面手入れの要否や引当てグレードの変更を効率良く行うことが可能となる。
本発明の実施の形態に係る連続鋳造鋳片の表面欠陥判定装置の説明図である。 本発明の実施の形態に係る主成分スコアの分布の結果である。 本発明の実施の形態に係る熱電対の配置例の説明図である。 本発明の実施の形態に係る主成分スコアの頻度分布の説明図である(その1)。 本発明の実施の形態に係る主成分スコアの頻度分布の説明図である(その2)。 本発明の実施の形態に係る連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法、該表面欠陥判定方法を鋼片の製造方法のフローチャートである。
本発明の実施の形態に係る連続鋳造鋳片の表面欠陥判定装置1(以下、単に表面欠陥判定装置1という)は、図1に示すように、鋳型3の長辺面銅板3a内の鋳造方向及び鋳型幅方向に埋設された熱電対5と、熱電対5の測温データを取得して主成分分析を行い、鋳片(図示なし)における表面欠陥発生の有無を判定するための演算装置10を備えている。
以下、本実施の形態に係る熱電対5の配置及び演算装置10の構成について説明するに前に、まず、本実施の形態に係る測温データの主成分分析の概要を説明する。
<主成分分析について>
主成分分析とは、多くの観測変数から特徴を表す新たな変数を合成する統計的解析手法であり、本願発明のように多くの測温データにおける特異点を見出すのに適した手法である。測温データの時系列情報に対して主成分分析を行うと、複数の基底及び基底係数が求められる。
主成分分析の解析手法について、鋳型3の長辺面銅板3aに埋設した熱電対5の本数が100本、すなわち、100点の測定地点において得られる温度の時系列データに対して主成分分析を行う場合を例として説明する。
1秒間隔で100本の熱電対5から測温データを取得する場合、t秒間分の温度の時系列データXは下式(1)のように表すことができる。式(1)において、Tは温度を表し、下付き数字は熱電対番号、上付き数字は時間を表す。
温度の時系列データXに対し、主成分分析により例えば3つの基底を計算した場合、下式(2)に示す3種類の100次元ベクトルy1、y2及びy3が得られる。この基底1〜基底3は、温度の時系列データXを表現するための代表的なパターン(時間に対する値の変化)であり、これら3つの基底それぞれに重み付けをして組み合わせることによって温度の時系列データXを表現しようとするものである。
このy1、y2、y3を「基底」と称する。
主成分分析においては、基底1〜基底3に対してt秒間分の温度の時系列データ(X1、X2〜Xt)毎に基底係数ai jが計算される。基底係数ai jとは、上述の基底1〜基底3への重み付けの値である。
基底1〜基底3それぞれに対する基底係数ai jを用いることで、温度の時系列データのパターン(時間に対する値の変化する形態)を特徴づけることが可能となり、特異点を抽出することができるようになる。
式(1)で表される温度の時系列データXは、基底1〜基底3(y1、y2、y3)と基底係数ai jを用いて下式(3)で近似できる。
実際の主成分分析については、汎用の統計解析ソフトを用いることで測定と同時に解析を行い、基底係数をリアルタイムに算出することが可能である。
なお、以降の説明において、基底1〜基底3を「第1主成分」〜「第3主成分」、基底係数を「主成分スコア(主成分得点)」と表記する。
なお、主成分分析において測定された温度の時系列データをそのまま入力するだけでは、前述したように、実際の製造現場では溶鋼温度(出鋼温度)に違い(ばらつき含む)があること、浸漬ノズル深さや鋳造速度等の操業条件が鋳造中に連続的に変化すること、等があるため、主成分スコアの値により欠陥発生を判定するにあたっては、リファレンス(基準)となる値と比較して主成分スコアの値を評価することは難しい。そのため、測温データを規格化した後に主成分分析を行うことが望ましい。
さらに、本願発明は、連続鋳造で製造された鋳片又は該鋳片から切断された鋼片における表面欠陥発生の判定(検知)技術として、鋳型3の長辺面銅板3aに埋設された熱電対5により取得された測温データの主成分分析を行うものである。
そこで、該主成分分析(基底)の物理的解釈を、鋳型3の長辺面銅板3aに埋設した熱電対5の配列は、列数をA列〜P列までの16列、段数を5段とし、該配列の熱電対5により取得された測温データの主成分分析を行った場合を例として、以下に説明する。
図2に、上記配列の熱電対5から測温データを取得し、該測温データについて主成分分析を行って得られた主成分形状の分布を示す。
図2より、第1主成分形状の分布は鋳型内部の温度分布、第2主成分形状の分布は浸漬ノズルから吐出された溶鋼の鋳型3内における拡散状態、第3主成分形状の分布は鋳型3内における溶鋼流動に対する浸漬ノズルからの吐出流と電磁流動制御との干渉状態を表していると考えられる。
すなわち、鋳型3内における溶鋼流動の異常やフラックスの巻き込み(噛込み)、流れ落ちといった不均一流入、オシレーション割れあるいは鋳型3直下の冷却異常による冷却斑等に起因する表面欠陥を、主成分形状(基底)に係る主成分スコアの変動として捉えることが可能であることが示唆される。
<熱電対の配置について>
鋳型3の長辺面銅板3a内の鋳造方向及び鋳型幅方向に埋設する熱電対5の好適な配置について、鋳造方向、鋳型幅方向のそれぞれの方向毎に精査した。その結果、以下に示す知見(知見i〜知見vi)を得た。以下、各知見について順に説明する。
≪鋳造方向の配置≫
熱電対5の鋳造方向に配置する範囲及び間隔について以下の知見が得られた(知見i、知見ii、知見iii)。なお、以下の説明において「位置」とは、湯面制御レベルを基点とした鋳造方向の位置を表しており、湯面制御レベルとは、タンディッシュから溶鋼を鋳型3に注入する際、注入量制御の目標とする湯面レベルのことである。
湯面制御レベルから鋳造方向に200mmまでの範囲では鋳片に表面欠陥が発生しやすく、熱電対5の最上段の位置が湯面制御レベルから200mmの範囲外にある場合、鋳片の極表層における鋳造欠陥の発生を見落とすケースが見られた。従って、熱電対5の最上段位置は、湯面制御レベルから200mmの範囲内、より好ましくは湯面制御レベルから180mmの範囲内とすることが望ましい(知見i-1)。
熱電対5の最下段位置については、湯面制御レベルから500mmより下方であれば、浸漬ノズルからの吐出流による溶鋼流動を十分に捉えることができ、かつ、製品の表面欠陥の原因となる鋳造欠陥(介在物、気泡)のうち、鋳片表面から8〜12mm程度の深い位置での構造欠陥の発生を見逃すことはない。従って、熱電対5の最下段位置の上限は湯面制御レベルから500mmより下方とすることが望ましい(知見i-2)。
もっとも、熱電対5の最下段位置の下限を湯面制御レベルから900mmまでの範囲内とすることが望ましい(知見i-3)。この理由は以下のとおりである。
湯面制御レベルから900mm以上の位置においては既に凝固シェルが十分に形成されており、この位置において表面欠陥の起因となるモールドパウダーや脱酸生成物を補足しても鋳片温度に反映されにくいこと、及び湯面制御レベルから900mmより下方の位置で捉えられたモールドパウダーや脱酸生成物は比較的鋳片内部にあるので、圧延されても表面欠陥となりにくいことが考えられる。
従って、熱電対5の最下段位置の下限は900mmとすることが望ましい。つまり、湯面制御レベルから鋳造方向に900mmの範囲に熱電対5を埋設すれば足り、それより下方に熱電対5を埋設することは、鋳型3直下の冷却異常を検知するのに有効な場合はあるものの、鋳片に発生した表面欠陥の検知という観点からは必ずしも必要ではなく、仮に900mmより下方に熱電対5を埋設しても熱電対コストの増加及びデータ処理の負荷増加を招くのみである。
上記の知見(i-1)〜知見(i-3)より、熱電対5を鋳造方向に配置する範囲は、最上段を湯面制御レベルから200mmまでの範囲内、最下段を500mmから900mmの範囲内とすることが望ましい(知見i)。
熱電対5を鋳造方向に配置する間隔としては、前記湯面制御レベルを基点として、鋳造方向に50mmから900mmの範囲内に熱電対5を配置する間隔が250mm以下であれば、表面欠陥を十分に判定できることが明らかとなった(知見ii)。熱電対5を配置する間隔が250mmより大きくなると、ヘゲ発生の挙動を見落とすケースが見られた。
熱電対5を鋳造方向に配置する段数については、熱電対5の測温データを主成分分析するにあたって十分な解析対象データ数を確保する観点から、4段以上とすることが望ましい(知見iii)。
≪鋳型幅方向の配置≫
上記の熱電対5の鋳造方向の配置と同様に、熱電対5を鋳型幅方向に配置する範囲、間隔及び列数について検討した。その結果、以下の知見(知見iv、知見v及び知見vi)が得られたので、順に説明する。
まず、長辺面銅板3aの鋳型幅方向において短辺面銅板3bに最も近い位置に配置される熱電対5は、短辺面銅板3bと長辺面銅板3aの交線から鋳型幅方向に250mm以下の範囲にあることが望ましく、より好ましくは240mm以下の範囲にあることが望ましい(知見iv)。
当該範囲に熱電対5が配置されていない場合、短辺面銅板3b近傍における鋳造欠陥発生の挙動を見落とすケースが見られた。
連続鋳造においては、製品の要求寸法に応じて鋳造幅を変更して操業することが行われている。今回調査した操業条件における鋳造幅は概ね700mm〜2100mmであったが、この場合、鋳型幅方向における熱電対5の間隔が200mm以下、より好ましくは180mm以下であれば、表面欠陥発生の有無を十分に判定できることが分かった(知見v)。
鋳型幅方向に熱電対5を配置する間隔が200mmより大きくなると、ヘゲ発生の挙動を見落とすケースが見られた。
鋳型幅方向に配置する熱電対5の列数に関しては、8列より少なくなると、主成分分析を行う際に解析対象データの元となる測温データを十分に確保できなくなったため、鋳型幅方向に配置する熱電対5の列数は8列以上とすることが望ましい(知見vi)。
図3に、長辺面銅板3aに埋設した熱電対5の配置例を示す。図3において、鋳造方向における熱電対5の配置は、最上段位置が湯面制御レベルから50mm、最下段位置が湯面制御レベルから850mm、隣り合う熱電対5の間隔が120mm〜170mm、段数が7段であり、鋳型幅方向における熱電対5の配置は、短辺面銅板3bに最も近い熱電対5の位置が250mm、隣り合う熱電対5の間隔が133mm、列数がA列〜P列までの16列である。従って、鋳造方向と鋳型幅方向ともに、熱電対5の配置は上記知見i〜知見viを満たすものである。
なお、熱電対5は、長辺面銅板3aの鋳型フレーム(図示なし)に接触する面から溶鋼に接触する面に向かって穿孔し、穿孔した先端底部に熱電対5の温接点が接触するように埋設される。図3に示す配置例においては、前記先端底部から長辺面銅板3aの溶鋼に接触する面までの距離は15mmである。
なお、本実施の形態では、測温素子として熱電対5を用いているが、例えば、光ファイバー方式のセンサー等、温度を正確に測定できるものであればどのような方式の測温素子でも問題はない。
<演算装置の構成>
演算装置10は、PC等のコンピュータによって構成され、長辺面銅板3aに埋設された熱電対5の測温データを取得する測温データ取得手段11と、該取得された測温データを規格化する測温データ規格化手段13と、該規格化された測温データの主成分分析を行う主成分分析手段15と、主成分分析手段15で算出された主成分スコアの頻度分布を求め、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差を求める頻度分布作成手段17と、該主ピーク及び標準偏差に基づいて、前記鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する表面欠陥発生判定手段19とを備えている。
≪測温データ取得手段≫
測温データ取得手段11は、長辺面銅板3aに埋設された熱電対5(図1参照)からの測温データを所定の時間間隔で取得する手段である。
本実施の形態において、前記測温データを取得する所定の時間間隔は、1秒以上30秒以下の間隔であることが望ましい。この理由は次の通りである。温度変動を検知するには、1秒以上30秒以下でも十分であり、1秒よりも短い間隔で温度を取得する場合には、鋳型振動等の外乱の影響を拾いやすくなる。また、30秒を超える間隔での測定では異常発生による温度変動を見落とすリスクが高まる。
≪測温データ規格化手段≫
測温データ規格化手段13は、測温データ取得手段11で取得された測温データの長辺面銅板3aのうち片面毎の平均値を各時間において算出し、前記各測温データから当該平均値を差し引くことにより前記各測温データを規格化するものである。
このように前記測温データを規格化することによって、測温データのバイアスが除去され、各熱電対位置における温度の相対変化が得られる。
≪主成分分析手段≫
主成分分析手段15は、測温データ規格化手段13により規格化された測温データの主成分分析を行って、主成分と主成分スコアを算出する手段である。主成分分析手段15には、例えば、汎用の統計解析ソフトを用いることができ、測温データ取得手段11による測温データの取得と同時に主成分分析を行うことで、主成分と主成分スコアをリアルタイムに算出することが可能である。
≪頻度分布作成手段≫
頻度分布作成手段17は、主成分分析手段15により算出された主成分スコアの頻度分布を作成し、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差を求める手段である。
ここで、作成した頻度分布においては、2つ以上のピークが観測される場合もある。そこで、頻度分布作成手段17は、作成した頻度分布において観測された2つ以上のピークのうち、ピーク高さが最も高いピークを主ピークをとし、該主ピークにおける主成分スコアの値を求める。
したがって、頻度分布作成手段17により、測温データの時系列データについて主成分分析された主成分スコアについて頻度分布が作成され、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差が求められるが、本実施の形態では、過去、即ち直近のチャージで鋳造速度Vc等の変動がない定常時における30秒間以上のデータから求める。
例えば、測定間隔が5秒、定常時が30秒間であれば、当該30秒の間に求められた6個の標準偏差から平均値を算出すれば良く、より好ましくは、スラブ1本分に相当する定常部の通過時間分における標準偏差の平均値を求めることが望ましい。
このように求められた標準偏差の平均値は、後述するように、表面欠陥発生の判定を行うための基準として用いることができる。
≪表面欠陥発生判定手段≫
表面欠陥発生判定手段19は、頻度分布作成手段17により求められた主成分スコアの頻度分布の主ピーク及び標準偏差に基づいて前記鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する手段である。
具体的には、前記頻度分布の標準偏差の平均値(以下、単に「標準偏差」という)をσとし、前記頻度分布における主ピークの主成分スコアの絶対値が前記頻度分布の標準偏差σ以下の場合、すなわち、前記頻度分布における主ピークの主成分スコアが標準偏差±σの範囲(-σ以上+σ以下)にある場合、前記鋳片において表面欠陥の発生は「無」と判定する。これに対し、前記頻度分布における主ピークの主成分スコアの絶対値が標準偏差σを超えた場合、すなわち、前記標準偏差の範囲(-σ以上+σ以下)にない場合、前記鋳片において表面欠陥の発生は「有」と判定する。
以下、図4及び図5に示すような主成分スコアの頻度分布を例として、表面欠陥発生判定手段19による表面欠陥発生の判定について説明する。なお、図4及び図5に示す頻度分布の標準偏差はσと記すものとする。
図4に、表面欠陥発生「無」と判定する主成分スコアの頻度分布の例を示す。
図4(a)は、1つの主ピークが観測される頻度分布であり、該主ピークにおける主成分スコアの値は、前期標準偏差の範囲(-σ以上+σ以下)にある。この場合、表面欠陥の発生は「無」と判定する。
図4(b)は、主ピークともう1つのピークが観測される頻度分布であり、どちらのピークとも、主成分スコアの値は前記標準偏差の範囲(-σ以上+σ以下)にある。この場合、表面欠陥の発生は「無」と判定する。
図4(c)は、主ピークともう1つのピークが観測される頻度分布であり、ピーク高さの低いピークにおける主成分スコアの値は+σを超えているが、ピーク高さの高い主ピークにおける主成分スコアの値は前記標準偏差の範囲(-σ以上+σ以下)にある。この場合、表面欠陥の発生は「無」と判定する。
図5に、表面欠陥発生「有」と判定する主成分スコアの頻度分布の例を示す。
図5(a)は、2つのピークが観測される頻度分布であり、ピーク高さが低いピークにおける主成分スコアの値は前記標準偏差の範囲内(-σ以上+σ以下)にあるが、ピーク高さの高い主ピークにおける主成分スコアの値が-σ未満である。この場合、表面欠陥の発生は「有」と判定する。
図5(b)は、2つのピークが観測される頻度分布であり、どちらとも、主成分スコアの値は前記標準偏差の範囲(-σ以上+σ以下)にない。この場合、表面欠陥の発生は「有」と判定する。
なお、主成分スコアの頻度分布において3つ以上のピークが観測された場合においては、これらのピークの中からピーク高さが一番高いものを主ピークとし、該主ピークの主成分スコアが前記標準偏差の範囲内(-σ以上+σ以上)にあるかどうかで表面欠陥発生の有無を判定すれば良い。
表面欠陥発生の判定においては、少なくとも第2主成分以上の主成分スコアを以って判定することが望ましく、第3主成分スコアまで判定に用いることがより好ましい。
また、上記の説明において、表面欠陥発生判定手段19は、第1主成分〜第3主成分までの主成分スコアのうちいずれか1つの主成分スコアについて、該主成分スコアの頻度分布における主ピークの主成分スコアが前記標準偏差の範囲(-σ以上+σ以下)から外れた場合に、前記中編に表面欠陥「有」と判定するものであるが、第1主成分〜第3主成分までの主成分スコアのうち2つ以上の主成分スコアを表面欠陥発生の判定対象としてもよい。
すなわち、定常状態において、第1主成分〜第3主成分のうち2つ以上の主成分スコアの頻度分布における主ピークの主成分スコアが前記標準偏差の範囲(-σ以上+σ以下)にない場合、前記鋳片に表面欠陥「有」と判定するものであってもよい。
さらに、上記の説明は標準偏差の平均値を表面欠陥発生の有無を判定する基準とするものであったが、測定時間毎に求めた標準偏差の値を用いて表面欠陥発生の有無を判定するものであってもよい。
≪記憶装置、記録・出力装置≫
表面欠陥発生判定手段19により得られた判定結果は、メモリ等の記憶装置に格納及び/又はモニター、ディスプレイ又はプリンター等の記録・出力装置を介して出力される。
当該出力された判定結果に基づいて前記鋳片から切断された鋼片は検品され、必要とあれば該鋼片に対して手入れ等の処置が施され、次工程、例えば熱間圧延や冷間圧延等を施す工程へと搬送される。
従って、この判定結果の出力に基づいて、鋳造後の鋳片から切断された鋼片に対する手入れの要否や引当てグレードの変更を効率良く行うことが可能となる。
ここで、鋼片に対する手入れとしては、例えば、スカーフマシーンやグラインダー等による鋼片表面の欠陥除去が挙げられる。軽微な欠陥に関しては、この手入れ処理後、次工程へと搬送される。
一方、表面欠陥発生判定手段19により、頻度分布の主ピーク及び標準偏差に基づいて表面欠陥の発生「無」と判定された場合、上記手入れせずに鋼片を次工程へと搬送することが可能となる。
上記のように、主成分スコアの頻度分布の主ピーク及び標準偏差σを求め、主ピークとなる主成分スコアの値が標準偏差±σの範囲(-σ以上+σ以下)にない場合、欠陥発生「有」と判定することで、鋳片から切断された鋼片の手入れによって救済可能な比較的軽微な欠陥や、製品として成立が困難な重篤な欠陥のいずれもが高い検知率で網羅されて判定できる。
さらに、表面欠陥の発生有りと判定されたチャージに対しては、鋳造条件の変更を施すフィードバック制御により、これ以降に製造された鋳造鋳片に欠陥が発生するのを未然に防止することも可能となる。
なお、この点に関する具体的な方法の一例については、後述する実施の形態2において説明する。
以上のように構成された表面欠陥判定装置1を用いた連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法(以下、単に「表面欠陥判定方法」という場合がある)、及び、該表面欠陥判定方法を用いた鋼片の製造方法について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
本実施の形態に係る表面欠陥判定方法は、図6に示すように、長辺面銅板3aに埋設された熱電対5によって測定された鋳型3の測温データを取得する測温データ取得工程S1と、該取得された測温データを規格化する測温データ規格化工程S3と、該規格化された測温データの主成分分析を行う主成分分析工程S5と、主成分分析工程S5で算出された主成分スコアの頻度分布を作成し、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差を求める頻度分布作成工程S7と、該主ピーク及び標準偏差に基づいて、前記鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する表面欠陥発生判定工程S9とを備えている。
以下、表面欠陥判定装置1の動作と共に、各工程について説明する。
≪測温データ取得工程≫
測温データ取得工程S1は、測温データ取得手段11を用いて長辺面銅板3aに埋設した熱電対5からの測温データを所定の時間間隔で取得する工程である。
測温データを取得する時間間隔は1秒以上30秒以下が望ましい。
≪測温データ規格化工程≫
測温データ規格化工程S3は、測温データ規格化手段13を用い、測温データ取得工程S1で取得された測温データから各鋳造時間における長辺面銅板3a毎の平均値を算出し、各測温データと当該平均値との差を算出することで各測温データを規格化する工程である。
≪主成分分析工程≫
主成分分析工程S5は、主成分分析手段15を用い、測温データ規格化工程S3で規格化された各測温データの主成分分析を行い、各測温データの主成分と主成分スコアを算出する工程である。
≪頻度分布作成工程S7≫
頻度分布作成工程S7は、頻度分布作成手段17を用い、主成分分析工程S5で算出された主成分スコアの頻度分布を作成し、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差を求める工程である。
頻度分布作成工程S7において作成される頻度分布には、2つ以上のピークが存在する場合がある。そこで、頻度分布作成構成S7は、作成した頻度分布において観測された2つ以上のピークのうち、ピーク高さが最も高いピークを主ピークをとし、該主ピークにおける主成分スコアの値を求めるものとする。
≪表面欠陥発生判定工程≫
表面欠陥発生判定工程S9は、表面欠陥発生判定手段19を用い、頻度分布作成工程S7において求められた主成分スコアの頻度分布の主ピーク及び標準偏差に基づいて前記鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する工程である。
具体的には、前記頻度分布の標準偏差σとし、前記頻度分布における主ピークの主成分スコアの絶対値が前記頻度分布の標準偏差σ以下の場合、すなわち、前記頻度分布における主ピークの主成分スコアが標準偏差±σの範囲(-σ以上+σ以下)にある場合、前記鋳片において表面欠陥の発生は「無」と判定される。これに対し、前記頻度分布における主ピークの主成分スコアの絶対値が標準偏差σを超えた場合、すなわち、前記標準偏差の範囲(-σ以上+σ以下)にない場合、前記鋳片において表面欠陥の発生は「有」と判定される。
表面欠陥発生判定工程S9においては、少なくとも第2主成分以上の主成分スコアを以って判定することが望ましく、第3主成分スコアまで判定に用いることがより好ましい。
また、上記の説明は、第1主成分〜第3主成分までの主成分スコアのうちいずれか1つの主成分スコアについて、該主成分スコアの頻度分布における主ピークの主成分スコアが標準偏差の範囲(-σ以上+σ以下)にない場合に、鋳片に表面欠陥「有」と判定されるものであったが、第1主成分〜第3主成分までの主成分スコアのうち2つ以上の主成分スコアが表面欠陥発生の判定対象として用いられるものであってもよい。
すなわち、定常状態において第1主成分〜第3主成分のうち2つ以上の主成分スコアの頻度分布における主ピークの主成分スコアが前記標準偏差の範囲にない場合、鋳片に表面欠陥「有」と判定される。
さらに、上記構成の表面欠陥判定方法を用いた鋼片の製造方法は、前記鋳片を所定長さの鋼片に切断する切断工程S11と、表面欠陥発生判定工程S9における判定結果に基づいて前記鋼片に手入れを施す手入れ工程S13と、該手入れされた鋼片を圧延する圧延工程S15とをさらに備えたものである(図6参照)。
切断工程S11は、ガス切断等により、鋳型3から引き抜かれた鋳片を所定長さの鋼片に切断する工程である。
手入れ工程S13は、表面欠陥発生判定工程S9において表面欠陥の発生有りと判定された場合、該表面欠陥の発生有りと判定された前記鋳片の部位を有する鋼片について、該鋼片の表面をスカーフやグラインダー等により手入れする工程である。
このような手入れによって表面欠陥が除去された鋼片は、圧延工程S15へと搬送される。
一方、表面欠陥発生判定工程S9において表面欠陥の発生「無」と判定された場合、鋳片から所定長さに切断された鋼片は表面に手入れされずに圧延工程S15へと搬送される。
ただし、表面欠陥発生「無」と判定された場合であっても、連続鋳造時における他の情報により鋳片又は鋼片に表面欠陥が発生していると確認された場合に、手入れ工程S13において前記鋼片の表面欠陥を除去する手入れを施すものであってもよい。
なお、表面欠陥発生判定工程S9において表面欠陥の発生「有」と判定された場合であっても、連続鋳造時における他の情報(例えば、鋳型3における湯面変動)も含め、鋳片又は鋼片に表面欠陥は発生していないと総合的に判定し、鋳片から切断された鋼片の手入れせずに圧延工程S15に搬送するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態においては、鋳型3の長辺面銅板3aに埋設された測温素子(熱電対5)の配置を、鋳造方向については、最上段の測温素子の位置が湯面制御レベルから200mm以内、最下段の測温素子の位置が湯面制御レベルから500mm以上離れた位置、隣り合う測温素子間の間隔が250mm以下、段数を4段以上とし、鋳型幅方向については、両短辺面銅板3bに最も近い箇所に配置された測温素子の位置が測定対象の鋳片幅の短辺面銅板3bと長辺面銅板3aの交線の位置から鋳型幅中央に向かう方向に沿って250mm以内、隣り合う測温素子間の間隔が200mm以下、列数を8列以上とし、測温データ取得工程S1と、測温データ規格化工程S3と、主成分分析工程S5と、頻度分布作成工程S7と、表面欠陥発生判定工程S9を経て、表面欠陥発生の判定結果をメモリに格納及び/又はプリンターやディスプレイ等に記録・出力することによって、設備投資費を高騰化させることなく鋳片における表面欠陥発生の有無を良好に判定することが可能となる。
さらに、鋳片における表面欠陥発生の判定結果に基づいて、前記鋳片から切断された鋼片の表面に適切な手入れを施すことで、優れた表面品質の鋼片を効率良く製造することができる。
本発明の連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法及び装置における熱電対5の配置及び表面欠陥発生の有無の判定に用いる主成分スコアの効果について確認するための具体的な実験を行ったので、その結果について以下に説明する。
実験は、図1に示す表面欠陥判定装置1を用いて、鋳型3の長辺面銅板3aに埋設する熱電対5の配置、及び、表面欠陥発生の判定に用いる主成分を変更して表面欠陥判定を行い、実際の表面欠陥発生の検知率及び非検知率を評価するというものである。
熱電対5の配置は、表1に示すように、本発明例として上記実施の形態で説明した熱電対の配置に関する知見(i)〜知見(vi)を満たす範囲である本発明例1〜本発明例10と、比較例として本発明の範囲に含まれない比較例1〜比較例5について検討した。
熱電対5にはJIS-T型熱電対を用い、長辺面銅板3aの鋳型フレームに接触する面から溶鋼に接触する面に向かって穿孔し、穿孔した先端底部に熱電対5の温接点が接触するように埋設した。前記先端底部から長辺面銅板3aの溶鋼に接触する面までの距離は15mmとした。
このように熱電対5を埋設した垂直曲げ形連続鋳造機を用いて、アルミキルド溶鋼を連続鋳造した。鋳造条件は、鋳造厚み220〜300mm、鋳造幅1900〜2200mm、溶鋼スループットを3.0〜7.5ton/minとした。
溶鋼は浸漬ノズルによりタンディッシュ(図示なし)から鋳型3内へと供給されるが、その浸漬ノズルにおける溶鋼吐出孔の溶鋼吐出角度は下向き15°以上45°以下とし、浸漬深さは湯面制御レベルから溶鋼吐出孔上端までの距離として180mm〜300mmの範囲とした。
浸漬ノズルからの吹き込み不活性ガスにはArガスを使用した。鋳型3内の溶鋼には、磁場発生装置から相対する長辺面銅板3aに沿ってそれぞれ相反する向きの移動磁場を印加することにより、鋳型3内の溶鋼が凝固シェル界面に沿って水平方向に旋回する流動を付与した。
鋳型3から引き抜かれた鋳片は、切断工程において所定長さの鋼片に切断され、該鋼片の表面をスカーフやグラインダー等によって手入れ処置することなく(以下、無手入れと表記)、無手入れの状態で圧延する圧延工程へと搬送した。
そして、熱間圧延、冷間圧延等を施し、圧延後に表面欠陥をオンライン表面欠陥計で連続的に測定した。そして、表面欠陥判定装置1により得られる表面欠陥発生の判定結果との対比を行い、表面欠陥の検知率及び非検知率を評価した。
主成分分析は同一チャージにおける全ての測温データを対象とし、チャージ毎に測温データに対して主成分分析を1回実施し、第1主成分〜第3主成分と主成分スコアを算出した。そして、第1主成分〜第3主成分それぞれについて主成分スコアの頻度分布を作成し、該頻度分布の主ピークと標準偏差を求めた。
本実施例1における表面欠陥発生の判定は、第1主成分〜第3主成分までの主成分スコアのうちの1つの主成分スコアを判定対象とした場合(本発明例2〜本発明例4)と、第1主成分から第3主成分のうち2つ以上の主成分スコアを判定対象とした場合(本発明例1、本発明例5〜本発明例10、比較例1〜5)について検討した。
表1に示す本発明例1において、判定に用いた主成分の「1Λ2」は、第1主成分と第2主成分との論理積を表し、第1主成分スコアと第2主成分スコアの双方の頻度分布において、主ピークの主成分スコアが前記標準偏差の範囲(-σ以上+σ以内)にない場合に表面欠陥発生「有」と判定することを表す。
また、本発明例7において、判定に用いた主成分の「1Λ2Λ3」は、第1主成分スコア、第2主成分スコア及び第3主成分スコアの全ての頻度分布において、主ピークの主成分スコアが前記標準偏差の範囲(-σ以上+σ以内)にない場合に表面欠陥発生「有」と判定することを表す。
そして、主成分スコアの頻度分布における主ピーク及び標準偏差に基づいて表面欠陥の発生「有」と判定した鋳片数(=X)、実際に圧延した後に表面欠陥が検知された鋼片数(=Y)とし、検知率(的中)率Z=Y/X×100[%]を求めた。
さらに、表面欠陥の発生「有」と判定されなかったのに実際に表面欠陥が出た場合の鋼片数(=Q)を、実際に圧延して表面欠陥が発生した鋼片全数(=R)で除したものを非検知率(見逃し率)P=Q/R×100[%]として評価した。
なお、本発明例1〜本発明例10及び比較例1〜比較例5ともに、それぞれおよそ300チャージ(1チャージあたり約300トン前後)の鋳造量を対象として評価した。
なお、本実施例1において測温データを取得する時間間隔は5秒とし、主成分分析の解析には、Mathworks社製の技術計算用コンピュータ言語MATLAB(登録商標)を用いた。
表面欠陥の検知率及び非検知率の結果を前掲の表1に示す。
本発明を満たす熱電対5の配置(本発明例1〜本発明例10)では、欠陥検知率は80%を超える高い値であり、鋳片表面における表面欠陥の発生を良好に判定できることが示された。また、非検知率は41%〜55%であった。
さらに、表面欠陥発生の判定に用いる主成分スコアについて、熱電対5の配列が同じである本発明例2〜本発明例7を比較すると、第1主成分と第2主成分の双方を用いて判定した本発明例5及び本発明例7において、欠陥検知率は90%以上、非検知率は30%であり、表面欠陥発生の有無を極めて良好に判定できる結果となった。
一方、熱電対5の配列が本発明に含まれない比較例の結果は以下のとおりであった。
比較例1は、熱電対5の段数が4段よりも少ない3段であり、検知率は45%と低く、非検知率は70%と高い値であった。
比較例2は、熱電対5の列数が8列よりも少ない7列であり、検知率は59%と低く、非検知率は72%と高い値であった。
比較例3は、熱電対5の鋳型幅方向における間隔が250mmよりも大きい257mmであり、検知率は59%と、非検知率は68%であり、本発明例よりも低位な結果であった。
比較例4は、熱電対5の鋳造方向の最上段位置が湯面制御レベルから200mmよりも大きい210mmであり、検知率は48%と低く、非検知率は86%と高い値であった。
比較例5は、熱電対5の鋳造方向の最下段位置が湯面制御レベルから500mm〜900mmの範囲外の480mmであり、検知率が65%であり、本発明例より低位な結果であった。
以上から、鋳型3の長辺面銅板3aに埋設された熱電対5が本発明の範囲に配置されていない場合、鋳片における表面欠陥発生の有無を良好に判定できないことが示された。
また、第1主成分と第2主成分の双方を判定に用いることにより、表面欠陥発生の有無を極めて良好に判定できる場合があることが示された。
実施例2では、本発明の連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法を用いた鋼片製造方法により製造された鋼片の生産性を比較した。
本実施例2において、鋳型3の長辺面銅板3aに埋設した熱電対5の配置は、表1に示した本発明例5の場合と同様であり、実施例1と同様の鋳造条件とした。
鋳片の鋳造開始から、切断及び圧延等の処理を経て製造された鋼片が製品出荷されるまでの所要日数を比較した結果、本発明に係る鋼片製造方法を適用しない場合の日数を規格化して100とした場合、本発明に係る鋼片製造方法を適用した場合の所要日数は86となり、生産から出荷までのリードタイムが14%(=(100-86)/100×100)向上した。
これは、本発明に係る鋼片製造方法を導入することにより、鋳造後の鋼片に対する表面手入れの要否や引き当てグレードの変更を効率よく行うことが可能となったためである。
以上のように、本発明に係る連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法を用いた鋼片製造方法により連続鋳造を行うことで、鋳造後の鋳片における表面欠陥の発生を検知し、圧延前の鋼片に対する表面手入れの要否や引当てグレードの変更を効率良く行うことで生産性を向上できることが実証された。
1 表面欠陥判定装置
3 鋳型
3a 長辺面銅板
3b 短辺面銅板
5 熱電対
10 演算装置
11 測温データ取得手段
13 測温データ規格化手段
15 主成分分析手段
17 頻度分布作成手段
19 表面欠陥発生判定手段

Claims (7)

  1. 鋳型の長辺面銅板に埋設した測温素子の測温データを取得し、該測温データに基づいて鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法であって、
    前記長辺面銅板に埋設する前記測温素子の配置を、
    鋳造方向については、最上段の前記測温素子の位置を湯面制御レベルから下方に200mm以内、最下段の前記測温素子の位置を湯面制御レベルから下方に500mm以上離れた位置、隣り合う前記測温素子間の間隔を250mm以下、段数を4段以上とし、
    鋳型幅方向については、前記鋳型の短辺面銅板に最も近い位置に埋設された前記測温素子の位置を前記長辺面銅板と前記短辺面銅板の交線から鋳型幅中央に向かう方向に沿って250mm以内、隣り合う前記測温素子間の間隔を200mm以下、列数を8列以上とし、
    上記のように配置された前記測温素子の測温データを所定の時間間隔で取得する測温データ取得工程と、
    該測温データ取得工程で前記長辺面銅板毎に取得された前記測温データの各時間における平均値を算出し、該平均値に基づいて前記測温データを規格化する測温データ規格化工程と、
    該測温データ規格化工程で規格化された前記測温データの主成分分析を行う主成分分析工程と、
    該主成分分析工程で算出された主成分スコアの頻度分布を作成し、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差を求める頻度分布作成工程と、
    該主ピーク及び標準偏差に基づいて、前記鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する表面欠陥発生判定工程とを備えたことを特徴とする連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法。
  2. 最下段の前記測温素子の位置は、湯面制御レベルから鋳造方向に900mm以内とすることを特徴とする請求項1記載の連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法。
  3. 前記表面欠陥発生判定工程は、前記頻度分布における主ピークの主成分スコアの絶対値が前記頻度分布の標準偏差を超えた場合、前記鋳片において表面欠陥の発生有りと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法。
  4. 鋳型の長辺面銅板に埋設した測温素子の測温データを取得し、該測温データに基づいて鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する連続鋳造鋳片の表面欠陥判定装置であって、 前記長辺面銅板に埋設する前記測温素子の配置を、
    鋳造方向については、最上段の前記測温素子の位置を湯面制御レベルから下方に200mm以内、最下段の前記測温素子の位置を湯面制御レベルから下方に500mm以上離れた位置、隣り合う前記測温素子間の間隔を250mm以下、段数を4段以上とし、
    鋳型幅方向については、前記鋳型の短辺面銅板に最も近い位置に埋設された前記測温素子の位置を前記長辺面銅板と前記短辺面銅板の交線から鋳型幅中央に向かう方向に沿って250mm以内、隣り合う前記測温素子間の間隔を200mm以下、列数を8列以上とし、
    上記のように配置された前記測温素子の測温データを所定の時間間隔で取得する測温データ取得手段と、
    該測温データ取得手段で前記長辺面銅板毎に取得された前記測温データの各時間における平均値を算出し、該平均値に基づいて前記測温データを規格化する測温データ規格化手段と、
    該測温データ規格化手段で規格化された前記測温データの主成分分析を行う主成分分析手段と、
    該主成分分析手段で算出された主成分スコアの頻度分布を作成し、該頻度分布の主ピーク及び標準偏差を求める頻度分布作成手段と、
    該主ピーク及び標準偏差に基づいて、前記鋳片における表面欠陥発生の有無を判定する表面欠陥発生判定手段を備えたことを特徴とする連続鋳造鋳片の表面欠陥判定装置。
  5. 最下段の前記測温素子の位置は、湯面制御レベルから鋳造方向に900mm以内とすることを特徴とする請求項4記載の連続鋳造鋳片の表面欠陥判定装置。
  6. 前記表面欠陥発生判定手段は、前記頻度分布における主ピークの主成分スコアの絶対値が前記頻度分布の標準偏差を超えた場合、前記鋳片において表面欠陥の発生有りと判定することを特徴とする請求項4又は5に記載の連続鋳造鋳片の表面欠陥判定装置。
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載の連続鋳造鋳片の表面欠陥判定方法を用いた鋼片の製造方法であって、
    前記鋳片を所定長さの鋼片に切断する切断工程を有し、
    前記表面欠陥発生判定工程において表面欠陥の発生有りと判定された場合は、該表面欠陥の発生有りと判定された部位を有する鋼片の表面に手入れを施す手入れ工程とを備えたことを特徴とする鋼片の製造方法。
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