JP6354844B2 - 液体移送システム及び液体移送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体移送システム及び液体移送方法に関する。
バイオテクノロジーの技術分野において、液体を正確に、かつ汚染されることなく移送しなければならない場合がある。そのような場合として、例えば、食品の安全性の検査や、食中毒等の原因調査のための、細菌による食品の汚染の有無の検査があげられる。かかる細菌検査には、バイオテクノロジーの技術分野における実験・検査手法に習熟した技能者が必要であり、教育を含め人材の確保には相当程度の困難が伴う。また人手による作業である以上、コンタミネーションやヒューマンエラーに起因する信頼性低下を完全に避けることは難しい。
本発明の解決しようとする課題は、液体移送工程を自動化することである。
本発明の一の側面による液体移送システムは、固形物が混入された液体を収容する試料容器と、フィルタと、前記フィルタを前記試料容器に投入し、前記フィルタを通して前記試料容器内の液体を計量抽出するマニピュレータと、を有する。
本発明の一の側面による液体移送システムでは、さらに、前記固形物は食品であり、当該食品の細菌検査に用いられてよい。
本発明の一の側面による液体移送システムは、さらに、前記フィルタを把持するフィルタ把持具と、液体を計量抽出する計量抽出具と、を有し、前記マニピュレータは、前記計量抽出具を保持し操作可能な保持操作具を有してよい。
本発明の一の側面による液体移送システムでは、さらに、前記保持操作具は、少なくとも前記フィルタ把持具と前記計量抽出具を保持する第1の方向に駆動する第1駆動部と、少なくとも前記計量抽出具を操作する前記第1の方向と交差する第2の方向に駆動する第2駆動部と、を有してよい。
本発明の一の側面による液体移送システムでは、さらに、前記第2駆動部は、位置制御により任意の位置に停止可能であってよい。
本発明の一の側面による液体移送システムでは、さらに、前記計量抽出具は、マイクロピペットであり、前記第2駆動部は、前記マイクロピペットのプッシュボタンを押す押具を駆動してよい。
本発明の一の側面による液体移送システムは、さらに、前記押具の前記プッシュボタンと突き当たる端面には、弾性体が設けられてよい。
本発明の一の側面による液体移送システムは、さらに、前記第2駆動部により、前記マイクロピペットのプッシュボタンをピペットチップのリリース位置まで押しこむように制御するチップ脱離部を有してよい。
本発明の一の側面による液体移送システムは、さらに、前記マイクロピペットのピペットチップのリリースボタンを押下するリリースボタン押下具を有してよい。
本発明の一の側面による液体移送システムは、さらに、前記第1駆動部はトルク制御により保持力を制御可能であってよい。
本発明の一の側面による液体移送システムでは、さらに、前記保持操作具は、下方に突出し、前記第1駆動部により駆動され、その把持中心から見て前記第1の方向を中央とする90度の範囲に配置される容器把持具を有し、前記液体移送システムは、さらに、容器が載置される容器載置台であって、上方に突出し、その載置中心から見て前記第1の方向に直交する方向を中央とする90度の範囲に配置される容器位置決め具を有する容器載置台を有してよい。
本発明の一の側面による液体移送システムでは、さらに、前記フィルタ把持具は、ピンセットであり、前記保持操作具は、前記ピンセットを保持する溝であって、前記第2の方向に対して傾いて延びる溝を有してよい。
本発明の一の側面による液体移送システムは、さらに、前記ピンセットを保持するピンセット保持台であって、前記ピンセットの保持時に、当該ピンセットの位置及び姿勢を定める位置・姿勢決め部を有するピンセット保持台を有してよい。
本発明の一の側面による液体移送システムは、さらに、前記マイクロピペットを保持するマイクロピペット保持台であって、前記マイクロピペット保持時に、当該マイクロピペットの位置及び姿勢を定めるとともに、その脱落を防止する脱落防止部を有するマイクロピペット保持台を有してよい。
また、本発明の一の側面による液体移送方法は、マニピュレータにより、フィルタを、固形物が混入された液体を収容する試料容器内に投入し、前記マニピュレータにより、前記フィルタを通して、前記試料容器内の液体を計量抽出してよい。
本発明の一の側面による液体移送方法では、さらに、前記固形物は食品であり、当該食品の細菌検査に用いられてよい。
本発明の一の側面による液体移送方法は、さらに、前記マニピュレータに、前記フィルタを把持するフィルタ把持具を保持させ、前記マニピュレータに、液体を計量抽出する計量抽出具を保持させてよい。
本発明の一の側面による液体移送方法はさらに、液体を検査容器に移送し、その際、前記検査容器内の複数の位置にそれぞれ計量された分量の前記液体を吐出するか、又は、前記検査容器内の所定の経路に沿って計量された体積速度で前記液体を吐出してよい。
本発明の一の側面による液体移送方法は、さらに、前記マニピュレータにより抽出された前記試料容器内の液体を希釈容器に移送し、前記マニピュレータにより前記希釈容器内の液体を計量抽出し、検査容器に移送し、前記マニピュレータにより培地容器内の培地を計量抽出し、前記検査容器に移送してよい。
本発明の一実施形態に係る液体移送システムの概要を示す斜視図である。 マニピュレータ先端に取り付けられる保持操作具の拡大斜視図である。 マイクロピペット保持台及びピンセット保持台の構造を示す図である。 保持操作部によりマイクロピペットを保持している様子を示す図である。 容器載置台に載置された容器を保持操作具により把持する際の部材の位置関係を示す平面図である。 液体移送システムのシステムブロック図である。 ロボットコントローラが有する機能の例を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る液体移送システムによる、食品の細菌検査の一部として行われる液体移送の手順を示すフロー図である。 ペトリ皿上の1か所に希釈液を吐出した場合の希釈液の分布を示す模式図である。 ペトリ皿上の複数個所に希釈液を吐出した場合の希釈液の分布を示す模式図である。 ペトリ皿52上で希釈液が所定の軌跡を描くように希釈液を吐出した場合の希釈液の分布を示す模式図である。 ペトリ皿52上で希釈液が所定の軌跡を描くように希釈液を吐出した場合の希釈液の分布を示す模式図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体移送システム1の概要を示す斜視図である。
この液体移送システム1は、食品の細菌検査用のものとして特に適したものとなるよう構成された例である。したがって、以降の説明も食品の細菌検査に準じたものとして説明する。ただし、ここで説明する機器や作業等には、バイオテクノロジー、すなわち、生化学や生物/生命工学の分野においても共通に用い得るものも多く、したがって、必要な変更を施したうえで、この液体移送システム1を食品の細菌検査以外の用途、ここでは、固形物を含む液体試料から液体のみを抽出して移送する工程が含まれるものであればいかなる用途に用いてもよい。例えば、検査の対象は食品以外の任意の固形物、例えば土壌や生体組織、微生物標本であってもよい。また、目的は細菌検査以外にも種々の検査や同定、培養であってもよい。
液体移送システム1は、架台10と、架台10の上部に設置されたフィルタユニット11からなるクリーンベンチ内に各機器が配置され、架台10上の作業領域12が実質無菌状態に保たれるようになっている。フィルタユニット11は、その天井部分から外気を吸引し、内部にセットされたHEPAフィルタ等の適宜のフィルタを通して架台10上に清浄化された無菌空気を吐出するようになっている。架台10上の作業領域12は、図示しない壁により区画され、フィルタユニット11より吐出される無菌空気により陽圧に保たれるため、外気の侵入が防止され、作業領域12は無菌状態に保持される。架台10内には、液体移送システム1の制御盤や電源、後述するマニピュレータ2のコントローラ等の各種制御機器等が収容される。
作業領域12上には、いわゆる多関節ロボットであるマニピュレータ2、計量抽出具であるマイクロピペット(プッシュボタン式液体用微量体積計)3を保持するマイクロピペット保持台30、フィルタ把持具であるピンセット4を保持するピンセット保持台40が設置されている。
マニピュレータ2の先端には、マイクロピペット3とピンセット4を適宜保持操作することが可能な保持操作具20が取り付けられている。保持操作具20の構造及び動作の詳細は後述するが、本実施形態では保持操作具20はマイクロピペット3とピンセット4を択一的に保持し、マイクロピペット3に対しては計量抽出及び吐出並びにチップの着脱操作が、ピンセット4に対しては把持対象物であるフィルタ6をつまむ操作が可能である。なお、マイクロピペット3とピンセット4を同時に保持するようにしてもよいが、使用しない器具は各種操作をするうえで邪魔になること、マニピュレータ2の先端質量が増大することから、ここでは択一的な保持をするようにしている。
マイクロピペット3は、一般に市販されているボタン式のもので良い。市販のマイクロピペット3には、先端に取り付けたチップのリリース操作が、ボタンを押しこむことによりなされるものと、マイクロピペット3の本体に別途設けられたリリースボタンを押すことによりなされるものがあるが、ここでは、ボタンを押しこむことによりチップをリリースするものとして説明する。
ピンセット4も一般に市販されているもので良い。
なお、本実施形態において、マイクロピペット3は、液体を計量して吸引し吐出することができる器具である計量抽出具の一例として示したものであり、同様の機能を有する器具であれば他の器具、例えば、一般的なシリンジ(注射器)を用いてもよい。また、ピンセット4は、把持対象物であるフィルタ6をつまむように把持できる器具であるフィルタ把持具の一例として示したものであり、同様の機能を有する他の器具その他の任意の機構をピンセット4に替えて用いても差し支えない。ただし、本実施形態で示したように、計量抽出具及びフィルタ把持具として一般的な市販品を用いるようにすると、交換等の維持コストが低く、また容量やサイズ等を変更したい場合にも単に適した製品を選べばよい等その管理が容易である。
作業領域12には、さらに、各種容器を載置する容器載置台5、フィルタ6を載置するフィルタ載置台60、チップ31、作業台7、廃棄箱70、試験管口滅菌器71、ボルテックスミキサー72、ホットプレート73が配置されている。これらの器具は、いずれもマニピュレータ2の到達範囲内となるように配置される。
容器載置台5上には、各種の容器が所定の位置に配置される。ここで、各種の容器は、試料容器であるビーカー50、希釈容器である試験管51、検査容器であるペトリ皿(シャーレ)52である。また、ホットプレート73上には、培地容器である三角フラスコ53が載置される。
ここで、試料容器とは、固形物が混入された液体試料を収容する容器である。ここでは、食品の細菌検査をしようとしているので、固形物として、細菌検査の対象となる食品が混入された液体を収容する容器が試料容器である。本実施形態では、試料容器として硝子製のビーカー50を用いており、その中には検査対象の食品を裁断した食品片を無菌水中に混入した液体が納められている。固体の食品片は無菌水中で懸濁状態となっているか、沈降し又は浮遊する。食品に含まれる水溶性の成分は液体中に溶け出し、細菌等は液体中に分散する。各ビーカー50には、異物の混入等による汚染を避けるため、蓋がなされていてよい。
希釈容器とは、後述する液体の希釈操作を行う容器である。ここでは、希釈容器として硝子製の試験管51を用いており、それぞれの試験管51内には予め所定の量の希釈液が納められている。本実施形態では、希釈液として、各試験管51内に無菌水9mLが入れられている。各試験管51には、異物の混入等による汚染を避けるため、栓がなされていてよい。
検査容器とは、最終的に検査を行うための容器であり、本実施形態のように食品の細菌検査を行う場合には、細菌の混入が疑われる液体を培地に加えた細菌培地をその中で作成する容器である。本実施形態では、検査容器としてペトリ皿52を用いている。ペトリ皿52には、細菌培地の作成前及び作成後の異物の混入等による汚染を避けるため、蓋がなされていてよい。ペトリ皿52の材質は、一般的なものでよく、硝子又は合成樹脂である。
さらに、培地容器とは、細菌培地を作成するための生培地を収容する容器である。ここでは、細菌検査を目的としているため、生培地として細菌培養用に調整された寒天培地を用い、培地容器として三角フラスコ53を用いている。また、寒天培地を液状に保つため、三角フラスコ53はホットプレート73上に載置されており、内容物は常時セ氏50度程度の所望の温度に維持されている。
なお、以上説明した各種の容器として用いる具体的な器具は一例であり、その用途に合致する器具であればいかなるものを用いてもよい。また、各器具の内容物についても、上掲のものは具体的な例示であって、目的に合致する適宜の内容物を用意すればよい。
また、フィルタ載置台60にはフィルタ6が載置されており、ピンセット4を用いて適宜取り出すことができるようになっている。フィルタ6は、ビーカー50に納められた食品が混入された液体から、食品片を除き液体のみを抽出するためのものであり、ビーカー50内に投入することができる程度の大きさである。フィルタ6としては種々のものを用いることができるが、例えば、折りたたんだガーゼ片や、スポンジなどの多孔質体、不織布、濾紙等を用いてよい。フィルタ6には滅菌されたものを用いる。なお、ここで抽出とは、液体を抽出元から少なくとも一部分抜き出して取り出す意であり、いわゆるピペッティングと概ね同義である。計量抽出は、抽出する液体の体積を制御して抽出する意である。
架台10上にはさらに、マイクロピペット3の先端に取り付けて用いるチップ31が多数用意されている。並べて置かれたチップ31に対し上方からマイクロピペット3を押し付けることにより、マイクロピペット3の先端にチップ31を取り付けることができる。また、マイクロピペット3により計量する液体の体積が異なる場合には、その体積に適したサイズのチップ31をあらかじめ用意しておく。
作業台7は、マニピュレータ2により各種容器に対し操作を行うためのスペースである。操作対象となる容器は作業台7上に載置され後述する操作がなされる。本実施形態では、試験管51及びペトリ皿52が作業台7上に載置される。
廃棄箱70は、不要となった物品を廃棄するための箱である。不要となった物品は、例えば、使用済みのチップである。
試験管口滅菌器71は、試験管51の口部分を滅菌するための器具である。この器具の形式はどのようなものであってもよいが、本実施形態では、試験管51を立てた状態でゆっくり回転させながら保持し、試験管51の口部分を図示しないバーナーやヒートガンにより加熱滅菌するというものである。この他にも、リング状のヒーターによる加熱滅菌や、紫外線等の放射線による滅菌を行ってもよい。さらに、本実施形態では容器口の滅菌は試験管51に対しのみ行っているが、これに替え又は加えて他の容器口の滅菌を行うようにしてもよいし、滅菌が必要なければ試験管口滅菌器71そのものを省略してもよい。
続いて、図2はマニピュレータ2先端に取り付けられる保持操作具20の拡大斜視図である。保持操作具20はマニピュレータ2と結合されるブラケット21に、第1駆動部22及び第2駆動部23の2つの駆動部を取り付けた構造を有している。第1駆動部22及び第2駆動部23は、マニピュレータ2のコントローラ或いは液体移送システム1自体の制御盤によりその動作が制御される。第1駆動部22は、図中Aで示した第1の方向に1対のスライダ220を互いに開閉するように駆動し、第2駆動部23は図中Bで示した第2の方向にスライダ230を駆動する。第1の方向Aと第2の方向Bとは交差しており、ここでは互いに直交する向きとなっている。また、第1の方向A及び第2の方向Bの架台10に対する向きはマニピュレータ2の姿勢に依存するが、保持操作具20による器具や容器の操作の際には、第1の方向Aは概ね水平方向となり、第2の方向Bは概ね垂直方向となる。
第1駆動部22のスライダ220には、それぞれ爪221が取り付けられる。爪221の互いに向き合う面には、V字型の切り欠きを中央に有する把持ブロック222が取り付けられ、また、第2の方向Bに対し傾いて設けられる溝223が設けられている。溝223の互いに向き合う面には、クッション224が取り付けられる(図中手前の溝223に取り付けられたクッションは見えていない)。さらに、爪221には容器把持具225がそれぞれ2つずつ、合計4つ設けられる。容器把持具225は、保持操作具20の下方に突出する軸と、その軸の先端に設けられ、その径が軸径より大きい把持リングからなる。
爪221はその形状を維持するに十分な剛性を持つ材質であればどのようなものにより作成してもよい。例えば、アルミニウムやステンレス等任意の金属や各種エンジニアリングプラスチック、繊維強化樹脂等で作成してよい。また、把持ブロック222、クッション224及び把持リングは、適度な弾性と摩擦の大きさを兼ね備えた材質が良く、例えば、ウレタン樹脂である。
この爪221は、第1駆動部22によりスライダ220を駆動することにより開閉するように動作し、それにより、種々の器具を挟み込み固定することにより保持する。ここで挙げた例では、把持ブロック222により試験管51及びマイクロピペット3が把持される。また、溝223によりピンセット4が把持される。さらに、容器把持具225により、ビーカー50及びペトリ皿52が把持される。なお、ビーカー50及びペトリ皿52に蓋がされている場合には、容器把持具225はこれらの蓋を把持し、試験管51に栓がされている場合には、把持ブロック222により当該栓が把持され、蓋、栓の開閉が行われる。
なお、本実施形態では、第1駆動部22は、位置制御に加えトルク制御が可能なサーボモータを使用した機構を用いている。そのため、第1駆動部22は、爪221の開閉位置に加え、爪221による保持力も制御可能である。これにより、ビーカー50、試験管51、ペトリ皿52といった硝子又は合成樹脂製の容器を破損することなく適正な保持力にて保持することができる。
第2駆動部23のスライダ230には、押具231が取り付けられる。押具231は、後述するマイクロピペット3のプッシュボタンを押す部材であり、図示の例ではL字型のブラケットとなっている。これにより、市販のマイクロピペット3を操作することができる。押具231の爪221側の面には弾性体232が設けられており、マイクロピペット3のプッシュボタンを傷つけることなく確実に押すことができるようになっている。弾性体232の材質は特に限定されないが、ウレタン樹脂や合成又は天然ゴムであってよい。
本実施形態では、第2駆動部23は、位置制御が可能なサーボモータを使用した機構である。そのため、そのストロークの範囲内で第2の方向Bに関し任意の位置を目標位置として停止させることができる。停止位置の精度はサーボ機構に使用するエンコーダの精度とボールネジ等の機械機構のジオメトリに依存するが、本実施形態での用途に即して言えば、最低でも3点以上、好ましくは数十点以上程度停止位置を定めることができれば足る。第2駆動部23の機構は、位置制御が可能であればよいので、必ずしもサーボモータを用いたものでなくともよく、例えばステップモータを用いたものであってもよい。
なお、第2駆動部23及び押具231にはカバー25が取り付けられており、その駆動機構が露出しないよう覆われているが、図2では説明のため、カバー25は1点鎖線で示し、その内部の構造を示した。
図3はマイクロピペット保持台30及びピンセット保持台40の構造を示す図である。同図では、2台あるマイクロピペット保持台30の内、左側のものにのみマイクロピペット3が保持されている様子を示した。
マイクロピペット保持台30は、マイクロピペット3の本体を狭持する枠体300を台座301に取り付けた構造となっている。枠体300の先端部には、丸みを帯びたローラ形状の脱落防止部302が弾性的に取り付けられている。すなわち、脱落防止部302は外力を受けると枠体300内に押しこまれ、外力が取り除かれると図示した通りの枠体300から飛び出した位置へと戻る。この脱落防止部302の支持は、適宜のバネ等を用いた構造により実現されている。これにより、マイクロピペット3を枠体300に保持させる際には、マイクロピペット3を、脱落防止部302を押し込める程度の力で枠体300に向けて押し付ければよい。枠体300内の所定の位置に収まったマイクロピペット3は、脱落防止部302により脱落することなく固定される。また、マイクロピペット3を取り外す際には、単にマイクロピペット3を、脱落防止部302を押し込める程度の力で枠体300から引っ張れば容易に取り外すことができる。
また、枠体300には、マイクロピペット3の形状に合わせた曲面により凹部303が設けられており、マイクロピペット3がこの凹部303にはまり込むことにより、保持時の位置合わせが確実に行われる。これにより、マニピュレータ2によりマイクロピペット3を保持する際に、毎回正確にこれを把持することができる。
また、ピンセット保持台40は、ピンセット4を挟み込み保持するスリット401が形成された保持具400と、ピンセット4の先端の位置決めをする突き当て部402からなる。スリット401の幅は、ピンセット4をある程度閉じた状態での幅となるように設定されている。そのため、ピンセット4を閉じた状態でこのスリット401内に挿入した後開くと、ピンセット4自身の弾性反発力によりピンセット4はスリット401内に脱落することなく保持される。スリット401の奥の面は鉛直方向に対し傾斜している傾斜面403となっており、ピンセット4の側面をこの傾斜面403に突き当てることで、保持時におけるピンセット4の姿勢を所定の角度に傾斜したものとすることができる。この傾斜面403の鉛直線に対する角度は、図2に示した保持操作具20における第2の方向Bに対する溝223の角度と等しいものとすることが望ましい。また、ピンセット4の先端を突き当て部402に突き当てることで、ピンセット4の長手方向の位置も一定に定めることができる。すなわち、傾斜面403及び突き当て部402は、ピンセット4の位置及び姿勢を定める位置・姿勢決め部を構成する。なお、この傾斜面403及び突き当て部402は不要であれば省略しても差し支えない。
図4は、保持操作具20によりマイクロピペット3を保持している様子を示す図である。第1駆動部22により爪221を閉じ、把持ブロック222によりマイクロピペット3の胴を把持し固定することによりマイクロピペット3は保持操作具20に確実に保持される。また、マイクロピペット3上部のプッシュボタン32には押具231の下側に取り付けられた弾性体232が突き当たっており、第2駆動部23により押具231を押し下げることによりプッシュボタン32の押下げ操作が可能である。このように、本実施形態に係る保持操作具20では、第1駆動部22と第2駆動部23の2つの駆動部によりマイクロピペット3を含む種々の器具を把持し操作することができる。
図5は、容器載置台5に載置された容器、ここではペトリ皿52を保持操作具20により把持する際の部材の位置関係を示す平面図である。
図中二点鎖線は、容器載置台5上のペトリ皿52の外形を示し、点Xはペトリ皿52の載置中心である。そして、マニピュレータ2により、保持操作具20が、その把持中心が平面視において点Xと一致する位置に移動されたとし、第1駆動部22の駆動方向である第1の方向Aを図中示した方向とする。
このとき、図中黒丸は容器載置台5に取り付けられ、載置されるペトリ皿52の位置決めをする容器位置決め具54の位置を示している。容器位置決め具54は、図1にも見られるように、容器載置台5から上方に突出するピンであり、ここでは、ペトリ皿52は4本の容器位置決め具54に囲まれた位置に載置されることにより、その平面位置が決定される。
これに対し、図中白丸は保持操作具20の容器把持具225の位置を示している。4つの容器把持具225は第1駆動部22により、図中矢印で示した方向に駆動され、ペトリ皿52の側面を挟み込むことによってこれを把持する。
また、図中の一点鎖線は、点Xを中心として第1の方向Aを中央とする90度の範囲を示している。同図より容易に理解できるように、容器把持具225は、点X、すなわち保持操作具20の把持中心から見て、第1の方向Aを中央とする90度の範囲に配置され、容器位置決め具54は、点X、すなわち載置中心から見て第1の方向Aに直交する方向を中央とする90度の範囲に配置される。この配置により、載置する容器や容器位置決め具54の形状如何にかかわらず、保持操作具20による容器の把持の際に、容器把持具225と容器位置決め具54が干渉することが避けられる。
図6は、液体移送システム1のシステムブロック図である。架台10内に収容されたコントローラ13により、ロボットコントローラ24、試験管口滅菌器71、ボルテックスミキサー72、ホットプレート73を制御し、同じく架台10内に収容されたロボットコントローラ24により、マニピュレータ2並びに第1駆動部22及び第2駆動部23が制御される構成となっている。
コントローラ13は、液体移送システム1全体の動作を制御する制御器であり、例えば一般的な産業機器のコントローラであるPLC(Programmable Logic Controller)その他の情報処理装置を用いてよい。コントローラ13からロボットコントローラ24へは、あらかじめロボットコントローラ24に記憶させた各種の動作を実行するタイミングと、どの動作を実行するのかを指令し、ロボットコントローラ24は、かかる指令に従ってマニピュレータ2、第1駆動部22及び第2駆動部23を制御する。また、コントローラ13は、試験管口滅菌器71の動作の開始及び停止、ボルテックスミキサー72の動作の開始及び停止、並びにホットプレート73のオンオフを制御する。
なお、ここで示したシステムブロック図は一例であり、その構成や制御内容を若干異なるものとしてもよい。例えば、第1駆動部22及び第2駆動部23はロボットコントローラ24によらず、直接コントローラ13で制御するようにしてもよい。また、この例では、ボルテックスミキサー72の回転速度やホットプレート73の温度は、あらかじめ作業者が設定しておくが、これをコントローラ13により制御するようにしてもよい。あるいは、ホットプレート73のオンオフは作業者が行い、コントローラ13による制御をしないものとしてもよい。また、液体移送システム1が有する機器構成が変更された場合には、このシステムブロック図にはかかる変更が当然に反映されることになる。
ロボットコントローラ24には、あらかじめ、実行する操作ごとに、マニピュレータ2並びに第1駆動部22及び第2駆動部23の動作がプログラミングされている。すなわち、ロボットコントローラ24が記憶するソフトウェアにより、マニピュレータ2が実現する各種の機能が実現されていることになる。すなわち、コントローラ13は、ロボットコントローラ24にソフトウェアにより実装された機能を、指令により個別に呼び出し実行させることになる。
図7は、ロボットコントローラ24が有する機能の例を示す機能ブロック図である。これらの機能ブロックは、前述したように、ロボットコントローラ24にソフトウェアにより実装された機能を取り出し図示したものであり、各々の機能ブロックの物理的構成が異なることを示すものではない。
容器移送部240は、各種容器、ここでは、試験管51及びペトリ皿52を容器載置台5から作業台7へと移送するようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。具体的にどの容器を作業台7のどの位置に移送するかは、上位のコントローラ13により指定される。なお、これ以外の容器、たとえば、ビーカー50や三角フラスコ53をも移送するようにしても差し支えない。
容器蓋(栓)操作部241は、容器に蓋や栓がなされている場合に、かかる蓋や栓を取り外し、また取り付ける操作をするようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。ここで示した例ではビーカー50及びペトリ皿52の蓋が操作対象となっている。試験管51に栓がされている場合には、当該栓をも操作対象としてよい。具体的にどの容器の蓋(または栓)を操作するかは上位のコントローラ13により指定される。取り外した蓋や栓は、あらかじめ定めておいた所定の場所に載置しておくようにする。
容器口滅菌移送部242は、口元を滅菌すべき容器、ここでは試験管51を把持し、試験管口滅菌器71へと移送するようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。滅菌処理が終わった試験管51は、同じく容器口滅菌移送部242による制御により元の場所へと移送される。滅菌処理の対象となる試験管51は上位のコントローラ13により指定される。
撹拌移送部243は、内容物を撹拌すべき試験管51を把持し、ボルテックスミキサー72へと移送するようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。ボルテックスミキサー72による撹拌の最中も試験管51は保持操作具20により保持され続け、撹拌終了後は元の位置へと移送される。撹拌処理の対象となる試験管51は上位のコントローラ13により指定される。
マイクロピペット着脱部244は、マイクロピペット保持台30に保持されているマイクロピペット3を、保持操作具20により保持して取り外し、また、保持操作具20により保持されているマイクロピペット3をマイクロピペット保持台30に取り付けるようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。マイクロピペット3が複数用意されている場合に、保持対象となるマイクロピペット3は上位のコントローラ13により指定される。マイクロピペット3をマイクロピペット保持台30に取り付ける際には、通常は元あった位置に戻すようにする。
チップ装着部245は、保持操作具20に保持されたマイクロピペット3を架台10上に配置されたチップ31に押し付け、マイクロピペット3の先端にチップ31を装着するようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。取り付けるべきチップ31の位置は上位のコントローラ13により指定される。
チップ脱離部246は、保持操作具20に保持されたマイクロピペット3の先端に装着されたチップ31を脱離する操作を行うようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。この操作は具体的には、マイクロピペット3の先端が廃棄箱70上となるようマニピュレータ2を駆動し、保持操作具20の第2駆動部23により、押具231でマイクロピペット3のプッシュボタン32をチップ31のリリース位置まで押しこむことにより、使用済みのチップ31をマイクロピペット3から取り外し廃棄箱70に廃棄するというものである。
計量抽出・吐出部247は、保持操作具20に保持され、先端にチップ31が装着されたマイクロピペット3のプッシュボタン32を操作して、所定の量の液体の抽出及び吐出をするようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。一般にマイクロピペット3では、プッシュボタン32を操作するストロークが液体の抽出及び吐出量に比例するので、保持操作具20の第2駆動部23により、押具231によるプッシュボタン32の押し込み量を制御することにより高精度に液体を計量することができる。そして、前述したように第2駆動部23は位置制御が可能であって、そのストロークの範囲内で任意の位置に停止させることができるため、抽出及び吐出すべき液体の量は自由かつ正確に制御できる。どの容器から液体をどれだけの量抽出するか、またはどの容器に液体をどれだけの量吐出するかは、上位のコントローラ13により指定される。
分注部248は、保持操作具20に保持され、先端にチップ31が装着されたマイクロピペット3のプッシュボタン32を操作することにより、チップ31内の液体を所定の容器、ここではペトリ皿52内に複数回に分けて、または制御された態様で吐出するようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。この分注部248による分注の動作については後述する。
ピンセット着脱部249は、ピンセット保持台40に保持されているピンセット4を、保持操作具20により保持して取り外し、また、保持操作具20により保持されているピンセット4をピンセット保持台40に取り付けるようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。ピンセット4の保持は、図2に示す保持操作具20の溝223にピンセット4の持ち手部分が嵌まるようにして、爪221でピンセット4を挟むことによりなされる。したがって、ピンセット4の長手方向は溝223の方向と一致し、第2の方向Bに対し傾いた向きとなる。また、このときピンセット4の先端部分は若干開く程度となるように保持する。なお、図3に示したピンセット保持台40の構造より明らかなように、ピンセット4はピンセット保持台40にあらかじめ鉛直線に対し傾いて保持されるため、保持操作具20の溝223に嵌まるようにピンセット4を把持する際に、保持操作具20を傾けるなど特別な制御は必要ない。
フィルタ移送部250は、保持操作具20により保持されているピンセット4により、フィルタ6を掴み上げてビーカー50内に投入するようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。どのフィルタ6を掴み上げるか、またどのビーカー50に掴み上げたフィルタ6を投入するかは上位のコントローラ13により指定される。ピンセット4の開閉操作は、ピンセット4が保持操作具20から脱落しない程度の範囲で、第1駆動部22により爪221を開閉動作させることによりなされる。
容器揺動部251は、任意の容器、ここではペトリ皿52を保持操作具20により把持し、その状態で内容物がこぼれない程度に容器を揺り動かし、その内容物を撹拌するようマニピュレータ2及び保持操作具20を制御する部分である。本実施形態では、後述するように、希釈液と培地を均等に混ぜ合わせるためにこの揺動操作を行っている。
つづいて、本実施形態に係る液体移送システム1による、食品の細菌検査の一部として行われる液体移送の手順を図8のフロー図及び、図1を適宜参照しつつ説明する。
まず、ステップS1にて、ペトリ皿52を容器載置台5から作業台7へと移送する。このとき、最終的に作成すべき検査試料が複数必要である場合には、必要な数のペトリ皿52を移送する。また、試験管41を容器載置台5から作業台7へと移送する。ここでの説明では、移送する試験管41は1本であるが、希釈倍率の異なる試料を得たい場合には、必要な数の試験管41を移送するとよい。
ステップS2にて、検査しようとする液体の入ったビーカー50と、作業台7上のペトリ皿52の蓋を取り外す。取り外した蓋は所定の位置に載置しておく。なお、この際に図示しないマーカにより、ペトリ皿52の蓋にシリアル番号等の識別情報を書き込むようにしてもよい。試験管51に栓がなされている場合には、これも取り外す。
ステップS3にて、作業に用いる試験管41の口を試験管口滅菌器71により滅菌する。この操作は必要なければ省略してもよい。
ステップS4にて、ピンセット4を保持操作具20に保持し、フィルタ6を掴んでビーカー50に投入する。投入後、ピンセット4はピンセット保持台40に戻す。
ステップS5にて、マイクロピペット3を保持操作具20に保持し、チップ31を装着する。
ステップS6にて、マイクロピペット3を用いてビーカー50からフィルタ6越しに液体を計量抽出する。ここでは1mL抽出するものとする。抽出した液体は全量試験管51内に吐出される。これで試験管51内には、10倍に希釈された10mLの希釈液ができることになる。
マイクロピペット3を一旦マイクロピペット保持台30に保持させ、ステップS7で試験管51内の希釈液をボルテックスミキサー72により撹拌する。撹拌後は再度マイクロピペット3を保持する。
ステップS8にて、試験管51から計量抽出し、ペトリ皿52へと分注する。このときの抽出量は、ペトリ皿52への分注に必要な量とすればよい。分注動作の詳細については後述する。
ステップS9にて、マイクロピペット3に装着されたチップ31を廃棄し、新たなチップ31を装着することによりチップ31を交換する。
ステップS10にて、三角フラスコ53から培地を計量抽出し、ペトリ皿52へと吐出する。この吐出量は、例えば、ペトリ皿52あたり15mLである。
ステップS11にて、チップ31を廃棄し、マイクロピペット3をマイクロピペット保持台30に戻す。
ステップS12にて、ビーカー50及びペトリ皿52に蓋を取り付ける。
ステップS13にて、ペトリ皿52を揺り動かし、希釈液と培地とを均等に撹拌する。
以上の操作による液体移送によって、ビーカー50に用意された試料から固形分を除いた液体のみを抽出し、10倍に希釈し、ペトリ皿52上に細菌培地を作成することができる。細菌培地が作成されたペトリ皿52は作業者により、あるいは図示しない別の搬送装置により例えば無菌恒温室内に保管される。
なお、以上の説明では1種類の希釈倍率の希釈液を作成したが、複数種類とする場合には必要なだけステップS6およびS7を繰り返せばよい。あるいは、作成された希釈液をさらに別の試験管51へと移送して希釈するようにしてもよい。
続いて、図9A〜図9Dを用いて上述のステップS8におけるペトリ皿52への分注について説明する。
以上の説明により明らかなように、最終的にペトリ皿52には、希釈液と培地とが均等に混合された細菌培地が作成されることが理想的である。この混合撹拌のため、ステップS13にてペトリ皿52の揺動撹拌を行っているが、かかる撹拌により均等な細菌培地を得るためには、撹拌前において希釈液のペトリ皿52上での分布ができる限り均等に分散していることが望ましい。
図9Aは、ペトリ皿52上の1か所に希釈液を吐出した場合、すなわち、分注しなかった場合の希釈液の分布を示す模式図である。図中ハッチングで示したように、希釈液はペトリ皿52上で偏って分布することになり、均等な細菌培地を得ることが難しくなってしまう。
これに対し、図9Bは、ペトリ皿52上の複数個所、この例では4か所に希釈液を吐出した場合の希釈液の分布を示す模式図である。このように分注することにより、ペトリ皿52上での希釈液の分布がより均等なものとなり、その結果、より均等な細菌培地が得られることになる。このとき、複数個所のそれぞれについて計量された量で希釈液を吐出することにより、より均等な細菌培地が得られる。この計量は、保持操作具20の第2駆動部23が位置制御により任意の位置に停止可能であることにより可能である。
なお、ペトリ皿52上により均等に希釈液を吐出する方法は分注に限られない。図9C又は図9Dに例示するように、ペトリ皿52上で希釈液が所定の軌跡を描くように希釈液を吐出することによっても、希釈液のより均等な分布が得られる。この場合、希釈液の吐出はマニピュレータ2の動作と同期して、制御された吐出速度でなされなければならないが、これは、保持操作具20の第2駆動部23に速度制御を施し、ペトリ皿52内の所定の経路に沿って計量された体積速度で前記液体を吐出するようにすることで可能である。
以上説明した液体移送システム1では、プッシュボタン32を押し込むことによりチップ31をリリースする形式のマイクロピペット3について説明したが、チップ31をリリースするためのリリースボタンを備える形式のマイクロピペット3を用いることも可能である。その場合には、廃棄箱70の上方に、保持操作具20に保持されたマイクロピペット3を押し付けることで、リリースボタンを押し下げることができるための突起である、リリースボタン押下具を設けておけばよい。リリースボタン押下具にリリースボタンを押しつけることにより取り外されたチップ31は、そのまま下方の廃棄箱70内に落下する。
以上の通り、本実施形態に係る液体移送システム1は、固形物を含む液体試料から液体のみを抽出して移送する工程を自動化し、無人による液体移送ができるため、コンタミネーションやヒューマンエラーに起因する信頼性の低下が防止される。また、取り扱う試料が人体に有害なものである場合に、かかる有害物質の作業者への暴露がないので、作業者の安全が確保される。
また、本実施形態に係る液体移送システム1を特に食品の細菌検査に用いる場合には、バイオテクノロジーの技術分野における技能者の確保の問題が無く、自動化による検査自体のコスト低減が期待できる。
以上説明した各実施形態の構成は具体例として示したものであり、本明細書にて開示される発明をこれら具体例の構成そのものに限定することは意図されていない。当業者はこれら開示された実施形態に種々の変形、例えば、機能や操作方法の変更や追加等を加えてもよく、また、フローチャートに示した制御は、同等の機能を奏する他の制御に置き換えてもよい。本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。

Claims (16)

  1. フィルタを把持するフィルタ把持具と液体を計量抽出する計量抽出具を少なくとも保持するべく、互いに開閉するように一対の爪を第1の方向に駆動する第1駆動部と、
    少なくとも前記計量抽出具を操作する押具を前記第1の方向と交差する第2の方向に駆動する第2駆動部と、
    前記一対の爪のそれぞれについて、当該爪の下方に突出し、前記第1駆動部により駆動され、その把持中心から見て前記第1の方向を中央とする90度の範囲に2つ配置される容器把持具と、
    を備えた保持操作具を有する液体移送用マニピュレータ。
  2. 前記第2駆動部は、位置制御により任意の位置に停止可能である、
    請求項1に記載の液体移送用マニピュレータ。
  3. 前記計量抽出具は、マイクロピペットであり、
    前記第2駆動部は、前記マイクロピペットのプッシュボタンを押す押具を駆動する、請求項2に記載の液体移送用マニピュレータ。
  4. 前記押具の前記プッシュボタンと突き当たる端面には、弾性体が設けられる、請求項3に記載の液体移送用マニピュレータ。
  5. 前記第1駆動部はトルク制御により保持力を制御可能である請求項1〜9のいずれか1項に記載の液体移送用マニピュレータ。
  6. 前記フィルタ把持具は、ピンセットであり、
    前記一対の爪のそれぞれは、前記ピンセットを保持する溝であって、前記第2の方向に対して傾いて延びる溝を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体移送用マニピュレータ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体移送用マニピュレータと、
    固形物が混入された液体を収容する試料容器と、
    前記フィルタと、
    前記フィルタ把持具と、
    前記計量抽出具と、
    を有する液体移送システム。
  8. 容器が載置される容器載置台であって、上方に突出し、その載置中心から見て前記第1の方向に直交する方向を中央とする90度の範囲に配置される容器位置決め具を備えた容器載置台を有する請求項7に記載の液体移送システム。
  9. 請求項3又は4に記載の液体移送用マニピュレータと、
    固形物が混入された液体を収容する試料容器と、
    前記フィルタと、
    前記フィルタ把持具と、
    前記計量抽出具と、
    前記第2駆動部により、前記マイクロピペットのプッシュボタンをピペットチップのリリース位置まで押しこむように制御するチップ脱離部と、
    を有する液体移送システム。
  10. 請求項3又は4に記載の液体移送用マニピュレータと、
    固形物が混入された液体を収容する試料容器と、
    前記フィルタと、
    前記フィルタ把持具と、
    前記計量抽出具と、
    前記マイクロピペットのピペットチップのリリースボタンを押下するリリースボタン押下具と、
    を有する液体移送システム。
  11. 請求項6に記載の液体移送用マニピュレータと、
    固形物が混入された液体を収容する試料容器と、
    前記フィルタと、
    前記フィルタ把持具と、
    前記計量抽出具と、
    前記ピンセットを保持するピンセット保持台であって、前記ピンセットの保持時に、当該ピンセットの位置及び姿勢を定める位置・姿勢決め部を有するピンセット保持台と、
    を有する液体移送システム。
  12. 請求項3又は4に記載の液体移送用マニピュレータと、
    固形物が混入された液体を収容する試料容器と、
    前記フィルタと、
    前記フィルタ把持具と、
    前記計量抽出具と、
    前記マイクロピペットを保持するマイクロピペット保持台であって、前記マイクロピペット保持時に、当該マイクロピペットの位置及び姿勢を定めるとともに、その脱落を防止する脱落防止部を有するマイクロピペット保持台と、
    を有する液体移送システム。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のマニピュレータの前記保持操作具で保持した前記フィルタ把持具により、フィルタを、固形物が混入された液体を収容する試料容器内に投入し、
    前記マニピュレータの前記保持操作具で保持した前記計量抽出具により、前記フィルタを通して、前記試料容器内の液体を計量抽出する、
    液体移送方法。
  14. 前記固形物は食品であり、当該食品の細菌検査に用いられる請求項13に記載の液体移送方法。
  15. 液体を検査容器に移送し、その際、
    前記検査容器内の複数の位置にそれぞれ計量された分量の前記液体を吐出するか、又は、前記検査容器内の所定の経路に沿って計量された体積速度で前記液体を吐出する、
    請求項13又は14に記載の液体の移送方法。
  16. 前記マニピュレータにより前記試料容器内の液体を計量抽出し、希釈容器に移送し、
    前記マニピュレータにより前記希釈容器内の液体を計量抽出し、検査容器に移送し、
    前記マニピュレータにより培地容器内の培地を計量抽出し、前記検査容器に移送する、
    請求項13〜15のいずれか1項に記載の液体の移送方法。
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