JP6350653B2 - 画像表示装置用両面粘着シートの製造方法 - Google Patents
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Description
また、タッチパネルでは、ガラスセンサーと共にプラスチックフィルムセンサーを用いたり、タッチパネル機能が表面保護パネルと一体化されたタッチオンレンズ(TOL)なる部材を用いたり、さらには、タッチパネル機能が画像表示パネルに一体化されたオンセルやインセルなる部材を用いたりされている。
そして、これら表面保護パネル、タッチパネル及び画像表示パネル(総称して、「画像表示装置用構成部材」ともいう)が組み合わされてタッチパネル方式の画像表示装置を構成している。
例えば、空隙を埋めるための樹脂材料として、液状接着剤、熱可塑性接着シート材、粘着シート材などが知られている。
液状接着剤の場合は、空隙に自由に流動して樹脂封止が可能であるが、視認開口面部内の面内厚さ精度を得にくいこと、紫外線照射して硬化する際に保護パネルの印刷裏部に紫外線が当たらず未硬化状態で電極や配線を汚染する問題があると共に未硬化の液状樹脂が画像表示装置の内部のプラスチック部材に経時的にアタックして溶剤クラックが生じることや、硬化部では硬化収縮による部材間の剥離が懸念される。
特許文献1及び2には、各画像表示装置用構成部材を貼合する粘着シートが掲載されている。
一方で、このような発泡・剥離の問題を解決するためには、両面粘着シートを比較的硬く、凝集力の高い設計とすることが考えられる。しかし、このような設計の場合、両面粘着シートは段差追従性に劣る結果となる可能性がある。
この際、ゲル分率が40%未満である粘着剤組成物を用いて粘着シートを作製した後、該粘着シートに前記被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状に賦形してもよいし、また、粘着シートを作製すると同時に前記賦形を行うようにしてもよい。
表面保護パネル2は、両面粘着シート1を被着する被着面2aに段差部2bを有している。
両面粘着シート1は、被着面2aに貼合する貼合面1aの面形状は、被着面2aの面形状と同一の面形状に賦形してなるものである。
段差部2bの高さは、限定するものではない。例えば視認開口面2cから1μm以上100μm以下に形成されていてもよい。中でも5μm以上或いは90μm以下に形成されているものが好ましい。
また、段差部2bは、本実施形態では一段状に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば二段状、三段状などの複数段状に形成されていてもよい。
段差部2bの表面2dは、本実施形態では平面状としてあるが、これに限定されるものではなく、例えば、傾斜状、湾曲凸状、湾曲凹状などの形状であってもよい。
特に画像表示装置によっては、段差部2bは各部材の電極やケーブルが配置されたり、また視認開口面2cではデザイン上コーナーR加工を施したりする際に形状が直線的ではなく曲線状となることもある。
内周面2dは、階段状、円弧状乃至湾曲状などに形成することもできる。
例えば、前記被着体の貼合面の凸部に対応して、該凸部と嵌合可能な凹部を両面粘着シートの貼合面に形成し、前記被着体の貼合面の凹部に対応して、該凹部と嵌合可能な凸部を両面粘着シートの貼合面に形成するのが好ましい。
但し、両面粘着シート1は、少なくとも一側面、すなわち表面保護パネル2の被着面2aに貼合する貼合面1aに、前記被着体の貼合面の凹凸形状の一部、すなわち被着面2aの面形状の一部と同一の面形状を賦形すればよく、必ずしも前記被着体の貼合面の凹凸形状の全部と同一の面形状を賦形しなくてもよい。
また、両面粘着シート1の最大厚さは、段差部2bの高さに対して1.0倍以上3.0倍以下であるのが好ましく、中でも1.1倍以上或いは2.0倍以下であるのがより好ましい。
切り欠き部6は、例えば、両面粘着シート1の一縁部の中央付近を矩形状に切り欠いて形成することができる。
また、図7に示すように、両面粘着シート1を凹ませた凹部8とすることもできる。
凹部8には、切り欠き部6と同様に電極端子7を納めることができる。切り欠き部6や凹部8は、トムソン刃による切断やプレス型枠によるプレスなどにより形成することができる。
両面粘着シート1の材料は、従来公知の粘着シート用材料を用いることができる。例えば、1)(メタ)アクリル酸エステル系重合体(共重合体を含む意で、以下「アクリル酸エステル系(共)重合体」と称する。)をベース樹脂として用い、これに架橋モノマー、必要に応じて架橋開始剤や反応触媒などを配合して、架橋反応させて形成したものや、2)ブタジエン又はイソプレン系共重合体をベース樹脂として用い、これに架橋モノマー、必要に応じて架橋開始剤や反応触媒などを配合して、架橋反応させて形成したものや、3)シリコーン系重合体をベース樹脂と用い、これに架橋モノマー、必要に応じて架橋開始剤や反応触媒などを配合して、架橋反応させて形成したものや、4)ポリウレタン系重合体をベース樹脂として用いたポリウレタン系粘着剤などを挙げることができる。
本発明において、粘着シートそのものの物性は本質的な問題ではないが、粘着性、透明性、及び耐候性などの観点から、上記1)のアクリル酸エステル系(共)重合体を好ましく用いることができる。
電気的特性、低屈折率などの性能が求められる場合は、上記2)のブタジエン又はイソプレン系共重合体を好ましく用いることができる。
耐熱性、広い温度域におけるゴム弾性などの性能が求められる場合は、上記3)のシリコーン系共重合体を好ましく用いることができる。
再剥離性等の性能が求められる場合は、上記4)のポリウレタン系重合体を好ましく用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体を形成するために用いる(メタ)アクリレート、即ち、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート成分としては、アルキル基がn−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ブチル、イソブチル、メチル、エチル、イソプロピルのうちのいずれか1つであるアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートの1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物であるのが好ましい。
その他の成分として、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基等の有機官能基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合させてもよい。具体的には、前記アルキル(メタ)アクリレート成分と有機官能基を有する(メタ)アクリレート成分とを適宜に選択的に組み合わせたモノマー成分を出発原料として加熱重合して(メタ)アクリル酸エステル系共重合体ポリマーを得ることができる。
中でも好ましくは、イソ−オクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートの1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物か、或いは、イソ−オクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等から少なくとも1種類以上と、アクリル酸とを共重合させたものを挙げることができる。
かかる粘着剤組成物を用いて粘着シートを作製すれば、室温状態でシート状を保持しつつ自着性を示すことができ、未架橋状態において加熱すると溶融乃至流動するホットメルト性を有し、さらには光硬化することができ、光硬化後は優れた凝集力を発揮する。
かかる粘着剤組成物を用いて粘着シートを作製しても、室温状態でシート状を保持しつつ自着性を示すことができ、未架橋状態において加熱すると溶融乃至流動するホットメルト性を有し、さらには光硬化することができ、光硬化後は優れた凝集力を発揮する。
この際、上記アクリル系共重合体の幹成分は、(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を含有する共重合体成分から構成されるのが好ましく、該幹成分を構成する共重合体のガラス転移温度は−70〜0℃であるのが好ましく、中でも−65℃以上或いは−5℃以下、その中でも−60℃以上或いは−10℃以下であるのが特に好ましい。
マクロモノマーとは、末端の重合性官能基と高分子量骨格成分とを有する高分子単量体である。
他方、上記アクリル系共重合体のマクロモノマーは、ガラス転移温度(Tg)が、上記アクリル系共重合体を構成する共重合体成分のガラス転移温度よりも高いことが好ましく、中でも30℃〜120℃であるのが好ましく、中でも40℃以上或いは110℃以下、その中でも50℃以上或いは100℃以下であるのがさらに好ましい。
また、前記マクロモノマーの高分子量骨格成分は、アクリル系重合体またはビニル系重合体から構成されるのが好ましい。例えば、ポリスチレン、スチレン及びアクリロニトリルの共重合体、ポリ(t−ブチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリビニルトルエン、ポリメチルメタクリレートなどを挙げることができる。
上記の多官能(メタ)アクリレートの例を挙げると、例えば1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどを挙げることができる。
架橋モノマーの含有量は、所望の物性が得られるよう他の要因と併せて調整すればよいが、一般的にはベースポリマー100質量部に対し0.01〜40.0質量部、好ましくは0.1〜30.0質量部、中でも0.5〜30.0質量部の割合の範囲内で調整するのがよい。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
開裂型光開始剤としては、例えばベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシアセトフェノンなどを挙げることができる。
他方、水素引抜型光開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、イソブチルチオキサンソンなどを挙げルことができる。
但し、前記に挙げた物質に限定するものではない。
光重合開始剤の添加量は、上記貯蔵せん断弾性率が所定範囲内に入るように調整すればよいが、一般的にはベースポリマー100質量部に対し0.05〜5.0質量部の割合の範囲内で調整するのがよく、水素引抜型と開裂型の各光重合開始剤を1:1の割合で併用するのが良い。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
ゲル分率の調整には、各種の方法を用いることができる。例えば熱架橋の場合、粘着シートを加熱することでゲル分率を高めることができる。この際、加熱の際又は加熱乾燥の際の温度や時間を変更することで、ゲル分率を調整することができる。
また、紫外線照射架橋の場合、粘着シートに紫外線を照射することでゲル分率を高めることができる。
例えば、紫外線照射量を変更することでゲル分率を調整することができる。この際、紫外線の照射量は、10000mJ/cm2以下とするのが好ましく、より好ましくは1500mJ/cm2以下であり、さらに好ましくは1000mJ/cm2以下である。
但し、シート状成形工程と賦形工程の順序は任意であるし、同時に行ってもよい。
上記粘着材組成物、好ましくはゲル分率が40%未満である粘着剤組成物を用いてシート状に成形することができる。
離型フィルムは、例えば、以下のように両面粘着シート1に積層することが好ましい。
ガイド部10は、各種のフィルム小片を所定の位置に設けることで、形成することができる。例えば、両面粘着シート1が離型フィルムにより挟まれた構成を有し、所定サイズに裁断された離型フィルム付両面粘着シートを作製した後、いずれか一方の離型フィルムを剥がして両面粘着シート1の一方の粘着面が露出した状態とし、両面粘着シート1の周縁部より外方に張り出した離型フィルムの所定位置(例えば、対向する縁部)にフィルム小片を設ける。
次に、離型フィルムを両面粘着シート1の露出した粘着面と貼り合わせることで、ガイド部10をもつ両面粘着シートを形成することができる。
またガイド部10は、一枚のフィルムからなる必要はなく、複数のフィルムからなる積層フィルムとしても良い。その際、積層するフィルムはすべて同じ形状である必要はなく、異なる形状のフィルム片を重ね合わせ、それぞれに特定の機能を付与することもできる。
また、ガイド部10は、少なくとも対向する縁部に設けることが好ましい。ガイド部10の高さは、特に限定するものではないが、両面粘着シート1の最大厚さに対して、0.5倍以上2.0倍以下にするのが好ましく、中でも1.0倍以上或いは1.5倍以下にするのがより好ましい。
前記無延伸フィルムは、中でもフィルムそのものの機械的強度、柔軟性、耐薬品性という観点で、無延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ポリエチレンフィルム、無延伸ポリエステルフィルムのうちのいずれかを用いるのがより好ましい。
両面粘着シート1は、例えば、粘着シートを、プレス型枠による賦形、金型を用いる賦形、ロールによる賦形、積層による賦形などで賦形加工して作製することができる。なかでも、プレス型枠による賦形が生産性、賦形加工の精度などの観点から好ましい。
この際、被着体の形状を模した型とは、被着体の貼合面の凹凸形状と嵌め合せることができる凹凸形状を、粘着シート1の貼合面1aに賦形、すなわち成型することができる型、言い換えれば、被着体の貼合面の凹凸形状と同一形状のキャビティを有する型を意味する。
また、離型フィルムをプレス型枠でプレスして賦形加工し、この離型フィルムに粘着剤組成物を塗布や流し込みなどをすることにより、賦形加工された両面粘着シート1を作製することができる。
a)離型フィルム越しにプレスする方法
両面に離型フィルムを積層した平坦な粘着シートの原シートを適宜スリットして、スリットした粘着シートを送り繰り出しながら、被着体の表面凹凸形状、すなわち被着面2aの面形状に沿ったプレス型枠を用いて、平坦な粘着シートを離型フィルム越しにホットプレスして表面賦形する。この際、被着面2aの面形状に沿ったプレス型枠を、両面粘着シートの少なくとも一側面に、離型フィルム越しに押し付けるようにすればよい。
なお、上記スリットとは、広幅のフィルムの巻物から、フィルムを巻き出しながら刃を入れ、狭幅のフィルムの巻物を作ることを意味する。
次工程で一面側の離型フィルムを剥がして、露出した粘着シートを賦形形状の外形に沿ってカットし、外形の外周の不要な粘着耳部をカス取りした後、外形カット寸法よりも広い新たな離型フィルムを貼り直す。
更に次の工程でハンドリング可能な形状に個片カットして、両面粘着シート1を作製する。
両面に離型フィルムを積層した平坦な粘着シートの原シートを適宜スリットして、スリットした粘着シートを送り繰り出しながら、一面側の離型フィルムを剥がして、被着体の表面凹凸形状、すなわち被着面2aの面形状に沿ったプレス型枠を用いて、平坦な粘着シートを直接ホットプレスして表面賦形する。この際、被着面2aの面形状に沿ったプレス型枠を、両面粘着シートの少なくとも一側面に、直接押し付けるようにすればよい。
次工程で一面側が露出している粘着シートを賦形形状の外形に沿ってカットし、外形の外周の不要な粘着耳部をカス取りした後、外形カット寸法よりも広い新たな離型フィルムを貼り直す。
更に次の工程でハンドリング可能な形状に個片カットして、両面粘着シート1を作製する。
またカット方法としては、例えば、トムソン刃、ロータリー刃によるカット方法を挙げることができる。
さらに、表面賦形と外形カットとを上記のように、別々のプロセスでやる方法もあるが、例えば、賦形用の金型とカット金型とを一体化した金型を用いれば、一工程で表面賦形と外形カットを行うこともできる。
予め被着体の表面凹凸形状、すなわち被着面2aの面形状と同一の面形状に賦形した離型フィルムを少なくとも一面側に配して、粘着剤組成物を塗布して表面賦形した粘着シートの原シートを製膜する。
次に、原シートの表面凹凸形状の巾に合わせて適宜スリットした後、スリットした粘着シートを次工程で一面側の離型フィルムを剥がし、露出した粘着シート面を外形に沿ってカットし、外形の外周の不要な粘着耳部をカス取りした後に、外形カット寸法より広い新たな離型フィルムを貼り直す。
更に次の工程でハンドリング可能な形状に個片カットして両面粘着シート1を作製する。
被着体の表面凹凸形状、すなわち被着面2aの面形状を模した金型に粘着剤組成物を塗布又は注入して、表面賦形された粘着シートを成形する。
金型が片面だけの場合は、粘着剤組成物を塗布又は注入した後、反対側に離型フィルムを貼り、その上からゴムロール等で密着させる。
粘着剤組成物を固化させた後、離型フィルムを引くことで、両面粘着シート1を金型から引き離す。
金型に塗布又は注入した際のはみだしを除去し、ガイド部10を必要に応じて設け、露出している粘着シートに離型フィルムを貼り合わせる。
更に次の工程でハンドリング可能な形状に個片カットして、両面粘着シート1を作製する。
金型が両面ある場合は、粘着剤組成物を固化させたのち、片方の金型を外し、替わりに離型フィルムを貼り、その上からゴムロール等で密着させる。
その後、離型フィルムを引くことで、粘着シートを金型から引き離す。
金型に塗布又は注入した際のはみだしを除去し、ガイド部10を必要に応じて設け、露出している粘着シートに離型フィルムを貼りあわせる。
更に次の工程でハンドリング可能な形状に個片カットして、両面粘着シート1を作製する。
平坦な離型フィルム2枚の間に粘着剤組成物を塗布した後に、少なくとも一面側に被着体の表面凹凸形状、すなわち被着面2aの面形状を模した賦形ロールを配して他面側のロールとの間に挟み込んで通過させて表面賦形して粘着シートの原シートを製膜することができる。
次に、原シートの表面凹凸形状の巾に合わせて適宜スリットした後、スリットした粘着シートを次工程で一面側の離型フィルムを剥がし、露出した粘着シートを賦形形状の外形に沿ってカットし、外形の外周の不要な粘着耳部をカス取りした後に、外形カット寸法より広い新たな離型フィルムを貼り直す。
更に次の工程でハンドリング可能な形状に個片カットして両面粘着シート1を作製する。
両面に離型フィルムを積層した平坦な粘着シートの原シートを適宜スリットして、それぞれ予め視認開口面2cの形状にカットした平坦な第1の粘着シートと、段差部2bの表面2dの形状にカットした大きさの異なる形状の平坦な第2の粘着シートを作製しておく。
その後、それぞれの一面側の離型フィルムを剥がして、露出した粘着面同士を貼り重ねて、所望の表面賦形を有する両面粘着シート1を作製する。
両面粘着シート1は、前記被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状を賦形した後、粘着シート1のゲル分率が40%以上となるように処理を行うのが好ましい。
この時、ゲル分率が50%以上となるように処理を行うのがより好ましく、60%以上となるように処理を行うのがさらに好ましい。
上記のように賦形した後、粘着シート1のゲル分率が40%以上となるように処理を行うことによって、粘着シート1の保管時の形状安定性が向上するほか、表面保護パネル、タッチパネル及び画像表示パネルなどと貼合した後の耐久性が向上するという効果を得ることができる。
例えば熱架橋の場合、粘着シートを加熱することでゲル分率を高めることができる。この際、加熱の際又は加熱乾燥の際の温度や時間を変更することで、ゲル分率を調整することができる。
また、紫外線照射架橋の場合、粘着シートに紫外線を照射することでゲル分率を高めることができる。
例えば、紫外線照射量を変更することでゲル分率を調整することができる。この際、紫外線の照射量は、100〜10000mJ/cm2が好ましく、より好ましくは250〜1500mJ/cm2であり、さらに好ましくは500〜1000mJ/cm2である。
ゲル分率が40%未満、特に20%未満である粘着剤組成物をシート状に成形してシート状粘着剤組成物とし、次にシート状粘着剤組成物の少なくとも一側面に、被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状を賦形し、次に、熱又は光によってシート状粘着剤組成物を硬化させて、シート状粘着剤組成物のゲル分率を40%以上、特に60%以上となるように処理するようにして、両面粘着シート1を製造する方法を好ましい実施形態の一例として挙げることができる。
2−エチルヘキシルアクリレート(ホモポリマーTg(2−エチルヘキシルアクリレートのみを重合してなるポリマーのガラス転移点):−70℃)、50重量部と、酢酸ビニル(ホモポリマーTg+32℃)45重量部と、アクリル酸(ホモポリマーTg+106℃)5重量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体A(Mn=65400、Mw=167000、Mw/Mn=2.56)を用意した。このアクリル酸エステル共重合体A1kgに、架橋剤として紫外線硬化樹脂プロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村工業株式会社「ATM−4PL」70gと、光重合開始剤として4−メチルベンゾフェノン15gとを混合して粘着剤樹脂組成物(A−1)を調製した。
(粘着シート1の作製)
上記で作製した粘着シート(S−0)から、延伸PETフィルム「E7006」を剥離し、粘着シート1とした。粘着シート1の物性評価結果は表1に示す。
(粘着シート2の作製)
上記で作製した粘着シート(S−0)に一方のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、波長365nmの積算光量が250mJになるように高圧水銀ランプにて紫外線を照射した。その後、延伸PETフィルム「E7006」を剥離し、粘着シート2を得た。粘着シート2の物性評価結果は表1に示す。
(粘着シート3の作製)
上記で作製した粘着シート(S−0)に一方のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、波長365nmの積算光量が500mJになるように高圧水銀ランプにて紫外線を照射した。その後、延伸PETフィルム「E7006」を剥離し、粘着シート3を得た。粘着シート3の物性評価結果は表1に示す。
(粘着シート4の作製)
上記で作製した粘着シート(S−0)に一方のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、波長365nmの積算光量が1000mJになるように高圧水銀ランプにて紫外線を照射した。その後、延伸PETフィルム「E7006」を剥離し、粘着シート4を得た。粘着シート4の物性評価結果は表1に示す。
(粘着シート5の作製)
上記で作製した粘着シート(S−0)に一方のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、波長365nmの積算光量が2000mJになるように高圧水銀ランプにて紫外線を照射した。その後、延伸PETフィルム「E7006」を剥離し、粘着シート5を得た。粘着シート5の物性評価結果は表1に示す。
(粘着シート6の作製)
上記で作製した粘着シート(S−0)に一方のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、波長365nmの積算光量が500mJになるように高圧水銀ランプにて紫外線を照射した。その後、延伸PETフィルム「E7006」を剥離し、シリコーンコート無延伸ポリプロピレンフィルム(無延伸CPPフィルム)(サントックス(株)製「サントックスRS02」)を代わりに貼合し、粘着シート6を得た。粘着シート6の物性評価結果は表2に示す。
(粘着シート7の作製)
上記で作製した粘着シート(S−0)に一方のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、波長365nmの積算光量が500mJになるように高圧水銀ランプにて紫外線を照射し、延伸PETフィルム「E7006」を剥離せず、粘着シート7を得た。粘着シート7の物性評価結果は表2に示す。
得られた粘着シート1〜7からすべての延伸PETフィルムまたは無延伸CPPフィルムを除去した後、裁断してそれぞれ約0.05gの粘着シート片を採取した。
採取した粘着シート片は、あらかじめ袋状にした質量(X)のSUSメッシュ(#200)に包み、袋の口を閉じてサンプルを作成して、当該サンプルの質量(Y)を測定した。前記サンプルは100mlの酢酸エチルに浸漬させた状態で23℃、24時間暗所保管したのち、前記サンプルを取り出して70℃で4.5時間加熱することで酢酸エチルを蒸発させ、乾燥させたサンプルの質量(Z)を測定した。測定したそれぞれの質量を下記式によって、ゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=[(Z―X)/(Y−X)]
図13で示すように粘着シート賦形処理に用いられる実際のプレス型の代替品として、以下の評価用賦形処理型を作製した。80mm×110mm×厚さ1cmのシリコーン樹脂の中心部に、40mm×70mm、深さ80μmのくぼみを形成することで、周辺部に幅20mmの枠を持つ、評価用賦形処理型を作製した。
○:凸部の基部や角は丸まっておらず、シャープな形状である。凸部を形成する直方体の稜線は直線状である。
△:凸部の基部や角はやや丸くなっている。凸部を形成する直方体の稜線は若干のうねりがあるものの、ほぼ直線状で実用上問題はない。
×:凸部の基部や角は丸まっている。凸部を形成する直方体の稜線はうねったり、ゆがんだりしており、直線状ではない。
図14で示すように被着面に段差部を有する画像表示装置構成部材の代替品として、以下の評価用ガラス基板を作製した。ガラス板(60mm×90mm×厚さ0.5mm)の周縁部に、幅10mm、厚み80μmの白色印刷(全光線透過率0%)を施すことで、周縁部に80μmの印刷段差、すなわち中心部に高さ80μmの凹部を有する評価用ガラス基板を作製した。
また、前記評価用ガラス基板に貼合する試験用被着体として、偏光板(日東電工株式会社製「NWF−KDSEGHC−ST22」)を用いた。前記偏光板は、ガラス板(60mm×90mm×厚さ0.5mm)の片面に全面貼合させたものを用いた。
○:印刷段差付近に粘着シートの浮きまたは剥離は発生しなかった。
×:印刷段差付近に粘着シートの浮きまたは剥離が発生した。
中でも、実施例1〜3のようにゲル分率がより低い粘着シートは、粘着剤を構成する分子鎖同士の結合が適切な範囲におさえられたため、プレス処理等で賦形処理をしたときの形状がそのまま保持された。
比較例1のようにゲル分率が高い粘着シートは、粘着剤を構成する分子鎖同士の結合が強く密なため、プレス処理等で賦形処理しても、粘着剤が賦形処理型の形状を形成できず、流動しなかった。よって、賦形処理型と同一の面形状の凸部が形成できず、段差追随性が劣った粘着シートとなった。
中でも、実施例5のように離型フィルムが無延伸フィルムであることによって、賦形処理型と同一の面形状の凸部をより正確に形成することができた。
1a 貼合面
1b 凸部
2 表面保護パネル
2a 被着面
2b 段差部
2c 視認開口面
2d 表面
2e 内周面
3 タッチパネル
3a 電極パターン
4 画像表示パネル
4a 段差部
5 ベゼル部材
6 切り欠き部
7 電極端子
8 凹部
9a〜9c 離型フィルム
10 ガイド部
11 表面保護パネル
12 タッチパネル
13 粘着シート材
14 印刷
15 視認開口面
16 空隙
21 評価用賦形処理型
22 粘着シート
23 ガラス板
24 白色印刷
25 粘着シート
26 偏光板
Claims (15)
- 表面保護パネル、タッチパネル及び画像表示パネルから選択されるいずれか2つの被着体を貼合するための両面粘着シートの製造方法であって、
貼合前の両面粘着シートは、ゲル分率が40%未満である粘着剤組成物を用い、前記被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状に賦形してあり、
両面粘着シートの片面又は両面に離型フィルムを備えた、離型フィルム付き画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。 - 前記粘着剤組成物が、光硬化型粘着剤組成物であることを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム付き画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。
- 前記被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状に賦形する方法として、被着体の形状を模した型を、両面粘着シートの少なくとも一側面に、直接押し付けて賦形することを特徴とする請求項1又は2に記載の離型フィルム付き画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。
- 前記被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状に賦形する方法として、被着体の形状を模した型を、両面粘着シートの少なくとも一側面に、離型フィルム越しに押し付けて賦形することを特徴とする請求項1又は2に記載の離型フィルム付き画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。
- 前記離型フィルムが無延伸フィルムであることを特徴とする請求項4に記載の離型フィルム付き画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。
- 前記離型フィルムが、無延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ポリエチレンフィルム及び無延伸ポリエステルフィルムのうちのいずれかであることを特徴とする請求項4又は5に記載の離型フィルム付き画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。
- 前記被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状を賦形した後、両面粘着シートのゲル分率が40%以上となるように処理を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の離型フィルム付き画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。
- 前記被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状を賦形した後、紫外線を照射することによって、両面粘着シートのゲル分率が40%以上となるように処理することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の離型フィルム付き画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。
- 表面保護パネル、タッチパネル及び画像表示パネルから選択されるいずれか2つの被着体を貼合するための両面粘着シートであって、
両面粘着シートは、ゲル分率が40%未満である粘着剤組成物を用いて形成され、かつ、前記被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状を有し、
両面粘着シートの片面又は両面に離型フィルムを有することを特徴とする、離型フィルム付き画像表示装置用両面粘着シート。 - 前記粘着剤組成物が、光硬化型粘着剤組成物であることを特徴とする請求項9に記載の離型フィルム付き画像表示装置用両面粘着シート。
- 表面保護パネル、タッチパネル及び画像表示パネルから選択されるいずれか2つの被着体を貼合するための両面粘着シートの製造方法であって、
貼合前の両面粘着シートは、ゲル分率が40%未満である粘着剤組成物を用い、
前記被着体の形状を模した型を、両面粘着シートの少なくとも一側面に、直接押し付けて、前記被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状に賦形することを特徴とする、画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。 - 表面保護パネル、タッチパネル及び画像表示パネルから選択されるいずれか2つの被着体を貼合するための両面粘着シートの製造方法であって、
貼合前の両面粘着シートは、ゲル分率が40%未満である粘着剤組成物を用い、
前記被着体の形状を模した型を、両面粘着シートの少なくとも一側面に、離型フィルム越しに押し付けて、前記被着体の貼合面の凹凸形状と同一の面形状に賦形することを特徴とする、画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。 - 前記離型フィルムが無延伸フィルムであることを特徴とする請求項12に記載の画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。
- 前記離型フィルムが、無延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ポリエチレンフィルム及び無延伸ポリエステルフィルムのうちのいずれかであることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。
- 前記粘着剤組成物が、光硬化型粘着剤組成物であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の画像表示装置用両面粘着シートの製造方法。
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