JP6352944B2 - バッテリを試験する方法およびバッテリを試験するように構成された装置 - Google Patents

バッテリを試験する方法およびバッテリを試験するように構成された装置 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2013年2月6日に出願された米国特許仮出願第61/761,563号の利益を主張し、それらの内容の全体は、あらゆる目的のために参照によって本明細書に援用される。
実施形態は、概して、バッテリを試験する方法およびバッテリを試験するように構成された装置に関する。
バッテリは、電気エネルギーの重要なエネルギー貯蔵およびエネルギー源である。したがって、バッテリの状態を判定するニーズもあり得る。
様々な実施形態によれば、バッテリを試験する方法が提供され得る。方法は、バッテリを所定の電圧にすることと、所定の電圧におけるバッテリのエントロピまたは所定の電圧におけるバッテリのエンタルピのうちの少なくとも1つを備える、バッテリのパラメータを判定することと、判定されたパラメータに基づいてバッテリのエージング履歴を判定することとを含んでもよい。
様々な実施形態によれば、バッテリを試験するように構成された装置が提供され得る。装置は、バッテリを所定の電圧にするように構成された電圧設定回路と、所定の電圧におけるバッテリのエントロピまたは所定の電圧におけるバッテリのエンタルピのうちの少なくとも1つを備える、バッテリのパラメータを判定するように構成されたパラメータ判定回路と、判定されたパラメータに基づいてバッテリのエージング履歴を判定するように構成された履歴判定回路とを含んでもよい。
図面において、同じ参照文字は、概して、異なる図を通じて同一部品を参照する。図面内の構成要素は必ずしも寸法通りではないが、その代わりに概して本発明の原理を例示することに重点が置かれている。以下の記述において、様々な実施形態は、以下の図面を参照しながら記載される。
様々な実施形態によるバッテリを試験する方法を図示するフローダイヤグラムを示す。 様々な実施形態によるバッテリを試験するように構成された装置を示す。 定電位/定電流を有する中央ユニットを有する熱力学測定を行うために用いられる装置、およびコイン電池ホルダを示す。 充電中の非サイクル(未使用)電池のOCP対SOCプロファイルを示す。 充電中の非サイクル(未使用)電池のエントロピ対SOCプロファイルを示す。データ点A1およびA2は、黒鉛陽極内の相転移の発現に対応し、C1〜C5は、LCO陰極内の相転移の発現に対応する。 充電の間の非サイクル(未使用)電池のエンタルピ対SOCプロファイルを示す。データ点A1およびA2は、黒鉛陽極内の相転移の発現に対応し、C1〜C5は、LCO陰極内の相転移の発現に対応する。 様々な充電カットオフ電圧(COV)を受けるLiB電池の放電プロファイルを示す。 LiB電池のOCPプロファイル対SOCを示す。電池は様々なCOVを受ける。 様々なCOVにおける、過充電されたLIB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。 様々なCOVにおける、過充電されたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。 様々なCOVにおける、過充電されたLIB電池のエントロピプロファイル対OCPを示す。 様々なCOVにおける、過充電されたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。 様々なCOVにおける、LIB過充電電池の3.87VのOCPにおける3D
プロットを示す。
様々なCOVにおける、LIB過充電電池の3.87VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 様々なCOVにおける、LIB過充電電池の3.94VのOCPにおける3D
プロットを示す。
様々なCOVにおける、LIB過充電電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 0週〜8週の間、60℃の熱エージングを受けたLiB電池の放電プロファイルを示す。 0週〜8週の間、70℃の熱エージングを受けたLiB電池の放電プロファイルを示す。 LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示す。電池は、0週〜8週の間、60℃の熱エージングを受けた。 LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示す。電池は、0週〜8週の間、70℃の熱エージングを受けた。 0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。 0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。 0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。 0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。 0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対OCPを示す。 0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対OCPを示す。 0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。 0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。 0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池の3.87VのOCPにおける3D
プロットを示す。
0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池の3.87VのOCPにおける3D
プロットを示す。
0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池の3.87VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池の3.87VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける3D
プロットを示す。
0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける3D
プロットを示す。
0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 100サイクル終了する毎のLiB電池のための放電プロファイルを示す。 LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示す。電池は1〜1000サイクルを受けた。 1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIBのエントロピプロファイル対SOCを示す。 1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIBのエンタルピプロファイル対SOCを示す。 1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIBのエントロピプロファイル対OCPを示す。 1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIBのエンタルピプロファイル対OCPを示す。 1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIB電池の3.87VのOCPにおける3D(ΔS,ΔH,N)プロットを示す。 1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIB電池の3.87VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIB電池の3.94VのOCPにおける3D(ΔS,ΔH,N)プロットを示す。 1〜1000サイクルでイクル動作されたLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 5%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 10%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 15%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 20%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 25%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。 様々な実施形態によって判定される値の図解を示す。 様々な充電カットオフ電圧(COV)を受けたLiB電池の放電プロファイルを示す。 過充電されたLiB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。 過充電されたLIB電池のエントロピプロファイル対OCPを示す。 過充電されたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。 過充電されたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。 エントロピプロファイル対OCPおよびSOCを示す。 過充電されたLIB電池の3.87Vにおけるエントロピ強度(entropy intensity)対COVを示す。 過充電されたLIB電池の3.87Vにおけるエンタルピ強度(enthalpy intensity)対COVを示す。 LIB過充電電池の3.87VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。 LIB過充電電池の3.87VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。 過充電されたLIB電池の3.94Vにおけるエントロピ強度対COVを示す。 過充電されたLiBの3.94Vにおけるエンタルピ強度対COVを示す。 LIB過充電電池の3.94VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。 LIB過充電電池の3.94VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。 60℃の熱エージングを受けたLiB電池の放電プロファイルを示す。 60℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。 60℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対OCPを示す。 60℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。 60℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。 60℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおけるエントロピ強度対週数を示す。 60℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおけるエンタルピ強度対週数を示す。 60℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおける3Dプロファイルを示す。 60℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおける2Dプロファイルを示す。 60℃でエージングされたLIB電池の3.94Vにおけるエントロピ強度対週数を示す。 60℃でエージングされたLIB電池の3.94Vにおけるエンタルピ強度対週数を示す。 60℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。 60℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。 70℃の熱エージングを受けたLiB電池の放電プロファイルを示す。 70℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。 70℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対OCPを示す。 70℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。 70℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。 70℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおけるエントロピ強度対週数を示す。 70℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおけるエンタルピ強度対週数を示す。 70℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおける3Dプロファイルを示す。 70℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおける2Dプロファイルを示す。 70℃でエージングされたLIB電池の3.94Vにおけるエントロピ強度対週数を示す。 70℃でエージングされたLIB電池の3.94Vにおけるエンタルピ強度対週数を示す。 70℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。 70℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。 100サイクル毎のLiB電池のための放電プロファイルを示す。 1000サイクルまでサイクル動作されたLIBのエントロピプロファイル対SOCを示す。 1000サイクルまでサイクル動作されたLIBのエントロピプロファイル対OCPを示す。 1000サイクルまでサイクル動作されたLIBのエンタルピプロファイル対SOCを示す。 1000サイクルまでサイクル動作されたLIBのエンタルピプロファイル対OCPを示す。 LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示しており、電池は様々なCOVを受けた。 LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示しており、電池は60℃の熱エージングを受けた。 LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示しており、電池は70℃の熱エージングを受けた。 LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示しており、電池は長サイクルエージングを受けた。 サイクル動作されたLIB電池の3.87Vにおけるエントロピ強度対サイクル数を示す。 サイクル動作されたLIB電池の3.87Vにおけるエンタルピ強度対サイクル数を示す。 1000サイクルまでサイクル動作されたLIB電池の3.87VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。 1000サイクルまでサイクル動作されたLIB電池の3.87VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。 サイクル動作されたLIB電池の3.94Vでのエントロピ強度対サイクル数を示す。 サイクル動作されたLIB電池の3.94Vでのエンタルピ強度対サイクル数を示す。 1000サイクルまでサイクル動作されたLIB電池の3.94VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。 1000サイクルまでサイクル動作されたLIB電池の3.94VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。 5%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS、ΔH)平面上の2D投影曲線を示す、5%の容量損失を有するバッテリのダイヤグラムを示す。 10%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS、ΔH)平面上の2D投影曲線を示す、10%の容量損失を有するバッテリのダイヤグラムを示す。 15%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS、ΔH)平面上の2D投影曲線を示す、15%の容量損失を有するバッテリのダイヤグラムを示す。 20%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS、ΔH)平面上の2D投影曲線を示す、20%の容量損失を有するバッテリのダイヤグラムを示す。 25%の容量損失を有するバッテリのダイヤグラムを示す。
装置との関連で以下に記載される実施形態は、それぞれの方法に類似して有効であり、その逆も成立する。さらに、例えば、以下に記載される実施形態を組み合わせてもよい、例えば、1つの実施形態の一部はもう1つの実施形態の一部に組み合わせてもよい、ということは理解されるだろう。
これに関連して、この明細書内に記載されているような装置は、装置内に実行される処理において用いられる、例えば、メモリを含んでもよい。実施形態において用いられるメモリは、揮発性メモリ(例えば、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)または不揮発性メモリ、例えばPROM(プログラマブル読取専用メモリ)、EPROM(消去可能なPROM)、EEPROM(電気的消去・書き込み可能PROM)、または例えば、フローティングゲートメモリ、電荷トラップメモリ 、MRAM(磁気記録式随時書き込み読み出しメモリ)PCRAM(相変化式随時書き込み読み出しメモリ)などのフラッシュメモリであってもよい。
実施形態において、「回路」は、それは、メモリに記憶されたソフトウェア、ファームウェア、またはその任意の組み合わせを実行する専用の回路またはプロセッサであってもよい任意の種類のロジック実装主体としても理解されてもよい。したがって、実施形態において、「回路」は、例えばマイクロプロセッサ(例えば、複雑命令セットコンピュータ(CISC)プロセッサまたは簡略化命令コンピュータ(RISC)プロセッサ)などのプログラマブルプロセッサなど、ハードワイヤード論理回路またはプログラマブル論理回路であってもよい。「回路」は、また、例えばJavaなどの仮想マシンコードを用いる例えばコンピュータプログラムなど、例えば任意の種類のコンピュータプログラムなどのソフトウェアを実行するプロセッサであってもよい。より詳細に以下に記載されるそれぞれの関数の他の種類の実装も、代替の実施形態による「回路」として理解されてもよい。
バッテリは、電気エネルギーの重要なエネルギー貯蔵およびエネルギー源である。したがって、バッテリの状態を判定するニーズもあり得る。
バッテリは、有効寿命の間に通常エージングまたは促進エージングを被るかもしれない。
バッテリエージングは、以下のような、エネルギーおよび蓄電性能の低下につながる。
・低放電容量、
・低放電電圧、
・低電力出力、および
・高内部抵抗(より多くの熱を発生する)。
これらのエージング作用は、バッテリの劣化状態(SOH)に関係するかもしれない。
バッテリの正常エージングおよび早期エージングの最大の共通原因は、以下の通りである。
1.長充電サイクルおよび長放電サイクル、
2.高温での保管および動作、
3.過充電および過放電、
4.高充電率および高放電率、および
5.短絡、逆方向電圧、機械的(振動、衝突、…)、温度限界、…などの酷使試験。
あらゆるエージングの合計および組み合わせがその動作寿命の間にバッテリによって経験された1〜5をもたらすものとして、バッテリ履歴を規定することができる。
基本的な問題は、以下の通りである。バッテリがその動作寿命の間に受けたエージングプロセスの種類を帰納的に評定することは可能であるか。言いかえれば、バッテリは、そのエージングを招く様々な動作のメモリまたはトレースを保つことができるか。我々は「バッテリ履歴」を明らかにすることができるか。
今までに、バッテリ履歴をトレースすることができる既存の技術はない。
様々な実施形態によれば、バッテリ履歴評価のための装置および方法を提供することができる。
バッテリ履歴は、少なくとも以下の理由のために重要かもしれない。
・バッテリ履歴は、バッテリの健全性(SOH)(エンドユーザにとって極めて重要な知識)を制御する。
・SOHは、以下のことを可能にする。
1.バッテリ性能(エネルギー貯蔵、電力、残余の/残りのサイクル寿命)を予測すること、
2.バッテリ安全性を予測すること、
3.バッテリ寿命を延ばすためにSOHによるバッテリ動作パラメータ(充電電流、温度、…)を調整すること。
・バッテリ履歴技術は、診断目的(法律情報、ユーザ情報、…)に用いられることができる。
但し、電池管理システム(BMS)などの共通に使用される技術は、バッテリ履歴機能を含まない。
我々は、エントロピ(S)およびエンタルピ(H)などの熱力学的機能がバッテリエージングの種類のシグネチャ特性を有すると発見した。
バッテリ内の陽極および陰極は、バッテリ性能の減衰の原因となる、エージングプロセスにおける不可逆変化を受ける。
我々は、これらの変化が、相転移または変更が陽極および陰極内で生じる、特定の陽極/陰極の構成および電圧において増幅される、ということを発見した。
図1Aは、様々な実施形態によるバッテリを試験する方法を図示するフローダイヤグラム100を示す。102において、バッテリは、所定の電圧にされ得る。104において、バッテリのパラメータが判定され得る。バッテリのパラメータは、所定の電圧でのバッテリのエントロピおよび/または所定の電圧でのバッテリのエンタルピを含んでもよいし、当該エントロピおよび/またはエンタルピであってもよい。106において、バッテリのエージング履歴は、判定されたパラメータに基づいて判定され得る。
言いかえれば、様々な実施形態によれば、バッテリの履歴は、所定の電圧におけるバッテリのエントロピまたはエンタルピに基づいて判定されてもよい。例えば、様々な実施形態によれば、バッテリの履歴は、それ以上のエントロピまたはエンタルピの情報なしで、所定の電圧におけるバッテリのエントロピおよびエンタルピから判定されてもよい(ここで、所定の電圧は、バッテリの陽極の材料およびバッテリの陰極の材料によって例えば規定されてもよいし、所定の電圧は、バッテリのイン・サイチュ(in−situ)回折に基づいて例えば判定されてもよい)。
様々な実施形態によれば、方法は、所定の時間の間、バッテリに対して所定の電圧を印加することと、所定の時間の間、所定の電圧を印加した後に、パラメータを判定することとをさらに含んでもよい。
様々な実施形態によれば、パラメータを判定することは、所定の値によってバッテリの温度を変更することを含んでもよい。
様々な実施形態によれば、履歴を判定することは、判定されたパラメータを参照パラメータと比較すること含んでもよいし、または当該比較することであってもよい。
様々な実施形態によれば、参照パラメータは、所定のエージング履歴を受けたバッテリのパラメータであってもよい。
様々な実施形態によれば、所定の電圧は、陽極における相転移に関連づけられてもよい。
様々な実施形態によれば、所定の電圧は、陰極における相転移に関連づけられてもよい。
様々な実施形態によれば、所定の電圧は、陽極における材料変更に関連づけられてもよい。
様々な実施形態によれば、所定の電圧は、陰極における材料変更に関連づけられてもよい。
様々な実施形態によれば、バッテリのエージング履歴は、高電圧エージングに関する情報を含んでもよいし、または当該情報であってもよい。
様々な実施形態によれば、バッテリのエージング履歴は、高温エージングに関する情報を含んでもよいし、または当該情報であってもよい。
様々な実施形態によれば、バッテリのエージング履歴は、長サイクルエージングに関する情報を含んでもよいし、または当該情報であってもよい。
図1Bは、様々な実施形態によるバッテリを試験するように構成された装置108を示す。装置108は、バッテリを所定の電圧にするように構成された電圧設定回路110を含んでもよい。装置108は、バッテリのパラメータを判定するように構成されたパラメータ判定回路112をさらに含んでもよい。バッテリのパラメータは、所定の電圧でのバッテリのエントロピおよび/または所定の電圧でのバッテリのエンタルピを含んでもよいし、当該エントロピおよび/またはエンタルピであってもよい。装置108は、判定されたパラメータに基づいてバッテリのエージング履歴を判定するように構成された履歴判定回路114をさらに含んでもよい。電圧設定回路110、パラメータ判定回路112および履歴判定回路114は、例えば、ケーブル、バスなどの電気的結合または光学的結合によって結合する(116)ことによって例えば結合されてもよい。
様々な実施形態によれば、電圧設定回路110は、所定の時間の間にバッテリに対して所定の電圧を印加するように構成されてもよい。様々な実施形態によれば、パラメータ判定回路112は、所定の時間の間に所定の電圧を印加した後に、パラメータを判定するように構成されてもよい。
様々な実施形態によれば、パラメータ判定回路112は、所定の値によってバッテリの温度を変更するように構成されてもよい。
様々な実施形態によれば、履歴判定回路114は、判定されたパラメータを参照パラメータと比較することに基づいて履歴を判定するように構成されてもよい。
様々な実施形態によれば、参照パラメータは、所定のエージング履歴を受けたバッテリのパラメータを含んでもよいし、または当該パラメータであってもよい。
様々な実施形態によれば、所定の電圧は、陽極における相転移に関連づけられてもよい。
様々な実施形態によれば、所定の電圧は、陰極における相転移に関連づけられてもよい。
様々な実施形態によれば、所定の電圧は、陽極における材料変更に関連づけられてもよい。
様々な実施形態によれば、所定の電圧は、陰極における材料変更に関連づけられてもよい。
様々な実施形態によれば、バッテリのエージング履歴は、高電圧エージングに関する情報を含んでもよいし、または当該情報であってもよい。
様々な実施形態によれば、バッテリのエージング履歴は、高温エージングに関する情報を含んでもよいし、または当該情報であってもよい。
様々な実施形態によれば、バッテリのエージング履歴は、長サイクルエージングに関する情報を含んでもよいし、または当該情報であってもよい。
様々な実施形態によれば、バッテリの履歴を評価するための装置および方法を提供することができる。バッテリは、それらの動作寿命またはエージングの間にエネルギー貯蔵および動力性能の減衰を受ける。性能の減衰は、放電容量の低下と、放電電圧(または電位)の低下と、内部抵抗の上昇とを含む。バッテリエージングのいくつかの原因がある。すなわち、長サイクル動作、高温露呈、過充電および過放電、高充電率および高放電率、電気的酷使および機械的酷使である。バッテリエージングは、貯蔵性能だけでなく、バッテリの健全性およびバッテリの安全状態も影響を与える。後者は、負荷平準化および自然エネルギー(ソーラー、風、潮力)貯蔵用途のためなど、特に電気自動車や電池電力貯蔵におけるバッテリ用途にとって極めて重要な知識である。
様々な実施形態による方法および装置は、初めて「バッテリの履歴」として取り組まれた、バッテリエージングのモード(または原因)を評価することを可能にする熱力学データの取得および分析に基づいてもよい。
様々な実施形態によれば、装置および方法は、バッテリのエージングに結びつく動作寿命の間にバッテリが経験した様々な条件のトレースをバッテリが保つという事実を用いてもよい。これらは、我々がバッテリの履歴を明らかにすることを可能にする「メモリ効果」として初めて機能する。
例えば、様々な実施形態による方法および装置は、すべて様々な熱力学特性シグネチャを有する熱エージングと長サイクル寿命エージングと過充電エージングとを十分に区別してもよい。
様々な実施形態による方法および装置は、熱力学に基づいてもよいし、非破壊的性質および普遍性を備えてもよいし、実時間データの取得および分析を可能にしてもよいし、実装することをさらに簡単にしてもよいし、バッテリの性能および安全性のために極めて重要な付加的なバッテリデータにアクセスすることを可能にしてもよい。
様々な実施形態によれば、性能および安全性を高めるためのバッテリ診断ツールが提供されてもよい。
様々な実施形態によれば、リチウムイオンバッテリの熱力学が考慮されてもよい。
熱力学の技術および方法は、充電および放電の間、および過充電および熱エージングの間に、陽極、陰極および満杯のリチウムイオンバッテリ(LIBまたはLiB)の動作を理解するのに有用かもしれない。LIB電池は、次の一般的な概略式に示す、それらのホスト構造〈H〉内にリチウムイオンを可逆的に組み込む陽極および陰極から構成される。

ここで、「x」は、電極および/または電池の反応進行率(0≦x≦1)である。
電池の自由エネルギーΔG(x)における変化は、次式による電池の開回路電位(OCP)E(x)に関係する。

ここで、nは、移送されたイオンの数(ここでLiであればn=1)であり、Fは、ファラデー定数である。
平衡状態

での電池電位は、次式により与えられる。

ここで、

は、陰極電位および陽極電位をそれぞれ示す。
ΔG(x)は、また、次式によって規定された電極組成物におけるエンタルピΔH(x)およびエントロピΔS(x)の変化に関係する。
一定の反応進行率(x)および圧(p)において式2に対するTを導き出すことによって、次式を得る。

ここで、Tは温度であってもよく、pは圧であってもよい。
式4および式5によれば、様々なx値でのE(x)の温度依存性の測定は、ΔS(x)およびΔH(x)を評価することを可能にし、それらのプロファイルがxおよびOCP(E(x))に対してプロットされることを可能にする。様々な実施形態によれば、我々は、OCPプロファイルにおいてわずかに検出されることができる、最大値および最小値などの十分に定義されたxおよびOCPにおける特徴を表すことにおいて、エントロピおよびエンタルピのプロファイルが特に有力であることを見出した。このような高い検出能力であるための理由は、ΔS(x)およびΔH(x)が重要な熱力学パラメータ(すなわち温度(T))を考慮に入れるからである。Tを2〜3℃変えることによって、電極物質のエネルギーの状態密度によって電極物質の結晶構造および電子構造における微妙な変化を明らかにすることを可能にする。エントロピは、障害に対して高度に敏感であるので、サイクル動作およびエージングプロセスの間の材料構造で起こる変化のさらなる詳細情報を提供する。
化学処理におけるエントロピのトータルの支配的な成分である配位エントロピは、振動性エントロピおよび電子的エントロピに加えて、次式によって表現されることができる。

ここで、kはボルツマン定数である。
エントロピΔS(x)における変化は、次式にしたがって、式7から導き出される。
ΔS(x)は、約x=0およびx=1の相転移組成物の絶対値において非常に増加するに違いない。これらの転移は、位相図を記述するので、電極物質のユニークな特性である。したがって、熱力学的な方法および技術は、電池化学、健全性、充電状態、およびサイクル履歴を特徴づける非常に効率的且つ非破壊的なツールであることを示す。
1つまたは2つの電極が電解質の電位安定性窓に収まらない電位を起こすため、ほとんどのバッテリは、熱力学的に準安定である。これは、陽極および/または陰極が電解質分子によってそれぞれ酸化されて還元されるに違いない、ということを意味する。さらに電極と電解質との反応がパッシベーションによって妨害され、それらの反応速度をかなり落とすので、バッテリは、動力学の理由により安定させられる。例えば、LiB内の黒鉛陽極上で不動態化する固体電解質界面(SEI)の成長は、LiBの安定性にとって主要な役割を果たす。
様々な実施形態によれば、エージングプロセスにおけるリチウムイオン電池の熱力学特徴づけが備えられてもよい。以下の3つの方法が電池エージングを促進するために適用された。
(1)4.2Vの充電カットオフ電圧(COV)の通常の終期に比べて4.9Vまで過充電すること、
(2)4.2Vの電池の初期充電状態において60℃および70℃にて蓄積される電池を熱エージングすること、および
(3)1000サイクルまでの間、周辺温度においてC/2率でサイクル動作すること。
エージングを伴うエントロピプロファイルおよびエンタルピプロファイルの進化が論じられることになる。さらに、様々な実施形態によって、エージングモードを経たバッテリの種類を熱力学が率先して判定することをどのようにして可能にするのかが示されるとともに、様々な実施形態によるLiBエージングメモリの新たな概念が記述されることになる。
以下、様々な実施形態による、熱力学の測定、手順、および装置が記述されることになる。
例えば、44mAhで定格された、コイン電池のリチウムイオンバッテリのフォームファクタ(2032)が、研究に用いられてもよい。いかなるエージングモードの性質であっても、熱力学測定は、(シンガポールのKVI PTE LTD社によって製造された)バッテリアナライザBA−1000(登録商標)を用いて行われてもよい。図1Cに示されたBA−1000装置は、以下の3つの主要部から構成される。
(1)4つまでの電池をホスティングすることができる、温度制御バッテリホルダ、
(2)高精度の電位および電流測定能力を有する定電位−定電流システム、および
(3)熱力学測定ステップを実行し、データを収集して処理するソフトウェアを搭載したコンピュータ。
図1Cは、定電位/定電流を有する中央ユニット196を有する熱力学測定を行うために用いられる装置、およびコイン電池ホルダ198を示す。
電池は、9mAの定電流形態の下で、2.75Vまでの放電、それに続いて、4.2Vまでの充電および2.75Vまでの第2の放電を経る。この調整ステップの間、バッテリアナライザは、電池の容量q(mAh)を評価する。その後、熱力学測定プログラムは、段階的に開始する。各ステップにおいて、充電状態(SOC)は、18分間、C/6(〜6mA)の定電流を適用することによって5%増加され、その後、電池OCPが平衡状態に留まる30分の電位休止が続く。セル温度は、その後、周囲温度から約10℃まで30分間5℃ずつ減少させられ、一方でOCPが監視される。10℃での最後の温度ステップが完了した後、温度は、周囲温度まで上昇するままにされ、その後、さらに5%の増加がSOCに適用される。この手順によれば、合計21個のOCP、エントロピおよびエンタルピデータが、各電池に収集される。時々、4.2Vの充電の終端において、熱力学測定プログラムは、電流の符号以外は充電に関するものと同様の条件下の放電の間に実行される。4つの電池に対して適用された各々の熱力学測定に対して、我々は、疑似同一の充電/放電の間にE(x)、ΔS(x)、およびΔH(x)プロファイルを見出した。したがって、充電の間のデータのみが本明細書に記述されることになる。
以下、様々な実施形態によるエージングおよび電池化学評価前の熱力学データが記述されることになる。
図2は、充電中の非サイクル(未使用)電池のOCP対SOCプロファイルを示す。
図2は、充電中に4つの未使用LiB電池のOCP対SOCプロファイルを示す。OCPデータポイントは、優れた再現性を証明する、SOC全体の5%〜100%の範囲に互いに収まる。唯一の顕著な差が、SOC=0%において生じる。これは、黒鉛陽極Liε,ε〜0におけるリチウム組成内のわずかな差分によるものかもしれず、陽極電位は、εに応じて相当に変化する。OCP曲率における符号内の変化が、SOC 55%のあたりで生じる。
図2は、OCPプロファイルが異なる動作をする以下の3つのOCP領域を示す。すなわち、(a)5%〜25%、(b)25%〜55%、および(c)55%〜100%である。但し、OCPプロファイルは、OCPがステップまたはプラトーをなすと予想される、陽極および陰極における相転移の発現を明白に識別することを可能にするには、平滑すぎる。
図3は、充電中の非サイクル(未使用)電池のエントロピ対SOCプロファイルを示す。データ点A1およびA2は、黒鉛アノード内の相転移の発現に対応し、C1〜C5は、LCOカソード内の相転移の発現に対応する。
図4は、充電中の非サイクル(未使用)電池のエンタルピ対SOCプロファイルを示す。データ点A1およびA2は、黒鉛アノード内の相転移の発現に対応し、C1〜C5は、LCOカソード内の相転移の発現に対応する。
OCPプロファイルとは対照的に、図3および図4に示されたエントロピおよびエンタルピのプロファイルは、それぞれ勾配における最高点、最低値、および変化を示す。いくつかの特定のSOC値は、黒鉛酸陽極(A、A)およびリチウムコバルト酸化物(LCO)陰極(CからCまで)における相転移の発現に関連する、A、A、およびC〜Cで示されたΔSとΔHの双方の曲線において識別されることができる。これらの特定のデータポイントは、←→符号により概略的に以下に表現される相転移に対する証しになり得る。
:グラファイト←→低濃度ステージ−1、すなわち、Liε化合物(ε〜0.05)。
:ステージ−2←→ステージ−1、Liにおける約x=0.5の化合物。
:LCOにおける単相(O3I)←→2相(O3I+O3II)
:2つの六方晶相(O3I+O3II)←→単相(O3II)。
:1つの六方晶相(O3II)←→単斜晶
:単斜晶←→O3II’
:六方晶(O3II’)←→六方晶(O)。
したがって、様々な実施形態による熱力学分析法は、この研究で用いられる電池の化学的性質を明らかにすることを可能にする。黒鉛陽極およびLCO陰極から構成される。
陽極および陰極における相転移および相変態は、それらが生じる場合、電極物質の各々の1つのフィンガープリント特性を提供するので、この方法を、他のLiB化学に容易に適用することができる。
以下、過充電電池の熱力学が記述されることになる。
充電式電池の十分な動作を保証する、電池の電位、温度、および充電電流および放電電流の推奨範囲があり得る。これらの範囲外では、バッテリは、エージングを促進する急速な不可逆過程を受ける。後者は、低放電容量および低放電電位、および高内部抵抗を含む。したがって、サイクル寿命は、それ故に短くなる。
式3は、平衡状態E(x)、すなわち、電流が電池内に流れていない場合の開回路、における電池の電位を与える。充電および放電電流「i」の下で、電池電位Eは、陽極および陰極のそれぞれ
過電圧

、および
抵抗降下

に起因するEから外れる。

ここで、±符号は、充電中の+および放電中の−である。
電池の過充電中に、
不可逆のエネルギー

の一部は、電池の自己放電およびエージングの原因となる、陽極および陰極劣化のそれぞれの活性化エネルギー、および電解質陽極酸化および陰極還元反応の活性化エネルギーを克服するために用いられてもよい。
以下、過充電エージング方法が記述されることになる。
電池は、4.2Vと4.9Vとの間の含まれる一定のカットオフ電圧(COV)まで、10mAのレートの下で定電流的に充電された。試験の各セットに対して、4つの新たな電池が用いられ、COVは0.1Vずつ増加される。したがって、個別の電池は、4.2V、4.3Vなどから4.9Vまで充電された。その後、電池は、9mAの下で、2.75Vまで放電され、4.2Vまで充電され、その後に続いて、2.75Vまで放電された。その後、電池は、熱力学測定試験を実行するためにバッテリ評価システムに移送された。
以下、(例えば電池の)放電特性が記述されることになる。
図5は、様々な充電カットオフ電圧(COV)を受けるLiB電池の放電プロファイルを示す。
表1は、LiB電池の放電データ対カットオフ電圧(COV)を示す。

およびEは、放電容量、放電容量損失、平均放電電圧、および放電エネルギーをそれぞれ表す。
図5は、様々なCOVの電池の放電プロファイルを示し、その一方で、放電結果は表1に示される。表1は、放電容量

と、容量損失

と、平均放電電位

と、放電エネルギー出力

とを含む。
電池は、重要な電極材料および/または電解質材料劣化がこのCOV範囲内で起こった示唆する、4.5Vと4.6VのCOV間の大容量損失を受けた。
我々は、非線形性の原因となる、十分な適合度を有する容量損失およびCOVの間の経験的関係を見出した。
さらに、恐らく複合材劣化および電池の内部抵抗増加によって、

における大規模な低下が4.9VのCOVにて生じる。
以下、OCPプロファイルが記述されることになる。
図6は、LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示す。電池は、様々なCOVを受けた。
図6は、様々なCOVに対して過充電された電池のOCP対SOCプロファイルを示す。OCPデータは、エージングの前に図2のものよりもさらに散乱される。データ散乱は、電池熱力学の動作に対する過充電の影響の表れである。SOC=0におけるOCP値は、COV上で顕著に変化する。これは、黒鉛陽極内の残余のリチウムおよび/またはLCO陰極内のリチウム欠損に起因する。5%を上回るSOCでは、わずかな差がOCPプロファイル内に出現した。但し、COVが増加するにつれて著しいOCPの変化を観測することができる特別のSOC値または範囲はない。そのため、十分な高解像度を有する様々なCOVにてエージングされた電池を特徴づけるためには、OCPプロファイルを用いなくてもよい。
以下、エントロピおよびエンタルピのプロファイルが記述されることになる。
図7は、様々なCOVにおける、過充電されたLIB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。
図8は、様々なCOVにおける、過充電されたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。
図9は、様々なCOVにおける、過充電されたLIB電池のエントロピプロファイル対OCPを示す。
図10は、様々なCOVにおける、過充電されたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。
図7および図8は、様々なCOVに過充電された電池のエントロピおよびエンタルピのプロファイル対SOCをそれぞれ示す。図9および図10は、プロットされた類似データ対OCPをそれぞれ示す。図7および図8のエントロピおよびエンタルピのプロファイルは、特に、0〜5%、40〜65%、および65〜90%のSOC領域における大幅な変化を示す。エントロピおよびエンタルピの双方のトレースが最高点をなす80%のSOCデータは、COVに強く依存する。エントロピおよびエンタルピのデータにおける大規模な変動は、図6にOCPのものに比べて過充電されたことを、より適切に特徴づけるために用いられてもよい。
我々は、また、OCP=3.87VおよびOCP=3.94Vにおいて図9および図10のΔSデータおよびΔHデータ対OCPにおける大幅な変化を見出した。そのため、我々は、エージングされた電池の正確な特徴づけのために、これらの特別のOCP値を用いた。このタスクを実現するために、電池は、3.87Vおよび3.94Vまで定電流的に充電され、その後、電位のプラトーが適用され、定電圧は、C/100(〜400μA)未満に電流が低下するまで、3.87Vおよび3.94Vで、それぞれ印加された。その後、熱力学試験は、3.87Vおよび3.94VのOCP値のあたりのエントロピおよびエンタルピを測定するために実行された。
図11は、様々なCOVに過充電された電池上で、OCP=3.87Vで、実現されたデータの3D

プロットである。
図11は、様々なCOVに過充電された電池上でOCP=3.87Vにて実現されたデータの3D

プロットである。実際、容量損失

は、表1および式9に示されるようなCOVにより増加する。
図12は、様々なCOVにおけるLIB過充電電池の3.87VのOCPでの(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
図12は、(ΔS,ΔH)平面上の図11の

トレースの2D投影である。予想通りに、すべてのCOV依存

データは、定数OCPにおいて、∂ΔH/∂ΔSが図12の直線の勾配であるTに等しいので、同一の直線に収まる。
COVの増加により、自由エネルギー表面上に描画された等電位線は、様々なCOVにおいてエージングされた電池を明らかに区別することを可能にする様々な値をとる。
3D曲線および投影曲線の図13および図14にそれぞれ示されるように、同様の結果は、OCP=3.94Vで得られる。
図13は、様々なCOVにおける、LIB過充電電池、過充電電池の3.94VのOCPにおける3D

プロットを示す。
図14は、様々なCOVにおけるLIB過充電電池、過充電電池の3.94VのOCPでの(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
3.87Vおよび3.94VのOCP値が非常に特別である理由は、それらが、黒鉛陽極およびLCO陰極がそれぞれ特定の相転移を受ける際の実際の電位であるからである。エントロピおよびエンタルピの変化がさらに著しい特別のOCPは、エージングに対してより敏感であり、したがって、実現されるエージングに対する高分解能のCOV効果を可能にして、過充電中を含む電池化学およびその健全性を評価するためにメトリックとしてそれらを用いることができる。
以下、熱的にエージングされた電池の熱力学が記述されることになる。
熱エージングは、電池エージングを促進するもう1つの方法である。不可逆性の相変態、電極表面パッシベーション、電極溶解、および沈殿および電解質の酸化還元を含む、熱活性化電極および電解質劣化プロセスは、電池の自己放電および貯蔵性能の減衰の最大の原因となる。温度に加えて、電池のエージングの他の重要な制御パラメータは、充電の開始状態および健全性(カレンダー寿命)である。充電の状態がハイレベルで且つ健全性がローレベルであるほど、電池エージングは急速である。
以下、熱エージング方法が記述されることになる。
未使用電池は、4サイクルの間に10mA(〜C/4レート)において2.75Vと4.2Vとの間でサイクル動作され、その後、電池は、4.2Vまで充電され、60℃および70℃でオーブン内に8週間まで一時的に格納された。各週の終わりに、4つの電池が取り出され、定電流の充電および放電により且つ熱力学測定により試験された。
以下、放電特性が記述されることになる。
図15Aは、0週〜8週の間、60℃の熱エージングを受けたLiB電池の放電プロファイルを示す。
図15Bは、0週〜8週の間、70℃の熱エージングを受けたLiB電池の放電プロファイルを示す。
表2は、60℃でエージングされたLiB電池の放電データに対する週数を示しており、

は、放電容量、放電容量損失、平均放電電圧および放電エネルギーをそれぞれ表す。
表3は、70℃でエージングされたLiB電池の放電データに対する週数を示しており、

は、放電容量、放電容量損失、平均放電電圧および放電エネルギーをそれぞれ表す。

図15Aおよび図15Bは、60℃および70℃でエージングされた電池の10mAのレート下での放電プロファイルをそれぞれ示す。表2および表3は、60℃および70℃でのエージングの週数に応じた、同一の放電特性

をそれぞれ概説する。
8週間のエージング後の容量損失は、60℃および70℃において、それぞれ〜14.4%および24.2%である。平均放電電位

は、エージング温度による影響をあまり受けない。この表現法は、非活性/活性電極材料モデルをサポートし、その後、陽極および陰極の放電容量、および軽度の放電率下の電位は、電極組成物内にまだ存在する活性部分により制御される。活性部分は、エージングされた電池よりは活性が低い状態に段階的に移行する。
以下、OCPプロファイルが記述されることになる。
図16Aは、LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示す。電池は、0週〜8週の間、60℃での熱エージングを受けた。
図16Bは、LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示す。電池は、0週〜8週の間、70℃での熱エージングを受けた。
図16Aおよび図16Bは、60℃および70℃で8週間までの間エージングされた電池のOCP対SOCプロファイルをそれぞれ示す。60℃においては、OCPプロファイルはエージング時間による影響を受けていないが、70℃においては、エージング時間とともにOCPが減少するので、OCPデータ内の差分がSOC>55%において出現した。これは、黒鉛陽極における増強されたグラフェン層の乱れと、陰極におけるスピネルLCO相の形成とから結果として生じる陽極および陰極の結晶構造の劣化に起因し、双方のプロセスは熱的に活性化される。
以下、エントロピおよびエンタルピのプロファイルが記述されることになる。
図17Aは、0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。
図17Bは、0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。
図18Aは、0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。
図18Bは、0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。
図19Aは、0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対OCPを示す。
図19Bは、0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対OCPを示す。
図20Aは、0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。
図20Bは、0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。
プロットされた60℃および70℃でエージングされた電池のエントロピおよびエンタルピのプロファイル対SOCは、図17Aと図17B(60℃)、および図18Aと図18B(70℃)にそれぞれ示される。プロットされたエントロピおよびエンタルピのプロファイル対OCPは、図19Aと図19B、および図20Aと図20Bにそれぞれ示される。過充電エージングを参照して以前に論じたように、エントロピおよびエンタルピのプロファイル対SOCは、OCPのものよりもエージング時間とのさらなる差分を示す。SOC領域は、エントロピおよびエンタルピの差分であり、5%、80%、および85%で、より顕著である。
図21Aは、0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池の3.87VのOCPにおける3D

プロットを示す。
図21Bは、0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池の3.87VのOCPにおける3D

プロットを示す。
図22Aは、0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池の3.87VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
図22Bは、0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池の3.87VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
図23Aは、0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける3D

プロットを示す。
図23Bは、0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける3D

プロットを示す。
図24Aは、0週〜8週の間、60℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
図24Bは、0週〜8週の間、70℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
ここで、また、エージング時間とのより大規模な差分を示すために、我々は、3.87Vおよび3.94VのOCPにおけるエントロピおよびエンタルピのデータを見出した。60℃および70℃での3D

プロファイルは、図21Aと図21B(3.87V)、および図23Aと図23B(3.94V)にそれぞれ示され、(ΔS,ΔH)平面における対応する投影は、図22Aと図22B(3.87V)、および図24Aと図24B(3.94V)にそれぞれ示される。4つの投影されたプロットは高度に分解されたエージング時間の依存性を示しており、1つは、判定期間の間60℃および70℃でエージングされた電池を明らかに区別することを可能にする。ここで、また、図24Aおよび図24Bに見てとれるように、我々は、3.87V(陽極)および3.94V(陰極)における曲線に十分なデータの線形性を見出した。
以上に述べたように、3.94Vは、LCO陰極内の相転移に関係する。図24Aおよび図24Bのエントロピスケールを比べると、データがエージング温度に強く依存することが明らかになる。したがって、我々の熱エージング研究は、熱力学方法が様々な期間の様々な温度においてエージングされた電池を区別することを可能にするというポイントに対して、さらなる裏付けを与える。
以下、(長く)サイクル動作された電池の熱力学が記述されることになる。
長期サイクル動作は、充電式電池の最も自然なエージングモードである。それは、サイクル数「N」の増加により、また過放電により、および前述のような充電/放電率による過充電により、低放電電位および低放電容量の両方をもたらす。
サイクル動作に際しての電池性能の減衰は、以下の原因に起因する。すなわち、a)陽極結晶構造の劣化、b)陰極結晶構造の劣化、c)電極/電解質界面の特性劣化、d)金属溶解、e)電解質分解、およびf)界面フィルムの形成である。
以下、どのようにLiB電池が1000サイクルまでの間に定電流的にサイクル動作され、100サイクル完了する毎に解析されたのか、が説明されることになる。電池の放電性能、および熱力学特性上のサイクルエージングに際しての進化が記述されることになる。
以下、エージング方法が記述されることになる。
4つの電池が、周辺温度にて2.75Vと4.2Vとの間の20mA(〜C/2レート)において定電流的にサイクル動作された。100サイクルが完了する毎に、電池は、定電流のサイクル動作により、および熱力学方法により解析された。その後、同一の電池は、1000サイクルに達するまで、さらなる100サイクルの間、再びサイクル動作された。
以下、放電特性が記述されることになる。
図25は、100サイクル完了する毎のLiB電池のための放電プロファイルを示す。
表4は、1000サイクルまでサイクル動作されたLiB電池の放電データに対するサイクル数を記載しており、

は、放電容量、放電容量損失、平均放電電圧および放電エネルギーをそれぞれ表す。
図25は、100サイクル完了した毎の放電プロファイルを示し、表4は、対応する放電特性を示す。500サイクル後および1000サイクル後の容量損失は、それぞれ20.4%および35.6%である。これは、1サイクル当たり0.094%の平均容量損失レートに移行する。さらに、我々は、電池のエネルギー出力が、次式にしたがって、サイクル数Nとともに線形に減少する、ということを見出した。
以下、OCPプロファイルが記述されることになる。
図26は、LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示す。電池は、1〜1000サイクルを受けた。
図26は、未使用電池(N=1)に加えて、N=100nサイクル(n=1〜10)でエージングされた電池のOCP対SOCプロファイルを示す。OCO対SOCのデータポイントは、OCP対SOCプロファイル上のサイクル動作の著しい効果が生じていないことを示しながら互いに重なり合う。放電容量および放電電位がサイクル数により低減されたので、OCP結果は、定電流のサイクル動作が活性的な陽極および陰極の物質を活性が低い物質に段階的に移行することを示唆する。エージングに際して活性が低い(または非活性の)物質への活性の移行は、後者が100%へ活性物質を正規化するので、SOCに応じて対応する電極電位にあまり影響を与えない。
以下、エントロピおよびエンタルピのプロファイルが記述されることになる。
図27は、1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIBのエントロピプロファイル対SOCを示す。
図28は、1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIBのエンタルピプロファイル対SOCを示す。
図29は、1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIBのエントロピプロファイル対OCPを示す。
図30は、1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIBのエンタルピプロファイル対OCPを示す。
図27および図28は、様々なN値でのエントロピおよびエンタルピのプロファイル対SOCをそれぞれ示す。トレースされた対応するエントロピおよびエンタルピ曲線対OCPは、図29および図30にそれぞれ示される。
図31は、1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIB電池の3.87VのOCPにおける3D(ΔS,ΔH,N)プロットを示す。
図32は、1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIB電池の3.87VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
図33は、1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIB電池の3.94VのOCPにおける3D(ΔS,ΔH,N)プロットを示す。
図34は、1〜1000サイクルでサイクル動作されたLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
同様に、前節よりむしろ、OCP=3.87Vおよび3.94Vでの3D(ΔS、ΔH、qCL)および投影カーブは、図31と図32(OCP=3.87V)、および図33と図34(OCP=3.94V)に示される。
図32および図34は、(ΔS、ΔH)平面上に投影されたデータポイントの十分なアラインメントを示す。グラファイト構造にはサイクル動作による影響があまりないということを我々は見出したが、これは、黒鉛陽極内の変化に対して熱力学の十分な感度を示唆している、3.87Vで収集されたデータの図32に特に当てはまる。我々は、また、XRD(X線回折)およびラマン散乱を用いるその場以外の分析により、驚いたことに、黒鉛結晶構造がサイクル動作上で改善されたことを見出した。
対照的に、3.94Vで収集されたデータポイントの図34は、Nに関する優れた分解能を示す。このような発見は、電池サイクル数を評価するツールよりはむしろ、熱力学の新たな用途を開拓する。
3.87Vおよび3.94Vでのデータ分解能の差分は、LCO(例えばLiCoO)陰極が周辺温度での定電流のサイクル動作中に電池容量フェージングを制御するという事実から生じる。この表現法は、1000サイクル後の黒鉛結晶構造内の、たとえあったとしても、ほとんど変化がないことを明白に示した、黒鉛陽極およびLCO陰極上で行われるポストモーテムXRDおよびラマン散乱分析によってサポートされるが、しかし、対照的にLCO陰極構造は、長サイクル動作により強い影響を受けた。そのため、LCO陰極内に相転移に関係する3.94Vで収集された熱力学データは、黒鉛陽極に関連して3.87Vで収集されたものに比べて、サイクル数により大幅な変化を示すことが予想される。
以下、熱力学メモリ効果が記述されることになる。
図35は、5%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
図36は、10%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
図37は、15%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
図38は、20%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
図39は、25%の容量損失を被ったLIB電池の3.94VのOCPにおける(ΔS,ΔH)平面上の2D投影曲線を示す。
表5は、5%から25%の容量損失を受けたLiB電池におけるエージング条件について記述する。

LiBエージングを参照して以上に記述したように、熱力学技術は、1)過充電されたバッテリのCOV、2)熱エージングの期間、および3)エージングされた電池のサイクル数の評価において有効である。この節において、我々は、一定の容量フェードに結びつくエージングプロセスの種類のメモリをLiBが保つか否かという疑問を解決することを試みることになる。このタスクを実現するために、我々は、本明細書に示された4つのエージング方法(過充電、60℃の温度、70℃の温度、および長サイクル動作)の中から5%、10%、15%、20%、および25%などの、電池の同じ容量損失

に結びつく条件を選択した。対応するエージング条件は、表5に示される。
図35〜図39は、5%〜25%の容量損失に結びついたエージング条件に対応する(ΔS、ΔH)平面におけるデータポイントの座標位置をそれぞれ示す。図35(5%)、図36(10%)、図37(15%)、図38(20%)、および図39(25%)に示した熱力学データは、3.94VのOCP値の電池において収集される。我々は、60℃で3週間および70℃で2週間のエージング後のデータポイントがそれらを明白に区別するにはあまりにも近接し過ぎている図35の場合以外は、図35〜図39のデータポイントは相当十分に散乱される、ということが見てとれる。
したがって、様々な実施形態による熱力学方法は、LiB電池が経験したエージング条件に加えて、エージングモードの性質の明確な認識を可能にする。
エージング前後のLiBに関する熱力学研究の新たなアプローチが、本明細書に示され、論じられた。電池装置により得られた熱力学経路は、エージング条件に強く依存する。バッテリは、熱力学方法を用いて初めて明らかにされた、これらのエージング条件のトレースまたはメモリを保つ。例えば、黒鉛陽極およびLCO陰極から構成されるLiBに対して、我々は、エントロピおよびエンタルピにおける変化がより顕著である2つの特別のOCPを見出した。3.87VのOCPにおけるエージングの際の黒鉛陽極の変化の情報を得ることができるが、その一方で、OCP=3.94VにおけるLCO陰極のものが関係している。したがってLiB電池の電位を黒鉛陽極およびLCO陰極に基づいて3.87Vおよび3.94Vに駆動することにより、並びに電池の温度を変更してOCP対Tを監視することにより、それらの特定のOCP値におけるエントロピおよびエンタルピを判定し、ΔS、ΔH平面内にデータをプロットすることができ、ひいては、ここで示された校正曲線を用いる電池のSOC、容量損失、およびエージングモードを明らかにすることができる。他のLiB化学的性質に対して、特定の研究は、T、時間、COV、およびNなどのエージングパラメータによりエージング作用を解決すること可能にする興味深い特別の電池電位を発見するために必要である。
様々な実施形態による熱力学測定方法のいくつかのメリットは、以下の通り概説され得る。
(1)非破壊的性質(その場測定)、
(2)アルカリ電池や高温電池を含む、あらゆる一次電池および充電式電池の化学的性質に対して適用することができるので普遍性、
(3)半電池および燃料電池における相転移の電位およびSOCの発現評価における高分解能、
(4)電池化学、SOC、SOH、SOS、およびエージングメモリ診断などの用途の多様性、
(5)高再現性、および
(6)その場またはその場以外の回折測定、および物理的な分光測定に基づく他の技術に比較して有利なコスト効果。
熱力学を通じてバッテリエージングの履歴およびメモリを明らかにすることは、バッテリ科学技術における突破口となる。
図40は、様々な実施形態によって判定される値の図解を示す。特定のSOCおよびOCVにおいて行われる相転移または変化において、SプロファイルおよびHプロファイルに特徴がある。これは図40に図式化される。
様々な実施形態による装置および方法は、以下の通りになり得る。
1.ユニバーサル(すなわち、あらゆるバッテリの化学的性質に適用され得る)、
2.電池サイズに依存しない、すなわち、以下のような直接測定可能な示強性パラメータを用いる。
・電圧
・温度
・化学的性質(既知でなければ自立的に評価されることができる)。
以下、様々な実施形態による装置および方法の裏側の物理学が記述されることになる。
エージング中に、バッテリは、自由エネルギー表面上で下りの経路に後続することになる。
経路は、エージングモード(駆動力)の物理的パラメータに依存してもよく、ユニークになり得る。
したがって、たとえ2つのバッテリが同一の自由エネルギー損失を経験したとしても、その損失に対する経路は、エージングモードによって異なってもよい。
各エネルギー損失は、熱力学特性に含むエージングモードのメモリを有する。
この「熱力学のメモリ」は、エージングモードを評価するために遡及して用いることができる。
様々な実施形態による、装置および方法は、以下の通り作動してもよい。既知の化学的性質(バッテリの化学的性質が知られていなければ、熱力学方法を用いて後者を評価することができる)および未知の履歴のバッテリを用いて、以下のステップを適用する、
1.初期のバッテリOCV Eに依存して、それを充電または放電することによって、特別の明確に規定された値E*に蓄電池電圧を駆動すること、
(E<E*であれば充電、E>E*であれば放電)
2.OCVを安定させるために一定の期間E*を適用すること、
3.初期のE*において、SおよびHを判定するためにバッテリを冷却によって、または加熱することによって、2〜10度バッテリ温度を変更すること、
4.実データポイントを位置づけるために較正曲線(H、S)を用いること(較正曲線は同一のタイプのバッテリ上で行われた熱力学試験から取り出されてもよい)、
5.較正曲線からバッテリの履歴を判定すること。
いくつかのバッテリ化学的性質において、バッテリの履歴評価を精密にするために用いることができる複数の特別のOCV値(E*、E*、E*、…)がある、ということに留意されるべきである。これらの特別のOCV値は、陽極および陰極における相転移および変化に関連づけられてもよい。
様々な実施形態による実験手順が記述されることになる。我々は、以下のものを含むリチウムイオンバッテリのパフォーマンス特性上のバッテリエージングの作用を測定した。
・放電容量、
・放電電圧、
・放電エネルギー、
・開路電圧(または電位)(OCV、OCP)、
・エントロピプロファイル、および
・エンタルピプロファイル。
バッテリは、以下の3つの方法を用いてエージングされた。
・高電圧エージング:4.9Vにまで過充電、
・高温エージング(60℃および70℃)、
・長い定電流サイクル動作(C/2レート下で1000サイクルまで)。
以下、各種のバッテリエージングに対して、以下の結果が示されることになる。
・放電プロファイル(C/4レート下で、4.2Vと2.75Vとの間)、
・OCVプロファイル対SOC、
・エントロピ(S)対SOCおよびOCV、
・エンタルピ(H)対SOCおよびOCV、
・3Dプロット(S、H、SOCおよびS、H、容量損失)、および
・(S,H)座標に上記のものから2D較正プロット。
以下、過充電エージングが記述されることになる。
以下、過充電エージングのための実験的なステップが記述されることになる。
〜44mAhに定格されたリチウムイオンコイン電池(LIR 2032)は、以下のテストステップを受けた。
1.高電圧エージング:電池の第1のセットは、周辺温度でのバッテリサイクル試験機でサイクル動作された。10mA下の定電流(〜C/4)を2.75Vまで放電し、10mAの定電流(〜C/4)下のセットCOVに充電し、定数COVは、1時間維持された。各試験に対して、COVは4.2Vから4.9Vまで100mVずつ増加させられた。電池は、その後4.2Vまで充電され、再びアービンサイクル試験機を用いてC/4レートで2.75Vまで放電された(電池の容量損失が判定されたステップ)。
2.熱力学測定:その後は、電池は、その後、電気化学的熱力学測定システム(ETMS、BA−1000(登録商標)、KVI PTE LTD社、シンガポール)に移送された。
4.2Vまで充電され、その実容量を判定するために2.75Vまで放電された電池は、形成サイクル「調整」を受ける。その後、それらは、電池が4.2Vまで段階的にC/6レートで充電される電気化学的熱力学測定(ETM)試験を経ることができ、各々の増加において、充電状態(SOC)は5%ずつ増加され、開回路電位(OCP)が測定された。
各(SOC)において、セル温度Tは、セットTに安定するまでOCPが監視される間に、周辺温度(〜25°C)から5℃ステップずつ10℃まで減少させられた。ETMSは、次式(12)および(13)を用いて、OCP(E(x))データをΔS(x)およびΔH(x)にそれぞれ変換する。
図41は、様々な充電カットオフ電圧(COV)を受けるLiB電池の放電プロファイルを示す。
図42は、過充電されたLiB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。
図43は、過充電されたLIB電池のエントロピプロファイル対OCを示す。
図44は、過充電されたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。
図45は、過充電されたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCを示す。
図46は、エントロピプロファイル対OCPおよびSOCを示す。
図47は、過充電されたLIB電池のエントロピ強度対SOCを示す。
図48は、過充電されたLiBのエンタルピ強度対COVを示す。
図49は、LIB過充電電池の3.87VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。
図50は、LIB過充電電池の3.87VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。
図51は、過充電されたLIB電池のエントロピ強度対COVを示す。
図52は、過充電されたLiBのエンタルピ強度対COVを示す。
図53は、LIB過充電電池の3.94VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。
図54は、LIB過充電電池の3.94VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。
以下、熱エージングが記述されることになる。
以下、熱エージングのための実験的なステップが記述されることになる。
〜44mAhに定格されたコイン電池のフォームファクタ(2032)におけるLiBは、以下のステップによって試験された。
1.熱エージング:アービンバッテリサイクル試験機を用いて周辺温度で10mAの定電流(〜C/4レート)下で4.2Vまで充電する。60℃±1℃および70℃±1℃の保存温度において8週間までの時間に亘って設定されたオーブンにて4.2Vの初期充電状態で蓄熱する。4つの電池が各週の終わりにオーブンから出され、〜25°Cの周辺温度まで冷却するためにそのまま置かれた。電池は、その後、4.2Vまで充電され、再びアービンサイクル試験機を用いてC/4レートで2.75Vまで放電された(電池の容量損失が判定されたステップ)。
2.熱力学測定:測定は、過充電エージングのために以上に記述された測定と同一または同様であってもよい。
以下、60℃の熱エージングが記述されることになる。
図55は、60℃の熱エージングを受けたLiB電池の放電プロファイルを示す。
図56は、60℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。
図57は、エントロピプロファイル対OCPを示す。
図58は、60℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。
図59は、60℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。
図60は、60℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおけるエントロピ強度対週数を示す。
図61は、60℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおけるエンタルピ強度対週数を示す。
図62は、60℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおける3Dプロファイルを示す。
図63は、60℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおける2Dプロファイルを示す。
図64は、60℃でエージングされたLIB電池の3.94Vにおけるエントロピ強度対週数を示す。
図65は、60℃でエージングされたLIB電池の3.94Vにおけるエンタルピ強度対週数を示す。
図66は、60℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。
図67は、60℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。
以下、70℃の熱エージングが記述されることになる。
図68は、70℃の熱エージングを受けたLiB電池の放電プロファイルを示す。
図69は、70℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対SOCを示す。
図70は、70℃でエージングされたLIB電池のエントロピプロファイル対OCPを示す。
図71は、70℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対SOCを示す。
図72は、70℃でエージングされたLIB電池のエンタルピプロファイル対OCPを示す。
図73は、70℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおけるエントロピ強度対週数を示す。
図74は、70℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおけるエンタルピ強度対週数を示す。
図75は、70℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおける3Dプロファイルを示す。
図76は、70℃でエージングされたLIB電池の3.87Vにおける2Dプロファイルを示す。
図77は、70℃でエージングされたLIB電池の3.94Vにおけるエントロピ強度対週数を示す。
図78は、70℃でエージングされたLIB電池の3.94Vにおけるエンタルピ強度対週数を示す。
図79は、70℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。
図80は、70℃でエージングされたLIB電池の3.94VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。
以下、長サイクルエージングが記述されることになる。
以下、エージングのサイクル動作ための実験的なステップが記述されることになる。
〜44mAhに定格されたコイン電池のフォームファクタ(2032)におけるLiBは、以下のステップによって試験された。
1.エージングのサイクル動作:電池は、周辺温度において20mAの定電流(〜C/2)下で4.2Vまで充電された。放電は、アービンバッテリサイクル試験機を用いて2.75Vまで20mAの同一の電流で実行された。電池は、1000サイクルまでサイクル動作された。
2.熱力学測定:100サイクル毎に、電池は、その後、電気化学的熱力学測定システム(ETMS)に移送された(測定は、過充電エージングのために上述されたものと同一または同様ものであってもよい)。
図81は、100サイクル毎のLiB電池のための放電プロファイルを示す。
図82は、1000サイクルまでサイクル動作されたLIBのエントロピプロファイル対SOCを示す。
図83は、1000サイクルまでサイクル動作されたLIBのエントロピプロファイル対OCPを示す。
図84は、1000サイクルまでサイクル動作されたLIBのエンタルピプロファイル対SOCを示す。
図85は、1000サイクルまでサイクル動作されたLIBのエンタルピプロファイル対OCPを示す。
図86は、LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示しており、電池は様々なCOVを受けた。
図87は、LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示しており、電池は60℃の熱エージングを受けた。
図88は、LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示しており、電池は70℃の熱エージングを受けた。
図89は、LIB電池のOCPプロファイル対SOCを示しており、電池は長サイクルエージングを受けた。
図90は、サイクル動作されたLIB電池の3.87Vにおけるエントロピ強度対サイクル数を示す。
図91は、サイクル動作されたLIB電池の3.87Vにおけるエンタルピ強度対サイクル数を示す。
図92は、1000サイクルまでサイクル動作されたLIB電池の3.87VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。
図93は、1000サイクルまでサイクル動作されたLIB電池の3.87VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。
図94は、サイクル動作されたLIB電池の3.94Vにおけるエントロピ強度対サイクル数を示す。
図95は、サイクル動作されたLIB電池の3.94Vにおけるエンタルピ強度対サイクル数を示す。
図96は、1000サイクルまでサイクル動作されたLIB電池の3.94VのOCPにおける3Dプロファイルを示す。
図97は、1000サイクルまでサイクル動作されたLIB電池の3.94VのOCPにおける2Dプロファイルを示す。
様々な実施形態によれば、同一の容量損失を有するエージングされたバッテリ上のメモリ効果が判定され得る。
ここで、我々は、様々なエージングモード下(過充電、熱、およびサイクル動作)でのエージング中に同一量の容量損失を経験したバッテリの熱力学的特性を比較する。
我々は、同一の容量損失を有するバッテリがそれらのエージングモード中に様々な熱力学的特性を有する、ということを見出した。
したがって、様々な履歴をもつバッテリは、「バッテリメモリ」として解決された結果、それらに同一の容量損失がある場合でさえ、様々な熱力学的特性を有する。
図98は、5%の容量損失を有するバッテリのダイヤグラムを示す。
図99は、10%の容量損失を有するバッテリのダイヤグラムを示す。
図100は、15%の容量損失を有するバッテリのダイヤグラムを示す。
図101は、20%の容量損失を有するバッテリのダイヤグラムを示す。
図102は、25%の容量損失を有するバッテリのダイヤグラムを示す。
明細書を通じて、以下の表6に示すような専門用語が用いられ得る。


本発明が特定の実施形態を参照して特に示され記述されたが、形状および細部における様々な変更は、添付された特許請求の範囲によって規定されるような本発明の精神および範囲から逸脱せずに、その点においてなされてもよい、ということは当業者によって理解されるべきである。本発明の範囲は、したがって、添付された特許請求の範囲により示される、そのため、特許請求の範囲の等価の意図および範囲内で生ずる変更は、すべて包含されることを意図する。

Claims (8)

  1. バッテリを試験する方法であって、
    前記バッテリを、前記バッテリの陽極または前記バッテリの陰極のうちの少なくとも1つにおける相転移または材料変化のうちの少なくとも1つに関連付けられた所定の電圧にするステップと、
    前記バッテリの温度を所定値だけ変化させるステップと、
    前記所定の電圧、および前記所定値だけ変化された前記バッテリの温度において、前記バッテリのエントロピまたは前記バッテリのエンタルピのうちの少なくとも1つを備える前記バッテリのパラメータを判定するステップと、
    前記判定されたパラメータに基づいて前記バッテリのエージングモードを遡って評価するステップとを備え
    前記バッテリのエージングモードは、高電圧エージング、高温エージング、または長サイクルエージングのうちの少なくとも1つに関する情報を含む、方法。
  2. 所定の時間の間、前記バッテリに対して前記所定の電圧を印加するステップと、
    前記所定の時間の間、前記所定の電圧を印加した後に、前記パラメータを判定するステップと
    をさらに備える請求項1に記載の方法。
  3. 前記エージングモードを遡って評価するステップは、前記判定されたパラメータを参照パラメータと比較するステップを備える
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記参照パラメータは、所定のエージングモードを受けたバッテリのパラメータである
    請求項に記載の方法。
  5. バッテリを試験するように構成された装置であって、
    前記バッテリを、前記バッテリの陽極または前記バッテリの陰極のうちの少なくとも1つにおける相転移または材料変化のうちの少なくとも1つに関連付けられた所定の電圧にするように構成された電圧設定回路と、
    前記バッテリの温度を所定値だけ変化させて、前記所定の電圧、および前記所定値だけ変化された前記バッテリの温度において、前記バッテリのエントロピまたは前記バッテリのエンタルピのうちの少なくとも1つを備える前記バッテリのパラメータを判定するように構成されたパラメータ判定回路と、
    前記判定されたパラメータに基づいて前記バッテリのエージングモードを遡って評価するように構成された履歴判定回路とを備え
    前記バッテリのエージングモードは、高電圧エージング、高温エージング、または長サイクルエージングのうちの少なくとも1つに関する情報を含む、装置。
  6. 前記電圧設定回路は、所定の時間の間、前記バッテリに対して前記所定の電圧を印加するように構成され、
    前記パラメータ判定回路は、前記所定の時間の間、前記所定の電圧を印加した後に、前記パラメータを判定するように構成される
    請求項に記載の装置。
  7. 前記履歴判定回路は、前記判定されたパラメータを参照パラメータと比較することに基づいて前記エージングモードを遡って評価するように構成される
    請求項5または6に記載の装置。
  8. 前記参照パラメータは、所定のエージングモードを受けたバッテリのパラメータである
    請求項に記載の装置。
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