以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る弾球遊技機としてぱちんこ遊技機PMを図1〜図3に示しており、まず、この図を参照してぱちんこ遊技機PMの全体構成について説明する。本実施形態において、図2の各矢印で示す方向をそれぞれ、上下方向、前後方向、左右方向として説明する。
[ぱちんこ遊技機の全体構成]
始めに、ぱちんこ遊技機PMの前面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1と、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2とを主体に構成される。前枠2は、外枠1および前枠2の左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより、外枠1の前側開口部に対して横開き開閉および着脱が可能に取り付けられる。また、前枠2は、右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置300を利用して、常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面側には、図2に示すように、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3a,3bを利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられる。ガラス枠5は、上述の施錠装置300を利用して、常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。図1に示すように、前枠2の上側に設けられた収容枠100に遊技盤10が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラス5aを通して、遊技盤10の前面に設けられた遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
遊技盤10は、透明の樹脂材料を用いて板状に形成されたベース部材11の前面側に、
内外のレール部12,13により囲まれて略円形状の遊技領域PAが形成されるようになっている。詳細な図示を省略するが、遊技盤10の遊技領域PAには、多数本の遊技釘とともに、遊技球が入球可能な一般入賞装置、始動入賞装置、大入賞装置等の各種入賞装置(図示せず)、遊技の展開状態に応じて演出を行う演出表示装置、可動装飾装置を備えたセンター飾り(図示せず)等が取り付けられている。また、遊技領域PAの下端部には、遊技球が通過可能なアウト口18が形成されている。
外レール部12は、下側が開いた円弧状に形成されており、発射機構22から発射された遊技球を遊技領域PAへ導くようになっている。内レール部13は、右側が開いた円弧状に形成されており、遊技盤10(ベース部材11)の前面において外レール部12の左側部分に対し所定間隔を空けるように配設されることで、外レール部12の左側部分との間に発射通路15が形成されるようになっている。
図2に示すように、ガラス枠5の下部前面側には、遊技球を貯留する球皿ユニット部200の上下の球皿(上球皿210および下球皿220)が設けられる。なお、詳細は後述するが、上球皿210および下球皿220は、ガラス枠5の左右の中心に対して左側に寄って配置される。これにより、ガラス枠5の下部前面側の中央に、所定の演出操作を行うための演出操作装置280が取り付けられる。また、ガラス枠5における演出操作装置280の右方には、所定の演出設定操作を行うための演出設定操作スイッチ290や、遊技球の貸球操作を行うための球貸し操作スイッチ295が取り付けられる。ガラス枠5の上部前面側には、発光ダイオード(LED)やランプ等の電飾装置7や、遊技の展開状態に応じて効果音を発生させるスピーカ8が設けられる。
図1に示すように、前枠2の右下部には、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル9が設けられる。前枠2の下部におけるガラス枠5の後側の領域(以降、遊技補助盤20と称する)には、上球皿210に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す整流器21、整流器21から送り出された遊技球を遊技領域PAに向けて打ち出す発射機構22、発射機構22の作動を制御する発射制御基板23等が設けられる。
続いて、ぱちんこ遊技機PMの後面側の基本構造を説明する。図3に示すように、前枠2の後面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏機構盤30が取り付けられている。裏機構盤30の各部には、遊技施設側から供給される遊技球を貯留するタンク部材33、タンク部材33から供給される遊技球を流下させる樋部材34、樋部材34を流下する遊技球を払い出す賞球払出ユニット35、賞球払出ユニット35から払い出された遊技球を上球皿210もしくは下球皿220に流下させる裏側通路部材36等が設けられている。また、裏機構盤30には、遊技盤10の後側を全体的に覆う遊技盤カバー39が取り付けられる。
遊技盤10の後面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板40(図11を参照)や、遊技展開に応じた画像表示、効果照明、効果音等の演出全般の制御を行う副制御基板41(図11を参照)等が取り付けられている。これに対して、裏機構盤30の後面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板42や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板43等が取り付けられている。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)で接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島(設置枠台)に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿210に遊技球を貯留させて発射ハンドル9を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル9が回動
操作されると、上球皿210に貯留された遊技球が、整流器21によって1球ずつ発射機構22に送り出され、発射機構22により遊技領域PAに打ち出されて、以降パチンコゲームが展開される。
[収容枠の構成]
次に、図4〜図15を追加参照して、前枠2の上側に設けられた収容枠100の詳細について説明する。収容枠100は、図4および図8に示すように、前枠2の上部にから中央に掛けて形成される。収容枠100の左辺部上側には、遊技盤10の左上部前面側を支持する上部揺動支持部101が形成される。上部揺動支持部101は、収容枠100の内側(右方)に突出する板状に形成される。収容枠100の左辺部下側には、遊技盤10の左下部前面側を支持する第1下部揺動支持部103が形成される。第1下部揺動支持部103は、上部揺動支持部101と同様に、収容枠100の内側(右方)に突出する板状に形成される。収容枠100の下辺部左端には、遊技盤10の左下部底面側を支持する第2下部揺動支持部104が形成される。第2下部揺動支持部104は、遊技盤10の左下部底面側が摺動可能な平板状に形成される。上部揺動支持部101、第1下部揺動支持部103、および第2下部揺動支持部104は、収容枠100に対して遊技盤10を着脱可能な着脱位置(図13を参照)と、遊技盤10が収容枠100に保持される保持位置(図14(b)を参照)との間で、遊技盤10を揺動可能に支持する。
収容枠100の下辺部左側には、遊技盤10を揺動させ易くするためのガイドリブ105が形成される。ガイドリブ105は、第2下部揺動支持部104の右側に隣接して形成される。収容枠100の下辺部中央には、遊技盤10の中央下部底面側を支持する下側支持部107が形成される。また、収容枠100の左辺部上側における上部揺動支持部101の後方に、上部押さえ部材111が取り付けられる。上部押さえ部材111は、板バネ等の弾性力を有する金属板材を用いて形成され、遊技盤10の左上部後面側を前方に(上部揺動支持部101の方に)押さえるようになっている。また、収容枠100の左辺部下側における第1下部揺動支持部103の後方に、下部押さえ部材112が取り付けられる。下部押さえ部材112は、上部押さえ部材111と同様に形成され、遊技盤10の左下部後面側を前方に(第1下部揺動支持部103の方に)押さえるようになっている。
収容枠100の上辺部右側には、保持位置に揺動した遊技盤10の右上部を係脱可能に固定保持する上部ロック機構121が設けられる。収容枠100の下辺部右側には、保持位置に揺動した遊技盤10の右下部を係脱可能に固定保持する下部ロック機構122が設けられる。なお、前枠2における収容枠100の右上方部分の前面側に、前枠2に対するガラス枠5の開閉を検出する上部開閉センサ131が設けられる。また、前枠2における収容枠100の右下方部分の前面側に、前枠2に対するガラス枠5の開閉を検出する下部開閉センサ132が設けられる。
図5および図8に示すように、収容枠100の上辺部の後側に、裏機構盤30の上側部分が取り付けられ、収容枠100の左辺部の後側に、補強板135を介して裏機構盤30の左側部分が取り付けられる。補強板135は、金属板材を用いて上下に延びる板状に形成され、補強板135の前部が収容枠100の左辺部の後側に結合されるとともに、補強板135の後部が裏機構盤30の左側部分に結合される。補強板135の後部内側には、裏機構盤30における賞球払出ユニット35の近傍から延びる賞球アース部材140が接触して取り付けられるようになっている。
賞球アース部材140は、図8および図9に示すように、金属板材を用いて、裏機構盤30の左側部分の前側形状に合わせて折れ曲がった板状に形成される。賞球アース部材140の後部には、裏機構盤30における樋部材34の下部前面側に取り付けられる通路側取付部141が形成される。通路側取付部141は、ネジ等の固定手段により樋部材34
の下部前面側に取り付け固定される。通路側取付部141には、樋部材34の下部前面側に設けられたアース端子(図示せず)と接触する通路側端子部142が上方に延びて形成される。樋部材34の下部前面側に露出して設けられたアース端子は、詳細な図示を省略するが、樋部材34の内部通路に設けられたアース板(図示せず)や、賞球払出ユニット35に内蔵された駆動モーター(図示せず)等と電気的に接続される。
賞球アース部材140の前部には、裏機構盤30の左側部分の前縁部に取り付けられる補強板側取付部143が形成される。補強板側取付部143は、ネジ等の固定手段により裏機構盤30の左側部分の前縁部に取り付け固定される。補強板側取付部143には、補強板135と接触する補強板側端子部144が前方に延びて形成される。これにより、賞球アース部材140は、樋部材34の下部前面側に設けられたアース端子(図示せず)と補強板135とに電気的に接続され、樋部材34の下部前面側に設けられたアース端子は、賞球アース部材140および補強板135を介して、ぱちんこ遊技機PMの外部に接地される。また、賞球アース部材140は、裏機構盤30の左側部分の前側形状に合わせて折れ曲がった板状に形成されるため、遊技盤10の揺動時等において遊技盤10に当接することなく、樋部材34の内部通路に設けられたアース板(図示せず)や、賞球払出ユニット35に内蔵された駆動モーター(図示せず)等の接地を、確実に行うことができる。
収容枠100の下辺部(遊技補助盤20)の後側に、前側通路カバー136を介して裏機構盤30の下側部分が取り付けられる。遊技補助盤20の後側に位置する前側通路カバー136の前部に、遊技領域PAを転動流下して遊技盤10の後面側に排出された遊技球を、裏機構盤30の下側部分に形成された球排出口(図示せず)に向けて流下させる遊技球排出通路137が形成される。また、前側通路カバー136の右上部にコネクタ取付部138が後方に突出して形成され、このコネクタ取付部138に、前枠2側に設けられた電気部品(例えば、ガラス枠5の電飾装置7およびスピーカ8や、裏機構盤30の払出制御基板42および電源基板43等)と電気的に接続された枠部材側コネクタ部150が取り付けられる。
枠部材側コネクタ部150は、図6および図7に示すように、主基板用枠部材側コネクタ151と、第1副基板用枠部材側コネクタ153と、第2副基板用枠部材側コネクタ155と、コネクタ保持部材161と、ケーブルカバー171と、シールドカバー181とを有して構成される。なお、図5において、ケーブルカバー171およびシールドカバー181の図示を省略している。
主基板用枠部材側コネクタ151は、主基板用枠部材側ケーブル152の一端に設けられ、前枠2側に設けられた主制御基板40に関わる電気部品(例えば、裏機構盤30の払出制御基板42および電源基板43等)と電気的に接続される。第1副基板用枠部材側コネクタ153は、第1副基板用枠部材側ケーブル154の一端に設けられ、前枠2側に設けられた副制御基板41に関わる電気部品(例えば、裏機構盤30の電源基板43等)と電気的に接続される。第2副基板用枠部材側コネクタ155は、第2副基板用枠部材側ケーブル156の一端に設けられ、前枠2側に設けられた副制御基板41に関わる電気部品(例えば、ガラス枠5の電飾装置7およびスピーカ8等)と電気的に接続される。
コネクタ保持部材161は、図7に示すように、樹脂材料を用いて、前方が開口した矩形容器状に形成される。コネクタ保持部材161の左側には、主基板用枠部材側コネクタ151を保持する主基板用コネクタ保持部162が形成される。主基板用コネクタ保持部162は、前枠2の左右の延在方向に対して傾斜するように形成されており、主基板用枠部材側コネクタ151が前枠2の左右の延在方向に対し傾斜して取り付けられるようになっている。なお、主基板用枠部材側コネクタ151は、ネジ等の固定手段(図示せず)を用いて、主基板用コネクタ保持部162の前面側に取り付け保持される。また、主基板用
コネクタ保持部162には、主基板用枠部材側ケーブル152が前後に挿通される主基板用ケーブル挿通部163が形成される。
コネクタ保持部材161の右側には、第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155を保持する副基板用コネクタ保持部164が形成される。副基板用コネクタ保持部164は、主基板用コネクタ保持部162と略平行に段差状に傾斜して形成されており、第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155が前枠2の左右の延在方向に対し傾斜するとともに、主基板用枠部材側コネクタ151と(前枠2の左右の延在方向に沿って)略平行に並んで取り付けられるようになっている。なお、第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155は、ネジ等の固定手段(図示せず)を用いて、副基板用コネクタ保持部164の前面側に傾斜方向に沿って並ぶように取り付け保持される。また、副基板用コネクタ保持部164には、第1副基板用枠部材側ケーブル154が前後に挿通される第1副基板用ケーブル挿通部165が形成される。また、副基板用コネクタ保持部164には、第2副基板用枠部材側ケーブル156が前後に挿通される第2副基板用ケーブル挿通部166が形成される。
コネクタ保持部材161の後側には、コネクタ保持部材161をケーブルカバー171およびシールドカバー181に取り付けるための部材取付ボス167が複数形成される。部材取付ボス167には、コネクタ保持部材161を取り付けるための部材取付ネジ(図示せず)がネジ固定される。これにより、コネクタ保持部材161は、主基板用枠部材側コネクタ151、第1副基板用枠部材側コネクタ153、および第2副基板用枠部材側コネクタ155を保持してケーブルカバー171およびシールドカバー181に取り付けられる。
ケーブルカバー171は、図7に示すように、樹脂材料を用いて、コネクタ保持部材161の外周形状に合わせた矩形容器状に形成され、コネクタ保持部材161の後側を全体的に覆うようになっている。ケーブルカバー171の下端部には、ケーブルカバー171に覆われた主基板用枠部材側ケーブル152、第1副基板用枠部材側ケーブル154、および第2副基板用枠部材側ケーブル156が上下に挿通されるケーブル挿通部172が形成される。ケーブルカバー171の後面側には、シールドカバー181と重なって接合される平面状のカバー接合部173が形成される。カバー接合部173には、シールドカバー181の係合穴184と係合可能な係合突起174が上下に2つ形成される。また、カバー接合部173には、前述の部材取付ネジ(図示せず)が挿通されるネジ挿通孔175がコネクタ保持部材161の部材取付ボス167と位置整合して形成される。
シールドカバー181は、金属板材を用いて、右側部分が前方に折れ曲がった板状に形成される。シールドカバー181の右側部には、前側通路カバー136のコネクタ取付部138と重なって接合可能な傾斜接合部182が形成される。シールドカバー181の後部には、ケーブルカバー171のカバー接合部173と重なって接合可能な後側接合部183が形成される。後側接合部183には、ケーブルカバー171の係合突起174と係合可能な係合穴184が上下に2つ形成される。また、後側接合部183には、前述の部材取付ネジ(図示せず)が挿通されるネジ挿通孔185がコネクタ保持部材161の部材取付ボス167と位置整合して形成される。
係合突起174と係合穴184とが係合して、ケーブルカバー171のカバー接合部173とシールドカバー181の後側接合部183とが重なって接合した状態で、前述の部材取付ネジ(図示せず)が各ネジ挿通孔175,185に挿通されてコネクタ保持部材161の部材取付ボス167にネジ固定される。これにより、コネクタ保持部材161がケーブルカバー171およびシールドカバー181に取り付けられ、コネクタ保持部材16
1の後方がシールドカバー181に覆われるようになっている。
傾斜接合部182の前端部には、コネクタ取付部138に形成された固定穴部139に固定されるカバー固定片186が形成される。前側通路カバー136のコネクタ取付部138とシールドカバー181の傾斜接合部182とが重なって接合した状態で、ネジ等の固定手段(図示せず)により、シールドカバー181のカバー固定片186がコネクタ取付部138の固定穴部139にネジ固定される。これにより、シールドカバー181は、主基板用枠部材側コネクタ151、第1副基板用枠部材側コネクタ153、および第2副基板用枠部材側コネクタ155とともに、コネクタ保持部材161およびケーブルカバー171を保持して、コネクタ取付部138に着脱可能に取り付けられる。このようにして、主基板用枠部材側コネクタ151、第1副基板用枠部材側コネクタ153、および第2副基板用枠部材側コネクタ155は、コネクタ保持部材161、ケーブルカバー171、およびシールドカバー181を介して、前枠2の左右の延在方向に対し傾斜して前枠2の後側に着脱可能に取り付けられる。
収容枠100にセット保持される遊技盤10(ベース部材11)の後面側には、図10および図11に示すように遊技盤ブラケット50が取り付けられる。遊技盤ブラケット50は、樹脂材料を用いて、平断面視「コ」の字形の台形状に形成される。遊技盤ブラケット50の後部左側に基板取付部51が形成され、この基板取付部51に、各基板ケース(図示せず)に収容された主制御基板40および副制御基板41が重なって取り付けられる。遊技盤ブラケット50の後部右側にコネクタ取付部52が形成され、このコネクタ取付部52に、遊技盤10側に設けられた電気部品(主制御基板40および副制御基板41)と電気的に接続された遊技盤側コネクタ部60が取り付けられる。遊技盤側コネクタ部60は、図11に示すように、主基板用コネクタ基板61と、副基板用コネクタ基板71と、基板保持部材81と、コネクタカバー91とを有して構成される。
主基板用コネクタ基板61は、主基板用プリント基板62と、主基板用遊技盤側コネクタ64と、主基板接続コネクタ65とを有して構成される。主基板用プリント基板62の実装面には、主基板用遊技盤側コネクタ64と主基板接続コネクタ65とが左右に並んで配設される。主基板用プリント基板62には、基板固定ネジ(図示せず)が挿通される基板固定穴63が複数形成される。主基板接続コネクタ65は、主基板用コネクタ基板61(主基板用プリント基板62)の左側に配置される。主基板接続コネクタ65は、主基板接続ケーブル68を介して、主制御基板40の右側に配設された右側コネクタ40aと電気的に接続される。これにより、主基板用コネクタ基板61が主制御基板40と電気的に接続される。主基板用遊技盤側コネクタ64は、主基板用コネクタ基板61の右側に配置され、主制御基板40と電気的に接続されるように構成される。主基板用遊技盤側コネクタ64は、遊技盤10が前述の保持位置に揺動すると、枠部材側コネクタ部150の主基板用枠部材側コネクタ151と嵌合して電気的に接続されるようになっている。
副基板用コネクタ基板71は、副基板用プリント基板72と、第1副基板用遊技盤側コネクタ74と、第2副基板用遊技盤側コネクタ75と、第1副基板接続コネクタ76と、第2副基板接続コネクタ77とを有して構成される。副基板用プリント基板72の実装面には、下部において第1副基板用遊技盤側コネクタ74と第2副基板用遊技盤側コネクタ75とが左右に並んで配設され、上部において第1副基板接続コネクタ76と第2副基板接続コネクタ77とが上下に並んで配設される。副基板用プリント基板72には、基板固定ネジ(図示せず)が挿通される基板固定穴73が複数形成される。
第1副基板接続コネクタ76は、副基板用コネクタ基板71(副基板用プリント基板72)の上部において第2副基板接続コネクタ77の下側に配置される。第2副基板接続コネクタ77は、副基板用コネクタ基板71の上部において第1副基板接続コネクタ76の
上側に配置される。第1副基板接続コネクタ76は、第1副基板接続ケーブル(図示せず)を介して、副制御基板41の上側に配設された第1上側コネクタ41aと電気的に接続される。第2副基板接続コネクタ77は、第2副基板接続ケーブル(図示せず)を介して、副制御基板41の上側に配設された第2上側コネクタ41bと電気的に接続される。これにより、副基板用コネクタ基板71が副制御基板41と電気的に接続される。
第1副基板用遊技盤側コネクタ74は、副基板用コネクタ基板71(副基板用プリント基板72)の下部左側に配置され、副制御基板41と電気的に接続されるように構成される。第1副基板用遊技盤側コネクタ74は、遊技盤10が前述の保持位置に揺動すると、枠部材側コネクタ部150の第1副基板用枠部材側コネクタ153と嵌合して電気的に接続されるようになっている。第2副基板用遊技盤側コネクタ75は、副基板用コネクタ基板71の下部右側に配置され、副制御基板41と電気的に接続されるように構成される。第2副基板用遊技盤側コネクタ75は、遊技盤10が前述の保持位置に揺動すると、枠部材側コネクタ部150の第2副基板用枠部材側コネクタ155と嵌合して電気的に接続されるようになっている。
基板保持部材81は、樹脂材料を用いて台形状に形成され、遊技盤ブラケット50のコネクタ取付部52に取り付けられる。基板保持部材81の左側下部には、主基板用コネクタ基板61を保持する主基板用基板保持部82が形成される。主基板用基板保持部82は、遊技盤10の左右の延在方向に対して傾斜するように形成されており、主基板用コネクタ基板61(すなわち、主基板用遊技盤側コネクタ64)が遊技盤10の左右の延在方向に対し傾斜して取り付けられるようになっている。
なお、主基板用基板保持部82には、基板取付けボス83が主基板用コネクタ基板61の基板固定穴63と位置整合して形成される。また、主基板用基板保持部82の左隅部には、主基板用プリント基板62の左隅部に係止可能な基板係止部84が形成される。主基板用プリント基板62の左隅部に主基板用基板保持部82の基板係止部84が係止した状態で、前述の基板固定ネジ(図示せず)が基板固定穴63に挿通されて主基板用基板保持部82の基板取付けボス83にネジ固定される。これにより、主基板用コネクタ基板61が主基板用基板保持部82の後面側に取り付け保持される。
基板保持部材81の右側には、副基板用コネクタ基板71を保持する副基板用基板保持部85が形成される。副基板用基板保持部85は、主基板用基板保持部82と略平行に段差状に傾斜して形成されており、副基板用コネクタ基板71(すなわち、第1副基板用遊技盤側コネクタ74および第2副基板用遊技盤側コネクタ75)が遊技盤10の左右の延在方向に対し傾斜するとともに、主基板用コネクタ基板61(すなわち、主基板用遊技盤側コネクタ64)と(遊技盤10の左右の延在方向に沿って)略平行に並んで取り付けられるようになっている。
なお、副基板用基板保持部85には、基板取付けボス86が副基板用コネクタ基板71の基板固定穴73と位置整合して形成される。また、副基板用基板保持部85の左隅部には、副基板用プリント基板72の左隅部に係止可能な基板係止部87が形成される。副基板用プリント基板72の左隅部に副基板用基板保持部85の基板係止部87が係止した状態で、前述の基板固定ネジ(図示せず)が基板固定穴73に挿通されて副基板用基板保持部85の基板取付けボス86にネジ固定される。これにより、副基板用コネクタ基板71が副基板用基板保持部85の後面側に取り付け保持され、第1副基板用遊技盤側コネクタ74および第2副基板用遊技盤側コネクタ75は、副基板用基板保持部85の傾斜方向に沿って並ぶように保持される。
また、基板保持部材81は、ネジ等の固定手段(図示せず)により、遊技盤ブラケット
50のコネクタ取付部52にネジ固定される。これにより、基板保持部材81は、主基板用コネクタ基板61および副基板用コネクタ基板71を保持して、遊技盤ブラケット50のコネクタ取付部52に着脱可能に取り付けられる。このようにして、主基板用コネクタ基板61と副基板用コネクタ基板71とは、基板保持部材81を介して、遊技盤10の左右の延在方向に対し傾斜するとともに、(遊技盤10の左右の延在方向に沿って)略平行に並んで遊技盤10の後側に着脱可能に取り付けられる。
主基板用枠部材側コネクタ151と主基板用遊技盤側コネクタ64とは、図13および図15に示すように、遊技盤10が前述の保持位置に揺動した状態で、遊技盤10の揺動軸Azと主基板用枠部材側コネクタ151(または、第1副基板用枠部材側コネクタ153、第2副基板用枠部材側コネクタ155)とを通る平面(以下、説明のためコネクタ配置平面Szと称する)に対し、略垂直な方向を向いて対向するように配置される。また、第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155と第1副基板用遊技盤側コネクタ74および第2副基板用遊技盤側コネクタ75とは、遊技盤10が前述の保持位置に揺動した状態で、コネクタ配置平面Szに対し略垂直な方向を向いて対向するように配置される。
ここで、遊技盤10の揺動軸Azは、例えば、遊技盤10が揺動する際に当接する上部揺動支持部101および第1下部揺動支持部103の後側の角隅部をそれぞれ通る軸に設定されるが、これに限られるものではない。また、遊技盤10の揺動軸Azと主基板用枠部材側コネクタ151とを通るコネクタ配置平面Szは、遊技盤10の揺動軸Azと第1副基板用枠部材側コネクタ153とを通る平面であってもよく、遊技盤10の揺動軸Azと第2副基板用枠部材側コネクタ155とを通る平面であってもよい。すなわち、コネクタ配置平面Szは、遊技盤10の揺動軸Azと、主基板用枠部材側コネクタ151、第1副基板用枠部材側コネクタ153、および第2副基板用枠部材側コネクタ155のうち、少なくともいずれかを通る平面に設定することができる。
なお、基板保持部材81の上縁部にフランジ状のカバー取付部88が形成され、このカバー取付部88にコネクタカバー91が取り付けられる。コネクタカバー91は、透明樹脂材料を用いて蓋状に形成され、基板保持部材81の後面側に保持された、主基板用コネクタ基板61の主基板接続コネクタ65と、副基板用コネクタ基板71の第1副基板接続コネクタ76および第2副基板接続コネクタ77とを覆うように構成される。コネクタカバー91の左下部には、主基板接続コネクタ65を覆う主基板用コネクタカバー部92が形成される。コネクタカバー91の左上部には、第1副基板接続コネクタ76および第2副基板接続コネクタ77を覆う副基板用コネクタカバー部93が形成される。
以上のように構成される収容枠100に遊技盤10を装着するには、まず、遊技盤10の左側部を、上部揺動支持部101および第1下部揺動支持部103の後側の空間に右前方から斜めに挿入し、図13に示すように、遊技盤10を前述の着脱位置にセットする。次に、図14(a)に示すように、着脱位置にセットした遊技盤10を後方に向けて揺動させる。そして、図14(b)に示すように、遊技盤10を前述の保持位置まで揺動させる。これにより、遊技盤10の右上部が上部ロック機構121に固定保持されるとともに、遊技盤10の右下部が下部ロック機構122に固定保持された状態で、保持位置に揺動した遊技盤10が収容枠100にセット保持される。
本実施形態において、主基板用枠部材側コネクタ151と主基板用遊技盤側コネクタ64とは、遊技盤10が保持位置に揺動した状態で、遊技盤10の揺動軸Azと主基板用枠部材側コネクタ151(または、第1副基板用枠部材側コネクタ153、第2副基板用枠部材側コネクタ155)とを通るコネクタ配置平面Szに対し、略垂直な方向を向いて対向するように配置される。これにより、遊技盤10が保持位置に揺動する際、主基板用遊
技盤側コネクタ64が主基板用枠部材側コネクタ151の(前後方向での)延伸方向に沿って進むため、主基板用遊技盤側コネクタ64と主基板用枠部材側コネクタ151とがスムーズに嵌合する。このようにして、主基板用遊技盤側コネクタ64と主基板用枠部材側コネクタ151との電気的な接続がスムーズに行われ、遊技盤10側に設けられた主制御基板40と、前枠2側に設けられた主制御基板40に関わる電気部品(例えば、裏機構盤30の払出制御基板42および電源基板43等)とが電気的に接続される。
また、第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155と第1副基板用遊技盤側コネクタ74および第2副基板用遊技盤側コネクタ75とは、遊技盤10が保持位置に揺動した状態で、コネクタ配置平面Szに対し略垂直な方向を向いて対向するように配置される。これにより、遊技盤10が保持位置に揺動する際、第1副基板用遊技盤側コネクタ74および第2副基板用遊技盤側コネクタ75が第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155の(前後方向での)延伸方向に沿って進むため、第1副基板用遊技盤側コネクタ74および第2副基板用遊技盤側コネクタ75と第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155とがスムーズに嵌合する。このようにして、第1副基板用遊技盤側コネクタ74および第2副基板用遊技盤側コネクタ75と第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155との電気的な接続がスムーズに行われ、遊技盤10側に設けられた副制御基板41と、前枠2側に設けられた副制御基板41に関わる電気部品(例えば、裏機構盤30の電源基板43、ガラス枠5の電飾装置7およびスピーカ8等)とが電気的に接続される。
このように、本実施形態によれば、主基板用遊技盤側コネクタ64と主基板用枠部材側コネクタ151との電気的な接続がスムーズに行われ、第1副基板用遊技盤側コネクタ74および第2副基板用遊技盤側コネクタ75と第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155との電気的な接続がスムーズに行われるため、遊技盤10と前枠2との電気的な接続をスムーズに行うことが可能になる。
[球皿ユニット部の構成]
次に、図16〜図21を追加参照して、ガラス枠5の下部(複層ガラス5aの下方)に設けられた球皿ユニット部200について説明する。球皿ユニット部200は、図16および図18に示すように、上球皿210と、下球皿220と、球通路部材240と、通路切り換え部材250と、球押さえ部材260とを有して構成され、ガラス枠5の下部に形成された下部フレーム500の前面側に取り付けられる。上球皿210および下球皿220は、下部フレーム500の左右の中心に対して左側に寄って配置される。これにより、図17に示すように、下部フレーム500の前面側中央に所定の演出操作を行うための演出操作装置280が取り付けられ、演出操作装置280の左側方(上下のヒンジ機構3a,3bに近い側の側方)に上球皿210および下球皿220が配置される。
演出操作装置280は、図2および図17に示すように、所定の演出操作が行われる演出操作部281と、演出操作部281が取り付けられる外装部282と、外装部282の内部に収容された内部機構部283とを有して構成される。外装部282は、所定の装飾が施されて、下球皿220の前端部とほぼ同じ前後方向位置まで前方に膨出するように形成される。内部機構部283は、演出操作部281を支持するとともに演出操作部281の操作に応じた作動を行う。また、内部機構部283は、外装部282の表示部(透明部)を通じて所定の演出を視認させることも可能である。演出操作装置280は、下部フレーム500の前面側に設けられた操作装置取付部510(図16を参照)に取り付けられる。
操作装置取付部510は、図16に示すように、ベースプレート511と、サイドプレ
ート512とを有して構成される。ベースプレート511は、下部フレーム500の下端部から前方に延びる平板状に形成される。ベースプレート511の上面に、演出操作装置280が載置されて取り付けられるようになっている。サイドプレート512は、操作装置取付部510の左側部を覆うように湾曲した板状に形成される。サイドプレート512には、演出操作装置280(外装部282)を発光させるための電飾基板(図示せず)が取り付けられるリブ状の基板取付部513が形成される。基板取付部513がリブ状に形成されることで、サイドプレート512の強度を高めることができる。
上球皿210は、図16および図18に示すように、樹脂材料を用いて遊技球を貯留可能な皿状に形成され、下部フレーム500の前面側における上側出口通路部501の前側に取り付けられる。なお、上側出口通路部501は、前枠2および裏機構盤30に形成された賞球払出通路(図示せず)に繋がっており、賞球払出ユニット35から賞球として払い出された遊技球が賞球払出通路を流下し、上側出口通路部501を通過して上球皿210に流出するようになっている。上球皿210の底部は右下方に傾斜して形成されており、図19および図20に示すように、上球皿210に貯留された遊技球が上球皿210の右側に繋がって形成された球供給通路201に流れ込むようになっている。上球皿210の右側には、球供給通路201の導入部211が形成される。この導入部211は、正面視(断面視)U字形に上下に湾曲した通路状に形成され、上球皿210の右側に流れ込んだ遊技球を上球皿210の下方に導くようになっている。
上球皿210の下方には、図19および図20に示すように、下部フレーム500との間に球供給通路201の傾斜通路部212および上側湾曲部213が形成される。傾斜通路部212は、左下方に傾斜した通路状に形成され、上流側が球供給通路201の導入部211に繋がるとともに、下流側が上側湾曲部213に繋がるようになっている。傾斜通路部212は、上球皿210の右側から球供給通路201の導入部211に導かれた遊技球を上側湾曲部213に向けて1列に流下させる。なお、導入部211および傾斜通路部212の底部には、遊技球に帯電した静電気を除電するためのアース板(図示せず)が取り付けられる。上側湾曲部213は、逆L字形に湾曲した通路状に形成され、上流側が傾斜通路部212に繋がるとともに、下流側が球通路部材240に形成された鉛直通路部241に繋がるようになっている。上側湾曲部213は、傾斜通路部212の下流端に達した遊技球を略鉛直下方に向けて1列に流下させる。
なお、上球皿210の右方に繋がって操作スイッチ取付部218が形成され、この操作スイッチ取付部218に、前述の演出設定操作スイッチ290および球貸し操作スイッチ295が取り付けられるようになっている。また、操作スイッチ取付部218の右端部後側には、角棒状の下部センサ当接部219が後方に突出して形成される。下部センサ当接部219は、下部フレーム500のセンサ用挿通穴部505(図21を参照)に挿通されてガラス枠5の後方に突出するようになっている。これにより、ガラス枠5を前枠2に対して閉鎖状態にすると、下部センサ当接部219は、前枠2に設けられた前述の下部開閉センサ132に当接し、下部開閉センサ132によりガラス枠5の閉鎖状態が検出されるようになっている。
このように、上部開閉センサ131に加えて下部開閉センサ132が設けられることで、ガラス枠5の不正な変形を確実に検知することができる。なお、図21に示すように、ガラス枠5の右上部後面側には、突起状の上部センサ当接部551が形成される。ガラス枠5を前枠2に対して閉鎖状態にすると、上部センサ当接部551は、前枠2に設けられた前述の上部開閉センサ131に当接し、上部開閉センサ131によりガラス枠5の閉鎖状態が検出されるようになっている。
下球皿220は、図17〜図18に示すように、樹脂材料を用いて遊技球を貯留可能な
皿状に形成され、下部フレーム500の前面側における球通路部材240の球抜き出口部247および下側出口通路部248の前側に取り付けられる。下球皿220は、上球皿210の下方に配置され、上球皿210から溢れ出た遊技球または、上球皿210から球抜きが行われた遊技球を貯留可能に構成される。
下球皿220は、演出操作装置280に隣接して遊技球を貯留可能な球皿部221と、球皿部221の右前部に繋がって形成されて遊技球を貯留可能な延長皿部222とを有している。球皿部221は、下部フレーム500の前面に沿って左右方向に延びるように形成される。延長皿部222は、球皿部221の前部において演出操作装置280に近い右前部から、演出操作装置280の左側面に沿って前方に延びるように形成される。これにより、下球皿220の右側に、前後方向に直線的に延びる右側壁部223が形成される。また、下球皿220の前側に、右側部分が左側部分よりも前方に突出した前側壁部224が形成される。下球皿220の底部における右側壁部223の近傍には、開閉部材226により開閉可能な球排出口225が形成される。球皿部221の左前部下側には、開閉部材226を変位させて球排出口225を開閉させるための操作が行われる開閉操作部材227が取り付けられる。
球通路部材240は、図18〜図20に示すように、樹脂材料を用いて左右方向に細長く延びる箱状に形成され、下部フレーム500の前面側における上球皿210の下方に隣接して取り付けられる。球通路部材240の右上部には、下部フレーム500との間に球供給通路201の鉛直通路部241が形成される。鉛直通路部241は、略鉛直方向に延びる通路状に形成され、上端部が上球皿210に形成された球供給通路201の上側湾曲部213に繋がるとともに、下端部が後述の球抜き通路246に繋がるようになっている。
図19〜図20に示すように、球通路部材240の右上部左側には、鉛直通路部241の左側部に連通して切り換え部材収容部242が形成される。切り換え部材収容部242は、下部フレーム500との間で通路切り換え部材250を左右方向にスライド移動自在に収容する。切り換え部材収容部242の前壁部左側には、左右方向に延びる長穴状の操作穴(図示せず)が形成される。操作穴には、通路切り換え部材250の操作部(図示せず)が挿通されるようになっている。一方、球通路部材240の右上部右側には、球押さえ部材収容部245が形成される。球押さえ部材収容部245は、下部フレーム500との間で球押さえ部材260を左右方向にスライド移動自在に収容する。
球通路部材240の下部には、下部フレーム500との間に球抜き通路246が形成される。球抜き通路246は、左下方に傾斜した通路状に形成され、鉛直通路部241の下端部に繋がるとともに、下流側が球抜き出口部247に繋がるようになっている。球抜き出口部247は、下球皿220の延長皿部222に向けて開口するように形成されており、球抜き通路246を通過した遊技球を下球皿220に流出させる。球通路部材240の左下部には、球抜き出口部247の左方に近接して下側出口通路部248が形成される。下側出口通路部248は、上流側が下部フレーム500(ガラス枠5)の下側ダクト部502(図21を参照)に繋がるとともに、下流側が下球皿220の延長皿部222に向けて開口するように形成されており、下側ダクト部502を通過した遊技球を下球皿220に流出させる。なお、下側ダクト部502は、前枠2および裏機構盤30に形成された下球皿通路(図示せず)に繋がっており、上球皿210が満杯となって賞球払出通路(図示せず)から溢れ出た遊技球が下球皿通路および下側ダクト部502を流下するようになっている。
通路切り換え部材250は、図19〜図20に示すように、樹脂材料を用いて左右方向に延びる棒状に形成される。通路切り換え部材250の胴部には、球通路部材240にお
ける切り換え部材収容部242の内面に摺接可能な左スライド移動部251が形成される。この左スライド移動部251が、切り換え部材収容部242の内部に左右方向にスライド移動可能に収容される。左スライド移動部251の右端部には、球供給通路201の鉛直通路部241を流下する遊技球を受け止めて後方に導くことが可能な湾曲通路部252が形成される。これにより、湾曲通路部252は、図19〜図20に示すように球供給通路201の鉛直通路部241を塞ぐ球供給位置と、鉛直通路部241から退く球抜き位置とに、左スライド移動部251によって左右方向に移動可能に支持される。
このようにして、通路切り換え部材250は、球供給通路201の鉛直通路部241において略鉛直下方に流下する遊技球を、鉛直通路部241の後方に位置する発射機構22(整流器21)および、鉛直通路部241の下方に繋がる球抜き通路246のうち、いずれか一方に選択的に切り替えて導くことができる。なお、下部フレーム500(ガラス枠5)において鉛直通路部241の後壁部を形成する部分には、前後に貫通する連通穴部503(図21を参照)が整流器21の球入口21aと重なるように形成されており、この連通穴部503を介して鉛直通路部241の下流側が整流器21の球入口21aに繋がるようになっている。
また、切り換え部材収容部242の内部には、左スライド移動部251とともに左コイルバネ(図示せず)が収容されている。左コイルバネは、左スライド移動部251に対して、湾曲通路部252が球供給位置に移動する方向に付勢力を加えるように構成される。また、左スライド移動部251の左前部には、棒状の操作部(図示せず)が前方に突出して形成される。操作部は、球通路部材240の操作穴(図示せず)に挿通されて下部フレーム500の前面側に露出するようになっている。これにより、通常は、左スライド移動部251および湾曲通路部252が左コイルバネの付勢力を受けて右方に動き、湾曲通路部252が球供給位置に移動する。一方、遊技者等が操作部を左方に移動させる操作を行うと、左スライド移動部251および湾曲通路部252が左コイルバネの付勢力に抗して左方に動き、湾曲通路部252が球抜き位置に移動する。
球押さえ部材260は、図19〜図20に示すように、樹脂材料を用いて左右方向に延びる棒状に形成される。球押さえ部材260の胴部には、球通路部材240における球押さえ部材収容部245の内面に摺接可能な右スライド移動部261が形成される。この右スライド移動部261が、球押さえ部材収容部245の内部に左右方向にスライド移動可能に収容される。右スライド移動部261の左端部には、下部フレーム500(ガラス枠5)の連通穴部503(図21を参照)を塞いで遊技球が連通穴部503を通らないようにすることが可能な薄板状の球押さえ部262が形成される。これにより、球押さえ部262は、下部フレーム500の連通穴部503を塞ぐ閉塞位置と、図19〜図20に示すように連通穴部503を開く開通位置とに、右スライド移動部261によって左右方向に移動可能に支持される。
なお、球押さえ部材収容部245の内部には、右スライド移動部261とともに右コイルバネ(図示せず)が収容されている。右コイルバネは、右スライド移動部261に対して、球押さえ部262が閉塞位置に移動する方向に付勢力を加えるように構成される。右スライド移動部261の後部には、左側に傾斜面を有するアーム部264が後方に突出して形成される。アーム部264は、下部フレーム500(ガラス枠5)のアーム挿通穴部504(図21を参照)に挿通されてガラス枠5の後面側に露出するようになっている。これにより、ガラス枠5を前枠2に対して開放状態にすると、右スライド移動部261および球押さえ部262が右コイルバネの付勢力を受けて左方に動き、球押さえ部262が閉塞位置に移動する。一方、ガラス枠5を前枠2に対して閉鎖状態にすると、アーム部264の傾斜面が遊技補助盤20の一部に当接して右方向にも押圧され、右スライド移動部261および球押さえ部262が右コイルバネの付勢力に抗して右方に動き、球押さえ部
262が開通位置に移動する。
以上のように構成される球皿ユニット部200において、上球皿210に貯留された遊技球は、上球皿210の右側に繋がって形成された球供給通路201の導入部211に流れ込む。球供給通路201の導入部211に流れ込んだ遊技球は、上球皿210の下方に導かれて、球供給通路201の傾斜通路部212および上側湾曲部213を流下し、球通路部材240に形成された鉛直通路部241に達する。
通常は、通路切り換え部材250の左スライド移動部251および湾曲通路部252が左コイルバネ(図示せず)の付勢力を受けて右方に動き、湾曲通路部252が鉛直通路部241を塞ぐ球供給位置に移動する。そのため、球通路部材240の鉛直通路部241に達した遊技球は、鉛直通路部241を略鉛直下方に流下して湾曲通路部252で受け止められ、湾曲通路部252において後方に進路を変えて下部フレーム500(ガラス枠5)の連通穴部503を通過し、整流器21の球入口21aに達する。
ここで、遊技者等が通路切り換え部材250の操作部を左方に移動させる操作を行うと、左スライド移動部251および湾曲通路部252が左コイルバネ(図示せず)の付勢力に抗して左方に動き、湾曲通路部252が鉛直通路部241から退く球抜き位置に移動する。そのため、球通路部材240の鉛直通路部241に達した遊技球は、鉛直通路部241を略鉛直下方に流下して鉛直通路部241の下流端に繋がる球抜き通路246の上流端に導かれる。球抜き通路246に導かれた遊技球は、球抜き通路246を流下して球抜き出口部247を通過し、下球皿220に流出して貯留される。
本実施形態において、下球皿220は、演出操作装置280に隣接して遊技球を貯留可能な球皿部221と、球皿部221の右前部に繋がって形成されて遊技球を貯留可能な延長皿部222とを有している。これにより、延長皿部222が演出操作装置280の左側面に沿って前方に延びるように形成され、下球皿220の右側壁部223が演出操作装置280の左側部の(前後方向の)全体に亘って接触する。そのため、下球皿220の右側壁部223が補強壁として機能して、演出操作装置280の左側部の強度を高めることが可能になり、演出操作装置280の強度を高めることができる。また、球抜き出口部247および下側出口通路部248が、下球皿220の延長皿部222に向けて開口するように形成されることで、球抜き出口部247または下側出口通路部248を通過した遊技球が、前方に延びた延長皿部222に向けて流出するため、遊技球が下球皿220から飛び出すのを防止することができる。
[施錠装置の構成]
次に、図22〜図28を追加参照して、施錠装置300について説明する。施錠装置300は、図24〜図27に示すように、錠前301と、枠施錠フック310および枠施錠受け具(図示せず)と、枠リンク機構320と、扉施錠フック330および扉施錠受け具335と、扉リンク機構340と、球皿施錠フック350および球皿施錠受け具355と、球皿リンク機構360と、ハンドル施錠フック370およびハンドル施錠受け具375と、ハンドルリンク機構380とを有して構成される。
錠前301は、錠前301の前部に設けられた鍵穴部302が前面側に露出するように、前枠2の右下部に取り付けられる。錠前301には、一般に「ダブル錠」とも呼ばれている形態の錠が使用されている。この錠はいわゆる解錠操作型の錠であり、解錠操作が行われていない状態において錠の回動軸が中立角度位置に付勢保持されている。錠前301に適合する鍵(図示せず)が、前枠2の前面側に露出するように錠前301に設けられた鍵穴部302に差し込まれると、鍵穴部302の回動軸が回動可能な状態に設定され、鍵を右回りまたは左回りの二方向に回動操作することが可能になる。図25および図27に
示すように、鍵穴部302の回動軸の軸端に解錠盤303が固定されている。
解錠盤303はカム盤とも称され、薄板板金材料をプレス成形して三つの突出端部、すなわち第1〜第3突出端部304a〜304cを有する所定のカム形状に形成されている。第1突出端部304aは、前枠2を解錠させる作動端としての機能を有し、その先端上面が枠リンク機構320に設けられた係合穴部(図示せず)と係合可能に設定されている。また、第2突出端部304bは、ガラス枠5を解錠させる作動端としての機能を有し、その先端下面が扉リンク機構340の扉側昇降移動部材341に形成された係合穴部(図示せず)と係合可能に設定されている。また、第3突出端部304cは、ガラス枠5を解錠させる作動端としての機能を有し、その先端に球皿リンク機構360の第2水平移動部材366の右端部が当接可能に設定されている。
枠施錠フック310は、前枠2の右側部後面側の上下に配置され、前枠2の後方へ延びるように形成される。枠施錠フック310は、外枠1の右側部内側の上下に配置された枠施錠受け具(図示せず)と係合可能に構成される。枠リンク機構320は、詳細な図示を省略するが、上下方向に昇降移動自在な薄板状の枠側昇降移動部材(図示せず)を有して構成される。枠側昇降移動部材の上下に、連結ピン等を用いて枠施錠フック310が連結され、枠側昇降移動部材の昇降移動に応じて、枠施錠フック310が外枠1の枠施錠受け具に対して係脱可能に構成される。なお、枠側昇降移動部材には、不図示の下降付勢バネが取り付けられる。下降付勢バネ(図示せず)は、引張コイルバネを用いて構成され、枠側昇降移動部材に対して、枠施錠フック310が係合可能位置に移動する方向に付勢力を加える。
扉施錠フック330は、前枠2の右側部前面側の上下に配置され、前枠2の前方へ延びるように形成される。扉施錠フック330は、ガラス枠5の右側部後面側の上下に配置された扉施錠受け具335(図28を参照)と係合可能に構成される。扉リンク機構340は、枠側昇降移動部材(図示せず)と略平行に上下方向に昇降移動自在な薄板状の扉側昇降移動部材341と、前枠2の右側部内側に固設されて枠側昇降移動部材(図示せず)および扉側昇降移動部材341を昇降移動自在に支持する扁平筒状の昇降支持部材342とを有して構成される。扉側昇降移動部材341の上下に、連結ピン等を用いて扉施錠フック330が連結され、扉側昇降移動部材341の昇降移動に応じて、扉施錠フック330がガラス枠5の扉施錠受け具335に対して係脱可能に構成される。
なお、扉側昇降移動部材341には、不図示の上昇付勢バネが取り付けられる。上昇付勢バネ(図示せず)は、引張コイルバネを用いて構成され、扉側昇降移動部材341に対して、扉施錠フック330が上方の係合可能位置に移動する方向に付勢力を加える。また、扉側昇降移動部材341の下端部に、連結ピン等を用いて揺動リンクアーム344が連結され、扉側昇降移動部材341の昇降移動に応じて、揺動リンクアーム344がハンドルリンク機構380を作動させることができるようになっている。
また、昇降支持部材342には、鍵を用いずに、枠側昇降移動部材(図示せず)および扉側昇降移動部材341を昇降移動させることが可能な解錠穴部(図示せず)が形成されている。この解錠穴部は、鍵を紛失した等の非常の場合を除く、通常の場合では使用されないため、昇降支持部材342に取り付けられた解錠カバー390に覆われている。解錠カバー390は、図15の二点鎖線にも示すように、略L字形に屈曲した板状に形成され、カバー固定ネジ391を用いて昇降支持部材342の後側に取り付け固定される。解錠カバー390は、カバー固定ネジ391の固定を解除した状態で、昇降支持部材342に沿って落下すると、前枠2の右下部内側に設けられた受容空間(図示せず)に受容されるようになっている。これにより、解錠カバー390およびカバー固定ネジ391の紛失を防止することができる。
球皿施錠フック350(図28を参照)は、ガラス枠5の中央下部後面側(球皿ユニット部200の後方)に揺動可能に取り付けられ、ガラス枠5の後方へ延びるように形成される。球皿施錠フック350は、遊技補助盤20の中央部における整流器21の上方に配置された球皿施錠受け具355(図22を参照)と係合可能に構成される。球皿施錠受け具355は、金属板材を用いて板状に形成され、遊技補助盤20の後面側に取り付けられる。球皿施錠受け具355の前部中央には、球皿施錠フック350を挿通させることが可能な受け入れ穴部356が形成される。球皿施錠受け具355の後側には、球皿リンク機構360の第1水平移動部材361を左右方向に水平移動自在に支持する水平支持部357が形成される。球皿施錠受け具355の前部右側には、左右に延びるガイド穴部358が形成される。球皿施錠受け具355の下部には、水平付勢バネ365の一端が取り付けられる固定側バネ取付部359が形成される。
球皿リンク機構360は、球皿施錠受け具355の水平支持部357に支持されて左右方向に水平移動自在な第1水平移動部材361と、第1水平移動部材361の右端部に連結されて左右方向に水平移動自在な第2水平移動部材366と、第2水平移動部材366を左右方向に水平移動自在に支持する水平支持部材368とを有して構成される。第1水平移動部材361の中間部に、球皿施錠フック350を進入させることが可能な受け入れ穴部362が形成され、第1水平移動部材361の水平移動に応じて、球皿施錠フック350が遊技補助盤20の球皿施錠受け具355に対して係脱可能に構成される。
第1水平移動部材361の前部には、球皿施錠受け具355のガイド穴部358に係合するガイドピン363が取り付けられる。第1水平移動部材361の下部には、水平付勢バネ365の他端が取り付けられる移動側バネ取付部364が形成される。水平付勢バネ365は、引張コイルバネを用いて構成され、第1水平移動部材361に対して、受け入れ穴部362が右方の係合解除位置に移動する方向に付勢力を加える。
水平支持部材368は、遊技補助盤20の後面側における球皿施錠受け具355の右方に取り付けられる。水平支持部材368の前部には、左右に延びるガイド穴部369が形成される。第2水平移動部材366は、水平支持部材368に、第1水平移動部材361と一体的に左右方向に水平移動自在に支持され、第2水平移動部材366の右端部が解錠盤303の第3突出端部304cと当接可能に構成される。第2水平移動部材366の前部には、水平支持部材368のガイド穴部369に係合するガイドピン367が形成される。
ハンドル施錠フック370は、遊技補助盤20における発射ハンドル9の近傍に配置され、前枠2の前方へ延びるように形成される。ハンドル施錠フック370は、ガラス枠5の右下部後面側に配置されハンドル施錠受け具375(図28を参照)と係合可能に構成される。ハンドルリンク機構380は、上下方向に揺動自在な第1揺動部材381および第2揺動部材384と、第1揺動部材381および第2揺動部材384を揺動自在に支持する揺動支持部材387とを有して構成される。第1揺動部材381の左端部にハンドル施錠フック370が形成され、第1揺動部材381の揺動に応じて、ハンドル施錠フック370がガラス枠5のハンドル施錠受け具375に対して係脱可能に構成される。
第1揺動部材381と第2揺動部材384とは、左右に並んで揺動支持部材387の前面側に取り付けられる。第1揺動部材381の右端部には、揺動付勢バネ383の一端が取り付けられる揺動側バネ取付部382が形成される。第2揺動部材384の左端部には、第1揺動部材381の右側上面に当接する当接ピン385が形成される。第2揺動部材384の右端部には、扉リンク機構340の揺動リンクアーム344が当接するアーム当接部386が形成される。
揺動支持部材387は、前枠2において発射ハンドル9が取り付けられる部分の後側に取り付けられる。揺動支持部材387は、第1揺動軸388を介して第1揺動部材381を揺動自在に支持し、第2揺動軸389を介して第2揺動部材384を揺動自在に支持する。なお、揺動支持部材387には、揺動付勢バネ383の他端が取り付けられる固定側バネ取付部(図示せず)が形成される。揺動付勢バネ383は、引張コイルバネを用いて構成され、第1揺動部材381に対して、ハンドル施錠フック370が下方の係合可能位置に揺動する方向に付勢力を加える。
以上のように構成される施錠装置300において、扉リンク機構340の扉側昇降移動部材341は、上昇付勢バネ(図示せず)の付勢力を受けて上方に移動し、扉側昇降移動部材341と連結された扉施錠フック330は、上方の係合可能位置に移動してガラス枠5の扉施錠受け具335に係合する。またこのとき、扉側昇降移動部材341と連結された揺動リンクアーム344は、ハンドルリンク機構380の第2揺動部材384の右端部から離れる方向に下方に揺動する。そのため、ハンドルリンク機構380の第1揺動部材381は、揺動付勢バネ383の付勢力を受けて第2揺動部材384の左端部を押し上げるように揺動し、第1揺動部材381の左端部に形成されたハンドル施錠フック370は、下方の係合可能位置に揺動してガラス枠5のハンドル施錠受け具375に係合する。
一方、球皿リンク機構360は、扉リンク機構340に対し独立して作動する。球皿リンク機構360の第1水平移動部材361および第2水平移動部材366は、解錠盤303の第3突出端部304cに押圧された状態で左方に水平移動し、第1水平移動部材361に形成された受け入れ穴部362は、ガラス枠5の球皿施錠フック350が進入可能な左方の係合可能位置に移動して、球皿施錠フック350が遊技補助盤20の球皿施錠受け具355に係合する。これにより、図24〜図25に示すように、前枠2の扉施錠フック330は、ガラス枠5の扉施錠受け具335に係合し、前枠2のハンドル施錠フック370は、ガラス枠5のハンドル施錠受け具375に係合し、ガラス枠5の球皿施錠フック350は、遊技補助盤20の球皿施錠受け具355に係合する。このようにして、ガラス枠5は、施錠装置300を利用して、常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。本実施形態によれば、扉施錠フック330と扉施錠受け具335とが係合するのに加え、ハンドル施錠フック370とハンドル施錠受け具375とが係合し、球皿施錠フック350と球皿施錠受け具355とが係合するため、ガラス枠5の不正な変形を防止することができる。
この状態で、例えば、前枠前面側から鍵により右回り(時計回り)に解錠操作を行ったときには、解錠盤303が右回り(時計回り)に回動され、解錠盤303の第2突出端部304bが下方に揺動し、第3突出端部304cが上方に揺動する。このとき、扉リンク機構340の扉側昇降移動部材341は、第2突出端部304bから受ける駆動力によって、上昇付勢バネ(図示せず)の付勢力に抗して下方に移動し、扉側昇降移動部材341と連結された扉施錠フック330は、下方の係合解除位置に移動して扉施錠受け具335との係合が解除される。またこのとき、扉側昇降移動部材341と連結された揺動リンクアーム344は、ハンドルリンク機構380の第2揺動部材384の右端部に当接して押し上げる方向に上方に揺動する。そのため、ハンドルリンク機構380の第1揺動部材381は、揺動付勢バネ383の付勢力に抗して第2揺動部材384の左端部に押し下げられるように揺動し、第1揺動部材381の左端部に形成されたハンドル施錠フック370は、上方の係合解除位置に揺動してハンドル施錠受け具375との係合が解除される。
またこのとき、解錠盤303の第3突出端部304cは、球皿リンク機構360の第2水平移動部材366の右端部から離れる方向に揺動するため、球皿リンク機構360の第1水平移動部材361および第2水平移動部材366は、水平付勢バネ365の付勢力(
駆動力)を受けて右方に水平移動し、第1水平移動部材361に形成された受け入れ穴部362は、右方の係合解除位置に移動して球皿施錠フック350を揺動させ、球皿施錠フック350と球皿施錠受け具355との係合が解除される。なお、球皿施錠フック350は、ねじりコイルバネ(図示せず)等により水平付勢バネ365よりも小さい付勢力を受けて係合可能位置に揺動するように構成されており、この付勢力に抗して第1水平移動部材361の受け入れ穴部362に押圧され係合解除位置に揺動することで、球皿施錠受け具355との係合が解除される。これにより、図26〜図27に示すように、扉施錠フック330と扉施錠受け具335との係合が解除され、ハンドル施錠フック370とハンドル施錠受け具375との係合が解除され、球皿施錠フック350と球皿施錠受け具355との係合が解除される。このようにして、ガラス枠5を前枠2に対して開放させることができる。
なお、前枠2の枠施錠フック310は、扉施錠フック330の場合と同様にして、外枠1の枠施錠受け具(図示せず)に係合する。そのため、前枠2は、施錠装置300を利用して、常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。この状態で、前枠前面側から鍵により左回り(反時計回り)に解錠操作を行ったときには、解錠盤303が左回り(反時計回り)に回動され、解錠盤303の第1突出端部304aが上方に揺動する。このとき、枠リンク機構320の枠側昇降移動部材(図示せず)は、第1突出端部304aから受ける駆動力によって、下降付勢バネ(図示せず)の付勢力に抗して上方に移動し、枠側昇降移動部材と連結された枠施錠フック310は、係合解除位置に移動して枠施錠受け具との係合が解除される。このようにして、前枠2を外枠1に対して開放させることができる。
[本実施形態における特徴構成]
[コネクタユニットの特徴構成]
本実施形態において、主基板用枠部材側コネクタ151と主基板用遊技盤側コネクタ64とは、遊技盤10が保持位置に揺動した状態で、遊技盤10の揺動軸Azと主基板用枠部材側コネクタ151(または、第1副基板用枠部材側コネクタ153、第2副基板用枠部材側コネクタ155)とを通るコネクタ配置平面Szに対し、略垂直な方向を向いて対向するように配置される。また、第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155と第1副基板用遊技盤側コネクタ74および第2副基板用遊技盤側コネクタ75とは、遊技盤10が保持位置に揺動した状態で、コネクタ配置平面Szに対し略垂直な方向を向いて対向するように配置される。これにより、前述したように、主基板用遊技盤側コネクタ64と主基板用枠部材側コネクタ151との電気的な接続がスムーズに行われ、第1副基板用遊技盤側コネクタ74および第2副基板用遊技盤側コネクタ75と第1副基板用枠部材側コネクタ153および第2副基板用枠部材側コネクタ155との電気的な接続がスムーズに行われるため、遊技盤10と前枠2との電気的な接続をスムーズに行うことが可能になる。
また、主基板用枠部材側コネクタ151、第1副基板用枠部材側コネクタ153、および第2副基板用枠部材側コネクタ155は、コネクタ保持部材161およびシールドカバー181を介して、前枠2の延在方向に対し傾斜して前枠2の後側に着脱可能に取り付けられる。これにより、主基板用枠部材側コネクタ151、第1副基板用枠部材側コネクタ153、および第2副基板用枠部材側コネクタ155が破損等した場合に、容易に交換することができる。また、金属製のシールドカバー181を用いることにより、各コネクタがノイズの影響を受けるのを防止することができる。また、金属製のシールドカバー181を用いることにより、各枠部材コネクタの取り付け強度を高めることができる。
また、主基板用コネクタ基板61および副基板用コネクタ基板71は、遊技盤10の延在方向に対し傾斜して遊技盤10の後側に着脱可能に取り付けられる。これにより、主基
板用遊技盤側コネクタ64、第1副基板用遊技盤側コネクタ74、および第2副基板用遊技盤側コネクタ75が破損等した場合に、容易に交換することができる。
また、主基板用コネクタ基板61と副基板用コネクタ基板71とは、遊技盤10の延在方向に対し傾斜するとともに、遊技盤10の延在方向に沿って略平行に並んで遊技盤10の後側に着脱可能に取り付けられる。これにより、主基板用遊技盤側コネクタ64、第1副基板用遊技盤側コネクタ74、および第2副基板用遊技盤側コネクタ75の配置間隔を狭くすることができるとともに、主基板用コネクタ基板61および副基板用コネクタ基板71を傾斜配置にすることで、主基板用コネクタ基板61および副基板用コネクタ基板71の大きさを広く確保することができる。
[球皿ユニット部の特徴構成]
本実施形態において、下球皿220は、演出操作装置280に隣接して遊技球を貯留可能な球皿部221と、球皿部221の前部における演出操作装置280に近い側の一部(右前部)に繋がって形成され、球皿部221の一部から演出操作装置280に沿って前方に延びる延長皿部222とを有している。これにより、下球皿220の右側壁部223が演出操作装置280の左側部の(前後方向の)全体に亘って接触する。そのため、下球皿220の右側壁部223が補強壁として機能して、演出操作装置280の左側部の強度を高めることが可能になり、演出操作装置280の強度を高めることができる。また、延長皿部222の分だけ、下球皿220の容量を大きくすることができる。
また、球抜き出口部247および下側出口通路部248が、下球皿220の延長皿部222に向けて開口するように形成されることで、球抜き出口部247または下側出口通路部248を通過した遊技球が、前方に延びた延長皿部222に向けて流出するため、遊技球が下球皿220から飛び出すのを防止することができる。なお、延長皿部222もしくは球皿部221における延長皿部222の近傍に球排出口225が形成されることで、球抜き出口部247を通過した遊技球が球排出口225に向けて流出するため、上球皿210から遊技球を抜く際に、ぱちんこ遊技機PMの外部(下球皿220の下方)に効率的に排出することが可能である。
また、下球皿220は、ガラス枠5の前面側における上下のヒンジ機構3a,3bに近い側の演出操作装置280の側方、且つ、上球皿210の下方に設けられる。これにより、上下のヒンジ機構3a,3bに近い下球皿220の左側部分が、延長皿部222が形成される右側部分よりも後方に凹んだ形状になる。そのため、ガラス枠5を開放させたとしても、下球皿220の左側部分の揺動軌跡の半径は相対的に小さくなるため、下球皿220が上下のヒンジ機構3a,3bの近傍に設置された設置物に当接するのを防止することができる。
[施錠装置の特徴構成]
本実施形態において、施錠装置300は、ガラス枠5の右側部を閉鎖状態で施錠保持し、錠前301に鍵を差し込んで回動させると解錠される扉施錠フック330および扉施錠受け具335と、鍵の回動に応じた解錠を行うための駆動力を扉施錠フック330に伝達する扉リンク機構340と、ガラス枠5における球皿ユニット部200の近傍を閉鎖状態で施錠保持し、錠前に鍵を差し込んで回動させると解錠される球皿施錠フック350および球皿施錠受け具355と、扉リンク機構340に対し独立して設けられ、鍵の回動に応じた解錠を行うための駆動力を球皿施錠フック350に伝達する球皿リンク機構360とを有している。これにより、ガラス枠5の右側部が施錠保持されるのに加え、ガラス枠5における球皿ユニット部200の近傍が施錠保持されるため、ガラス枠5の不正な変形を防止することができる。また、球皿リンク機構360が扉リンク機構340に対し独立して設けられるため、鍵を用いない限り、扉施錠フック330および扉施錠受け具335に
よる施錠と、球皿施錠フック350および球皿施錠受け具355による施錠のうち、いずれか一方を不正に解錠したとしても、他方は解錠されないため、ガラス枠5の不正な開放が煩雑となり、ガラス枠5の不正な開放を防止することが可能である。
なお、球皿リンク機構360が遊技補助盤20の後面側に設けられることで、球皿リンク機構がガラス枠5に設けられる場合よりも、球皿リンク機構360がぱちんこ遊技機PMの内部側に配置されるため、球皿リンク機構360に対する不正なアクセスが困難になり、ガラス枠5の不正な開放を防止することができる。また、球皿リンク機構360が扉リンク機構340に対し独立して設けられるため、ガラス枠5の製造上の寸法のバラツキ等により、扉施錠フック330および扉施錠受け具335による施錠と、球皿施錠フック350および球皿施錠受け具355による施錠のうち、いずれかで施錠の不具合が生じたとしても、容易に調整することが可能である。また、球皿リンク機構360が錠前301に対してほぼ同じ高さの左側方に設けられることで、球皿リンク機構360を水平移動機構のみの簡便な構成にすることができる。
また、施錠装置300は、ガラス枠5における発射ハンドル9の近傍を閉鎖状態で施錠保持し、錠前301に鍵を差し込んで回動させると解錠されるハンドル施錠フック370およびハンドル施錠受け具375と、扉リンク機構340に連結されて設けられ、鍵の回動に応じた解錠を行うための駆動力を、扉リンク機構340を介してハンドル施錠フック370に伝達するハンドルリンク機構380とを有している。これにより、ガラス枠5の右側部が施錠保持されるのに加え、ガラス枠5における発射ハンドル9の近傍が施錠保持されるため、ガラス枠5の不正な変形を防止することができる。なお、ハンドルリンク機構380が前枠2において発射ハンドル9が取り付けられる部分の後側に設けられることで、ハンドルリンク機構380に対する不正なアクセスが困難になり、ガラス枠5の不正な開放を防止することができる。
[変形例]
上述の実施形態において、球皿リンク機構360は、扉リンク機構340に対し独立して設けられるため、例えば、扉施錠フック330および扉施錠受け具335における施錠または解錠タイミングに対し、球皿施錠フック350および球皿施錠受け具355における施錠または解錠タイミングが異なるように、構成されてもよい。具体的には、解錠盤303における第2突出端部304bおよび第3突出端部304cの形状を調整し、球皿リンク機構360が、扉施錠フック330および扉施錠受け具335における解錠の後に、球皿施錠フック350および球皿施錠受け具355における解錠を行うように構成されてもよい。また同様に、球皿リンク機構360が、扉施錠フック330および扉施錠受け具335における解錠の前に、球皿施錠フック350および球皿施錠受け具355における解錠を行うように構成されてもよい。
上述の実施形態において、上球皿210および下球皿220が設けられているが、これに限られるものではなく、上球皿の機能と下球皿の機能を有する一体型の球皿(図示せず)が設けられるようにしてもよい。なおこの場合、一体型の球皿が、演出操作装置280に隣接して遊技球を貯留可能な球皿部(図示せず)と、球皿部の前部における演出操作装置280に近い側の一部(右前部)に繋がって形成され、球皿部の一部から演出操作装置280に沿って前方に延びる延長皿部(図示せず)とを有することで、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
上述の実施形態において、上下のヒンジ機構3a,3bは、前枠2等の左側縁部に配設されているが、これに限られるものではなく、前枠2等の右側縁部に配設されてもよい。なおこの場合、上述の実施形態の場合と左右対称に、発射ハンドル9および施錠装置300等が前枠2の左側に設けられ、上球皿210および下球皿220等がガラス枠5(下部
フレーム500)の右側に設けられる。またこの場合、上述の実施形態の場合と左右対称に、上部揺動支持部101、第1下部揺動支持部103、および第2下部揺動支持部104等が収容枠100の右側に設けられ、上部ロック機構121および下部ロック機構122等が収容枠100の左側に設けられるようにしてもよい。
上述の実施形態において、本発明が適用される弾球遊技機の一例として、ぱちんこ遊技機を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、アレンジボール、雀球遊技機などについても同様に適用し、同様の効果を得ることができる。