JP6357574B1 - 大豆培地での霊芝菌糸体培養方法と大豆を含む霊芝菌糸体健康食品 - Google Patents

Abstract

【課題】 大豆を培地とした霊芝菌糸体培養方法と、その方法で培養された霊芝菌糸体及び培養後の大豆培地を使用した健康食品を提供する。【解決手段】 本発明の霊芝菌糸体培養方法は、液体に浸漬した大豆培地を培養容器に入れて滅菌処理し、滅菌処理後に冷却した培養容器内の大豆培地に霊芝菌糸体を接種し、培養室で培養する方法である。本発明の大豆を含む霊芝菌糸体培養済みの大豆を乾燥後、粉末化、顆粒化、カプセル化したものである。【選択図】 図１

Description

本発明は大豆培地を用いた霊芝菌糸体の培養方法と、培養済みの霊芝菌糸体とその培養に用いた大豆を含む健康食品に関する。

大豆を固形培地とした霊芝菌糸体の培養方法はこれまでも開発されている（特許文献１）。

特許文献１の培養方法は、大豆及び胡麻を固体培地（固形培地）とし、それに霊芝種菌を接種する方法である。この出願当時の霊芝種菌は固形種（こけいたね）であったため、固形種が固形培地全般に行き渡りにくい、接種しにくい、接種量がばらつき易いという難点がある。また、接種後の霊芝菌糸体の増殖率が低い、ばらつきなく接種するためには熟練を要するといった難点があった。

特開２００９−１８３２７１号公報

本発明の課題は、霊芝菌糸体の増殖率の向上、接種作業の容易化、接種量の均等化等を実現することにある。

本発明の大豆培地での霊芝菌体糸培養方法は、大豆を液体に浸漬し、その大豆を大豆培地として培養容器に入れ、培養容器内の大豆培地に霊芝菌糸体の液種（えきたね）を接種し、接種後の培養容器を培養室内において、霊芝菌糸体を培養する方法である。液種は霊芝菌糸体を液体内に分散させたものである。液種の接種は一度の噴射量が均一又はほぼ均一である噴射式の接種機で、個々の培養容器内に噴射して、各培養容器内の大豆培地に均等量ずつ接種して、接種量にばらつきがなく、個々の培養容器内の増殖量がほぼ均等になるようにする。

本発明の大豆を含む霊芝菌糸体健康食品は、培養された霊芝菌糸体と培養後の大豆培地をフリ−ズドライし、粉砕して粉末化（微粉末化を含む）するとか、顆粒状、錠剤、カプセル、液状といった所望形態にしたものである。

本発明の大豆培地での霊芝菌糸体培養方法は次のような効果がある。
（１）大豆培地に霊芝菌糸体の液種を接種するので、培養容器内の大豆培地の上側だけでなく内部及び下側までほぼ均等に接種でき、増殖率が向上する。
（２）接種機で一定量ずつ噴射して接種することにより、接種量のばらつきがほとんどなく、熟練者でなくても均等に接種できる。

本発明の大豆を含む霊芝菌糸体健康食品は次のような効果がある。
（１）霊芝はβグルカン、アミノ酸群等の有効成分が豊富であることが知られている。本発明の大豆を含む霊芝菌糸体健康食品には、これら有効成分をはじめとして、各種抗癌成分が含まれており、多数の機能性健康増進物質の加水分解酵素も含まれているので、医薬品や健康食品等の各分野に著しく有用である。
（２）霊芝菌糸体のみならず、その培養に用いた大豆をもフリーズドライして、服用するのに適した所望形態にしてあるため、服用し易い。
（３）霊芝菌糸体だけでなく、培地として使用された大豆をも含むため、大豆の成分、養分も含まれたものとなる。

本発明の大豆培地での霊芝菌糸体培養方法の説明図。 本発明の大豆を含む霊芝菌糸体健康食品の製造説明図。

本発明の実施形態を以下に説明する。その実施形態は一例である。本発明は以下の実施形態に限定されるのではない。

（大豆培地での霊芝菌糸体培養方法の実施形態）
この実施形態は大豆のみを培地とする場合であるが、本発明では大豆の他に、必要に応じての他の食品、例えば、胡麻、玄米、麦等の穀類を混合して培地とすることもできる。大豆の種類、他の穀類は人が食用可能な物であれば特に制約はない。混合割合は任意に選択することができる。

［培養工程］
１．浸漬工程
固形培地の原料である大豆を水道水、純水、その他、培養に好ましい補助液を含む液体に浸漬する。大豆の量は必要に応じて決定する。浸漬時間は１２〜２４時間程度とする。

２．脱水工程
浸漬した大豆を液体から取り出し脱水する。脱水は遠心分離機、その他の機械で行うことができる。脱水後の水分は４０〜８０％程度が好ましい。

３．培養容器への収容工程
脱水した大豆（大豆培地）を培養容器に入れる。培養容器は耐熱性、耐圧性があり、蓋のある樹脂製のボトル、ガラス製のビン等のガスバリア性のあるものが適する。軽量なものが好ましい。形状は大豆を入れ易いものが良く、容量は入れる大豆の量に合わせて選択する。大豆を詰めた後は蓋を閉める。

４．滅菌工程
大豆培地を収容した培養容器を滅菌釜（高圧蒸気滅菌器：オートクレーブ）に入れて、大豆培地を培養容器ごと滅菌する。滅菌温度は１２１℃程度、滅菌時間は１０分程度が適する。滅菌釜には汎用の滅菌釜を使用することができる。霊芝菌糸体接種工程で使用する接種機、その他無菌条件下で使用する器具も滅菌釜で滅菌する。滅菌には滅菌釜以外のものも使用可能である。

５．自然冷却工程
滅菌工程で加熱された培養容器を滅菌釜から取り出して自然冷却させる。

６．霊芝菌糸体接種工程
自然冷却後の培養容器内の大豆培地に霊芝菌糸体を接種する。霊芝菌糸体は液状の菌（液種）を使用する。接種は噴射式の接種機で行う。接種はクリーンベンチ、その他の無菌室内で行う。接種機は足踏み式のものが適する。一回の足踏みで所定量が噴射されるものが適する。一回の噴射量は調節することができる。液種接種後は培養容器に蓋をして、雑菌の混入を防ぐ。

７．培養工程
前記培養容器を培養室に入れて培養する。培養温度（室温）は２５〜３０℃、培養期間は３〜４週間程度、暗黒下が適する。

［大豆を含む霊芝菌糸体健康食品の製造工程］
大豆を含む霊芝菌糸体健康食品を製造するには、次のようにする。
１．トレーへの移し替え
前記１〜７の工程を経て培養された霊芝菌糸体及び培養済みの大豆培地を培養容器から取り出して、フリ−ズドライ用のトレーに敷き詰める（移し替える）。フリ−ズドライ用のトレーのサイズは各種あるが、必要に応じて選択使用することができる。

２．フリーズドライ
前記トレーに移し替えた霊芝菌糸体を培養済みの大豆培地ごと、フリーズドライ装置でフリーズドライする。フリーズドライ装置は汎用のものでも他のものでもよい。

３．破砕、バルク、大豆を含む霊芝菌糸体健康食品
フリーズドライした大豆を含む霊芝菌糸体を破砕（粉砕）し、顆粒、粉末（微粉末を含む）、カプセル、液体といった所望の形態にする。一回の服用量ずつに個別包装することもできる。前記大豆を含む霊芝菌糸体の破砕には粉砕機、特に超微粉砕機を使用することができる。

前記顆粒、粉末、カプセル、液体といった形態にして個別包装するのは、製薬会社や食品会社で行うことができる。その場合は、フリーズドライした大豆を含む霊芝菌糸体を破砕（粉砕）した状態で、あるいはバルクの状態で、製薬会社や食品会社に送ることになる。

Claims (7)

1. 少なくとも大豆を液体に浸漬する工程と、
   浸漬済みの大豆を液体から取り出して脱水してから大豆培地として培養容器に収容する工程と、
   霊芝菌糸体が液体に分散された霊芝菌糸体の液種を、接種機で培養容器内の大豆培地に噴射して接種する工程と、
   霊芝菌糸体接種後の培養容器を培養室で培養する工程を備えた、
   ことを特徴とする大豆培地での霊芝菌糸体培養方法。
2. 請求項１記載の大豆培地での霊芝菌糸体培養方法において、
   霊芝菌糸体の液種を培養容器内の底側の大豆培地まで噴射する、
   ことを特徴とする大豆培地での霊芝菌体培養方法。
3. 請求項１又は請求項２記載の大豆培地での霊芝菌体培養方法において、
   接種機からの一回の液種噴射量が一定である、
   ことを特徴とする大豆培地での霊芝菌体培養方法。
4. 培養された霊芝菌糸体を含む健康食品において、
   請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の大豆培地での霊芝菌糸体培養方法で培養された霊芝菌糸体及び培養後の大豆培地が、フリーズドライされたものである、
   ことを特徴とする大豆を含む霊芝菌糸体健康食品。
5. 培養された霊芝菌糸体を含む健康食品において、
   請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の大豆培地での霊芝菌糸体培養方法で培養された霊芝菌糸体及び培養後の大豆のみの培地が、フリーズドライされたものである、
   ことを特徴とする大豆を含む霊芝菌糸体健康食品。
6. 請求項４又は請求項５記載の大豆を含む霊芝菌糸体健康食品において、
   フリーズドライされた培養霊芝菌糸体及び培養後の大豆培地を粉砕して、粉末、顆粒、錠剤、液状、カプセルのいずれかの形態としたものである、
   ことを特徴とする大豆を含む霊芝菌糸体健康食品。
7. 請求項６記載の大豆を含む霊芝菌糸体健康食品が、一回の服用量ずつに個別包装されたものである、
   ことを特徴とする大豆を含む霊芝菌糸体健康食品。

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